以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、マスクMのパターンの一部を感光性基板としてのプレートPに対して部分的に投影する複数の反射屈折型の部分投影光学系PL1〜PL7からなる投影光学系PLに対してマスクMとプレートPとを走査方向に同期移動させてマスクMに形成されたパターンの像をプレートP上に走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置EXを例に挙げて説明する。ここで感光性基板としては、外径が500mm以上(感光性基板の1辺または対角線が500mm以上)の液晶パネル用の感光性基板を用いる。なお、以下の説明において、投影光学系PLの光軸方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な方向でマスクM及びプレートPの同期移動方向をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりのそれぞれの方向をθX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。この実施の形態にかかる走査型投影露光装置は、例えば超高圧水銀ランプ光源からなる光源2を備えている。光源2より射出した光束は楕円鏡4及びダイクロイックミラー6により反射され、コリメートレンズ8に入射する。即ち、楕円鏡4の反射膜及びダイクロイックミラー6の反射膜によりg線(波長436nm)、h線(波長405nm)及びi線(波長365nm)の光を含む波長域の光が取り出され、g、h、i線の光を含む波長域の光がコリメートレンズ8に入射する。また、g、h、i線の光を含む波長域の光は、光源2が楕円鏡4の第1焦点位置に配置されているため、楕円鏡4の第2焦点位置に光源像を形成する。楕円鏡4の第2焦点位置に形成された光源像からの発散光束は、コリメートレンズ8により平行光となり、所定の露光波長域の光束のみを透過させる波長選択フィルタ10aまたは10bを透過する。
波長選択フィルタ10aまたは10bを通過した光束は、集光レンズ12によりライトガイドファイバ14の入射口14aに集光される。ここで、ライトガイドファイバ14は、例えば多数のファイバ素線をランダムに束ねて構成されたランダムライトガイドファイバであって、入射口14a、5つの射出口14b、14d、14f、14g、14h、更に不図示の2つの射出口を備えている。ライトガイドファイバ14の入射口14aに入射した光束は、ライトガイドファイバ14の内部を伝播した後、5つの射出口14b、14d、14f、14g、14h、及び不図示の2つの射出口より分割されて射出し、マスクMを部分的に照明する複数の部分照明光学系(この実施の形態においては、7つの部分照明光学系IL1〜IL7)にそれぞれ入射する。
なお、波長選択フィルタ10aまたは10bと集光レンズ12との間には、露光するプレートPに塗布されるレジストの感度をダイナミックに可変するための減光フィルタ機構18が配置されている。減光フィルタ機構18は、Cr等の遮光材により微小なパターンを形成しているガラス板で構成されており、光軸と直交する方向に駆動することによりパターン密度を線形的に可変し、通過する光の照度を調整する。
また、この実施の形態においては、1つの光源を用いているが、各照明視野に応じてそれぞれ光源を有するようにしてもよい。また、多数の光源を有し、その多数の光源からの光束をランダム性の良い光ファイバ等のライトガイドファイバにより各照明視野に分割するようにしてもよい。また、光源として、紫外線放射型のLED、紫外線放射型のLDを用いてもよい。この実施の形態においては、光源から射出された光束をライトガイドファイバ14に導く光学部材(ダイクロイックミラー6、コリメートレンズ8、波長選択フィルタ10a(10b)、集光レンズ12、減光フィルタ18)及び部分照明光学系IL1〜IL7が照明光学系ILを構成する。
図2は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の部分照明光学系IL1(ライトガイドファイバ14の射出口14b〜コンデンサーレンズ24b)及び部分投影光学系PL1の概略構成を示す図である。なお、部分照明光学系IL2〜IL7の構成は部分照明光学系IL1と同一であり、部分投影光学系PL2〜PL7の構成は、部分投影光学系PL1の構成と同一である。
ライトガイドファイバ14の射出口14bから射出した光束は、コリメートレンズ16bに入射し、コリメートレンズ16bにより平行光に変換される。コリメートレンズ16bにより集光された光束は、オプティカルインテグレータであるフライアイレンズ22bに入射する。ここで、フライアイレンズ22bは、多数の正レンズエレメントをその中心軸線が光軸に沿って伸びるように縦横に且つ稠密に配列することにより構成されている。従って、フライアイレンズ22bに入射した光束は、多数のレンズエレメントにより波面分割され、その後側焦点面(射出面近傍)にレンズエレメントの数と同数の光源像からなる二次光源を形成する。即ち、フライアイレンズ22bの後側焦点面には、実質的な面光源が形成される。フライアイレンズ22bの後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、コンデンサーレンズ24bによりマスクMをほぼ均一に照明する。
マスクMの照明領域、即ち部分照明光学系IL1に対応する照明領域からの光は、各照明領域に対応するように配列されマスクMのパターンの一部の像をプレートP上にそれぞれ投影する複数の部分投影光学系(この実施の形態においては、7つの部分投影光学系PL1〜PL7)のうち、部分投影光学系PL1に入射する。即ち、プリズムミラー32b、屈折レンズ系34bを透過し、光学系の瞳面に配置された凹面鏡36bにより反射され、再び屈折レンズ系34bを透過し、プリズムミラー32bで反射され、視野絞り38b上に部分投影光学系PL1の中間像を形成する。ここで、プリズムミラー32b、屈折レンズ系34b及び凹面鏡36bが1組目の反射屈折型光学系を構成する。更に、中間像までの光学系とほぼ同一の光学系を有する下側の光学系へと進み、プリズムミラー40b、屈折レンズ系42b、凹面鏡44b、屈折レンズ系42b、プリズムミラー40bを介して、プレートP上にマスクMのパターン像を結像する。ここで、プリズムミラー40b、屈折レンズ系42b及び凹面鏡44bが2組目の反射屈折光学系を構成する。この時の像は正立正像である。
なお、部分照明光学系IL2〜IL7を通過した光は、各部分照明光学系IL2〜IL7のそれぞれに設けられているコンデンサーレンズによりマスクMをほぼ均一に照明し、部分照明光学系IL2〜IL7に対応して設けられている部分投影光学系PL2〜PL7に入射する。それぞれの部分投影光学系PL2〜PL7を透過した光は、プレートP上にマスクMのパターン像をそれぞれ結像する。
ここで、マスクMはマスクホルダ(図示せず)にて固定されており、マスクステージMST(図3参照)に載置されている。また、マスクMを支持するマスクステージMSTには、マスクステージMSTのX軸方向における位置を検出するXレーザ干渉計51xと、マスクステージMSTのY軸方向における位置を検出するYレーザ干渉計(図示せず)とが備えられている。マスクステージMSTの+X側の端縁にはY軸方向に延在するX移動鏡51が設けられ、+Y側の端縁にはX移動鏡51に直交するようにX軸方向に延在するY移動鏡(図示せず)が設けられている。X移動鏡51にはXレーザ干渉計51xが対向して配置されており、Y移動鏡にはYレーザ干渉計が対向して配置されている。Xレーザ干渉計51xはX移動鏡51にレーザ光を照射しX移動鏡51との距離を検出する。Yレーザ干渉計はY移動鏡にレーザ光を照射しY移動鏡との距離を検出する。レーザ干渉計の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいて、マスクステージMST(ひいてはマスクM)のX軸及びY軸方向における位置を求める。また、Xレーザ干渉計(もしくはYレーザ干渉計)を複数設けておくことにより、マスクステージMSTのθZ方向の回転量を求めることができる。制御装置CONTは、レーザ干渉計の出力からマスクステージMSTの位置(姿勢)をモニタし、マスクステージ駆動部MSTDを制御することでマスクステージMSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
また、プレートPはプレートホルダ(図示せず)にて固定されており、基板ステージPTS(図3参照)に載置されている。また、プレートPを支持する基板ステージPSTには、基板ステージPSTのX軸方向における位置を検出するXレーザ干渉計50xと、基板ステージPSTのY軸方向における位置を検出するYレーザ干渉計とが備えられている。基板ステージPSTの+X側の端縁にはY軸方向に延在するX移動鏡50が設けられ、+Y側の端縁にはX移動鏡50に直交するようにX軸方向に延在するY移動鏡が設けられている。X移動鏡50にはXレーザ干渉計50xが対向して配置されており、Y移動鏡にはYレーザ干渉計が対向して配置されている。Xレーザ干渉計50xはX移動鏡50にレーザ光を照射しX移動鏡50との距離を検出する。Yレーザ干渉計はY移動鏡にレーザ光を照射しY移動鏡との距離を検出する。レーザ干渉計の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいて、基板ステージPST(ひいてはプレートP)のX軸及びY軸方向における位置を求める。また、Xレーザ干渉計(もしくはYレーザ干渉計)を複数設けておくことにより、基板ステージPSTのθZ方向の回転量を求めることができる。制御装置CONTは、レーザ干渉計の出力から基板ステージPSTの位置(姿勢)をモニタし、基板ステージ駆動部PSTDを制御することで基板ステージPSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
上述の部分照明光学系IL1、IL3、IL5、IL7は、走査方向と直交する方向(走査方向を横切る方向)に所定間隔をもって第1列として配置されており、部分照明光学系IL1、IL3、IL5、IL7に対応して設けられている部分投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7(第1投影光学ユニット)も同様に走査方向と直交する方向に所定間隔をもって第1列として配置されている。また、部分照明光学系IL2、IL4、IL6は、走査方向と直交する方向に所定間隔をもって第2列として配置されており、部分照明光学系IL2、IL4、IL6に対応して設けられている部分投影光学系PL2、PL4、PL6(第2投影光学ユニット)も同様に走査方向と直交する方向に所定間隔をもって第2列として配置されている。
ここで第1投影光学ユニットを構成する部分投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7と第2投影光学ユニットを構成する部分照明光学系IL2、IL4、IL6は、第1投影光学ユニットを構成する部分投影光学系の間に第2投影光学ユニットを構成する部分照明光学系が位置するように千鳥状に配置されている。第1投影光学ユニットと第2投影光学ユニットとの間には、プレートPの位置合わせを行うために、オフアクシスのアライメント系52が配置されている。また、第1投影光学ユニットと第2投影光学ユニットとの間には、マスクMやプレートPのフォーカスを合わせるために、オートフォーカス系54が配置されている。
また、基板ステージPSTの走査方向の端部(−X側)の所定位置にはY軸方向に沿って延在する基準部材72が設けられており、基準部材72にはY軸方向に所定間隔で並ぶマーク82(82a〜82h)が形成されている(図4参照)。なお、以下の説明において、基板ステージPSTに形成されたマーク82を適宜「基板側AISマーク(基準マーク)」と称する。
図3に示すように、基準部材72に形成された基板側AISマーク82のZ軸方向における形成位置(高さ)はプレートPの表面(露光面)と略一致するように設定されている。基準部材72の下方には、基板ステージPSTに埋設されるように、基準部材72を通過した光を受光可能なAIS受光系(計測手段)60が設けられている。AIS受光系60は、レンズ系61と、レンズ系61を介した光を受光するCCDからなる撮像素子62とを備えている。AIS受光系60(撮像素子62)の受光結果は制御装置CONTに出力されるようになっている。
また、基板ステージPTS上には部分照明光学系IL1〜IL7及び部分投影光学系PL1〜PL7を通過した光の光量及び照度を計測する複数の光電センサ(この実施の形態においては、6つの照度センサI1〜I6)が配置されている。照度センサI1〜I6のそれぞれは、プレートPに対してほぼ共役位置に配置されたφ0.01mm〜φ1mm程度のピンホールと、このピンホールを介した光を受光する光電センサと、ピンホールと光電センサとの間に配置される色選択フィルタとから構成されている。この6つの照度センサI1〜I6は、走査方向を横切る方向に略等ピッチで配列されている。照度センサI1〜I6の配置ピッチは、部分投影光学系PL1〜PL7の視野絞りの間隔と同一ピッチである。照度センサI1〜I6により計測された照度計測値に基づいて、減光フィルタ18又はそれぞれの部分照明光学系に設けられたモジュール照度可変機構を用いて、部分照明光学系IL1〜IL7及び部分投影光学系PL1〜PL7を通過する光の照度を調整する。
図3に示すように、部分投影光学系PL6は、シフト調整機構90と、二組の反射屈折型光学系と、像面調整機構91と、視野絞り(図2参照)と、スケーリング調整機構92とを備えている。なお、他の部分投影光学系PL1、PL2、PL3、PL4、PL5、PL7も部分投影光学系PL6と同様の構成である。
マスクMを透過した光束は、シフト調整機構90に入射する。シフト調整機構90は、Y軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板90Aと、X軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板90Bと有している。平行平面ガラス板90Aはモータなどの駆動装置90AdによりY軸まわりに回転し、平行平面ガラス板90Bはモータなどの駆動装置90BdによりX軸まわりに回転する。平行平面ガラス板90AがY軸まわりに回転することによりプレートP上におけるマスクMのパターンの像はX軸方向にシフトし、平行平面ガラス板90BがX軸まわりに回転することによりプレートP上におけるマスクMのパターンの像はY軸方向にシフトする。駆動装置90Ad,90Bdの駆動速度及び駆動量は制御装置CONTによりそれぞれ独立して制御される。駆動装置90Ad,90Bdのそれぞれは制御装置CONTの制御に基づいて、平行平面ガラス板90A,90Bのそれぞれを所定速度で所定量(所定角度)回転する。なお、駆動装置90Ad、90Bdの実際の駆動位置は所定の検出装置により検出されて制御装置CONTへ入力される。シフト調整機構90を透過した光束は、1組目の反射屈折型光学系に入射する。
1組目の反射屈折型光学系は、マスクMのパターンの中間像を形成するものであって、直角プリズム(補正機構)と、レンズと、凹面鏡とを備えている。直角プリズムはZ軸まわりに回転可能に設けられており、モータなどの駆動装置93dによりZ軸まわりに回転する。直角プリズムがZ軸まわりに回転することによりプレートP上におけるマスクMのパターンの像はZ軸まわりに回転する。すなわち、直角プリズムはローテーション調整機構としての機能を有している。駆動装置93dの駆動速度及び駆動量は制御装置CONTにより制御される。駆動装置93dは制御装置CONTの制御に基づいて、直角プリズムを所定速度で所定量(所定角度)回転する。なお、駆動装置93dの実際の駆動位置は所定の検出装置により検出されて制御装置CONTへ入力される。1組目の反射屈折型光学系により形成されるパターンの中間像位置には視野絞りが配置されている。視野絞りは、プレートP上における投影領域を設定するものである。本実施の形態において、視野絞りは台形状の開口を有し、この視野絞りによりプレートP上の投影領域100a〜100gが台形状に規定される。視野絞りを透過した光束は、2組目の反射屈折型光学系に入射する。
2組目の反射屈折型光学系は、1組目の反射屈折型光学系と同様に、ローテーション調整機構としての直角プリズム(補正機構)と、レンズと、凹面鏡とを備えている。直角プリズムはモータなどの駆動装置94dの駆動によりZ軸まわりに回転するようになっており、回転することでプレートP上におけるマスクMのパターンの像をZ軸まわりに回転する。駆動装置94dの駆動速度及び駆動量は制御装置CONTにより制御されるようになっており、駆動装置94dは制御装置CONTの制御に基づいて、直角プリズムを所定速度で所定量(所定角度)回転する。なお、駆動装置94dの実際の駆動位置は所定の検出装置により検出されて制御装置CONTへ入力される。
2組目の反射屈折型光学系から射出した光束は、スケーリング調整機構(補正機構)92を通り、プレートP上にマスクMのパターンの像を正立等倍で結像する。スケーリング調整機構92は、図3のようにレンズをZ軸方向に移動させたり、又は3枚のレンズ構成で例えば、凹レンズ、凸レンズ、凹レンズから構成され、凹レンズと凹レンズとの間に位置する凸レンズをZ軸方向に移動させることにより、マスクMのパターンの像の倍率(スケーリング)調整を行うようになっている。図3の場合、凸レンズは駆動装置92dにより移動するようになっており、駆動装置92dは制御装置CONTにより制御される。駆動装置92dは制御装置CONTの制御に基づいて、凸レンズを所定速度で所定量移動させる。なお、駆動装置92dの実際の駆動位置は所定の検出装置により検出されて制御装置CONTへ入力される。また、凸レンズは、両凸レンズでも平凸レンズでもよい。
二組の反射屈折型光学系の間の光路上には、部分投影光学系PL6の結像位置及び像面の傾斜を調整する像面調整機構91が設けられている。像面調整機構91は1組目の反射屈折型光学系による中間像が形成される位置近傍に設けられている。すなわち、像面調整機構91はマスクM及びプレートPに対してほぼ共役な位置に設けられている。像面調整機構91は、第1光学部材91Aと、第2光学部材91Bと、第1光学部材91A及び第2光学部材91Bを非接触状態に支持する不図示のエアベアリングと、第2光学部材91Bに対して第1光学部材91Aを移動する駆動装置91Ad、91Bdとを備えている。第1光学部材91A及び第2光学部材91Bのそれぞれはくさび状に形成され露光光ELを透過可能なガラス板であり、一対のくさび型光学部材を構成している。露光光ELはこの第1光学部材91A及び第2光学部材91Bのそれぞれを通過する。駆動装置91Ad、91Bdの駆動量及び駆動速度、すなわち第1光学部材91Aと第2光学部材91Bとの相対的な移動量及び移動速度は制御装置CONTにより制御される。第2光学部材91Bに対して第1光学部材91AがX軸方向にスライドするように移動することにより投影光学系PL6の像面位置がZ軸方向に移動し、第2光学部材91Bに対して第1光学部材91AがθZ方向に回転することにより部分投影光学系PL6の像面が傾斜する。なお駆動装置91Ad、91Bdの実際の駆動位置は所定の検出装置により検出されて制御装置CONTへ入力される。
上記シフト調整機構90、ローテーション調整機構93、94、スケーリング調整機構92、及び像面調整機構91により、投影光学系PLの結像特性を補正する結像特性補正機構(制御装置)が構成される。なお、結像特性補正機構としては、一部の光学素子(レンズ)間を密封して内部圧力を調整する機構であってもよい。
図4に示すように、マスクMの走査方向両側(±X側)には複数のマーク(マーク群)を有するマーク形成領域70、71が設けられている。−X側のマーク形成領域70にはY軸方向に所定間隔で並ぶ複数のマーク80(80a〜80h)が形成されている。一方、+X側のマーク形成領域71にはY軸方向に所定間隔で並ぶ複数のマーク81(81a〜81h)が形成されている。なお、以下の説明において、マスクMに形成されたマーク80、81を適宜「マスク側AISマーク」と称する。
図4はマスク側AISマーク80、81及び基板側AISマーク82と部分投影光学系PL1〜PL7との位置関係を説明するための模式図である。図4において、プレートP上での部分投影光学系PL1〜PL7の投影領域100a〜100gのそれぞれは、所定形状、本実施の形態では台形形状に設定され、投影領域100a、100c、100e、100gと、投影領域100b、100d、100fとがX軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域100a〜100eは隣り合う投影領域の継ぎ部どうしがY軸方向に重なり合うように並列配置される。ここで、継ぎ部とは、台形状の各投影領域100a〜100gの三角形状の領域pa〜pnである。そして、投影領域100a〜100gの継ぎ部pa〜pnどうしをY軸方向に重なり合うように並列配置することにより、X軸方向の投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。こうすることにより、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるようになっている。
このように、各投影光学系PL1〜PL7による投影領域100a〜100eのそれぞれが重なり合う重複領域(継ぎ部)を設けることにより、継ぎ部における光学収差の変化や照度変化を滑らかにすることができる。なお、投影領域100aの+Y方向の継ぎ部pa及び投影領域100gの−Y方向の継ぎ部pnは、1回目の走査露光後、Y軸方向にステップ移動して2回目の走査露光行う際、投影領域どうしをつなぎ合わせる際に重複される。そして、AISマーク80a〜80h、81a〜81h、82a〜82hのそれぞれは、投影領域100a〜100gの各継ぎ部pa〜pnに入るように配置されている。つまり、マスク側AISマーク80a〜80h(81a〜81h)と基板側AISマーク82a〜82hとは互いに対をなすように同じ間隔で形成されている。
図5は、AIS受光系60がAISマーク検出を行っている状態を示す図である。図5に示すように、制御装置CONTは、いわゆるスルー・ザ・レンズ(TTL)方式により、AIS受光系60(撮像素子62)でマスク側AISマーク80(81)と基板側AISマーク82とを検出し、この検出結果に基づいてマスクMと基板ステージPSTとの相対位置を求める。具体的には、制御装置CONTは、撮像素子62でマスク側AISマーク80(81)の像と基板側AISマーク82の像とが一致するようにマスクステージMST及び基板ステージPSTを移動し、照明光学系ILでマスク側AISマーク80(81)を照明する。マスクMを通過した照明光(露光光)は投影光学系PLを通過するとともに基板側AISマーク82を通過し撮像素子62に導かれる。制御装置CONTは投影光学系PL1〜PL7を介してマスク側AISマーク80(81)及び基板側AISマーク82の相対位置(位置ずれ量)を計測することにより、投影光学系PL1〜PL7の各結像特性(シフト、スケーリング、ローテーション)を計測する。制御装置CONTは求めた結像特性の計測結果に基づいて、投影光学系PL1〜PL7の結像特性が精度保証範囲内になるように補正量を求め、求めた補正量に基づいて上記補正機構90、91、92、93、94を駆動して結像特性を補正する。図5には、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82とを同時に検出する状態が示されているが、マスクステージMSTを移動することで、マスク側AISマーク81と基板側AISマーク82とを同時に計測することもできる。そして、マスク側AISマーク80、81のそれぞれに関する計測結果に基づいて、制御装置CONTはマスクMのマスクステージMST上における所望の位置に対する置き位置ずれ(θZ方向の位置ずれ)やマスクMの膨張量に関する情報を求めることができる。
次に、図6〜図9に示すフローチャートを参照して、マスクMのローディングから露光までのシーケンスを説明する。なお、図6〜図9に示すフローチャートにおいては、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7(第1投影光学ユニット)を「M1列」、部分投影光学系PL2,PL4,PL6(第2投影光学ユニット)を「M2列」、マスク側AISマーク80を「BCHK1マーク」、マスク側AISマーク81を「BCHK2マーク」と記載する。
まず、不図示のマスクローダによってマスクステージMST上のホルダにマスクMを載置する。図6に示すように、マスクステージMSTに載置されたマスクMに対して、マスクプリアライメントの処理が行われる(ステップS10)。即ち、制御装置CONTは、第1投影光学ユニットを用いて、基板側AISマーク82とマスク側AISマーク80との相対位置をAIS受光系(計測装置)60により計測し、マスクMのX方向、Y方向の位置と回転量を求める。この時、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の回転や倍率の誤差を排除するため、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の視野中心にマスク側AISマーク80を位置させて計測を行う。この計測の際には、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の視野中心に基板側AISマーク82が位置するように基板ステージPSTをY方向に移動させる。このとき各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7が有する補正機構の各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94d,は、駆動位置が原点に位置するように制御させている。ここで原点とは、基準マスクを用いた露光において位置合わせされた位置であるが、露光光の照射や経時的な変動分が乗るため大まかな位置となる。
次に、制御装置CONTはマスクステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれをマーク計測位置に移動する(ステップS11)。具体的には、制御装置CONTは、マスク側AISマーク80及び基板側AISマーク82が、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7(第1投影光学ユニット)の投影領域100a,100c,100e,100g内で重なる位置(マーク計測位置)にマスクステージMST及び基板ステージPSTを移動させる。このとき、両マーク80、82を継ぎ部pa,pb,pe,pf,pi,pj,pm,pnに配置させる。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60を用いて、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測する(ステップS12)。すなわち、照明光学系ILからの露光光ELによりマスク側AISマーク80を部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7を介して基板側AISマーク82上に結像させ、この結像されたマスク側AISマーク80の投影像と基板側AISマーク82とを、AIS受光系60(撮像素子62)で撮像する。
次に、制御装置CONTはマスクステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれを次のマーク計測位置に移動する(ステップS13)。具体的には、制御装置CONTは、マスク側AISマーク81及び基板側AISマーク82が、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7(第1投影光学ユニット)の投影領域100a,100c,100e,100g内で重なる位置(マーク計測位置)にマスクステージMST及び基板ステージPSTを移動させる。このとき、両マーク81、82を継ぎ部pa,pb,pe,pf,pi,pj,pm,pnに配置させる。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60を用いて、マスク側AISマーク81と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測する(ステップS14)。すなわち、照明光学系ILからの露光光ELによりマスク側AISマーク81を部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7を介して基板側AISマーク82上に結像させ、この結像されたマスク側AISマーク81の投影像と基板側AISマーク82とを、AIS受光系60(撮像素子62)で撮像する。なお、ステップS12、S14においては、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7が備える補正機構の駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dにより部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7を整列させる前の状態で計測を行う。このステップS12とステップS14における計測値の差がマスクステージMSTを走らせた場合の走りとマスクMの回転量の差になる。この回転量を補正するようにマスクステージMSTの走りを補正する。
次に、図7〜図9を参照して、レンズキャリブレーションのシーケンスの説明を行う。まず、制御装置CONTはマスクステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれをマーク計測位置に移動する(ステップS20)。具体的には、まず、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の結像特性を計測するために、制御装置CONTは、マスク側AISマーク80及び基板側AISマーク82が、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の投影領域100a,100c,100e,100g内で重なる位置(マーク計測位置)にマスクステージMST及び基板ステージPSTを移動させる。このとき、両マーク80、82を継ぎ部pa,pb,pe,pf,pi,pj,pm,pnに配置させる。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60を用いて、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測し、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の結像特性を計測する(ステップS21、第1計測手段)。すなわち、照明光学系ILからの露光光ELによりマスク側AISマーク80を部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7を介して基板側AISマーク82上に結像させ、この結像されたマスク側AISマーク80の投影像と基板側AISマーク82とを、AIS受光系60(撮像素子62)で撮像する。AIS受光系60の計測結果は制御装置CONTに出力される。マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置を計測することにより、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7のそれぞれの結像特性(シフト、スケーリング、ローテーション)が求められる。
次に、制御装置CONTは、ステップS21における計測時点の各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7が有する補正機構の各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動位置情報、Xレーザ干渉計及びYレーザ干渉計による投影光学系を基準とした計測値を取得する(ステップS22)。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60による結像特性の計測結果に基づいて、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7のそれぞれの結像特性を補正(較正)するための補正量を求める。また、ステップS22において取得した各駆動装置の駆動位置情報、各Xレーザ干渉計の計測値を考慮して、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7のそれぞれの結像特性を補正(較正)するための、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7が備える各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量を算出する(ステップS23)。そして、制御装置CONTは求めた各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量に基づいて、各部分投影光学系が備える駆動装置の駆動を行い結像特性の補正(投影像の像配列補正)を行う(ステップS24、第1投影光学ユニット配列調整手段)。
次に、ステップS23において算出された各駆動装置の駆動量が予め定められている駆動許容範囲内でなかった場合には(ステップS25)ステップS21に戻り、再度、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測して、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の結像特性を計測し、AIS受光系60による結像特性の計測結果に基づいて、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7のそれぞれの結像特性を補正するための、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7が備える各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量を算出し、各部分投影光学系が備える駆動装置の駆動を行い結像特性の補正(投影像の像配列補正)を行う(ステップS21〜ステップS24)。このステップS21〜ステップS24は、ステップS23において算出された各駆動装置の駆動量が予め定められている駆動許容範囲内になるまで繰り返される。
ステップS25において、ステップS23において算出された各駆動装置の駆動量が予め定められている駆動許容範囲内であると判断された場合には、タクトの遅延を防ぐために、駆動装置の駆動を行なった後、ステップS26の処理に進む。
次に、制御装置CONTはマスクステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれをマーク計測位置に移動する(ステップS26)。具体的には、部分投影光学系PL2,PL4,PL6の結像特性を計測するために、制御装置CONTは、マスク側AISマーク80及び基板側AISマーク82が、部分投影光学系PL2,PL4,PL6の投影領域100b,100d,100f内で重なる位置(マーク計測位置)にマスクステージMST及び基板ステージPSTを移動させる。このとき、両マーク80、82を継ぎ部pc,pd,pg,ph,pk,plに配置させる。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60を用いて、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測し、部分投影光学系PL2,PL4,PL6の結像特性を計測する(ステップS27、第2計測手段)。すなわち、照明光学系ILからの露光光ELによりマスク側AISマーク80を部分投影光学系PL2,PL4,PL6を介して基板側AISマーク82上に結像させ、この結像されたマスク側AISマーク80の投影像と基板側AISマーク82とを、AIS受光系60(撮像素子62)で撮像する。AIS受光系60の計測結果は制御装置CONTに出力される。マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置を計測することにより、部分投影光学系PL2,PL4,PL6のそれぞれの結像特性(シフト、スケーリング、ローテーション)が求められる。
次に、制御装置CONTは、ステップS27における計測時点の各部分投影光学系PL2,PL4,PL6が有する補正機構の各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動位置情報、Xレーザ干渉計及びYレーザ干渉計による投影光学系を基準とした計測値を取得する(ステップS28)。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60による結像特性の計測結果に基づいて、各部分投影光学系PL2,PL4,PL6のそれぞれの結像特性を補正(較正)するための補正量を求める。また、ステップS28において取得した各駆動装置の駆動位置情報、各Xレーザ干渉計の計測値を考慮して、各部分投影光学系PL2,PL4,PL6のそれぞれの結像特性を補正(較正)するための、各部分投影光学系PL2,PL4,PL6が備える各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量を算出する(ステップS29)。そして、制御装置CONTは求めた各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量に基づいて、各部分投影光学系が備える駆動装置の駆動を行い結像特性の補正(投影像の像配列補正)を行う(ステップS30、第2投影光学ユニット配列調整手段)。
次に、ステップS29において算出された各駆動装置の駆動量が予め定められている駆動許容範囲内でなかった場合には(ステップS31)ステップS27に戻り、再度、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測して、部分投影光学系PL2,PL4,PL6の結像特性を計測し、AIS受光系60による結像特性の計測結果に基づいて、各部分投影光学系PL2,PL4,PL6のそれぞれの結像特性を補正するための、各部分投影光学系PL2,PL4,PL6が備える各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量を算出し、各部分投影光学系が備える駆動装置の駆動を行い結像特性の補正(投影像の像配列補正)を行う(ステップS27〜ステップS30)。このステップS27〜ステップS30は、ステップS29において算出された各駆動装置の駆動量が予め定められている駆動許容範囲内になるまで繰り返される。
ステップS31において、ステップS29において算出された各駆動装置の駆動量が予め定められている駆動許容範囲内であると判断された場合には、ステップS32の処理に進む。
次に、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の結像特性を再度計測するために、制御装置CONTは、マスク側AISマーク80及び基板側AISマーク82が、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の投影領域100a,100c,100e,100g内で重なる位置(マーク計測位置)にマスクステージMST及び基板ステージPSTを移動させる。このとき、両マーク80、82を継ぎ部pa,pb,pe,pf,pi,pj,pm,pnに配置させる(ステップS32)。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60を用いて、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測し、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の結像特性を計測する(ステップS33)。
次に、制御装置CONTは、ステップS33における計測時点の各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7が有する補正機構の各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動位置情報、Xレーザ干渉計及びYレーザ干渉計による投影光学系を基準とした計測値を取得する(ステップS34)。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60による結像特性の計測結果に基づいて算出された各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の配列誤差が予め定められている許容範囲内である場合には(ステップS35)、ステップS36に進むが、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の配列誤差が予め定められている許容範囲内でない場合には(ステップS35)、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7のそれぞれの結像特性を補正(較正)するための補正量を求め、ステップS34において取得した各駆動装置の駆動位置情報、各Xレーザ干渉計の計測値を考慮して、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7のそれぞれの結像特性を補正(較正)するための、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7が備える各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量を算出し(ステップS56)、算出された各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量に基づいて、各部分投影光学系が備える駆動装置の駆動を行い結像特性の補正(投影像の像配列補正)を行う(ステップS57)。そして、再度、AIS受光系60を用いて、マスク側AISマーク80と基板側AISマーク82との相対位置である位置ずれ量を計測し、部分投影光学系PL1,PL3,PL5,PL7の結像特性を計測し(ステップS58)、ステップS58における計測時点の各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7が有する補正機構の各駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動位置情報、Xレーザ干渉計及びYレーザ干渉計による投影光学系を基準とした計測値を取得する(ステップS59)。
次に、制御装置CONTは、AIS受光系60による結像特性の計測結果に基づいて算出された各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の配列誤差が予め定められている許容範囲内であるか否かの判断を行い、許容範囲内となっている場合には、ステップS36に進む。ステップS56〜ステップS59の処理は、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の配列誤差が予め定められている許容範囲内となるまで繰り返される。
各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7の配列誤差が予め定められている許容範囲内となった場合には(ステップS35)、ステップS33又はステップS58における計測値とステップS27における計測値(最終的な部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測値)に基づいて、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7と各部分投影光学系PL2,PL4,PL6との継ぎ差の算出を行う(ステップS36)。ここで算出された継ぎ差が予め定められている継ぎ差許容範囲内でない場合には(ステップS37)、部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測を再度行い(ステップS38〜ステップS40)、この計測値と部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測値とで求めた継ぎ差がゼロとなるように、部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動量の算出を行い(ステップS41)、算出された駆動量に基づいて駆動装置90Ad,90Bd,91Ad,91Bd,92d,93d,94dの駆動を行う(ステップS42)。つまり、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の値に対して部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の追い込みを行う。そして、部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測を再度行い(ステップS43,ステップS44)、この計測値に基づいて、各部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7と各部分投影光学系PL2,PL4,PL6との継ぎ差の算出を行う(ステップS45)。ここで算出された継ぎ差が予め定められている継ぎ差許容範囲内でない場合には(ステップS46)、ステップS41〜ステップS45の処理を繰り返し、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の値に対して部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の追い込みを行う。
継ぎ差が予め定められている継ぎ差許容範囲内となった場合には(ステップS46)、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測を再度行う。ここで部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測(ステップS47〜ステップS54)は、ステップS38〜ステップS45における部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測と同様の計測である。
このレンズキャリブレーションは、ドリフト的な成分が安定するまで繰り返され、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測値を目標値として部分投影光学系PL2,PL4,PL6の配列の調整が行われる。従って、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側が0.3μmずれていた場合に、そのずれ量に対して、部分投影光学系PL2,PL4,PL6側を追い込むので、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7と部分投影光学系PL2,PL4,PL6との全体の位置精度は0.6μm程度になる場合が発生するが、継ぎ差の誤差は、概ね1/2の0.3μm程度となる。このレンズキャリブレーションにて部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の配列と継ぎ部の精度が保証される。
次に、マスクパターンの形状誤差の補正を行なう。マスク側AISマーク81を用いて部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測を行い(第3計測手段)、この計測値と、レンズキャリブレーションの最後にマスク側AISマーク80を用いて計測した部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測値(ステップS52における計測値)とを用いて、レンズキャリブレーション後のマスクステージMSTの走りやマスクMのスケーリング、回転、シフト等の線形誤差及び、非線形誤差の補正値の算出を行なう(第1露光補正値算出手段)。
線形誤差として生ずるマスクM全体の回転やシフト、X方向の倍率は、マスクステージMST若しくは基板ステージPSTの走りの補正により補正する量として求まり、非線形誤差は、各種レンズの補正機構の駆動装置を駆動させることにより、露光中に補正する量として求まる。ここで求めた線形誤差(パターン線形誤差)、及び非線形誤差(パターン非線形誤差)は、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測値を用いて計測された値であるが、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7と部分投影光学系PL2,PL4,PL6は、マスク側AISマーク80を用いた計測により配列を合わせてあるため、マスク側AISマーク81を用いた部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7で計測された値が、所定値からずれている量は、マスクパターンの形状誤差である。マスク側AISマーク81を用いた部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側で計測された継ぎ部位置は、部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の継ぎ部位置と同一であるため、この値を用いて部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の補正値も算出する。こうすることによって、マスクパターンの形状誤差を補正して露光することが可能になる。ここで、この形状誤差のみを補正する場合は、このまま露光動作を開始する。
更に、マスクの位置若しくは、マスクステージの位置による継ぎずれを補正する場合には、マスク側AISマーク81を用いて部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測を行なう(第4計測手段)。例えば、マスクステージMSTの真直度が変動したり、マスクステージMSTの移動に伴う部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側と部分投影光学系PL2,PL4,PL6側、若しくは、隣合う部分投影光学系にずれが発生する場合、即ち重心変動による継ぎずれが発生する場合には、マスク側AISマーク81を用いて部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測を行なう。
マスク側AISマーク80を用いた計測により、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側と部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の継ぎ差と配列を補正し、かつ、マスク側AISマーク81を用いた部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測により形状誤差の補正を行った後に、マスク側AISマーク81を用いた部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測を行うため、そこで発生する誤差は、部分投影光学系間の配列のずれやマスクパターン等の形状誤差ではなく、マスクステージ位置等による例えば、熱的な変形、変動、マスクステージの真直度変化やマスクステージ移動による部分投影光学系や、干渉計側の変形によって発生している変形変動誤差、または部分投影光学系自体の変形による誤差である。従って、マスク側AISマーク81を用いて部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測を行い、この計測値と先にマスク側AISマーク81を用いて部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側で計測された計測値との差を求め補正量とし、その補正量に基づいて部分投影光学系PL2,PL4,PL6側のみを補正する。計測誤差がある場合であっても、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側を基準とした値に対する部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の補正値を算出することで、継ぎ差の誤差としては、マスク側AISマーク80側で述べたように小さくなる(第2露光補正値算出手段)。
部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の補正量は、マスク側AISマーク80側からマスク側AISマーク81側までの補正値を、マスクステージの位置に応じた部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測値を用いて求めたマスクパターン形状誤差の計測値により求めることができ、部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の補正量は、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測値を用いて求めたマスクパターン形状誤差に、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の計測値と部分投影光学系PL2,PL4,PL6側の計測値の差で求めた変形変動誤差を加算することでその補正値を求めることができる。
このようにマークが2箇所(マスク側AISマーク80.81)の場合には、露光時に線形的に補正を行うように、露光補正値を算出し補正機構の駆動装置を駆動して露光を行う。なお、マークを2箇所以上、例えばマスクに回路パターンが分割されて設けられる場合、マスクマーク73,73を結ぶ線で分割されると、その線の領域近傍にマスク側AISマークを並べて配置すれば、2次元近似が可能で補正もより精度良く行える。
図4に示すように、マスクパターンの形状誤差を求めるためのマスクマーク73を露光パターンの外周部に入れることによってマスクMの両端のマスク側AISマーク80、81及びマスクMの露光パターンの外周部の走査方向の中央部に設けられた2つのマスクマーク73を用いて、Y方向の倍率成分を求めることにより正確に形状誤差を求めることが可能になる。この形状誤差は、各部分投影光学系のY方向の倍率を補正する倍率補正用の補正機構及びY方向の露光位置を補正するシフト補正用の補正機構により補正することができる。
このように形状誤差と継ぎ差補正を切り離すことによって、形状誤差のみを補正する場合や、継ぎ差補正のみを行なう場合等をタクトの遅延を考えてロットの途中の補正に使用することも可能となる。また、形状自体と継ぎ差ずれを切り離せるので、形状誤差をマスク側AISマークの計測を行わない他の方法により求めても、形状誤差の補正、継ぎ差補正を行うことができる。
形状誤差は、マスク自体の平面度変化を計測し、その平面度の変化からXYの位置ずれ量を求め、XYの位置ずれ量(マスクの撓み量)から求めてもよい。露光装置には、マスク側AF系が搭載されており、マスクのフォーカス位置が求められている。そこで、複数のAF系を用いてマスクの平面度を計測し、その計測値からマスク側AISマーク80及び、マスク側AISマーク81の位置と、例えば100mm程度の間隔で平面度を計測する。その計測された値により各計測位置でのY方向の形状を近似する2次以上の近似式を求める。求めた形状に対して、マスク厚の1/2の値とその近似式の微分値を掛け合わせることによって、Y方向のずれ量(Y方向の倍率変化)を算出することが可能になる。この補正値をマスク側AISマーク80及び、マスク側AISマーク81の位置で誤差がなくなるように補正を加えて、Y方向の形状誤差とすることも可能になる。なお、平面度の変化からXYの位置ずれ量を求め、この位置ずれ量から求めたXY近似位置変化に基づいて形状誤差を求めてもよい。マスク側AISマーク80,81と基板側AISマーク82との相対位置関係を計測する計測手段は一部を共用するように構成されてもよい。
本実施の形態においては、レンズキャリブレーション時に各投影光学系が有する補正機構の駆動装置の駆動位置情報もフィードバックし、かつ、各計測値から継ぎ差を優先的に追い込むため、レンズの継ぎ部差を小さくすることができる。また、マスクパターン形状誤差の計測と継ぎ部ずれの計測を分けることによって、マスクパターン形状誤差に基づく補正値と、継ぎ部ずれの補正値を別々に求めることができる。また、変化する誤差分のみを計測することによってタクトへの影響を小さくできる。
また、本実施の形態においては、露光装置の稼動初期に起こる継ぎずれ量の影響を小さくし、特にレンズの継ぎ部差の精度を向上させることができる。更に、従来の方法では、マスクパターン非線形誤差量と、部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側のレンズ変動及び部分投影光学系PL2,PL4,PL6側のレンズ変動、マスクステージの熱変形、レンズ自体のドリフト等による継ぎ部ずれの影響を切り分けることができなかったが、パターンの非線形誤差(形状精度)と継ぎ部差の補正値を切り分けることによって、その時々で必要最小限のキャリブレーションのみを行うことも可能になり、タクトの遅延も最小にすることが可能になる。また、従来では部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側で部分投影光学系PL1,PL3,PL5、PL7側の補正量、部分投影光学系PL2,PL4,PL6側で部分投影光学系PL2,PL4,PL6の補正量を算出しているため、形状誤差のみを別の手段で求めることは困難であったが、形状誤差分と継ぎ差分を切り分けることができるので、形状誤差をより高精度に測定したり、他の手段で求めた形状誤差に対して継ぎ部のみを補正する項をプラスすることも容易にできる。
上述の実施の形態では、複数並んだ部分投影光学系PL1〜PL7のそれぞれに関して補正量を設定し、結像特性を個別に補正する構成であるが、例えば複数の部分投影光学系PL1〜PL7を複数のグループに分け、グループ毎に補正量の平均値を求め、求めた平均値に基づいて結像特性を補正するようにしてもよい。これにより結像特性の計測誤差を低減することができる。
上述の各実施の形態において、部分投影光学系の結像特性を計測する際に用いるマークはマスク及び基板ステージのそれぞれに設けられている構成であるが、マスクステージや感光性基板にマークを設けてもよい。また、基板ステージのマーク及びAIS受光部を含む基準部材をプレートを挟んだ反対側の2箇所に設けるようにしてもよい。
上述の実施の形態の露光装置EXとして、マスクMとプレートPとを同期移動してマスクMのパターンを露光する走査型の露光装置の他に、マスクMとプレートPとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、プレートPを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置に適用することもできる。なお、本発明の露光装置は、外径が500mm以上の感光性基板に特に有効である。高精細のパターンや、より広い面積を持つデバイス製造の際に、投影レンズの数が増加した場合や、各々の投影レンズの画角を大きくした場合に、継ぎ精度の向上がより要求され、本発明が有効であることは言うまでもない。また、露光装置EXの用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
本実施の形態の露光装置EXの光源2は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を用いることもできる。
また、投影光学系PLの倍率は、等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよい。投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
以上のように、本願実施の形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
上述の実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系によってレチクル(マスク)を照明し、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板(ウエハ)に露光することにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、図10のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターン像が投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行なわれた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行なうことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述のマイクロデバイス製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスの製造を高精度に行うことができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、上述の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図11のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図11において、パターン形成工程S401では、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスの製造を高精度に行うことができる。
2…光源、4…楕円鏡、6…ダイクロイックミラー、8…コリメートレンズ、10a、10b…波長選択フィルタ、12…集光レンズ、14…ライトガイドファイバ、16b…コリメートレンズ、18…減光フィルタ機構、22b…フライアイレンズ、24b…コンデンサーレンズ、IL1〜IL7…部分照明光学系、PL1〜PL7…部分投影光学系、I1〜I6…照度センサ、M…マスク、P…プレート、50…移動鏡、52…アライメント系、54…オートフォーカス系、CONT…制御装置、80,81…マスク側AISマーク、82…基板側AISマーク。