JP2006032078A - 燃料電池発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化剤ガス中に含まれる不純物の窒素酸化物を除去し、窒素酸化物による劣化を抑制し、耐久性を向上させた燃料電池発電装置を提供すること。
【解決手段】酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段9と、電解質1と一対の電極21、22と一対のセパレータ板41、42とからなる燃料電池5を備え、還元ガス中に存在する可能性の窒素酸化物を除去して、燃料電池5への混入を防止するので、電池電圧の低下を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物による劣化の抑制または耐久性の向上を図った燃料電池発電装置に関するものである。
従来の一般的な固体高分子電解質型燃料電池の構成および動作について図3を参照しながら説明する。図3において1は水素イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルフォン酸からなる固体高分子電解質であり、電解質1の両面には一対の電極としてアノード21およびカソード22が形成されている。アノード21およびカソード22は、多孔質カーボンに白金などの貴金属を担持した触媒および水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなる触媒層と、触媒層の上に積層した通気性および電子伝導性を有するガス拡散層を備えている。また、アノード21およびカソード22の周囲にはガスの混合やリークを防止する一対のガスケット31および32がそれぞれ配置され、アノード21に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給および排出し、カソード22に少なくとも酸素を含む酸化剤ガスを供給および排出するガス流路を有する一対の導電性のセパレータ板41および42で狭持されている。
以上の構成からなる単セルを複数積層したものをスタックとし、単セルまたはスタックを総称して燃料電池5とする。
アノード21およびカソード22にそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給して電子負荷を接続すると、アノード21に供給された燃料ガス中に含まれる水素はアノード21と電解質1の界面で電子を放って水素イオンとなる(化1)。
Figure 2006032078
水素イオンは電解質1を通ってカソード22へと移動し、カソード22と電解質1の界面で電子を受け取り、カソード22に供給された酸化剤ガス中に含まれる酸素と反応し、水を生成する(化2)。
Figure 2006032078
全反応を(化3)に示す。
Figure 2006032078
このとき電子負荷を流れる電子の流れを直流の電気エネルギーとして利用することができる。また、一連の反応は発熱反応であるため、反応熱を熱エネルギーとして利用することができる。
また、酸化剤ガス中に不純物として窒素酸化物が存在すると、燃料電池5の出力電圧が低下する。したがって、酸化剤ガス中に含まれる燃料電池5の特性に悪影響を与える窒素酸化物を除去する必要がある。
従来は、例えば、酸化剤ガスの供給経路に設けられた洗浄液が貯えられた洗浄液タンクを備え、前記洗浄液で酸化剤ガスを洗浄して供給していた(特許文献1参照)。これにより、酸化剤ガス中に含まれる不純物の窒素酸化物を除去して、燃料電池に供給するので、電池特性や寿命の低下を防止することができる。
特開2002−56877号公報
しかしながら、前記従来の洗浄液タンクを用いて窒素酸化物を除去する方法では、装置が大型化するだけでなく、洗浄液の交換の際、排出した洗浄液の処理に手間がかかるという課題があった。また、洗浄液タンクの水圧がかかるので、洗浄液タンクでの圧力損失が大きくなり、酸化剤ガスを供給するブロワなどの空気供給手段の供給圧力を高める必要があり、それによる効率低下、騒音増大、寿命低下などの課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗浄液タンクを用いることなく、酸化剤ガス中に含まれる不純物の窒素酸化物を除去することができる窒素酸化物除去手段を備えることにより、窒素酸化物よる電池電圧の低下を抑制する耐久性に優れた燃料電池発電装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池発電装置は、酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段を備えるものである。
これによって、酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を除去することができ、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
以上説明したように、本発明の燃料電池発電装置によれば、比較的小型な構成で酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を除去することができ、燃料電池の出力電圧の低下を抑制することができる。
また、液体を用いないので、交換などのメンテナンス性が向上し、水圧も掛からないので、低圧力損失を保持することができ、ブロワなどの空気供給手段への負荷が軽減され、高効率化、低騒音化を図ることができ、耐久性に優れた燃料電池発電装置を提供することができる。
第1の発明は、少なくとも酸素を含む酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段と、電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給排出し、他方に前記窒素酸化物を除去した前記酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一対のセパレータ板とからなる少なくとも一つのセルを備えた燃料電池を備え、酸化剤ガス中に存在する不純物の窒素酸化物を窒素酸化物除去手段で除去するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の窒素酸化物除去手段は、活性炭に窒素酸化物を吸収するアルカリを添着した活性炭フィルターであり、比表面積の大きい活性炭にアルカリを添着するので、添着量を増加させることができ、窒素酸化物を吸収除去できる寿命を延ばすことができる。
第3の発明は、特に第1の発明または第2の発明において、有機物を吸着する活性炭からなる有機物除去手段と、活性炭にアルカリを吸収する酸を添着したアルカリ除去手段とを備え、酸化剤ガスを窒素酸化物除去手段に流通させた後、前記有機物除去手段および前記アルカリ除去手段に流通させ、窒素酸化物だけでなく有機物やアルカリなどの不純物も同時に吸着除去するので、これら不純物による電池電圧の低下を抑制することができる。
また、窒素酸化物を除去した後、有機物除去手段およびアルカリ除去手段を配置するので、活性炭により還元される二酸化窒素の量を減少させることができ、二酸化窒素に比べて活性炭では吸着除去しにくい一酸化窒素の量を減少させるので、一酸化窒素による電池電圧の低下を抑制することができる。
第4の発明は、特に第1の発明の窒素酸化物除去手段は、アルカリ性の官能基を付与したイオン交換樹脂であり、窒素酸化物を硝酸イオンとして吸着除去するので、二酸化窒素および一酸化窒素など窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
第5の発明は、特に第1の発明において、オゾン発生器を備え、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素をオゾンで酸化して二酸化窒素とし、窒素酸化物除去手段に流通させ、二酸化窒素に比べて吸着除去しにくい一酸化窒素をあらかじめオゾンで二酸化窒素に酸化するので、一酸化窒素および二酸化窒素など窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
第6の発明は、特に第1の発明または第5の発明において、オゾン分解器を備え、酸化剤ガス中に含まれるオゾンを除去して燃料電池に供給し、電池電圧に影響を与えるオゾンを除去してから酸化剤ガスを供給するので、酸化剤ガス中の酸素濃度が一定となり、電池性能の安定化を図ることができる。
第7の発明は、特に第1の発明の窒素酸化物除去手段は、少なくとも無機過酸化物または過マンガン酸塩を含み、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素および二酸化窒素などの窒素酸化物を硝酸イオンとして効率よく吸収除去するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
第8の発明は、特に第1の発明の窒素酸化物除去手段は、酸素欠損を有するペロブスカイト型複合金属酸化物を含み、酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を窒素と酸素に分解除去するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
第9の発明は、特に第1の発明において、光触媒を備え、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素を二酸化窒素とし、窒素酸化物除去手段に流通させ、二酸化窒素に比べて吸着しにくい一酸化窒素をあらかじめ二酸化窒素に変換し、窒素酸化物除去手段により、二酸化窒素を効率よく除去するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の燃料電池発電装置の構成図を示すものである。図1において、1は水素イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルフォン酸ポリマからなる膜状の固体高分子電解質であり、電解質1の両面には一対の電極、アノード21およびカソード22が形成されている。電解質1は、水分を取り込むことにより、電解質1内のスルフォン酸基の水素イオンが解離して電荷担体となり、スルフォン酸基がいくつか凝集して形成される逆ミセル構造の中を通過することで水素イオン伝導性を示す。含水率が下がると電解質1の導電率が低下するため、ガスを加湿して供給し、電解質1の乾燥を防ぐ方法をとった。
アノード21およびカソード22は、多孔質カーボンに白金などの貴金属を担持した触媒および水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなる触媒層と、触媒層の上に積層した通気性および電子伝導性を有するガス拡散層からなる。アノード21には、耐CO性を有する白金−ルテニウムなどの合金触媒を用いた。また、ガス拡散層には撥水処理を施したカーボンペーパーあるいはカーボンクロスを用いた。
そして、アノード21およびカソード22の周囲にガスの混合やリークを防止する一対のガスケット31および32をそれぞれ配置し、さらに、アノード21およびカソード22にそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給および排出するガス流路を有する一対の導電性のセパレータ板41および42を用いて狭持した。以上のように構成される単セルが発生する電圧は約0.75Vであり、必要とする電圧分の複数の単セルを直列に積層(スタック)して所望出力の燃料電池を形成することができる。
また、セパレータ板41および42の両端には集電板と、絶縁板および端板を配置し、締結ロッドで固定した。そして、集電板に電子負荷および電圧検出部を接続し、一定電流を流したときの燃料電池の電圧を検出できる構成とした。
また、酸化剤ガスは、大気からファンやポンプおよび空気ブロワなどの空気供給手段より取り込み、流量制御手段により所定の流量で燃料電池のカソード22に供給した。
還元ガス中には自動車などの排ガスに含まれる二酸化窒素や一酸化窒素などの窒素酸化物が不純物として含まれている。燃料電池発電装置は、一般家庭や、店舗、工場などに設置されるので、このような環境においても、十分耐える必要がある。
したがって、空気供給手段とカソード22入口の間に酸化剤ガス中に含まれる不純物の窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段9を配置した。窒素酸化物除去手段9の前流には、還元ガス中に含まれる粉塵などの粒子状物質や、空気供給手段などから発生する粉塵などの粒子状物質を除去する粗フィルター8を設けた。また、窒素酸化物除去手段9の後流には、還元ガス中に含まれている可能性のあるトルエン、メチルエチルケトンなどの有機物を除去する有機物除去手段10およびアンモニア、トリメチルアミンなどのアルカリ性不純物を除去するアルカリ除去手段11を設けた。さらに、最後流には、還元ガス中に含まれる粉塵などの粒子状物質や、前段の窒素酸化物除去手段9、有機物除去手段10およびアルカリ除去手段11自身が発生する粉塵などの粒子状物質を除去する除塵フィルター12を配置した。これらのフィルターは、筐体内に収納され、クリーンな還元ガスをカソード22に導くように配管されている。
また、有機物除去手段10は、強アルカリ性の窒素酸化物除去手段9と、強酸性のアルカリ除去手段11との間に配置されるスペーサーとしても機能し、窒素酸化物除去手段9とアルカリ除去手段11を直接接触させないので、酸とアルカリが中和反応を起こして互いの除去性能が劣化するのを防止することができる。
大気より取り込まれた酸化剤ガスは、最初に粗フィルター8を通過し、次いで窒素酸化物除去手段9、有機物除去手段10、アルカリ除去手段11を通って、最後に除塵フィルター12を通って、酸化剤ガスに含まれる各種不純物の濃度を低減させる。
粗フィルター8は、ポリプロピレンなどからなる繊維を帯電させた後、不織布に織ったものを用いた。粗フィルター8は、静電気を帯びた繊維一本一本が酸化剤ガス中に含まれる粉塵だけでなく、前段に配置される空気供給手段などから発生する粉塵や粒子状物質も除去する。また、窒素酸化物除去手段9およびアルカリ除去手段11の除去性能を保持するだけでなく、除塵フィルター12の負荷を軽減するので除塵フィルター12の寿命を延ばすことができる。
窒素酸化物除去手段9は、窒素酸化物を吸収するアルカリとして水酸化カルシウムを用い、活性炭と、硬化剤を混練して、造粒した後、ハニカム型に成型して活性炭フィルター得た。硬化剤には焼石膏を用いた。焼石膏は水と混合すると硫酸カルシウムとなり、凝結硬化する。水酸化カルシウムは、二酸化窒素と(化4)で示すように反応して硝酸カルシウムを窒素酸化物除去手段上に固定して化学吸着させる。
Figure 2006032078
また、窒素酸化物除去手段に用いるアルカリは窒素酸化物だけでなく、硫化水素、二酸化硫黄、塩化水素、フッ化水素などの酸性不純物も除去することができ、窒素酸化物と同様にして、各種酸性不純物を化学吸着する。例えば二酸化硫黄は(化5)で示すように反応して硫酸カルシウムとして化学吸着して固定される。
Figure 2006032078
したがって、単に吸着するのではなく、酸性不純物とアルカリを反応させて窒素酸化物除去手段9上に固定するので、濃度や温度により脱着するようなことがなく、脱着した高濃度の酸性不純物が燃料電池に混入して電池性能を劣化させることを防ぐことができる。
また、多孔質で比表面積の大きい活性炭を用いるので、細孔に添着する量を増加させることができ、窒素酸化物を吸収除去できる寿命を延ばすことができる。
また、ハニカム型の構造体とすることにより、反応面積を大きくすることができ、導入する酸化剤ガスの窒素酸化物除去手段9による圧力損失が下がり、窒素酸化物除去手段9の目詰まりを抑制するので、空気供給手段などの負荷に影響が及ばず、発電効率を高い状態のまま保持することができる。
有機物除去手段10は、繊維状の活性炭シートを用い、コルゲート型構造に成形した。多孔質な活性炭を用いるので、その細孔にトルエン、メチルエチルケトン、トリクロロエチレンなどの有機物を吸着することができ、これらの不純物による電池性能の低下を抑制することができる。
アルカリ除去手段11は、繊維状の活性炭シートにアルカリ性不純物の吸収剤として一定濃度に調整したリン酸溶液を含浸させ、分離して、乾燥して、さらにシートをコルゲート型に加工した。リン酸は活性炭繊維の表面に固定され、アンモニアなどのアルカリ性不純物と(化6)で示すように反応して生成したリン酸アンモニウムを活性炭繊維の表面に固定して化学吸着させる。
Figure 2006032078
したがって、単に吸着するのではなく、不純物と添着物質を反応させてアルカリ除去手段11上に固定するので、濃度や温度により脱着するようなことがなく、脱着した不純物が燃料電池に混入して電池性能を劣化させることを防ぐことができる。
また、繊維状の活性炭を用いることにより、軽量化を図ることができるだけでなく、形状やサイズの自由度が増し、かけや割れといった破損をなくすことができる。また、コルゲート型の構造体とすることにより、反応面積を大きくすることができる。
また、導入する酸化剤ガスの有機物除去手段10およびアルカリ除去手段11による圧力損失を下げることができ、有機物除去手段10およびアルカリ除去手段11の目詰まりを抑制するので、空気供給手段などの負荷に影響が及ばず、発電効率を高い状態のまま保持することができる。
除塵フィルター12は、ポリプロピレンなどからなる繊維を帯電させた後、粗フィルター8より目付量を増やして織った不織布をプリーツ状にして、枠に固定して作製した。静電気を帯びた繊維一本一本がクーロン力や誘起力の作用で、空気中に浮遊するミクロの粉塵を引き付け吸着するので、還元ガス中の粉塵などの粒子状物質および前段の窒素酸化物除去手段9や有機物除去手段10およびアルカリ除去手段11自身から発生する粉塵などの粒子状物質を効率よく除去することができる。
活性炭の細孔には様々な官能基が形成されていると思われ、官能基の種類によっては、窒素酸化物の内の二酸化窒素を一酸化窒素に還元する場合がある。一酸化窒素は二酸化窒素に比べて活性炭では吸着しにくいため、一酸化窒素の量はできるだけ少ないほうが、電池電圧に与える影響が小さい。
本実施の形態においては、窒素酸化物除去手段9により窒素酸化物を除去した後、有機物除去手段10およびアルカリ除去手段11を配置するので、有機物除去手段10およびアルカリ除去手段11に含まれる活性炭により還元される二酸化窒素の量を減少させることができ、二酸化窒素に比べて活性炭では吸着除去しにくい一酸化窒素の量を減少させるので、一酸化窒素による電池電圧の低下を抑制することができる。
上記のフィルター構成により、酸化剤ガス中に存在する窒素酸化物を除去して、燃料電池5への混入を防止するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
また、フィルター全体の通気抵抗も非常に少なく、フィルターによる圧力損失は100Pa程度であり、空気供給手段などの負荷に影響を及ぼさず、発電効率を高い状態のまま保持することができる。
上記構成の燃料電池発電装置を用いて、各種フィルターの性能を確認した。
まず、アノード21に不純物を含まない清浄な燃料ガス、カソード22にも不純物を含まない清浄な酸化剤ガスを露点がそれぞれ65℃、70℃となるように加湿して所定量供給した。燃料ガスには約20%の二酸化炭素が含まれている。そして、セル温度約70℃、燃料ガス利用率約75%、酸化剤ガス利用率約40%とし、電子負荷により電極面積に対して約0.2A/cmの一定電流を流した。このとき燃料電池に接続した電圧検出部で検出した電池電圧は約0.75Vで安定していた。
次に、カソード22に0.06ppmの二酸化窒素を添加した酸化剤ガスを供給し、同様の発電試験を行ったところ、電圧がふらつきながら徐々に低下し、約10時間後に電池電圧は0.74Vまで低下した。
次に、カソード22側に窒素酸化物除去手段9を取り付け、同様の発電試験を行ったところ、電池電圧は低下することなく、またふらつくことなく安定した値を示した。試験結果を図2にしめす。これらの試験により、本実施の形態のフィルターが酸化剤ガス中に含まれる不純物を効率よく除去することが判った。
(実施の形態2)
本実施の形態の特長は、窒素酸化物除去手段9が、アルカリ性の官能基を付与したイオン交換樹脂である点であり、それ以外の構成は第一の実施の形態と同様の構成である。
イオン交換樹脂は、親水性のポリマーにアミノ基などの官能基を付与し、硝酸イオンを吸着するように成形した。
上記構成によれば、窒素酸化物を硝酸イオンとして吸着除去するので、二酸化窒素および一酸化窒素など窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態の特長は、オゾン発生器を備え、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素をオゾンで酸化して二酸化窒素とし、窒素酸化物除去手段9で除去し、備えたオゾン分解器で酸化剤ガス中に残存するオゾンを除去して燃料電池に供給する点であり、それ以外の構成は第一の実施の形態と同様の構成である。
本実施の形態によれば、二酸化窒素に比べて吸着除去しにくい一酸化窒素をあらかじめオゾンで二酸化窒素に酸化するので、一酸化窒素および二酸化窒素など窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
また、電池電圧に影響を与えるオゾンを除去してから酸化剤ガスを供給するので、酸化剤ガス中の酸素濃度が一定となり、電池性能の安定化を図ることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態の特長は、窒素酸化物除去手段9が、少なくとも無機過酸化物または過マンガン酸塩を含む点であり、それ以外は第一の実施の形態と同様の構成である。
無機過酸化物は、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウムのいずれかであり、過マンガン酸塩としては、過マンガン酸カリウムが効果的である。
いずれも強力な吸着剤であり、一酸化窒素などの物質を強く酸化させる固体であり、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素および二酸化窒素などの窒素酸化物を硝酸イオンとして効率よく吸収除去するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態の特長は、窒素酸化物除去手段9が、酸素欠損を有するペロブスカイト型複合金属酸化物を含む点であり、それ以外の構成は第一の実施の形態と同様の構成である。
酸素欠損を有するペロブスカイト型複合金属酸化物は、その構造的特徴から格子内に窒素酸化物を取り込み、酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を窒素と酸素に分解除去するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態の特長は、光触媒を備え、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素を二酸化窒素とし、窒素酸化物除去手段に流通させる点であり、それ以外の構成は第一の実施の形態と同様の構成である。
光触媒は、酸化チタンからなり、紫外線などの光エネルギーによって活性を帯び、その結果、強い光触媒作用を持ち、一酸化窒素などを効率よく吸着、分解することができる。
したがって、上記構成によれば、二酸化窒素に比べて吸着しにくい一酸化窒素をあらかじめ二酸化窒素に変換し、窒素酸化物除去手段9により、二酸化窒素を効率よく除去するので、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池発電装置は、酸化剤ガス中に含まれる不純物の窒素酸化物による劣化の抑制または耐久性の向上という効果を有し、高分子型固体電解質膜を用いた発電装置、デバイスに有用である。
また、酸化剤ガス中に排気ガスなど不純物として窒素酸化物が存在する可能性のある屋外に設置される定置用燃料電池コジェネレーションシステムに有用である。
本発明の実施の形態1の燃料電池発電装置の概略構成図 同装置の電池電圧特性図 従来の燃料電池発電装置の概略構成図
符号の説明
1 電解質
5 燃料電池
9 窒素酸化物除去手段
10 有機物除去手段
11 アルカリ除去手段
21 電極(アノード)
22 電極(カソード)
41、42 セパレータ板

Claims (9)

  1. 少なくとも酸素を含む酸化剤ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段と、電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給排出し、他方に前記窒素酸化物を除去した前記酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一対のセパレータ板とからなる少なくとも一つのセルを備えた燃料電池を備えてなる燃料電池発電装置。
  2. 窒素酸化物除去手段は、活性炭に窒素酸化物を吸収するアルカリを添着した活性炭フィルターである請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  3. 有機物を吸着する活性炭からなる有機物除去手段と、活性炭にアルカリを吸収する酸を添着したアルカリ除去手段とを備え、酸化剤ガスを窒素酸化物除去手段に流通させた後、前記有機物除去手段および前記アルカリ除去手段に流通させる請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
  4. 窒素酸化物除去手段は、アルカリ性の官能基を付与したイオン交換樹脂である請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  5. オゾン発生器を備え、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素をオゾンで酸化して二酸化窒素とし、窒素酸化物除去手段に流通させる請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  6. オゾン分解器を備え、酸化剤ガス中に含まれるオゾンを除去して燃料電池に供給する請求項1又は5に記載の燃料電池発電装置。
  7. 窒素酸化物除去手段は、少なくとも無機過酸化物または過マンガン酸塩を含む請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  8. 窒素酸化物除去手段は、酸素欠損を有するペロブスカイト型複合金属酸化物を含む請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  9. 光触媒を備え、酸化剤ガス中に含まれる一酸化窒素を二酸化窒素とし、窒素酸化物除去手段に流通させる請求項1に記載の燃料電池発電装置。
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