JP2006035289A - プレス成形装置およびクッションリング - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ダイ2、ポンチ3、およびクッションリング5を備えるプレス成形装置1であって、クッションリングは、プレス成形時の撓みを防止する補強構造であるリブ51を有し、ポンチには、ポンチとクッションリングのリブとが接触することを防止する補強構造材逃がし部である凹部31が形成されている。
【選択図】 図1
Description
このようなプレス成形装置は、図15、図16に示すように、上型となるダイ102と、ダイ102に対向して配置されるポンチ103と、ポンチ103と一体的に構成される下型104と、ポンチ103の周囲に配置される環状部材であるクッションリング105とを備えている。
そして、ダイ102を下降させての成形時に、該ダイ102のしわ押さえ面102aと、クッションリング105のしわ押さえ面105aとで、ダイ102とポンチ103との間に介在されたワークWを挟持して、加工後のワークWにしわや割れが発生することを防止している。
ワークWをポンチ103に押し付けて成形加工する場合、ワークWの被加工部分には内側へ移動する方向に力がかかるため、ワークW周縁部を挟持しているクッションリング105の上部にも、内側方向の引っ張り力が作用する。
このクッションリング105の上部にかかる内側方向の力により、環状形状のクッションリング105の剛性が不足して、該クッションリング105の下部が外側へ広がる方向へ撓んで変形してしまう。成形加工時にクッションリング105に変形が生じると、該ダイ102のしわ押さえ面102aとクッションリング105のしわ押さえ面105aとの当たりが悪くなる。これにより、ワークWを充分に挟持することができず、加工後のワークWにしわや割れ等の不具合が生じ易くなるという問題がある。
特に、自動車のサイドパネル等といった大型のワークを絞り加工する際には、クッションリング105の剛性が不足しがちになり、クッションリング105の変形が顕著となる。
また、クッションリング105の撓みによるしわ・割れ発生を防止するためには、しわ押さえ面102a・205aを切削する等の作業が必要となって、煩雑であった。
即ち、請求項1記載の如く、ダイ、ポンチ、およびクッションリングを備えるプレス成形装置であって、クッションリングは、プレス成形時の撓みを防止する補強構造を有し、ポンチには、ポンチとクッションリングの補強構造材とが接触することを防止する補強構造材逃がし部が形成されている。
これにより、クッションリングの剛性を向上することができ、ワークの成形加工時のクッションリングの撓み・変形を防止することができる。
従って、煩雑な調整作業等を要することなく、成形加工後のワークにしわや割れの発生を抑えることができて、成形加工精度を向上することができる。
また、クッションリングの剛性が向上することで、該クッションリングに機械加工を施すときの加工力による撓みも抑制することができ、機械加工精度を向上することもできる。
また、ワークの下方の型を、下型を省略してポンチのみにて構成して、プレス成形装置を全体的にコンパクトに構成することが可能となる。
これにより、撓み防止の効果を大きくすることができる。
これにより、補強材を設けるための特別な材料や作業を要することがなく、プレス成形装置がコストアップすることもない。
これにより、補強材を軽量とすることができ、張力(補強力)の設定を比較的容易に行うことが可能となる。また、該ワイヤの張力を調節して、クッションリングの補強度合いを比較的容易に調整することが可能となっている。
これにより、クッションリングを強固に補強することができ、クッションリングの撓みを効果的に抑えることが可能となる。
これにより、クッションリング上部にかかる内側方向の力の大きさに応じて、最適な張力に調節することができ、クッションリングの撓みを効果的に抑えて、高精度な成形加工を実現することができる。
これにより、ポンチとクッションリングとを同一床面上に設置して、ポンチの側面に吊り下げ用のフックを取り付け、該フックを用いてポンチを吊り下げて引き抜くことが可能となる。
これにより、クッションリングの上部に内側方向の力がかかった場合でも、補強構造材が屈曲するように撓むことを防止することができる。
これにより、クッションリングの剛性を向上することができ、ワークの成形加工時のクッションリングの撓み・変形を防止することができる。
従って、煩雑な調整作業等を要することなく、成形加工後のワークにしわや割れの発生を抑えることができて、成形加工精度を向上することができる。
また、クッションリングの剛性が向上することで、該クッションリングに機械加工を施すときの加工力による撓みも抑制することができ、機械加工精度を向上することもできる。
また、ワークの下方の型を、下型を省略してポンチのみにて構成して、プレス成形装置を全体的にコンパクトに構成することが可能となる。
これにより、撓み防止の効果を大きくすることができる。
これにより、補強材を設けるための特別な材料や作業を要することがなく、プレス成形装置がコストアップすることもない。
これにより、補強材を軽量とすることができ、張力(補強力)の設定を比較的容易に行うことが可能となる。また、該ワイヤの張力を調節して、クッションリングの補強度合いを比較的容易に調整することが可能となっている。
これにより、クッションリングを強固に補強することができ、クッションリングの撓みを効果的に抑えることが可能となる。
これにより、クッションリング上部にかかる内側方向の力の大きさに応じて、最適な張力に調節することができ、クッションリングの撓みを効果的に抑えて、高精度な成形加工を実現することができる。
従って、煩雑な調整作業等を要することなく、成形加工後のワークにしわや割れの発生を抑えることができて、成形加工精度を向上することができる。
また、クッションリングの剛性が向上することで、該クッションリングに機械加工を施すときの加工力による撓みも抑制することができ、機械加工精度を向上することもできる。
また、ワークの下方の型を、下型を省略してポンチのみにて構成して、プレス成形装置を全体的にコンパクトに構成することが可能となる。
ダイ2は上下駆動可能に構成されており、クッションリング5はダイ2に従動可能(つまりダイ2の上下動に追随して上下動が可能)に構成されている。
そして、クッションリング5およびポンチ3はボルスター6上に載置されている。
また、ダイ2下面の外周部にはしわ押さえ面2aが形成され、クッションリング5の上面にはダイ2のしわ押さえ面2aに対応した位置にしわ押さえ面5aが形成されており、しわ押さえ面2aとしわ押さえ面5aとは当接可能に構成されている。
その後、ダイ2をさらに下降させ、ワークWをポンチ3の加工面3aに押し付けて変形させることによりワークWの成形加工を行い、図3に示すように、ポンチ3の加工面3aとダイ2の加工面2bとでワークWを完全に挟み込むことにより成形が完了する。
この際、クッションリング5は、ワークWを挟持した状態を保持しながら、ダイ2とともに下降する。
前記ポンチ3はクッションリング5の開口部5bに嵌装されており、該ポンチ3の下部には、リブ51との干渉を避けるための凹部31が形成されている。該凹部31は、クッションリング5に形成されるリブ51の形状に合わせて形成されている。
クッションリング5の上部に内側方向への引っ張り力が作用した場合、図15に示すクッションリング105のように補強材を備えていないと、クッションリング105の下部が外側へ広がる方向に撓んでしまうが、本クッションリング5では、複数のリブ51を開口部5bの下部に架設することで、撓みが発生することを抑えている。
また、クッションリング5の剛性が向上することで、該クッションリング5に機械加工を施すときの加工力による撓みも抑制することができ、機械加工精度を向上することもできる。
また、クッションリング5の補強材となるリブ51は、クッションリング5の鋳造時に同時に一体成形することが可能であるので、補強材を設けるための特別な材料や作業を要することがなく、プレス成形装置1がコストアップすることもない。
また、図15に示す従来のプレス成形装置では、ワークWの下方の型をポンチ103と下型104とで構成していたが、本プレス成形装置1では下型を省略してポンチ3のみにて構成しているため、プレス成形装置1を全体的にコンパクトに構成することが可能となっている。
補強棒52の両端からは支持部52aがそれぞれ突出しており、該支持部52aがクッションリング5の下部に形成された支持孔5cに挿入されている。支持部52aの先端部には螺子が形成されており、該先端部はクッションリング5の外側に突出している。この外側に突出した支持部52aの先端部にナット等の締結部材を締結することで、補強棒52をクッションリング5の開口部5bに架設している。
また、クッションリング5の補強材を前記リブ51や補強棒52といったような剛体にて構成することで、クッションリング5を強固に補強することができ、クッションリング5の撓みを効果的に抑えることが可能となる。
ワイヤ53は、例えば、その両端53aをクッションリング5の上部に固定するとともに、該クッションリング5内に設けられるローラ5dに巻回されて、開口部5bの下部に張設されている。
そして、張設したワイヤ53を補強材とすることで、補強材を軽量とすることができ、張力(補強力)の設定を比較的容易に行うことが可能となる。また、該ワイヤ53の張力を調節して、クッションリング5の補強度合いを比較的容易に調整することが可能となっている。
このように構成することで、ワイヤ53の張力をアクティブに調節することが可能となって、クッションリング5上部にかかる内側方向の力の大きさに応じて、最適な張力に調節することができ、クッションリング5の撓みを効果的に抑えて、高精度な成形加工を実現することができる。
従って、図8に示すように、プレス成形装置1では、ポンチ3の下部におけるリブ51の形成箇所に相当する部分に、クッションリング51をポンチ3へ嵌装した際にリブ51との干渉を避ける凹溝31を形成するとともに、クッションリング5に対してポンチ3を引き抜くような構造としている。
しかし、図9に示すように、ポンチ3の側面3bに形成されるフック付設用穴3gは、その周囲をクッションリング5に覆われているため、このままではフック付設用穴3gにフックを挿入等することができない。
そこで、プレス成形装置1においては、ポンチ3の下端から下方へ延出する脚部3cを形成して、ポンチ3の側面3bに吊り下げ用フック3dを取り付けることを可能としている。
そして、段取り作業等を行う際には、ポンチ3をクッションリング5とともに吊り下げて他所へ持ち運び、平らな床面7に載置する。なお、ポンチ3とクッションリング5とを持ち運ぶ場合には、クッションリング5の外周部に取り付けられたフック5eを用いて吊り下げを行う。
側面3bをクッションリング5の上方に位置させた状態とすることで、ポンチ3の側面3bに吊り下げ用フック3dを取り付け、該フック3dを用いてポンチ3を吊り下げて引き抜くことが可能となる。
図12に示すように、クッションリング5の上部に内側方向の力がかかると、リブ51が屈曲するように撓むことが考えられるが、このように、クッションピン8にてクッションリング5の本体部分およびリブ51を下方から支持することで、このような撓みを抑制することが可能となっている。
本プレス成形装置1においては、ポンチ103の周囲に下型104が存在する従来のプレス成形装置とは異なり、ポンチ3の周囲に下型がないため、タップ加工作業時にポンチ103周囲の下型104とタップ加工機9とが干渉して作業が行いにくいといったようなこともなく、容易かつ迅速にタップ加工作業を行うことができる。
1 プレス成形装置
2 ダイ
3 ポンチ
5 クッションリング
31 凹部
51 リブ
Claims (14)
- ダイ、ポンチ、およびクッションリングを備えるプレス成形装置であって、
クッションリングは、プレス成形時の撓みを防止する補強構造を有し、ポンチには、ポンチとクッションリングの補強構造材とが接触することを防止する補強構造材逃がし部が形成されていることを特徴とするプレス成形装置。 - 前記補強構造は、クッションリングにおけるダイとの当接面側部分とは反対側の部分に構成されることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- 前記クッションリングの補強構造は、クッションリングの開口部に架設される補強リブであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレス成形装置。
- 前記クッションリングの補強構造は、クッションリングの開口部に架設されるワイヤであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレス成形装置。
- 前記補強リブは、クッションリングと一体成形され、または締結部材によりクッションリングと締結されていることを特徴とする請求項3に記載のプレス成形装置。
- 前記ワイヤには引っ張り張力が付与され、付与される引っ張り張力を調節可能としたことを特徴とする請求項4に記載のプレス成形装置。
- 前記ポンチの下端には下方へ延出する脚部が形成され、該ポンチの側面にはフック部材を付設するための付設用穴が形成され、
ポンチとクッションリングとを同一床面上に設置すると、前記付設用穴がクッションリングよりも上方に位置することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載のプレス成形装置。 - 前記プレス成形装置においては、クッションリングの下方にクッションピンが配設されており、該クッションピンはクッションリングの本体部分および補強構造材を支持することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載のプレス成形装置。
- プレス成形装置に備えられるクッションリングであって、プレス成形時の撓みを防止するための補強構造を有することを特徴とするクッションリング。
- 前記補強構造は、クッションリングにおけるダイとの当接面側部分とは反対側の部分に構成されることを特徴とする請求項9に記載のクッションリング。
- 前記補強構造は、クッションリングの開口部に架設される補強リブであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のクッションリング。
- 前記補強構造は、クッションリングの開口部に架設されるワイヤであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のクッションリング。
- 前記補強リブは、クッションリングと一体成形され、または締結部材によりクッションリングと締結されていることを特徴とする請求項11に記載のクッションリング。
- 前記ワイヤには引っ張り張力が付与され、付与される引っ張り張力を調節可能としたことを特徴とする請求項12に記載のクッションリング。
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