JP2006102927A - 機械加工びびり振動予測方法及び機械加工びびり振動予測プログラムを記録した記録媒体。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機械加工における工具及びフライス装置の振動を生産技術過程で予測し、予め加工時のびびり振動の影響を判定する。
【解決手段】 動的歪み測定(プロセスP11)において、工作物の試験加工によるフライス装置の動的歪みを測定する。
びびり振動予測システム(プロセスP12)において、試験加工における加工条件及び測定データを入力し、フライス装置の動的コンプライアンスを計算し、フライス装置条件を決定する。
また実際の加工においては、その加工条件及びフライス装置条件を入力し、加工歪みを計算し、加工歪みの変位により機械加工におけるびびり振動の影響を判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 動的歪み測定(プロセスP11)において、工作物の試験加工によるフライス装置の動的歪みを測定する。
びびり振動予測システム(プロセスP12)において、試験加工における加工条件及び測定データを入力し、フライス装置の動的コンプライアンスを計算し、フライス装置条件を決定する。
また実際の加工においては、その加工条件及びフライス装置条件を入力し、加工歪みを計算し、加工歪みの変位により機械加工におけるびびり振動の影響を判定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、機械加工におけるフライス装置及び工具に生ずる歪みを予測し、びびり振動を判定する機械加工びびり振動予測方法、及び機械加工びびり振動予測プログラムを記録した記録媒体に関する。
一般に材料の被削性を利用して切削工具を取付けて削り加工する工作機械においては、工具または工作物に回転及び送り運動を与えながら工作物を切削している。
特に工具を回転させて工作物を切削するタイプの工作機械においては、工作物及び該工作物が設置されるフライス装置に設けられたテーブルと、工具及び該工具が装着されるフライス装置に設けられた主軸端との間にびびり振動が発生することがある。びびり振動が発生すると、工具の寿命、加工精度、能率が低下するのみならず、びびり振動の振幅が一定レベルを超えると、加工の継続が危険となる。また一人の作業者による複数機械運転または無人化などに支障を来たすことがある。
また前記びびり振動においては、工作物及び治具に起因するもの、工具及びフライス装置に起因するもの、又は、これらの混合により起因するものと、に別けられる。
このため、従来より製造検討段階で加工性の検討を行い、現場作業者の経験に基づく判断によりびびり振動の程度を予測することが行われ、最適工具の選定、設備の決定、さらに加工工数の見積の検討を行っていた。
次いで加工性の検討が完了すると、生産技術部門において加工プログラム作成及び治具の設計製作を行う。最初の一台目の工作物の製造において、熟練した作業者が加工性やびびり振動の程度を観測し、加工性やびびり振動に問題があれば、加工プログラムを変更したり、治具を補強して対応していた。
特開2000−237932号 公報
しかしながら、前記従来の製造検討過程においては、予め生産技術部門単独で加工性の判断ができず、工作物の設計部門、生産技術部門、製造部門、生産管理部門の各部署の担当者の打ち合わせが必要であるという問題点があった。
また、加工性の判断には、製造部門の熟練作業者の勘と経験に頼っていたので、作業者による予測のばらつきがあり、工作物及び治具側に起因するびびり振動においては、その工作物の取付け具の追加または治具の補強により対応が可能であり、比較的容易に予測することもできるが、工具及びフライス装置に起因するびびり振動においては、予測が困難であるため、びびり振動の障害を予測できず生産工程の遅延、または安全性を見込みすぎて加工能率を下げるなどのため高コストな製品となるという問題点があった。
また、有限要素法を用いてびびり振動を解析することもできるが、解析のための入力データ量が多いので入力ミスを侵しやすい。専門の技術者でなければ解析を行えず、しかも解析に相当の工数を必要とするという問題点があった。
また、従来の有限要素法による解析では、機械加工用の考慮がされていないため、機械加工固有のデータを処理できないという問題点があった。
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、機械加工におけるびびり振動を生産技術過程で予測し、予め加工時のびびり振動の程度を判定することができる機械加工びびり振動予測方法及び機械加工びびり振動予測プログラムを記録した記録媒体を提供することである。
また本発明の目的は、未熟練者など誰でも容易に加工性を判断し、最適工具及び加工条件を設定することができる機械加工びびり振動予測方法及び機械加工びびり振動予測プログラムを記録した記録媒体を提供することである。
また本発明の目的は、適確なびびり振動予測により、適正な見積価格の製品を製作可能とする機械加工びびり振動予測方法及び機械加工びびり振動予測プログラムを記録した記録媒体を提供することである。
上記目的を達成するため本発明は、機械加工におけるフライス装置に生ずる振動である動的歪みを測定する工程と、前記動的歪みの測定データを入力する工程と、機械加工条件、工作物条件及び工具条件を入力する工程と、工具によって該工作物に加えられる荷重である切削荷重を計算する切削荷重計算工程と、前記動的歪み及び前記切削荷重との比率である該フライス装置の動的コンプライアンスを計算する動的コンプライアンス計算工程と、を備えたことを要旨とする機械加工びびり予測方法である。
また本発明は、フライス装置条件、機械加工条件、工作物条件及び工具条件を入力する工程と、工具によって該工作物に加えられる荷重である切削荷重を計算する切削荷重計算工程と、前記動的コンプライアンス及び前記切削荷重に基づいて該フライス装置に生ずる動的歪を計算する動的歪み計算工程と、前記切削荷重に基づいて該工具に生ずる静的な歪みである工具歪みを計算する工具歪み計算工程と、前記動的歪と前記工具歪を合計した歪みの変位である加工歪みを判定して機械加工におけるびびり振動の影響を判定する判定工程と、
を備えたことを要旨とする機械加工びびり振動予測方法である。
を備えたことを要旨とする機械加工びびり振動予測方法である。
また本発明は、コンピュータによって機械加工びびり振動を予測するためのプログラムを記録した記録媒体であって、該プログラムはコンピュータにフライス装置条件、機械加工条件、工作物条件及び工具条件を入力させ、工作物に加わる切削荷重を計算させ、フライス装置における動的コンプライアンスを計算させ、フライス装置における動的歪みを計算させ、工具における工具歪みを計算させ、前記動的歪み及び前記工具歪みとの合計による変位である加工歪みを判定して機械加工におけるびびり振動の影響を判定させることを要旨とする機械加工びびり振動予測プログラムを記録した記録媒体である。
上述したように本発明によれば、工作物の製造検討過程において、予め加工時のびびり振動の程度を予測し、加工性の良好な加工が実施できるフライス装置の決定、最適な工具の決定、加工条件の設定を生産技術部門単独で行うことができるので、製造検討工数、試作費用を低減することができる。
また本発明によれば、工具及びフライス装置におけるびびり振動の予測を現場の熟練の作業者の勘や経験に頼らずにシミュレーションするので、作業者ごとの予測のばらつきを無くし、また作業者の経験の範囲を超えた工具またはフライス装置のびびり振動の予測も適確に行うことができる。
また本発明によれば、工具またはフライス装置におけるびびり振動による加工時の支障を予めフライス装置別に予測し、適正な加工工数見積が可能であるとともに、予想外のコストの上昇を防止し、最適な加工条件を設定することによる高能率な加工を行うことができる。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る機械加工びびり振動予測システムの実施形態を説明する工程フローチャートである。図2は、機械加工びびり振動予測プログラムを含むびびり振動予測システムの各プログラムを実行するためのハードウェア構成例を示すシステム構成図である。図3は、機械加工びびり振動予測システムの全体動作を示すゼネラルフローチャートである。
図1の機械加工びびり振動予測システムの工程フローチャートにおいて、本システムは、まず動的歪み測定のための試験加工により、フライス装置に生ずる動的歪みを測定するP11と、その動的歪みに基づいて該フライス装置及び該工具におけるびびり振動を予測するびびり振動予測システムP12とを備えている。
図2において、びびり振動予測システムの各プログラムを実行するためのハードウェアは、マイクロプロセッサ等を利用したCPU3及びメモリ5を備えるパソコン本体7と、データ入力のための入力装置2と、出力表示のための表示装置としてDISP1と、びびり振動予測プログラム及び各種データを記憶するハードディスク4と、出力を印刷するプリンター6とを備えている。
図3のびびり振動予測システムの全体動作を示すゼネラルフローチャートにおいて、本システムは、機械設備条件の設定値決定に対し、前記動的歪み及び工作物に加えられる切削荷重に基づいて、フライス装置の動的コンプライアンスを計算する動的コンプライアンス計算プログラムN3と、
任意の加工におけるびびり振動予測に対し、工作物に加えられる切削荷重及び前記動的コンプライアンスに基づいてフライス装置に生ずる動的歪みを計算し、
前記切削荷重による工具に生ずる工具歪みを計算し、
前記動的歪みと前記工具歪みを合計した加工歪みを計算し、
この加工歪みによるびびり振動の影響を判定するびびり判定プログラムN9と、
を備えている。
任意の加工におけるびびり振動予測に対し、工作物に加えられる切削荷重及び前記動的コンプライアンスに基づいてフライス装置に生ずる動的歪みを計算し、
前記切削荷重による工具に生ずる工具歪みを計算し、
前記動的歪みと前記工具歪みを合計した加工歪みを計算し、
この加工歪みによるびびり振動の影響を判定するびびり判定プログラムN9と、
を備えている。
図4は、図1の機械加工びびり振動予測システムの工程フローチャートにおける動的歪み測定(プロセスP11)工程の実施形態を説明する概略図である。
図4を参照して、図1における測定準備(プロセスP10)及び動的歪み測定(プロセスP11)の工程内容を説明する。測定準備(プロセスP10)の工程では、フライス装置に設けられた主軸端1及びテーブル4に、それぞれ試験加工時の動的歪みを測定する振動センサー2及び振動センサー3を装着する。また前記テーブル4には、高剛性な剛体などの工作物6を設置し、工作物及び治具側に起因するびびり振動が影響を及ぼさないようにする。
また動的歪み測定(プロセスP11)では、予め前記主軸端に装着された工具5の刃数、その工具5の径、送り量などを設定し、さらに該フライス装置の加工軸の突き出し量である加工軸ストローク長さ8をストロークリミット+側、中間、ストロークリミット−側などのように複数段階に、そのストローク長さを設定し試験加工する。
次いで前記振動センサー2と前記振動センサー3により動的歪みを測定し、それぞれの前記振動センサーにより測定された主軸端側歪みデータ9及びテーブル側歪みデータ10を、そのデータが入力される振動測定装置13にデータを取り込み、保存する。また前記振動センサー2、前記振動センサー3及び前記測定装置13と、本システムを搭載しているパーソナルコンピュータ14とを接続し、振動センサーからの出力を直接取り込むこともできる。
図3を参照して、図1におけるびびり振動予測システムの全体の動作を説明する。システムを起動すると、まず最初に初期画面が表示され(ステップN1)、ユーザはこの画面に従って機能選択を行う(スッテプN2)。選択された機能が動的コンプライアンスの計算であれば、動的コンプライアンスプログラムが呼び出され(ステップN3)、実行結果としての計算結果が表示され(ステップN4)、次いで作業選択が行われる(ステップN5)。作業選択が印字であると、結果をプリントアウトする(ステップN6)、作業選択が保存であると、結果が保存される(ステップN7)。次いで作業選択を行う(ステップN8)。作業選択が継続であると、ステップN3の動的コンプライアンスプログラムに戻り、作業選択が終了であれば、ステップN1の初期画面へ戻る。
ステップN2の機能選択で、びびり予測判定であれば、びびり判定プログラムが呼び出され実行されて(ステップN9)、実行結果としての予測判定結果が表示され(ステップN10)、次いで、作業選択が行われる(ステップN11)。作業選択が印字であると、結果をプリントアウトする(ステップN12)。作業選択が保存であると、結果が保存される(ステップN13)。次いで作業選択を行う(ステップ14)。作業選択が継続であると、ステップN9のびびり予測判定プログラムに戻り、作業選択が終了であれば、ステップN1の初期画面へ戻る。
図5及び図6は、図3の全体動作を示すゼネラルフローチャートにおいて、それぞれ、ステップN3の動的コンプライアンス、ステップN9のびびり予測判定の処理内容の概略フローチャートである。
図5を参照して、図3における動的コンプライアンス計算プログラム(ステップN3)の概略フローを説明する。この動的コンプライアンス計算プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク等の記録媒体に記録して、配布または移植することができる。
動的コンプライアンス計算プログラムは、まず、工作物の材料種類、工具径、工具刃数、送り量、切り込み深さ、切削幅、工具中心と切削幅両端との距離であるオフセット量等の加工条件を入力する(ステップC100)。
次いで、図4の動的歪み測定工程の実施形態を説明する概略図において、試験加工時に測定装置13に取込まれた歪みデータ9及び歪みデータ10のそれぞれの測定データと、その時点の前記加工軸ストローク長さ8等の設定データ等の測定条件を入力する(ステップC200)。
次いで、工具による主切削抵抗の送り分力である切削荷重の計算を行い(ステップC300)、次いで、前記加工軸ストローク長さごとに前記動的歪み及び前記切削荷重に基づいて動的コンプライアンスの計算を行い(C400)、次いで、動的コンプライアンスを目的変数、加工軸ストローク長さを説明変数とした単回帰方程式を導出する(ステップC500)。そして、その式を画面に表示し(ステップC600)、リターンする。
次に示す表1ないし表3は、ステップC100,ステップC200において入力される入力データテーブルの一覧を示すものである。また表3は、計算により求められるデータを格納するテーブルを示すものである。
図6を参照して、図3におけるびびり判定プログラム(ステップN9)の概略フローを説明する。このびびり判定プログラムは、CD−ROM、フロッピィディスク等の記録媒体に記録して、配布または移植することができる。
びびり判定プログラムは、まず対象となるフライス装置の前記動的コンプライアンス単回帰方程式の係数及び定数等のフライス装置条件を入力する(ステップV100)。次いで、工作物の材料種類、工具径、工具刃数、送り量、切込み深さ、切削幅、工具中心と切削幅両端との距離であるオフセット量、工具アーバ径、工具アーバ長さ、加工時におけるフライス装置の加工軸ストローク長さ、工具材料のヤング率等の加工条件を入力する(ステップV200)。
次いで、工具による主切削抵抗の送り分力である切削荷重の計算を行う(ステップV300)。次いで、前記切削荷重、前記動的コンプライアンス回帰式及び前期加工軸ストローク長さに基づいた加工歪みの計算を行い(ステップV400)、その加工歪みの大きさに基づいて、正常加工か、びびり発生する加工か、危険加工かのびびり判定を行い(ステップV500)、その判定を画面に表示し(ステップV600)、リターンする。
次に示す表4ないし表6は、ステップV100,ステップV200において入力される入力データテーブルの一覧を示すものである。また表6は、計算により求められるデータを格納するテーブルを示すものである。
図7ないし図9は、図5の概略フローチャートの各ステップの処理内容の詳細を説明する詳細フローチャートであり、それぞれ、切削荷重の計算(ステップC300)、動的コンプライアンスの計算(ステップC400)、コンプライアンス回帰式の導出(ステップC500)を説明するものである。
図7において、切削荷重の計算は、まず工作物の材質の選択である材料選択が行われ(ステップC301)、材料が鋼であると、比切削荷重Ksに300が代入され(ステップC302)、材料が鋳鉄であると、比切削荷重Ksに250が代入され(ステップC303),材料がアルミニュウムであると、比切削荷重Ksに100が代入される(ステップC304)。
次いで、切削荷重F=Ks×f×a×Zi×0.65が計算される(ステップC305)、リターンする。
ここで、Ks:比切削抵抗、f:一刃送り量、a:切込み深さ、Zi:同時切削刃数である。
ただし、Zi=(Z×φ)/360
ただし、Zi=(Z×φ)/360
ここで、φ:切削弧角である。
ただし、φ=SIN−1((2×b)/D)+SIN−1((2×b2)/D)である。
ここで、b:オフセット量、b2:オフセット量、B:切削幅、D:工具の径である。
ただし、b2=B−bである。
ただし、φ=SIN−1((2×b)/D)+SIN−1((2×b2)/D)である。
ここで、b:オフセット量、b2:オフセット量、B:切削幅、D:工具の径である。
ただし、b2=B−bである。
図8において、動的コンプライアンスの計算は、動的コンプライアンスCi=δMi/Fが計算され(ステップC401)、リターンする。
ここで、Ci:i番目の試験加工における動的コンプライアンス、δMi:i番目の試験加工におけるフライス装置に設けられた主軸端1及びテーブル4との間の相対動的歪み、F:前記切削荷重である。
ただし、δMi=δSi+δTiである。
ここで、δSi:i番目の試験加工におけるフライス装置の主軸端1に生じた動的歪み、δTi:i番目の試験加工におけるフライス装置のテーブル4に生じた動的歪みである。
ここで、Ci:i番目の試験加工における動的コンプライアンス、δMi:i番目の試験加工におけるフライス装置に設けられた主軸端1及びテーブル4との間の相対動的歪み、F:前記切削荷重である。
ただし、δMi=δSi+δTiである。
ここで、δSi:i番目の試験加工におけるフライス装置の主軸端1に生じた動的歪み、δTi:i番目の試験加工におけるフライス装置のテーブル4に生じた動的歪みである。
図9において、動的コンプライアンスの回帰式の導出は、回帰式C=α×X+βが導出され(ステップC501)、リターンする。
ここで、α:回帰係数、β:回帰定数、X:フライス装置の加工軸ストローク長さである。
である。
ここで、Xi:i番目の試験加工におけるフライス装置の加工軸ストローク長さ、Ci:i番目の試験加工において計算された動的コンプライアンス、n:試験加工回数、
ンプライアンスの平均値である。
ここで、α:回帰係数、β:回帰定数、X:フライス装置の加工軸ストローク長さである。
である。
ここで、Xi:i番目の試験加工におけるフライス装置の加工軸ストローク長さ、Ci:i番目の試験加工において計算された動的コンプライアンス、n:試験加工回数、
ンプライアンスの平均値である。
図10ないし図11は、図6の概略フローチャートの各ステップの処理内容の詳細を説明する詳細フローチャートであり、それぞれ、切削荷重の計算(ステップV300)、工具及びフライス装置の加工歪み計算(ステップV400)を説明するものである。
ここで、切削荷重の計算(ステップV300)は、前記切削荷重の計算(ステップC300)と同様な処理内容である。
図10において、工具の歪みの計算は、まず切削荷重による工具の歪みδT=[(F×L3)/(3×E×I)]/1000によりされる(ステップV401)。
ここで、F:切削荷重、L:工具アーバ長さ、E:工具材料のヤング率、I:工具アーバの慣性モーメントである。
ただし、I=(π×d4)/64である。
ここで、d:工具アーバ径
ただし、I=(π×d4)/64である。
ここで、d:工具アーバ径
次いで、設備機械の動的歪み計算では、切削荷重によるフライス装置の動的歪みδM=C×Fで計算される(ステップV402)。
ここで、C:動的コンプライアンス回帰式、F:切削荷重
ただし、C=α×X+βである。
ここで、α:回帰係数、β:回帰定数、X:加工軸ストローク長さである。
ここで、C:動的コンプライアンス回帰式、F:切削荷重
ただし、C=α×X+βである。
ここで、α:回帰係数、β:回帰定数、X:加工軸ストローク長さである。
次いで、加工歪みδA=δT+δMで計算される(ステップV403),リターンする。
ここで、δT:工具の歪み、δM:フライス装置の動的歪みである。
図11のびびり判定では、加工歪みδA、即ちびびり振動の片振幅を判定して、この振幅の変位に応じた判定の表示をする。
このため、加工歪みδAの値を判定して(V501)、この判定がδA≦7、即ち振動の片振幅が7[μm]以下であれば、正常な加工が可能であり、「びびり問題なし」というメッセージを代入される(ステップV502)。
δA≦20であれば、荒びき加工なら加工継続可能なびびりであり、「びびり注意」というメッセージを代入される(ステップV503)。
20<δAであれば、振動音を伴い加工継続不可能なびびりであり、「びびり問題あり」というメッセージを代入される(ステップV504)。
また本実施の形態においては、びびりの判定値を7[μm]、20[μm]の二つを備えて、3段階の判定を行ったが、判定基準は、これに限定されることはなく振動の音量、工作物の仕上げ精度等によって変更することが可能である。
例えば、判定値を10[μm]と一つの値として、δA≦10は、びびりの支障のない正常な加工が可能な「びびり問題なし」、δA>10は、「びびり問題あり」であると判定してもよい。
図12ないし図13は、パソコン画面に表示される画面例を示す図であり、図12は、動的コンプライアンス計算プログラムの画面例であり、図13は、びびり判定プログラムの画面例を示す。
図12において、動的コンプライアンスプログラムの画面は、設定条件選択用プルダウンメニュー10、入力項目種類選択用プルダウンメニュー20、入力数値選択用プルダウンメニュー30、加工条件及び測定データの各入力値選択を表示するためのウィンドウ40、動的コンプライアンス値及び動的コンプライアンス回帰式を表示するためのウィンドウ50、計算実行を指示する計算ボタン60、計算結果データを保存するための登録ボタン70、計算結果をプリンターへ出力させるための印字ボタン80を備えている。
図13において、びびり判定プログラムの画面は、設定入力項目種類選択用プルダウンメニュー100、入力数値選択用プルダウンメニュー200、加工条件の入力値を表示するためのウィンドウ300、加工歪みの計算値及びびびり判定を表示するためのウィンドウ400、計算実行を指示する計算ボタン500、計算結果を保存するための保存ボタン700、計算結果をプリンターへ出力させるための印字ボタン600を備えている。
図14は、図12の動的コンプライアンスの表示画面例を示す図において、図2においてプリンター6に出力される印字結果の例である。印字順序としては、まず入力された条件及び測定データの各数値が印字される。次に、加工軸ストローク長さを変数とした動的コンプライアンス回帰方程式が印字され、最後に、その係数と、定数が印字されるようになっている。
図15は、図13のびびり判定プログラムの表示画面例を示す図において、図2においてプリンター6に出力される印字結果の例である。印字順序としては、まず入力された加工条件の各数値が印字される。次に、計算結果の数値が印字され、最後にびびり判定のメッセージが印字されるようになっている。
P10 測定準備工程ルーチン
P11 動的歪み測定工程ルーチン
P12 びびり振動予測システム工程ルーチン
P13 加工検討工程ルーチン
P11 動的歪み測定工程ルーチン
P12 びびり振動予測システム工程ルーチン
P13 加工検討工程ルーチン
Claims (3)
- 機械加工におけるフライス装置に生ずる振動である動的歪を測定する工程と、
前記動的歪みの測定データを入力する工程と、
機械加工条件、工作物条件及び工具条件を入力する工程と、
工具によって該工作物に加えられる荷重である切削荷重を計算する切削荷重計算工程と、
前記動的歪み及び前記切削荷重との比率である該フライス装置の動的コンプライアンスを計算する動的コンプライアンス計算工程と、
を特徴とする機械加工びびり振動予測方法。 - フライス装置条件、機械加工条件、工作物条件及び工具条件を入力する工程と、
工具によって該工作物に加えられる荷重である切削荷重を計算する切削荷重計算工程と、
前記動的コンプライアンス及び前記切削荷重に基づいて該フライス装置に生ずる動的歪を計算する動的歪み計算工程と、
前記切削荷重に基づいて該工具に生ずる静的な歪である工具歪みを計算する工具歪み計算工程と、
前記動的歪み及び前記工具歪みとの合計による変位である加工歪みを判定して機械加工におけるびびり振動の影響を判定する判定工程と、
を備えたことを特徴とする機械加工びびり振動予測方法。 - コンピュータによって機械加工びびり振動を予測するためのプログラムを記録した記録媒体であって、
該プログラムはコンピュータにフライス装置条件、機械加工条件、工作物条件及び工具条件を入力させ、
工作物に加わる切削荷重を計算させ、
フライス装置における動的コンプライアンスを計算させ、
フライス装置における動的歪みを計算させ、
工具における工具歪みを計算させ、
前記動的歪み及び前記工具歪みとの合計による変位である加工歪み判定して機械加工におけるびびり振動の影響を判定させることを特徴とする機械加工びびり振動予測プログラムを記録した記録媒体。
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