JP2006058028A - 磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】磁石と磁気抵抗素子との間隔を簡単な構成で調整し得るようにして、出力電圧のバラツキなどを容易に補正できる磁気センサを低コストで提供する。
【解決手段】ホルダ3の凹部2a,2bに磁石1a,1bが収容され、ホルダの上面に固定された基板4に磁気抵抗素子5a,5bが搭載されている。凹部内の複数の突条6により、磁石1a,1bが磁気抵抗素子5a,5bへ向けて摺動可能に保持されている。ホルダ3の底面に、磁石1a,1bを磁気抵抗素子5a,5bへ向けて摺動させるための操作孔7を設け、該操作孔を介して磁石を磁気抵抗素子へ向けて押すことで、磁気抵抗素子と磁石との間隔8を調整する。調整後に、操作孔7から凹部2a,2b内に樹脂9を注入し、磁石1a,1bを固定する。
【選択図】 図2
【解決手段】ホルダ3の凹部2a,2bに磁石1a,1bが収容され、ホルダの上面に固定された基板4に磁気抵抗素子5a,5bが搭載されている。凹部内の複数の突条6により、磁石1a,1bが磁気抵抗素子5a,5bへ向けて摺動可能に保持されている。ホルダ3の底面に、磁石1a,1bを磁気抵抗素子5a,5bへ向けて摺動させるための操作孔7を設け、該操作孔を介して磁石を磁気抵抗素子へ向けて押すことで、磁気抵抗素子と磁石との間隔8を調整する。調整後に、操作孔7から凹部2a,2b内に樹脂9を注入し、磁石1a,1bを固定する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、回転センサ,角度センサ,磁気識別センサ,近接センサ等として用いられる、磁気抵抗素子を応用した磁気センサとその取付構造の改良に関する。
従来、この種磁気センサとして、磁気抵抗素子と、その下に近接状に配置される磁石とを、筐体等に固定してなる構造のものが一般に知られている(例えば特許文献1、2参照)。
磁気抵抗素子は、感磁部(表面部)に印加される磁界の変化を検出して信号として出力するものであるが、その出力信号電圧は微弱であり、そのままでは取り扱いが困難である。よって、その下に配した磁石により磁気抵抗素子にバイアス磁界を加えて磁気動作点を移動させ、微小な磁界の変化に対して出力電圧レベルを大きくとれるように構成されている。
磁気抵抗素子は、感磁部(表面部)に印加される磁界の変化を検出して信号として出力するものであるが、その出力信号電圧は微弱であり、そのままでは取り扱いが困難である。よって、その下に配した磁石により磁気抵抗素子にバイアス磁界を加えて磁気動作点を移動させ、微小な磁界の変化に対して出力電圧レベルを大きくとれるように構成されている。
しかし、旧来の磁気センサは、磁気抵抗素子の抵抗値、磁石の磁束密度、磁気抵抗素子と磁石の取付け位置などにバラツキがあると、出力電圧が小さかったり、出力電圧にバラツキが生じてしまうという問題があった。
このような問題を解決するため、特許文献1では、磁電変換素子と磁石との距離を調整して前記したバラツキを補正できるようにしている。また、特許文献2では、磁石の下に磁性体を設けることで磁気抵抗素子に印加されるバイアス磁界の強度を変化させ、磁気センサの抵抗値や感度を調節するようになっている。
このような問題を解決するため、特許文献1では、磁電変換素子と磁石との距離を調整して前記したバラツキを補正できるようにしている。また、特許文献2では、磁石の下に磁性体を設けることで磁気抵抗素子に印加されるバイアス磁界の強度を変化させ、磁気センサの抵抗値や感度を調節するようになっている。
しかし、特許文献1の磁気センサは、磁石収容部の内側面にネジ部を設けると共に、磁石を載置する回転板にこれに螺合するネジ部を設け、その回転板の螺動進退により磁石の位置調整を行うようになっており、構造が複雑なため製造コストが高くなるという問題があった。
また、特許文献2の磁気センサは、磁気抵抗素子、磁石に加えて磁性体が必要であるばかりか、要求される出力電圧に合せて磁性体を適宜選択しなければならず、結果としてコスト高になるという問題があった。
また、特許文献2の磁気センサは、磁気抵抗素子、磁石に加えて磁性体が必要であるばかりか、要求される出力電圧に合せて磁性体を適宜選択しなければならず、結果としてコスト高になるという問題があった。
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、磁石と磁気抵抗素子との間隔を簡単な構成で調整し得るようにして、出力電圧のバラツキなどを容易に補正できる磁気センサを低コストで提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る磁気センサは、磁石(1a,1b)を収容する凹部(2a,2b)を備えたホルダ(3)と、前記凹部に嵌合状に収容された磁石と、前記ホルダの上面に固定された基板(4)と、該基板に搭載され前記磁石に近接して固定された磁気抵抗素子(5a,5b)と、を備えた磁気センサ(a)であって、
前記凹部内に、前記磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて摺動可能に保持する保持手段(6)を設けると共に、
前記ホルダの底面に、前記凹部内に収容された磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて摺動させるための操作孔(7)を設け、
前記操作孔を介して前記磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて押すことで、前記磁気抵抗素子と前記磁石との間隔(8)が調整されることを特徴とする。
前記凹部内に、前記磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて摺動可能に保持する保持手段(6)を設けると共に、
前記ホルダの底面に、前記凹部内に収容された磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて摺動させるための操作孔(7)を設け、
前記操作孔を介して前記磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて押すことで、前記磁気抵抗素子と前記磁石との間隔(8)が調整されることを特徴とする。
このような構成とした場合、ホルダ(3)の底面に操作孔(7)を設けるだけの簡単な構造で、磁気抵抗素子(5a,5b)と磁石(1a,1b)との間隔(8)を調整して、出力電圧のバラツキを補正することができる。
このようにして出力電圧のバラツキを調整した後、凹部(2a,2b)内に樹脂を注入して、磁石(1a,1b)を固定することが好ましい。この場合、ホルダ(3)の底面側から樹脂を注入するには、磁気抵抗素子(5a,5b)が邪魔になるので、ホルダ(3)の底面に設けた前記操作孔(7)を介して凹部(2a,2b)内に樹脂を注入することが好ましい。
また、前記保持手段は、凹部(2a,2b)内に磁石(1a,1b)がやや緩めに嵌合するような手段としても良いが、その場合、磁石を凹部内に固定するための樹脂充填用の隙間が凹部底面側にしか確保されないので、注入樹脂による磁石の固定が不安定になる虞れがある。
よって、前記保持手段が、前記凹部の内側面における複数箇所に突設された凸部(6)からなり、それら凸部により、前記凹部内に収容された磁石と前記凹部の内側面との間に、前記樹脂が充填される隙間(10)が形成されると共に、
前記磁石(1a,1b)が前記凹部内で偏在しないよう、前記複数の凸部(6)が前記凹部(2a,2b)内に均等に配置されていることが好ましい。
この場合、磁石を凹部内に固定するための樹脂充填用の隙間が凹部底面側と側面側に確保されるので、注入樹脂による磁石の固定がより確実になされる。また、凹部内側面と磁石外側面との間に、樹脂充填用の隙間が均等に形成されるので、磁石(1a,1b)の中心出しがより確実になされ、磁石の設置位置のズレによる出力電圧のバラツキを可及的に防止することができる。
よって、前記保持手段が、前記凹部の内側面における複数箇所に突設された凸部(6)からなり、それら凸部により、前記凹部内に収容された磁石と前記凹部の内側面との間に、前記樹脂が充填される隙間(10)が形成されると共に、
前記磁石(1a,1b)が前記凹部内で偏在しないよう、前記複数の凸部(6)が前記凹部(2a,2b)内に均等に配置されていることが好ましい。
この場合、磁石を凹部内に固定するための樹脂充填用の隙間が凹部底面側と側面側に確保されるので、注入樹脂による磁石の固定がより確実になされる。また、凹部内側面と磁石外側面との間に、樹脂充填用の隙間が均等に形成されるので、磁石(1a,1b)の中心出しがより確実になされ、磁石の設置位置のズレによる出力電圧のバラツキを可及的に防止することができる。
処で、この種磁気センサを、例えば工作機の歯車の回転数、回転方向などを検知するために用いる場合、図5,図8などに示すように、磁気センサaをケースbに収納し、そのケースbをセンサ取付面100にビス25等で固定するようになる。
この時、磁気抵抗素子5a,5bの位置ズレに起因して、磁気センサaからの出力波形がずれる虞れがある。
よって、磁気センサ(a)をケース(b)に対し所定の範囲内で回転可能に装着して、磁気抵抗素子(5a,5b)からの出力波形における位相のズレ(磁気抵抗素子のA/B相からの出力波形とZ/Z-相からの出力波形の位相のずれ)を補正可能に構成することが好ましい。
この場合、磁気センサー(a)を回転操作するだけで、磁気抵抗素子(5a,5b)の位置ズレ等に起因する出力波形のズレを簡単に補正することができる。また、磁気センサー(a)の回転範囲を所定範囲内に規制することで、磁気センサー(a)を回転操作する際の回転しすぎを防止することができる。
この時、磁気抵抗素子5a,5bの位置ズレに起因して、磁気センサaからの出力波形がずれる虞れがある。
よって、磁気センサ(a)をケース(b)に対し所定の範囲内で回転可能に装着して、磁気抵抗素子(5a,5b)からの出力波形における位相のズレ(磁気抵抗素子のA/B相からの出力波形とZ/Z-相からの出力波形の位相のずれ)を補正可能に構成することが好ましい。
この場合、磁気センサー(a)を回転操作するだけで、磁気抵抗素子(5a,5b)の位置ズレ等に起因する出力波形のズレを簡単に補正することができる。また、磁気センサー(a)の回転範囲を所定範囲内に規制することで、磁気センサー(a)を回転操作する際の回転しすぎを防止することができる。
また、前記ケース(b)をセンサ取付面(100)に固定するための固定ビス挿通孔(26)に、金属製のスリーブ(27)を内装すると共に、該スリーブの一端部をセンサ取付面(100)側に向けて突出させ、センサ取付面(100)とケース(b)底面との間に、センサ取付面(100)からの振動(歯車の回転に伴う振動や工作機の振動等)の伝達を防止するための隙間(28)が確保されるよう構成することが好ましい。
この場合、センサ取付面からの振動の影響による磁気センサの誤検出等を防止して、高精度の検知を行うことができる。
この場合、センサ取付面からの振動の影響による磁気センサの誤検出等を防止して、高精度の検知を行うことができる。
本発明の磁気センサは以上説明したように構成したので、出力電圧のバラツキや位相ズレを、簡単な構成で正確に設定、補正することができる。したがって、例えば工作機の歯車の回転数、回転方向などを検知するために用いる磁気センサを低コストで提供することができるなど、多くの効果を奏する。
以下、本発明の実施形態の例を図面を参照しながら説明する。
図1(イ)は本例の磁気センサaの斜視図、(ロ)は同分解斜視図で、磁気センサaは、磁石1a,1bと、ホルダ3と、基板4と、磁気抵抗素子5a,5bとを有してなる。
図2(ロ)は磁気センサaをケースbに装着した状態における要部拡大断面図、(イ)はホルダ3の要部拡大平面図を示す。
図2(ロ)は磁気センサaをケースbに装着した状態における要部拡大断面図、(イ)はホルダ3の要部拡大平面図を示す。
ホルダ3は、磁石収容用の左右の凹部2a,2bを上面側から底面側に向けて夫々凹設してなり、夫々の凹部2a,2bの内側面に設けた複数の突条6により、磁石1a,1bが、磁気抵抗素子5a,5bへ向けて摺動可能なよう、各凹部2a,2b内に嵌合状に保持されている。
図2(イ)に示すように、夫々の突条6は、磁石1a,1bが凹部2a,2b内で偏在しないよう、凹部2a,2bの内側面において均等に配置されている。図2(ロ)に示すように、夫々の突条6の上端部は、ホルダ3上面側からの凹部2a,2b内への磁石1a,1bの挿入が容易に行えるよう、テーパー部6aとして形成されている。また、夫々の突条6により、凹部2a,2b内に収容された磁石1a,1bと凹部2a,2bの内側面との間に、磁石固定用の樹脂9(図示例では樹脂を省略して示す)が充填される隙間10が形成されるようになっている。
ホルダ3の上面には、左右の磁気抵抗素子5a,5bを搭載すると共に、夫々の磁気抵抗素子5a,5bに接続する出力配線11及び出力ピン12を備えた基板4が固定されている。
基板4のホルダ3に対する固定手段は、接着,溶着やビス止めなども考えられるが、このような固定手段によれば、磁石1a,1bに対する磁気抵抗素子5a,5bの位置ズレが生じる虞れがある。よって本例では、ホルダ3と基板4のいずれか一方にボス13aを、他方にボス孔13bを夫々設けて、磁石1a,1bに対する磁気抵抗素子5a,5bの位置出しが正確になされるようにしている。さらに、ホルダ3と基板4を貫通する固定ピン14を、ホルダ3又は基板4に半田固定15又はカシメ固定することで、ホルダ3に対し基板4が密着状に固定されるようにして、磁石1a,1bと磁気抵抗素子5a,5bとの間に余分な隙間が形成されることを防止している。
基板4のホルダ3に対する固定手段は、接着,溶着やビス止めなども考えられるが、このような固定手段によれば、磁石1a,1bに対する磁気抵抗素子5a,5bの位置ズレが生じる虞れがある。よって本例では、ホルダ3と基板4のいずれか一方にボス13aを、他方にボス孔13bを夫々設けて、磁石1a,1bに対する磁気抵抗素子5a,5bの位置出しが正確になされるようにしている。さらに、ホルダ3と基板4を貫通する固定ピン14を、ホルダ3又は基板4に半田固定15又はカシメ固定することで、ホルダ3に対し基板4が密着状に固定されるようにして、磁石1a,1bと磁気抵抗素子5a,5bとの間に余分な隙間が形成されることを防止している。
前記凹部2a,2bの底面には、図2(ロ)などに示すように、凹部2a,2b内に収容された磁石1a,1bを基板4上の磁気抵抗素子5a,5bへ向けて摺動させるための操作孔7が形成されている。そうして、凹部2a,2b内に磁石1a,1bを収容したホルダ3の上面に、磁気抵抗素子5a,5bを搭載した基板4を固定した後、操作孔7を介して磁石1a,1bを磁気抵抗素子5a,5bへ向けて押すことで、磁気抵抗素子5a,5bと磁石1a,1bとの間隔8を微調整し、その間隔8の寸法に起因する磁気抵抗素子5a,5bからの出力電圧のバラツキを調整し得るようになっている。尚、図示例では、磁気抵抗素子5a,5bと磁石1a,1bとの間隔8を無くした状態を示す。
また、前記操作孔7は、前記したようにして磁気抵抗素子5a,5bと磁石1a,1bとの間隔8を調整した後に、磁石1a,1bを凹部2a,2b内に固定するための樹脂9を注入するための注入孔を兼用している。
該操作孔7から注入される樹脂9は、前述した各突条6により、磁石1a,1bの外側面と凹部2a,2bの内側面との間に均等に形成された隙間10に流れ込み、磁石1a,1bを凹部2a,2bの中心に固定させている。
該操作孔7から注入される樹脂9は、前述した各突条6により、磁石1a,1bの外側面と凹部2a,2bの内側面との間に均等に形成された隙間10に流れ込み、磁石1a,1bを凹部2a,2bの中心に固定させている。
このような構成になる本例の磁気センサaは、操作孔7に治具等を差し込んで磁気抵抗素子5a,5bと磁石1a,1bとの間隔8を微調整することで、該間隔8に起因する出力電圧のバラツキを容易に補正することができる。
次に、本例の磁気センサaを、工作機等の歯車の回転数と回転方向の検出センサとして用いる場合について、図3〜図8を参照しながら説明する。
図3は磁気抵抗素子の説明図、図4は磁気抵抗素子の実装ズレが生じた場合の説明図、図5は磁気センサaをケースbにより台座100に取り付けた状態の簡略断面図、図6はケースbの説明図、図7はケースbの変形例の説明図、図8は磁気センサaにより工作機等の歯車200の回転数と回転方向を検出する際の使用状態図である。
図3は磁気抵抗素子の説明図、図4は磁気抵抗素子の実装ズレが生じた場合の説明図、図5は磁気センサaをケースbにより台座100に取り付けた状態の簡略断面図、図6はケースbの説明図、図7はケースbの変形例の説明図、図8は磁気センサaにより工作機等の歯車200の回転数と回転方向を検出する際の使用状態図である。
本例の磁気センサaは、歯車200の回転数を検出するためのZ/Z-相の出力を行う磁気抵抗素子5aと、歯車200の回転方向を検出するためのA/B相の出力を行う磁気抵抗素子5bを備え、それに対応して、磁石1a,1b、凹部2a,2bを二つ宛備えている。それら磁気抵抗素子5a,5bを構成する各磁気抵抗素子MR1〜MR8の詳細な配置を図3(ロ)に、内部回路の構成図を図3(ハ)に、Z/Z-相とA/B相の出力波形を図3(ニ)に示す。
図3(ニ)に示すように、磁気センサaにおいて各磁気抵抗素子5a,5bのズレ、すなわち、磁石1a,1bに対する磁気抵抗素子5a,5bの位置ズレがなければ、Z/Z-相用の磁気抵抗素子5aからの出力波形と、A/B相用の磁気抵抗素子5bからの出力波形が一致する理想の状態となる。
図3(ニ)に示すように、磁気センサaにおいて各磁気抵抗素子5a,5bのズレ、すなわち、磁石1a,1bに対する磁気抵抗素子5a,5bの位置ズレがなければ、Z/Z-相用の磁気抵抗素子5aからの出力波形と、A/B相用の磁気抵抗素子5bからの出力波形が一致する理想の状態となる。
しかし、実際には、図4(イ)に示すように、基板4に対し各磁気抵抗素子5a,5bを搭載する際等に各磁気抵抗素子5a,5bの実装ズレが僅かながら生じる虞れがあり、その場合、図4(ロ)に示すように、Z/Z-相用の磁気抵抗素子5aからの出力波形と、A/B相用の磁気抵抗素子5bからの出力波形の位相のズレが生じる。
よって、本例では、磁気センサaをケースbに対し所定の範囲内で回転可能に装着して、磁気抵抗素子5a,5bの実装ズレに起因する各磁気抵抗素子5a,5bからの出力波形の位相のずれを補正可能に構成している。
ケースbは、所望の合成樹脂により一体形成されたもので、磁気センサaを収容するための箱状の収容部20と、台座100にケースbを固定するための盤状の取付部21を備え、収容部20の前壁22に設けた円形の装着孔23に、磁気センサaが所定範囲のみ回転し得るように装着されている。
すなわち、図6(イ),(ロ)等に示すように、磁気センサaにおけるホルダ3の前後の外周縁31a,31bは、前記装着孔23に摺接して磁気センサaを回転自在に装着孔23に固定する円弧状に形成されている。また、Z/Z-相用の磁気抵抗素子5a側になる外周縁31aの中心部には、装着孔23の内周上側に突設したピン24が遊挿される切欠き32が形成されていて、磁気センサaをケースbに取り付ける際に、必ずZ/Z-相用の磁気抵抗素子5aが上側に位置するようになると共に、ピン24により磁気センサaの回転範囲が所定範囲のみ(切欠き32の開口範囲のみ)に規制されるようになっている。
このようにして、図6(ハ)に示すように、ケースbに装着した磁気センサaを回転操作することで、磁気抵抗素子5a,5bの実装ズレを補正し、図4(ロ)に示すZ/Z-相とA/B相の出力波形の位相のズレを、図3(ニ)に示すように一致させる若しくは位相のズレを可及的に小さくすることができる。
また、図6(ニ)に示すように、前記ホルダ3の前後の外周縁31a,31bに、装着孔23の内周に摺接する1mm以下程度突出する突起33を均等に配置されるよう複数突設することで、装着孔23に対する磁気センサaの中心出しを行い、磁気センサaの位置ズレによる出力電圧のバラツキ防止を向上させることができる。
ケースbの取付部21には、該ケースbを台座100に固定するためのビス25の挿通孔26が左右に形成されているが、該ビス挿通孔26には金属製のスリーブ27が内装されると共に、該スリーブ27の下端部が台座100側に突出している。これにより、台座100とケースbの底面との間に、台座100からの振動の伝達を防止するための隙間28が確保され、台座100からの振動の影響による磁気センサaの誤検出などを防止して、高精度の検知を行うことができるようになっている。
図7のケースbは、前記収容部20の底壁における前記左右の挿通孔26と対応する箇所に一体に突設された凸部29を備えており、該凸部29と、前記左右のスリーブ27とでケースbが三点支持されるようにして、ケースbのガタツキ防止を図っている。
尚、この凸部29の突出寸法を、前記左右のスリーブ27の突出寸法より高くなるよう設定すれば、ビス25による締め付けがなされた際にケースbの底壁が弾性変形し、ケースbのがたつき防止を向上させることができる。
尚、この凸部29の突出寸法を、前記左右のスリーブ27の突出寸法より高くなるよう設定すれば、ビス25による締め付けがなされた際にケースbの底壁が弾性変形し、ケースbのがたつき防止を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態の例を図面を参照して説明したが、本発明は図示例に限定されるものではなく、例えばA/B相のみの検知を行うために磁気抵抗素子を一つだけ搭載し、それに合わせて磁石なども一つとしたり、磁気センサaやケースbの外観形状を変更したり、その他、特許請求範囲の各請求項に記載された技術的思想の範疇において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
a:磁気センサ
1a,1b:磁石
2a,2b:凹部
3:ホルダ
4:基板
5a,5b:磁気抵抗素子
6:突条(磁石の保持手段としての凸部)
7:操作孔
8:磁石と磁気抵抗素子との間隔
9:注入樹脂
10:樹脂充填用の隙間
b:ケース
25:ビス
26:ビス挿通孔
27:スリーブ
28:隙間
100:台座(センサ取付面)
1a,1b:磁石
2a,2b:凹部
3:ホルダ
4:基板
5a,5b:磁気抵抗素子
6:突条(磁石の保持手段としての凸部)
7:操作孔
8:磁石と磁気抵抗素子との間隔
9:注入樹脂
10:樹脂充填用の隙間
b:ケース
25:ビス
26:ビス挿通孔
27:スリーブ
28:隙間
100:台座(センサ取付面)
Claims (5)
- 磁石(1a,1b)を収容する凹部(2a,2b)を備えたホルダ(3)と、前記凹部に嵌合状に収容された磁石と、前記ホルダの上面に固定された基板(4)と、該基板に搭載され前記磁石に近接して固定された磁気抵抗素子(5a,5b)と、を備えた磁気センサ(a)であって、
前記凹部内に、前記磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて摺動可能に保持する保持手段(6)を設けると共に、
前記ホルダの底面に、前記凹部内に収容された磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて摺動させるための操作孔(7)を設け、
前記操作孔を介して前記磁石を前記磁気抵抗素子へ向けて押すことで、前記磁気抵抗素子と前記磁石との間隔(8)が調整されることを特徴とする磁気センサ。 - 前記磁気抵抗素子と前記磁石との間隔調整後に前記操作孔から前記凹部内に注入される樹脂(9)により、前記磁石が前記ホルダに固定されることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
- 前記保持手段が、前記凹部の内側面における複数箇所に突設された凸部(6)からなり、それら凸部により、前記凹部内に収容された磁石と前記凹部の内側面との間に、前記樹脂が充填される隙間(10)が形成されると共に、
前記磁石(1a,1b)が前記凹部内で偏在しないよう、前記複数の凸部(6)が前記凹部(2a,2b)内に均等に配置されていることを特徴とする請求項2記載の磁気センサ。 - 請求項1〜3の何れか記載の磁気センサ(a)と、該磁気センサをセンサ取付面(100)に固定するためのケース(b)とを備え、
前記磁気センサを前記ケースに対し所定の範囲内で回転可能に装着して、前記磁気抵抗素子からの出力波形における位相のずれを補正可能に構成したことを特徴とする磁気センサの取付構造。 - 前記ケース(b)が、該ケースを前記センサ取付面(100)に固定するための固定ビス挿通孔(26)を有し、該ビス挿通孔に金属製のスリーブ(27)が内装されると共に、該スリーブの一端が前記センサ取付面に向けて突出して、前記センサ取付面と前記ケースの間に、センサ取付面からの振動の伝達を防止するための隙間(28)が確保されるよう形成したことを特徴とする請求項4記載の磁気センサの取付構造。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004237419A Pending JP2006058028A (ja) | 2004-08-17 | 2004-08-17 | 磁気センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006058028A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102506989A (zh) * | 2011-10-26 | 2012-06-20 | 西安工业大学 | 可调磁路的速度型振动传感器 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61202012U (ja) * | 1985-06-07 | 1986-12-18 | ||
JPH09505410A (ja) * | 1995-01-18 | 1997-05-27 | ハネウエル・インコーポレーテッド | 較正機能を改善した磁気センサ |
JPH09257897A (ja) * | 1996-03-21 | 1997-10-03 | Murata Mfg Co Ltd | 磁気センサ |
JP2004170134A (ja) * | 2002-11-18 | 2004-06-17 | Koyo Seiko Co Ltd | トルク検出装置及び回転角検出装置 |
-
2004
- 2004-08-17 JP JP2004237419A patent/JP2006058028A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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