JP2006103107A - 平版印刷用原版 - Google Patents

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知哉 寺内
Yuji Inatomi
裕司 稲冨
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宏嘉 栗原
Takayuki Sanada
隆幸 眞田
Koji Takano
弘二 高野
Tetsuhiro Koide
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Abstract

【課題】 印刷時に非画線部にインクが付着した際にも、インク汚れが速やかに解消される、主として樹脂からなる親水層を有する印刷版およびその印刷版に用いられる感光性樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】 基板上に直接又は他の層を介して形成された親水層を有し、該親水層が有機化合物からなり、かつ、該親水層表面が有機化合物により形成された微細で連続的な凹凸構造を有しており、任意に選択した親水層表面を直線で走査させ50nm〜1000nmの高低差を有する凸部を有効凸部としてカウントした際に、該凸部が0.4〜4μmの周期で存在し、該有機化合物親水層が印刷時に非画線部として機能することを特徴とする平版印刷用原版。
【選択図】 なし

Description

本発明は印刷用原版、特に湿し水を用いる平版印刷用原版に関するものであり、さらに詳しくは、印刷時に非画線部として機能する、有機化合物からなる親水層を有する平版印刷用原版に関するものである。
平版印刷版とは平版印刷に用いられる印刷版であり、印刷版の表面はインクを付着する画線部と、インクを付着せずに反発する非画線部とからなっている。通常、非画線部は水を吸着し保持する表面になっており、実際の印刷ではまず非画線部に水を与えることにより非画線部がインクを反発するようになる。したがって、平版印刷版において、非画線部は親水性材料からなっており、この親水性材料の特性は平版印刷版の性能を大きく左右する。
平版印刷版として最も普及している印刷版は通常PS版と呼ばれており、親水性材料として、表面を砂目立てした陽極酸化アルミニウム板を用い、この基盤の上に、インク付着性の感光性材料からなる層が形成されている。このPS版は、画像に従い露光を行った後に、画線部以外の感光層材料を除去し、下地の親水性アルミニウム表面を露出させることにより、印刷版上に画線部と非画線部からなる画像を形成させ、印刷に供する。
露光後に感光層を除去するプロセスは現像と呼ばれるが、通常アルカリ性の溶液や、有機溶媒が用いられるので、現像液の廃液の処分が印刷操作における大きな負担となる。特に近年では、環境問題への意識の高まりと共に、環境に完全に無害な状態で廃液を処理することが要求されている。また、現像には専用の装置が必要であり、この装置導入による高コスト化や、充分な作業スペース確保の必要性等の問題もあり、現像を必要としない印刷版が求められている。
一方で、親水性材料である陽極酸化アルミニウムは平版の親水性材料として実用上優れており、この為、広く使用されている。現像工程を不要化する為の一つの手段として、陽極酸化アルミニウムと同等以上の印刷適正を有し、安価で簡易に製造できる有機化合物を非画線部として用いた印刷版が種々検討されている。
非画線部が有機化合物親水層で形成された版として、具体的には、例えば、特許文献1(特開平8−282142号公報)に、非画線部が親水性膨潤層からなる版が開示されている。なお、この版は、親水性膨潤層を成膜してから感光性物質をこの親水性膨潤層に吸収させて感光性を持たせている。そして、画像部は、露光により親水性膨潤層中の感光性物質が反応して親水性を失う。この方式においては、非画像部に不要な感光性物質が残っているため、露光後に非画像部の感光性物質を洗い流すリンス処理の工程を必要とするが、上記のPS版で必要とされる現像工程は不要となる。
また、特許文献2(特開平7−1850号公報)には、熱により画像部に転換するマイクロカプセル化された親油性成分と親水性バインダーポリマーと光反応開始剤とを含有する版が開示されている。また、本出願人は、親水性ポリマー、架橋剤及び光吸収剤からなる感光性樹脂組成物、あるいは親水性ポリマー、架橋剤、光吸収剤及び疎水性ポリマーからなる感光性樹脂組成物を架橋した親水性樹脂感光層からなり、平版印刷用の版を特許文献3(国際公開第01/083234号)に開示している。これらの版は、光の照射により表面が親水性から親インク性に変化する性質を有しており、露光後の現像操作や拭き取り操作が不要な、所謂完全無現像版である。
上記の親水性樹脂感光層、即ち有機化合物親水層からなる非画線部はいずれも、その親水性において更に改善されることが望まれていた。特に有機化合物で構成された非画線部の特徴として、水に対して充分な濡れ性を有する非画線部であっても、有機化合物で構成されていることに由来し、同じく有機化合物であるインクとの接着性も上昇してしまいがちである為、特に、一度印刷版面上に付着したインクが取れ難く、この為適切な印刷物を得ることが困難である場合が往々にして発生しがちであった。
一方、特許文献4(特開2003−326866号公報)や、特許文献5(特開2003−231374号公報)等には、基盤の上に設けた親水層において、親水層に凹凸を形成することで、親水層の親水性を良化させる技術も開示されている。
特許文献4(特開2003−326866号公報)は、珪酸化合物を主成分とする親水層において、平均粒径が0.001〜0.1μmの親水性樹脂粒子を含有し、かつ、下地層等に付与した凹凸により、親水性層に適度の粗面を形成させた親水性層を設けることで、耐刷性、耐汚れ性などの印刷性能の向上を検討しているものである。しかしながら、この方法は珪酸化合物を多く用いていることに由来し、画像形成層と親水層との密着性が十分とならない場合が発生することがある。また、該親水層自体は親水性から親インク性に変化する性質を有し得ない。該公報では、該親水層の上に画像形成層を設け、露光操作を行った後に、印刷機中で露光後の不要部を湿し水により除去または、印刷機中の圧胴やブランケット胴との接触により機械的に除去する、所謂機上現像方式を用いることとなる。しかし機上現像方式の場合、露光後の不要成分により、湿し水やインクを汚染するだけでなく、版の湿度管理に厳しさが要求されると言う欠点を有する。
また特許文献5(特開2003−231374号公報)は、基板上に親水性層を有する印刷版材料において、該親水性層の中心線平均粗さRaが150nm以上、1000nm未満であり、表面について規定している印刷版材料が開示されている。しかしながら、該公報に開示されている印刷版の表面は、凹部の深さが比較的深いため、該凹部にインク汚れが溜まってしまい、印刷物を汚してしまうことがあり、未だ改良の余地が残されていた。また、該親水層は、コロイダルシリカ等の無機微粒子を主成分としている為、特許文献4と同様に、有機化合物で形成される画像形成部または画像形成層との密着性が十分とならない場合が発生することがある。さらに、該親水層もやはり、無機微粒子を主成分としている為、それ自体は親水性から親インク性に変化する性質を有し得ない。
特開平8−282142号公報 特開平7−1850号公報 国際公開第01/083234号 特開2003−326866号公報 特開2003−231374号公報
現像工程を不要化する為の一つの手段として、陽極酸化アルミニウムと同等以上の印刷適正を有し、安価で簡易に製造できる有機化合物を用いた印刷版用親水性材料が種々検討されているが、インクと同じく有機化合物で構成された親水層は該して、その親水性が陽極酸化アルミニウムと比べ劣る傾向にある。すなわち、水に対して充分な濡れ性を有する親水層であっても、有機化合物で構成されていることに由来し、同時にインクとの接着性も上昇してしまいがちである為、特に、一度印刷版面上に付着したインクが取れ難く、この為適切な印刷物を得ることが困難である場合が往々にして発生しがちであることがわかった。
したがって本発明の課題は、有機化合物からなる親水層が非画線部として機能し、該非画線部にインクが付着した際にも、インク汚れが速やかに解消される平版印刷用原版を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、有機化合物で構成された印刷版非画線部において、その親水層表面が微細な凹凸構造を有することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。即ち本発明は、以下に記述するものである。
(1)基板上に直接又は他の層を介して形成された親水層を有し、該親水層が有機化合物からなり、かつ、該親水層表面が有機化合物により形成された微細で連続的な凹凸構造を有しており、任意に選択した親水層表面を直線で走査させ50nm〜1000nmの高低差を有する凸部を有効凸部としてカウントした際に、該凸部が0.4〜4μmの周期で存在し、該有機化合物親水層が印刷時に非画線部として機能することを特徴とする平版印刷用原版。
(2)有機化合物親水層の表面において、該有機化合物親水層の表面粗さが、算術平均粗さRa値で30nm〜200nmの範囲である(1)記載の平版印刷用原版。
(3)親水層が少なくとも粒子径0.5μm以下の有機微粒子を含有するものである(1)乃至(2)記載の平版印刷用原版。
(4)親水層が架橋剤を含有するものである(1)乃至(3)記載の平版印刷用原版。
(5)親水層が少なくとも下記一般式(1)または(2)で示される(メタ)アクリルアミドを含むN−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドを用いて反応して得られる親水性樹脂を含有するものである(1)乃至(4)記載の平版印刷用原版。
Figure 2006103107
(式中Rは、水素原子またはメチル基、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基、Rは、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表す。)
Figure 2006103107
(式中Rは、水素原子またはメチル基、Aは、(CH2)n(但し、nは4〜6)または(CH2O(CH2を表す。)
(6) 前記親水層が、光の照射により、光を照射した部分が画線部へと変化する性質を有することを特徴とする現像工程が不要な(1)乃至(5)記載の平版印刷用原版。
本発明の有機化合物で構成された非画線部および印刷版を用いれば、非画線部にインクが付着した際にも、インク汚れが速やかに解消される印刷版を提供することができる。さらには、現像や拭き取り等の工程が不要な印刷版であり、かつ非画線部にインクが付着した際にも、インク汚れが速やかに解消される印刷版を提供することができる。
以下、本発明に係る平版印刷用およびその製造方法について、詳細に説明する。
本発明の平版印刷用原版は、基板上に、少なくとも有機化合物で構成された親水層を有するものである。本発明における親水層は、親水層に水を加えた際、あるいは水により洗浄した際に、親水層から溶出される成分の質量が親水層の質量に対し、20%以下である程度、水に不溶であることが好ましい。この親水層は、印刷時に非画線部として機能する。この親水層表面は、微細で連続的な凹凸構造を有することを特徴とする。ここで示す微細で連続的な凹凸構造の、好ましい模式図を図1に示す。
即ち、本発明において連続的な凹凸構造とは、凸部から凹部へ直線的に移動し、2μm以上、好ましくは1μm以上の長さにわたる平坦部を有さず、連続的なジグザグ構造となっている状態を意味する。また、該表面の粗さを直線で走査させ測定した際、50nm〜1000nmの範囲にある高低差を有する凸部を有効凸部としてカウントした時、該凸部は0.4〜4μmの周期で存在し、好ましくは、0.6〜3.5μmの周期であり、更に好ましくは、0.8〜3μmの周期で存在することが好ましい。この凸部の周期とは、測定した長さをカウントしたピーク個数で割ることにより求めるものとする。上記範囲内であることにより、親水層は、インクが付着した際にも、速やかに汚れを解消することができる。
また、更に該親水層表面の算術平均粗さRaは30nm〜200nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、35nm〜150nmであり、さらに好ましくは、35nm〜120nmである。また、十点平均粗さRzは100nm〜1200nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、120nm〜700nmである。凹凸構造が上記範囲内であることにより、親水層はインクが付着した際にも、より速やかに汚れを解消することができる。尚、表面粗さの測定は、非接触表面粗さ計や原子間力顕微鏡(AFM)等により、確認することができる。なお、RaはJIS-B0601の記載により定義されるパラメータであり、RzはJIS-B0601付属書1の記載の定義に基づくパラメータである。
なお、ここで示した平均粗さは、親水層自体により形成される表面凹凸の数値である。基板(支持体)自体の凹凸を反映している場合、あるいは、基板(支持体)と親水層の間に別の中間層(下地層)を設け、この中間層の凹凸を反映してしまう際には、これらの層による凹凸の影響を除いた数値を意味するものとする。上記の各種条件を満たした微細で連続的な凹凸構造を有する有機化合物で構成された親水層であることにより、親水層表面は、インクが付着しても速やかに汚れが取れてゆく性能を発現することが可能となる。
また、本発明においてこのような凹凸構造を形成する親水層は、有機化合物で構成されたものである。本発明においては、親水層表面が上記形状を形成するために、親水層には好ましくは、有機微粒子を含有することが好ましい。
本発明の親水層に含有することのできる有機微粒子とは、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を加えることにより、あるいは樹脂自身の極性構造により、微細な粒子の状態で水中に分散し得る、水分散有機微粒子を意味する。該有機微粒子は必要に応じて該粒子を覆う保護剤からなるものでも良い。
該有機微粒子を得る方法としては、例えば、水中で不飽和モノマーを適宜、乳化剤あるいは分散剤等を使用/あるいは不使用して、重合させ得る方法、より具体的には、乳化重合、ソープフリー乳化重合、沈殿重合、分散重合、不飽和モノマーを懸濁重合することによって得る方法、親水化原料を用いて樹脂骨格中に親水成分を直接導入して自己乳化型あるいはアイオノマー型として得る方法、樹脂を適宜必要に応じて分散助剤や界面活性剤を加え、機械的に強制乳化させることで得る方法、樹脂を可溶な有機溶剤にあらかじめ溶解させた後に水中に分散させる所謂、溶解懸濁法により得る方法、あるいはこれらを適宜複合させ得る方法等をあげることができるが、どのような方法によって得たものであっても良い。
該有機微粒子は、より具体的には、例えば、水性分散型ビニルポリマー、共役ジエンポリマー系ラテックス、アクリル系エマルション、水性分散型ポリウレタン樹脂、水性分散型ポリエステル樹脂、水性分散型エポキシ樹脂等が挙げられ、またこれら水性分散型ポリマー(樹脂)の混合物、あるいはこれら水性分散型ポリマー粒子の存在下に、例えば、乳化重合等の手法により、異種のポリマー成分を生成させることにより調製した複合粒子等を挙げることができる。
さらに、上記有機微粒子の別の役割として、本発明の親水層に上記有機微粒子と後述する光吸収剤を含有することにより、平版印刷用版は、光の照射によって親水性感光層表面が親インク性に変化する性質を有するものとなり得ることができる。光吸収剤が光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換した際に発生した熱により、有機微粒子が熱的に溶融・融着することで、光照射部表面の親水性を親インク性に変化させるものと推定される。このような機能を有する親水層であることにより、本発明の親水層、すなわちこの場合印刷版は、光の照射後に現像や拭き取り等の工程を不要とする、所謂現像レス版あるいは完全無現像版を提供することができる。
このような性質を引き出す為に、有機微粒子の平均粒子径は0.005〜0.5μmであることが好ましい。更に好ましい平均粒子径は、0.01〜0.2μmである。この粒子径の範囲内であれば、発生した熱で有機微粒子が溶融・融着しやすく、感度に優れ、また感光層非画線部の親水性が低下することもない。なお、ここで平均粒子径は、動的光散乱法等により測定し得る重量平均粒子径であり、例えば大塚電子株式会社製のLPA3100等により測定することができる。
また、良好な着インク性を発現する為に、水分散有機微粒子は、アクリル系エマルション、水分散ポリウレタン樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散エポキシ樹脂を用いることがより好ましく、水分散ポリウレタン樹脂、水分散ポリエステル樹脂を用いることが更に好ましい。これらの樹脂の中で、主鎖骨格中に芳香族等の環状構造を有しているものが特に良好な着インク性能と親水性のバランスを有するため、特に主鎖骨格中に環状構造を有した水分散ポリウレタン樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散エポキシ樹脂が好ましい。
これらの有機微粒子は、安定な水分散性を得る為、また非画線部の良好な親水性を発現する等の観点から、酸価を含有することが好ましい。好ましい酸価の範囲としては、それぞれの樹脂の固形分換算における酸価が80KOHmg/g以下、より好ましくは70KOHmg/g以下、さらに好ましくは3〜70KOHmg/gの範囲内である。なお、有機微粒子の酸価は、有機微粒子1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいう。酸価の測定方法は、公知の中和滴定により行われるが、有機微粒子の溶解性に優れた溶剤を使用することが好ましく、具体的には、ジメチルホルムアミドやNメチルピロリドン等が好ましい。終点判断は、フェノールフタレイン等の指示薬による方法でも良いし、電位差滴定による方法でも良い。
本発明の親水層は有機化合物により構成されるものであり、前述程度に水に不溶であることが好ましい。水に不溶とする為に、親水層には更に触媒の存在下あるいは非存在下で熱あるいは光等を受けて架橋反応を生じ得る、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤の架橋反応は、適当な官能基を有する架橋剤以外の化合物と行っても良いし、また自己架橋する特性を有する架橋剤を用いても良いが、より好ましくは自己架橋する特性を有する架橋剤である。ここで自己架橋する特性を有する架橋剤とは、化合物が有する同一官能基、または化合物が有する他の官能基と反応して結合することが可能な化合物を指すものとする。好ましい具体例としては、メチロール基を含有する化合物、エポキシ基を含有する化合物等が挙げられる。これらの化合物は、親水層の親水性を維持したまま強い架橋物を作ることができるため好ましい。
架橋剤として使用可能なエポキシ基を含有する化合物は、カルボキシル基や水酸基、アミンとの反応によって結合を生じるだけでなく、その近傍に水酸基が発生するため、架橋が進んでも親水層の親水性を保持することが可能である架橋剤である。このエポキシ基を含有する化合物はエポキシ基同士で架橋することが知られており、親水性ポリマーの架橋性官能基と反応しなくても残ったエポキシ基が自己縮合で消費されるため、網目構造が細かくなり強度が増すため好ましい。
エポキシ基を含有する化合物としては、例としてエチレングリコールジグリシジルエーテルやポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、炭素数3以上のグリコールのジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリブタジエン等のジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリコールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリコールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリエチロールプロピレンポリグリシジルエーテル等の脂肪族系、レソルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型グリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートのような芳香族環や環状化合物を含むもの等が挙げられ、これらは有用である。さらにこの他にオキセタン系化合物も有用である。また、グリシジル(メタ)アクリレートを重合して得られたオリゴマーやポリマー、エマルションも使用可能である。
より好ましいものとして、脂肪族骨格を持つ親水性の高い2官能以上のエポキシ基を含有する化合物であり、市販のものを用いることもできる。市販品の例として、ナガセケムテックス株式会社製エポキシ化合物、デナコール(登録商標)のEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−201、EX−211、EX−212、EX−252、EX−810、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−861、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、デナレックス(登録商標)R−45EPT、EX−721等、エポキシエマルションであるEM−150等が挙げられる。
エポキシ基を含有する化合物を用いた場合、これらの化合物の硬化促進のために、助剤を用いることも可能である。エポキシ化合物を硬化する助剤の具体例として、トリエチルアミンやジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、2−メチルイミダゾールや2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、ピペラジン等のルイス酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミンのような脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンのような芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジドのようなポリアミン、ドデセニル無水琥珀酸、ポリアゼライン酸無水物等の脂肪族系酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等の脂肪族酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸のような芳香族酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン、イソシアネート、カルボン酸含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。また、エポキシ基を含有する化合物と反応するアンモニア、モノエタノールアミンのような1級アミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミンのような2級アミンも使用することが可能である。より好ましいものは1級、2級、3級アミンである。これらの化合物の沸点は、蒸発にくい100℃以上であることが好ましい。硬化促進助剤の添加量は、親水層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした時に、0.01質量%から10.0質量%程度が好ましい。この範囲である方が硬化促進効果が十分に得られ、印刷時の地汚れ等の問題を引き起こす可能性が低く好ましい。
本発明において好ましい架橋剤であるメチロール基を含有する化合物としては、メラミンやグリコールウリル、フェノール樹脂等が挙げられる。特にその中でもアミノ樹脂が好ましい。更にアミノ樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂やグリコールウリル樹脂等やこれら樹脂の変性樹脂、例えばカルボキシ変性メラミン樹脂等が挙げられるが、これらの中でも、良好な親水性と耐刷性のバランスを付与し得るものとして、メラミン樹脂が好ましい。置換基は完全にメチル化やブチル化したメチロールアミノ化合物の場合自己縮合しにくいが、イミノ基とメチロール基を含有するアミノ樹脂は反応して自己縮合を起こしやすい為好ましい。自己縮合すると親水性感光層内の網目構造が密になり機械強度が増すことができる。
使用可能な市販品の例としては、三井サイテック株式会社製のメラミン系架橋剤である、サイメル(登録商標)の300、301、303、350、370、771、325、327、703、712、701、385、266、267、285、232、235、236、238、272、212、253、254、202、207、マイコート(登録商標)の506、508、ベンゾグアナミン系架橋剤であるサイメル(登録商標)の1123、1123−10、1128、マイコート(登録商標)の102、105、106、130、グリコールウリル系架橋剤であるサイメル(登録商標)の1172、1170、尿素系架橋剤であるUFR(登録商標)の65、300、カルボキシ変成アミノ樹脂系架橋剤であるサイメル(登録商標)の1141、1125−80、マイコート(登録商標)の101、132等が挙げられる。
アミノ樹脂を用いる場合は、架橋を促進する触媒としてパラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化アンモニウム等の酸性化合物を併用しても良い。これら触媒の添加量は、親水層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした時に、0.001質量%から5質量%程度が好ましい。上記範囲内であると、硬化促進効果が十分得られ、また親水性樹脂組成物の保存安定性も良好であるため好ましい。また、本発明において親水層に含まれる架橋剤は2種類以上混合しても良い。また、架橋剤は、1分子あたり架橋し得る官能基を3個以上含有する化合物であることが、充分な膜強度を得る為に好ましい。
さらに本発明において親水層は、親水性樹脂を含有することが好ましい。ここで親水性樹脂とは、親水基として、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、オキシメチレン基、オキシエチレン基等、更にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の酸性基やこれら酸性基のアルカリ金属塩やアミン塩等を有する樹脂であり、水に対する溶解性を有する樹脂である。水に対する溶解度は、具体的には、25℃において、水に20質量%以上溶解することが好ましく、更に好ましくは50質量%以上であり、80質量%以上であることがより更に好ましい。
本発明の親水性樹脂のより具体的な例としては、以下の樹脂が挙げられる。即ち、ポリ酢酸ビニルのけん化物類、セルロース類、ゼラチン、前記した親水性基を有する不飽和単量体類やN―ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、ビニルエーテル等を重合、共重合してなる樹脂及びその加水分解樹脂等である。
この中でも、本発明において好ましく用いられる親水性樹脂は、少なくとも下記一般式(1)及びまたはまたは(2)で示される(メタ)アクリルアミドを含むN−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドを用いて反応して得られるアクリルアミド系樹脂である。
Figure 2006103107
(式中Rは、水素原子またはメチル基、R、Rは、水素原子、低級アルキルまたは低級アルコキシ基を表す。)
Figure 2006103107
(式中Rは、水素原子またはメチル基、Aは、(CH2)n(但し、nは4〜6)または(CH2O(CH2を表す。)
一般式(1)及び(2)中、低級アルキル基とは具体例としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、低級アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。より好ましくは、上記化合物(1)のRはメチル基またはエチル基であり、Rは、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基である。
該化合物(1)、(2)で表されるN−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドの具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。なお、本発明における記述において、(メタ)アクリルアミド等は、アクリルアミドとメタアクリルアミドの両者を意味する。これらのモノマーの中で、アクリルアミドをモノマーとして用い重合して得られるものであるものがより更に好ましい。もちろん、上記化合物は2種以上を用いることができる。さらに、前記化合物(1)、(2)を親水性樹脂のモノマーとして用いた場合の使用量は、親水性樹脂中に好ましくは60質量%以上、より好ましくは60〜99.9質量%、より更に好ましくは70〜99.5質量%である。上記化合物を使用することにより、本発明の平版印刷用原版は良好な親水性を発揮することができる。
該親水性樹脂は、さらに、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸カリウム、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸カリウム、メタリルスルホン酸塩アンモニウムから選ばれる1種以上の化合物をモノマーとして用いて得られるものであることが好ましく、特にメタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸カリウムを用いることが好ましい。これらのモノマーの使用量は、親水性樹脂の全使用量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは、0.2〜3質量%である。上記化合物を用いることにより、親水性樹脂の親水性を更に良好なものとすることができる。
また、その他のモノマーとして、(メタ)アクリル酸等の一塩基不飽和酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸及びその無水物等の二塩基不飽和酸等のカルボキシル基を有するモノマーや、スルホエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルメチルスルホン酸、イソプロぺニルメチルスルホン酸、(メタ)アクリル酸にエチレンオキシド等のスルホン酸基を有するモノマーや、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有するモノマーや、無置換又は置換イタコン酸アミド、無置換又は置換フマル酸アミド、無置換又は置換フタル酸アミド、N―ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、スルホン酸プロピル(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の前記(1)、(2)で示した(メタ)アクリルアミドを含むN−置換(メタ)アクリルアミド誘導体の他のアミド基を有するモノマーや、グリシジル(メタ)アクリレート、パラビニルフェニルグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するモノマーや、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソポロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等の疎水的な性質を有するモノマーや、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールメタアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルアクリルアミド、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエリスリトール等の多官能型モノマーを始めとする従来公知の各種モノマーを、親水性樹脂の親水性を損ねない範囲内で、必要に応じ用いることができる。このような親水性樹脂の市販品例としては、三井株式会社製のポリアクリルアミド樹脂であるホープロン(登録商標)606、650M、741、750、500B、520B、530B、254MX、235MX、3150B、330A等が挙げられる。
本発明における親水層は、更に光吸収剤を含有していることが好ましい。この光吸収剤は、光を吸収して熱を生じるものあり、光の照射に際しては光吸収剤が吸収する波長域の光を適宜用いることが好ましい。光吸収剤の具体例としては、シアニン系色素、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラシアニン系色素、ポルフィリン系色素、アゾ系色素、ベンゾキノン系色素、ナフトキノン系色素、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類、ニグロシン等の各種色素、及びカーボンブラック等が挙げられる。
これらの色素に於いては、明室での取り扱い性、露光機に用いる光源の出力や使い易さの点から750〜1100nmの領域の光を吸収する色素が好ましく、より具体的には、最大吸収波長λmaxが750〜900nmである色素が好ましい。色素の吸収波長域に関しては置換基やπ電子の共役系の長さ等により変えることが出来る。また、光熱変換を効果的に行う為に、最大吸収波長における吸光係数εmaxは1×105 L mol-1 cm-1以上であることが好ましく、より好ましくは2×105 L mol-1 cm-1以上である。これらの光吸収剤は親水層樹脂組成物が含まれる水溶液に溶解していても、又分散していても良いが、親水層中に該光吸収剤を含有し、版に充分な親水性を付与する為に、前記した光吸収剤の中で本発明に於いては、親水性の光吸収剤が好ましい。具体的は、水への溶解性が1質量%以上の光吸収剤が好ましい。
本発明の親水層には、印刷条件に対する安定性を広げるため、更に種々の界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。また、感光性樹脂組成物水溶液の塗布性を良化するため、ハジキ防止剤、レベリング剤等の添加剤を添加しても良い。これらの界面活性剤の添加量は、親水性樹脂、架橋剤および有機微粒子の合計100重量部に対して、0.001〜15重量部であることが好ましい。また、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物等に代表される無機微粒子も本発明の効果を損ねない程度に含有することも可能である。
本発明の親水層は、上記の有機化合物からなる感光性組成物を架橋してなるものであるが、その感光性組成物の組成割合は以下の範囲であることで良好な印刷版を提供することができる。感光性樹脂組成物における、有機微粒子の量は光照射部の親インク化の点からは多い方が好ましいが、多くなり過ぎると版の親水性が低下し、印刷において地汚れを起こす可能性がある。また、少なくなると版の着インク性が低下する場合もある。これらの観点から本発明に於ける感光性樹脂組成物中の有機微粒子量は、親水性樹脂、架橋剤、有機微粒子を合計100重量部とした時に、固形分として好ましくは15〜70重量部、更に好ましくは20〜60重量部の範囲にあることが好ましい。更により好ましくは、30〜55重量部である。
また、本発明に於ける感光性樹脂組成物中の架橋剤量は、親水性樹脂、架橋剤、有機微粒子を合計100重量部とした時に、10〜70重量部の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜60重量部である。より好ましくは、25〜50重量部である。架橋剤量が該範囲内にあることにより、本発明の平版印刷用版において、良好な親水性と良好な耐刷性能を発揮することができる。
さらに、感光性樹脂組成物における親水性樹脂の配合量は、親水性樹脂、架橋剤、有機微粒子を合計100重量部とした時に、3〜50重量部の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、5〜35重量部の範囲であることが好ましい。更により好ましくは、8〜25重量部である。
光吸収剤の量は、版の耐刷性や親水性に悪影響を及ぼさず、また、光吸収剤の効果効果を十分得るために、本発明の感光性樹脂組成物における光吸収剤の配合比は、親水性樹脂、架橋剤、有機微粒子を合計100重量部とした時に、光吸収剤2〜40重量部であることが好ましく、2〜30重量部であることがより好ましい。このように感光性組成物の各成分をコントロールすることにより、物理形状としての親水効果も高められ、かつ、化学的な、すなわち組成としての親水性も良好なものとし得ると考えられる。
本発明の平版印刷用原版においては、基板(支持体)に直接または他の層を介して親水層を設けるが、その際用いる基板の具体例としては、アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板等の金属板やポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等のプラスチックフィルムや紙、アルミ箔ラミネート紙、金属蒸着紙、プラスチックフィルムラミネート紙等が挙げられる。これらの支持体(基材)の厚さは特に制限はないが通常100〜400μm程度である。又、これらの基材は密着性の改良等のために酸化処理、クロメート処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理等の表面処理を施してもよい。また、基板と親水層との密着性を高める等の目的で支持体と親水層との間にプライマー層(下地層)を設けることもできる。プライマー層としては、特に制限はないが、上記有機微粒子を用いることが好ましい。
本発明の平版印刷用原版に形成される親水層は、親水性樹脂、架橋剤、有機微粒子および光吸収剤を含有する感光性樹脂組成物が含まれる溶液を基板に塗布し、乾燥、硬化すればよい。塗布する方法としては塗布する溶液の粘度や塗布速度等によって異なるが、通常例えば、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンフローコーター、ダイコーターやスプレー法等を用いれば良い。塗布溶液を塗布した後、加熱して乾燥及び親水性樹脂の架橋を行う。加熱温度は通常50〜200℃程度である。親水層の膜厚は特に制限はないが、通常0.5〜10μm程度が好ましい。
本発明の印刷用原版に於いては、親水性樹脂からなる親水層を形成した後、カレンダー加工したり、又該親水層を保護するために親水層の上にフィルムを積層しても良い。
本発明の平版印刷用原版は、光吸収剤の吸収波長域の光、例えば750〜1100nmの領域の光を照射すると、光吸収剤が該光を吸収して発熱し、この発熱により親水層の光照射部は、有機微粒子が熱融着して親水性が失われ親インク化し、平版印刷用原版は、平版印刷用版を得ることができる。この際、光の照射量を大きくし過ぎたり、又光吸収剤を多量に添加したりすると親水層が分解、燃焼等によって除去、融除されてしまい、照射部の周辺に分解物が飛散するので、このようなことは避けなければならない。
このように本発明の平版印刷用原版は光を照射した部分の親水層の親水性が親インク性に特性が変化し、現像や拭き取り操作をしなくても光の照射部にはインクが付着し、印刷が可能となる。
本発明における平版印刷用原版の光の照射に用いられる光の波長は特に限定はなく、光吸収剤の吸収波長域に合致しする光を用いればよい。照射に際しては照射速度の点から収束光を高速で走査するのが好ましく、使用し易く、且つ高出力の光源が適しており、この点から照射する光としてはレーザー光、特に750〜1100nmの波長域の発振波長を有するレーザーの光が好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザーや1064nmのYAGレーザーが用いられる。これらのレーザーを搭載した露光機は所謂サーマル用プレートセッター(露光機)として既に市場に供されている。
上述のように本発明の平版印刷用原版は、光を照射した部分の親水層の親水性が親インク性に特性が変化し、現像や拭き取り操作をしなくても光の照射部にはインクが付着し、印刷が可能となる、現像レスの印刷版として用いることができ、またこのように用いることが好ましいが、この方式以外にも、別途親水層の上に画像形成層を設けて、印刷用原版として用いることもできる。本発明の構成によれば、非画線部の親水性に優れ、また、有機化合物で構成された画像形成層と密着性に優れる為、画像部の良好な耐久性を得ることができる。また、本発明の親水性層は有機化合物で構成されており、この為、断熱性に優れたものとなる。これにより、赤外線レーザーによる画像形成層に適用した場合、レーザー光が効率よく画像形成必要な熱エネルギーとして利用され、高感度、高解像度の画像形成が可能であるという利点をも有する。適用可能な画像形成層としては、例えば、紫外線による画像形成可能なポジタイプ、ネガタイプ、フォトポリマータイプ、赤外線レーザーで画像記録するサーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、さらに、現像処理を印刷機上で行う、機上現像タイプ等が挙げられる。また、親油性素材を直接、親水層に付与することで画線を形成する方式も好ましく用いられる。親油性素材直接、親水層に付与することで画像を形成する方式として、具体的には熱転写方式のプリンタを用いて、サーマルヘッドにより熱溶融性インク層を有するインクリボンから熱溶融性インクを親水性層表面に画像様に転写させる熱転写方式や、公知のインクジェット方式を用いる方法が挙げられる。
本発明においては、親水層が有機化合物で構成されたものであることにより、インク汚れの回復性が良化すること、充分な材料強度が得られることに加え、画線部をインクジェット方式等により形成する際、すなわち親水層上に何らかの有機化合物を付着させることにより画線を形成する際に、画線を形成するのに用いられる有機化合物との密着性が向上される効果があり好ましい。更には、前述のように現像レスの印刷版を提供するにあたって、良好な画線形成を生じ得る効果があるため好ましい。
実施例1
(感光性樹脂組成物水溶液の調整)
下記組成にて、親水性樹脂水溶液、架橋剤、有機微粒子および光吸収剤を室温にて混合し、感光性樹脂組成物の水溶液を得た。以下に示す「部」はそれぞれの樹脂または化合物の、固形分についての重量部を示す。なお、動的光散乱法(大塚電子株式会社製LPA3100)により測定したウレタン微粒子UD350の重量平均粒子径は0.03μmであった。
親水性樹脂;ポリアクリルアミド樹脂(三井化学(株)製、ホープロンTM H520B) 17部
架橋剤;メチル化メラミン樹脂(三井サイテック(株)製、サイメルTM385)38部
有機微粒子;ウレタン微粒子(三井化学(株)製、エマルジョンオレスターTMUD50) 45部
光吸収剤;シアニン色素(メタノール溶液中でのλmax 784nm, εmax 2.43×10Lmol−1cm−1)12部
界面活性剤;アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製ネオコールTMYSK)5部
界面活性剤;パーフルオロアルキルベタイン(セイミケミカル(株)製サーフロンTMS―131)0.25部
(現像レス平版印刷用原版の作成・描画・平版印刷版の製造)
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃10分間乾燥し、下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、上記組成からなる感光性樹脂組成物の水溶液を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの親水層を成膜して現像レス平版印刷原版を作成した。この原版に波長830nmの半導体レーザー光を270mJ/cmの照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
(印刷評価)
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のバリウスTMG-N、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の2%水溶液を使用し、印刷を行い、良好な印刷画像を得た。5千枚の印刷を行った後に印刷を一旦停止し、そのまま一時間放置した後に再び印刷を行った。刷り出し時には一部絡みが確認されたが、20枚目の印刷物において、絡みは回復し、良好な印刷画像を得た。
(版面粗さ評価)
上記方法にて作製した印刷原版表面を原子間力顕微鏡(AFM)(Digital Instruments社製 NanoScope IIIa)にて確認した。版表面を直線的に走査させた際の測定チャートを図2に示す。図から確認されるように版表面は微細で連続的な凹凸構造を有していることが確認された。また、50nm以上(1000nm以下)の高低差を有する凸部を有効突起とみなし(50nm以下はノイズとみなした)、図中横軸0から40μmの範囲のピーク数をカウントしたところ、18個のピークが確認された。走査距離をピーク個数で割り、ピーク周期を2.2μmと求めた。平均粗さRaは87nm、十点平均粗さRzは438nmであった。
比較例1
(親水性樹脂P-1の合成)
純水335gをフラスコに仕込み、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。窒素ガスを上記フラスコに流しながら、そこにアクリルアミド63.75g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート11.25g、純水300gからなるモノマー溶液と過硫酸カリウム0.225gを純水40gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に2時間に渡り連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。該重合溶液の固形分は10%であった。
(感光性樹脂組成物水溶液の調整)
下記組成にて、親水性樹脂水溶液、架橋剤、有機微粒子および光吸収剤を室温にて混合し、感光性樹脂組成物の水溶液を得た。
親水性樹脂;親水性樹脂P−1 35部
架橋剤;メチル化メラミン樹脂(三井サイテック(株)製サイメルTM385) 35部
有機微粒子;ウレタン微粒子(三井化学(株)製エマルジョンオレスターTMUD350) 30部
光吸収剤;シアニン色素(メタノール溶液中でのλmax 784nm, εmax 2.43×10Lmol−1cm−1) 12部
界面活性剤;アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製ネオコールTMYSK)1部
界面活性剤;パーフルオロアルキルベタイン(セイミケミカル(株)製サーフロンTMS―131)0.05部
(現像レス平版印刷用原版の作成・描画・平版印刷版の製造)
塗布した感光性樹脂組成物水溶液を上記組成に変更した以外は実施例1と同様に、現像レス平版印刷用原版の作成・描画・平版印刷版の製造を行った。
(印刷評価)
実施例1と同様の条件で印刷を実施した。5千枚の印刷を行い、良好な印刷物を得ることを確認した。その後、実施例1と同様に、印刷を一旦停止し、そのまま一時間放置した後に再び印刷を行った。500枚印刷した後にも80%以上の網点部に絡みが発生しており、良好な印刷物を得ることはできなかった。
(版面粗さ評価)
上記方法にて作製した印刷原版表面を原子間力顕微鏡(AFM)にて確認した。版表面を直線的に走査させた際の測定チャートを図3に示す。図から確認されるように版表面は平坦であった。平均粗さRaは5nm、十点平均粗さRzは22nmであった。
インク汚れが速やかに解消される親水層を有する平版印刷用原版およびその原版から得られる平版印刷用版、更には、近赤外領域の光に感光し、版に直接レーザー光で描画でき、且つ現像や拭き取り操作が不要で、印刷時に非画線部にインクが付着した際にも、インク汚れが速やかに解消される感光性親水層を有する平版印刷用原版およびその原版から得られる平版印刷用版を提供する。
本発明の親水層表面の模式図の一例を示す。 実施例1で製造した印刷版表面を原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した顕微鏡写真である。 比較例1で製造した印刷版表面を原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 基板上に直接又は他の層を介して形成された親水層を有し、該親水層が有機化合物からなり、かつ、該親水層表面が有機化合物により形成された微細で連続的な凹凸構造を有しており、任意に選択した親水層表面を直線で走査させ50nm〜1000nmの高低差を有する凸部を有効凸部としてカウントした際に、該凸部が0.4〜4μmの周期で存在し、該有機化合物親水層が印刷時に非画線部として機能することを特徴とする平版印刷用原版。
  2. 有機化合物親水層の表面において、該有機化合物親水層の表面粗さが、算術平均粗さRa値で30nm〜200nmの範囲である請求項1記載の平版印刷用原版。
  3. 親水層が少なくとも粒子径0.5μm以下の有機微粒子を含有するものである請求項1乃至2記載の平版印刷用原版。
  4. 親水層が架橋剤を含有するものである請求項1乃至3記載の平版印刷用原版。
  5. 親水層が少なくとも下記一般式(1)または(2)で示される(メタ)アクリルアミドを含むN−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドを用いて反応して得られる親水性樹脂を含有するもの請求項1乃至4記載の平版印刷用原版。
    Figure 2006103107
    (式中Rは、水素原子またはメチル基、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基、Rは、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表す。)
    Figure 2006103107
    (式中Rは、水素原子またはメチル基、Aは、(CH2)n(但し、nは4〜6)または(CH2O(CH2を表す。)
  6. 前記親水層が、光の照射により、光を照射した部分が画線部へと変化する性質を有することを特徴とする現像工程が不要な請求項1乃至5記載の平版印刷用原版。
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