JP2006096614A - 火工ガス発生組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2200Kよりも低い温度で、窒素の含有量が高く、無毒でクリーンなガスを発生する火工組成物を提供すること。
【解決手段】 ガス発生用火工組成物であって、当該組成物の全質量の15〜30%の質量濃度で存在する過塩素酸アンモニウムから成る第1の酸化性装薬と、酸化銅、酸化マンガンおよびこれらの2種類の化合物の混合物から成る群から選ばれる金属酸化物から成る第2の酸化性装薬とを含み、前記第1の酸化性装薬と前記第2の酸化性装薬の質量比が1未満であり、ニトログアニジン、硝酸グアニジニウム、オキサミド、ジシアンジアミド及び金属シアナミドから成る群から選ばれる窒素含有有機化合物の形態にある還元性装薬も含むことを特徴とするガス発生用火工組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガスの火工式発生(pyrotechnic generation)に関し、特に、自動車の乗員を保護するためのシステムにおいて使用される膨張エアバッグに関する。本発明は、より具体的には、自動車の安全性から許容可能な温度で、窒素の含有量が高く、無毒でクリーンなガス、いわゆる「コールドガス」を発生する火工組成物(pyrotechnic composition)に関する。
様々な火工要件に合わせ、そして特に、エアバッグの正確な膨張を確実にするために、30ミリ秒程度の非常に短い時間で、火工式ガス発生器はクリーンなガス、すなわちエアバッグの壁に損傷を与え得るホットスポットとなりやすい固体粒子を含まず、無毒な、すなわち窒素酸化物、炭素酸化物及び塩素化生成物の含有量が低いガスを供給するものでなくてはならない。
この目的のために様々な種類の組成物が開発された。それらの種類のうちの1つは、有機バインダーと、過塩素酸アンモニウム等の酸化性装薬から基本的になる「複合材料」組成物に関する。これらの組成物は、燃焼速度が良好で、エージングに対する安定性に優れているために、非常に有用である。
例えば、仏国特許出願公開第2,137,619号明細書及びその対応特許、すなわち米国特許第3,723,205号明細書には、内部塩素捕捉剤としての硝酸ナトリウムの存在下、酸化性装薬が過塩素酸アンモニウムである組成物が提案されている。それでもなお、高エネルギー装薬の存在下での塩素化バインダーの使用は、特に発生するガスの安全性及び無毒性の点で実施することが困難である。
アジド類又は金属窒化物等の窒素含有化合物と混合された過塩素酸アンモニウム及び硝酸ナトリウムをベースとした組成物も提案されている。この種の組成物は、例えば米国特許第3,814,694号明細書に記載されている。しかしながら、実施した場合には、組成物を非常に毒性の高いものにするアジド類の存在を考慮すると、それらの組成物は推奨されない。
米国特許第4,909,549号明細書には、過塩素酸アンモニウムと硝酸ナトリウムの混合物と、トリアゾール又はテトラゾールである窒素含有化合物とから成る組成物が記載されている。そのような組成物は、確かに、窒素含有量が高いクリーンなガスを発生するが、それらのガスは、比較的毒性があり、自動車の安全装置において使用するには、空気で希釈されねばならない。
過塩素酸アンモニウムと硝酸ナトリウムの混合物とシリコーンバインダーとから成る組成物も提案されている。例えば仏国特許出願公開第2,728,562号明細書又はその対応米国特許第5,610,444号明細書に記載されているそのような組成物は、確かに窒素含有量が高いクリーンなガスを発生するが、それらの組成物には、燃焼が非常に高い温度で起こるという欠点がある。
ガス発生用の火工組成物は米国特許第6,190,474号明細書からも知られている。この火工組成物は、具体的には、ニトログアニジンから成る還元性装薬と、例えば硝酸アルカリ金属塩もしくは硝酸アルカリ土類金属塩又は金属酸化物、あるいはそれらのうちの2種の混合物から構成される酸化剤とを含み、2000〜2200Kの比較的低い温度で燃焼する。この組成物は、例えば、20〜80質量%のニトログアニジンと80〜20質量%の酸化剤を含む。この種の組成物は、2200K未満の温度でガスを発生し、このことは、自動車の安全装置において使用する場合の利点を成す。しかしながら、これらの組成物の燃焼速度は低すぎるため、自動車の安全装置用のガス発生器においてそれらを有効に使用することはできない。
仏国特許出願公開第2,772,370号又はその対応米国特許第6,533,878号明細書には、自動車の安全装置に対して許容可能な温度、すなわち2200K未満でクリーンで無毒なガスを発生する組成物が記載されている。この組成物は、より具体的には、架橋した還元性バインダーと主たる酸化性装薬とを含み、その酸化性装薬は過塩素酸アンモニウムと、硝酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸リチウムからなる群から選ばれる塩素捕捉剤とを含む。この組成物は、酸化銅のような少なくとも1種の銅化合物と、例えばニトログアニジン又は硝酸グアニジニウムのような窒素含有有機化合物を含む添加剤も含む。この組成物は、自動車の安全装置において使用するのに十分に適する燃焼速度及び温度で燃焼する。
この特許出願明細書には、過塩素酸アンモニウムが主たる構成成分である特定の組成物が記載されている。過塩素酸アンモニウムが非常に酸化性が高く非常に良好なガス収量を有することは事実であるが、過塩素酸アンモニウムは組成物の燃焼温度を高め、塩化水素等の塩素系生成物の発生増大にかなり寄与し、これらの生成物は、濾過するのが困難であり、また、多量の煙霧の原因となる液滴及び粒子を形成する。煙霧の形成は、最大限抑えられるべき現象である。
ガス発生用組成物は、独国特許出願公開第298 21 541号(欧州特許出願公開第1 006 096号に対応)からも知られており、そこに記載されているガス発生組成物は、20〜60%の燃料と40〜80%の酸化性混合物を含む。その燃料は、少なくとも95%の窒素含有有機化合物(硝酸グアニジン)を含み、一方、その酸化性混合物は20〜80%の金属酸化物、0〜50%の塩基性硝酸銅、1〜15%の金属塩素酸塩又は過塩素酸アンモニウム、及び1〜15%のアルカリ金属硝酸塩又はアルカリ土類金属硝酸塩を含む。この組成物は過塩素酸アンモニウム含有量が低く、この低い過塩素酸アンモニウム含有量によって、煙霧の形成と塩化水素(HCl)の生成を抑えることができる。しかしながら、過塩素酸アンモニウムは、特に、組成物に、良好なガス収量、より高い燃焼速度及び良好な点火性を付与するのを可能にする。さらに、過塩素酸アンモニウムの粒子サイズを制御することによって、組成物の弾道学的特性を制御することができる。独国特許出願公開第298 21 541号明細書に記載されている組成物において低い過塩素酸アンモニウム含有量を使用すると、これらの利益を十分に受けることができなくなる。結局、金属酸化物を主として使用することに基づくこの組成物は、ペレット化する場合にのみ使用できる。高い酸素バランスを有する過塩素酸アンモニウムの含有量が低いと、バインダーを非常に多量に使用することはできないため、押出を用いることができない。
欧州特許出願公開第1 130 008号明細書(米国特許第6,592,778号明細書に対応)には、45%の硝酸グアニジン、13%の酸化銅、25%の塩基性硝酸銅、4%の過塩素酸アンモニウム、3%の硝酸ナトリウム、10%の酸化鉄及び24%のヒドロキシエチルセルロース2%溶液を含むガス発生用組成物が記載されている。この組成物の場合、ヒドロキシエチルセルロースは増粘剤として使用される。独国特許出願公開第298 21 541号明細書に記載されているように、欧州特許出願公開第1 130 008号明細書に記載されている組成物は、低い過塩素酸アンモニウム含有量を有する。従って、この組成物は、先に記載した欠点と同様の欠点を有する。しかしながら、この特許明細書には、増粘剤を使用することによって押出による製造を可能にする方法が記載されている。
仏国特許出願公開第2,137,619号明細書 米国特許第3,814,694号明細書 米国特許第4,909,549号明細書 仏国特許出願公開第2,728,562号明細書 米国特許第6,190,474号明細書 仏国特許出願公開第2,772,370号明細書 独国特許出願公開第298 21 541号明細書 欧州特許出願公開第1 130 008号明細書
従って、本発明の目的は、2200Kよりも低い温度でクリーンで無毒なガスを発生し、弾道学的特性の点で価値があり、良好なガス収量及び良好な点火性を保証し、煙霧及び塩化水素を殆ど発生しない火工組成物を提供することである。
この目的は、ガス発生用火工組成物であって、当該組成物の全質量の15〜30%の質量濃度で存在する過塩素酸アンモニウムから成る第1の酸化性装薬と、酸化銅、酸化マンガンおよびこれら2種類の化合物の混合物から成る群から選ばれる金属酸化物から成る第2の酸化性装薬とを含み、第1の酸化性装薬と第2の酸化性装薬の質量比が1未満であり、ニトログアニジン、硝酸グアニジニウム、オキサミド、ジシアンジアミド及び金属シアナミドから成る群から選ばれる窒素含有有機化合物の形態にある還元性装薬も含むことを特徴とするガス発生用火工組成物によって達成される。
本発明によれば、第1の酸化性装薬、すなわち過塩素酸アンモニウムの質量濃度は、当該組成物の全質量の15〜30%である。過塩素酸アンモニウムは非常に強い酸化剤であり、非常に良好なガス収量を有する。その強い酸化特性は、特に、当該組成物中の還元性装薬の割合を高めることを可能にし、例えば硝酸グアニジニウムの割合を高めることを可能にする。硝酸グアニジニウムもそれ自体非常に良好なガス収量を有する。当該組成物中に過塩素酸アンモニウムが存在することによって、当該組成物で高い燃焼速度を達成することが可能となる。燃焼速度は、燃焼させるべき火工配合物中に存在する過塩素酸アンモニウムの粒子サイズによって制御することができる。燃焼速度は、当該組成物の燃焼のための触媒を使用することによっても制御することができる。その構成成分の性質に依存する燃焼の速度が非常に高い組成物を利用できるようにすることは、ある利点を与える。確かに、自動車の安全装置では、実質的に全ての火工組成物は、乗員又は運転手用のエアバッグで使用される場合には30〜40ミリ秒以内で、また、サイドエアバッグで使用される場合には10ミリ秒以内で、200MPa程度の圧力のもとで、燃焼しなくてはならない。これらの燃焼時間は、自動車の安全装置用の組成物で満たされるべき基本的要件を成す。燃焼時間は、ちょうど燃焼すべき厚さを燃焼速度で割った商であるため、組成物の燃焼速度が高い場合には、より厚い、従って、場合によっては押出可能なモノリシックなブロック又はより厚いペレットを製造することが可能であることがすぐに分かるであろう。押出可能なモノリシックなブロック又はより厚いペレットの製造は、短い燃焼時間を維持したまま、製造するのがより簡単である。本発明によると、組成物に高い燃焼速度を与える過塩素酸アンモニウムの使用は、当該組成物を、燃焼させようとする配合物の製造中に生じ得る厚さの変動に依存しないものにするため、その配合物の燃焼中のそれらの変動に関連する作動の相違を防止することができる。
さらに、得られた火工製品が平行な複数の層中で燃焼した場合、燃焼速度Vc は次の法則:Vc =a×pn (式中、aは定数であり、nは圧力指数である)を満たす。火工配合物の燃焼は、何はさておき、化学反応であるため、温度に依存する。過塩素酸アンモニウムの使用は、圧力指数を減少させるのを可能にするため、組成物の圧力に対する依存性が低くなり、そのため温度に対する依存性も低くなる。本発明によると、圧力指数は特に低く、概して0.7未満であり、火工配合物を−35℃〜85℃の温度で使用することができる。従って、本発明の組成物を自動車で使用することができるであろう。
本発明の組成物は、バインダーを含めることを必要としない。しかしながら、ペレット、ディスク又はモノリシックブロック等の得られる最終的な火工配合物に良好な機械的強度を与えるために、組成物にバインダーを添加することができる。
自動車の安全装置の分野において、組成物が、釣り合いのとれた酸素バランス(OBと呼ばれる)を有しなくてはならないことは知られている。定義によれば、組成物が十分な酸素を有し、反応後に、組成物の様々な化合物がCO2 、H2 O及びN2 の形態で見出される場合には、その組成物は酸素のバランスが取れていると言われる。バインダーの酸素バランスは一般的に非常に低く、往々にして補償されねばならない。組成物中に過塩素酸アンモニウムが存在することによって、そのような補償が可能となる。しかしながら、過塩素酸アンモニウムは、その使用に関連する欠点を防止するために、例えば塩化水素の生成又は煙霧の発生を防止するために、組成物中に非常に高い濃度で存在すべきではない。
バインダーの酸素バランスは、できるだけ低いほうがよい。酸素バランスが均衡するように調節することによって、形成される塩化物の量を抑えることもできる。
本発明によると、本発明の組成物中の比較的高い割合の過塩素酸アンモニウムによって、押出して使用しようとする組成物に比較的高いレベルでバインダーを含めることができる。
本発明の一態様によると、組成物は、メチルセルロース及びポリビニルアルコールから成る群から選ばれるバインダーを含む。本発明の好ましい態様によると、選ばれるバインダーはナトリウムカルボキシメチルセルロース(以下、Na−CMCと表す)である。実際に、本発明によると、このバインダーは、107℃で400時間行なわれるエージング試験に従って測定されるエージングで特に良好な強度を有する。
本発明によると、選ばれるバインダーはナトリウムカルボキシメチルセルロースである。このバインダーは、−103.5%の酸素バランス(0.7度の置換度)を有する。この酸素バランスは、特に、エラストマー型のバインダーの酸素バランスよりも非常に高い。ナトリウムカルボキシメチルセルロースバインダーは、また、それ自体、押出し、粒状化し、圧縮するのに非常に適するものであり、そのため、ペレット、ディスクまたはモノリシックブロックの形態で本発明の組成物で使用するのに最適である。
先行特許出願である仏国特許出願公開第2 772 370号明細書に記載されている組成物は、シリコーン樹脂をベースとした又はエポキシ樹脂をベースとした架橋した還元性バインダーを含む。このバインダーは、組成物の全質量の6%〜10%の濃度で組成物中に存在する。二軸スクリュー押出機を用いた押出により得るには、組成物の全質量の4又は5%程度の最低限の含有量のバインダーを含まなくてはならず、バインダー用の溶剤の使用を必要とする。この先行技術のこの組成物で選ばれたバインダーは、有機又はハロゲン化溶剤の使用を必要とするものである。例えばトリクロロエチレン等のハロゲン化溶剤の使用は規制に従わねばならず、そのため、そのような組成物の製造はかなり複雑になり、その製造費を増大させる。同様に、有機溶剤の使用によって、揮発性有機化合物(VOC)の放出を制御するための複雑な溶液の形成をもたらす。
本発明によると、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース等のバインダーは水溶性であり、このようなバインダーによって、上記の先行技術におけるように、火工配合物の製造の際に関係する造粒又は押出工程の間にハロゲン化溶剤又は有機溶剤の助けを借りる必要をなくすことができる。
ある特殊な態様によると、バインダーの質量濃度は、バインダーの全質量の最高6%までである。上記のように、バインダーは、通常は、非常に低い酸素バランスを有する。上記組成物の酸素バランスに過度に大きな不利益にならないように、上記組成物中のバインダーの割合は非常に低いままであることが必要である。
別の特別な態様によると、上記組成物は、その製造を容易にする添加剤を含む。これらの添加剤は、例えば、ステアリン酸カルシウムであり、それがバインダーを含まない場合には、本発明の組成物の製造を促進することができる。
本発明の一態様によると、ニトログアニジン、硝酸グアニジニウム、オキサミド、ジシアンジアミドおよび金属シアナミドから選ばれる窒素含有有機化合物は、当該組成物の全質量の30〜50%の質量濃度を有する。当該組成物中の窒素含有有機化合物は還元性装薬であり、当該組成物の不可欠な構成要素であり、バインダーは、存在する場合には、一添加剤としてより重要な役割を果たす。選ばれる還元性装薬は好ましくは硝酸グアニジニウムである。実際に、硝酸グアニジニウムは、107℃で400時間の試験により測定した場合に、非常に良好な耐エージング性を示す。さらに、組成物中に硝酸グアニジニウムの存在は、当該組成物のガス収量を高める。硝酸グアニジニウムは、負の生成エンタルピーを有し、当該組成物の燃焼温度を下げる効果も有する。
本発明の好ましい態様によると、第2の酸化性装薬の質量濃度は、当該組成物の全質量の30〜45%である。この第2の酸化性装薬の存在は、特に、当該組成物中の過塩素酸アンモニウムの量を抑えることを可能にする。けれども、上記のとおり、過塩素酸アンモニウムは強い酸化剤であり、有益な燃焼特性を示し、組成物中でのその使用は、実際に、高い燃焼温度が得られるということと、塩化水素含有量が非常に高い燃焼ガスの発生とをもたらす。この第2の酸化性装薬は、金属酸化物であり、好ましくは酸化銅CuO又は酸化マンガンMnO2 である。これら2種類の酸化物の混合物は、第2の酸化性装薬としても使用できる。この第2の酸化性装薬は、組成物中に非常に高いレベルであって、過塩素酸アンモニウムの濃度よりも高いレベルで存在する。第2の酸化性装薬は、低い生成エンタルピーを有するため、当該組成物の燃焼温度は低下する。実際に、例えば、酸化銅CuOの生成エンタルピーは−155kJ/molである。酸化銅も、過塩素酸アンモニウム用の優れた燃焼触媒であるという利点を有し、このことによって組成物に高い燃焼速度を与えることができ、そのため、組成物は自動車の安全装置で使用するのに非常に適するものとなる。
本発明によると、組成物は、濾過するのに十分に大ききサイズを有する残渣を生じるように、燃焼時に放出される固体粒子を捕捉するための薬剤も含むことができる。例えばアルミナ又はシリカのような自動車の安全装置のための組成物の分野でよく知られている添加剤を本発明の組成物に加えることができる。
ある特別な態様によると、組成物中に存在してもよい金属シアナミドには、ナトリウムのシアナミド、亜鉛のシアナミド、及び銅のシアナミドがある。選ばれる金属シアナミドは、亜鉛シアナミドZnCN2 であることが好ましい。
本発明によると、上記のような組成を有する火工配合物は、ディスク圧縮により又はペレット化により高速で製造できる。ペレット化の前に粉末準備段階を行なう必要がある。この段階は、たんに様々な構成成分をドライ混合することを意味するものではない。確かに、ペレット化工程を行なえるようにするには、十分に流動する粉末を得る必要がある。この準備段階は、数百ミクロン程度のより大きな粒子サイズを有する粒子を調製するために、本発明の組成物の構成要素となり粉末状で存在する様々な材料から始めることから構成される造粒工程である。この粉末が得られたら、ペレット化工程を行なうことができる。
本発明によると、二軸スクリュー押出機を用いる押出によって火工製品を得ることもできる。このため、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等のバインダーを組成物に含め、溶剤を使用することが必要である。上記のように、幾つかのバインダー、特に従来技術で使用されているものとは違って、ナトリウムカルボキシメチルセルロースは水溶性である。従って、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの使用は、ハロゲン化又は有機溶剤の使用を必要としない。過塩素酸アンモニウムの可溶化を妨げるために、小さな割合の水を混合物に含める。本発明によると、上記のような本発明の組成物を有する火工配合物を製造する方法は、まず第1に、例えば二軸スクリュー押出機等のブレンドして押出す装置に、一方では2種類の酸化性装薬を、他方ではバインダーと予備混合された窒素含有有機化合物を、連続的に供給する工程を含む。押出機を用いてブレンドした後、例えば、管状体を押出し、オーブン硬化させ、そして望ましい長さに切断して、集合体(aggregates)を形成する。
下記表は、本発明の組成物の処方についての幾つかの例及びそれらの処方の各々について示された性能を示すものである。
Figure 2006096614
この表では、以下の略語を用いた。
「Na−CMC」はナトリウムカルボキシメチルセルロースである(量は百分率で表示)。
「Glyc.」はグリセリンである(量は百分率で表示)。
「A.P.」は過塩素酸アンモニウムである(量は百分率で表示)。
「MnO2」は二酸化マンガンである(量は百分率で表示)。
「CuO」は酸化銅である(量は百分率で表示)。
「G.ニトレート」は硝酸グアニジニウムである(量は百分率で表示)。
「T」は温度(K単位で測定)である。
「O.B.」は酸素バランス(百分率で表示)である。
「収量」はガス収量(燃焼した組成物の1kg当たりのモル数で表示)である。
「Res.」は、1000K及び1バールでのガス中の固体残渣の百分率(%)で表示した全濃度である(1000Kの温度は、ガス発生器から出るガスの温度に実質的に対応する)。
組成物に一定量のグリセリンを添加できることに注目すべきである。
2%のNa−CMCバインダー、26.4%の過塩素酸アンモニウム、30%の酸化銅及び41.6%の硝酸グアニジニウムを含む組成物24gを60リットルのタンク内に向けて燃焼させた場合に以下の結果を得た。
Figure 2006096614
下記表は、2%のNa−CMCバインダー、26.4%の過塩素酸アンモニウム、30%の酸化銅及び41.6%の硝酸グアニジニウムを含む組成物18gを、107℃で400時間のエージング後及びサイクル後の60リットルのタンク内に向けて燃焼させた場合の結果を示すものである。ここで、サイクルは、1回のサイクルが上記組成物を−40℃に40分間維持し、温度を60分間で107℃に上げ、この107℃の温度に40分間維持し、温度を60分間で−40℃に下げることからなる183回のサイクルに上記組成物をかけることから成った。
Figure 2006096614
107℃で400時間エージング後、組成物はその全質量の0.24%を失っていた。200時間経った時点では、組成物は、すでにその全質量の0.23%を失っていた。107℃での400時間のこのエージング後、組成物は、エージング前に有していた性能と同等の性能を有していたことも認められた。
当業者には、本発明が、特許請求の範囲に記載されている通りの本発明の範囲から外れることなく多くの他の具体的形態で実現可能であることが明らかであろう。従って、上記の態様は、例示と見なされるべきで、特許請求の範囲により規定される範囲内で変更を成すことができ、本発明は、上記の詳細な説明に限定されるべきではない。

Claims (12)

  1. ガス発生用火工組成物であって、当該組成物の全質量の15〜30%の質量濃度で存在する過塩素酸アンモニウムから成る第1の酸化性装薬と、酸化銅、酸化マンガンおよびこれらの2種類の化合物の混合物から成る群から選ばれる金属酸化物から成る第2の酸化性装薬とを含み、前記第1の酸化性装薬と前記第2の酸化性装薬の質量比が1未満であり、ニトログアニジン、硝酸グアニジニウム、オキサミド、ジシアンジアミド及び金属シアナミドから成る群から選ばれる窒素含有有機化合物の形態にある還元性装薬も含むことを特徴とするガス発生用火工組成物。
  2. 前記組成物がメチルセルロース及びポリビニルアルコールから成る群から選ばれるバインダーを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 前記バインダーがナトリウムカルボキシメチルセルロース(Na−CMC)であることを特徴とする請求項2記載の組成物。
  4. 前記バインダーの質量濃度が前記組成物の全質量の最高6%までであることを特徴とする請求項2又は3記載の組成物。
  5. 前記組成物がその製造を容易にする添加剤を含む特徴とする請求項1記載の組成物。
  6. 前記窒素含有有機化合物が、前記組成物の全質量の30〜50%である質量濃度を有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
  7. 前記第2の酸化性装薬の質量濃度が、前記組成物の全質量の30〜45%であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  8. 前記金属シアナミドがナトリウム、亜鉛及び銅のシアナミドから成ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  9. 前記金属シアナミドが亜鉛シアナミドZnCN2 であることを特徴とする請求項8記載の組成物。
  10. 前記組成物が、燃焼触媒として作用する又は燃焼中に放出される固体粒子を捕捉するための薬剤として作用する添加剤を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  11. 前記組成物がペレット化又はディスク圧縮法により製造され成形されたことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  12. 前記組成物が押出法により製造され成形されたことを特徴とする請求項2記載の組成物。
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RU2513919C2 (ru) * 2012-06-14 2014-04-20 Открытое акционерное общество "Федеральный научно-производственный центр "Научно-исследовательский институт прикладной химии" Пиротехнический низкотемпературный быстрогорящий газогенерирующий состав
KR101444658B1 (ko) * 2014-04-15 2014-10-28 국방과학연구소 고질소 4,4''-(에탄-1,2,-디일)비스(5-니트로이미노테트라졸-1-이드) 유기염계 복합화약 조성

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RU2513919C2 (ru) * 2012-06-14 2014-04-20 Открытое акционерное общество "Федеральный научно-производственный центр "Научно-исследовательский институт прикладной химии" Пиротехнический низкотемпературный быстрогорящий газогенерирующий состав
KR101444658B1 (ko) * 2014-04-15 2014-10-28 국방과학연구소 고질소 4,4''-(에탄-1,2,-디일)비스(5-니트로이미노테트라졸-1-이드) 유기염계 복합화약 조성

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