JP2006031956A - 熱応動スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】 組立性が良く、小型化が可能な自己保持型の熱応動スイッチを提供する。
【解決手段】 絶縁性のケース1と、ケース1に一部が表出して配設された第1及び第2の固定端子2、3と、第1の固定端子2に一端側が接続され他端側に第2の固定端子3と接離する可動接点7が固着された反転可能なバイメタル片6と、バイメタル片6の近傍に配設され発熱することでバイメタル片6の反転を保持する波爪ツ体4と、ケース1と重合される絶縁性のカバー8とを備え、第1の固定端子2の一端側をケース1の底面中央に延出して表出させると共に、第2の固定端子3の一端側に弾性を有する金属製の板ばね片5を設け、第1の固定端子2の表出部と板ばね片5との間に発熱体4を圧接して保持し、発熱体4を第1及び第2の固定端子2、3間に前記バイメタル片6と並列に接続配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】 絶縁性のケース1と、ケース1に一部が表出して配設された第1及び第2の固定端子2、3と、第1の固定端子2に一端側が接続され他端側に第2の固定端子3と接離する可動接点7が固着された反転可能なバイメタル片6と、バイメタル片6の近傍に配設され発熱することでバイメタル片6の反転を保持する波爪ツ体4と、ケース1と重合される絶縁性のカバー8とを備え、第1の固定端子2の一端側をケース1の底面中央に延出して表出させると共に、第2の固定端子3の一端側に弾性を有する金属製の板ばね片5を設け、第1の固定端子2の表出部と板ばね片5との間に発熱体4を圧接して保持し、発熱体4を第1及び第2の固定端子2、3間に前記バイメタル片6と並列に接続配置した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱応動スイッチに係り、特に過電流、または、過電流及び過熱に対する自己保持型の熱応動スイッチの構造に関する。
従来の自己保持型の熱応動スイッチの構造としては、可動接点板と固定接点板との間に通電により発熱する電子素子である正特性サーミスタ(PTC素子)を保持する構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、従来の自己保持型の熱応動スイッチの構造を図に基づいて説明する。
図9は従来の自己保持型の熱応動スイッチを示す縦断面図、図10は従来の自己保持型の熱応動スイッチの要部の構成を示す分解斜視図である。
図9は従来の自己保持型の熱応動スイッチを示す縦断面図、図10は従来の自己保持型の熱応動スイッチの要部の構成を示す分解斜視図である。
この熱応動スイッチは、たとえばナイロンからなる扁平な箱型ケース110を有し、ケース110の内側に装置要部(過電流または過熱に対する保護機構)を収容し、ケース110の開口より、たとえば真鍮等の導電板からなる一対の外部接続端子112,114を突出させてなる。ケース110の開口は、たとえばエポキシ等の樹脂体116で密閉または封止されている。
ケース110内において、外部接続端子112よりケース110の内壁面に沿ってケース内奥ないし底まで延在する導電板118は固定電極を形成しており、この固定電極118の先端部にはたとえば銀合金からなる固定接点120が取付されている。
ケース110内において、外部接続端子112よりケース110の内壁面に沿ってケース内奥ないし底まで延在する導電板118は固定電極を形成しており、この固定電極118の先端部にはたとえば銀合金からなる固定接点120が取付されている。
封止用樹脂体116の内側で固定電極118上には、たとえばインサート成形で固定電極118と一体に、たとえばナイロンからなる支持および断熱用の樹脂ブロック122が設けられている。この樹脂ブロック122の中間部には穴122aが形成されており、この穴122aにたとえば扁平な直方体状の正特性サーミスタ124が下半部を入れるようにして取付される。正特性サーミスタ124の下部電極端子面124aは、たとえば銀エポキシ等の導電性接着材で固定電極118に接着される。
可動電極126は、たとえば銅−黄銅合金からなり、図10に示すように、靴敷状のバイメタル部126aと、このバイメタル126aの基端に一体に接続された四角リングまたは枠状の係合部126bと、この枠状係合部126bの一端から外方へ延在する鉤状の係合部126cとを有している。バイメタル部126aの先端部には、たとえば銀合金からなる可動接点128が取付されている。
樹脂ブロック122の中間角状***部122cが枠状押さえ部130の凹所130aに熱でかしめられることにより、可動電極126がバイメタル部126aの基端部126dにて正特性サーミスタ124の上部電極端子面124bに圧着される。この圧着部(126d,124b)で、正特性サーミスタ124と可動電極126との間に電気的接続が形成されると同時に、可動電極126のバイメタル部126aの変位の支点が形成される。
動作を説明すると、可動電極126のバイメタル部126aは、原状態では、図9に示すように、先端部を下方に垂らした姿勢で、可動接点128を固定接点120に対して適度な接圧で押圧している。この原状態の下で、端子114と、端子112間に電流が流れると、バイメタル部126aは、主として自己の抵抗発熱で加熱されるとともに固定電極118等の周囲の導電体の抵抗発熱によっても加熱される。接点閉状態では、両接点120,128を介して電流がほぼ短絡状態で両電極118,126間を流れるため、正特性サーミスタ124側には実質的な電流が流れず、正特性サーミスタ124はほとんど発熱しない。
しかし、過電流または負荷の加熱によって動作温度に達すると、バイメタル部126aは先端部が持ち上がるように変位する。この際、バイメタル部126aは正特性サーミスタ124に圧着されている基端部126dを支点として変位する。このバイメタル部126aの変位によって、可動接点128が固定接点120から分離し、接点開状態となり、電流が切られる。
このようにして接点開状態になると、両電極118,126間の電圧が正特性サーミスタ124に印加され、正特性サーミスタ124が動作つまり通電して発熱する。このような正特性サーミスタ124の発熱によって、バイメタル部126aが変位位置または応動位置に保持され、両接点120,128は分離したままの状態を維持する。
しかしながら、上述した従来の自己保持型の熱応動スイッチにおいては、可動接点板と固定接点板との間に正特性サーミスタ(PTC素子)を挟み込んだ後に、これらを一体化した状態でケース内に組み込み、外部接続端子を突出させたケースの開口を樹脂封止するため、取り扱いや、組み立て作業が煩雑であり、小型化ができないという問題があった。
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、組立性が良く、小型化が可能な自己保持型の熱応動スイッチを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、絶縁性のケースと、このケースに一部が表出して配設された第1及び第2の固定端子と、前記第1の固定端子に一端側が接続され他端側に前記第2の固定端子と接離する可動接点が固着された反転可能なバイメタル片と、前記バイメタル片の近傍に配設され発熱することで前記バイメタル片の反転を保持する発熱体と、前記ケースと重合される絶縁性のカバーとを備え、前記第1の固定端子の一端側を前記ケースの底面中央に延出して表出させると共に、前記第2の固定端子の一端側に弾性を有する金属製の板ばね片を設け、前記第1の固定端子の表出部と前記板ばね片との間に前記発熱体を圧接して保持し、前記発熱体を前記第1及び第2の固定端子間に前記バイメタル片と並列に接続配置した構成とした。
また、第2の解決手段として、前記バイメタル片には、反転可能な膨出したドーム状反転部を形成し、このドーム状反転部に対向させて前記発熱体を配置した構成とした。
また、第3の解決手段として、前記板ばね片に、前記第2の固定端子に設けられた固定接点が露出する開口部を設け、この開口部を介して前記バイメタル片に設けられた前記可動接点と前記固定接点とを接離させた構成とした。
また、第4の解決手段として、前記板ばね片を前記第2の固定端子に溶接固定すると共に、前記板ばね片と前記固定接点との間に溶接時の異物付着を防止する壁部を設けた構成とした。
また、第3の解決手段として、前記板ばね片に、前記第2の固定端子に設けられた固定接点が露出する開口部を設け、この開口部を介して前記バイメタル片に設けられた前記可動接点と前記固定接点とを接離させた構成とした。
また、第4の解決手段として、前記板ばね片を前記第2の固定端子に溶接固定すると共に、前記板ばね片と前記固定接点との間に溶接時の異物付着を防止する壁部を設けた構成とした。
また、第5の解決手段として、前記第2の固定端子の、前記固定接点が設けられた周辺部に窪み部を形成すると共に、前記板ばね片の開口部周縁に、下方へ向けた折返し部を形成し、この折返し部を前記窪み部に係合して、前記板ばね片を前記第2の固定端子に溶接固定した構成とした。
また、第6の解決手段として、前記ケースと前記カバーを、超音波溶着によって密着させた構成とした。
また、第6の解決手段として、前記ケースと前記カバーを、超音波溶着によって密着させた構成とした。
以上説明したように、本発明の熱応動スイッチは、絶縁性のケースと、ケースに一部が表出して配設された第1及び第2の固定端子と、第1の固定端子に一端側が接続され他端側に第2の固定端子と接離する可動接点が固着された反転可能なバイメタル片と、バイメタル片の近傍に配設され発熱することでバイメタル片の反転を保持する発熱体と、ケースと重合される絶縁性のカバーとを備え、第1の固定端子の一端側をケースの底面中央に延出して表出させると共に、第2の固定端子の一端側に弾性を有する金属製の板ばね片を設け、第1の固定端子の表出部と板ばね片との間に発熱体を圧接して保持し、発熱体を第1及び第2の固定端子間にバイメタル片と並列に接続配置したことから、カバーと分割した一方のケースの第1と第2の固定端子間に、金属製の板ばね片を介して発熱体を圧接保持してバイメタル片と並列に接続配置したので、一方のケース側を基台として組立が可能で、上側からカバーを被せることにより密封できるので、簡単に組立が行なえ、小型化が可能となる。
また、金属製の板ばね片の弾性により発熱体を圧接保持したので、部品や組立精度のバラツキを吸収でき、発熱体の割れや損傷を防止できる。
また、金属製の板ばね片の弾性により発熱体を圧接保持したので、部品や組立精度のバラツキを吸収でき、発熱体の割れや損傷を防止できる。
また、バイメタル片には、反転可能な膨出したドーム状反転部を形成し、ドーム状反転部に対向させて発熱体を配置したことから、スイッチの厚み方向を大きくすることなく、バイメタル片に発熱体を近接させることができ、バイメタル片反転時の発熱体の発熱を効率良くバイメタル片へ伝達できる。
また、板ばね片に、第2の固定端子に設けられた固定接点が露出する開口部を設け、開口部を介してバイメタル片に設けられた可動接点と固定接点とを接離させたことから、可動接点と板ばね片との干渉を無くし、接点部の小型化が図れる。
また、板ばね片を第2の固定端子に溶接固定すると共に、板ばね片と固定接点との間に溶接時の異物付着を防止する壁部を設けたことから、板ばね片を第2の固定端子に溶接固定する際に溶融して発生する異物が、壁部で阻止され、固定接点へ付着するのを防止できる。
また、板ばね片に、第2の固定端子に設けられた固定接点が露出する開口部を設け、開口部を介してバイメタル片に設けられた可動接点と固定接点とを接離させたことから、可動接点と板ばね片との干渉を無くし、接点部の小型化が図れる。
また、板ばね片を第2の固定端子に溶接固定すると共に、板ばね片と固定接点との間に溶接時の異物付着を防止する壁部を設けたことから、板ばね片を第2の固定端子に溶接固定する際に溶融して発生する異物が、壁部で阻止され、固定接点へ付着するのを防止できる。
また、第2の固定端子の、固定接点が設けられた周辺部に窪み部を形成すると共に、板ばね片の開口部周縁に、下方へ向けた折返し部を形成し、折返し部を窪み部に係合して、板ばね片を第2の固定端子に溶接固定したことから、板ばね片を第2の固定端子へ溶接固定する際に溶融して発生する異物等が、折返し部で阻止され、固定接点へ付着するのを防止できる。
また、ケースとカバーを、超音波溶着によって密着させたことから、正特性サーミスタは板ばね片によって弾性をもって保持されており、超音波溶着時の振動を加えても割れや損傷の虞がないので、ケースとカバーの密閉性を高めることができ、外部からの液体やガスの侵入を防止できる。
また、ケースとカバーを、超音波溶着によって密着させたことから、正特性サーミスタは板ばね片によって弾性をもって保持されており、超音波溶着時の振動を加えても割れや損傷の虞がないので、ケースとカバーの密閉性を高めることができ、外部からの液体やガスの侵入を防止できる。
以下、本発明の熱応動スイッチの実施形態を図1乃至図8に示す。図1は本発明の熱応動スイッチの分解斜視図、図2は熱応動スイッチのカバーを外した状態の断面図、図3は熱応動スイッチのケースに正特性サーミスタを取り付けた状態を示す平面図、図4は熱応動スイッチのケースに正特性サーミスタを取り付けた状態を示す断面図、図5は熱応動スイッチの第2の固定端子と板ばね片の固着部分の要部断面図、図6は板ばね片の平面図、図7は板ばね片の正面図、図8はバイメタル片の反転動作時の動作説明図である。
図において、絶縁性のケース1は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された箱状に形成されており、収納部1aが設けられている。このケース1の収納部1aの内底部には、後述する各固定端子が一体的に埋設されて、その一端側の一部が表出して配設されており、この各固定端子の他端側はケース1の両側面側からそれぞれ外方へ導出されたものとなっている。また、ケース1の内底部中央には、円形状の凹溝1bが設けられている。また、ケース1の開口の一方の2角部には、上方へ突出するボス1cが設けられており、このボス1cと後述するカバー8の係合凹部8aとが係止されてカバー8がケース1に位置決めされるものとなっている。
第1の固定端子2は、黄銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第1の固定端子2の一端側は、前記ケース1の内部で底面側に屈曲されて、前記ケース1の収納部1aの中央に延出して配設されており、この延出された先端が前記凹溝1bの内底面に表出されて接触片2aが設けられている。また、収納部1aの一端側で、前記接触片2aと導通する根元付近には、プレスなどで上方へ偏肉させた突出部2bが形成されており、この突出部2bは後述するバイメタル片6の一端部に固着される溶着部となっている。
また、第1の固定端子2の他端側は、前記ケース1の内部で底面側に屈曲されており、この屈曲された先端側が、前記ケース1の側面部から外方へ導出されて、他の電子機器などに接続される接続端子部2cが設けられている。
更に、第1の固定端子2の前記接触片2aには、後述する発熱体としての静特性サーミスタの電極との接触を安定させるための突部2d、2d、2dが離間して突出形成されている。
更に、第1の固定端子2の前記接触片2aには、後述する発熱体としての静特性サーミスタの電極との接触を安定させるための突部2d、2d、2dが離間して突出形成されている。
第2の固定端子3は、同じく黄銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第2の固定端子3の一端側は、前記ケース1の収納部1aの他端側に表出されており、その中央には後述する可動接点7と当接する固定接点3aが設けられている。また、この固定接点3aを挟んで両側には、固定接点3aを囲むように一対の長尺状の窪み部3bが設けられている。
また、第2の固定端子3の他端側は、前記第1の固定端子2と同じように、前記ケース1の内部で底面側に屈曲されており、この屈曲された先端側が、前記ケース1の側面部から外方へ導出されて、他の電子機器などに接続される接続端子部3cが設けられている。
また、前記凹溝1bには、発熱体としての正特性サーミスタ4が保持されている。この正特性サーミスタ4は、通電により発熱する電子素子(PTC素子)で、円板状をして、上下に電極を有しており、この正特性サーミスタ4の上下の電極が、前記凹溝1bの内底面に表出された前記第1の固定端子2の接触片2aと、前記第2の固定端子3の一端側に固着される後述する板ばね片5のばね部5aとの間に挟持され、電気的に接続した状態で保持されるものとなっている。
この正特性サーミスタ4は、後述するバイメタル片6が温度変化により反転した場合に、自己発熱してバイメタル片6を過熱し、その反転状態を保持する自己保持動作を行なわせるようになっている。尚、発熱体としては、正特性サーミスタの他に、発火のおそれのないセラミック等の抵抗体を用いることも可能である。
板ばね片5は、ばね性を有する導電性の金属板で形成され、略平板状のばね部5aと、このばね部5aの両端から開口部5bを挟んでコ字状に延びる一対の取付部5cとを有している。この取付部5cの開口部5bを挟んで対向する周縁部には、下方へ向けた折返し部5dが設けられている。また、ばね部5aには、発熱体の電極部との接触を安定させるための突部5e、5eと、溶接用の突部5f、5fが形成されている。この板ばね片5は、ばね部5aが前記凹溝1bの内底面に表出された前記第1の固定端子2の接触片2aと対向した状態で、取付部5cが前記第2の固定端子3の一端側に抵抗溶接などの方法で固着されるものとなっている。
この時、前記板ばね片5は、取付部5cの開口部5bから、前記第2の固定端子3の一端側の中央に設けられた固定接点3aが露出した状態で取り付けられると共に、取付部5cの開口部5bの周縁部に設けられた折返し部5dが、前記溶接用の突部5fと固定接点3aとの間に位置し、固定端子3に固定接点3aを囲むように設けられた一対の長尺状の窪み部3b内に係合した状態で取り付けられるものとなっている。
このように、前記板ばね片5に、前記第2の固定端子3に設けられた固定接点3aが露出する開口部5bを設け、この開口部5aを介して後述するバイメタル片6に設けられた可動接点7と前記固定接点3aとを接離させるようにしたので、可動接点7と前記板ばね片5との干渉を無くし、スイッチの接点部の小型化が図れるものとなる。
また、第2の固定端子3の、固定接点3aが設けられた周辺部に窪み部3bを形成すると共に、板ばね片5の開口部5a周縁に、下方へ向けた折返し部5dを形成し、この折返し部5dを前記窪み部3bに係合して、前記板ばね片5を前記第2の固定端子3に溶接固定するようにしたので、前記板ばね片5を前記第2の固定端子3へ溶接固定する際に、溶融して発生する異物等が、前記折返し部5dで阻止され、固定接点3aへ付着するのを防止できるものとなる。
尚、溶接時の異物付着の阻止を折返し部5dで行なうものに代えて、板ばね片の溶接用突部5fと固定接点3aとの間に、溶接面よりも高い防御壁を形成するようにしても良い。この場合、防御壁は固定端子3の一部を***させても良いし、樹脂成形で形成しても良いが、何れの場合でも防御壁はバイメタル片6と干渉しない高さに形成する必要がある。
尚、溶接時の異物付着の阻止を折返し部5dで行なうものに代えて、板ばね片の溶接用突部5fと固定接点3aとの間に、溶接面よりも高い防御壁を形成するようにしても良い。この場合、防御壁は固定端子3の一部を***させても良いし、樹脂成形で形成しても良いが、何れの場合でも防御壁はバイメタル片6と干渉しない高さに形成する必要がある。
前記板ばね片5は、前記ケース1の内底部中央に設けられた凹溝1bに保持された正特性サーミスタ4の上側に配設されて、この正特性サーミスタ4の上側の電極の一端とばね部5aが接続され、この板ばね片5の有する弾性によって正特性サーミスタ4の下側の電極の他端を前記凹溝1bの内底面に表出された接触片2aに圧接して保持している。このように、板ばね片5のばね性によって正特性サーミスタ4を弾性保持できるので、破損を防止して確実に保持できると共に、第1の固定端子2と第2の固定端子3との電気的な接続を確実なものとすることができる。
尚、上記実施例においては、前記板ばね片5の有する弾性によって、前記正特性サーミスタ4の下側の電極の他端を、前記ケース1の内底部の凹溝1bの内底面に表出された前記固定端子2の一端側の接触片2aに圧接して保持するように形成したが、この場合、図示はしないが、前記固定端子2の一端側を固定端子2の材厚よりも薄くなるように薄肉化し、この薄肉部が、前記凹溝1bの内底面に表出するように前記ケース1にインサート成形等の方法で埋設して、正特性サーミスタ4の下側の電極の受面としても良い。
この場合には、固定端子2をケース1に精度良く形成でき、ケース1の厚さを薄型化することができるものとなる。
この場合には、固定端子2をケース1に精度良く形成でき、ケース1の厚さを薄型化することができるものとなる。
バイメタル片6は、例えば、熱膨張率の高い材料からなる高膨張材と、これよりも熱膨張率の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる少なくとも2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。このバイメタル片6の一端側は、前記第1の固定端子2に設けられた前記突出部2bにレーザー溶接等の方法で固着されたものとなっている。一方、このバイメタル片6の自由端となる他端側には、前記固定接点3aと接離する、銀酸化錫等からなる可動接点7がレーザー溶接等の方法で固着されている。
この場合、前記第1の固定端子2と前記バイメタル片6の一端側との結合箇所は、第1の固定端子2に一部突出して形成した前記突出部2bとの部分的結合となるようにしてあるので、前記バイメタル片6が反転動作する場合に反転し易く、動作特性を阻害しないようになっている。
また、前記バイメタル片6の中央部には、反転作用を助長するための膨出したドーム状の反転部6aが形成されており、この反転部6aを形成することで、前記バイメタル片6の、温度特性、すなわち、温度に応じた反転動作を確実に行えるようにしている。
また、前記バイメタル片6の中央部には、反転作用を助長するための膨出したドーム状の反転部6aが形成されており、この反転部6aを形成することで、前記バイメタル片6の、温度特性、すなわち、温度に応じた反転動作を確実に行えるようにしている。
絶縁性のカバー8は、合成樹脂などの絶縁材から下面が開口した箱状に形成されている。また、カバー8の開口の一方の2角部には、窪み状の係合凹部8aが設けられており、この係合凹部8aと前記ケース1のボス1cとが係止されてケース1とカバー8が位置決めされて重合されるものとなっている。この場合、前記ケース1の収納部1aの周縁部とカバー8の下面の開口の周縁部が密着して重合されるものとなる。
上記構成の熱応動スイッチを組立てるには、第1及び第2の固定端子2、3が配設されたケース1の収納部1aの凹溝1bに、正特性サーミスタ4を収納し、正特性サーミスタ4の上側の電極に、板ばね片5のばね部5aを接続した状態で、板ばね片5の取付部5cを第2の固定端子3の一端側に抵抗溶接などの方法で固着することで、板ばね片5で、正特性サーミスタ4の下側の電極を第1の固定接点2の接触片2aに圧接して保持する。
尚、この時、板ばね片5のばね部5aは、正特性サーミスタ4の上面の半分以上の面を覆うように延出されており、凹溝1bとで確実に保持している。そのため、落下等の衝撃が加わった場合でも、正特性サーミスタが脱落したり、バイメタル片6を破損することがない。
尚、この時、板ばね片5のばね部5aは、正特性サーミスタ4の上面の半分以上の面を覆うように延出されており、凹溝1bとで確実に保持している。そのため、落下等の衝撃が加わった場合でも、正特性サーミスタが脱落したり、バイメタル片6を破損することがない。
この時、板ばね片5は、取付部5cの開口部5bから、第2の固定端子3の一端側の中央に設けられた固定接点3aが露出した状態で取り付けられ、取付部5cの開口部5bの周縁部に設けられた折返し部5dが、固定端子3の長尺状の窪み部3b内に係合した状態で取り付けられる。
次に、ケース1の収納部1aに、固定接点3aと可動接点7を対向させてバイメタル片6を挿入して、バイメタル片6の一端側を第1の固定端子2の突出部2bにレーザー溶接などの方法で固着する。この時、固定接点3aと可動接点7は電気的に接続した状態となっている。この状態で、スイッチブロックが形成される。
次に、スイッチブロックの上側から、カバー8を被せ、ケース1の収納部1aの2角部に設けられたボス1cと、カバー8の開口の2角部に設けられた係合凹部8aとを係止して位置決めし重ね合わせる。そして、ケース1とカバー8との重合面を超音波溶着などの方法で溶着して、スイッチブロックとカバー8とを一体化させて組立てが完了する。
この状態では、第1及び第2の固定端子2、3間がバイメタル片6を介して電気的に導通状態となっており、また、正特性サーミスタ4が第1及び第2の固定端子2、3間に並列に接続されたものとなっている。
尚、この場合、板ばね片5のばね部5aを、正特性サーミスタ4に弾接した状態で、ケース1とカバー8とを、超音波溶着によって一体的に密着させるようにしているため、正特性サーミスタ4は板ばね片5によって弾性をもって保持されており、超音波溶着時の振動を加えても割れや損傷の虞がないので、ケース1とカバー8の密閉性を高めることができ、外部からの液体やガスの侵入を防止できるものとなっている。また、板ばね片5のばね部5aが、凹溝16に収納された正特性サーミスタ4をひさし状に覆っているので、落下等による衝撃が加わっても、正特性サーミスタの脱落や、バイメタル片6の破損のおそれがない。
次に、上記構成の熱応動スイッチの動作について説明する。
図2に示すように、常温及び通常の使用温度においては、お互いに対向されて配置されている可動接点7と固定接点3aは、お互いに接触して接点がオン状態となっている。この時、第1及び第2の固定端子2、3間には、バイメタル片6と、正特性サーミスタ4が並列に接続されているが、正特性サーミスタ4の有する内部抵抗値に対してバイメタル片6の抵抗値の方が極端に小さいため、正特性サーミスタ4には電流が流れず、第1及び第2の固定端子2、3間に印加された電流はバイメタル片6を流れるものとなる。
したがって、正特性サーミスタ4側には実質的な電流が流れず、正特性サーミスタ4はほとんど発熱しない。
図2に示すように、常温及び通常の使用温度においては、お互いに対向されて配置されている可動接点7と固定接点3aは、お互いに接触して接点がオン状態となっている。この時、第1及び第2の固定端子2、3間には、バイメタル片6と、正特性サーミスタ4が並列に接続されているが、正特性サーミスタ4の有する内部抵抗値に対してバイメタル片6の抵抗値の方が極端に小さいため、正特性サーミスタ4には電流が流れず、第1及び第2の固定端子2、3間に印加された電流はバイメタル片6を流れるものとなる。
したがって、正特性サーミスタ4側には実質的な電流が流れず、正特性サーミスタ4はほとんど発熱しない。
この状態から何らかの原因で温度が上昇すると、図8に示すように、可動接点7が固着されているバイメタル片6に設けられた反転部6aが、温度の上昇に応じて反転動作を行う。この時、バイメタル片6に固着されている可動接点7は、バイメタル片6と共に駆動され、固定接点3aから離間することとなり、接点がオフ状態となる。この場合、反転したバイメタル片6の反転部6aは、その膨出部が反転し、正特性サーミスタ4の方向、即ち、ケース1の内底面の方向へ突出する。
このようにして接点がオフ状態になると、第1及び第2の固定端子2、3間の電圧が正特性サーミスタ4に印加され、正特性サーミスタ4が動作、つまり通電して発熱するものとなる。このような正特性サーミスタ4の発熱によって、バイメタル片6は、図8に示す反転位置に保持され、可動接点7と固定接点3aはオフしたままの状態を維持するものとなる。すなわち、自己保持状態となる。
この時、正特性サーミスタ4の発熱は、バイメタル片6のドーム状の反転部6aを、正特性サーミスタ4に対向させて近接して配置したことから、効率良くバイメタル片6に伝達されるものとなる。
この時、正特性サーミスタ4の発熱は、バイメタル片6のドーム状の反転部6aを、正特性サーミスタ4に対向させて近接して配置したことから、効率良くバイメタル片6に伝達されるものとなる。
このように、バイメタル片6に、反転可能な膨出したドーム状の反転部5aを形成し、ドーム状の反転部5aに対向させて正特性サーミスタ4を配置したことから、スイッチの厚み方向を大きくすることなく、バイメタル片6に正特性サーミスタ4を近接させることができ、バイメタル片6反転時の正特性サーミスタ4の発熱を効率良くバイメタル片6へ伝達できるものとなっている。
この自己保持された接点のオフ状態を解除するには、第1及び第2の固定端子2、3間の印加電圧を切ればよい。このようにして、この状態から温度が下降して元の常温に戻ると、バイメタル片6の反転部6aは温度の下降に応じて反転復帰し、正特性サーミスタ4の方向とは反対の方向へ突出することから、可動接点7が固定接点3にa接触して接点がオン状態となり、初期の状態に復帰するものとなる。
上述した、本発明の熱応動スイッチの構造においては、前記第1の固定端子2の一端側を前記ケース1の底面中央に延出して表出させると共に、前記第2の固定端子3の一端側に弾性を有する金属製の前記板ばね片5を設け、前記第1の固定端子2の表出部と前記板ばね片5との間に正特性サーミスタ4を圧接して保持し、この正特性サーミスタ4を前記第1及び第2の固定端子2、3間に前記バイメタル片6と並列に接続配置したことから、カバー8と分割した一方の前記ケース1の第1と第2の固定端子2、3間に、金属製の前記板ばね片5を介して前記正特性サーミスタ4を圧接保持して前記バイメタル片6と並列に接続配置したので、一方の前記ケース1側を基台として組立が可能で、上側から前記カバー8を被せることにより密封できるので、簡単に組立が行なえ、小型化が可能となっている。
また、金属製の前記板ばね片5の弾性により前記正特性サーミスタ4を圧接保持したので、部品や組立精度のバラツキを吸収できるとともに、前記正特性サーミスタ4の割れや損傷を防止できるものとなっている。
また、金属製の前記板ばね片5の弾性により前記正特性サーミスタ4を圧接保持したので、部品や組立精度のバラツキを吸収できるとともに、前記正特性サーミスタ4の割れや損傷を防止できるものとなっている。
1:ケース
1a:収納部
1b:凹溝
1c:ボス
2:第1の固定端子
2a:接触片
2b:突出部
2c:接続端子部
2d:突部
3:第2の固定端子
3a:固定接点
3b:窪み部
3c:接続端子部
4:正特性サーミスタ(発熱体)
5:板ばね片
5aばね部
5b:開口部
5c:取付部
5d:折返し片
5e:突部
5f:突部
6:バイメタル片
6a:反転部
7:可動接点
8:カバー
8a:係合凹部
1a:収納部
1b:凹溝
1c:ボス
2:第1の固定端子
2a:接触片
2b:突出部
2c:接続端子部
2d:突部
3:第2の固定端子
3a:固定接点
3b:窪み部
3c:接続端子部
4:正特性サーミスタ(発熱体)
5:板ばね片
5aばね部
5b:開口部
5c:取付部
5d:折返し片
5e:突部
5f:突部
6:バイメタル片
6a:反転部
7:可動接点
8:カバー
8a:係合凹部
Claims (6)
- 絶縁性のケースと、このケースに一部が表出して配設された第1及び第2の固定端子と、前記第1の固定端子に一端側が接続され他端側に前記第2の固定端子と接離する可動接点が固着された反転可能なバイメタル片と、前記バイメタル片の近傍に配設され発熱することで前記バイメタル片の反転を保持する発熱体と、前記ケースと重合される絶縁性のカバーとを備え、前記第1の固定端子の一端側を前記ケースの底面中央に延出して表出させると共に、前記第2の固定端子の一端側に弾性を有する金属製の板ばね片を設け、前記第1の固定端子の表出部と前記板ばね片との間に前記発熱体を圧接して保持し、前記発熱体を前記第1及び第2の固定端子間に前記バイメタル片と並列に接続配置したことを特徴とする熱応動スイッチ。
- 前記バイメタル片には、反転可能な膨出したドーム状反転部を形成し、このドーム状反転部に対向させて前記発熱体を配置したことを特徴とする請求項1記載の熱応動スイッチ。
- 前記板ばね片に、前記第2の固定端子に設けられた固定接点が露出する開口部を設け、この開口部を介して前記バイメタル片に設けられた前記可動接点と前記固定接点とを接離させたことを特徴とする請求項1、又は2記載の熱応動スイッチ。
- 前記板ばね片を前記第2の固定端子に溶接固定すると共に、前記板ばね片と前記固定接点との間に溶接時の異物付着を防止する壁部を設けたことを特徴とする請求項3記載の熱応動スイッチ。
- 前記第2の固定端子の、前記固定接点が設けられた周辺部に窪み部を形成すると共に、前記板ばね片の開口部周縁に、下方へ向けた折返し部を形成し、この折返し部を前記窪み部に係合して、前記板ばね片を前記第2の固定端子に溶接固定したことを特徴とする請求項3記載の熱応動スイッチ。
- 前記ケースと前記カバーを、超音波溶着によって密着させたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の熱応動スイッチ。
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JP2004204644A Withdrawn JP2006031956A (ja) | 2004-07-12 | 2004-07-12 | 熱応動スイッチ |
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-
2004
- 2004-07-12 JP JP2004204644A patent/JP2006031956A/ja not_active Withdrawn
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