JP2006089734A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
強化繊維と熱可塑性樹脂との接着性に優れ、成形品の機械的特性を十分に向上させることができる熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
次の(A)〜(D)の成分からなり、(B)成分の化合物の溶解度パラメータδ(SP値)と(D)成分の熱可塑性樹脂の溶解度パラメータδの差の絶対値が3以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(A)アミン価が5mg eq/g以上である化合物
(B)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた1種または2種以上の官能基を含む化合物
(C)強化繊維
(D)熱可塑性樹脂
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、特に力学特性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品は、電気・電子機器、OA機器、家電機器または自動車の部品、内部部材および筐体などに好適に用いられる。
強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量で優れた力学特性を有するために、スポーツ用品用途、航空宇宙用途および一般産業用途に広く用いられている。
これらの繊維強化複合材料に使用される強化繊維は、その使用用途によって様々な形態で成形品を強化している。これらの強化繊維には、アルミニウム繊維やステンレス繊維などの金属繊維、アラミド繊維やPBO繊維などの有機繊維、およびシリコンカーバイド繊維などの無機繊維や炭素繊維などが使用されているが、比強度、比剛性および軽量性のバランスの観点から炭素繊維が好適であり、その中でもポリアクリロニトリル系炭素繊維が好適に用いられる。
これらの成形品の機械的特性を高めるには、炭素繊維等強化繊維の含有量を増してやればよい。しかしながら、炭素繊維の量を増やすと材料の粘度が上昇するため、コンパウンド工程で混練が難しくなり、あるいは射出成形が困難になり、得られた成形品の強度や剛性などの機械的特性が低下したり、成形品外観が悪化することが多い。
そこで、成形品外観を損なわずに力学特性を向上させる手段として、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面接着を高め、結果的に成形品の力学特性を向上させる方法がある。
例えば、強化繊維に表面酸化処理を施して反応性官能基を付与し、熱可塑性樹脂との接着を向上される方法がある。しかしながら、この場合、表面処理量を多くすると強化繊維自体の強度が低下し、成形品の力学特性に影響を及ぼすという問題があった。また、一般的な熱可塑性樹脂は、反応性が乏しく、強化繊維の表面改質だけでは、十分な接着が得られない問題があった。
そこで、強化繊維と熱可塑性樹脂以外に、接着性向上成分を添加する方法が試みられてきた。接着性向上成分としては、例えば、強化繊維との親和性が高いエポキシ、ポリイミン、ポリアリルアミンを使用する方法が提案されている(特許文献1、2および3参照)。しかしながら、この場合、強化繊維との親和性は良好であるが、熱可塑性樹脂との親和性は不十分で、力学特性に優れた成形品が得られないという問題があった。
このように、強化繊維と熱可塑性樹脂の両者との親和性を十分に満足する接着成分は見い出されていないのが現状である。
特開昭61−66616号公報(特許請求の範囲) 特開平03−65311号公報(特許請求の範囲) 特開平07−266462号公報(特許請求の範囲)
本発明は、かかる従来技術における問題点に鑑み、強化繊維と熱可塑性樹脂との接着性を高め、成形品の力学特性を十分に向上させることができる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、アミノ基をもつ化合物とそのアミノ基と反応可能な官能基を1種または2種以上含みマトリックスとなる熱可塑性樹脂との相溶性が良好な化合物を併用し、これらを繊維強化熱可塑性樹脂中に添加したところ、特異的に成形品の力学強度を向上できることを見い出し本発明に想到した。
すなわち、
(1) 次の(A)〜(D)の成分からなり、(B)成分の化合物の溶解度パラメータδ(SP値)と(D)成分の熱可塑性樹脂の溶解度パラメータδ(SP値)の差の絶対値が3以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(A)アミン価が5mg eq/g以上である化合物
(B)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた1種または2種以上の官能基を含む化合物
(C)強化繊維
(D)熱可塑性樹脂
(2)(A)成分の化合物が、下記構造式(1)で示される化合物である前記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。
Figure 2006089734
m1、m3: 0〜20の整数
m2: 1〜20の整数
、R、R:C2nで表される直鎖または分岐構造をもつアルキル基であり、nは1〜20の整数
(3)(A)成分の化合物が、下記構造式(2)または、下記構造式(3)で示される単位を化合物中に50〜100mol%含有する炭化水素骨格を有する化合物である前記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。
Figure 2006089734
:−Hまたは−C2l+1(lは1〜4の整数を表す)で表される直鎖もしくは分岐構造をもつアルキル基であり、pは0.01〜10の値
Figure 2006089734
(4)(A)成分の化合物がポリエチレンイミンである前記(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)(A)成分の化合物がポリアリルアミンである前記(3)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(6)(A)成分の化合物の数平均分子量が200〜100,000の化合物であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(7)下記(1)式で示される(A)成分の化合物の数平均分子量とアミン価(mg eq/g)の比(R値)が、5〜5,000である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
R値=数平均分子量/アミン価(mg eq/g)---------(1)
(8)(B)成分が少なくともカルボキシル基を含む化合物であり、その酸価が10〜150mgKOH/gである前記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(9)(B)成分が少なくとも酸無水物基を含む化合物であり、その鹸化価が10〜500mgKOH/gである前記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(10)(B)成分が少なくともエポキシ基を含む化合物であり、そのエポキシ価が10〜500mgKOH/gである前記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(11)(B)成分の化合物の数平均分子量が500〜200,000である前記(1)〜(10)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(12)(B)成分の化合物がポリオレフィン系重合体である前記(1)〜(11)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(13)(C)成分の強化繊維が炭素繊維である前記(1)〜(12)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(14)(C)成分の強化繊維のX線光電子分光法によって求められる表面酸素濃度比O/Cが、0.05〜0.50である前記(13)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(15)(D)成分の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系重合体である前記(1)〜(14)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(16)(A)成分と(C)成分の重量比(A)/(C)が0.005〜0.1、(B)成分と(C)成分の重量比(B)/(C)が0.005〜0.1、かつ、(D)成分と(C)成分の重量比(D)/(C)が0.14〜100である前記(1)〜(15)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(17)(A)成分の化合物の割合が0.1〜10重量%であり、(B)成分の化合物の割合が0.1〜10重量%であり、(C)成分の強化繊維の割合が1〜70重量%であり、(D)成分の熱可塑性樹脂の割合が10〜98.8重量%である前記(1)〜(16)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
本発明によれば、強化繊維と熱可塑性樹脂との接着性に優れ、曲げ強度や曲げ弾性率等の力学特性が極めて優れた成形品を製造するための繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得ることができるので、この熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品は、電気・電子機器、OA機器、家電機器または自動車の部品、内部部材および筐体などに好適に用いることができる。
以下、更に詳しく本発明の熱可塑性樹脂組成物を実施するための最良の形態について説明をする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の基本的組成は、次の(A)〜(D)の成分からなり、(B)成分の化合物の溶解度パラメータδ(SP値)と(D)成分の熱可塑性樹脂の溶解度パラメータδ(SP値)の差の絶対値が3以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
(A)アミン価が5mg eq/g以上である化合物
(B)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた1種または2種以上の官能基を含む化合物
(C)強化繊維
(D)熱可塑性樹脂
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(C)強化繊維と(D)熱可塑性樹脂を含む繊維強化熱可塑性樹脂組成物に、(C)強化繊維と接着性の良好な(A)成分と、(D)熱可塑性樹脂と相溶性が良好で、かつ、(A)成分と反応して化学結合を形成可能な(B)成分を組み合わせることにより、(C)強化繊維とマトリックス樹脂((A)成分(B)成分(D)熱可塑性樹脂の混合物)との接着性を高め、成形品の力学特性を従来ないレベルに向上させることができることを見出したものである。
本発明で用いられる(A)成分は、強化繊維(C)との接着の観点から、アミン価が5mg eq/g以上である化合物が用いられる。アミン価が5mg eq/g未満の場合、強化繊維表面との親和性が小さくなり、強化繊維と樹脂との十分な界面接着性が得られない。アミン価のより好ましい範囲は、10〜1,000mg eq/gであり、さらに好ましくは、15〜500mg eq/g、さらに好ましくは、20〜300mg eq/gである。
アミン価は、ASTM D2074に従って測定する1、2、3級アミンの総量を示す指標で、(A)成分1gを中和するのに要する塩酸に当量のKOHのmg数で表す。
本発明における(A)成分としては、下記構造式(1)で示される単位を有する構造であることが好ましい。
Figure 2006089734
(式中、m1、m3は0〜20の整数であり、m2は1〜20の整数である。R、R、RはそれぞれC2nで表される直鎖または分岐構造をもち、nは1〜20の整数を表す。)
また、(A)成分は典型的には[化1]で示されるが、分岐した枝にさらに枝分かれがあるものであってもよい。
上記構造式(1)で示される単位を有する(A)成分は、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン、N−アセチルポリエチレンイミン、N−プロピオニルポリエチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン、1,1−ジメチル−2−メチルエチレンイミン、1,1−ジメチル−2プロピルエチレンイミン、N−ブチリルポリエチレンイミン、N−バレリルポリエチレンイミン、N−ヘキサノイルポリエチレンイミン、N−ステアロイルポリエチレンイミン、ポリベンズアルドイミン等のポリアミンおよびその誘導体、およびそれらの混合物、あるいは変性、共重合されたポリイミン樹脂などが挙げられる。これらの中でも特に好ましくは、ポリエチレンイミンが挙げられる。
また、本発明における(A)成分としては、下記構造式(2)または構造式(3)で示される構造単位を50〜100mol%含有する炭化水素骨格を有する構造であることが好ましい。
Figure 2006089734
(式中、Rは−Hまたは−C2l+1(lは1〜4の整数を表す。)を表し、pは0.01〜10の値を表す。)
上記構造式(2)で示される単位を有する(A)成分は、アクリル酸やメタクリル酸のようなカルボキシル基含有不飽和単量体50〜100mol%とアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等の不飽和単量体0〜50mol%とを、適当な有機溶媒中で溶液重合を行なった後に、生成したポリマーの分子中に存在するカルボキシル基に対し、エチレンイミンやプロピレンイミン等の炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキレンイミンを反応させることにより製造することができる。なお、pが整数に限定されないのは、反応により結合する数に分布を有することから平均値で表すためである。
Figure 2006089734
また、上記構造式(3)で示される単位を有する(A)成分は、例えば、ポリアリルアミン、やポリアリルアミンの側鎖のアミンの一部が塩酸塩となったものなどが挙げられるが、ポリアリルアミンが好ましい。
ポリアリルアミンは、例えば、特開昭58ー201811号公報等に示されている方法を用いて合成することができる。すなわち、モノアリルアミン化合物の無機酸塩を極性溶媒中で分子中にアゾ基とカチオン性の窒素原子を持つ基とを含むラジカル開始剤の存在下で重合させ、次いで重合したポリアリルアミン化合物の無機酸塩を強塩基性イオン交換樹脂を通して無機酸を除去するか又はアルカリ(例えば苛性ソーダ)によってできる中和塩水溶液を透析することにより製造することができる。
本発明における(A)成分の化合物は数平均分子量が200〜100,000であることが好ましい。数平均分子量が200未満の場合は(A)成分が強化繊維表面を均一に覆うことができず、接着効果が軽減する場合がある。また、数平均分子量が100,000を超える場合は、(A)成分から成る層が強化繊維表面を厚く覆うため、界面が脆弱になる場合がある。かかる観点から数平均分子量のより好ましい範囲は、250〜80,000である。(A)成分の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(例えば、shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
また、本発明における(A)成分の化合物は、下記(1)式で示される数平均分子量とアミン価の比であるR値が5〜5,000の化合物であることが好ましい。R値が5未満の場合は、(A)成分で被覆された強化繊維の表面近傍の樹脂が過度に活性になり、強化繊維の表面と樹脂の界面が脆弱になる場合がある。また、R値が5,000を超える場合は、強化繊維の表面と樹脂の界面の反応性が乏しくなり、接着効果が軽減する場合がある。
R値=数平均分子量/アミン価(mg eq/g)---------(1)
また、本発明における(A)成分と(C)成分の重量比(A)/(C)は0.005〜0.1であることが強化繊維と樹脂の界面の接着性の観点から好ましい(A)成分と(C)成分の重量比(A)/(C)が0.005未満の場合、強化繊維表面に成分(A)が均一に覆うことができず、接着効果が軽減する場合がある。また、割合が0.1を超える場合、界面が脆性的となる場合がある。より好ましくは0.007〜0.05であり、さらに好ましくは、0.01〜0.04である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に対する成分(A)の割合は、0.1〜10重量%であることが好ましい。より好ましくは、0.3〜5重量%であり、さらに好ましくは、0.6〜2重量%である。
本発明における(B)成分は(A)成分のアミノ基との反応性を有することが必要であり、かかる観点から、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基から選ばれる1種または2種以上の官能基をもつ化合物が用いられる。
本発明で用いられる(B)成分の化合物の数平均分子量は、500〜200,000であることが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、強化繊維と熱可塑性樹脂との接着性が不十分となり、また200,000を超える場合は、(A)成分のアミノ基との反応性が低下し、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面の接着性が乏しくなる場合がある。数平均分子量のより好ましい範囲は、1,000〜100,000である。(B)成分の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(例えば、shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
本発明における(B)成分の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリブチレン(PB)等のポリオレフィンを酸無水物もしくはエポキシ基で変性させたもの、または、イソシアネート基もしくはカルボキシルを側鎖に有するポリオレフィン系重合体が好ましく用いられる。酸無水物基もしくはエポキシ基での変性、または、イソシアネート基もしくはカルボキシルの側鎖への導入の割合は、モノマー単位をベースに、1〜30mol%であることが(A)成分のアミノ基との反応性の観点から好ましい。
また、(B)成分が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリブチレン(PB)等のポリオレフィンの側鎖に少なくともカルボキシル基を含む化合物である場合には、その酸価が、(A)成分中のアミノ基との反応性の観点から、10〜150mgKOH/gであるものがさらに好ましい。酸価は、より好ましくは20〜100mgKOH/gであり、さらに好ましくは、30〜80mgKOH/gである。酸価が10mgKOH/g未満の場合、(A)成分中のアミノ基との反応が不十分となり、その結果、界面接着が不足して成形品の強度が低くなる場合がある。酸価が150mgKOH/gを超える場合、(A)成分中のアミノ基との反応が進み、界面が強固となり、その結果、成形品が脆性的になる場合がある。
酸価は、カルボキシル基を含む(B)成分1gを中和するのに要するKOHのmg数で表され、JIS K0070(1992)に準じて測定した。
また、(B)成分が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリブチレン(PB)等のポリオレフィンの側鎖に少なくとも酸無水物基を含む化合物である場合には、その鹸化価が、(A)成分中のアミノ基との反応性の観点から、10〜500mgKOH/gであるものがさらに好ましい。鹸化価は、より好ましくは20〜300mgKOH/gであり、さらに好ましくは、20〜100mgKOH/gである。鹸化価が10mgKOH/g未満の場合、(A)成分中のアミノ基との反応が不十分となり、その結果、界面接着が不足して成形品の強度が低くなる場合がある。鹸化価が500mgKOH/gを超える場合、(A)成分中のアミノ基との反応が進み、界面が強固となり、その結果、成形品が脆性的になる場合がある。
鹸化価は、酸無水物基を含む(B)成分1gを鹸化するのに要するKOHのmg数で表され、JIS K0070(1992)に準じて測定した。
また、(B)成分が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリブチレン(PB)等のポリオレフィンの側鎖に少なくともエポキシ基を含む化合物である場合には、そのエポキシ価が、(A)成分中のアミノ基との反応性の観点から、10〜500mgKOH/gであるものがさらに好ましい。エポキシ価は、より好ましくは20〜300mgKOH/gであり、さらに好ましくは、30〜100mgKOH/gである。エポキシ価が10mgKOH/g未満の場合、(A)成分中のアミノ基との反応が不十分となり、その結果、界面接着が不足して成形品の強度が低くなる場合がある。エポキシ価が500mgKOH/gを超える場合、(A)成分中のアミノ基との反応が進み、界面が強固となり、その結果、成形品が脆性的になる場合がある。
エポキシ価は、JIS K7236(2001)に準じて測定されたエポキシ当量(1当量のエポキシ基を含む試料の重量)の逆数にKOHの分子量(56)を乗じて、mg換算した。
また、本発明における(B)成分と(C)成分の重量比(B)/(C)は0.005〜0.1であることが強化繊維と熱可塑性樹脂の界面の接着性の観点から好ましい。(B)成分と(C)成分の重量比(B)/(C)が0.005未満の場合、強化繊維表面に成分(B)が均一に覆うことができず、接着効果が軽減する場合がある。また、割合が0.1を超える場合、界面が脆性的となる場合がある。より好ましくは0.007〜0.05であり、さらに好ましくは、0.01〜0.04である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に対する成分(B)の割合は、0.1〜10重量%であることが好ましい。その割合は、より好ましくは、0.3〜5重量%であり、さらに好ましくは、0.6〜2重量%である。
また、本発明における(A)成分と(B)成分の重量比(A)/(B)は、0.1〜10の範囲内に制御することが好ましい。上記範囲内に制御することで、強化繊維と熱可塑性樹脂の界面に強固な化学結合が形成でき、結果として、力学特性に優れた成形品を得ることができる。(A)/(B)は、より好ましくは0.2〜5であり、さらに好ましくは、0.3〜3.3である。 本発明で用いられる(C)成分の強化繊維としては、例えば、アルミニウム、黄銅およびステンレスなどの金属繊維や、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系およびピッチ系の炭素繊維や、黒鉛繊維や、ガラスなどの絶縁性繊維や、アラミド、PBO、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、アクリル、ナイロンおよびポリエチレンなどの有機繊維や、シリコンカーバイトやシリコンナイトライドなどの無機繊維が挙げられる。これらの強化繊維は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、比強度、比剛性、軽量性や導電性のバランスの観点から、炭素繊維、特にポリアクリロニトリル系炭素繊維が好適に用いられる。
炭素繊維としては、X線光電子分光法により測定されるその繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度{O/C}が0.05〜0.5であるものが好ましく、より好ましくは0.06〜0.3、さらに好ましくは0.07〜0.2である。表面酸素濃度{O/C}が0.05以上であることにより、炭素繊維表面の極性官能基量を確保し、熱可塑性樹脂組成物との親和性が高くなりより強固な接着を得ることができる。また、表面酸素濃度{O/C}が0.5以下であることにより、酸化による炭素繊維自体の強度の低下を少なくすることができる。
炭素繊維の酸素含有官能基量は、X線光電子分光法により、次の手順に従って求めたものである。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維をカットして銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。ここで、酸素含有官能基量とは、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出したものである。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
表面酸素濃度{O/C}を0.05〜0.5に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理、薬液酸化処理および気相酸化処理などの手法をとることができる。
また、本発明で用いられる(C)成分の強化繊維は、総繊度が50〜5,000texであるのが好ましい。より好ましくは、500〜3,500texである。50tex未満の場合、カット作業の効率が悪くなり、生産性が低下する場合がある。また、5,000texを越える場合、カット時に束の集束性が悪く、毛羽立ちが発生する場合がある。
また、本発明で用いられる(C)成分の強化繊維は、本数が1,000〜70,000本であるのが好ましい。好ましくは、12,000〜48,000本である。1,000本未満の場合、カット作業の効率が悪くなり、生産性が低下する場合がある。なた、70,000本を越える場合、カット時に束の集束性が悪く、毛羽立ちが発生する場合がある。
また、本発明で用いられる(C)成分の強化繊維は、1〜60mmの長さにカットして使用することが好ましく、3mm〜50mmの長さにカットされていることがさらに好ましい態様である。カット長が0.1mmより短いと補強効果が低下する傾向にあり、一方、60mmより長いと成形時の流動性が低くなり賦形性が悪くなる。
また、本発明で用いられる(C)成分の強化繊維の形態は特に限定されるものではないが、編物、織物、ウェブ 、不織布、フェルトまたはマット状にしたものが好ましく用いられる。
また、本発明で用いられる強化繊維の炭素繊維や黒鉛化繊維は、そのストランド強度が4〜7GPaであり、好ましくは4.5〜6.5GPaであり、また、ストランド弾性率が200〜500GPaであることが、特に構造材に好適である。
なお、該ストランド強度は、束状の炭素繊維あるいは黒鉛化繊維に、下記組成の樹脂を含浸させ、130℃の温度で35分間硬化させた後、JIS R−7601に規定する引張試験方法に従って求めることができる。
(樹脂組成)
・脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレート) 100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン 3重量部
・アセトン 4重量部
また、ストランド弾性率は、上記ストランド強度測定方法と同様の方法で引張試験を行い、荷重−伸び曲線の傾きから求めることができる。
また、本発明で用いられる強化繊維は、織布、長繊維ロービングまたはチョップドストランドとして熱可塑性樹脂と配合されるが、強化繊維は1〜60mmの長さにカットして使用することが好ましく、5mm〜30mmの長さにカットされていることがさらに好ましい態様である。カット長が1mmより短いと補強効果が低下する傾向にあり、一方、60mmより長いと成形時の流動性が低くなり賦形性が悪くなる。また、その強化繊維の形態は特に限定されるものではない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中の(C)成分の強化繊維の割合は、熱可塑性樹脂組成物に求められる物性に応じ任意に設定可能であるが、成形性や成形品の力学特性の観点から、1〜70重量%とすることが好ましい。より好ましくは、5〜50重量%であり、さらに好ましくは、10〜40重量%である。
本発明で用いられる(D)成分の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)および液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系およびフッ素系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。とりわけ、コストおよび一般産業への汎用性の観点からポリオレフィン系重合体がより好ましく用いられる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物中の(D)成分の割合としては、成形品の力学特性の観点から、10〜98.8重量%であることが好ましい。より好ましくは、30〜90重量%であり、さらに好ましくは、50〜80重量%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、力学特性を高める観点から、(B)成分の化合物の溶解度パラメータδと(D)成分の熱可塑性樹脂の溶解度パラメータδ(SP値)の差の絶対値が3以下であることが必須である。
(B)成分の化合物の溶解度パラメータδと(D)成分の熱可塑性樹脂の溶解度パラメータδの差の絶対値が3よりも大きい場合、両成分の相溶性は低く、強化繊維と熱可塑性樹脂の界面の接着性が低くなる場合がある。上記の絶対値のより好ましい範囲は、2.5以下であり、さらに好ましくは2以下である。
(B)成分の化合物の溶解度パラメータδの好ましい範囲は5〜20である。溶解度パラメータδはより好ましくは、8〜15である。溶解度パラメータδが5未満の場合は、(A)成分との反応性が乏しくなり接着向上効果が軽減する。溶解度パラメータδが20を超える場合は、(A)成分との結合力が大きくなり、界面が脆弱になる場合がある。(B)成分の溶解度パラメータδは、化合物中に含まれる極性官能基の種類(カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基)と数、および分子量により制御することができる。
(D)成分の化合物の溶解度パラメータδの好ましい範囲は5〜20である。溶解度パラメータδはより好ましくは、8以上15以下である。溶解度パラメータδが5未満の場合は、(A)成分および(B)成分との相溶性が乏しくなり接着向上効果が軽減する。溶解度パラメータδが20を超える場合は、強化繊維表面への濡れ性が悪くなり、含浸不足となる場合がある。(D)成分の溶解度パラメータδは、化合物中に含まれる極性官能基の種類(カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、アミド基等)と数、および分子量により制御することができる。
溶解度パラメータδ(SP値)は、フェダーズ(Fedors)の方法により決定される25℃の温度におけるポリマーの繰り返し単位の値を指す。当該方法は、F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14(2),147(1974)に記載されている。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、力学特性を阻害しない範囲で、用途等に応じて、上記の(A)〜(D)成分以外の他の成分が含まれていてもよく、また、充填剤や添加剤等が含まれていてもよい。充填剤あるいは添加剤としては、無機充填剤、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、発泡剤およびカップリング剤などがある。
特に、難燃性が要求される用途向けに難燃剤の添加や、導電性が要求される用途向けに導電性付与剤の添加が好ましく採用される。難燃剤としては、例えば、ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、窒素化合物、シリコーン化合物、フッ素化合物、フェノール化合物および金属水酸化物などの難燃剤を使用することができる。中でも、環境負荷を抑えるという観点から、ポリリン酸アンモニウム、ポリホスファゼン、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィンオキシドおよび赤リンなどのリン化合物を好ましく使用することができる。
導電性付与剤としては、例えば、カーボンブラック、アモルファスカーボン粉末、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、膨張黒鉛粉末、ピッチマイクロビーズ、気相成長炭素繊維およびカーボンナノチューブ等を採用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、プレス成形、射出成形、ブロー成形、回転成形、押出成形、トランスファー成形およびフィラメントワインディング成形などの成形方法によって成形品にされる。
次に、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、少なくとも、次の第1工程、第2工程および第3工程からなるものである。
・第1工程:(C)成分の強化繊維を、編物、織物、ウェブ 、不織布、フェルトまたはマット等の生地に加工する工程、
・第2工程:前記の第1工程で得られた生地1〜70重量%に、(A)成分のアミン価が5mgeq/g以上である化合物を(A)/(C)重量比で0.001〜0.1となるように付与した後、(B)成分のカルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた1種または2種以上の官能基を含む化合物を(B)/(C)重量比で0.001〜0.1となるように付与する工程。
・第3工程:(A)、(B)成分が付与された基材に、(D)成分の熱可塑性樹脂を加熱溶融して10〜98重量%付与し複合化する工程。
上記の第1工程において、(C)成分の強化繊維を、編物、織物、ウェブ 、不織布、フェルトまたはマット等の生地に加工する方法は、従来公知の方法が用いられる。
上記の第1工程において、(C)成分の強化繊維に加えて、(D)成分の熱可塑性樹脂の0〜50重量%を予め生地と混合してもよい。
本発明で用いられる(D)成分の熱可塑性樹脂の形態としては、フィルム状、粒子状または不織布状の形態であることが好ましい。
上記の第2工程において、(A)、(B)成分を(C)成分の強化繊維に付与する方法としては、それぞれの成分を別個に順次、または同時に、溶液または乳化液として液状で(C)成分の強化繊維に付着せしめた後、溶媒、または分散媒を蒸発させるという方法が好ましく用いられる。(A)、(B)成分を付着させる方法としては、スプレー法あるいはディップ法等の従来公知の方法が用いられる。(A)、(B)成分を溶かす溶媒は、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン等が挙げられるが、好ましくは、取扱いが容易で蒸発させるとき引火する恐れがないという点から水が好ましい。前記溶媒に不溶、若しくは難溶の化合物の場合、乳化剤、界面活性剤等を添加し乳化液として用いることができる。具体的には、乳化剤、界面活性剤としては、スチレン−無水マレイン酸共重合物、オレフィン−無水マレイン酸共重合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸ソーダ等のアニオン系乳化剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾリン等のカチオン系乳化剤、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ソルビタンエステルエチルオキサイド付加物等のノニオン系乳化剤などを用いることができるが、塩基、酸との相互作用が小さいノニオン系乳化剤が好ましい。
また、上記の第2工程において、(A)成分の付与後、または(B)成分の付与後に、必要に応じて100〜200℃の温度で、0.1〜90分間、熱風乾燥してもよい。
上記の第3工程において、(D)熱可塑性樹脂を加熱溶融して付与する方法の具体例としては、第2工程で得られた基材生地に、フィルム状あるいは不織布状の(D)熱可塑性樹脂をサンドイッチした後、ダブルベルトプレスや平板プレスを用いて加熱加圧含浸する方法、また、第2工程で得られた基材生地に粒子状の熱可塑性樹脂を含浸した後、ダブルベルトプレスや平板プレスを用いて加熱加圧含浸する方法を例示することができる。
上記の第3工程(複合化する工程)を経て得られる繊維強化熱可塑性樹脂組成物の形態としては、スタンパブルシートやプリプレグ等が挙げられる。さらに、これらをカットすることで、ペレット状やフレーク状とすることができ、一般的な射出成形に使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の用途としては、例えば、パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの電気、電子機器の筐体及びトレイやシャーシなどの内部部材やそのケース、機構部品、パネルなどの建材用途、モーター部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、サスペンション部品、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係、排気系または吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受、燃料ポンプ、ガソリンタンク、CNGタンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、ハンドル、ドアビーム、プロテクター、シャーシ、フレーム、アームレスト、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、ラジエターサポート、スペアタイヤカバー、シートシェル、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ホイール、フェンダー、フェイシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スポイラーおよび各種モジュールなどの自動車、二輪車関連部品、部材および外板やランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、部材および外板などが挙げられる。
[評価・測定方法]
(1)溶解度パラメータδ(SP値)
求める化合物の構造式において、原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積のデータより次式により決定した。
δ=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
(ただし、式中、ΔeiおよびΔviは、それぞれ原子または原子団の蒸発エネルギーおよびモル体積を表す。)
なお、求める化合物の構造式はIR、NMRおよびマススペクトルなどの通常の構造分析手法を用いて決定することができる。
下記の実施例および比較例に用いた成分は、以下のとおりである。
<(A)成分>
・A−1:ポリエチレンイミン
(株)日本触媒製 “エポミン(登録商標)” SP−003
アミン価 21mg eq/g
数平均分子量 300
・A−2:アクリル系重合体
(株)日本触媒製 “ポリメント(登録商標)” SK−1000
アミン価 85mg eq/g(アミン水素当量 650g/eqの逆数にKOHの分子量(56)を乗じて、mg換算した)
重量平均分子量 50,000
・A−3:ポリアリルアミン
日東紡績(株) PAA−10C
アミン価 770mg eq/g
数平均分子量 15,000
・A−4:ポリエチレンイミン
(株)日本触媒製 “エポミン(登録商標)” P−1000
アミン価 18mg eq/g
数平均分子量 70,000
・A−5:ポリエチレンイミン
(株)日本触媒製 “エポミン(登録商標)” SP018
アミン価 19mg eq/g
数平均分子量 1,800
・A−6:ポリオキシプロピレンアミン
ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株) D−2000
アミン価 116mg eq/g
数平均分子量 2,000
<(B)成分>
・B−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン
丸芳化成品(株) MGP−055
SP値 8.3
鹸化価 40mgKOH/g
数平均分子量 20,000
・B−2:エポキシ変性ポリオレフィン
住友化学工業(株) “ボンドファースト(登録商標)”7M
SP値 8.1
エポキシ価 35mgKOH/g
数平均分子量 20,000
粒径1μmに粉砕して使用
・B−3:アクリル酸変性ポリエチレン
丸芳化成品(株) MYE30E5
SP値 8.2
酸価 40mgKOH/g
数平均分子量 20,000
・B−4:無変性ポリプロピレン
三洋化成工業(株) “ビスコール(登録商標)” 330−P
SP値 8.0
数平均分子量 15,000
<(C)成分>
・C−1:PAN系炭素繊維
東レ(株)製炭素繊維“トレカ(登録商標)”
単位長さ当たり質量 0.8 g/m
比重 1.8 g/cm
引張強度 4.9 GPa
引張弾性率 230.0 GPa
O/C 0.10
<(D)成分>
・D−1:ポリプロピレン樹脂
三井住友ポリオレフィン(株) J104WA
SP値 8.0
(2)成形板評価方法
実施例または比較例により得られた炭素繊維強化複合材料から、長さ130±1mm、幅25±0.2mmの曲げ強度試験片を切り出した。ASTM D−790に規定する試験方法に従い、3点曲げ試験冶具(圧子10mm、支点10mm)を用いて支持スパンを100mmに設定し、クロスヘッド速度5.3mm/分で曲げ強度を測定した。なお、本実施例においては、試験機として“インストロン(登録商標)”万能試験機4201型(インストロン社製)を用いた。測定数はn=5とし、平均値を曲げ強度とした。
以下、一実施態様例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、特にこれに制限されるというものではない。
(実施例1)
・第1工程:
直径150mmの円筒形容器に、水とポリオキシエチレン−オクチルフェニルエーテル(商品名:“Triton”(登録商標)x−100)を投入し、0.1重量%の水溶液を得た。その中に、長さ6mmにカットした上記の(C−1)PAN系炭素繊維9gを投入し4分間撹拌した。撹拌した後、脱水処理を行い不織ウェブを得た。
・第2工程:
第1工程で得られた不織ウェブの上から、予め5重量%水溶液に調整された上記の(A−1)ポリエチレンイミンを50gスプレー添加した後、予め固形分5重量%乳化液に調整された上記の(B−1)無水マレイン酸変性ポリプロピレンを50gスプレー添加した。脱水処理の後、140℃×60分間、熱風乾燥をおこなった。
・第3工程:
ステンレス製の板上に、上記(D−1)無変性ポリプロピレン9gを置き、その上からもう一枚のステンレス製板を重ね、板間には0.5mmのスペーサを入れる。プレス温度は210℃とし、圧力を1kgf/cmとして10分間保持し、厚さ0.5mm×20cm×20cmのポリプロピレンフィルムを得る。その上に第2工程で得られた基材不織ウェブを載せる。さらに、もう一方のポリプロピレンフィルムを上から置き、200℃の温度にて30分靜置することにより、厚さ1.2mmの炭素繊維強化シートを得る。
次に、得られた炭素繊維強化シート4枚を重ねて、厚さ4mmのスペーサを置き、加熱型プレス成型機により、1kgf/cmの加圧下、200℃の温度にて20分保持し、20cm×20cm×4mmの平板状の炭素繊維強化複合材料を得る。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(実施例2)
実施例1の第2工程において、(A)成分として、予め5重量%乳化液に調整された上記の(A−2)を添加した以外は実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(実施例3)
実施例1の第2工程において、(A)成分として、予め5重量%水溶液に調整された上記の(A−3)を添加した以外は実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(実施例4)
実施例1の第2工程において、(A)成分として、予め5重量%水溶液に調整された上記の(A−4)を添加した以外は実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(実施例5)
実施例1の第2工程において、(B)成分として、予め固形分5重量%水分散液に調整された上記の(B−2)を添加した以外は実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(実施例6)
実施例1の第2工程において、(A)成分として、予め5重量%水溶液に調整された上記の(A−5)を添加した後、(B)成分として、予め固形分5重量%乳化液に調整された上記の(B−3)を添加した以外は実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(実施例7)
実施例1の第2工程において、(A)成分として、予め5重量%エタノール溶液に調整された上記の(A−6)を添加した以外は実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(比較例1)
実施例1の第2工程において、(A)成分と(B)成分を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は50重量%であった。
(比較例2)
実施例1の第2工程において、(A)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(B)成分の割合は2重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(比較例3)
実施例1の第2工程において、(B)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は2重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
(比較例4)
実施例1の第2工程において、(B)成分として、予め5重量%水分散液に調整された上記(B−4)を添加した以外は実施例1と同様にして炭素繊維強化複合材料を得た。
得られた炭素繊維強化複合材料中の(A)成分の割合は1重量%、(B)成分の割合は1重量%、(C)成分の割合は50重量%、(D)成分の割合は48重量%であった。
上記した実施例1〜7と比較例1〜4の各サンプルについて、曲げ試験を実施した。その結果を表1に示す。表1からわかるように、本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物から得られた炭素繊維強化複合材料(成形品)は優れた曲げ強度を有しており、強化繊維と熱可塑性樹脂の界面の接着性が良好であることがわかる。
Figure 2006089734
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、強化繊維と熱可塑性樹脂との接着性に優れ、成形品の機械的特性を十分に向上させることができるから、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品は、電気・電子機器、OA機器、家電機器または自動車の部品、内部部材および筐体などに好適に用いられ、有用である。

Claims (17)

  1. 次の(A)〜(D)の成分からなり、(B)成分の化合物の溶解度パラメータδ(SP値)と(D)成分の熱可塑性樹脂の溶解度パラメータδ(SP値)の差の絶対値が3以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
    (A)アミン価が5mg eq/g以上である化合物
    (B)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた1種または2種以上の官能基を含む化合物
    (C)強化繊維
    (D)熱可塑性樹脂
  2. (A)成分の化合物が、下記構造式(1)で示される化合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2006089734
    m1、m3: 0〜20の整数
    m2: 1〜20の整数
    、R、R:C2nで表される直鎖または分岐構造をもつアルキル基であり、nは1〜20の整数
  3. (A)成分の化合物が、下記構造式(2)または、下記構造式(3)で示される単位を化合物中に50〜100mol%含有する炭化水素骨格を有する化合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2006089734
    :−Hまたは−C2l+1(lは1〜4の整数を表す)で表される直鎖もしくは分岐構造をもつアルキル基であり、pは0.01〜10の値
    Figure 2006089734
  4. (A)成分の化合物がポリエチレンイミンである請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (A)成分の化合物がポリアリルアミンである請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. (A)成分の化合物の数平均分子量が200〜100,000の化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 下記(1)式で示される(A)成分の化合物の数平均分子量とアミン価(mg eq/g)の比(R値)が、5〜5,000である請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
    R値=数平均分子量/アミン価(mg eq/g)---------(1)
  8. (B)成分が少なくともカルボキシル基を含む化合物であり、その酸価が10〜150mgKOH/gである請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. (B)成分が少なくとも酸無水物基を含む化合物であり、その鹸化価が10〜500mgKOH/gである請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. (B)成分が少なくともエポキシ基を含む化合物であり、そのエポキシ価が10〜500mgKOH/gである請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. (B)成分の化合物の数平均分子量が500〜200,000である請求項1〜10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. (B)成分の化合物がポリオレフィン系重合体である請求項1〜11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. (C)成分の強化繊維が炭素繊維である請求項1〜12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. (C)成分の強化繊維のX線光電子分光法によって求められる表面酸素濃度比O/Cが、0.05〜0.50である請求項13に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  15. (D)成分の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系重合体である請求項1〜14のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  16. (A)成分と(C)成分の重量比(A)/(C)が0.005〜0.1、(B)成分と(C)成分の重量比(B)/(C)が0.005〜0.1、かつ、(D)成分と(C)成分の重量比(D)/(C)が0.14〜100である請求項1〜15のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  17. (A)成分の化合物の割合が0.1〜10重量%であり、(B)成分の化合物の割合が0.1〜10重量%であり、(C)成分の強化繊維の割合が1〜70重量%であり、(D)成分の熱可塑性樹脂の割合が10〜98.8重量%である請求項1〜16のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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