JP5011637B2 - 焼結に供するための鉱石の処理方法 - Google Patents

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本発明は焼結に供するための鉱石の処理方法に関し、特に高燐鉱石を焼結原料として用いる焼結に供するための鉱石の処理方法に関する。
近年、良質の塊状鉄鉱石が不足していることもあって、高炉に装入する鉄系原料として焼結鉱への依存が高まっている。その焼結鉱は、一般に、粉状鉄鉱石、返鉱等の鉄系原料(以下、焼結原料鉱石と呼ぶ)に、造滓剤としてSiO2や石灰石、及び、焼成のための熱源となる炭材等を添加した配合原料から製造される。すなわち、これらの配合原料に適量の水を加えて混合し、造粒した後、焼結機パレット上に装入し、空気を下向きに流通させながら炭材を燃焼させることにより、配合原料の少なくとも一部を溶融させ、さらに冷却固化させた後に、破砕することで焼結鉱を製造する。
最近では、焼結鉱の原料となる鉄鉱石の枯渇化もあって、従来までは使用されなかったP成分が0.1質量%を超える高燐鉱石を使用する試みがなされている。
なお、この高燐鉱石を使用した例としては、他に特許文献1に示されるように、塊鉱石として使用した例がある。
特開2000−144219号公報
しかしながら、高燐鉱石は高燐であるという難点のほかに、焼結原料として使用した場合には、焼結生産性が著しく悪化するという問題があった。このため、今まで高燐鉱石は焼結原料として多量に使用されることはなかった。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、高燐鉱石を原料として用いた場合にも焼結生産性の悪化を抑制することができる焼結に供するための鉱石の処理方法を提供することを課題とする。
上記問題を解決するために、本発明の請求項1による焼結に供するための鉱石の処理方法は、P成分が0.1質量%を超える高燐鉱石を焼結原料鉱石に配合して用いる焼結に供するための鉱石の処理方法であって、前記高燐鉱石の整粒時における破砕時の破砕粒径や篩分け時の篩目の大きさを調節することにより、前記高燐鉱石のトップサイズを9mm以上とし、これにより、前記高燐鉱石全体の質量に対する、その高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部の割合を29質量%以下としたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2による焼結に供するための鉱石の処理方法は、P成分が0.1質量%を超える高燐鉱石を焼結原料鉱石に配合して用いる焼結に供するための鉱石の処理方法であって、前記高燐鉱石の整粒時における破砕時の破砕粒径や篩分け時の篩目の大きさを調節することにより、前記高燐鉱石のトップサイズを9mm以上とし、これにより、前記高燐鉱石全体の質量に対する、その高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部の割合を29質量%以下とし、さらに、SiO 系原料を添加して、前記高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部における、Al の含有量に対するSiO の含有量の比であるAl /SiO の値を0.6以下としたことを特徴とする。
本発明者らは、後述するように、高燐鉱石中に多量に含まれる微粉と、この微粉部に含まれる高濃度のAl23が、焼結時の通気性を悪化させ、焼結生産性悪化の要因となっているとの考察を基に、微粉部あるいは微粉部に含まれるAl23の量を低減することで高燐鉱石を用いた場合の焼結生産性の悪化を抑制又は解消できることを見出した。そのために、本発明者においては、前記焼結生産性悪化の要因となっている高燐鉱石中に多量に含まれる、微粉部あるいは微粉部の高濃度のAl23を、前記高燐鉱石全体の質量に対して所定の範囲に制限することにより、高燐鉱石を用いた場合の焼結生産性の悪化を抑制又は解消する。
記本発明の請求項1及び2においては、前記高燐鉱石全体の質量に対して、0.25mm以下の微粉部の割合が29質量%以下であると焼結生産率が改善されるため、0.25mm以下の微粉部の含有率が29質量%以下と規定した。なお、28質量%以下であるとより好ましく、さらに25質量%以下であると高燐鉱石使用による悪影響が解消されるので好ましい。
求項1又は2において、高燐鉱石の整粒時における破砕時の破砕粒径や篩分け時の篩目の大きさを調節することにより、前記高燐鉱石のトップサイズを9mm以上とする
すなわち、高燐鉱石のトップサイズを上昇させ、焼結原料として粗粒部分を増加させた高燐鉱石を用いることにより、微粉部あるいは微粉部に含まれるAlの量を相対的に低減することで、高燐鉱石を用いた場合の悪化を抑制又は解消を図る。
造粒過程で粗粒部分に付着し擬似粒子化された時、粗粒の核粒子に付着する0.25mm以下の微粉部も少ないので、0.25mm以下の微粉部および微粉部のAl23含有率も低い。従って、このような高燐鉱石を用いることで焼結生産性の低下を防止できる。
ここで、トップサイズとは、高燐鉱石の飾分けにおいて10質量%以上の粒子が残留する最大の粒度区分の大きさを意味し、例えば、トップサイズが9mmの高燐鉱石とは、粒度区分が+9mm(9mmを超える)の粒子を少なくとも10質量%含有する高燐鉱石を意味する。
なお、鉱石採掘においては、所定粒度で破砕した後の、篩い目9mmを通過した鉱石群をトップサイズ9mmと呼称する。破砕された鉱石形状によって、9mmを超えるものでも篩い目を通過するため、上述したように9mmを超える粒子が10質量%含有される
高燐鉱石は微粉部におけるAl含有率が高いので、SiOを添加することにより、焼結生産性の低下、還元粉化性の悪化等の高Al含有による悪影響を低減できる
焼結原料用鉱石として高燐鉱石を使用する際に、高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部の割合及び/又は微粉部に濃縮されているAl23含有量割合を調整することにより、焼結への使用の際の問題解決を可能とする。さらに前記含有割合の調整は、トップサイズを調整することにより、相対的に効率良く実現された焼結鉱製造用の焼結原料用鉱石となって、焼結鉱製造時の悪影響を抑止することができる。
本発明の焼結に供するための鉱石の処理方法によれば、高燐鉱石を焼結鉱石原料に用いた際の焼結鉱品質の低下ならびに焼結生産率の低下を防止できる。
以下、図面を参照して本発明の成立過程から詳細に説明する。
高燐鉱石は、その例を後述の表に示すように、P濃度が他の鉱石の2〜3倍を有し(後述の表2)、算術平均径が、1.86mmとマラマンバ鉱石並に細粒が特徴で(後述の表3)、0.25mm以下が33%程度である。
表2は、トップサイズ6.3mm例であり、このトップサイズ粒径が業界の通例であった。
高燐鉱石は前述したように、高燐であるという難点のほかに、焼結原料として使用した場合には、焼結生産性が著しく悪化するという問題があった。このため、今まで高燐鉱石は焼結原料として多量に使用されることはなかった。
そこで、本発明者らは、焼結原料として使用した場合には、焼結生産性が著しく悪化する点を解明するため、高燐鉱石の詳細な調査を行った。
そして、高燐鉱石は、後述の表にて示すように、前述した0.25mm以下の微粉部が33%程度の他(後述の表3)、0.25mm以下の微粉部においては、他の鉱石と比較して微粉部のAl23が増加し、絶対値とともにAl23/SiO2が高いことが特徴であった(後述の表4)。
本発明者らは、前記、高燐鉱石中に多量に含まれる微粉と、この微粉部に含まれる高濃度のAl23が、焼結時の通気性を悪化させ、焼結生産性悪化の要因となっているとの考察を基に、微粉部あるいは微粉部に含まれるAl23の量を低減することで高燐鉱石を用いた場合の焼結生産性の悪化を抑制又は解消できることを見出したものである。
まず本発明者らは、高燐鉱石を用いた場合に焼結生産率の悪化をもたらす要因を調査した。トップサイズが6.3mmの高燐鉱石を焼結原料鉱石に30質量%,60質量%と配合して行った焼結鍋試験の結果を図1に示す。なお、この試験では以下の表1に示すような焼結配合原料を用いた。
Figure 0005011637
図1に示すように、高燐鉱石の配合量の増加に伴って、比重が軽く粗粒のリモナイト鉱石Cと振り替えたため装入嵩密度は増加し(同図(a))、擬似粒径が低下し(同図(c))、焼結中の風速(通気性)が低下し(同図(b))、焼結時間が延長した(同図(d))。さらに、歩留は向上したものの焼結時間が延長したため、比較的劣質なリモナイト鉱石と振り替えたにもかかわらず焼結生産率が低下した(同図(g))。また、高燐鉱石の配合量の増加に伴って、被還元性はそれほど変化しないものの(同図(f))、還元粉化性が悪化した(同図(h))。
以上が高燐鉱石の焼結操業での使用結果である。
この結果に基づき、本発明者らは、焼結中の通気性の悪化の要因について調査するため、焼結中の通気性の変化を観測した。図2には、高燐鉱石を焼結原料鉱石中に60質量%配合した場合及び高燐鉱石を配合しない場合の通気性変化を示す。この結果、高燐鉱石を配合した場合には、高燐鉱石を配合しない場合に比べて、焼結時間が延長し(同図(a))、通気性が悪化していることが確認された(同図(b)丸囲み部分)。さらに、通気性(ガス風速)の変化に着目すると、高燐鉱石を配合した場合には、焼結前半及び焼結後半のどちらにおいても通気性は悪化しているものの、主に湿潤帯での通気抵抗が支配的な焼結前半においては通気性悪化の程度は小さく、主に溶融帯での通気抵抗が支配的な焼結後半で顕著な悪化が見られた。
つまり、高燐鉱石は細粒であるため、造粒粒子径が低下し、これが焼結前半での通気性の悪化をもたらしたものと考えられる。しかしながら、焼結前半での通気性悪化による影響は小さく、主には、高燐鉱石が溶融している状態での通気性の悪化が生産性に悪影響を及ぼしていると推察される。
次に、焼結中の排ガス組成変化の観測結果を図3に示す。同図に示すように、高燐鉱石を焼結配合原料に60質量%配合した場合は、配合しない場合に比べて、排ガス中のCO濃度が上昇し、CO2濃度が低下した。これより、高燐鉱石を配合した場合には、コークスの燃焼が阻害されたものと考えられる。稲角らによれば、流動する融液はコークス燃焼により発生する気体により迂回することが確認されており、融液の流動性が悪化するとコークスが融液に包まれて燃焼する比率が高まると報告されている(鉄と鋼、V Ol.78(1992)、P.1053)。このことから、高燐鉱石を焼結原料鉱石に配合すると、融液の流動性が悪化するものと推察される。
さらに、この融液の流動性悪化をもたらす要因について、本発明者らは高燐鉱石がAl23を多く含有し、またAl23含有量/SiO2含有量の値が高い点に着目した。以下、表2〜表5に高燐鉱石と他の鉱石の組成の相違を示す。
Figure 0005011637
Figure 0005011637
Figure 0005011637
Figure 0005011637
なお、表2〜表5中、A鉱石は南米へマタイと鉱石、B鉱石は豪州へマタイト鉱石、D鉱石はインド鉱石、E鉱石はマラマンバ鉱石を示す。
上述したように高燐鉱石は、リンを他の鉱石の約2〜3倍含有し(表2)、0.25mm以下の微粉部が高燐鉱石全体の33質量%と他の鉱石に比べて多く、算術平均が1.86mmとマラマンバ鉱石並に細粒であることが特徴である(表3)。
さらに、表4に示すように、高燐鉱石は、他の鉱石と比較して、高燐鉱石全体と0.25mm以下の微粉部とでAl23の含有率が大きくで異なっており、微粉部では、Al23含有率の絶対値とともにAl23/siO2(Al23の含有量/siO2の含有量)の値も高いことが特徴である。表5には、湿潤熱、見掛け比重、0.5mm以下の気孔量及び比表面積の各値を示すが、高燐鉱石は比較的濡れ性が良いものの、気孔構造の観点からはそれほど特異な性質は認められなかった。
上述の結果から本発明者らは、微粉部が多く、その微粉部でのAl23含有率及びAl23/siO2が高いという高燐鉱石の特徴的な性質が融液の流動性の悪化の要因となっていると推察し、Al23が融液の流動性に与える影響を調査した。
まず、融液の粘度を図4に示す粘度測定装置を用いて測定した。この測定では、球引き上げ法を採用し、融液中の球Bを引き上げる際の天秤指示針Nの移動速度をもとに、粘度を算出した。測定は、CaOを20質量%、Fe2O3を80質量%含有する融液に、Al23試薬をそれぞれ1,2,6,8,10質量%添加して行った。その結果、図5に示すようにAl23含有量の増加に従って、融液粘度が上昇することが確認された。
次に、図6に示す装置を用いて融液の浸透速度を測定し、融液粘度の上昇と浸透速度との関係を調べた。この測定では、ガラスビーズ(直径5mm)の充填したシリンダー(内径45mm、高さ320mm)に、シリンダー上方に設置したストッパー付きの漏斗(筒上端部の内径3mm)から融液を滴下し、この充填層に浸透する融液を観測することで、浸透速度を算出した。図7に示す結果より、融液粘度の上昇に従って、融液の浸透速度は低下することが確認された。
したがって、この融液の浸透速度の低下が、焼結ケーキ中の気孔の成長を阻害し、ひいては、熱間での通気性やコークスの燃焼の悪化につながるものと考えられる。以上の結果から、次のことが解明した。すなわち、高燐鉱石の配合率を増加させた場合には、微粉部全体のAl23含有量が増加し、焼結過程においては、表面積が大きい微粉部から優先的に溶融するものと考えられるため、融液はAl23が高濃度となって、融液粘度が増加するとともに融液の浸透速度が低下する。これにより、焼結過程における空気の流路である気孔の成長が阻害され、焼結擬似粒子間の間隙が融液によって埋められることで、焼結中の通気性が低下して焼結時間が延長し、焼結鉱の生産性が低下することになる。
また、さらに詳細に分析を行うと、微粉部に含まれているAl23により、下記障害を発生していることが判明した。
図8は、各微粉領域で含有されるAl23量による示差熱分析結果を示したものである。示差熱は、粒度区分が異なるためAl23含有量が種々の値である各高燐鉱石について、CaOを10質量%及びSiO2を5.0質量%配合し、サンプル粒度を44μm、基準物質をAl23、昇温速度を50℃/minとして行った。この結果、Al23の高濃度領域となる、高燐鉱石の微粉部では、カルシウムフェライトの分解溶融に起因すると思われる1200℃以上での大きな吸熱反応を有し、融液が生じた後吸熱反応が生じ、焼結過程における融液の流動性の悪化や空気の流路となる気孔の成長阻害を引き起こしているものと考えられ、焼結中の通気性が低下して焼結時間が延長し、焼結鉱の生産性が低下することになったと推察された。
そのために、本発明においては、前記焼結生産性悪化の要因となっている高燐鉱石中に多量に含まれる、微粉部あるいは微粉部の高濃度のAl23を、前記高燐鉱石全体の質量に対して所定の2.2質量%以下の範囲に制限することにより、高燐鉱石を用いた場合の焼結生産性の悪化を抑制又は解消する。
図9は、整粒時の調節により、高燐鉱石全体に対する0.25mm以下の微粉部の含有率が種々の高燐鉱石を得て、本発明にかかる高燐鉱石の0.25mm以下の微粉割合、微粉中Al23含有量ならびにAl23/SiO2を変化させた時のシャッター強度、焼結生産性との関係を示すグラフである。高燐鉱石の0.25mm以下の微粉部の含有率と、その微粉部のAl23の含有率の関係を図9に示す。同図に示すように、0.25mm以下の微粉部の含有率が低下するのに従い、0.25mm以下の微粉部のAl23の含有率も低下している。
そして、高燐鉱石全体の質量に対する、その0.25mm以下の微粉部に含まれるAl23の量を2.2質量%以下とした時(図9(a))、あるいは、前記高燐鉱石全体の質量に対する、その0.25mm以下の微粉部の割合を29質量%以下とした時(図9(d))、シャッター強度、焼結生産率ともに上昇する。このため、本発明では、0.25mm以下の微粉部におけるAl23の含有率を高燐鉱石全体の質量に対し、2.2質量%以下とした。あるいは0.25mm以下の微粉部の割合を高燐鉱石全体の質量に対し、29質量%以下とした。
なお、高燐鉱石全体の質量に対する、その0.25mm以下の微粉部に含まれるAl23の量の割合がさらに1.5質量%以下であれば、高燐鉱石の使用による焼結生産率悪化が解消されるので好ましい。
同様に高燐鉱石全体の質量に対する、その0.25mm以下の微粉部の割合が25%質量%以下であれば、高燐鉱石の使用による焼結生産率悪化が解消されるので好ましい。
また、高Al23による融液の流動性悪化の障害は、SiO2を添加して、Al23/SiO2を制御することで改良を図ることができる。本発明においては、Al23/SiO2を0.6以下とすることによって融液の流動性を改善することができ、シャッター強度、焼結生産率ともに上昇する(図9(b))。このために本発明では、SiO2系原料を添加して0.25mm以下の微粉部に含まれるAl23/SiO2を0.6以下とすることにした。
さらに本発明では、0.25mm以下の微粉部におけるAl23の含有率を高燐鉱石全体の質量に対し、2.2質量%以下とする、あるいは0.25mm以下の微粉部の割合を高燐鉱石全体の質量に対し、29質量%以下とすることに加え、SiO2系原料を添加して0.25mm以下の微粉部に含まれるAl2O3/SiO2を0.6以下とすることを併用してより焼結操業の悪影響を改善してもよい。
また、添加するSiO2系原料としては、珪石、Niスラグ、蛇紋岩等の粉が使用できる。なお、融液の流動性確保のため、Al23/SiO2は0.3以上、好ましくは0.4以上とする。この範囲であれば二次ヘマタイトの生成が抑止され、得られる焼結鉱の還元粉化率の悪化もない。
前記、0.25mm以下の微粉部、微粉部に含まれるAl23は、微粉部を篩などで除去することで高燐鉱石全体の質量に対する含有割合を調整することが可能である。しかるに微粉部までを造粒により擬似粒子として取り込み活用する焼結操業では、篩による微粉部の除去は、コスト上昇ならびに資源の有効利用にならないことになる。
そこで、本発明においては、0.25mm以下の微粉部に含まれるAlの量を2.2質量%以下、あるいは、前記高燐鉱石全体の質量に対する、その0.25mm以下の微粉部の割合を29質量%以下にするに際して、焼結鉱の製造に供する高燐鉱石のトップサイズ粒径を上昇させ、粒径の粗い部分を増加させることにより、前記微粉部及び/又は微粉部に含まれるAlの量の相対的な量を低下させて調整を行う。高燐鉱石を造粒するとき、トップサイズ粒径上昇に伴う粗粒部分の増加により、粗い核粒子部分に小さな粒子および微粉が付着形成される疑似粒子化過程では、相対的に粗い粒子に対する微粉の割合が低下することになり、これが高燐鉱石を焼結に使用する際の障害が解消できる所以であり、かつ、焼結に供する高燐鉱石を微粉部を含め無駄なく全て利用することができることにつながる。
以下実施例を示す。
本実施例では、採掘後の高燐鉱石の整粒過程で、破砕時の破砕粒径や飾分け時の節目の大きさ等を調整することで、下記表6に示すような粒度分布の各高燐鉱石を得た。
Figure 0005011637
この結果表6に示すように、トップサイズ9.0mmの高燐鉱石は、0.25mm以下の微粉部が27質量%、トップサイズ6.3mmの高燐鉱石は、0.25mm以下の微粉部が34質量%であり、トップサイズが大きいと、すなわち破砕粒径等を大きくすることで、微粉部の量を低減できることが確認された。
次に、表6に示す粒度分布の各高燐鉱石を用いて焼結鉱の製造を行った。発明例1では、トップサイズ9.0mmの高燐鉱石を焼結原料鉱石中に60質量%配合した。また、発明例2では、トップサイズ9.0mmの高燐鉱石を焼結原料鉱石中に60質量%配合するとともに、焼結原料にSiO2系原料(珪石)を配合することで0.3質量%のSiO2を添加した。一方、比較例では、トップサイズ6.3mmの高燐鉱石を焼結原料鉱石中に60質量%配合した。
この結果、図10に示すように、発明例1及び発明例2では、比較例と比べ、焼結中の通気性が改善し(同図(b))、焼結時間も短縮し(同図(d))、焼結生産率が向上した(同図(g))。また、被還元性が向上し(同図(f))、還元粉化性が改善した。このことから、高燐鉱石のトップサイズを大きくし、又は、微粉部の含まれる割合を相対的に低減することで、焼結生産性や還元粉化性等を改善できることが確認された。また、還元粉化性は、発明例1よりもSiO2を添加した発明例2の方が改善の効果が大きく、Al23/SiO2の値を低減した効果が確認された(同図(h))。
次に、高燐鉱石のみ使用した焼結鍋試験結果を示す。表6に示した、トップサイズ6.3mmの従来の高燐鉱石を比較例、トップサイズが8.0mmの高燐鉱石を他の比較例、トップサイズを9mmとした本発明になる高燐鉱石を発明例として各2回の試験結果で示した。
この結果、図11に示すように、発明例では、2種の比較例と比べ、鍋中平均風速は向上し(同図(a)、歩留りも向上した(同図(b))。擬似粒子径も増加し(同図(c))、さらに焼結時間、生産率ともに向上しており((同図(d)(e))還元粉化性も向上した(同図(f))。なお、高出銑比高炉操業を行う時焼結鉱の還元粉化率は約30%以下が要求されるがトップサイズ9.0mmでは、いずれも良好な結果となり、本発明の有効性が確認された。なお、P成分が0.1質量%を超える高燐鉱石であって、その高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部に含まれるAl23含有量の割合を2.2質量%以下としたことを特徴とする焼結原料用鉱石、P成分が0.1質量%を超える高燐鉱石であって、その高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部の割合を29質量%以下としたことを特徴とする焼結原料用鉱石、P成分が0.1質量%を超える高燐鉱石であって、その高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部における、Al23の含有量に対するSiO2の含有量の比であるAl23/SiO2を0.6以下としたことを特徴とする焼結原料用鉱石のみを使用した焼結鍋試験結果も同様な結果となった。
トップサイズが6.3mmの高燐鉱石を焼結原料に用いた場合の焼結鍋試験の結果を示すグラフである。 高燐鉱石を60質量%配合した場合及び高燐鉱石を配合しない場合の通気性変化を示すグラフである。 焼結中の排ガス組成の変化の観測結果を示すグラフである。 粘度測定の様子を示す図である。 Al23含有量と融液粘度の関係を示すグラフである。 融液の浸透速度測定の様子を説明する図である。 融液粘度と浸透速度の関係を示すグラフである。 微粉部に含有されるAl23濃度ごとの示差熱析の結果を示すグラフである。 本発明にかかる高燐鉱石の0.25mm以下の微粉部の含有率と、Al23含有率、Al23/SiO2、焼結鉱のシャッター強度、焼結生産率との関係を示すグラフである。 実施例の焼結鍋試験の結果を示すグラフである。 高燐鉱石単味を用いた焼結鍋試験結果を示すグラフである。
符号の説明
B 球
N 天秤指示針

Claims (2)

  1. P成分が0.1質量%を超える高燐鉱石を焼結原料鉱石に配合して用いる焼結に供するための鉱石の処理方法であって、前記高燐鉱石の整粒時における破砕時の破砕粒径や篩分け時の篩目の大きさを調節することにより、前記高燐鉱石のトップサイズを9mm以上とし、これにより、前記高燐鉱石全体の質量に対する、その高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部の割合を29質量%以下としたことを特徴とする焼結に供するための鉱石の処理方法。
  2. P成分が0.1質量%を超える高燐鉱石を焼結原料鉱石に配合して用いる焼結に供するための鉱石の処理方法であって、前記高燐鉱石の整粒時における破砕時の破砕粒径や篩分け時の篩目の大きさを調節することにより、前記高燐鉱石のトップサイズを9mm以上とし、これにより、前記高燐鉱石全体の質量に対する、その高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部の割合を29質量%以下とし、さらに、SiO 系原料を添加して、前記高燐鉱石中の0.25mm以下の微粉部における、Al の含有量に対するSiO の含有量の比であるAl /SiO の値を0.6以下としたことを特徴とする焼結に供するための鉱石の処理方法。
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