JP2006045737A - 形態安定性に優れた人工皮革およびその製造方法 - Google Patents

形態安定性に優れた人工皮革およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は折れ、しわ、目付斑を発生させず均一な繊維積層絡合体を作成し、該繊維絡合体を用い人工皮革を製造することで、製造工程において縦伸びなどの抑制が可能な形態安定性に優れ、また硬化が抑制された風合いが良好な人工皮革製造方法を提供するものである。
【解決手段】繊維絡合体の内部に高分子弾性体が付与されてなる人工皮革を製造するに際し、以下(1)〜(4)の工程を順次行うことを特徴とする人工皮革の製造方法。
(1)短繊維ウェブと実質的に水抽出除去可能な繊維からなる織編物を積層した後、絡合一体化処理することで繊維積層絡合体を製造する工程、
(2)繊維積層絡合体を熱収縮する工程、
(3)繊維積層絡合体の内部に高分子弾性体を付与する工程、
(4)織編物を水抽出除去する工程、
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維積層絡合体を経由して人工皮革を製造することで、得られる人工皮革の折れやしわの状態や目付の斑を均一することが可能となり、また製造工程で縦伸びなどを抑制することから、形態安定性に優れ、また硬化が抑制されることによる風合いの良好な人工皮革を提供するものである。
従来から人工皮革の製造に際して、主として極細繊維と高分子弾性体とで構成されたものが開発されており、このような極細繊維からなる人工皮革は、スエード感や表面タッチ感、柔軟性に優れており、天然皮革に類似した素材として高く評価されてきた。また、人工皮革製造において、収縮処理を加えることで風合いの改善、繊維密度や強度の向上、あるいはバルキー性やストレッチ性付与などが提案されている。
また、繊維絡合体を形成させる方法としては、ニードルパンチ方法が一般的に用いられている。すなわち、ニードルを繊維ウェブに対し反復挿入し、ニードルの側面のバーブあるいは針先につけた凹み部分で繊維を引っ掛けて絡合せしめる方法である。しかし一般の繊維ウェブはたとえ予めクロスラッパー、ランダムウエバーまたは気液流等で均一に広げた後、それらを重ねてもニードルパンチ中に繊維ウェブからなる不織布の幅方向中央部の目付けに比べ該不織布の幅方向両端部の目付けが高くなる傾向があった。
また、人工皮革製造において様々な工程を通過する際に、縦方向に大きく張力がかかることで縦伸びしやすく、不織布の段階でいかに均一な目付けのものを製造したとしても新たな目付け斑が発生し易く、加えてスエード調人工皮革に仕上た場合、表面外観における毛羽密度の低下またはその斑が生じ、さらに得られた人工皮革は形態安定性が低下し易いといった問題を抱えていた。
これらの問題を解決するため従来から数多くの提案がなされてきた。例えば、紡出量を落とすことなく目付斑を防止し得るように構成された原料繊維供給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この装置によって繊維ウェブの目付斑は改善されるものの、その後のニードル処理での形態変化に伴う目付斑の改善までは至っていない。また、ニードル処理時に発生する目付斑改善策として、繊維を絡合することのできるショートニードルと繊維を実質的に絡合しないかあるいは前記ショートニードルの絡合能力の1/2以下であるロングニードルとで繊維ウェブをニードルパンチする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ロングニードルは針折れ、針曲り、更には得られる繊維絡合体に針スジを発生させやすく、また、繊維絡合体の伸びが大となりやすい傾向があった。また上記方法とは別に、短繊維ウェブに、0.01〜1.0重量%の油剤を、該ウェブの幅方向において、その中央部より端部が少ないように制御しながら付着させた後、ニードルパンチを施すことによってニードル処理時に発生する目付斑の改善方法が提案さえている(例えば、特許文献3)。しかしながら、該方法では、短繊維を作成した時点で油剤を付与するのみならず、ウェブ積層時に改めて油剤を付与せねばならず、手間がかかるばかりか、油剤がウェブの表層に多く付与され易く、厚み方向において均一に付着し難く、目付斑の改善において十分満足できるとは言い難いものであった。
一方、極細化可能な繊維よりなる繊維ウェブと、編織物を重ねて絡合処理して絡合一体化した後、極細化処理、高分子弾性体付与処理および立毛処理を含む処理を行って得られたシートの製造方法に関して、熱処理を行なうことによって長さ方向および/または幅方向に収縮させた後に、編織物を除去する伸縮性に優れた人工皮革の製造方法が、また、極細繊維を含む繊維絡合体と高分子弾性体からなる人工皮革の少なくとも片側の表面に、収縮処理により長さ方向に10%以上収縮する収縮性シートを接着し、該収縮性シートを収縮処理した後に収縮性シートを除去する伸縮性に優れた人工皮革の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4および特許文献5)。しかしながら、それらの方法は、形態安定性の点では効果が認められるものの、挿入する織編物を最終的に除去する際にバフィングなどによる機械的な除去処理を行わねばならず、手間がかかるばかりか、バフィング処理の調整が困難となり表面が不必要に荒れ易くなったり、余分な工程を通すことによって処理方向に張力がかかり易くなる。さらに、製造コストに関しても非常に無駄な部分が多かった。
また、挿入する織編物として、仮に溶剤抽出可能な成分で構成されたものを用いた場合、溶剤抽出することで表面を不必要に荒らすことはなくなるものの、溶剤抽出時に繰返し行うnip処理によって製品の膨らみ感などが損なわれ、製品の風合いが劣ったものとなり易かった。
以上、従来の技術では、繊維絡合体の目付斑を抑制、また人工皮革製造において各工程通過する際に縦伸びするなど形態安定性、風合いに関して、十分満足するようなものはいまだ実現できていない。
特開平11−247032号公報(第1−3頁) 特開昭48−53062号公報(第367−370頁) 特開2000−265350号公報(第1−5頁) 特開2003−13368号公報(第1−3頁) 特開2003−89983号公報(第1−5頁)
本発明は、繊維積層絡合体を経由して人工皮革を製造することで、得られる人工皮革の折れやしわの状態や目付の斑を均一することが可能となり、また製造工程で縦伸びなどを抑制することから、形態安定性に優れ、また硬化が抑制されることによる風合いの良好な人工皮革を提供するものである。
すなわち、本発明は繊維絡合体の内部に高分子弾性体が付与されてなる人工皮革を製造するに際し、以下(1)〜(4)の工程を順次行うことを特徴とする人工皮革の製造方法である。
(1)短繊維ウェブと実質的に水抽出除去可能な繊維からなる織編物を積層した後、絡合一体化処理することで繊維積層絡合体を製造する工程、
(2)繊維積層絡合体を熱収縮する工程、
(3)繊維積層絡合体の内部に高分子弾性体を付与する工程、
(4)織編物を水抽出除去する工程、
また、短繊維ウェブが水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分からなる極細繊維発生型繊維であることが好ましく、織編物を構成する水抽出除去可能な繊維が、炭素数4以下のα―オレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を1〜20モル%含有し、けん化度90〜99.99モル%である変性ポリビニルアルコールからなることが好ましい。
また、本発明は前述の製造方法により得られる人工皮革であり、さらに該人工皮革を起毛処理することで得られるスエード調人工皮革である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、短繊維ウェブと水抽出除去可能な織編物を絡合一体化処理することで繊維積層絡合体を作製し、得られる人工皮革の厚み斑、目付斑を抑制する製造方法に関するものである。また該繊維積層絡合体を経由して人工皮革を製造することで、工程通過時の人工皮革の縦伸びを抑制する製造方法に関する。すなわち、繊維積層絡合体を形成するにあたり、挿入された織編物によって繊維積層絡合体の中央部と両端部との目付斑を生じず均一な繊維積層絡合体の製造が可能となる。また織編物が挿入されていることで、繊維積層絡合体製造工程、熱収縮工程、あるいはその後の人工皮革の製造工程において縦伸びの抑制が可能であり、人工皮革の品位を損なわず、形態安定性に優れたものとなる。さらに高分子弾性体含浸後、挿入された織編物を研削処理することなく、また溶剤抽出することなく水抽出のみで除去可能なことで、風合いを柔らかくし、また表面品位を低下させることなく人工皮革を製造可能とするのである。
本発明の繊維絡合体を構成する短繊維は、直接紡糸して得られる繊維、あるいは極細繊維発生型繊維から得られる繊維のいずれのタイプでもよいが、紡糸安定性の点から極細繊維発生型繊維であることが好ましい。特に極細繊維化後の繊度で好ましくは0.0003〜0.4dtexの繊度、より好ましくは0.003〜0.2dtexの繊度、さらに好ましくは0.007〜0.1dtexの繊度を有するような極細繊維発生型繊維であることが好ましい。このような極細繊維発生型繊維の繊度としては、1〜15dtexの範囲が紡糸以降の工程通過性に優れる点で好ましい。
また、短繊維は平均繊維長が18〜110mmであることが肝要である。繊維長が18mm以上のものであれば効果的な絡合が可能となり、また110mm以下であれば、カード処理などの工程通過性に優れたものとなる。ただし、その後スライス処理やバフィング処理などの後加工を行う場合、最終製品に至る前に短繊維が切断されてしまい、18mm未満になった繊維が一部含まれていることもあるが、これは効果的絡合が達成されてから後に発生した繊維であるので、本発明の効果を損なうものではない。なお、上記工程通過性の観点から平均繊維長は20〜80mmがより好ましい。
また、極細繊維発生型繊維は、環境対応の観点から特に水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分から構成されていることが好ましい。この水溶性高分子成分とは、該成分が水溶液により抽出除去される成分を示し、水難溶性高分子成分とは、該成分が水溶液により抽出除去されにくい成分を示す。そして、水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分からなる極細繊維発生型繊維は少なくとも1成分が水溶液による水抽出処理で抽出除去されるものであれば、海島型複合繊維、混合紡糸型繊維などの多成分系複合繊維のいずれを使用してもよい。なお本発明で用いられる水溶性高分子成分としては、水溶液(水系溶剤と称することもある)で抽出処理できるポリマーであれば、公知のポリマーが使用できるが、水系溶剤で溶解可能なポリビニルアルコール共重合体類(以下PVAと略することもある)を用いることが好ましい。PVAは、水特に熱水で容易に溶解除去可能である点、水系溶剤で抽出除去する際の収縮挙動によって極細繊維発生型繊維の極細繊維に構造捲縮が発現し、繊維絡合体が嵩高く緻密なものとなって非常に柔軟な天然皮革のように優れた風合いの人工皮革が得られる点、また、水抽出処理する際に極細繊維成分や高分子弾性体成分の分解、溶解反応が実質的に起こらないため極細繊維成分に用いる熱可塑性樹脂および高分子弾性体成分の限定がほとんど無い点、更には環境に配慮した点等から好適に用いられる。
上記PVAはホモポリマーであっても共重合単位を導入した変性ポリビニルアルコールであってもよいが、溶融紡糸性、水溶性、繊維物性および抽出処理時の収縮特性などの観点から、共重合単位を導入したPVAであることが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数4以下のα―オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチレンビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類がより好ましい。また炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビニルエーテル類に由来する単位は、PVA中に1〜20モル%存在していることが好ましい。さらに、α−オレフィンがエチレンである場合において、繊維物性が高くなることから、特にエチレン単位が4〜15モル%変成されたPVAを使用することがより好ましい。
またけん化度は90〜99.99モル%が好ましく、92〜99.98モル%がより好ましく、94〜99.96モル%がさらに好ましく、95〜99.95モル%が特に好ましい。けん化度が90モル%未満の場合には、PVAの熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって満足な複合溶融紡糸を行うことができない。一方、けん化度が99.99モル%よりも大きいPVAは安定に製造することが困難である。
また常温で水に溶出するタイプのPVAを水溶性高分子成分として用いた場合には含浸時に水溶性高分子成分が溶出し高分子弾性体水分散液を汚染してしまう場合があり、また水溶性高分子成分の一部溶出に伴い極細繊維部分が露出することによって含浸した高分子弾性体が極細繊維を直接バインドし人工皮革の風合いが硬く損なわれやすいことから60〜100℃の熱水に溶出するタイプのPVAを水溶性高分子成分として用いることが好ましい。さらに60〜100℃の熱水で水溶性高分子成分を溶出することによって、繊維絡合体の収縮挙動が発生し構造捲縮を生じやすいことから天然皮革並みの優れた風合いの人工皮革基体が得られる点で好ましい。
またPVAを高温で紡糸すると紡糸性の悪化を招くため、本発明の水難溶性高分子成分としては公知の極細繊維となりうる、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系およびポリオレフィン系等の成分であれば特に限定するものではない。そして、極細繊維を構成する水難溶性高分子成分の融点を適宜選択することが好ましく、極細繊維を構成する水難溶性高分子成分としては、極細繊維を形成する過程において抽出除去される水溶性高分子成分の融点から60℃上の間の融点を有する熱可塑性成分を選択することが極細繊維発生型繊維の紡糸安定性の点で好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートあるいはイソフタル酸を共重合したポリブチレンテレフタレートなどで代表されるポリエステル系樹脂、あるいはナイロン6、ナイロン11、ナイロン12などで代表されるポリアミド系樹脂が好ましく挙げられる。なお水溶性高分子成分の融点としては、紡糸性などの点から160〜230℃が好ましい。
なお、極細繊維発生型繊維を構成する水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分の質量比率としては、水溶性高分子成分/水難溶性高分子成分=10/90〜60/40の範囲が、断面形成性が良好であり水溶性高分子が極細繊維を完全被覆し易いために、繊維絡合体内部での均一な浸透性が得られ均一含浸に有利である点、あるいは人工皮革基体とした場合、断面形成性が良好なため発生する極細繊維が均一であり、得られる人工皮革の風合いを損なわない点で好ましい。
本発明の短繊維を構成する繊維は、顔料を添加していても良い。この場合、最終製品として淡色系、すなわち、薄い色や淡い色としての発色性が必要な場合顔料は少量でよく、極細繊維内部への顔料添加は低濃度である。すなわち最終製品として要求される外観の色が淡色の場合には、極細繊維内部への顔料添加量は0〜1質量%が好ましく、中色の場合には1〜2質量%が好ましく、濃色の場合には2〜5質量%が好ましく、5質量%を越えると紡糸工程性に劣り、また繊維強度が低下し、それに伴い得られる人工皮革の引裂強力が劣ったものとなってしまう。
用いる顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、クロムレッド、モリブデンレッドなどの無機顔料や、フタロシアニン系、アントラキノン系などの有機顔料など通常ポリマー原着に使用されているものを用いることができる。特に、カーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックが極細繊維を構成するポリマー中に混在一体化して存在し、主として極細繊維を構成するポリマー中に埋包され易い点から、カーボンブラックの平均一次粒径としては10〜60nmであることが好ましい。カーボンブラックの平均一次粒径が10nm未満の場合には、紡糸中にカーボンブラックの凝集が起こり易いことに起因して均一な繊維を得ることができにくく、色斑、物性斑等の品質安定性の問題が生じ易く、かつ紡糸性が低下する傾向がある。逆に、カーボンブラックの平均一次粒径が60nmを超える場合には、得られる人工皮革をスエード調とした際、耐光堅牢性、発色性が低下する傾向にあり、また、紡糸工程でのフィルター詰まりが起こり易く紡糸性が低下する傾向がある。そして、カーボンブラックは一般に複数の一次粒子が集合した集合体(以下、アグリゲートと呼ぶ)で存在するが、カーボンブラックが極細繊維を構成するポリマー中に混在一体化して存在し、主として極細繊維を構成するポリマー中に埋包され易く、発色性、耐光堅牢性、紡糸性が良好であることから、アグリゲートの平均粒子径としては20〜200nmであることがより好ましい。また他の無機顔料、有機顔料においても同様の理由で平均粒子径としては20〜200nmであることがより好ましい。
また、顔料の添加方法としては、極細繊維を構成するポリマー中における顔料の分散性を良好にするため、極細繊維を構成するポリマーと顔料を押出機などのコンパウンド設備を用いて混練した後ペレット化したマスターバッチ方式を採用することが好ましい。また、極細繊維成分には本発明の目的や効果を損なわない範囲で、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合反応時、またはその後の工程で添加しても良い。微粒子の種類は特に限定されず、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの不活性微粒子を添加することができ、これらは単独で使用しても2種類以上併用しても良く、紡糸性、延伸性が向上する場合がある。
上記の極細繊維発生型繊維は紡出した後通常延伸するが、紡糸ノズルから吐出された後一旦捲き取りその後延伸する場合と、巻き取る前に延伸する場合があり、いずれの方法でもよい。延伸方法は通常熱延伸されるが、熱風、熱板、熱ローラー、水浴などのいずれを用いて行ってもよい。ただし、極細繊維発生型繊維の一成分を水溶性高分子成分とする場合は、水分の影響の少ない熱風で延伸することが好ましい。
本発明では人工皮革の目付斑、厚み斑を改善し、さらに人工皮革の品位を損なわず、形態安定性に優れたものとするため、製造工程通過時の縦伸びを抑制する必要があり、このため織編物を挿入する必要がある。その際、形態安定性が良好となるため、短繊維と一体構造を形成しやすい織編物を用いることが重要である。また人工皮革製造にあたり繊維絡合体内部に高分子弾性体が付与されている必要があるが、高分子弾性体は空隙無く織編物を直接把持し人工皮革を硬化してしまうため、本発明では人工皮革の硬化を抑制するため、織編物を水抽出で簡便に除去できる繊維である必要がある。仮に水抽出不可能であれば、織編物除去の際、バフィングなどの研削によって処理せざるを得なくなり表面状態が不必要に荒れることで製品の表面外観を大きく損ねてしまう恐れがあり、また研削する必要の無い短繊維も研削せざるを得なくなり全体の研削量が増加しコスト高になってしまう。あるいは仮に溶剤抽出可能な織編物であれば、溶剤抽出除去の際ディップ・ニップ処理を繰り返し行う必要があり、時間が多くかかるばかりか繰返し行うディップ・ニップ処理で人工皮革が圧縮され、膨らみ感に欠け、風合いの劣ったものとなってしまう。
なお、織編物を構成する繊維としては実質的に水抽出除去可能な繊維である必要が有り、その際用いられる水抽出成分としては、水溶液(水系溶剤と称することもある)で抽出処理できるポリマーであれば、公知のポリマーが使用できるが、水系溶剤で溶解可能なポリビニルアルコール共重合体類(以下PVAと略することもある)を用いることが好ましく、短繊維ウェブに用いられている前述のPVAであることが好ましい。
さらに短繊維を構成する極細発生型繊維が水溶性高分子成分を用いている場合、織編物を構成する水溶性高分子成分と同一であることから水抽出除去の工程が1回ですみ効率がよく、不必要な負荷をかけることによる風合の低下や目付け斑の発生を抑制する点でより好ましい。
また本発明の上記の繊維から構成されている織編物は、短繊維ウェブと一体構造を形成させるため、該織編物の撚数として10〜650T/mが好ましく、15〜500T/mがより好ましい。10T/m未満では短繊維ウェブと絡合した場合に織編物の単糸が完全にばらけてしまい、損傷した糸が表面へ大きく露出してしまう。織編物は最終的に抽出除去されるため製品において織編物そのものが外観へ影響を及ぼすことは無いが、織編物が大きく露出している場合は抽出除去後に抽出跡が残るため表面に凹凸斑が発生し易く、結果的に外観を悪化させる恐れがある。また撚数が650T/mを越えると短繊維と織編物が強固に絡合した一体構造が得られにくく、収縮処理において短繊維と織編物とに収縮差が生じる場合は繊維絡合体にしわが発生する恐れがあり、加えて収縮差により目付斑を生じ、さらには織編物を抽出除去後の製品が不均一なものとなり、天然皮革ライクの風合いを得るためには不適当である。また織編物の目付けは、目的に応じて適宜設定可能であるが、20〜200g/mであることが好ましく、30〜150g/mがより好ましい。目付けが20g/m未満になると織編物としての形態が極めてルーズになり、目ずれなど織物の形態安定性に欠け、また、目付けが200g/mを越えると織編物が密になり、不織ウェブの貫通が不充分で、高絡合化が進まず不離一体化した構造物を作るのが困難になる。また、織編物の種類としては、経編、トリコット編で代表される緯編、レース編およびそれらの編み方を基本とした各種の編物、あるいは平織、綾織、朱子織およびそれらの織り方を基本とした各種の織物など特に限定されるものではない。組織、密度などいずれを選ぶかは目的により適宜決定すればよい。
そして、本発明の繊維積層絡合体としては、公知の方法を用いて絡合することができる。例えば、まず上記で得られる極細繊維発生型繊維を捲縮付与した後ステープル化し、カード、クロスラッパー、ランダムウエバー等により短繊維ウェブを形成する。そして、該短繊維ウェブの表層、下層、あるいは中間層に上記の実質的に水抽出除去可能な繊維からなる織編物を積層し、ニードルパンチにより繊維を絡ませる。ニードルパンチ条件としては、ニードル針のバーブが積層体の表面まで貫通するような条件でかつニードルパンチ数が400〜5000パンチ/cmの条件が好ましく、より好ましくは1000〜2000パンチ/cmの条件である。ニードルパンチは、不織布と織編物とを重ね合わせた積層物の両面から行うのが天然皮革用の外観を得る点で好ましい。すなわち、不織布の表面側に補強用織編物構成繊維をあるていど露出させるとともに織編物の表面側にも不織布構成繊維を露出させることが一体構造となった繊維積層絡合体を得やすい点で好ましい。
得られた繊維積層絡合体は、繊維積層絡合体を熱収縮処理することで繊維の毛羽密度を増加させ風合い良好なものを得るにあたり収縮処理が必要であり、また必要に応じ熱プレスすることが好ましく、この収縮処理により布帛の面積を収縮前の40〜90%にする。この収縮処理により緻密構造が得られ、収縮の程度が収縮前の面積の90%以上となるような低い収縮では緻密感が得られず、風合い劣化となり、逆に収縮前の面積の40%未満となるような大きな収縮の場合には風合いが硬化し好ましくない。なお収縮処理は、上記絡合体を160〜200℃の雰囲気に0.5〜3分放置することにより好適に行なわれる。また前記したように、一般に収縮処理において短繊維と織編物とに収縮差が生じる場合は繊維絡合体にしわが発生する恐れがあるが、織編物が挿入され一体構造を有する場合はしわの発生を抑制できる利点があり、さらには織編物によって工程通過時の縦方向テンションによる縦伸びが抑制され、横のみならず縦方向の収縮が可能になるに伴い、横方向のみの過剰な収縮が抑制され均一に収縮しやすくなり、これに伴い厚み斑や目付斑の発生も抑制することが可能となる。
織編物を構成する各単繊維の表面露出度、すなわち織編物と短繊維からなる不織布とのの該織編物と接する反対側の面において、織編物を構成する各単繊維の表面露出度は0.3〜20%であることが好ましく、1〜15%がより好ましく、2〜10%がさらにより好ましい。0.3%未満では短繊維と織編物の絡合状態が弱く、強固に絡合された一体構造を有する絡合体とは異なり、収縮時にしわが発生しやすい。一方20%を越えると強固に絡合された一体構造を有する繊維積層絡合体は得られるものの外観は低下し易く、さらには織編物の損傷が大きいことから、織編物抽出後の最終製品において外観が低下しやすくなる。
なお、本発明で言う表面露出度の評価方法を次に説明する。
<減圧パラフィン包埋>
パラフィン mp68〜70℃
ホットプレート iuchi NHP−1
<ミクロトーム>
装置 MICROM社製 HM360
<顕微鏡>
装置 Nikon社製 SMZ1000
<方法>
1)得られた短繊維からなる不織布(A)と織編物(B)の絡合一体化物を減圧パラフィン包埋(約80℃ アスピレーター減圧)する。もちろん高分子弾性体が付与されていても良い。
2)ミクロトームで表層より約100μ程度、切削する。
3)光学顕微鏡で100倍に拡大し、さらにそれを2倍に拡大して写真を撮影
4)パソコンにて画像解析を実施し、不織布(A)側の面に存在する織編物構成繊維の面積(P)を計測する。(1cm×1cm)
表面露出度=100×P/(短繊維からなる不織布構成繊維+織編物構成繊維)面積
分母の(短繊維からなる不織布構成繊維+織編物構成繊維)面積の求め方としては、繊維絡合体の見かけ密度と繊維絡合体構成繊維の比重から構成繊維の占有割合を計算により求め、計算により求められた値を(短繊維からなる不織布構成繊維+織編物構成繊維)面積とする。なお、写真に織編物構成繊維が繊維断面としてではなく横方向に寝た状態で写っている場合には、その繊維は除外して面積を求める。
本発明において、繊維積層絡合体へ高分子弾性体を付与する場合、ディップ・ニップ方式などの公知の技術を用いることができるが、環境に優しい点で高分子弾性体水分散液を用いることが好ましい。そして、水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分からなる短繊維ウェブから構成された繊維積層絡合体へ高分子弾性体水分散液を含浸する組み合せの場合、ニップ処理した際に水溶性高分子成分が搾り出され、高分子弾性体水分散液が汚染される場合がある。この場合、水溶性高分子成分に対する高分子弾性体水分散液の浸透性と含浸圧力を併用し、高分子弾性体水分散液を大きく加圧すること無く、高分子弾性体水分散液供給量および濃度を制御するだけで所定量の樹脂含浸可能である樹脂含浸方法が好ましい。例えば、含浸装置には、繊維積層絡合体が含浸装置を通過する際の入口と出口にエッジを設け、さらに処理方向と垂直の方向すなわち繊維積層絡合体横断方向(巾方向)両側に側壁を設け、該エッジと該側壁で囲まれた液溜め室が形成されており、該液溜め室内のスリット状吐出口からポンプにより定量の高分子弾性体水分散液を繊維積層絡合体の内部に加圧浸透させて供給するものが好ましい。側壁は液溜め室の液体をシールできれば特に限定されないが、供給される高分子弾性体水分散液が繊維積層絡合体の両端から洩れることなく全て繊維積層絡合体内部へ浸透させるため、繊維積層絡合体横断方向両側に設けている側壁の間隔(高分子弾性体水分散液供給幅)は繊維積層絡合体幅よりも狭めておくことが好ましく、各側壁は各繊維絡合体サイドより5cm以上内側であることがより好ましい。そして該含浸装置は繊維積層絡合体の上方、あるいは下方、あるいは上下両方に設ける場合のいずれでもかまわないが、作業性およびコスト面から下方へ一箇所設置してあることが工業的に有利である。
前記した含浸方法は、繊維積層絡合体に対する高分子弾性体水分散液の浸透性と含浸圧力を調整することで、煩雑なプロセスを用いること無く、また含浸圧力を高めること無く、繊維積層絡合体の内部に高分子弾性体水分散液を均一な状態でかつ短時間で含浸処理することを可能とするものである。このため、まず高分子弾性体水分散液の浸透性に関しては、繊維積層絡合体への高分子弾性体水分散液の浸透時間は10秒以下であることが好ましく、5秒以下がより好ましく、2秒以下が更に好ましい。10秒を越える場合、繊維積層絡合体へ供給された全ての高分子弾性体水分散液が繊維積層絡合体内部へ均一にかつ十分に含浸しきれず、高分子弾性体水分散液が繊維積層絡合体供給面から溢れ溶液供給部周辺を汚染し、更には繊維積層絡合体内部での含浸樹脂量が不足したものとなり易い。
なお、ここでいう浸透時間とは、高分子弾性体水分散液と繊維積層絡合体の相対的な浸透時間をいい、含浸する高分子弾性体水分散液0.035ccを10cmの高さから繊維絡合体へ滴下し、滴下時より高分子弾性体水分散液が完全に浸透するまでの時間を測定したものである。また、完全に浸透するとは、高分子弾性体水分散液が繊維積層絡合体上に盛り上がった状態でなくなることを目視で確認できた状態をいう。そして、本発明の好適な浸透時間となるように適宜高分子弾性体水分散液の粘度や濃度を調整した後に処理すれば良い。繊維積層絡合体の密度が0.40〜0.90g/mの場合、高分子弾性体水分散液の粘度は2〜80cpoiseが好ましく、濃度は30〜60%とする組み合せが浸透時間を10秒以下としやすい点で好ましい。また高分子弾性体水分散液濃度は、35〜50質量%であることがより好ましい。30質量%未満では乾燥工程でマイグレーションを生じやすく、また60質量%を越える場合、前記した浸透時間が増加傾向にあり、所定量の含浸樹脂量が低下する傾向がある。
また、繊維積層絡合体と高分子弾性体水分散液の粘度および濃度の組み合せが上記のままの組み合せで浸透時間が10秒を越える場合、浸透性向上のために高分子弾性体水分散液中へ界面活性剤を適宜添加して10秒以下とすることが良い。添加する界面活性剤としては、湿潤剤、浸透剤、レベリング剤など公知のものが使用でき、中でもスルホコハク酸ジー2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩型アニオン界面活性剤:ラウリル硫酸エステルナトリウム、硫酸化オレイン酸ブチルエステルナトリウム塩、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等の硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤:ポリエチレングリコールーモノー4―ノニルフエニルエーテル、ポリエチレングリコールーモノーオクチルエーテル、ポリエチレングリコールーモノーデシルエーテル等のHLB価6〜16のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤:フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
前記した含浸方法においては、繊維積層絡合体に対する高分子弾性体水分散液の浸透性が前記の範囲を満足すると共に含浸圧力を調整する必要がある。特に繊維積層絡合体内部に高分子弾性体をより均一に含浸するためには繊維積層絡合体の密度や目付にもよるが、供給する高分子弾性体の含浸圧力は1,000〜100,000Paが好ましく、2,000〜80,000Paがより好ましく、2,000〜50,000Paがさらに好ましい。1,000Pa未満では供給する高分子弾性体水分散液を、人工皮革基体の繊維積層絡合体に対し高分子弾性体供給面から反対側まで充分浸透ができず、さらには得られる人工皮革基体の風合いが低下する。一方100,000Paを越える場合、浸透性は良好であるが供給される高分子弾性体が供給面から洩れを生じ、周囲が汚染され作業性が低下する。前記範囲の高分子弾性体水分散液の含浸圧力で含浸する繊維積層絡合体としては、高分子弾性体水分散液の浸透性が10秒以下である繊維積層絡合体を用いることが必要であり、繊維積層絡合体の密度が0.40〜0.90g/cm、目付が600〜1500g/mであることがより好ましい。なお、ここでいう高分子弾性体水分散液の含浸圧力とは、繊維積層絡合体へ接している液溜室内の圧力を指し、該液溜室へ液圧測定装置を設置しておくことで求めることができる。ここでの液圧測定装置は測定できるものであれば特に限定されない。
本発明で繊維積層絡合体へ供給される高分子弾性体水分散液を構成する高分子弾性体としては、人工皮革に用いられる含浸用高分子弾性体であれば特に限定されないが、ウレタン系重合体、アクリル系重合体が好ましく用いられ、該重合体を水などの非溶剤中に分散させて得られる重合体分散液などが挙げられる。そして必要に応じて種々の有機系顔料および無機系顔料などを添加してもよく、その場合の有機顔料としては、例えばフタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ぺリレン系、チオインジゴ系、アゾ系顔料等が挙げられ、また無機系顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、べんがら、クロムレッド、モリブデンレッド、リサージ、酸化鉄等が挙げられる。
また高分子弾性体水溶液を含浸した後、高分子弾性体を加熱凝固する。凝固する方法としては、公知の方法が挙げられるが、例えば、熱処理して乾式凝固、あるいは熱水処理、スチーム処理して感熱凝固する方法が好ましく挙げられる。
また本発明では、高分子弾性体水分散液に感熱ゲル化性化合物を添加する等の公知の方法で、繊維積層絡合体全体に均一に存在できるように高分子弾性体を凝固する方法を加えることがより好ましい。繊維積層絡合体全体に均一に存在できるように高分子弾性体を凝固する方法がより好ましい。
また、粘度としては高分子弾性体水分散液の浸透性が阻害されない範囲であればよく、上記のように、2〜80cpoiseが好ましく、5〜60cpoiseがより好ましく、10〜50cpoiseが更に好ましい。
そして繊維積層絡合体内部で均一な含浸を行うために、高分子弾性体水分散液の供給量が繊維積層絡合体空隙量の60〜100%であることが好ましく、70〜99%がより好ましい。なお、ここでいう繊維積層絡合体空隙量は、以下の計算方法によって求めることができる。
[繊維積層絡合体空隙量]
単位時間あたりに処理する繊維積層絡合体空隙量は以下の計算式より算出した。
A=DEFG×(C/D−1)/B
A(cm3/min) : 繊維積層絡合体空隙量
B(g/cm3) : 高分子弾性体水分散液の密度
C(g/cm3) : 繊維構成樹脂の密度
D(g/cm3) : 繊維積層絡合体の見掛け密度(短繊維密度×短繊維目付/繊維絡合体目付+織編物繊維密度×織編物目付/繊維絡合体目付)
E(cm) : 繊維積層絡合体の厚み
F(cm) : 高分子弾性体水分散液塗布幅
G(cm/min) : 走行速度
高分子弾性体水分散液の供給量が繊維積層絡合体空隙量の60%未満の場合、繊維積層絡合体の高分子弾性体分散液供給側とその反対側での含浸量が異なり、繊維積層絡合体内部での高分子弾性体分散液の分布が不均一となるため、該繊維積層絡合体からなる人工皮革用基体を人工皮革に仕上げた場合、皮革様の風合いとなり難く、さらにスエード調人工皮革に仕上げた場合の表面感が劣ったものとなり易い。一方、100%を越える場合、繊維積層絡合体内部での高分子弾性体分散液の分布は均一であるが、供給過剰のため繊維積層絡合体の高分子弾性体分散液供給面と反対の面から該高分子弾性体水分散液が溢れ、接するローラーなどの含浸設備を汚染するのみならず繊維積層絡合体の不必要な部分にまで高分子弾性体水分散液が付着してしまい、工程通過性や作業性に問題を生じる。
そして前記した含浸方法は、繊維積層絡合体が含浸直前に繊維積層絡合体厚みの40〜99%の間隙で圧縮されることが好ましく、70〜98%であることがより好ましい。繊維積層絡合体厚みの40%よりも強く圧縮されている場合、繊維積層絡合体と含浸装置の摩擦抵抗が大きく繊維積層絡合体の走行を阻害し、所定の速度で繊維積層絡合体が走行できないことから、繊維積層絡合体長さ方向における均一で安定な含浸が困難になる。また繊維積層絡合体厚みの99%を越える弱い圧縮では、繊維積層絡合体への高分子弾性体水分散液供給面から液が洩れやすく、含浸装置周囲が汚染されてしまい、また所定量供給された高分子弾性体水分散液が全て浸透できないことから高分子弾性体含浸量が計算による使用予定量より不足してしまう傾向がある。従って圧縮の間隙は広すぎても、狭すぎても均一で安定な含浸が困難な結果となる。なお含浸後に繊維積層絡合体を圧縮する場合、水溶性高分子が溶出することで高分子弾性体水分散液を汚染し、また極細繊維発生型繊維を構成する水溶性高分子成分が過剰に溶出すると水難溶性高分子成分が直接露出し易い傾向にあり、高分子弾性体水分散液中の高分子弾性体が極細繊維を直接把持し、得られる人工皮革の風合いが硬く劣ったものとなることから、含浸直前に繊維積層絡合体を圧縮し圧縮された状態にて含浸することが必要である。なお、供給された高分子弾性体水分散液が繊維積層絡合体内部へ浸透し所定量含浸したものに加え繊維積層絡合体供給面に過剰に付着することで表面層を形成してしまう場合には、繊維積層絡合体の出口にエッジを設けることによって、該表面層を除去することも可能である。
また前記した含浸方法は、高分子弾性体水分散液が浸透する時間を確保できれば生産速度を低下させなくとも処理が可能である。好ましくは2m/min以上であり、より好ましくは2〜10m/minであればよい。2m/min未満では高分子弾性体水分散液の浸透は充分可能であるが、処理速度が遅いことから生産性が低下してしまい、また10m/minを越える場合、浸透時間によっては供給された高分子弾性体水分散液を全て浸透しきれない場合が生じ、所定量の含浸が困難な場合を生じる懸念がある。また、含浸は可能であっても凝固乾燥が不十分となる懸念があり、これらが払拭されれば10m/分以上での処理も可能である。
また含浸される高分子弾性体水分散液は、高分子弾性体:繊維絡合体=5:95〜60:40の質量比となるように付与することが好ましい。人工皮革として仕上げる場合、高分子弾性体は繊維を結束するバインダーとしての効果を得るものであり、5質量%未満の場合、バインダー効果を充分満足できず、また60質量%を越える場合、前述した効果が得られるものの、引裂強力、引張強力などの物性が劣り、また風合いが固く劣ったものとなる。
本発明では、前記したように、短繊維として極細繊維発生型繊維を用いた場合、該繊維からなる繊維積層絡合体へ高分子弾性体水分散液を含浸した後、極細繊維および高分子弾性体の非溶剤でありかつ抽出除去成分の溶剤である処理液で抽出除去成分を除去し、極細繊維発生型繊維を極細化する。特に抽出除去する場合、環境問題の点から、あるいは水抽出可能な織編物を同時に抽出除去できる点から、熱水、アルカリ液などの水系溶媒で抽出除去成分を除去して極細繊維発生型繊維を極細化する方法が好ましい。特に熱水にて抽出除去する場合は、熱水温度として60〜100℃の温度が好ましく、80〜95℃がより好ましい。60℃未満では水溶性高分子の除去に時間を要することから熱水温度は高いほど好ましい。しかし100℃を越える温度を付与した際、樹脂と繊維の結束がゆるみ易く、樹脂が有する繊維把持性の低下が懸念されるため100℃以下の範囲が好ましい。
なお織編物が繊維積層絡合体の中間付近に存在する場合、織編物を抽出除去することで内部にある程度の空隙ができるが、繊維積層絡合体織編物中の織編物は短繊維と密に絡合していることから高分子弾性体が少なく、わずかに存在する高分子弾性体は大きな連続層を形成しにくい状態となる。従って内部の空隙は適度に潰れ、織編物が存在しない箇所と構造的に変わらないものとなり、外観、風合および物性にほとんど影響を及ぼさない。また織編物が繊維積層絡合体の中間付近に存在する場合、織編物に若干付着した樹脂は上記した通り大きな連続層を形成していないため、織編物を水抽出すると共に若干脱落するものの、短繊維に付着した樹脂は繊維積層絡合体へ残り、短繊維をしっかり把持している。従って織編物が繊維積層絡合体内部、表層いずれに存在している場合も、織編物を水抽出除去後の表面が荒れることはないため、改めてバフ処理などの追加処理は不要である。
本発明では、必要に応じて所望の厚みに加圧加熱処理や分割処理などで厚みあわせを行う。また、短繊維少なくとも一面をバフィング処理等の起毛処理を施し、極細繊維を主体とした極細繊維立毛面を形成させてスエード調人工皮革としてもよい。なお短繊維が極細繊維発生型繊維である場合、極細繊維発生型繊維を極細化する前あるいは後にバフィング処理等の起毛処理を施せばよい。またその場合、必要により、揉み柔軟化処理、逆シールのブラッシングなどの仕上げ処理を行うことができる。本発明で得られるスエード調人工皮革は、目付斑が少ないため製品の幅方向での繊維量がそろっており、その結果両端部と中央部での色斑が抑制されていることから、収縮による風合いの充実感が得られると同時に発色斑のない良好な品質のものが得られる。
本発明において、得られる人工皮革の密度は0.50〜0.85g/cmであることが好ましい。密度が0.50g/cmより小さい場合には、引裂強度などの物性が劣ることとなり、また密度が0.85g/cmより大きい場合には、柔軟性に劣り、風合いが悪化する。好ましくは、0.53〜0.80g/cmの範囲である。従来の人工皮革の密度は0.3〜0.45g/cmの範囲であり、本発明の人工皮革は非常に高いと言え、この密度が高いことが本発明の人工皮革に天然皮革に告示した風合いや充実感、ドレープ性、優れた機械的物性をもたらす。
本発明の人工皮革は、必要に応じて樹脂層を付与して、銀付き調あるいは半銀付き調の人工皮革とすることもできる。また、表面を加熱し、平滑面に押圧することにより不織布表層部を溶融して樹脂層とすることもできる。表面に付与する樹脂としては、ポリウレタンやアクリルで代表される弾性重合体が好適に用いられる。また、極少量の染料あるいは少量の顔料を用いて着色処理を行っても良い。また、必要に応じて、本発明の人工皮革を上層に使用し、編物あるいは編物を下層となるよう貼り合わせたり、あるいは、本発明の立毛調人工皮革を上層に使用し、該立毛調人工皮革を構成する繊維とは異種の繊維からなる層を下層となるよう貼り合わせたりしても構わない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお以下の実施例、比較例中に記載されている性能測定などの評価は以下の方法で行った。
カーボンブラックを0.5質量%添加したイソフタル酸10モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(融点234℃)を島成分とし、エチレン単位10モル%含有し、けん化度98.4モル%、融点210℃のポリビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製 エクセバール)を海成分とし、質量比を海/島=30/70とした64島の海島繊維を複合紡糸した後、延伸することで単糸繊度5.5dtex、密度1.27g/cmの繊維を得た。この繊維を捲縮処理した後51mmへカットし、カード処理することで目付200g/mの短繊維ウェブを作成した。
次に、エチレン単位10モル%含有し、けん化度98.4モル%、融点210℃のポリビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製 エクセバール)を紡糸し、ローラープレート方式で通常の条件により延伸することで単糸繊度3.1dtex、密度1.25g/cmの繊維を得た。この繊維で目付80g/mの織物を作成した。
上記ウェブ2枚を予め重ね、その下にスクリムを積層した後2500パンチ/cmの条件でニードルパンチ処理を行った。次に205℃の熱収縮処理により30%面積収縮(面積保持率70%)させ、さらに175℃熱プレスすることで目付け630g/m、見掛け密度0.75g/cm、厚み0.84mmの繊維積層絡合体を得た。またこの繊維積層絡合体における織編物繊維の表面露出度は2.0%であった。
次にグレー水分散顔料(大日本インキ化学工業株式会社製 RyudyeWグレー)とエーテル系ポリウレタン水分散エマルジョン (日華化学株式会社製 エバファノールAP−12)を顔料/エマルジョン=1.8/100の固形分質量比に混合し、濃度40質量%、粘度20cpoise、密度1.02g/cmの高分子弾性体水分散液を得た。
次に含浸設備としてリップコーター設備(株式会社ヒラノテクシード製 リップダイレト方式)を用い、B(高分子弾性体水分散液の密度):1.02g/cm、C(繊維構成樹脂の密度):1.26g/cm、D(繊維絡合体の見掛け密度)0.75g/cm、E(繊維絡合体の厚み):0.84mm、F(高分子弾性体水分散液塗布幅):170cm、G(走行速度):2.5m/minより算出されたA(繊維絡合体空隙量)1733cm/minの80%に相当する量の高分子弾性体水分散液を極細繊維化された繊維絡合体/高分子弾性体=74/26の質量比となるように含浸した。その直後160℃の熱風乾燥機で3分30秒間加熱凝固乾燥した。その後、両サイド5cmの未含浸個所をカットし、90℃の熱水でポリビニルアルコール共重合体成分を抽出することで人工皮革用基体を得た。得られた人工皮革用基体はシワ、伸びの発生が無く良好な外観であり、皮革様の均一な風合いや優れた物性を有する人工皮革用基体であった。得られた人工皮革要基体の表面をバフィングにより起毛処理を行って、スエード調の人工皮革を得た。
次に分散染料としてSumikaron UL染料(住友化学株式会社製)のYellow 3RF 0.24owf%、Red GF 0.34owf%、Blue GF 0.70owf%、アンチフェードMC−500(明成化学株式会社製)、2owf%、ディスパーTL(明成化学株式会社製)1g/Lを用い130℃高圧染色を行った。人工皮革製造にあたり、繊維積層絡合体熱収縮後から染色処理後までの形態変化が縦×横=102%×98%と少ないものであった。得られたスエード調人工皮革は充実感があり、中央部と両端部との目付差は20g/mと少ないものであった。そして、両端部と中央部で色斑が無く灰色の発色性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
(織編物成分変更)
目付け100g/mの織物を用いる以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られたスエード調人工皮革は充実感があり、該スエード調人工皮革の中央部と両端部との目付差は15g/mと少ないものであった。そして、両端部と中央部で色斑が無く灰色の発色性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
(短繊維構成海成分変更)
短繊維の海成分をポリエチレンとする以外は実施例1と同様にして繊維積層絡合体を製造した。次に90℃で熱水収縮処理を行った後、高分子弾性体としてポリウレタンDMF溶液をディップ・ニップ方式にて含浸し、その後トルエンでポリエチレンを抽出した以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られたスエード調人工皮革は充実感があり、該スエード調人工皮革の中央部と両端部との目付差は19g/mと少ないものであった。そして、両端部と中央部で色斑が無く灰色の発色性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
(収縮率変更)
熱収縮処理を190℃で実施し、25%面積収縮(面積保持率70%)させた以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたスエード調人工皮革は充実感があり、両端部と中央部で色斑が無く灰色の発色性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
(繊維積層体密度変更)
熱収縮処理後に185℃で熱プレスを行い、繊維積層絡合体の密度を0.87g/cmとする以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、スエード調人工皮革製造工程においてしわ、折れなどが無く、繊維積層絡合体熱収縮後から染色処理後までの形態変化が縦×横=101%×99%と少ないものであった。得られたスエード調人工皮革は両端部と中央部で色斑が無く灰色の発色性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
比較例1(織編物変更)
ポリエチレンからなる目付80g/mの織物を用い、該織物の除去方法を熱トルエン抽出法で行った以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、スエード調人工皮革製造工程において、しわ、折れなどなく、形態安定性にも優れていた。しかしこの織編物を除去する際、トルエン抽出したところ、ポリエチレン抽出のため繰り返しディップ・ニップ処理が必要であり、処理時間が多くかかるばかりかディップ・ニップ処理で人工皮革用基体が大きく圧縮され、得られたスエード調人工皮革は中央部と両端部との目付差は15g/mと差が少ないものであったが、膨らみ感に欠け風合いの劣ったものであった。
比較例2(織物除去方法変更)
バフィング処理で実施例1の織物の除去を行う以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、スエード調人工皮革製造工程において、しわ、折れなどなく、繊維積層絡合体熱収縮後〜染色までの形態変化が縦×横=102%×98%と少ないものであった。また、得られたスエード調人工皮革の中央部と両端部との目付差は20g/mと差が少ないものであった。しかし織物を除去する際のバフィング処理によって短繊維部分も一部研削除去され、得られた人工皮革は薄っぺらなものとなり、風合いに劣ったものであった。
比較例3(熱収縮処理無し)
熱収縮処理を除いた以外は実施例1と同様の操作を行なった。その結果、スエード調人工皮革製造工程においてしわ、折れなどなく、繊維積層絡合体熱収縮後〜染色までの形態変化が少ないものであった。また、得られたスエード調人工皮革は繊維積層絡合体の中央部と両端部との目付差は20g/mと差が少ないものであった。しかしながら、該人工皮革の表面の毛羽密度が低く、風合いに劣ったものであった。

Claims (5)

  1. 繊維絡合体の内部に高分子弾性体が付与されてなる人工皮革を製造するに際し、以下(1)〜(4)の工程を順次行うことを特徴とする人工皮革の製造方法。
    (1)短繊維ウェブと実質的に水抽出除去可能な繊維からなる織編物を積層した後、絡合一体化処理することで繊維積層絡合体を製造する工程、
    (2)繊維積層絡合体を熱収縮する工程、
    (3)繊維積層絡合体の内部に高分子弾性体を付与する工程、
    (4)織編物を水抽出除去する工程、
  2. 短繊維ウェブが水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分からなる極細繊維発生型繊維である請求項1に記載の人工皮革の製造方法。
  3. 織編物を構成する水抽出除去可能な繊維が、炭素数4以下のα―オレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を1〜20モル%含有し、けん化度90〜99.99モル%である変性ポリビニルアルコールからなる請求項1または2に記載の人工皮革の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の製造方法により得られる人工皮革。
  5. 請求項4の人工皮革を起毛処理することで得られるスエード調人工皮革。

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