JP2004170134A - トルク検出装置及び回転角検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルク検出装置又は回転角検出装置におけるセンサの検知部の基準平面と、センサケースの取付部との平行出しが容易な構造を提供する。
【解決手段】センサケース本体部141と一体に鍔状に設けられるセンサケース取付部142から突設されたスリーブ143の端面を、センサケース本体部141の基準平面141sと平行であるようにする。
【選択図】 図3
【解決手段】センサケース本体部141と一体に鍔状に設けられるセンサケース取付部142から突設されたスリーブ143の端面を、センサケース本体部141の基準平面141sと平行であるようにする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に用いられるトルク検出装置及び回転角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置には、運転手がステアリングホイールに付与する操舵トルクを検出するためのトルク検出装置(回転角検出装置の一種)が設けられている。この装置は、ステアリングホイールに連結されるトーションバーの入力側及び出力側にそれぞれターゲット付きの回転体を設け、ターゲットに対向して配置されたセンサ(MR素子を用いたもの)によりトーションバーの捻れ量すなわち、トーションバーの入力側と出力側との相対回転量を検出し、これに基づいて操舵トルクを検出するように構成されている。
【0003】
図6の(a)は、従来より使用されてきた上記センサの断面図(一部側面図を含む。)である。当該センサ100は、MR素子からなる検知部101A,101B等を内蔵したセンサケース本体部102と、センサケース本体部102と一体に形成された鍔状のセンサケース取付部103とを備えている。センサケース取付部103には、一対の孔103aが設けられている。
【0004】
図6の(b)は、このセンサ100を電動パワーステアリング装置のハウジング104に取り付けた状態を示す断面図である。図において、センサ100は、孔103aに通したボルト105を、ハウジング104に形成されたねじ孔104aに螺着することにより取り付けられる。センサ100の検知部101A,101Bは、回転体106のターゲット107に対向して配置されるとともに、回転体106の回転方向に互いに所定の電気角を隔てた位置に配置されている。検知部101A,101Bはさらに、紙面に垂直な方向にも複数段配置される。トーションバーの入力側及び出力側にそれぞれ取り付けられた回転体106及びターゲット107も紙面に垂直な方向に複数段配置され、これらに各段の検知部101A,101Bが対向する。そして、センサ100の出力に基づいてトーションバーの入力側と出力側との相対回転量が検出され、これに基づいて操舵トルクが検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のトルク検出装置におけるセンサ100は、本来、検知部101A,101Bを並べた基準平面102sと、センサケース取付部103の取付面103sとが互いに平行でなければならないが、その平行度を高精度に維持することは難しい。図6の(a)は、平面102sと取付面103sとが平行でない場合の一例を誇張して示しており、平面102sが水平であるとすると、取付面103sは右上がりに傾斜している。このようなセンサ100をハウジング104に取り付けると、(b)に示すように、ハウジング104に対して基準平面102sが右下がり状態となる。従って、ターゲット107と各検知部101A,101BとのエアギャップGa,Gbが、Ga<Gbとなり、各検知部101A,101Bの出力レベルや波形が相異なるものとなるので、使用できない。しかしながら、上記平行度を高いレベルで維持するためには高精度な表面仕上げ加工が必要であり、製造コストが高くなる。すなわち、製造コストを削減するには、いかにして容易に平行を確保するか、が課題である。
【0006】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、トルク検出装置又は回転角検出装置におけるセンサの検知部の基準平面と、センサケースの取付部との平行確保が容易な構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トーションバーの入力側及び出力側にそれぞれ取り付けられた回転体の各々に、回転により周期的な磁性変化をもたらすターゲットを設け、当該ターゲットに対向して配置された磁気センサの出力に基づいてトーションバーに付与されているトルクを検出するトルク検出装置において、前記回転体の回転方向に互いに所定の電気角を隔てて配置された第1磁気センサ及び第2磁気センサと、前記第1磁気センサ及び第2磁気センサを、前記ターゲットに対向する基準平面上に保持するセンサケース本体部と、前記センサケース本体部と一体的に鍔状に設けられ、取付対象物に面すべき鍔面から突設された突出部の端面が前記基準平面に平行な平面を形成するセンサケース取付部とを備えたものである(請求項1)。
上記のように構成されたトルク検出装置では、突出部の端面と基準平面との平行が維持されていれば、センサを取付対象物に取り付けたときターゲットと第1磁気センサ及び第2磁気センサとのエアギャップが相等しくなる。ここで、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。
【0008】
また、本発明は、回転体の回転により周期的な磁性変化をもたらすターゲットを当該回転体に設け、当該ターゲットに対向して配置された磁気センサの出力に基づいて当該回転体の回転角を検出する回転角検出装置において、前記回転体の回転方向に互いに所定の電気角を隔てて配置された第1磁気センサ及び第2磁気センサと、前記第1磁気センサ及び第2磁気センサを、前記ターゲットに対向する基準平面上に保持するセンサケース本体部と、前記センサケース本体部と一体的に鍔状に設けられ、取付対象物に面すべき鍔面から突設された突出部の端面が前記基準平面に平行な平面を形成するセンサケース取付部とを備えたものである(請求項2)。
上記のように構成された回転角検出装置では、突出部の端面と基準平面との平行が維持されていれば、センサを取付対象物に取り付けたときターゲットと第1磁気センサ及び第2磁気センサとのエアギャップが相等しくなる。ここで、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、トルク検出装置を含む電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。図において、ステアリングホイール1には入力軸2が接続されている。入力軸2は、トーションバー3を介して、出力軸4と接続されている。入力軸2はニードル軸受5により、出力軸4は玉軸受6及び7により、それぞれ回転可能に支持されている。出力軸4にはウオームホイール8が嵌合され、このウオームホイール8と噛み合うウオーム9は、操舵補助用のモータ10によって回転駆動される。なお、出力軸4は、図示しない舵取機構に接続されている。
【0010】
また、上記入力軸2及び出力軸4にはそれぞれ筒状の回転体11及び12が取り付けられている。回転体11の下端外周にはターゲット11aが、また、回転体12の上端外周にはターゲット12a及び12b(一方は相対角検出用、他方は絶対角検出用)が形成されている。ターゲット11a、12a及び12bは例えば、磁性体製の凹凸を周方向に一定ピッチで歯車状に形成し、回転によりその周辺に周期的な磁性変化をもたらすものである。
上記各部を収容するハウジング13には、磁気抵抗素子等の、磁気的変化を電気信号に変えて出力するセンサ14が取り付けられている。センサ14は、上記ターゲット11a,12a,12bに対向して配置されている。センサ14の出力信号は制御部15に送られ、制御部15から駆動信号が駆動部16に出力される。この駆動部16は、モータ10を駆動する。
【0011】
図2は、センサ14の外観概略を示す斜視図である。センサ14は、ターゲット11a,12a,12bにそれぞれ対向するMR素子からなる検知部A1、A2、A3(第1磁気センサ)を有している。また、回転体11,12の回転方向に電気角で90度離れた位置に、同様の検知部B1、B2、B3(第2磁気センサ)を有している。ターゲット11a,12a,12bが上記検知部A1〜A3、B1〜B3の前で回転することにより、各ターゲット11a,12a,12bの外周の凹凸形状に応じた周期的な信号が、センサ14から制御部15(図1)に出力される。
【0012】
図1において、ステアリングホイール1に操舵トルクを付与すると、トーションバー3が捻れ、入力軸2と出力軸4との間に相対回転角度差が生じる。従って、回転体11と12との間にも同一の相対回転角度差が生じ、センサ14の検知部A1〜A3、B1〜B3からの出力信号を比較処理することにより制御部15は操舵トルクを検出することができる。すなわち、回転するターゲット11a,12a,12b、センサ14及び制御部15は、トルク検出装置を構成している。制御部15は、検出した操舵トルクに応じて駆動部16に駆動信号を出力し、駆動部16はモータ10を駆動して操舵補助力を発生させる。
【0013】
次に、上記センサ14の構造についてさらに詳細に説明する。図3の(a)は、上記センサの断面図(一部側面図を含む。)である。図2及び図3の(a)を参照して、センサ14は、検知部A1〜A3、B1〜B3、磁石M等を内蔵したセンサケース本体部141と、このセンサケース本体部141と一体に形成された鍔状のセンサケース取付部142とを備えている。検知部A1〜A3、B1〜B3は、センサケース本体部141の端面である基準平面141s上(の内側)に保持されている。センサケース取付部142には、一対の孔142aが設けられており、ここにスリーブ143が嵌合され、固定されている。スリーブ143はセンサケース取付部142の厚さよりやや長い軸長を有し、センサケース取付部142の両面から少し突出している。一対のスリーブ143の下面すなわち、取付対象物であるハウジング13(図1)に面すべき鍔面側にある環状の平面143sは、センサケース本体部141の基準平面141sと平行になるように仕上げられている。
【0014】
図3の(b)は、上記センサ14を電動パワーステアリング装置のハウジング13に取り付けた状態を示す断面図である。図において、センサ14は、スリーブ143に通したボルト144を、ハウジング13に形成されたねじ孔13a
aに螺着することにより取り付けられる。センサ14の検知部A1〜A3及びB1〜B3は、回転体11,12のターゲット11a,12a,12bに対向して配置される。ここで、スリーブ143の下端面である平面143sと、基準平面141sとは互いに平行であるので、エアギャップG1及びG2は、相等しい。
【0015】
上記のような構成では、スリーブ143の平面143sと基準平面141sとの平行が維持されていれば、エアギャップG1及びG2は、相等しくなる。すなわち、センサケース取付部142の鍔面を基準平面141sと平行にする必要がない。ここで、平面143sの面積はセンサケース取付部142の鍔面全体と比較して極めて小さいので、その部分だけを基準平面141sと平行に仕上げることは容易である。すなわち、平行を確保すべき管理面積が狭く、そのため、基準平面141sとの平行確保が容易である。従って、製造コストも安価になる。
また、エアギャップG1及びG2が相等しいことにより、検知部A1〜A3及びB1〜B3の信号波形歪が均等となり、信号処理が容易である。
【0016】
なお、上記のようにスリーブ143の端面を基準平面141sと平行な平面143sとする構成以外にも、同様の効果を奏する種々の他の例があり得る。図4はその一例を示す断面図である。図3の(a)との違いは、センサケース取付部142に、別部材のスリーブを取り付けるのではなく、センサケース取付部142自体の孔142aの周りを、下方に突出させ、環状の突出部142bを設けた点である。突出部142bの表面である平面142sは、基準平面141sと平行に仕上げられている。
また、さらに他の例として、孔142aの周りに限らず、例えば図5に示すようにセンサケース取付部142の四隅に円柱状の突出部142cを設け、その表面である平面142sを基準平面141sと平行に仕上げてもよい。
要するに、ハウジング13に面すべきセンサケース取付部142の鍔面から突設された突出部の端面が、基準平面141sと平行であるようにすればよい。この端面の面積はなるべく小さい方が、基準平面141sとの平行を維持する仕上げ加工が簡単である。
【0017】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1のトルク検出装置によれば、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。すなわち、基準平面との平行確保が容易な構造となる。
【0018】
同様に、請求項2の回転角検出装置によれば、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。すなわち、基準平面との平行確保が容易な構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク検出装置を含む電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1におけるセンサの外観概略を示す斜視図である。
【図3】(a)は、上記センサの断面図(一部側面図を含む。)、(b)は、センサを電動パワーステアリング装置のハウジングに取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】他の構造のセンサの断面図(一部側面図を含む。)である。
【図5】さらに他の構造のセンサの斜視図である。
【図6】従来のトルク検出装置におけるセンサの断面図(一部側面図を含む。)及び、これをハウジングに取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
3 トーションバー
11,12 回転体
11a,12a,12b ターゲット
14 センサ
141 センサケース本体部
141s 基準平面
142 センサケース取付部
142s 平面(突出部の端面)
143s 平面(突出部の端面)
A1〜A3 検知部(第1磁気センサ)
B1〜B3 検知部(第2磁気センサ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に用いられるトルク検出装置及び回転角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置には、運転手がステアリングホイールに付与する操舵トルクを検出するためのトルク検出装置(回転角検出装置の一種)が設けられている。この装置は、ステアリングホイールに連結されるトーションバーの入力側及び出力側にそれぞれターゲット付きの回転体を設け、ターゲットに対向して配置されたセンサ(MR素子を用いたもの)によりトーションバーの捻れ量すなわち、トーションバーの入力側と出力側との相対回転量を検出し、これに基づいて操舵トルクを検出するように構成されている。
【0003】
図6の(a)は、従来より使用されてきた上記センサの断面図(一部側面図を含む。)である。当該センサ100は、MR素子からなる検知部101A,101B等を内蔵したセンサケース本体部102と、センサケース本体部102と一体に形成された鍔状のセンサケース取付部103とを備えている。センサケース取付部103には、一対の孔103aが設けられている。
【0004】
図6の(b)は、このセンサ100を電動パワーステアリング装置のハウジング104に取り付けた状態を示す断面図である。図において、センサ100は、孔103aに通したボルト105を、ハウジング104に形成されたねじ孔104aに螺着することにより取り付けられる。センサ100の検知部101A,101Bは、回転体106のターゲット107に対向して配置されるとともに、回転体106の回転方向に互いに所定の電気角を隔てた位置に配置されている。検知部101A,101Bはさらに、紙面に垂直な方向にも複数段配置される。トーションバーの入力側及び出力側にそれぞれ取り付けられた回転体106及びターゲット107も紙面に垂直な方向に複数段配置され、これらに各段の検知部101A,101Bが対向する。そして、センサ100の出力に基づいてトーションバーの入力側と出力側との相対回転量が検出され、これに基づいて操舵トルクが検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のトルク検出装置におけるセンサ100は、本来、検知部101A,101Bを並べた基準平面102sと、センサケース取付部103の取付面103sとが互いに平行でなければならないが、その平行度を高精度に維持することは難しい。図6の(a)は、平面102sと取付面103sとが平行でない場合の一例を誇張して示しており、平面102sが水平であるとすると、取付面103sは右上がりに傾斜している。このようなセンサ100をハウジング104に取り付けると、(b)に示すように、ハウジング104に対して基準平面102sが右下がり状態となる。従って、ターゲット107と各検知部101A,101BとのエアギャップGa,Gbが、Ga<Gbとなり、各検知部101A,101Bの出力レベルや波形が相異なるものとなるので、使用できない。しかしながら、上記平行度を高いレベルで維持するためには高精度な表面仕上げ加工が必要であり、製造コストが高くなる。すなわち、製造コストを削減するには、いかにして容易に平行を確保するか、が課題である。
【0006】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、トルク検出装置又は回転角検出装置におけるセンサの検知部の基準平面と、センサケースの取付部との平行確保が容易な構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トーションバーの入力側及び出力側にそれぞれ取り付けられた回転体の各々に、回転により周期的な磁性変化をもたらすターゲットを設け、当該ターゲットに対向して配置された磁気センサの出力に基づいてトーションバーに付与されているトルクを検出するトルク検出装置において、前記回転体の回転方向に互いに所定の電気角を隔てて配置された第1磁気センサ及び第2磁気センサと、前記第1磁気センサ及び第2磁気センサを、前記ターゲットに対向する基準平面上に保持するセンサケース本体部と、前記センサケース本体部と一体的に鍔状に設けられ、取付対象物に面すべき鍔面から突設された突出部の端面が前記基準平面に平行な平面を形成するセンサケース取付部とを備えたものである(請求項1)。
上記のように構成されたトルク検出装置では、突出部の端面と基準平面との平行が維持されていれば、センサを取付対象物に取り付けたときターゲットと第1磁気センサ及び第2磁気センサとのエアギャップが相等しくなる。ここで、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。
【0008】
また、本発明は、回転体の回転により周期的な磁性変化をもたらすターゲットを当該回転体に設け、当該ターゲットに対向して配置された磁気センサの出力に基づいて当該回転体の回転角を検出する回転角検出装置において、前記回転体の回転方向に互いに所定の電気角を隔てて配置された第1磁気センサ及び第2磁気センサと、前記第1磁気センサ及び第2磁気センサを、前記ターゲットに対向する基準平面上に保持するセンサケース本体部と、前記センサケース本体部と一体的に鍔状に設けられ、取付対象物に面すべき鍔面から突設された突出部の端面が前記基準平面に平行な平面を形成するセンサケース取付部とを備えたものである(請求項2)。
上記のように構成された回転角検出装置では、突出部の端面と基準平面との平行が維持されていれば、センサを取付対象物に取り付けたときターゲットと第1磁気センサ及び第2磁気センサとのエアギャップが相等しくなる。ここで、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、トルク検出装置を含む電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。図において、ステアリングホイール1には入力軸2が接続されている。入力軸2は、トーションバー3を介して、出力軸4と接続されている。入力軸2はニードル軸受5により、出力軸4は玉軸受6及び7により、それぞれ回転可能に支持されている。出力軸4にはウオームホイール8が嵌合され、このウオームホイール8と噛み合うウオーム9は、操舵補助用のモータ10によって回転駆動される。なお、出力軸4は、図示しない舵取機構に接続されている。
【0010】
また、上記入力軸2及び出力軸4にはそれぞれ筒状の回転体11及び12が取り付けられている。回転体11の下端外周にはターゲット11aが、また、回転体12の上端外周にはターゲット12a及び12b(一方は相対角検出用、他方は絶対角検出用)が形成されている。ターゲット11a、12a及び12bは例えば、磁性体製の凹凸を周方向に一定ピッチで歯車状に形成し、回転によりその周辺に周期的な磁性変化をもたらすものである。
上記各部を収容するハウジング13には、磁気抵抗素子等の、磁気的変化を電気信号に変えて出力するセンサ14が取り付けられている。センサ14は、上記ターゲット11a,12a,12bに対向して配置されている。センサ14の出力信号は制御部15に送られ、制御部15から駆動信号が駆動部16に出力される。この駆動部16は、モータ10を駆動する。
【0011】
図2は、センサ14の外観概略を示す斜視図である。センサ14は、ターゲット11a,12a,12bにそれぞれ対向するMR素子からなる検知部A1、A2、A3(第1磁気センサ)を有している。また、回転体11,12の回転方向に電気角で90度離れた位置に、同様の検知部B1、B2、B3(第2磁気センサ)を有している。ターゲット11a,12a,12bが上記検知部A1〜A3、B1〜B3の前で回転することにより、各ターゲット11a,12a,12bの外周の凹凸形状に応じた周期的な信号が、センサ14から制御部15(図1)に出力される。
【0012】
図1において、ステアリングホイール1に操舵トルクを付与すると、トーションバー3が捻れ、入力軸2と出力軸4との間に相対回転角度差が生じる。従って、回転体11と12との間にも同一の相対回転角度差が生じ、センサ14の検知部A1〜A3、B1〜B3からの出力信号を比較処理することにより制御部15は操舵トルクを検出することができる。すなわち、回転するターゲット11a,12a,12b、センサ14及び制御部15は、トルク検出装置を構成している。制御部15は、検出した操舵トルクに応じて駆動部16に駆動信号を出力し、駆動部16はモータ10を駆動して操舵補助力を発生させる。
【0013】
次に、上記センサ14の構造についてさらに詳細に説明する。図3の(a)は、上記センサの断面図(一部側面図を含む。)である。図2及び図3の(a)を参照して、センサ14は、検知部A1〜A3、B1〜B3、磁石M等を内蔵したセンサケース本体部141と、このセンサケース本体部141と一体に形成された鍔状のセンサケース取付部142とを備えている。検知部A1〜A3、B1〜B3は、センサケース本体部141の端面である基準平面141s上(の内側)に保持されている。センサケース取付部142には、一対の孔142aが設けられており、ここにスリーブ143が嵌合され、固定されている。スリーブ143はセンサケース取付部142の厚さよりやや長い軸長を有し、センサケース取付部142の両面から少し突出している。一対のスリーブ143の下面すなわち、取付対象物であるハウジング13(図1)に面すべき鍔面側にある環状の平面143sは、センサケース本体部141の基準平面141sと平行になるように仕上げられている。
【0014】
図3の(b)は、上記センサ14を電動パワーステアリング装置のハウジング13に取り付けた状態を示す断面図である。図において、センサ14は、スリーブ143に通したボルト144を、ハウジング13に形成されたねじ孔13a
aに螺着することにより取り付けられる。センサ14の検知部A1〜A3及びB1〜B3は、回転体11,12のターゲット11a,12a,12bに対向して配置される。ここで、スリーブ143の下端面である平面143sと、基準平面141sとは互いに平行であるので、エアギャップG1及びG2は、相等しい。
【0015】
上記のような構成では、スリーブ143の平面143sと基準平面141sとの平行が維持されていれば、エアギャップG1及びG2は、相等しくなる。すなわち、センサケース取付部142の鍔面を基準平面141sと平行にする必要がない。ここで、平面143sの面積はセンサケース取付部142の鍔面全体と比較して極めて小さいので、その部分だけを基準平面141sと平行に仕上げることは容易である。すなわち、平行を確保すべき管理面積が狭く、そのため、基準平面141sとの平行確保が容易である。従って、製造コストも安価になる。
また、エアギャップG1及びG2が相等しいことにより、検知部A1〜A3及びB1〜B3の信号波形歪が均等となり、信号処理が容易である。
【0016】
なお、上記のようにスリーブ143の端面を基準平面141sと平行な平面143sとする構成以外にも、同様の効果を奏する種々の他の例があり得る。図4はその一例を示す断面図である。図3の(a)との違いは、センサケース取付部142に、別部材のスリーブを取り付けるのではなく、センサケース取付部142自体の孔142aの周りを、下方に突出させ、環状の突出部142bを設けた点である。突出部142bの表面である平面142sは、基準平面141sと平行に仕上げられている。
また、さらに他の例として、孔142aの周りに限らず、例えば図5に示すようにセンサケース取付部142の四隅に円柱状の突出部142cを設け、その表面である平面142sを基準平面141sと平行に仕上げてもよい。
要するに、ハウジング13に面すべきセンサケース取付部142の鍔面から突設された突出部の端面が、基準平面141sと平行であるようにすればよい。この端面の面積はなるべく小さい方が、基準平面141sとの平行を維持する仕上げ加工が簡単である。
【0017】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1のトルク検出装置によれば、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。すなわち、基準平面との平行確保が容易な構造となる。
【0018】
同様に、請求項2の回転角検出装置によれば、突出部の端面の面積はセンサケース取付部の鍔面全体と比較して小さいので、その部分だけを基準平面と平行に仕上げることは比較的容易である。すなわち、基準平面との平行確保が容易な構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク検出装置を含む電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1におけるセンサの外観概略を示す斜視図である。
【図3】(a)は、上記センサの断面図(一部側面図を含む。)、(b)は、センサを電動パワーステアリング装置のハウジングに取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】他の構造のセンサの断面図(一部側面図を含む。)である。
【図5】さらに他の構造のセンサの斜視図である。
【図6】従来のトルク検出装置におけるセンサの断面図(一部側面図を含む。)及び、これをハウジングに取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
3 トーションバー
11,12 回転体
11a,12a,12b ターゲット
14 センサ
141 センサケース本体部
141s 基準平面
142 センサケース取付部
142s 平面(突出部の端面)
143s 平面(突出部の端面)
A1〜A3 検知部(第1磁気センサ)
B1〜B3 検知部(第2磁気センサ)
Claims (2)
- トーションバーの入力側及び出力側にそれぞれ取り付けられた回転体の各々に、回転により周期的な磁性変化をもたらすターゲットを設け、当該ターゲットに対向して配置された磁気センサの出力に基づいてトーションバーに付与されているトルクを検出するトルク検出装置において、
前記回転体の回転方向に互いに所定の電気角を隔てて配置された第1磁気センサ及び第2磁気センサと、
前記第1磁気センサ及び第2磁気センサを、前記ターゲットに対向する基準平面上に保持するセンサケース本体部と、
前記センサケース本体部と一体的に鍔状に設けられ、取付対象物に面すべき鍔面から突設された突出部の端面が前記基準平面に平行な平面を形成するセンサケース取付部と
を備えたことを特徴とするトルク検出装置。 - 回転体の回転により周期的な磁性変化をもたらすターゲットを当該回転体に設け、当該ターゲットに対向して配置された磁気センサの出力に基づいて当該回転体の回転角を検出する回転角検出装置において、
前記回転体の回転方向に互いに所定の電気角を隔てて配置された第1磁気センサ及び第2磁気センサと、
前記第1磁気センサ及び第2磁気センサを、前記ターゲットに対向する基準平面上に保持するセンサケース本体部と、
前記センサケース本体部と一体的に鍔状に設けられ、取付対象物に面すべき鍔面から突設された突出部の端面が前記基準平面に平行な平面を形成するセンサケース取付部と
を備えたことを特徴とする回転角検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002333894A JP2004170134A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | トルク検出装置及び回転角検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002333894A JP2004170134A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | トルク検出装置及び回転角検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004170134A true JP2004170134A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32698478
Family Applications (1)
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JP2002333894A Withdrawn JP2004170134A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | トルク検出装置及び回転角検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004170134A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-11-18 JP JP2002333894A patent/JP2004170134A/ja not_active Withdrawn
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