JP2006029629A - 点火器及びこれを有するガス発生器 - Google Patents

点火器及びこれを有するガス発生器 Download PDF

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幸二 中村
Yasushi Matsumura
也寸志 松村
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Abstract

【課題】 製造コストの低減を図るとともに、電極ピン保持強度の確保、着火薬の吸湿による劣化防止、熱衝撃等の耐環境性能の確保が可能な点火器及びそれを用いたガス発生器を提供する。
【解決手段】 熱硬化性樹脂組成物の硬化物(9)によって絶縁された2本の電極ピン(4,5)を有する塞栓(7)と、着火薬(2)が収納され、塞栓によって嵌合される管体(3)及び管体を覆うカップ状のスクイブケース(13)を一体に固定する絶縁体(6)と、電極ピンに接続されて設けられた点火手段(12)とを有し、電極ピンを通して点火手段に電流を供給し、点火手段を作動させて着火薬を着火する点火器(1)であって、前栓が貫通孔(8)を有し、電極ピンの少なくとも1本が、貫通孔に貫通して熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって固定され、貫通孔を貫通する電極ピンの着火薬側の端部(10,11)の筒部外径が、貫通孔の孔径よりも大きいことを特徴とする点火器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のシートベルトプリテンショナーやエアバッグ等の乗員安全保護装置を作動させるガス発生器に用いる点火器及びこの点火器を有するガス発生器に関する。
自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するものとしては、シートベルトプリテンショナーやエアバッグ等が知られている。これらプリテンショナーやエアバッグは、ガス発生器から導入される多量のガスによって作動して乗員を保護する。又、ガス発生器は、点火器、ガス発生剤等を備え、衝突時に点火器から発生する火焔(高温のガス及び粒子)によりガス発生剤が着火燃焼して急速に多量のガスを発生させる。
ガス発生器に用いられる点火器としては、例えば、特許文献1に記載の点火器がある。この点火器は、電気式イニシエータと、これを保持する金属製カラーとを含んで構成され、電気式イニシエータの導電性ピン同士は、その頭部同士を電気的に絶縁して一体化してなり、これら頭部同士は全体として円盤状に形成されている。そして、頭部同士を電気的に絶縁する手段として、導電性ピンを円盤状の金属製の板に固定する際に、一方の導電性ピンをこの金属製の板に電気的に接続するとともに、この金属製の板の厚さ方向に貫通する貫通孔内に他の導電性ピンを配置し、この貫通孔内にガラスを充填することで行っている。
また、この特許文献1と類似構造の点火器として、例えば、特許文献2が開示されている。これら特許文献1及び特許文献2に記載の点火器は、ガラスやセラミックス等の絶縁材料によって、電極ピン間の絶縁をとっており、このため、着火薬の吸湿防止及び高温下における作動時のピン保持性に優れるという特性を有している。
また、特許文献3に記載のように、大部分を樹脂によって成形している点火器もある。この場合、部品点数の削減による製造コストの低減を図れる利点がある。
特開2002−90097号公報 特開2003−25950号公報 特開2002−200966号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の点火器は、ガラスやセラミックスを溶融して円盤状の金属製の板の貫通孔に注入するため、製造コストが高価になるとともに、ガラスやセラミックスの固化時に、内部に気泡が発生するおそれがあった。また特許文献3に記載の点火器は、着火薬への吸湿防止や高温下における作動時のピン保持性において特許文献1や特許文献2に記載の点火器に劣るという問題を有している。
本発明の目的は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減を図るとともに、電極ピン保持強度の確保、着火薬の吸湿による劣化防止、熱衝撃等の耐環境性能の確保が可能な点火器を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
前記課題を解決するための本発明の請求項1に記載の点火器は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって絶縁された少なくとも2本の電極ピンを有する塞栓と、着火薬が収納され、前記塞栓によって嵌合される管体及び前記管体を覆うカップ状のスクイブケースを一体に固定する絶縁体と、前記電極ピンに接続されて設けられた点火手段とを有し、前記電極ピンを通して前記点火手段に電流を供給し、前記点火手段を作動させて前記着火薬を着火する点火器であって、前記塞栓が、少なくとも1つの貫通孔を有し、前記電極ピンの少なくとも1本が、前記貫通孔に貫通して前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって固定され、前記貫通孔を貫通する前記電極ピンの前記着火薬側の端部の筒部外径が、前記貫通孔の孔径よりも大きいことを特徴とする点火器である。
前記構成の点火器によれば、電極ピンが、熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって塞栓に固定されているため、電極ピン間及び電極ピンと塞栓間を確実に絶縁状態とすることができる。また、熱硬化性樹脂組成物は、ガラスやセラミックスに比較すると、溶融温度が低いため、硬化時に気泡の発生が少ない。また、気泡が発生した場合であっても、溶融状態における粘度がガラスやセラミックスに比較して低く、気泡が容易に脱泡するため、硬化した後に、内部に気泡が残ることがなくなる。また、電極ピンの着火薬側の端部の筒部外径が、貫通孔の孔径よりも大きい為、点火器作動時であっても、電極ピンが貫通孔から飛び出すことがなくなる。
また、請求項2に記載の本発明の点火器は、請求項1において、前記塞栓が、円盤構造の板状部材に凹部が形成され、少なくとも1つの前記貫通孔が前記凹部の底部を貫通するように形成されている塞栓であることを特徴とする点火器である。
前記構成の点火器によれば、塞栓の円盤構造の板状部材に形成された凹部の底部に貫通孔が形成されているため、電極ピンを固定する為の熱硬化性樹脂組成物を貫通孔に注入しやすい。
また、請求項3に記載の本発明の点火器は、請求項1において、前記塞栓が、円盤構造の板状部材に前記貫通孔を有している塞栓であることを特徴とする点火器である。
前記構成の点火器によれば、塞栓が円盤構造をしているため、塞栓の機械加工の加工工程数の削減を行うことができ、製造コストの削減が可能となる。
また、請求項4に記載の本発明の点火器は、請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、前記貫通孔を貫通する前記電極ピンが、前記塞栓の前記着火薬側の端面に沿って曲折している先端部を有することを特徴とする点火器である。
前記構成の点火器によれば、電極ピンの着火薬側の先端が、曲折していることによって、点火器作動時であっても、電極ピンが貫通孔から抜け出すことを防止することができる。
また、請求項5に記載の本発明の点火器は、請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって絶縁された前記少なくとも2本の電極ピン、或いは前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって絶縁された前記少なくとも2本の電極ピンを有する前記塞栓の前記着火薬との接面が、略同一平面を形成し、前記着火薬と略同一平面上で接していることを特徴とする点火器である。
前記構成の点火器によれば、熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって絶縁された少なくとも2本の電極ピン、或いはこれらを有する塞栓の着火薬と接する端面を略同一平面にすることによって、着火薬が収納された管体に嵌合することが容易となり、点火器の加工工程数の削減を行うことができ、製造コストの削減が可能となる。
また、請求項6に記載の本発明の点火器は、請求項1乃至請求項5のいずれかにおいて、前記熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする点火器である。
前記構成の点火器によれば、電極ピンを貫通孔に固定している熱硬化性樹脂組成物の硬化物の材質が、ガラス転移点の高いエポキシ樹脂組成物で形成されているため、硬化物の高温における強度が高くなり、高温状態においても軟化しないので、電極ピンが貫通孔から抜けるのを防止できる。また、塞栓の厚みを薄くしても電極ピンの飛び出しを防止するために必要な強度を確保することができ、塞栓を薄くした分だけ点火器を小型化することができる。更に、エポキシ樹脂は、特に金属との密着性がよいため、電極ピンと熱硬化性樹脂組成物の硬化物の間、更には熱硬化性樹脂組成物の硬化物と塞栓の間からカップ内に湿気が浸入するのを抑えることができ、耐湿性に優れる。そのため、着火薬の吸湿劣化を防止できる。
そして、請求項7に記載の本発明のガス発生器は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の点火器を有するガス発生器である。
前記構成のガス発生器によれば、製造コストの低減を図るとともに、電極ピン保持強度の確保、着火薬の吸湿による劣化防止、熱衝撃等の耐環境性能の確保が可能な点火器を有するガス発生器を提供できる。
本発明に係る点火器の第1の実施形態例を、図1を参照して説明する。図1において、点火器1は、着火薬2と、着火薬2を収納し、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9によって固定された2本の電極ピン4,5を有する塞栓7によって嵌合される管体3と、その管体3を覆うカップ状のスクイブケース13と、電極ピン4,5に接続された点火手段12と、これら管体3、スクイブケース13及び電極ピン4,5等を一体に固定する絶縁体6とで構成されている。
塞栓7は、例えばステンレス、アルミニウム、銅、鉄等の金属で形成されている。また、この塞栓7から延伸する電極ピン4,5も、同様にステンレス、アルミニウム、銅、鉄等の金属で形成されている。塞栓7には、板状部材の一端側の略中央部に凹部18が形成され、この凹部18の底部19に、電極ピン4,5が貫通する貫通孔20,8が形成されている。これによって、後述する電極ピン4,5を固定する熱硬化性樹脂組成物の注入面積を大きく取れるために、短時間での樹脂組成物の注入が可能となり、製造時間の短縮が可能となる。そして、この貫通孔20,8を貫通する電極ピン4,5の端部10,11の端面は、凹部18に熱硬化性樹脂組成物が注入されて硬化され、塞栓7の端面と略同一面となるように形成されている。これによって、着火薬が収納された管体に嵌合することが容易となり、点火器の加工工程数の削減を行うことができ、製造コストの削減が可能となる。
各電極ピン4,5は管体3に嵌合される塞栓7を貫通するとともに、塞栓7の着火薬2側の端面において、点火手段12によって電気的に接続されている。また、電極ピン4,5は、塞栓7に設けられている貫通孔20,8において、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9によって絶縁されるとともに固定されている。これによって、電極ピン4,5間及び電極ピン4,5と塞栓7間の絶縁が確実にとれる。また、各電極ピン4,5の着火薬2側の端部10,11の筒部外径が、塞栓7に形成されている貫通孔20,8の孔径よりも大きくなるように形成されている。このため、点火器1の作動時においても、電極ピン4,5は、これら端部10,11が塞栓7の貫通孔20,8に引っかかり、電極ピン4,5の飛び出しを防止することができる。ここで、点火手段12としては、ニッケルクロム合金などの導電性線材料からなる電橋線、また、蒸着等の工程により製造される薄膜ブリッジが挙げられる。
塞栓7に嵌合される管体3は、塞栓7と同様に、ステンレス、アルミニウム、銅、鉄等の金属で形成されている。このため、塞栓7とは溶接することが可能である。これによって、管体3内への吸湿を防ぐことが可能となり、また点火器作動時であっても、塞栓7が管体3から飛び出すことがなくなる。溶接の方法としては、レーザ溶接、電子ビーム溶接等を始め、通常の各種の溶接方法が採用可能である。
また、管体3を覆うようにカップ状のスクイブケース13が設けられている。このスクイブケース13は、管体3とともに、絶縁体6を成形する際に、絶縁体6に一体に固定される。スクイブケース13は、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属材や、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PA6(ナイロン6)、PA66(ナイロン66)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PPO(ポリフェニレンオキシド)、フッ素樹脂等の樹脂等で形成されている。そして、スクイブケース13の端面14には、スクイブケース13を貫通する導火孔15が形成されている。この導火孔15は、スクイブケース13の管体3を覆う有底円筒部の筒部に設けられていてもよいが、点火器1の高温のガス、粒子を集中して放出するとともに、管体3の即座の破断防止の観点から、前記有底円筒部の端面14に設けられることが好ましい。なお、スクイブケース13は単一の部材で形成されている必要はなく、いくつかの部材を組合わせてスクイブケースとしてもよいが、部品点数削減の観点から単一の部材で構成されるのが好ましい。また、メッシュ状であっても良い。
絶縁体6は、熱可塑性樹脂で構成されている。この熱可塑性樹脂としては、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン6、ナイロン66等の合成樹脂にガラス繊維等を混合したもの等が好ましい。また、絶縁体6は、熱硬化性樹脂で常温硬化型若しくは熱硬化型のもので構成されていてもよく、必要に応じて、更に硬化剤、硬化促進剤等を配合してもよい。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド、ケイ素樹脂等が挙げられる。
また、スクイブケース13の内面形状は点火器1の管体3の外面形状に沿う形状として、点火器1の管体3とスクイブケース13との間を実質的に密着させるのがよい。管体3とスクイブケース13との隙間は、1mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることが更に好ましい。
塞栓7の貫通孔20,8内に充填され、電極ピン4,5を固定する熱硬化性樹脂組成物の固形物9に使用する熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド、ケイ素樹脂等が挙げられるが、機械的強度、耐熱性、耐湿性、電気特性、接着性、作業性等の観点から、特にエポキシ樹脂が本発明の塞栓成形に好適である。エポキシ樹脂は、以下に述べるエポキシ樹脂組成物を調製し、成形に供される。
エポキシ樹脂としては特に制限はなく、例えばポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、多官能エポキシ樹脂とはグリシジル基を2つ以上有するエポキシ樹脂のことである。
ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4'−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4'−ビフェノール、ジメチル−4,4'−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキジフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキジフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソブロビリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂等が挙げられる。
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオ一ル、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、キシリレングリコール誘導体等の多価アルコールのグリシジルエーテル類等が挙げられる。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂等が挙げられる。グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体、ジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の使用にあたっては特に制限はなく、使用用途により適宜選択されるが、好ましくはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミン系エポキシ樹脂である。更に、これらエポキシ樹脂は電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の必要に応じ適宜選択され1種又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
本発明で使用するエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂と硬化剤、及びフィラーを含有するのが好ましい。使用しうる硬化剤としては、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、イミダゾール類等が挙げられる。
酸無水物としては、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。フタル酸無水物としては、例えば4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が挙げられる。
アミン類としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族アミン、脂肪族アミン、変性アミン等が挙げられる。
フェノール類としては、例えばビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4'−ビフェニルフェノール、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリレン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェノール),トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソブロビリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−ウンデシルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−エチル,4−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類が挙げられる。これら硬化剤のうち、どの硬化剤を用いるかは点火用スクイブ構造体に要求される特性、又は作業性により適宜選択されるが、好ましくは酸無水物類、フェノールノボラック樹脂、アミン類である。これら硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤の当量比に於いて0.3〜2.0の範囲で、好ましくは0.4〜1.6の範囲で、更に好ましくは0.5〜1.3の範囲で用いられる。又、硬化剤は、2種以上を混合して用いることもでき、イミダゾール類は硬化促進剤としても用いることができる。
硬化促進剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−ウンデシルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−エチル,4−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類,ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はフォスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニュウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニュウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニュウムブロマイド等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類,アミンアダクト、及びこれら硬化剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。これら硬化促進剤のどれを用いるかは、例えば透明性、硬化速度、作業条件等透明樹脂組成物に要求される特性によって適宜選択される。硬化促進剤を使用する場合、その使用量は、エポキシ樹脂100重量%に対し、0.1〜5重量%であり、好ましくは1重量%前後である。
熱硬化性樹脂組成物に添加しうるフィラーとしては、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリュウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチェウムアルミニュウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウムであり、更に好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等である。これら充填材の使用量は要求性能、作業性に合わせて、好ましくは全熱硬化性樹脂組成物の30〜95重量%、より好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜90重量%である。又、これら充填材は一種の単独使用でも、或いは二種以上を混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物には、目的に応じ、例えば着色剤、カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加することが出来る。
着色剤としては特に制限はなく、例えばフタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料等が挙げられる。
カップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニュウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられるが好ましくはシリコン系カップリング剤である。カップリング剤を使用することにより耐湿信頼性が優れ、吸湿後の接着強度の低下が少ない硬化物が得られる。
レベリング剤としては、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン系カップリング剤等が挙げられる。
滑剤としては、例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシウム、カルシウム、カドニウム、バリウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルテウバロウ、カンデリラロウ、密ロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類が挙げられる。
次に熱硬化性樹脂組成物の調製方法について説明する。
熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラー及びカップリング剤、着色剤、レベリング剤、滑剤等の配合成分を、配合成分が固形の場合はヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の配合機を用いて混合後、ニーダー、エクストルーダー、加熱ロールを用いて80〜120℃で混練、冷却後、粉砕して粉末状とすることで得られる。
一方、配合成分が液状の場合はプラネタリーミキサー等を用いて均一に分散して前記熱硬化性樹脂組成物とする。液状組成物の粘度が高く作業性に劣る時は溶剤を加えて作業に適した粘度に調整することも出来る。
又、固形組成物を液状にして用いても良い。この場合は前記の方法により得られた固形の熱硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解して液状としても、或いは各配合成分を溶剤に溶解して液状組成物としても良い。この場合用いられる溶剤は特に限定するものではなく通常溶剤として用いられるものであれば良い。
こうして得られた熱硬化性樹脂組成物が固形の場合は一般的にはペレット状にした後低圧トランスファー成型機等の成型機で成形後、又、液状の場合は型に注型、或いはディスペンス後、100〜200℃に加熱して硬化物とする。
本発明の実施形態に係る点火器は、以上のように構成されており、電極ピン4,5に電流が供給されることによって、点火手段12が作動し、数μ秒単位で、着火薬2を着火することが可能となる。
本発明の点火器に使用し得る着火薬2としては、着火薬として機能を果すものであればいかなるものでも用いることができるが、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、過塩素酸カリウム(KClO)を成分に持ち、バインダとしてフッ素ゴムやニトロセルロース等を用いたものを使用することが好ましい。また、ジルコニウム、タングステン、過塩素酸カリウムの組成比は、電橋線7の発熱にて充分に発火できるように決められる。例えば、重量比でZr:W:KClO=3:3.5:3.5とする。また、着火薬2は、点火手段12との接触面積を大きくするように粉状又は顆粒状とすることが好ましい。
次に、本実施形態例の点火器1の製造方法について説明する。
まず、塞栓7を形成する。塞栓7は、ステンレス、アルミニウム、銅、鉄等の金属の板状部材の略中央部に凹部18を形成するように加工し、その凹部18の底部19に電極ピン4,5が貫通する貫通孔20,8を形成する。次いで、この貫通孔20,8に電極ピン4,5を配置し、熱硬化性樹脂組成物を凹部18に注入し、硬化し、次いで電極ピン4,5の端部10,11の端面と塞栓7の端面、更には凹部18に注入した熱硬化性樹脂組成物の硬化物9の端面とが略同一面となるようにする。そして、各電極ピン4,5は、それぞれの端部10,11同士が点火手段12により電気的に接続される。
次いで、着火薬2を収納した管体3を用意する。管体3は、塞栓7と同様に、ステンレス、アルミニウム、銅、鉄等の金属で形成されているため、塞栓7と溶接が可能である。これによって、管体3内を密封することができ、着火薬2の吸湿を防止することができる。そして、管体3に、覆うようにカップ状のスクイブケース13をかぶせ、管体3とともに、射出成形機に配置し、絶縁体6を射出製成形する際に、絶縁体6に一体に固定する。
図2は、本発明に係る点火器1の第2の実施形態例を示す図である。本実施形態例に係る点火器1は、前述の第1の実施形態例と異なり、一方の電極ピン4が、塞栓7に前記のような溶接によりで接合されており、他方の電極ピン5が、塞栓7に形成された凹部18内の貫通孔8を貫通し、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9によって塞栓7に固定されているものである。また、点火手段12は、電極ピン5の端部11の端面と、電極ピン4と溶接している塞栓7との間に設けられている。これによって電極ピン4,5間を電気的に接続している。なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。第3実施形態例と第4実施形態例についても同様である。
このように、第2の実施形態例に係る点火器1は、塞栓7の金属部分を大きく取ることができるため、塞栓7の強度を高くすることができる。
また、図3は、本発明の点火器1の第3の実施形態例を示す図である。本実施形態例に係る点火器1は、前述の第1、2の実施形態例と異なり、塞栓7が板状部材の一端側の略中央部に凹部が形成されていない板状の円盤構造を基本構造としており、この塞栓7に貫通孔20,8が形成され、それぞれの貫通孔20,8に電極ピン4,5が挿通されるとともに、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9によって固定されているものである。このような、構造とすることによって、塞栓7の加工工程数の削減を図ることが可能となり、製造コストを低減させることが可能となる。
また、図4は、本発明の点火器1の第4の実施形態例の塞栓7部分を示す図である。図4(a)は、点火器1の塞栓7部分の斜視図を示す図である。図4(b)は、図4(a)における断面図である。図4(a)に示すように、本実施形態例に係る点火器1は、前述の第1乃至第3の実施形態例と異なり、電極ピン4,5の先端部16,17が塞栓7の表面と沿うように曲折しており、塞栓7に熱硬化性樹脂組成物の硬化物9によって固定されているものである。このような構造とすることによって、例えば、点火手段12に電橋線を用いた場合、電極ピン4,5の先端部16,17間の角度を設けることによって、電橋線の溶接位置を変化させることで電極ピン4,5間の抵抗値を任意に制御することが可能となる。これにより、同一塞栓で多用な種類の点火器に対応させることができる。また、先端部16,17が曲折されているため、点火器1が作動した場合においても、これら先端部16,17によって、電極ピン4,5の飛び出しを防止することができる。
本発明に係る点火器は、金属製の塞栓に、電極ピンを熱硬化性樹脂組成物の硬化物を用いて固定するものであるため、製造コストの低減を図るとともに、電極ピン保持強度の確保、着火薬の吸湿による劣化防止、熱衝撃等の耐環境性能の確保が可能で、自動車のガス発生器等の点火器をはじめ、種々の火薬を点火する点火器として使用することができる。なお、本発明に係る点火器は、前述の実施形態例に限定されるものではない。
本発明のガス発生器は、本発明に係る点火器を有し、自動車用シートベルトプリテンショナー、エアバッグ用ガス発生器、ボンネットはねあげ用ガス発生器、シートの前端部はねあげ用のガス発生器として使用することができる。
本発明に係る点火器の第1の実施形態における断面図である。 本発明に係る点火器の第2の実施形態における断面図である。 本発明に係る点火器の第3の実施形態における断面図である。 本発明に係る点火器の第4の実施形態例の塞栓部分を示す図であり、(a)は点火器の塞栓部分の斜視図を示す図であり、(b)は(a)における断面図である。
符号の説明
1 点火器
2 着火薬
3 管体
4,5 電極ピン
6 絶縁体
7 塞栓
8, 20 貫通孔
9 熱硬化性樹脂組成物の硬化物
10,11 電極ピン端部
12 点火手段
13 スクイブケース
14 端面
15 導火孔
16,17 電極ピン4,5の先端部

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂組成物の硬化物(9)によって絶縁された少なくとも2本の電極ピン(4,5)を有する塞栓(7)と、
    着火薬(2)が収納され、前記塞栓(7)によって嵌合される管体(3)及び前記管体(3)を覆うカップ状のスクイブケース(13)を一体に固定する絶縁体(6)と、
    前記電極ピン(4,5)に接続されて設けられた点火手段(12)とを有し、
    前記電極ピン(4,5)を通して前記点火手段(12)に電流を供給し、前記点火手段(12)を作動させて前記着火薬(2)を着火する点火器(1)であって、
    前記塞栓(7)が、少なくとも1つの貫通孔(8)を有し、
    前記電極ピン(4,5)の少なくとも1本が、前記貫通孔(8)に貫通して前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物(9)によって固定され、
    前記貫通孔(8)を貫通する前記電極ピン(4,5)の前記着火薬(2)側の端部(10,11)の筒部外径が、前記貫通孔(8)の孔径よりも大きいことを特徴とする点火器。
  2. 前記塞栓(7)が、円盤構造の板状部材に少なくとも1つの凹部(18)が形成され、少なくとも1つの該貫通孔(8)が前記凹部(18)の底部を貫通するように形成されている塞栓であることを特徴とする請求項1に記載の点火器。
  3. 前記塞栓(7)が、円盤構造の板状部材に前記貫通孔(8)を有している塞栓であることを特徴とする請求項1に記載の点火器。
  4. 前記貫通孔(8)を貫通する前記電極ピン(4,5)が、前記塞栓(7)の前記着火薬(2)側の端面に沿って曲折している先端部(16,17)を有する電極ピンであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の点火器。
  5. 前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物(9)によって絶縁された前記少なくとも2本の電極ピン(4,5)、或いは前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物(9)によって絶縁された前記少なくとも2本の電極ピン(4,5)を有する前記塞栓(7)の前記着火薬(2)との接面が、略同一平面を形成し、前記着火薬(2)と略同一平面上(21)で接していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の点火器。
  6. 前記熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の点火器。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の点火器を有するガス発生器。
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