JP2006091053A - 液滴吐出による基板の製造方法、基板、及び表示装置の製造方法、表示装置、並びに電子機器 - Google Patents

液滴吐出による基板の製造方法、基板、及び表示装置の製造方法、表示装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 機能液を基体上の所定の領域に液滴として吐出させて配置する場合に、液滴の広がり不足や隣接する領域間の液滴の混入を低減することのできる液滴吐出による基板の製造方法、基板、及び表示装置の製造方法、表示装置、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】 基体12上に機能液を液滴8として吐出して配置する液滴吐出による表示装置の製造方法であって、この基体12上の領域7に溝7dを形成して、隔壁6によって区画される領域7に液滴8が着弾するときに、矩形状に形成された領域7の延長方向に沿って、機能液が流れていくように溝7dを複数配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液滴吐出による基板の製造方法、基板、及び表示装置の製造方法、表示装置、並びに電子機器に関する。
一般に、各種の表示装置(電気光学装置)においては、カラー表示を可能にするためにカラーフィルタが設けられている。このカラーフィルタは、例えば、ガラスやプラスチックなどで構成された基体上に、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色のドット状のフィルタエレメントを、いわゆるストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列などといった所定の配列パターンで配列させたものである。
また、表示装置としては、液晶装置やEL(エレクトロルミネッセンス)装置などの電気光学装置を例として、ガラスやプラスチックなどで構成された基体上に、その光学状態を独立して制御可能な表示ドットを配列させたものがある。この場合、各表示ドットには液晶やEL発光部が設けられる。表示ドットの配列態様としては、例えば、縦横の格子(ドットマトリクス)状に配列させたのものが一般的である。
カラー表示可能な表示装置においては、通常、例えば上記のR,G,Bの各色に対応する表示ドット(液晶やEL発光部)が形成され、全色に対応する例えば3個の表示ドットによって一つの画素(ピクセル)が構成される。そして、一つの画素内に含まれる複数の表示ドットの階調をそれぞれ制御することによってカラー表示を行うことが可能になる。
例えば特許文献1に開示されているように、これらの表示装置の製造工程においては、感光性樹脂を基板上に塗布し、この感光性樹脂に露光処理及び現像処理を施すことにより、格子状の隔壁(バンク)を形成してから、この隔壁により画成された領域に、ヘッドなどによって吐出された液滴を着弾させ、乾燥させることによって表示要素(すなわち、上記のカラーフィルタのフィルタエレメントやEL発光部の表示ドットなど)を構成する場合がある。この方法では、フォトリソグラフィ法などによって表示要素を各色毎にパターニングする必要がないので、容易に製造することができるという利点がある。そして、基体表面に親水化処理を行いインクの濡れ性を改善していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−230127号公報
ところが、上記従来のカラーフィルタ或いは表示装置(電気光学装置)の製造方法においては、基体全面に親水化処理(濡れ性向上の為に、例えば酸素プラズマ処理)を行うと、隔壁部(バンク)も親水化処理されてしまう恐れがあり、バンク部の撥水性が低下してしまう恐れがあった。そして、滴下される液量が多いと、隣接するバンク内にインクが混入してしまい、混色が生じてしまう恐れがあった。一方、滴下される液量が少ないと、色抜けの発生する恐れがあった。
したがって、混色の発生を少なく抑えることができて、色抜けの発生も少なく抑えることができる表示装置を製造することが可能で、表示のコントラストの低下の少ない、高精細な基板が求められていた。
本発明の目的は、機能液を基体上の領域に液滴として吐出させて配置する場合に、液滴の広がり不足や隣接する領域間の液滴の混入を低減することのできる液滴吐出による基板の製造方法、基板、及び表示装置の製造方法、表示装置、並びに電子機器を提供することである。
本発明の基板の製造方法は、基体上に所定の領域を区画する隔壁を有する基板の製造方法であって、前記基体上における前記所定の領域内に、溝を形成する工程と、前記基体上に前記所定の領域を区画するための隔壁を形成する工程と、前記所定の領域に機能液を塗布する工程と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、隔壁によって区画形成された所定の領域に機能液を塗布すると、領域に溝が形成されているため、液滴が領域に着弾したときに溝に沿って流れ、領域に濡れ広がっていくので、液滴が満たされない空隙部(色抜け部)が形成されることが少なくなる。また、領域に溜まった機能液が多くなっても、領域に形成された溝を沿って機能液が濡れ広がるため、隔壁を乗り越えて隣接する領域に液滴がはみ出すことが少なくなる。
本発明の基板の製造方法は、前記溝を形成する工程では、前記所定の領域の周縁に溝経路の少なくとも一部が存在するように溝を形成することが望ましい。
この発明によれば、溝経路の一部が形成されているので、領域に形成された溝の一部に沿って機能液が領域の周縁に濡れ広がりやすくなる。
本発明の基板の製造方法は、前記溝を形成する工程では、前記溝を、前記所定の領域の内方側と外周側とを結ぶように形成することが望ましい。
この発明によれば、内方側から外周側へ向かう経路で溝が形成されているので、領域に形成された溝に沿って機能液が領域の周縁に濡れ広がりやすくなる。
本発明の基板の製造方法は、前記溝を形成する工程では、前記所定の領域の長手方向に沿って延びる溝を少なくとも含むように前記溝を形成することが望ましい。
この発明によれば、領域の長手方向に溝が形成されているので、機能液が領域の長手方向に濡れ広がりやすくなる。
本発明の基板の製造方法は、前記溝を形成する工程では、前記所定の領域の隅を指向する経路で延びる溝を少なくとも含むように前記溝を形成することが望ましい。
この発明によれば、領域の隅を指向する方向に溝が形成されているので、機能液が領域の隅に濡れ広がりやすくなる。
本発明の基板の製造方法は、前記溝を形成する工程では、前記溝の他に、前記所定の領域の長手方向両端部分に隔壁に沿って延びる第2の溝を形成することが望ましい。
この発明によれば、領域の長手方向両端部分に隔壁に沿って延びる第2の溝が形成されているので、領域の長手方向両端部分に機能液が濡れ広がりやすくなる。
本発明の基板の製造方法は、前記溝を形成する工程では、前記溝の他に、前記領域の周縁部分に隔壁に沿って延びる略環状の第2の溝を形成することが望ましい。
この発明によれば、領域の周縁部分に隔壁に沿って延びる略環状の第2の溝が形成されているので、機能液が領域に濡れ広がりやすくなる。
本発明の基板の製造方法は、前記溝を形成する工程では、前記溝を、前記所定の領域の周縁部分に隔壁に沿って略環状に延びるように形成することが望ましい。
この発明によれば、略環状の溝が形成されているので、機能液が領域に濡れ広がりやすくなる。
本発明の基板は、基体と、前記基体上に所定の領域を区画するように形成された隔壁と、前記基体上において前記隔壁で囲まれた前記所定の領域内の周縁に経路の少なくとも一部が存在するように形成された溝と、前記所定の領域に配置されるとともに機能液が固化されて形成された表示層と、を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、隔壁によって区画形成された領域に液滴を着弾させると、領域に溝が形成されているため、液滴が領域に着弾したときに溝に沿って流れ、領域に濡れ広がっていくので、液滴が満たされない空隙部(色抜け部)が形成されることが少なくなる。また、領域に溜まった機能液が多くなっても、領域に形成された溝を沿って機能液が濡れ広がるため、隔壁を乗り越えて隣接する領域に液滴がはみ出すことが少なくなる。したがって、色抜けや混色の少ない基板が提供できるので表示品位が向上する。
本発明の基板は、前記溝は、前記所定の領域の内方側と外周側とを結ぶように形成されていることが望ましい。
この発明によれば、領域の周縁に機能液が濡れ広がるから、より色抜けや混色の少ない基板が提供できるので表示品位が向上する。
本発明の基板は、前記溝は、前記所定の領域の長手方向に沿って延びていることが望ましい。
この発明によれば、領域の長手方向に沿って機能液が濡れ広がるから、より色抜けや混色の少ない基板が提供できるので表示品位が向上する。
本発明の基板は、前記溝は、前記所定の領域の隅を指向する経路で延びていることが望ましい。
この発明によれば、領域の隅を指向する経路に延びる溝に沿って、機能液が濡れ広がるから、より色抜けや混色の少ない基板が提供できるので表示品位が向上する。
本発明の基板は、前記溝の他に、前記所定の領域の長手方向両端部分に隔壁に沿って延びるように形成されてなる第2の溝を備えていることが望ましい。
この発明によれば、領域の長手方向両端部分に隔壁に沿って延びるように形成された溝に、機能液が濡れ広がるから、より色抜けや混色の少ない基板が提供できるので表示品位が向上する。
本発明の基板は、前記溝の他に、前記所定の領域の周縁部分に隔壁に沿って延びるように形成されてなる略環状の第2の溝を備えていることが望ましい。
この発明によれば、領域の周縁部分に隔壁に沿って延びるように形成された略環状の溝に沿って、機能液が濡れ広がるから、より色抜けや混色の少ない基板が提供できるので表示品位が向上する。
本発明の基板は、前記溝は、前記所定の領域の周縁部分に隔壁に沿って形成された略環状であることが望ましい。
この発明によれば、領域の周縁部分に隔壁に沿って形成された略環状の溝に沿って、機能液が濡れ広がるから、より色抜けや混色の少ない基板が提供できるので表示品位が向上する。
本発明の電気光学装置は、前述の基板を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、前述の色抜けや混色の少ない基板を有しているので、より高密度で、表示品位を向上させることが可能な電気光学装置を提供できる。
本発明の電子機器は、前述の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、より高密度で、表示品位を向上させることが可能な電気光学装置を有しているので、高精度で小型化が可能な電子機器を提供できる。
以下、本発明の液滴吐出による表示装置の製造方法、表示装置、及び、電子機器について実施形態を挙げ、添付図面に沿って詳細に説明する。ここで、本発明の特徴的な構成及び方法について説明する前に、まず、液滴吐出方法で用いられる基体、液滴吐出方法、カラーフィルタ基板の構造及び製造方法、EL発光パネルの構造及び製造方法について順次説明する。
<基体について>
液滴吐出による表示装置の製造方法で使用される基体としては、ガラス、石英ガラス、プラスチックなど各種のものを用いることができる。
<液滴吐出法について>
液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。ここで、帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される液体材料の一滴の量は例えば1〜300ナノグラムである。
<カラーフィルタ基板の構造及びその製造方法>
図4(a)〜(g)は、カラーフィルタ基板の製造工程を示す工程断面図であり、図5は、カラーフィルタ基板の製造工程の手順を示す概略フローチャートである。
図4(a)に示すように、透光性を有するガラスやプラスチック等で構成された基体12の表面上に、溝7dを形成する(図5のステップS31)。本発明の溝7dは、液滴8が基体12上に着弾したときに、液滴8が濡れ広がり易くするために形成されているものであって、後述するように、領域7に形成されている。図4(b)に示すように、この溝7dが形成された基体12上にスピンコーティング(回転塗布)、流延塗布、ロール塗布などの種々の方法によって放射線感応性素材6Aを塗布する(図5に示すステップS32)。この放射線感応性素材6Aとしては、樹脂組成物であることが好ましい。塗布後における上記放射線感応性素材6Aの厚さは、通常0.1〜10μmであり、好ましくは0.5〜3.0μmである。
この樹脂組成物は、例えば、(i)バインダー樹脂、多官能性単量体、光重合開始剤等を含有する、放射線の照射により硬化する放射線感応性樹脂組成物や、(ii)バインダー樹脂、放射線の照射により酸を発生する化合物、放射線の照射により発生した酸の作用により架橋し得る架橋性化合物等を含有する、放射線の照射により硬化する放射線感応性樹脂組成物などを用いることができる。これらの樹脂組成物は、通常、その使用に際して溶媒を混合して液状組成物として調製されるが、この溶媒は、高沸点溶媒でも低沸点溶媒でもよい。放射線感応性素材6Aとしては、特開平10−86456号公報に記載されているような、(a)ヘキサフルオロプロピレンと不飽和カルボン酸(無水物)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体、(b)放射線の照射により酸を発生する化合物、(c)放射線の照射により発生した酸の作用により架橋しうる架橋性化合物、(d)前記(a)成分以外の含フッ素有機化合物、並びに、(e)前記(a)〜(d)成分を溶解しうる溶媒、を含有する組成物であることが好ましい。
次に、放射線感応性素材6Aに所定のパターンマスクを介して放射線を照射(露光)する(図5のステップS33)。なお、放射線とは、可視光、紫外線、X線、電子線などが含まれるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線(光)が好ましい。
次に、放射線感応性素材6Aを現像する(図5のステップS34)ことによって、図4(c)に示す隔壁(バンク)6Bを形成する。この隔壁6Bは、上記パターンマスクに対応した形状(ネガパターン又はポジパターン)に構成される。隔壁6Bの形状としては、例えば、方形状のフィルタエレメント形成領域7を平面上において縦横に配列させることのできるように画成する格子状であることが好ましい。なお、放射線感応性素材6Aを現像するのに用いられる現像液としては、アルカリ現像液が用いられる。このアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硅素ナトリウム、メタ硅素ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。このアルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤等を適量添加することもできる。また、アルカリ現像液による現像後は、通常、水洗が行われる。
次に、図4(c)に示すように、上記隔壁6Bは、例えば200℃程度にてベーク(焼成)されて隔壁6Cとなる(図5のステップS35)。この焼成温度は、上記の放射線感応性素材6Aに応じて適宜調整される。また、ベーク処理を要しない場合もあり得る。なお、本実施形態では、隔壁6Cは遮光性の素材で構成されているために、各領域7を画成する(区画する)文字通りの隔壁としての機能と、領域7以外の部分を遮光する遮光層としての機能とを併せ持つものとなっている。もっとも、隔壁としての機能のみを有するように構成しても構わない。この場合、隔壁とは別に、金属等で構成される遮光層を別途形成してもよい。
次に、上記のようにして形成された隔壁6Cによって画成される各領域7に、アクリル樹脂等の基材に着色剤(顔料、染料など)を混入したフィルタエレメント材料13(図4の例では13R(赤の着色材),13G(緑の着色材),13B(青の着色材))を導入する。フィルタエレメント材料13を各領域7に導入する方法としては、フィルタエレメント材料13を、溶媒などを混合することによって機能液(液状材料)として形成し、この液状材料を上記領域7に導入する。より具体的には、本実施形態では、後述する液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出によって液状材料を液滴8の形態で領域7内に着弾させることによって材料の導入を行っている。
上記のフィルタエレメント材料13は、液状材料として領域7内に導入され、その後に、乾燥若しくは低温(例えば60℃)での焼成によるプレベーク(仮焼成)を行うことによって、仮固化若しくは仮硬化される。例えば、フィルタエレメント材料13Rの導入を行い(図4(d)及び図5のステップS36))、その後に、フィルタエレメント材料13Rのプレベークを行ってフィルタエレメント3Rを形成し(図5のステップS37)、次に、フィルタエレメント材料13Gの導入を行い(図4(e)及び図5のステップS38)、フィルタエレメント材料13Gのプレベークを行ってフィルタエレメント3Gを形成し(図5のステップS39)、さらに、フィルタエレメント材料13Bの導入を行い(図4(f)及び図5のステップS40)、しかる後に、フィルタエレメント材料13Bのプレベークを行ってフィルタエレメント3Bを形成する(図4(f)及び図5のステップS41)。このようにして、全ての色のフィルタエレメント材料13が各領域7に導入され、仮固化若しくは仮硬化された表示要素であるフィルタエレメント3(3R,3G,3B)が形成されることにより、表示素材(カラーフィルタ基板CF)が形成される。
次に、上記のようにして構成された表示素材であるカラーフィルタ基板CFを検査する(図5のステップS42)。この検査は、例えば、肉眼若しくは顕微鏡等で、上記隔壁6C及び表示要素であるフィルタエレメント3を観察する。この場合、カラーフィルタ基板CFを撮影し、その撮影画像に基づいて自動的に検査を行っても構わない。この検査によって、表示要素であるフィルタエレメント3に欠陥が見つかった場合には、そのカラーフィルタ基板CFを除材し、基体再生工程に移行させる。
ここで、フィルタエレメント3の欠陥とは、フィルタエレメント3が欠如している場合(いわゆるドット抜け)、フィルタエレメント3が形成されているが、領域7内に配置された材料の量(体積)が多すぎたり少なすぎたりして不適切である場合、フィルタエレメント3が形成されているが、塵埃等の異物が混入していたり付着していたりする場合などである。
上記検査において表示素材に欠陥が発見されなかった場合には、例えば200℃程度の温度でベーク(焼成)処理を行い、カラーフィルタ基板CFのフィルタエレメント3(3R,3G,3B)を完全に固化若しくは硬化させる(図5のステップS43)。欠陥が発見された場合は、除材される。このベーク処理の温度はフィルタエレメント材料13の組成等によって適宜に決定できる。また、特に高温に加熱することなく、単に通常とは異なる雰囲気(窒素ガス中や乾燥空気中等)などで乾燥若しくはエージングさせるだけでもよい。最後に、図4(g)に示すように、上記フィルタエレメント3の上に透明な保護層14が形成される。
<EL発光パネルの構造及びその製造方法>
次に、図6及び図7を参照して、EL発光パネル252及びその製造方法について説明する。ここで、図6(a)〜(i)は、EL発光パネル252の製造工程を示す工程断面図であり、図7は、EL発光パネル252の製造工程の手順を示す概略フローチャートである。
このEL発光パネル252を製造する場合には、透光性のガラスやプラスチック等で構成された基体12上に、図6(a)に示すような形状の溝7dを形成する(図7のステップS61)。この溝7dが形成された基体12上に、図6(b)に示すように第1電極201を形成する。EL発光パネル252がパッシブマトリクス型である場合には第1電極201は帯状に形成され、また、基体12上に図示しないTFD素子やTFT素子といった能動素子を形成してなるアクティブマトリクス型である場合には第1電極201は表示ドット毎に独立して形成される。これらの構造の形成方法としては、例えばフォトリソグラフィ法、真空蒸着法、スパッタリング法、パイロゾル法などを用いることができる。第1電極201の材料としてはITO(Indium−Tin・Oxide)、酸化スズ、酸化インジウムと酸化亜鉛との複合酸化物などを用いることができる。
次に、上記第1電極201上に、上記カラーフィルタ基板の場合と同様に放射線感応性素材6Aを同様の方法で塗布する(図6(c)及び図7のステップS62)。そして、上記と同様の方法で、放射線照射(露光)処理(図7のステップS63)及び現像処理(図7のステップS64)を行い、図6(d)に示すように、隔壁(バンク)6Bを形成する。
このバンク6Bは、格子状に形成され、各表示ドットに形成された第1電極201の間を隔てるように、すなわち、表示ドットに対応するEL発光部形成領域7が構成されるように、形成される。また、上記カラーフィルタ基板の場合と同様に、遮光機能をも有することが好ましい。この場合には、コントラストの向上、発光材料の混色の防止、画素と画素との間からの光漏れなどを防止することができる。隔壁6Bの材料としては、基本的に上記カラーフィルタ基板の隔壁に採用された各種の素材を用いることができる。ただし、この場合には特に、後述するEL発光材料の溶媒に対して耐久性を有するものであることが望ましく、さらに、フロロカーボンガスプラズマ処理によりテトラフルオロエチレン化できること、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミドなどといった有機材料が好ましい。
次に、機能性液状体としての正孔注入層用材料202Aを塗布する直前に、基体12に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行う。これにより、ポリイミド表面は撥水化され、ITO表面は親水化され、液滴を微細にパターニングするための基板側の濡れ性の制御ができる。プラズマを発生する装置としては、真空中でプラズマを発生する装置でも、大気中でプラズマを発生する装置でも同様に用いることができる。また、このプロセスとは別に、或いは、このプロセスの代りに、上記隔壁6Bに200℃程度にてベーク(焼成)処理を施す(図7のステップS65)。これによって、隔壁6Cが形成される。
次に、図6(e)に示すように、正孔注入層用材料202Aを液滴8の形で吐出し、領域7に着弾させる(図7のステップS66)。この正孔注入層用材料202Aは、正孔注入層としての素材を溶媒などによって液状化したものである。その後、プレベーク処理として真空(1torr)中、室温、20分という条件で溶媒を除去し、さらにその後、図6(f)に示すように、大気中、200℃(ホットプレート上)、10分の熱処理により、発光層用材料と相溶しない正孔注入層202を形成する(図7のステップS67)。なお、上記条件では、正孔注入層202の膜厚は40nmであった。
次に、図6(g)に示すように、各領域7内の正孔注入層202の上に、機能性液状体であるEL発光材料としてのR発光層用材料及びG発光層用材料を上記と同様に液滴として導入する(図7のステップS68)。そして、これら発光層用材料の塗布後、プレベーク処理として、真空(1torr)中、室温、20分などという条件で溶媒を除去した(図7のステップS69)。その後、窒素雰囲気中、150℃、4時間の熱処理により共役化させてR色発光層203RおよびG色発光層203Gを形成した(図7のステップS70)。熱処理により共役化した発光層は溶媒に不溶である。なお、上記条件により形成されたR発光層203R及びG発光層203Gの膜厚は50nmであった。
なお、発光層を形成する前に正孔注入層220に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行っても良い。これにより、正孔注入層220上にフッ素化物層が形成され、イオン化ポテンシャルが高くなることにより正孔注入効率が増し、発光効率の高い有機EL装置を提供できる。
次に、図6(h)に示すように、機能性液状体であるEL発光材料としてのB色発光層203Bを上記と同様に液滴8の状態で上記R発光層203RとG発光層203Gの形成されていない領域7に導入するとともに、上記R発光層203R及びG発光層203G上にも重ねて導入する(図7のステップS71)。この後、プレベーク処理として、真空(1torr)中、室温、20分などという条件で溶媒を除去し(図7のステップS72)、これにより、図6(h)に示すようにB発光層203Bを形成した。このようにB発光層203Bを重ねて配置することにより、R、G、Bの3原色を形成するのみならず、R色発光層203RおよびG色発光層203Gとバンク6Cとの段差を埋めて平坦化することができる。これにより、上下電極間のショートを確実に防ぐことができる。一方、B色発光層203Bの膜厚を調整することで、B色発光層203BはR色発光層203RおよびG色発光層203Gとの積層構造において、電子注入輸送層として作用してB色には発光しない。以上のようなB色発光層203Bの形成方法としては、例えば湿式法として一般的なスピンコート法を採用することもできるし、あるいは、R色発光層203RおよびG色発光層203Gの形成法と同様の方法を採用することもできる。
上記のR色発光層203R,G色発光層203G及びB色発光層203Bの配列態様としては、必要とされる表示性能に応じて、ストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列などの公知のパターンを適宜用いることができる。
次に、上記のように各表示ドットに正孔注入層202、及び、R色発光層203R,G色発光層203G又はB色発光層203Bが形成されたEL発光パネル252について、目視或いは顕微鏡等による観察、或いは、画像処理などによる検査を行う(図7のステップS73)。そして、この検査によって各表示ドット内のEL発光部(正孔注入層202と、R色発光層203R,G色発光層203G又はB色発光層203Bとの積層体によって構成される。)に不良(ドット抜け、積層構造の不良、発光部の材料の過多、塵埃等の異物の混入など)が発見された場合には、プロセスから排除される。また、この検査で不良が発見されない場合には、図6(i)に示すように、対向電極213を形成する(図7のステップS74)。対向電極213はそれが面電極である場合には、例えば、Mg、Ag、Al、Liなどを材料として、蒸着法、スパッタ法などといった成膜法を用いて形成できる。また、対向電極213がストライプ状電極である場合には、成膜された電極層をフォトリソグラフィ法などといったパターニング手法を用いて形成できる。最後に、図6(i)に示すように、対向電極213の上に保護層214が適宜の材料(樹脂モールド材、無機絶縁膜など)によって形成される(図7のステップS75)ことにより、目標とするEL発光パネル252が製造される。
(第1実施形態)
次に、以上説明したカラーフィルタ基板やEL発光パネルの製造工程において適用可能な本発明の第1実施形態の要部について詳細に説明する。図1(a)は、第1実施形態の基体12上の構造を示す平面図であり、同図(b)は、この平面図中のB−B線に沿った断面構造を示す概略断面図である。
第1実施形態においては、基体12上に形成された隔壁6Cによって実質的に矩形状(図1参照)の領域7が形成されている。図1(a)に示すように、領域7には、溝7dが領域7の延長方向に沿って複数本(この場合3本)配置されている。また、この領域7の延長方向(図示X方向)と、隣接する方向(図示Y方向)に隔壁6Cが格子状に配置されている。図1(b)に示すように、領域7に配置された溝7dの幅が1〜2μmで、深さが1〜2μmで形成されている。ただし、形成されている溝7dは、幅が1μmで、深さが1μmであるときに、液滴8が毛細管現象で溝7dに入りやすくなり、溝7dに液滴8が溜まりやすくなり、溝7dに溜まった液滴8の色が濃くなるので色の濃度むらを防止することができるので好ましい。なお、領域7の幅は20μm〜100μmで、領域7の長さは50μm〜300μmで形成されているが、この溝7dの幅は1μmに限定されない。毛細管現象で液滴8が濡れ広がるので、溝7dの幅が5μm〜10μmであっても良い。また、溝7dの深さも1μmに限定されない。毛細管現象で液滴8が溝7dに入り込むので、溝7dの深さが1μm以上あっても良い。ただし、液状材料の節約の観点から溝7dの容積(溝長さ×溝幅×溝深さ)は適正になるように決定される。なお、溝7dの長さは領域7の長手方向の長さに対して60%〜70%あれば良い。好ましくは90%以上あると液滴8が領域7に濡れ広がりやすくなるので良い。また溝7dが領域7に配置される位置としては、領域7の長手方向両端から20%の領域に至るように形成されていれば液滴8が領域7に濡れ広がりやすくなるので良い。この溝7dはフォトリソ加工によるドライエッチング法、イオンミリング法などの微細加工技術の手法を用いて形成される。また、レーザを利用したレーザ加工法や、溝7d以外をマスキングして、ブラストするブラスト加工法で形成しても良い。なお、溝7dの断面は、液状材料が流れやすくするために矩形状、もしくは、液滴8の入り口側(この場合、領域7の表面側)が広くなるような逆テーパ状に形成している(図示略)。なお、上記カラーフィルタ基板やEL発光パネル252を形成する場合におけるフィルタエレメント3、正孔注入層202又はEL発光層203等の表示要素を形成するための材料を導入する前の状態を図1に示してある。
各領域7は略矩形状であって、隔壁6Cの内面6X,6Yで囲まれて形成されている。そして、領域7を挟んで対峙する一対の隔壁6Cの間隔が、領域7の延長方向(図示X方向)に沿って一定の幅になるように構成されている。なお、領域7は画素形成領域である。
上記領域7内には、表示要素、すなわちカラーフィルタ基板のフィルタエレメント3やEL発光パネル252の正孔注入層202及びEL発光層203が形成される。このために、各種材料が液滴8の形で各領域7に導入される。本実施形態では、領域7の内部において、図1(a)に示す着弾点Pに上記液滴8が着弾するように設定される。なお、図示例では、一つの領域7内に3箇所の着弾点Pが設けられ、3つの液滴によって一つの表示要素が構成される。そして、滴下された液滴8は、隔壁6Cで囲まれている領域7内で濡れ広がる。この際、滴下された液滴8は、領域7の延長方向に延びるように形成された溝7dに毛細管現象を利用して入り込み、隔壁6Cで囲まれた領域7の全領域を液滴8が満たす。
以上のような第1実施形態では、次のような効果が得られる。
(1)液滴8が上記の着弾点Pに着弾したとき、溝7dに液滴8が入り込みながら領域7に濡れ広がるので、領域7の隅々まで液滴8が入り込む。そして、毛細管現象によって、溝7dの中に液滴8が案内される。また、領域7の隅々までいきわたらせることができるので、過剰な液滴8を塗布する必要がなくなり、隣接する領域7に隔壁6Cを越えて液滴8が混色することも抑えることができる。したがって、表示品位が向上したことによって、高密度で高精度な表示装置ができるので、小型で高精度な電子機器を提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は前述の第1実施形態における溝7dの一部が、領域7の四隅に形成されていることが異なるものである。なお、前述の第1実施形態と同じ部品及び同様な機能を有する部品には同一記号を付し、説明を省略する。また、溝7dの形成方法についても同様であるので、説明を省略する。
図2(a)は、第2実施形態としての基体12上の構造を示す平面図であり、同図(b)は、この平面図中のB−B線に沿った断面構造を示す概略断面図である。図2(a)に示すように、領域7に溝7dが形成されている。この溝7dは領域7の延長方向に平行に形成されている溝部7e(この場合3本)と、中央1本は第1実施形態と同じ溝7dで、両側2本の溝部7eがあり、領域7の四隅に形成されている溝部7fは(この場合4本)両端部の隅を指向するように延びている。なお、この四隅に形成されている溝7fは内面6Xと6Yの挟む角(この場合90度)の角の二等分線に沿って延びるように形成されている。
各領域7は略矩形状であって、隔壁6Cの内面6Xと,内面6Yで囲まれた矩形状に形成されている。そして、領域7を挟んで対峙する一対の隔壁6Cの間隔が、領域7の延長方向(図示X方向)に沿って一定の幅になるように形成されている。そして、滴下された液滴8は、隔壁6Cで囲まれている領域7に濡れ広がる。この滴下された液滴8は、領域7に形成された溝7d、7e、7fに沿って濡れ広がっていき、隔壁6Cで囲まれた領域7の隅にも広がり、そして全領域を液滴8が満たす。
以上のような第2実施形態では、前述の第1実施形態と同様の効果が得られる他に以下の効果が得られる。
(2)溝7dを領域7の延長方向に沿って配置した以外に、領域7に溝7eと、領域7の四隅にさらに溝7fを配置したことで、領域7に濡れ広がった液滴8が領域7の隅に指向して流れていき、毛細管現象によって溝7eと溝7fに沿って、液滴8が領域7の四隅においても濡れ広がり易くなるので、表示要素の広がり不足(例えば色抜け部分の発生)や、隔壁6Cを乗り越えて隣接する両側の領域7に液滴8が混入する危険性をより低減できる。したがって、表示装置の表示品質がより安定し、表示品位が向上する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は前述の第1実施形態及び第2実施形態における溝7dが、領域7の四隅にのみ形成されていることが異なるものである。なお、前述の第1実施形態及び第2実施形態と同じ部品及び同様な機能を有する部品には同一記号を付し、説明を省略する。また、溝7dの形成方法についても同様であるので、説明を省略する。
図3(a)は、第3実施形態としての基体12上の構造を示す平面図であり、同図(b)は、この平面図中のB−B線に沿った断面構造を示す概略断面図である。図3(a)に示すように、領域7の四隅に形成されている溝部7dは(この場合4本)、両端部の隅を指向するように延びている。
各領域7は略矩形状であって、隔壁6Cの内面6X,内面6Yで囲まれた矩形状に形成されている。そして、領域7の隔壁6Cが、領域7の延長方向(図示X方向)に沿って一定の幅になるように構成されている。そして、滴下された液滴8は、隔壁6Cで囲まれた領域7に濡れ広がる。この際、滴下された液滴8は、領域7に形成された隅を指向する溝7dに流れ込む。そして、液滴8を隅々までいきわたらせる。隔壁6Cで囲まれた領域7の全領域を液滴8が満たす。したがって、隔壁6Cを乗り越えにくくなるので、混色の発生を抑えることができる。
以上のような第3実施形態では、前述の第1実施形態および第2実施形態と同様の効果が得られる他に以下の効果が得られる。
(3)溝7dを領域7の四隅にのみ形成することで、溝7dの本数が少なくなる。しかも溝7dの長さが短くなるので、溝7dの容積が減少することによって、液滴8の滴下量が少なくすることができるので液状材料を節約できる。また、混色による色むらや色抜けを少なくすることができるので、表示装置の表示品位も向上できる。
<液滴吐出装置の構成>
次に、上記の各実施形態および各変形例に用いることのできる液滴吐出装置の構成について説明する。図7は、液滴吐出装置IJの全体構成を示す概略斜視図。図9は、液滴吐出装置の主要部を部分的に示す部分斜視図である。
液滴吐出装置IJは、図8に示すように、液滴吐出ヘッドの一例としてヘッド22を備えたヘッドユニット26と、ヘッド22の位置を制御するヘッド位置を制御するヘッド位置制御装置17と、基体12の位置を制御する基板位置制御装置18と、ヘッド22を基体12に対して走査方向Xに走査移動させる走査駆動手段としての走査駆動装置19と、ヘッド22を基体12に対して走査方向と交差(直交)するY方向に送る送り駆動装置21と、基体12を液滴吐出装置IJ内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、この液滴吐出装置IJの全般の制御を司るコントロール装置24とを有する。
上記のヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、走査駆動装置19、送り駆動装置21の各装置は、ベース9の上に設置される。また、これらの各装置は、必要に応じてカバー15によって覆われる。
図10は、ヘッドを示す図であり、同図(a)は概略斜視図、同図(b)はノズルの配列を示す図である。ヘッド22は、例えば、図10(a)に示すように、複数のノズル27が配列されてなるノズル列28を有する。ノズル27の数は例えば180であり、ノズル27の孔径は例えば28μmであり、ノズル27のピッチは例えば141μmである(図10(b)参照)。図10(a)に示す基準方向Sはヘッド22の標準の走査方向を示し、配列方向Tはノズル列28におけるノズル27の配列方向を示す。
図11は、ヘッドの主要部の構成を示し、同図(a)は概略斜視図、同図(b)は断面図である。ヘッド22は、ステンレス等で構成されるノズルプレート29と、これに対向する振動板31と、これらを互いに接合する複数の仕切り部材32とを有する。このノズルプレート29と振動板31との間には、仕切り部材32によって複数の材料室33と液溜り34とが形成される。これらの材料室33と液溜り34とは通路38を介して互いに連通している。
振動板31には材料供給孔36が形成されている。この材料供給孔36には材料供給装置37が接続される。この材料供給装置37は、R,G,Bのうちの一色、例えばR色のフィルタエレメント材料などで構成される材料Mを材料供給孔36へ供給する。このように供給された材料Mは、液溜り34に充満し、さらに通路38を通って材料室33に充満する。
ノズルプレート29には、材料室33から材料Mをジェット状に噴出するためのノズル27が設けられている。また、振動板31の材料室33に臨む面の裏面には、この材料室33に対応させて材料加圧体39が取り付けられている。この材料加圧体39は、図11(b)に示すように、圧電素子41並びにこれを挟持する一対の電極42a及び42bを有する。圧電素子41は、電極42a及び42bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより材料室33の容積が増大する。すると、増大した容積分に相当する材料Mが液溜り34から通路38を通って材料室33へ流入する。
その後、圧電素子41への通電を解除すると、この圧電素子41と振動板31とは共に元の形状に戻り、これにより、材料室33も元の容積に戻るため、材料室33の内部にある材料Mの圧力が上昇し、ノズル27から材料Mが液滴8となって噴出する。なお、ノズル27の周辺部には、液滴8の飛行曲りやノズル27の孔詰まりなどを防止するために、例えば、Ni−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥材料層43が設けられる。
次に、図9を参照して、上記のヘッド22の周囲に配置された、ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、走査駆動装置19、送り駆動装置21、及び、その他の手段について説明する。図9に示すように、ヘッド位置制御装置17は、ヘッドユニット26に取り付けられたヘッド22を平面(水平面)内にて回転させるαモータ44と、ヘッド22を送り方向Yと平行な軸線周りに揺動回転させるβモータ46と、ヘッド22を走査方向Xと平行な軸線周りに揺動回転させるγモータ47と、ヘッド22を上下方向へ平行移動させるZモータ48とを有する。
また、基板位置制御装置18は、基体12を載せるテーブル49と、このテーブル49を平面(水平面)内にて回転させるθモータ51とを有する。また、走査駆動装置19は、走査方向Xへ伸びるXガイドレール52と、例えばパルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ53とを有する。このXスライダ53は、例えば内蔵するリニアモータの稼動により、Xガイドレール52に沿って走査方向Xへ平行移動する。
さらに、送り駆動装置21は、送り方向Yへ伸びるYガイドレール54と、例えばパルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56とを有する。Yスライダ56は、例えば内蔵するリニアモータの稼動により、Yガイドレール54に沿って送り方向Yへ平行移動する。
Xスライダ53やYスライダ56内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精密に行うことができる。したがって、Xスライダ53に支持されたヘッド22の走査方向X上の位置やテーブル49の送り方向Y上の位置などを高精度に制御できる。なお、ヘッド22やテーブル49の位置制御はパルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御やその他任意の方法によって実現することができる。
上記テーブル49には、基体12の平面位置を規制する位置決めピン50a,50bが設けられている。基体12は、後述する基板供給装置23によって位置決めピン50a,50bに走査方向X側及び送り方向Y側の端面を当接させた状態で、位置決め保持される。テーブル49には、このような位置決め状態で保持された基体12を固定するための、例えば空気吸引(真空吸着)などの、公知の固定手段を設けることが望ましい。
図9に示すように、液滴吐出装置IJにおいて、テーブル49の上方に複数組(図示例では2組)の撮像装置91R,91L及び92R,92Lが配置されている。ここで、撮像装置91R,91L及び92R,92Lは、図9において鏡筒のみを示し、他の部分及びその支持構造は省略してある。これらの観察手段である撮像装置としては、CCDカメラ等を用いることができる。なお、図8には、これらの撮像装置について図示を省略してある。
図8に示すように、基板供給装置23は、基体12を収容する基板収容部57と、基体12を搬送するロボットなどの基板移載機構58とを有する。基板移載機構58は、基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを有する。この吸着パッド64は空気吸引(真空吸着)などによって基体12を吸着保持することができるように構成されている。
また、ヘッド22の走査軌跡下であって、送り駆動装置21の一方の脇位置に、キャッピング装置76及びクリーニング装置77が配設されている。さらに、送り駆動装置21の他方の脇位置には電子天秤78が設置されている。ここで、キャッピング装置76はヘッド22が待機状態にあるときにノズル27(図10参照)の乾燥を防止するための装置である。クリーニング装置77は、ヘッド22を洗浄するための装置である。電子天秤78は、ヘッド22内の個々のノズル27から吐出される材料の液滴8の重量をノズル毎に測定する装置である。さらに、ヘッド22の近傍には、ヘッド22と一体に移動するヘッド用カメラ81が取り付けられている。
また、コントロール装置24は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部66と、キーボード等の入力装置67と、CRT等の表示装置68とを有する。コンピュータ本体部66には、図12に示すCPU(中央処理ユニット)69と、各種情報を記憶するメモリである情報記録媒体71とを備えている。
図12は、液滴吐出装置IJの制御系のブロック図である。ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、走査駆動装置19、送り駆動装置21、及び、ヘッド22内の圧電素子41(図11(b)参照)を駆動するヘッド駆動回路72の各機器は、図12に示すように、入出力インターフェイス73及びバス74を介してCPU69に接続されている。また、基板供給装置23、入力装置67、表示装置68、キャッピング装置76、クリーニング装置77及び電子天秤78も、上記と同様に入出力インターフェイス73及びバス74を介してCPU69に接続されている。
また、メモリ71は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MD(MiniDisc)、などのディスク型記録媒体で、これらを用いてデータを読み取る外部記憶装置などを含む概念であり、機能的には、液滴吐出装置IJの動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域や、ヘッド22による材料の基体12内における吐出位置を座標データとして記憶するための記憶領域や、図9に示す送り方向Yへの基体12の送り移動量を記憶するための記憶領域や、CPU69のためのワークエリアやテンポラリファイルなどとして機能する領域や、その他各種の記憶領域が設定される。
CPU69は、情報記憶媒体71であるメモリ内に記憶されたプログラムソフトに従って、基体12の表面の所定位置に、材料を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部としては、図12に示すように、クリーニング処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部151、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演算部152、電子天秤78を用いた重量測定を実現するための演算を行う重量測定演算部153、及び、液滴吐出によって材料を基体12の表面上に着弾させ、所定のパターンにて描画するための描画演算部154を有する。
上記描画演算部154には、ヘッド22を描画のための初期位置へ設置するための描画開始位置演算部155、ヘッド22を走査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演算する走査制御演算部156、基体12を送り方向Yへ所定の送り移動量だけずらすための制御を演算する送り制御演算部157、ヘッド22内の複数のノズル27のうちのいずれを作動させて材料を吐出するかを制御するための演算を行うノズル吐出制御演算部158などといった各種の機能演算部を有する。
なお、上述の各機能を、CPU69を用いるプログラムソフトによって実現しているが、上述の各機能を、CPUを用いない電子回路によって実現できる場合には、そのような電子回路を用いても構わない。
次に、液滴吐出装置IJの動作を、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。オペレータによる電源投入によって液滴吐出装置IJが作動すると、最初において初期設定が実現される(ステップS1)。具体的には、ヘッドユニット26や基板供給装置23やコントロール装置24などが予め決められた初期状態にセットされる。
次に、重量測定タイミングが到来(ステップS2)すると、図9に示すヘッドユニット26を走査駆動装置19によって、図8に示す電子天秤78の所まで移動させる(ステップS3)。そして、ノズル27から吐出される材料の量を、電子天秤78を用いて測定する(ステップS4)。さらに、このように測定されたノズル27の材料吐出特性に合わせて、各ノズル27の圧電素子41に印加する電圧を調節する(ステップS5)。
この後、クリーニングタイミングが到来(ステップS6)すれば、ヘッドユニット26を走査駆動装置19によってクリーニング装置77の所まで移動させ(ステップS7)、そのクリーニング装置77によってヘッド22をクリーニングする(ステップS8)。
重量測定タイミングやクリーニングタイミングが到来しない場合、或いは、重量測定やクリーニングが終了した場合には、ステップS9において図8に示す基板供給装置23を作動させて基体12をテーブル49へ供給する。具体的には、基板収容部57内の基体12を吸着パッド64によって吸着保持し、昇降軸61、第1アーム62及び第2アーム63を移動させて基体12をテーブル49まで搬送し、さらにテーブル49の適所に予め設けてある位置決めピン50a,50b(図9参照)に押し付ける。
次に、図9に示すように、撮像装置91R,91Lによって基体12を観察しながら、θモータ51の出力軸を微小角度単位で回転させることにより、テーブル49を平面(水平面)内にて回転させ、基体12を位置決めする(ステップS10)。より具体的には、基体12の左右両端にそれぞれ形成されたアライメントマークを、図9に示す上記一対の撮像装置91R,91L又は92R,92Lによってそれぞれ撮影し、これらのアライメントマークの撮像位置によって基体12の平面姿勢を演算して求め、この平面姿勢に応じてテーブル49を回転させて角度θを調整する。
この後、図8に示すヘッド用カメラ81によって基体12を観察しながら、ヘッド22によって描画を開始する位置を演算によって決定する(ステップS11)。そして、走査駆動装置19及び送り駆動装置21を適宜に作動させて、ヘッド22を描画開始位置へ移動させる(ステップS12)。
このとき、ヘッド22は、図10に示す基準方向Sが走査方向Xに合致した姿勢となるようにしてもよく、或いは、基準方向Sが所定角度で走査方向に対して傾斜する姿勢となるように構成してもよい。この所定角度は、ノズル27のピッチと、基体12の表面上において材料を着弾させるべき位置のピッチとが異なる場合が多く、ヘッド22を走査方向Xへ移動させるときに、配列方向Tに配列されたノズル27のピッチの送り方向Yの寸法成分が基体12の送り方向Yの着弾位置のピッチと幾何学的に等しくなるようにするための措置である。
図13に示すステップS12でヘッド22が描画開始位置に置かれると、ヘッド22は走査方向Xへ一定の速度で直線的に走査移動される(ステップS13)。この走査中において、ヘッド22のノズル27からインクの液滴が基体12の表面上へ連続的に吐出される。
なお、インクの液滴の吐出量は、一度の走査によってヘッド22がカバーすることのできる吐出範囲において全量が吐出されるように設定されていてもよいが、例えば、一度の走査によって本来吐出されるべき量の数分の一(例えば4分の一)の材料を吐出するように構成し、ヘッド22を複数回走査する場合に、その走査範囲が送り方向Yに相互に部分的に重なるように設定し、全ての領域において数回(例えば4回)材料の吐出が行われるように構成してもよい。
ヘッド22は、基体12に対する1ライン分の走査が終了(ステップS14)すると、反転移動して初期位置へと復帰し(ステップS15)、送り方向Yに所定量(設定された送り移動量だけ)移動する(ステップS16)。その度、ステップS13で再び走査され、材料が吐出され、これ以降、上記の動作を繰り返し行って、複数ラインに亘って走査が行われる。ここで、1ライン分の走査が終了すると、そのまま送り方向Yに所定量移動し、反転して、逆向きに走査されるというように、交互に走査方向を反転させるように駆動してもよい。
ここで、後述するように、基体12内に複数のカラーフィルタが形成される場合について説明すると、基体12内のカラーフィルタ領域一列分について全て材料の吐出が完了する(ステップS17)と、ヘッド22は所定量送り方向Yに移動し、再び上記と同様にステップS13〜ステップS16までの動作を繰り返す。そして、最終的に基体12上の全列のカラーフィルタ領域に対して材料の吐出が終了する(ステップS18)と、ステップS20において基板供給装置23又は別の搬出機構によって、処理後の基体12が外部へ排出される。その後、オペレータから作業終了の指示がない限り、上記のように基体12の供給と、材料吐出作業を繰り返し行う。ステップS18においてCF全列終了しなかったときには、次列CF域へ移動して、(ステップS19)再びステップS13〜ステップS18までの動作を繰り返す。
オペレータから作業終了の指示がある(ステップS21)と、CPU69は図8においてヘッド22をキャッピング装置76の所まで搬送し、そのキャッピング装置76によってヘッド22に対してキャッピング処理を施す(ステップS22)。
以上説明した液滴吐出装置は、本発明に係る配置方法や製造方法において用いることができるものであるが、本発明はこれに限られることはなく、液滴を吐出し、所定の着弾予定位置に着弾させることができるものであれば、如何なる装置を用いることも可能である。
なお、本発明においては、上記液滴吐出装置のヘッドなどの液滴吐出ヘッドを、上記領域若しくは上記開口部の長手方向(例えば、実質的に矩形状の領域若しくは開口部であればその長辺が伸びる方向、実質的に帯状の領域若しくは開口部であればその伸びる方向)に走査して複数の液滴を順次吐出させていくことが好ましい。
<表示装置(電気光学装置)及びその製造方法>
次に、上記の各実施形態および各変形例に係る表示装置(電気光学装置)及びその製造方法について説明する。図14は、実施形態に係る表示装置(電気光学装置)のフローチャート。図15は、当該製造方法によって製造される表示装置(電気光学装置)の一例としての液晶装置を示す図、さらに図16は、図15のIX−IX線に沿った液晶装置の断面図である。最初に、液晶装置の構造について、図15と図16を参照しながら説明する。なお、この液晶装置は、単純マトリクス方式でフルカラー表示を行う半透過反射型の液晶装置である。
図15に示すように、液晶装置101は、液晶パネル102に半導体チップ等として構成された液晶駆動用IC103a及び液晶駆動用IC103bを実装し、配線接続要素としてのFPC(フレキシブル印刷回路)104を液晶パネル102に接続したものである。この液晶装置101は、液晶パネル102の裏面側に照明装置106をバックライトとして設けることによって構成されている。
液晶パネル102は、第1基板107aと第2基板107bとをシール材108によって貼り合わせることによって形成される。シール材108は、例えば、スクリーン印刷などによってエポキシ系樹脂を第1基板107a又は第2基板107bの内側表面に環状(周回状)に付着することによって形成される。また、図16に示すように、シール材108の内部には導電性材料によって球状又は円筒状に形成された導通材109が分散状態で含まれる。
図16に示すように、第1基板107aは透明なガラス、透明なプラスチックなどによって形成された板状の基材111aを有する。この基材111aの内側表面(図16の上側表面)には反射膜112が形成されている。また、その上に絶縁膜113が積層され、その上に第1電極114aが矢印D方向から見てストライプ状(図15参照)に形成されている。さらにその上には配向膜116aが形成される。また、基材111aの外側表面(図16の下側表面)には偏光板117aが貼着などによって装着される。
図15においては、第1電極114aの配列を判り易くするために、それらの間隔を実際よりも大幅に広く描いてある。したがって、図面上で描かれている第1電極114aの本数よりも実際には多数の第1電極114aが基材111a上に形成されている。
図16に示すように、第2基板107bは透明なガラスや透明なプラスチックなどによって形成された板状の基材111bを有する。この基材111bの内側表面(図16の下側表面)にはカラーフィルタ118が形成され、その上に第2電極114bが上記第1電極114aと直交する方向へ矢印Dから見てストライプ状(図15参照)に形成されている。さらにその上には配向膜116bが形成されている。また、基材111bの外側表面(図16の上側表面)には偏光板117bが貼着などによって装着されている。
図15においては、第2電極114bの配列を判り易くするために、第1電極の場合と同様に、それらの間隔を実際よりも大幅に広く描いてある。したがって、図面上で描かれている第1電極114aの本数よりも実際には多数の第1電極114aが基材111a上に形成されている。
図16に示すように、第1基板107a、第2基板107b及びシール材108によって囲まれる間隙、いわゆるセルギャップ内には液晶L、例えばSTN(スーパー捩れネマチック)液晶、が封入されている。第1基板107a又は第2基板107bの内側表面には微小で球形のスペーサ119が多数分散され、これらのスペーサ119がセルギャップ内に存在することにより、そのセルギャップが均一に維持されるようになっている。
第1電極114aと第2電極114bとは互いに直交する方向に伸びるように配設されている。それらが平面的に交差する部分は、図16の矢印D方向から見てドットマトリクス状に配列されている。そして、そのドットマトリクス状の各交差点が一つの表示ドットを構成する。カラーフィルタ118は、R(赤)・G(緑)・B(青)の各色要素(フィルタエレメント)を矢印D方向から見て所定のパターン、例えば、ストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列などのパターンで配列させることによって構成されている。上記の一つの表示ドットはR,G,Bのそれぞれ一つずつに対応している。そして、R,G,Bの3色の表示ドットにより一つの画素(ピクセル)が構成されるようになっている。
マトリクス状に配列される表示ドットを選択的にオン状態にすることにより、液晶パネル102の第2基板107bの外側に文字、数字などといった像が表示される。このようにして像が表示される領域が有効表示領域であり、図15及び図16において矢印Vによって示される。
図16に示すように、反射膜112はAPC合金、アルミニウムなどといった光反射性材料によって形成される。また、この反射膜112には、第1電極114aと第2電極114bの交点である各表示ドットに対応する位置に開口121が形成されている。したがって、開口121は図16の矢印Dから見て表示ドットと同様にマトリクス状に配列されている。
第1電極114aおよび第2電極114bは、例えば、透明導電材であるITO(インジウムスズ酸化物)によって形成される。また、配向膜116a,116bは、ポリイミド系樹脂を一様な厚さの膜状に付着させることによって形成される。これらの配向膜116a,116bがラビング処理を受けることにより、第1基板107a及び第2基板107bの表面上における液晶分子の初期配向が決定される。
図15に示すように、第1基板107aは第2基板107bよりも広い面積に形成されており、これらの基板をシール材108によって貼り合わせたとき、第1基板107aは第2基板107bの外側へ張り出す基板張出部107cを有する。そして、この基板張出部107cには、第1電極114aから伸び出る引出し配線114c、シール材108の内部に存在する導通材109(図16参照)を介して第2基板107b上の第2電極114bと導通する引出し配線114d、液晶駆動用IC103aの入力用バンプ、すなわち入力用端子に接続される金属配線114e、及び、液晶駆動用IC103bの入力用バンプに接続される金属配線114fなどといった各種の配線が所定のパターンにて形成されている。
このとき、第1電極114aから伸びる引出し配線114c及び第2電極114bに通電する引出し配線114dは、それらの電極と同じ材料であるITOによって形成される。また、液晶駆動用IC103a,103bの入力側の配線である金属配線114e,114fは、電気抵抗値の低い金属材料、例えばAPC合金によって形成される。このAPC合金は、主としてAgを含み、これにPd及びCuを添加した合金、例えば、Ag;98wt%、Pd;1wt%、Cu;1wt%の組成を有する合金である。
液晶駆動用IC103a,103bは、ACF(異方性導電膜)122によって基板張出部107cの表面に接着されて実装される。すなわち、本実施形態では、基板上に半導体チップが直接に実装される構造、いわゆるCOG(チップオングラス)方式の液晶パネルとして形成されている。このCOG方式の実装構造においては、ACF122の内部に含まれる導電粒子によって、液晶駆動用IC103a,103bの入力側バンプと金属配線114e,114fとが導電接続され、液晶駆動用IC103a,103bの出力側バンプと引出し配線114c,114dとが導電接続される。
FPC104は、可撓性の樹脂フィルム123と、チップ部品124を含んで構成された回路126と、金属配線端子127とを有する(図15参照)。回路126は樹脂フィルム123の表面に半田付け、その他の導電接続手法によって直接に搭載される。また、金属配線端子127はAPC合金、Cr,Cuその他の導電材料によって形成される。FPC104のうち金属配線端子127が形成された部分は、第1基板107aのうち金属配線114e,114fが形成された部分にACF122によって接続される。そして、ACF122の内部に含まれる導電粒子により、基板側の金属配線114e,114fとFPC側の金属配線端子127とが導通する。
FPC104の反対側の辺端部には外部接続端子131が形成され、この外部接続端子131が図示しない外部回路に接続される。そして、この外部回路から伝送される信号に基づいて液晶駆動用IC103a,103bが駆動され、第1電極114a及び第2電極114bの一方に走査信号が供給され、他方にデータ信号が供給される。これにより、有効表示領域V内に配列された表示ドットが個々に電圧制御され、その結果、液晶Lの配向が個々に制御される。
図15に示す照明装置106は、図16に示すように、アクリル樹脂などによって構成された導光体132と、この導光体132の光出射面132bに設けられた拡散シート133と、導光体132の光出射面132bの反対側に設けられた反射シート134と、発光源としてのLED(発光ダイオード)136とを有する。
LED136はLED基板137に支持され、そのLED基板137は、例えば導光体132と一体に形成された支持部(図示せず)に装着される。LED基板137が支持部の所定位置に装着されることにより、LED136が導光体132の側辺端面である光取込み面132aに対向する位置に置かれる。なお、緩衝部材138は液晶パネル102に加わる衝撃を緩衝するためのものであって、液晶パネル102と照明装置106との間に挿入されている。
LED136が発光すると、その光は光取込み面132aから取り込まれて導光体132の内部へ導かれ、反射シート134や導光体132の壁面で反射しながら伝播する間に光出射面132bから拡散シート133を通して外部へ平面光として出射される。
以上説明した液晶装置101は、太陽光、室内光といった外部光が十分に明るい場合には、図16において第2基板107b側から外部光が液晶パネル102の内部へ取り込まれ、その光が液晶Lを通過した後に反射膜112で反射して再び液晶Lへ供給される。液晶Lは、これを挟持する電極114a,114bによってR,G,Bの表示ドット毎に配向制御される。したがって、液晶Lへ供給された光は表示ドット毎に変調され、その変調によって偏光板117bを通過する光と通過できない光とによって液晶パネル102の外部に文字、数字などといった像が表示され、反射型の表示が行われる。
他方、外部光の光量が充分に得られない場合には、LED136が発光して導光体132の光出射面132bから平面光が出射され、その光が反射膜112に形成された開口121を通して液晶Lへ供給される。このとき、反射型の表示と同様に、供給された光が、配向制御される液晶Lによって表示ドット毎に変調される。これにより、外部へ像が表示され、透過型の表示が行われる。
上記構成の液晶装置101は、例えば、図14に示す製造方法によって製造される。この製造方法においては、工程P1〜P6の一連の工程が第1基板107aを形成する工程であり、工程P11〜工程P14の一連の工程が第2基板107bを形成する工程である。第1基板形成工程と第2基板形成工程は、通常、それぞれが独自に行われる。
まず、第1基板形成工程では、透光性ガラス、透光性プラスチックなどによって形成された大面積のマザー原基板の表面に液晶パネル102の複数個分の反射膜112をフォトリソグラフィ法などを用いて形成する。さらに、その上に絶縁膜113を周知の成膜法を用いて形成する(工程P1)。次に、フォトリソグラフィ法などを用いて第1電極114a、引出し配線114c,114dおよび金属配線114e,114fを形成する(工程P2)。
この後、第1電極114aの上に塗布、印刷などによって配向膜116aを形成し(工程P3)、さらにその配向膜116aに対してラビング処理を施すことにより液晶の初期配向を決定する(工程P4)。次に、例えばスクリーン印刷などによってシール材108を環状に形成し(工程P5)、さらにその上に球状のスペーサ119を分散する(工程P6)。以上により、液晶パネル102の第1基板107a上のパネルパターンを複数個分有する大面積のマザー第1基板が形成される。
次に、第2基板形成工程(図14の工程P11〜工程P14)を実施する。まず、透光性ガラス、透光性プラスチックなどによって形成された大面積のマザー原基材を用意し、その表面に液晶パネル102の複数個分のカラーフィルタ118を形成する(工程P11)。このカラーフィルタ118の形成工程は図4及び図5に示した製造方法を用いて行われ、隔壁若しくは遮光層のその製造方法中のR、G、Bの各色フィルタエレメントの形成は、図8に示す液滴吐出装置IJを用いてヘッド22のノズル27からフィルタエレメント材料としての液滴を吐出することにより実行される。
マザー基体12すなわちマザー原料基材の上にカラーフィルタ118が形成されると、次に、フォトリソグラフィ法によって第2電極114bが形成される(工程P12)。さらに、塗布、印刷などによって配向膜116bが形成される(工程P13)。次に、その配向膜116bに対してラビング処理が施されて液晶の初期配向が決められる(工程P14)。以上により、液晶パネル102の第2基板107b上のパネルパターンを複数個分有する大面積のマザー第2基板が形成される。
以上により、大面積のマザー第1基板およびマザー第2基板が形成された後、それらのマザー基板をシール材108を間に挟んでアライメント、すなわち位置合わせした上で互いに貼り合わせる(工程P21)。これにより、液晶パネル複数個分のパネル部分を含んでいて未だ液晶が封入されていない状態の空のパネル構造体が形成される。
次に、完成した空のパネル構造体の所定の位置にスクライブ溝、すなわち分断用溝を形成し、さらにそのスクライブ溝を基準としてパネル構造体に応力又は熱を加え、或いは光を照射する等の方法により基板をブレイク(破断)させることによって分断する(工程P22)。これにより、各液晶パネル部分のシール材108の液晶注入用開口110(図15参照)が外部へ露出する状態の、いわゆる短冊状の空のパネル構造体が形成される。
その後、露出した液晶注入用開口110を通して各液晶パネル部分の内部に液晶Lを注入し、さらに各液晶注入用開口110を樹脂などによって封止する(工程P23)。通常の液晶注入処理は、液晶パネル部分の内部を減圧し、内外圧力差によって液晶を注入することによって行われる。例えば、貯留容器の中に液晶を貯留し、その液晶が貯留された貯留容器と短冊状の空パネルとをチャンバなどに入れ、そのチャンバなどを真空状態にしてからそのチャンバの内部において液晶の中に短冊状の空パネルを浸漬する。その後、チャンバを大気圧に開放すると、空パネルの内部は真空状態なので、大気圧によって加圧される液晶が液晶注入用開口を通してパネルの内部へ導入される。その後、液晶注入後の液晶パネル構造体のまわりには液晶が付着するので、液晶注入処理後の短冊状パネルは工程P24において洗浄処理を受ける。
その後、液晶注入および洗浄が終わった後の短冊状パネルに対して、再び所定位置にスクライブ溝を形成する。さらに、そのスクライブ溝を基準にして短冊状パネルを分断する。このことにより、複数個の液晶パネル102が個々に切り出される(工程P25)。こうして作製された個々の液晶パネル102に対して、図15に示すように、液晶駆動用IC103a,103bを実装し、照明装置106をバックライトとして装着し、さらにFPC104を接続することにより、目標とする液晶装置101が完成する(工程P26)。
なお、個々のフィルタエレメント3は、ヘッド22の1回の走査によって形成されるのではなくて、複数回の走査によってN回(例えば、上記第1〜第3実施形態における図示例では3回、或いは、4回)、重ねて材料吐出を受けることにより所定の膜厚に形成されてもよい。この場合には、仮に複数のノズル27間において材料吐出量にバラツキが存在する場合でも、複数のフィルタエレメント3間で膜厚にバラツキが生じることを防止でき、上記の縞状の色ムラもさらに低減され、それ故、カラーフィルタの光透過特性を平面的に均一にすることができる。
また、本実施形態の液晶装置及びその製造方法では、図8に示す液滴吐出装置IJを用いることによりヘッド22を用いた材料吐出によってフィルタエレメント3を形成するようにしているので、フォトリソグラフィ法を用いる方法のような複雑な工程を経る必要がなく、また材料を浪費することもない。
なお、本実施形態では、表示装置として液晶パネルを備えた液晶装置やEL装置について説明したが、上記と同様のカラーフィルタを備えた表示装置として、液晶装置以外の他の電気光学装置、例えば、プラズマディスプレイパネルなどに適用することも可能である。
<電子機器>
本発明の電子機器の具体例について説明する。
図17は、パーソナルコンピュータの斜視図である。図18は、携帯電話の斜視図である。そして、例えば、図17に示すようなパーソナルコンピュータ490は、上記実施形態の表示部300を備えている。また、図18に示すような携帯電話491も同様に、適用できる。また、液晶装置101はPHS(Personal・Handy・Phone・System)などの携帯型電話機、電子手帳、ページャ、POS(Point・Of・Sales)端末、ICカード、ミニディスクプレーヤ、液晶プロジェクタ、エンジニアリング・ワークステーション(Engineering・Work・Station:EWS)、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、タッチパネルを備えた装置、時計、ゲーム機器などの様々な電子機器に適用できる。
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造および形状に設定できる。
(変形例1)図8および図9に示したカラーフィルタの製造装置(液滴吐出装置)では、ヘッド22を走査方向Xへ移動させてマザー基体12を走査し、マザー基体12を送り駆動装置21によって移動させることにより、ヘッド22のマザー基体12に対する送り動作を実現しているが、例えば、これとは逆に、マザー基体12の移動によって走査を実行し、ヘッド22の移動によって送り動作を実行することもできる。さらには、ヘッド22を移動させずにマザー基体12を移動させたり、双方を相対的に逆方向に移動させたりするなど、少なくともいずれか一方を相対的に移動させ、ヘッド22がマザー基体12の表面に沿って相対的に移動するいずれの構成とすることができる。
(変形例2)本実施形態では、圧電素子の撓み変形を利用して材料を吐出する構造のヘッドを用いたが、これに限定されるものでなく、他の任意の構造のヘッド、例えば加熱により発生するバブルにより材料を吐出する方式のヘッドなどを用いることもできる。
(変形例3)液滴吐出装置IJが製造に使用されるのは、上述のカラーフィルタや液晶装置、EL装置に限定されるものではなく、例えば、FED(Field・Emission・Display:フィールドエミッションディスプレイ)などの電子放出装置、PDP(Plasma・Disply・Panel:プラズマディスプレイパネル)、電気泳動装置すなわち荷電粒子を含有する機能性液状体である材料を各画素の隔壁間の凹部に吐出し、各画素を上下に挟持するように配設される電極間に電圧を印加して荷電粒子を一方の電極側に寄せて各画素での表示をする装置、薄型のブラウン管、CRT(Cathode―Ray・Tube:陰極線管)ディスプレイなど、基板(基材)を有し、その上方の領域に所定の層を形成する工程を有する様々な表示装置(電気光学装置)に用いることができる。
(変形例4)本発明の装置や方法は、カラーフィルタや表示装置(電気光学装置)を構成する基板(基材)を有するデバイスであって、その基板(基材)に液滴8を吐出する工程を用いることができる各種デバイスの製造工程に用いることができる。例えば、基材上に形成される微細なマイクロレンズを吐出にて光学部材を形成する構成、基板上に塗布するレジストを必要な部分だけに塗布するように吐出する構成、プラスチックなどの透光性基板などに光を散乱させる凸部や微小白パターンなどを吐出形成して光散乱板を形成する構成、DNA(Deoxyribonucleic・acid:デオキシリボ核酸)チップ上にマトリクス配列するスパイクスポットにRNA(ribonucleic・acid:リボ核酸)を吐出させて蛍光標識プローブを作製してDNAチップ上でハイブリタゼーションさせるなど、基材に区画されたドット状の位置に、試料や抗体、DNA(Deoxyribonucleic・acid:デオキシリボ核酸)などを吐出させてバイオチップを形成する構成などにも利用できる。
(変形例5)また、上記の液晶装置101としても、TFTなどのトランジスタやTFDのアクティブ素子を画素に備えたアクティブマトリクス液晶パネルなど、画素電極を取り囲む隔壁6を形成し、この隔壁6にて形成される凹部に材料を吐出してカラーフィルタを形成するような構成のもの、画素電極上に材料として色材および導電材を混合したものを吐出して、画素電極上に形成するカラーフィルタを導電性カラーフィルタとして形成する構成、基板間のギャップを保持するためのスペーサの粒を吐出形成する構成など、液晶装置101の電気光学系を構成するいずれの部分にも適用可能である。
(変形例6)前述の第1実施形態〜第3実施形態で示した溝形成工程は、隔壁形成工程の前に限定されない。例えば、溝形成工程が隔壁形成工程の後でも良い。図5において、S34の後またはS35の後でも良い。図7において、S64の後またはS65の後でも良い。このようにすれば、領域7に溝7dが形成されているので、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例7)溝形状のパターンは、第1実施形態〜第3実施形態で示したバリエーションに限定されない。例えば、図19に示すように、領域7の長手方向両端部に、隔壁6Cの短辺に沿ってプール状の溝7gを形成しても良い。このようにすれば、液滴8が領域7の隅を指向するので、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例8)溝形状のパターンは、第1実施形態〜第3実施形態で示したバリエーションに限定されない。例えば、図20に示すように、領域7の長手方向両端部に、隔壁6Cの内周に沿って環状の溝7hを形成しても良い。この環状の溝7hは隔壁6Cの周縁部から隅に液滴8を向かわせるように形成されている。このようにすれば、液滴8が領域7の隅を指向するので、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例9)隔壁6Cの形状は、第1実施形態〜第3実施形態で示した長方形に限定されない。例えば、正方形にしても良い。このようにすれば、液滴8が領域7の全面を満たすときに、領域7の長手方向の長さと、幅方向の長さとが等しいから、液滴8の表面張力が領域7に均等に加わることになる。そして、液滴8が領域7に均等に濡れ広がることになるので、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例10)前述の第1実施形態〜第3実施形態での溝7dの形成方法は、ガラス基板に形成する方法であるが、これに限定されない。例えば、ガラス基板に反射膜を形成して、この膜に溝7dを形成しても良い。このようにすれば、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例11)前述の第1実施形態〜第3実施形態での溝7dの形成方法は、ガラス基板に形成する方法であるが、これに限定されない。例えば、ガラス基板に透明樹脂膜を形成して、この膜に溝7dを形成しても良い。このようにすれば、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例12)前述の第1実施形態〜第3実施形態での溝7dの形成方法は、領域7の角の二等分線に沿って形成する方法であるが、これに限定されない。例えば、三等分線や四等分線でも良い(角のn等分線、nは2以上)。このようにすれば、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例13)前述の第1実施形態〜第3実施形態での溝7dの形成方法は、領域7の角の二等分線に沿って形成する方法であるが、これに限定されない。例えば、領域7の中央部のある点から隅を指向する方向に延びていれば良い。このようにすれば、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例14)前述の第1実施形態〜第3実施形態での溝7dの断面形状を、矩形状もしくは逆テーパ状にしたが、これに限定されない。例えば、円弧状またはV字状でも良い。このようにすれば、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例15)前述の第1実施形態〜第3実施形態での液滴8の滴下方法で、3滴を液滴の着弾点Pに各々着弾させたが、これに限定されない。例えば、中央部一箇所の液滴の着弾点Pに液滴8を3滴着弾させても良い。このようにすれば、第1実施形態〜第3実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる。
(変形例16)変形例8の構成において、環状溝のみ形成した基板およびその製造方法を採用することもできる。この場合、略環状の溝は、環状に閉じた経路であることに限定されず、1箇所または複数箇所において途中で一部破断された略環状であっても構わない。例えば矩形領域である場合、その四つの隅にL字型経路の溝を4つ形成して、各辺の中央付近の4箇所で一部破断された経路の略環状溝とすることもできる。
(変形例17)前記実施形態では、基板上に着弾させた後の液状材料を乾燥と焼成(ベーク)とにより固化させたが、固化方法はこれに限定されない。例えば、表示要素の液状材料として、放射線硬化樹脂を混ぜた液状材料を使用し、着弾後の液状材料に放射線を照射して硬化させる固化方法を採用することもできる。
溝経路の少なくとも一部が存在する「領域の周縁」とは、液状材料が溝による毛細管現象によって領域の端まで濡れ広がるよう案内され得る溝(但し、隔壁に沿って環状に延びる溝を除く)の外周側の端点を特定するものである。必ずしも溝が領域の端(隔壁の内壁面で規定される領域の区画線(外周線))にまで達している必要がないことから、領域の区画線の近傍領域はこの「領域の周縁」に明らかに含まれる。さらには溝を有しない基板に比べ、領域における液状材料の濡れ広がりを促進させ得る位置および経路に溝が形成されていれば足りるので、「領域の周縁」とは領域の区画線の近傍領域よりも領域の区画線からの距離がより離れた位置にまで及ぶ広い領域を指す。液状材料が濡れ広がる際は特に障害がなければ円の形状を保って広がろうとするため、例えば矩形領域などの多角形領域の場合、その多角形領域に内接する内接円とその内接円が内接する3辺以上の辺群とにより囲まれた隙間領域は、ここでいう「領域の周縁」に含まれ、この隙間領域を含むように本発明においては「多角形領域の周縁」とは、領域の各隅(頂点)と前記内接円との各距離のうち最大距離を幅として領域の周縁に沿ってできる帯状領域と定義する。矩形領域の場合、この帯状領域の幅は、領域の短手方向長さ(内接円の直径)の(√2−1)/2)倍であり、「矩形領域の周縁」は、領域の短手方向長さの20%の長さを幅とする環状の帯領域と言える。また、樽型領域の場合、「領域の周縁」とは、樽型区画線と、その長軸方向において最も端に寄せた位置で内接する内接円との最大距離、あるいは短径(短軸長)の20%の長さのうち大きい方を幅とする帯状領域と定義する。また、楕円領域の場合、「領域の周縁」とは、楕円とその楕円の短径(短軸)と同じ直径をもつ内接円との最大距離、あるいは短径(短軸)の20%の長さのうち大きい方を幅とする帯状領域と定義する。また、円領域の場合、「領域の周縁」とは、円領域の直径の20%を幅とする円環状の帯領域と定義する。このように領域の形状・サイズから決まる帯状領域で定義付けされる周縁領域に少なくともその一部がかかるように溝は形成されていれば足りる。
(技術的思想)請求項1乃至8のいずれか一項に記載された基板の製造方法によって基板としてのカラーフィルタを製造する工程と、
前記カラーフィルタとTFTアレイ基板とを液晶を挟んだ状態に接合する工程と、
前記TFTアレイ基板にドライバ部品を実装する工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置(液晶表示装置)の製造方法。
このような構成にすれば、表示品位の向上したカラーフィルタを有する電気光学装置を提供できる。
第1実施形態の基板の構造を示した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B線に沿った断面構造を示す概略断面図。 第2実施形態の基板の構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B線に沿った断面構造を示す概略断面図。 第3実施形態の基板の構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B線に沿った断面構造を示す概略断面図。 (a)〜(g)は、カラーフィルタ基板の製造工程を示す工程断面図。 カラーフィルタ基板の製造工程の手順を示す概略フローチャート。 (a)〜(i)は、EL発光パネルの製造工程を示す工程断面図。 EL発光パネルの製造工程の手順を示す概略フローチャート。 液滴吐出装置の全体構成を示す概略斜視図。 液滴吐出装置の主要部を部分的に示す部分斜視図。 ヘッドを示すであり、(a)は概略斜視図、(b)はノズルの配列を示す図。 ヘッドの主要部を部分的に示す図であり、(a)は概略斜視図、(b)は概略断面図。 液滴吐出装置の制御系のブロック図。 液滴吐出装置の動作手順を示す概略フローチャート。 実施形態に係る表示装置(電気光学装置)のフローチャート。 当該製造方法によって製造される表示装置(電気光学装置)の一例としての液晶装置を示す図。 図15のIX−IX線に沿った液晶装置の断面図。 パーソナルコンピュータの斜視図。 携帯電話の斜視図。 変形例7の基板の構造を示した平面図。 変形例8の基板の構造を示した平面図。
符号の説明
3(3R、3G、3B)…表示要素及び表示層としてのフィルタエレメント、6(6B、6C、6E)…隔壁、6(6X、6Y)…内面、7…領域、7d…溝、7e…溝、7f…隅を指向する溝、7g…プール状の溝、7h…環状の溝、8…機能液としての液滴、12…基体、22…ヘッド、27…ノズル、101…表示装置としての液晶装置、102…液晶パネル、202…表示要素を構成する正孔注入層、203…EL発光層、252…表示装置としてのEL表示装置、300…表示装置を備えた表示部、490…電子機器としてのパーソナルコンピュータ、491…電子機器としての携帯電話、P…液滴の着弾点、IJ…液滴吐出装置。

Claims (17)

  1. 基体上に所定の領域を区画する隔壁を有する基板の製造方法であって、
    前記基体上における前記所定の領域内に、溝を形成する工程と、
    前記基体上に前記所定の領域を区画するための隔壁を形成する工程と、
    前記所定の領域に機能液を塗布する工程と、
    を有することを特徴とする基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の基板の製造方法において、
    前記溝を形成する工程では、前記所定の領域の周縁に溝経路の少なくとも一部が存在するように溝を形成することを特徴とする基板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の基板の製造方法において、
    前記溝を形成する工程では、前記溝を、前記所定の領域の内方側と外周側とを結ぶように形成することを特徴とする基板の製造方法。
  4. 請求項3に記載の基板の製造方法において、
    前記溝を形成する工程では、前記所定の領域の長手方向に沿って延びる溝を少なくとも含むように前記溝を形成することを特徴とする基板の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の基板の製造方法において、
    前記溝を形成する工程では、前記所定の領域の隅を指向する経路で延びる溝を少なくとも含むように前記溝を形成することを特徴とする基板の製造方法。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の基板の製造方法において、
    前記溝を形成する工程では、前記溝の他に、前記所定の領域の長手方向両端部分に隔壁に沿って延びる第2の溝を形成することを特徴とする基板の製造方法。
  7. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の基板の製造方法において、
    前記溝を形成する工程では、前記溝の他に、前記領域の周縁部分に隔壁に沿って延びる略環状の第2の溝を形成することを特徴とする基板の製造方法。
  8. 請求項2に記載の基板の製造方法において、
    前記溝を形成する工程では、前記溝を、前記所定の領域の周縁部分に隔壁に沿って略環状に延びるように形成することを特徴とする基板の製造方法。
  9. 基体と、
    前記基体上に所定の領域を区画するように形成された隔壁と、
    前記基体上において前記隔壁で囲まれた前記所定の領域内の周縁に経路の少なくとも一部が存在するように形成された溝と、
    前記所定の領域に配置されるとともに機能液が固化されて形成された表示層と、
    を備えていることを特徴とする基板。
  10. 請求項9に記載の基板において、
    前記溝は、前記所定の領域の内方側と外周側とを結ぶように形成されていることを特徴とする基板。
  11. 請求項10に記載の基板において、
    前記溝は、前記所定の領域の長手方向に沿って延びていることを特徴とする基板。
  12. 請求項10又は11に記載の基板において、
    前記溝は、前記所定の領域の隅を指向する経路で延びていることを特徴とする基板。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一項に記載の基板において、
    前記溝の他に、前記所定の領域の長手方向両端部分に隔壁に沿って延びるように形成されてなる第2の溝を備えていることを特徴とする基板。
  14. 請求項10乃至12のいずれか一項に記載の基板において、
    前記溝の他に、前記所定の領域の周縁部分に隔壁に沿って延びるように形成されてなる略環状の第2の溝を備えていることを特徴とする基板。
  15. 請求項9に記載の基板において、
    前記溝は、前記所定の領域の周縁部分に隔壁に沿って形成された略環状であることを特徴とする基板。
  16. 請求項9乃至15のいずれか一項に記載の基板を備えていることを特徴とする電気光学装置。
  17. 請求項16に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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