JP2005308339A - 点火器及びこれを有するガス発生器 - Google Patents

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幸二 中村
Yasushi Matsumura
也寸志 松村
Haruki Niimoto
昭樹 新本
Hiromichi Kubo
大理 久保
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Abstract

【課題】電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性に優れた絶縁部材を有する、点火信頼性に優れた低コストの点火器を提供する。
【解決手段】点火薬4と、点火薬収納用カップ1と、抵抗体5と、抵抗体に電流を供給するための少なくとも2つの電極部材2a,2bと、電極部材が接触しないように形成された導電性ベース7と、絶縁部材3とを有する車両用安全装置用点火器11であって、点火薬カップ内に点火薬、導電性ベース及び絶縁部材がこの順番に積層配置され、絶縁部材は、熱硬化性樹脂組成物から形成され、前記導電性ベースは、接面7aで点火薬に接し、電極部材は、その頭部が点火薬に接し、孔12に接することなく絶縁部材を貫通しており、電極部材間及び前記導電性ベースとの間が、絶縁部材により絶縁されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、通電により車両用、特に、エアバッグ、シートベルトプリテンショナー、歩行者保護装置等の安全装置を作動させるガス発生器に用いる点火器及びこの点火器を有するガス発生器に関する。
ガス発生器は特に、車両用安全装置を作動させる役割を持つものとして、最近搭載率が高まっている。その搭載率の増加とともに、車両の単価が高くならないように、ガス発生器全体の単価を低くすることが要望されている。
このガス発生器に用いられる点火器は、2つの電気的に絶縁された電極部材を有し、その両電極部材間は、ニッケルクロム線などに代表される抵抗体で接続されている。そして、車両から送られてくる電気信号を2つの電極部材が受けると、抵抗体が発熱し、この近傍に位置する点火薬をその発火点の温度まで加熱することによって、点火薬が発火し、点火薬の燃焼エネルギーが点火器外に放出されることで、車両用安全装置を作動させる起点となっている。
従来、例えば特許文献1に開示される点火器は、電極部材として2つの導電部材或いは導電部材と金属性アイレットを用いており、2つの導電部材間、或いは、導電部材と金属製アイレット間は、ガラス繊維等を含有する、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂やガラス強化樹脂からなる絶縁部材で絶縁された構成となっている。
特許文献2に開示される点火器は、2本の電極部材(リードピン)を挿入する2つの孔部を有するとともに1本のリードピンの係止用突起を1つの孔部に当接させて固着する環状のプレートを有し、2本の電極部材(リードピン)の周囲は、絶縁部材であるポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂で成形された樹脂製プラグによって保持され絶縁され、前記環状のプレートは前記樹脂製プラグ内に埋設されている。
絶縁部材にガラスを用いる場合は、電極部材間をシールするために通常加熱工程を有する。また、絶縁部材に熱可塑性樹脂を用いる場合は、通常、熱可塑性樹脂は射出成型などの工程で成型され、電極部材間をシールする。電極部材間の絶縁に絶縁部材としてガラスを用いる場合には、熱可塑性樹脂を用いた場合と比較すると、シール性や絶縁性についてはより良好である。
また、特許文献3では、絶縁部材が不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂で成形された点火器が開示されている。
特開2002−54895号公報 特開2001−30868号公報 特開2002−90097号公報
しかしながら、例えば、電極部材間にガラスを充填する際に、充填する空間が複雑な形状であれば、常温で固体であるガラスはそのような形状をシールすることに適していない。その結果、例えば、電極部材の形状等に対する設計自由度が少なく、比較的高コストな形状の電極部材を使用せざるを得ない。また、ガラスと電極部材との間をシールするためには、ガラスの融点に近い温度まで加熱し、長時間保持する工程が必要となり、これも点火器の高コストの要因の一つとなる。加えて、そのような単価の高い点火器を用いるとガス発生器全体の単価も高くなるという問題が生じる。
一方、電極部材間の絶縁に絶縁部材として熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂はガラスと比較すると、加工性、形状自由性に優れるが、度重なる温度変化、あるいは、高温下の状態においては、2つの電極部材或いは導電部材と金属製アイレット等の電極部材間のシール性を長期にわたって維持することが難しく、その結果、点火器の内部に位置する点火薬などに外部水分などが浸入し、点火薬の発火性能に悪影響を与える恐れがあり、よって、点火信頼性が低いものとなる恐れがある。
また、絶縁部材が不飽和ポリエステル組成物で成形されている場合、完全に硬化させるまでに比較的長い時間を要し生産性に劣る、或いは反応開始剤に過酸化物を用いている場合、過酸化物が不安定なために分解しやすく作業性が劣る、という問題点があげられる。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性に優れた絶縁部材を有する、点火信頼性に優れた低コストの点火器を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の点火器は、点火薬と、前記点火薬を収納する点火薬用カップと、抵抗体と、前記抵抗体に直接又は間接的に接続されて前記抵抗体に電流を供給するための少なくとも2つの電極部材と、少なくとも1つの電極部材が接触しないように形成された少なくとも1つの電極部材が挿入可能な少なくとも1つの孔を有する導電性ベースと、絶縁部材とを有し、前記抵抗体に電流を供給することにより前記点火薬が発火して車両用安全装置を作動させる点火器であって、前記点火薬カップ内に前記点火薬、前期導電性ベース及び前記絶縁部材がこの順番に積層配置され、前記絶縁部材は、熱硬化性樹脂組成物から形成され、前記導電性ベースは、接面で前記点火薬に接し、前記少なくとも1つの電極部材は、その頭部が前記点火薬に接し、前記孔に接することなく前記絶縁部材を貫通しており、前記電極部材と他の電極部材及び前記導電性ベースとの間が、前記絶縁部材により絶縁されている。
前記構成の点火器によれば、導電性ベースの孔及び柱状空間への一回の熱硬化性樹脂組成物の充填、硬化工程を行うだけで、電極部材を固定し、電極部材間を絶縁し、且つ電極部材間のシール性能を同時に保持することができる。また、熱硬化性樹脂組成物を用いるため、従来のガラスに比較して、熱処理にかかる時間、コストを低減させることができる。更に、電極部材が挿入されている孔のみならず、電極部材が突出している柱状空間にも、孔と連続して熱硬化性樹脂組成物から形成された絶縁部材が充填されているので、電極部材が所定の位置から抜け落ちることがない。
このように電極部材間を絶縁する絶縁部材が、熱可塑性樹脂やガラスといった材料に変えて、電極保持性、シール性、絶縁性、加工性、形状自由性が良好な熱硬化性樹脂組成物から形成されることで、点火信頼性に優れ、低コストの点火器を提供できる。
このような本発明の点火器は、抵抗体に電流が供給されると、点火薬が発火して車両用安全装置を作動させる。
また、本発明の点火器は、前記少なくとも2つの電極部材が、前記導電性ベースの前記孔に挿通された第1リードピンと、前記導電性ベースと前記点火薬との接面の裏面で前記導電性ベースに接合された第2リードピンであり、前記導電性ベースが通電可能であり、前記抵抗体が、前記第2リードピンに接合された前記導電性ベース及び前記第1リードピンに接合されて、電流を供給される抵抗体である。
前記構成の点火器によれば、導電性ベースは第2リードピンと接合されている。第1リードピンと、導電性ベースに接合された第2リードピンが電源に接続されているため、抵抗体への通電が容易且つ確実に行える。
このような本発明の点火器は、抵抗体に電流が供給されると、点火薬が発火して車両用安全装置を作動させる。
また、本発明の点火器は、前記導電性ベースに設けられた前記孔の最小径Aと、前記孔の深さ方向の前記導電性ベースの厚さBとの関係が、
0.9×B<A
となるように調整されている。
前記構成の点火器によれば、導電性ベースを最適な形状条件に規定することができ、電極部材が挿通された状態の導電性ベースの孔に絶縁部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物を充填することが容易になる。
また、本発明の点火器は、前記導電性ベースの内部が柱状空間を形成するカップ形状であり、その内部空間に、前記絶縁部材、前記第1リードピン及び前記第2リードピンの少なくとも一部を含む。
前記構成の点火器によれば、柱状空間への絶縁部材を形成するための熱硬化性樹脂組成物の充填がしやすくなる。また、導電性ベースと点火薬カップとの接合箇所に自由度が増えるため、その接合も容易となる。
また、本発明の点火器は、前記導電性ベースの前記孔が、大きさの異なる内径部を有し、前記第1リードピンの前記孔に挿入される部分が大きさの異なる外径部を有し、前記導電性ベースの前記孔の最小径Aが、前記電極部材の前記孔に挿入される部分の最大外径部よりも小さい。
前記構成の点火器によれば、導電性ベースを境にして点火薬収納空間側から点火薬が収納されていない柱状空間側へ、電極部材が抜けにくい。万が一の場合の、電極部材の外部への飛散を防止することができる。
また、本発明の点火器は、前記絶縁部材を形成する熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
前記構成の点火器によれば、多様な組成物を作ることが出来るエポキシ樹脂を熱硬化性樹脂として選択しているので、絶縁部材に要求される性能に合わせて硬化剤、硬化促進剤を適宜選択できる。そのため、絶縁部材を、電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性に優れた物とすることができる。その結果、点火信頼性に優れ、低コストの点火器を提供できる。また、絶縁部材が不飽和ポリエステル組成物で成形されている場合に比較して、硬化時間の短縮が可能であり、生産性や作業性に優れる。
そして、本発明のガス発生器は、上記点火器を有するガス発生器である。
前記構成のガス発生器によれば、点火信頼性に優れ、低コストの点火器を用いているので、信頼性に優れ、低コストのガス発生器を提供できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る点火器及びこれを有するガス発生器の実施形態例について説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る点火器の要部の構成を図1及び図2に基づいて説明する。図1は点火器11の要部の断面図であり、図2は、図1の点火器11における導電性ベース7の断面図である。図1において、点火器11は点火薬カップ1、リードピン2(第1リードピン2a、第2リードピン2b)、絶縁部材3、点火薬4、抵抗体5、導電性ベース7を有する。
点火薬カップ1は、点火薬4を装填するための開口部1aを有する有底筒状カップである。その内部空間10に、点火薬4、導電性ベース7、第1リードピン2a、第2リードピン2b、絶縁部材3及び抵抗体5を収納し、点火薬4、導電性ベース7及び絶縁部材3がこの順番に積層配置されている。第1リードピン2aは、その頭部が点火薬4に接し、導電性ベース7の孔12に接することなく絶縁部材3を貫通しており、第1リードピン2aと導電性ベース7との間が、絶縁部材3により絶縁されている。導電性ベース7は、点火薬4に接し、点火薬4との接面7aが平坦であり、その裏面7bに第2リードピン2bが接合され、第2リードピン2bは絶縁部材3を貫通している。抵抗体5は、第1リードピン2aの頭部と導電性ベース7における接面7aとの両者に跨って接続されている。
点火薬カップ1の材質としては、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属剛体が好ましい。
点火薬4は、例えばジルコニウム、タングステン、酸化剤として過塩素酸カリウムを主成分とする火薬組成物で、粒状形状を成している。
本発明の点火器は電極部材が2つ以上であれば、いくつでも問題はないが、第1実施形態においては、2つの電極部材が備えられている。本実施形態では、2つの電極部材の一つは、第1リードピン2aである。電極部材の他の一つは、第2リードピン2bである。第2リードピン2bは通電可能な導電性ベース7に接続されており、これによって、導電性ベース7への通電が容易且つ確実に行える。その結果、第1リードピン2a及び第2リードピン2bへの通電によって、最終的に抵抗体5に電流を供給し、発熱させることで、点火薬4を着火させる。
本実施形態では、導電性ベース7は、点火薬カップ1の内径と略同じ又は僅かに小さい径を有する実質的に円板である。導電性ベース7の材質としては、通電可能な鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属剛体が好ましい。また、導電性ベース7は切削などの工程により作製されても良いが、好ましくは、比較的低コストで作製できるプレス成型によるものが好ましい。
導電性ベース7は、点火薬カップ1内に挿入されている。導電性ベース7の外周面及び点火薬カップ1の内周面は接している。この接触部に対応する点火薬カップ1の側面の外周面からの溶接により、導電性ベース7及び点火薬カップ1は溶接部6で接合されている。なお、点火薬カップ1と導電性ベース7の接合方法は、はんだ付け、溶接、カシメ、接着いずれでも良いが、好ましくは溶接が良く、特にレーザー溶接により固定される形態が良い。
このように、導電性ベース7は、点火薬カップ1の開口部1aを閉塞して点火薬4を点火薬カップ1内に封止している。導電性ベース7は、点火薬カップ1の内部空間10を点火薬収納空間10aと点火薬4が収納されていない柱状空間10bとに区分する。導電性ベース7は、点火薬4に接し、点火薬4との接面7aは平坦であり、点火薬収納空間10aには、点火薬4が隙間なく充填されている。柱状空間10bは、導電性ベース7の孔12の最小径よりも大径である。
そして、導電性ベース7は、抵抗体5を点火薬4が収納された空間に配置するための少なくとも1つの電極部材が挿入可能な1つ以上の孔12を有する。本実施形態においては、第1リードピン2aの貫通を可能とする1つの孔12が中心軸から偏心した位置に設けられている。
第1リードピン2aは、導電性ベース7に設けられた孔12の中心軸上に位置するように配置されている。導電性ベース7の孔12に挿入された第1リードピン2aは、絶縁部材3を貫通して、柱状空間10bへ突出している。
第2リードピン2bは、導電性ベース7の中心より偏心した位置で導電性ベース7に接合されている。接合方法は、はんだ付け、溶接、接着等のいずれの方法でも良いが、好ましくは溶接が良く、特に抵抗溶接が好ましい。第2リードピン2bは、絶縁部材3を貫通して、柱状空間10bへ突出するように導電性ベース7に接続されている。
第1リードピン2a、第2リードピン2bは、それぞれ略円柱状である。第1リードピン2a、第2リードピン2bの材質としては、鉄、ニッケル鉄、ステンレスなどの金属剛体に、ニッケルメッキ、亜鉛メッキ、金メッキなどのメッキ処理を施したものが好ましい。
絶縁部材3は、熱硬化性樹脂組成物から形成される。絶縁部材3は、導電性ベース7の孔12及び柱状空間10bに充填されて電極部材である第1リードピン2a及び第2リードピン2bの少なくとも一部を抱囲する。このようにして、絶縁部材3は、導電性ベース7及び第2リードピン2bから第1リードピン2aを絶縁する。
抵抗体5は、導電性ベース7と第1リードピン2aに接合されている。詳細には、抵抗体5は、絶縁部材3を跨ぐようにして、導電性ベース7の孔12を形成する導電性ベース7の縁部と第1リードピン2aの先端部に接合されている。抵抗体5として、ニッケルクロム合金などの導電性線材料からなる電橋線、また、蒸着等の工程により製造される薄膜ブリッジが挙げられる。
電極部材と抵抗体5との接合方法は、はんだ付け、溶接、溶着等のいずれの方法で接合されても良いが、好ましくは溶接が良く、特に抵抗溶接が良い。
抵抗体5として、薄膜ブリッジを用いる場合、薄膜ブリッジとして、発熱抵抗体、反応性物質を使用したリアクティブ型ブリッジ、ショック型ブリッジ等が挙げられる。これらは、Si基板やAl2O3等のセラミックス基板上にLIGA(Lithograpie,Galvanoformung,Abformung(X線を利用した微細加工技術))プロセスや、スパッタリング等の公知技術によって形成されている。電極部材と薄膜ブリッジとの接合方法は、ワイヤーボンディングが好ましい。
導電性ベース7、第1リードピン2a及び第2リードピン2bは共に絶縁部材3が介在する形でお互いに固定される。第1リードピン2aが挿入された導電性ベース7の孔12と第1リードピン2aとの空間にも絶縁部材3が隙間なく配置される。また、第1リードピン2a及び第2リードピン2bは、絶縁部材3が充填された柱状空間10b部分から突出する形態で、導電性ベース7に対して、点火薬収納空間10aと反対側に突出している。
点火薬収納空間10aにおいて、導電性ベース7、絶縁部材3及び第1リードピン2aは実質的に同一平面13を形成する部分を有する。
同一平面13上で抵抗体5を第1リードピン2a及び導電性ベース7に接合するようにすれば、電極部材の役目も兼ねる導電性ベース7と第1リードピン2a間に抵抗体5を架け渡すことが容易となる。
絶縁部材3は、本実施形態において、空気などの介在物を有さない形で配置される形態が好ましい。特に、絶縁部材3の点火薬収納空間10a側に露出する部分であって、同一平面13をなす部分は、空気などの介在が原因で発生する穴状部分が、その表面に存在しないように調整されるべきである。
図2に示すように、導電性ベース7に設けられた孔12の最小径Aと、孔12の深さ方向の導電性ベース7の厚さBとの関係が、
0.9×B<A
となるように調整されている。
これにより、導電性ベース7を最適な形状条件に規定することができ、第1リードピン2aが挿通された状態の導電性ベース7の孔12に絶縁部材3を形成する熱硬化性樹脂組成物を隙間なく充填することが容易になる。
上記構造の点火器11は、抵抗体5に電流が供給されると、点火薬4が発火して車両用安全装置を作動させる。
次に、第1実施形態に係る点火器の製造工程について、図3乃至図5を参照しつつ説明する。
図3(a),(b),(c)は、導電性ベース7、第1リードピン2a、第2リードピン2b及び絶縁部材3からなる点火器用組み立て中間部品59の製造工程を示す断面図である。図4は第1リードピン2a、第2リードピン2b、導電性ベース7、抵抗体5、絶縁部材3、点火薬4、点火薬カップ1及びスクイブカバー51からなる点火器用組み立て体60を示す断面図である。図5は、本実施形態の点火器11の断面図である。
図3(a)において、最初に、導電性ベース7の一方の面7b側の所定の位置に、第2リードピン2bを溶接により固定する。導電性ベース7の他方の面、即ち、第2リードピン2bが溶接されていない側の接面7aは、平坦な面となっている。
次に、点火薬カップ1と同じ内径を有する筒体15が複数固定された固定プレート14を用意する。筒体15は、複数、例えば5〜50個の範囲で一つの固定プレート14に固定されている。このような固定プレート14を用意すると、導電性ベース7、絶縁部材3、第1リードピン2a及び第2リードピン2bからなる点火器用組み立て中間部品59を、一度に5〜50個程度形成することができる。
各筒体15に囲まれた固定プレート14の底の内側の面14aには、窪み14bが設けられている。窪み14bを除く部分は平坦な面となっている。
導電性ベース7の平坦な接面7aが、固定プレート14の底の内側の面14aに接するように、導電性ベース7を各筒体15内に挿入する。このとき、窪み14bは、導電性ベース7の孔12に対応する位置の中心に位置している。窪み14bの大きさは、第1リードピン2aの先端が差し込まれると、その位置に第1リードピン2aが固定されることを可能にする大きさである。
第1リードピン2aを導電性ベース7の孔12に挿通し、第1リードピン2aの先端を窪み14bに差込み、固定する。このとき、第1リードピン2aの側面と導電性ベース7の孔12を形成する縁部との間には絶縁部材3が充填可能な空間が保たれている。
第1リードピン2aの先端は、導電性ベース7の平坦な接面7aから突出する形で、固定プレート14に刺さっている。
次に、第1リードピン2a及び第2リードピン2bの少なくとも一部を抱囲するように、固定プレート14と筒体15によって形成されたカップ状空間15a及び導電性ベース7の孔12内に、絶縁部材3を形成する前記熱硬化性樹脂組成物を充填する。この時、充填する量は、シール性能の保持と、強度を確保できる最低量であればよい。通常は導電性ベース7が形成する柱状空間10bの深さに対して、50〜90%程度となるのが好ましい。
絶縁部材3が充填された後は、真空槽に入れ、絶縁部材3内に存在する気泡を除去する。
その後、固定プレート14及び筒体15をつけたまま、加熱槽へと投入され、所定の温度、時間で保持される。保持する温度時間は、使用する絶縁部材3を形成する熱硬化性樹脂の種類により多様であるが、熱硬化性樹脂組成物が完全に硬化するように、一般的には、約100〜200℃の温度で加熱する。加熱時間は、通常0.1〜10時間、好ましくは0.5〜7時間、更に好ましくは1〜4時間である。前記加熱後冷却して、導電性ベース7、第1リードピン2a、第2リードピン2b及び絶縁部材3からなる点火器用組み立て中間部品59は、固定プレート14及び筒体15からはずされる。この時、図3(b)に示されるように、絶縁部材3を形成する熱硬化性樹脂組成物は完全に硬化しており、導電性ベース7、第1リードピン2a及び第2リードピン2bはいずれも絶縁部材3により所定の位置に固定され、導電性ベース7の孔12は、シールされている。
次に、図3(c)に示されるように、導電性ベース7、絶縁部材3及び突出した第1リードピン2aの固定プレート14に接していた部分を、実質的に同一平面13となるように研磨する。
このように、導電性ベース7、絶縁部材3及び第1リードピン2aが実質的に同一平面13を形成する部分を有すると、下記の点火器用組み立て体60の組み立てが容易になる。
図4に示すように、孔12を形成する導電性ベース7の縁部と第1リードピン2aの先端部には、絶縁部材3を跨いで抵抗体5が接合される。抵抗体5の接合方法としては、はんだ付け、各種溶接等が挙げられるが、好ましくは抵抗溶接である。
点火薬カップ1には点火薬4を適宜充填する。前述の抵抗体5が接合された点火器用組み立て中間部品59を点火薬カップ1に挿入し、所定の位置で固定する。その後、導電性ベース7の外周面に対応する点火薬カップ1の側面の外周面から導電性ベース7と点火薬カップ1は溶接される。
点火薬カップ1は、図4に示すように、スクイブカバー51にはめ込まれる。スクイブカバー51は、点火薬カップ1を密着して覆うことが可能な大きさの有底円筒である。底に、肉薄部51aが設けられている。この肉薄部51aは点火薬4の発火、燃焼による点火薬カップ1の内圧上昇により破裂して、点火薬4の火炎を外部に噴出させるものである。スクイブカバー51は、ナイロン、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂で構成される。
第1リードピン2a、第2リードピン2b、導電性ベース7、抵抗体5、絶縁部材3、点火薬4、点火薬カップ1及びスクイブカバー51からなる点火器用組み立て体60は、ボディ52を形成するための所定の金型にセットされる。金型内に、熱可塑性樹脂が充填されて図5に示すようなボディ52が形成される。このようにして点火器用組み立て体60およびボディ52が一体化された点火器11が完成する。
上記構成の点火器用組み立て体60によれば、導電性ベース7の孔12及び柱状空間10bへの一回の熱硬化性樹脂組成物の充填、硬化工程を行うだけで、電極部材である第1リードピン2a及び第2リードピン2b、並びに電極部材の役目も兼ねる導電性ベース7を固定し、且つ前記電極部材間のシール性能を同時に保持することができる。また、熱硬化性樹脂組成物を用いるため、従来のガラスに比較して、熱処理にかかる時間、コストを低減させることができる。
更に、第1リードピン2aが挿入されている孔12のみならず、第1リードピン2a及び第2リードピン2bが突出している柱状空間10bにも、孔12と連続して熱硬化性樹脂組成物から形成された絶縁部材3が充填されているので、第1リードピン2a及び第2リードピン2bが所定の位置から抜け落ちることがない。
このように電極部材間を絶縁する絶縁部材3の材料として、熱可塑性樹脂やガラスといった材料に代えて、電極保持性、シール性、絶縁性、加工性、形状自由性が良好な熱硬化性樹脂組成物を用いているので、点火信頼性に優れ、低コストの点火器を提供できる。
尚、上記実施形態において、電極部材として、第1リードピン2a及び導電性ベース7に接続された第2リードピン2bを採用した。しかしながら、電極部材は、これらに限定されない。
電極部材の一つを、導電性ベース7に接合された電通可能な点火薬カップ1とで構成しても良い。この場合、点火薬カップ1に電源の1つを接続する。また、導電性ベース7に接続されない第2リードピン2bを電極部材の一つとして採用することができる。この場合、導電性ベース7に一つの比較的大きな孔12を一つ設けて、第1リードピン2a及び第2リードピン2bの両方を一緒に挿入しても良い。また、導電性ベース7に比較的小さな孔12を2つ設けて、第1リードピン2a、第2リードピン2bを別々の孔12に挿入しても良い。いずれの場合でも、導電性ベース7の孔12の大きさとして、導電性ベース7、第1リードピン2a及び第2リードピン2b間で絶縁状態を保つことができるだけの距離が確保できる大きさが必要である。
次に、第1実施形態に係る点火器をシートベルトプリテンショナーに使用するガス発生器に組付ける方法を、図6を用いて説明する。
点火器11は、Oリング53を介して点火器ホルダ56に固定される。点火器ホルダ56は、内側に点火器11を固定するための孔56aを有する筒状体である。内壁には点火器11を固定するための段部56bを有する。点火器ホルダ56の一端部の最外周部には、後述するガス発生剤用カップ55を固定するための軸方向に突出する第1カシメ用突起56cが、その内側には点火器11を固定するための軸方向に突出する第2カシメ用突起56dが設けられている。
点火器ホルダ56の孔56aの一端側から点火器11のスクイブカバー51等が突出するように、点火器ホルダ56の孔56a内の他端側に第1リードピン2a及び第2リードピン2bが突出するように、点火器ホルダ56内に点火器11が挿入される。点火器11は段部56bによって点火器ホルダ56の所定の位置に位置決めされる。点火器ホルダ56の第2カシメ用突起56dを縮径方向にカシメることで、点火器11が点火器ホルダ56に固定される。
次に、ガス発生剤54をガス発生剤用カップ55に適宜充填する。
ガス発生剤54が充填されたガス発生剤用カップ55の開口側端部を点火器ホルダ56の第1カシメ用突起56cの内側に挿入し、第1カシメ用突起56cを縮径方向にカシメることで、ガス発生剤用カップ55と点火器ホルダ56は互いに固定される。最後に静電気等からの誤作動を防止するためのショーティングクリップ57を点火器ホルダ56他端側から孔56aにはめ込み、ガス発生器41が完成する。
第1実施形態に係る点火器を用いたガス発生器41の作動について図6を用いて説明する。
車両の衝突などにより図示しない車両の点火装置から電気信号が送られると、第1リードピン2a及び第2リードピン2b間に電気が流れ、そのエネルギーは抵抗体5によって、電気エネルギーから熱エネルギーに変換される。高温となった抵抗体5は、その熱エネルギーによって点火薬カップ1内部の点火薬4を着火させ、点火薬4は急激に燃焼する。点火薬4の燃焼により点火薬カップ1内部は高温高圧となり、ついには点火薬カップ1の底部1b、スクイブカバー51の底部の肉薄部51aを破断して高温のガス、燃焼物がガス発生剤用カップ55の内部に放出される。放出された高温のガス、燃焼物によりガス発生剤用カップ55内部のガス発生剤54が着火、燃焼し、ガス発生剤用カップ55内部が高温高圧となり、最終的にガス発生剤54の燃焼による多量のガスが、ガス発生剤用カップ55底部の肉薄部58より放出され、図示されないシートベルトプリテンショナーを作動させる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る点火器の要部の構成を図7及び図8に基づいて説明する。図7は点火器21の要部の断面図であり、図8は、図7の点火器21における導電性ベース7の断面図である。第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、図8に示すように、導電性ベース7が、点火薬カップ1の開口部1aを閉塞可能とする有底筒状カップである点である。カップ状導電性ベース7の内部が点火薬4の収納されていない柱状空間10bとなる。その内部空間に、絶縁部材3、第1リードピン2a及び第2リードピン2bの少なくとも一部を含んでいる。その他の点については第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
導電性ベース7が点火薬カップ1内に収納されて開口部1aを閉じる場合、導電性ベース7の外径は、点火薬カップ1の内径と略同じか僅かに小さい。導電性ベース7が点火薬カップ1内に収納され、所定の位置で溶接部6等によって固定される。前記所定の位置とは、点火薬カップ1内で点火薬収納空間10aを形成する位置である。
上記のように点火薬カップ1内に収納されるカップ状の導電性ベース7により得られる効果は、絶縁部材3を形成するための熱硬化性樹脂組成物の充填がしやすくなる点と、点火薬カップ1と導電性ベース7の溶接等接合箇所に自由度が増える点が挙げられる。
導電性ベース7がカップ状であるため、その内部に絶縁部材3を形成するための熱硬化性樹脂組成物を充填すれば良く、導電性ベース7、第1リードピン2a、第2リードピン2b及び絶縁部材3からなる点火器用組み立て中間部品59の成形のしやすさはより容易となる。第1実施形態で用いた筒体15は不要となる。また、点火薬カップ1内面と導電性ベース7周方向外面の接触面積が増えるため、接合場所をより任意に選択することができる。特に、接合方法にレーザー溶接等を選択した場合は、その熱により内部点火薬4が製造中に発火する恐れがあるため、点火薬4と溶接部位はできるだけ離れて配置される形態が好ましいことから、導電性ベース7がカップ状であることは点火薬カップ1と接合する上で、より好適である。
尚、導電性ベース7の外径を、点火薬カップ1の外径と略同じか僅かに大きくし、導電性ベース7を点火薬カップ1の開口1a側端部の上に配置して溶接等により開口部1aを閉じることも可能である。この場合、点火薬カップ1内の全ての空間を点火薬収納空間10aにすることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る点火器31の要部の構成を図9及び図10に基づいて説明する。第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。第3実施形態の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なる点は、導電性ベース7の孔12が、大きさの異なる内径部を有し、第1リードピン2aの孔12に挿入される部分も大きさの異なる外径部を有している点である。
導電性ベース7の孔12の最小径Aは、第1リードピン2aの孔12に挿入される部分の最大外径部よりも小さい。導電性ベース7の孔12及び第1リードピン2aの孔12に挿入される部分の径に関して、どちらも点火薬収納空間10a側の径が柱状空間10b側の径よりも大きい。
そして、図10に示すように、導電性ベース7に設けられた孔12の最小径Aと、孔12の深さ方向の導電性ベース7の厚さBとの関係は、
0.9×B <A
となるように調整されている。
そして、第1実施形態と異なる点は、導電性ベース7の全体の形状が、第2実施形態と同様に、点火薬カップ1の開口部1aを閉塞可能とする有底筒状カップである点である。その他の点については第1、第2実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
導電性ベース7の孔12の内径及び第1リードピン2aの外径が調節されていることで得られる効果としては、例えば、通電により点火器が発火する際に、内部点火薬4が発火して内部圧力が高くなったり、或いは、点火器を用いた装置の内部圧力が高くなったりした時に、第1リードピン2aに対して、導電性ベース7を境に点火薬4側から絶縁部材3側の方向へ力が働いた場合、第1リードピン2aが外部へ飛散するのを防ぐことができる。特に、車両火災などの状況下で、点火器が高温下にさらされる場合において、その効果は大きいと言える。
次に、本発明の点火器の絶縁部材3を形成する熱硬化性樹脂組成物について説明する。
前記熱硬化性樹脂組成物は、絶縁部材3に要求される電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の必要に応じて、熱硬化性樹脂に加えて1種又は2種以上の添加物を含む。前記熱硬化性樹脂組成物は、好ましくは、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤を必須成分としている。
本発明の点火器に用いられる熱硬化性樹脂組成物によって形成される絶縁部材3は、機械的強度が強いものが良く、例えば、引張り強さ、曲げ強さ等の従来一般的に評価される試験項目においては強度が強いほど好ましい特性を有していると言える。また、前記実施形態においては、熱硬化性樹脂組成物によって、絶縁部材3を導電性ベース7、第1リードピン2a及び第2リードピン2bと共に一体的に成形するため、熱衝撃などの試験を行った後において、金属などの剛体から構成される導電性ベース7、第1リードピン2a及び第2リードピン2bに対して熱硬化性樹脂組成物から形成された絶縁部材3が接触している界面に隙間が生じるようなことは望ましくない。そのため、前記熱硬化性樹脂組成物によって形成された絶縁部材3の物性としては、線膨張係数が導電性ベース7、第1リードピン2a及び第2リードピン2bとも同じであることが好ましい。
しかし、通常の一般的な熱硬化性樹脂の線膨張係数は金属の線膨張係数よりも大きいので、絶縁部材3として成形されたときの線膨張係数が小さい値となる熱硬化性樹脂組成物が好ましいと言える。また、高温下においてもその強度を保持する特性が良く、熱変形温度も高いほうが好ましい。
本発明において使用しうる熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられるが、絶縁部材3に要求される電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性に優れ、且つ点火器の要求性能に合わせて多様な組成物を作ることが出来る点で、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂が好ましく、特に好ましくはエポキシ樹脂である。
本発明で使用しうるエポキシ樹脂の種類としては特に制限はなく、例えばポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、多官能エポキシ樹脂とはグリシジル基を2つ以上有するエポキシ樹脂のことである。
ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等が挙げられる。
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオ一ル、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、キシリレングリコール誘導体等の多価アルコールのグリシジルエーテル類等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体、ジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA、ブロモフェノール等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の使用にあたっては特に制限はなく、使用用途により適宜選択されるが、通常ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、2,6−ジ−tert−2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類のグリシジル化物である多官能エポキシ樹脂、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのグリシジルエーテル類、トリグリシジルイソシアヌレート、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルが用いられるが、好ましくはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミン系エポキシ樹脂である。更に、これらエポキシ樹脂は電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の必要に応じ適宜選択され1種又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
次に、前記熱硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤及び硬化促進剤について説明する。硬化剤としては、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、イミダゾール類等が挙げられる。
酸無水物としては、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。
アミン類としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族アミン、脂肪族アミン、変性アミン等が挙げられる。
フェノール類としては、例えばビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリレン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェノール),トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類等が挙げられる。
これら硬化剤のうち、どの硬化剤を用いるかは絶縁部材に要求される電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の必要に応じ適宜選択されるが、好ましくはフェノールノボラック樹脂、酸無水物及びアミン系硬化剤である。
これら硬化剤の使用量はエポキシ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤の当量比に於いて0.3〜2.0の範囲で、好ましくは0.4〜1.6の範囲で、更に好ましくは0.5〜1.3の範囲で用いられる。又、上記硬化剤は2種以上を混合して用いることも出来、上記イミダゾール類は硬化促進剤としても用いることができる。
硬化促進剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はフォスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、及びこれら硬化剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。
これら硬化促進剤のどれを用いるかは、例えばによって適宜選択されるが、イミダゾール類、ジアザ化合物類、ホスフィン類の1種又は2種以上を用いることが好ましい。硬化促進剤を使用する場合、その使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部であり、好ましくは1質量部前後である。
更に、熱硬化性樹脂組成物に含まれるフィラーについて説明する。
フィラーとしては、絶縁部材に要求される電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の必要に応じ適宜選択されるが、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウムであり、更に好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムである。
これらフィラーの使用量は、全熱硬化性樹脂組成物の30〜95重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜90重量%である。又、これらフィラーは一種の単独使用でも、或いは二種以上を混合して用いてもよい。
また、熱硬化性樹脂組成物には、目的に応じ着色剤、カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加することが出来るが、それらを以下に説明する。
着色剤としては特に制限はなく、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁柄、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料等が挙げられる。
カップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤等が挙げられるが、好ましくはシリコン系カップリング剤である。カップリング剤を使用する事により耐湿信頼性が優れ、吸湿後の接着強度の低下が少ない硬化物が得られる。
レベリング剤としては、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油等が挙げられる。
滑剤としては、例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシウム、カルシウム、カドニウム、バリウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルテウバロウ、カンデリラロウ、密ロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類等が挙げられる。
次に熱硬化性樹脂組成物の調製方法について説明する。
熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラー及びカップリング剤、着色剤、レベリング剤、滑剤等の配合成分を、配合成分が固形の場合はヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の配合機を用いて混合後、ニーダー、エクストルーダー、加熱ロールを用いて80〜120℃で混練、冷却後、粉砕して粉末状とすることで得られる。
一方、配合成分が液状の場合はプラネタリーミキサー等を用いて均一に分散して前記熱硬化性樹脂組成物とする。液状組成物の粘度が高く作業性に劣る時は溶剤を加えて作業に適した粘度に調整することも出来る。
又、固形組成物を液状にして用いても良い。この場合は前記の方法により得られた固形の熱硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解して液状としても、或いは各配合成分を溶剤に溶解して液状組成物としても良い。この場合用いられる溶剤は特に限定するものではなく通常溶剤として用いられるものであれば良い。
こうして得られた熱硬化性樹脂組成物が固形の場合は一般的にはペレット状にした後低圧トランスファー成型機等の成型機で成形後、又、液状の場合は型に注型、或いはディスペンス後、100〜200℃に加熱して硬化させて熱硬化性樹脂とする。
第1実施形態に係る点火器の要部を示した断面図である。 図1の導電性ベースを示した断面図である。 第1実施形態に係る点火器用組み立て中間部品の製造工程を示す断面図である。 第1実施形態に係る点火器用組み立て体を示す断面図である。 第1実施形態に係る点火器を示した断面図である。 図5の点火器を用いたガス発生器を示した断面図である。 第2実施形態に係る点火器の要部を示した断面図である。 図7の導電性ベースを示した断面図である。 第3実施形態に係る点火器の要部を示した断面図である。 図9の点火器に用いられる導電性ベースを示した断面図である。
符号の説明
1 点火薬カップ
2 電極部材(リードピン)
2a 電極部材(第1リードピン)
2b 電極部材(第2リードピン)
3 絶縁部材(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)
4 点火薬
5 抵抗体
6 溶接部
7 導電性ベース
10a 点火薬収納空間
10b 柱状空間
11 点火器
12 孔
13 同一平面

Claims (7)

  1. 点火薬(4)と、
    前記点火薬(4)を収納する点火薬用カップ(1)と、
    抵抗体(5)と、
    前記抵抗体(5)に直接又は間接的に接続されて前記抵抗体(5)に電流を供給するための少なくとも2つの電極部材(2a,2b)と、
    少なくとも1つの電極部材(2a)が接触しないように形成された少なくとも1つの電極部材(2a)が挿入可能な少なくとも1つの孔(12)を有する導電性ベース(7)と、
    絶縁部材(3)とを有し、
    前記抵抗体(5)に電流を供給することにより前記点火薬(4)が発火して車両用安全装置を作動させる点火器(11)であって、
    前記点火薬カップ(1)内に前記点火薬(4)、前期導電性ベース(7)及び前記絶縁部材(3)がこの順番に積層配置され、
    前記絶縁部材(3)は、熱硬化性樹脂組成物から形成され、
    前記導電性ベース(7)は、接面(7a)で前記点火薬(4)に接し、
    前記少なくとも1つの電極部材(2a)は、その頭部が前記点火薬(4)に接し、前記孔(12)に接することなく前記絶縁部材(3)を貫通しており、
    前記電極部材(2a)と他の電極部材(2b)及び前記導電性ベース(7)との間が、前記絶縁部材(3)により絶縁されている、点火器。
  2. 前記少なくとも2つの電極部材(2a,2b)は、
    前記導電性ベース(7)の前記孔(12)に挿通された第1リードピン(2a)と、
    前記導電性ベース(7)と前記点火薬(4)との接面(7a)の裏面(7b)で前記導電性ベース(7)に接合された第2リードピン(2b)であり、
    前記導電性ベース(7)は通電可能であり、
    前記抵抗体(5)は、前記第2リードピン(2b)に接合された前記導電性ベース(7)及び前記第1リードピン(2a)に接合されて、電流を供給される抵抗体である請求項1に記載の点火器。
  3. 前記導電性ベース(7)に設けられた前記孔(12)の最小径Aと、前記孔(12)の深さ方向の前記導電性ベース(7)の厚さBとの関係が、
    0.9×B <A
    となるように調整されている請求項1又は2に記載の点火器。
  4. 前記導電性ベース(7)は内部が柱状空間(10b)を形成するカップ形状であり、その内部空間に、前記絶縁部材(3)、前記第1リードピン(2a)及び前記第2リードピン(2b)の少なくとも一部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の点火器。
  5. 前記導電性ベース(7)の前記孔(12)は、大きさの異なる内径部を有し、前記第1リードピン(2a)の前記孔(12)に挿入される部分は大きさの異なる外径部を有し、前記導電性ベース(7)の前記孔(12)の最小径Aが、前記電極部材(2a)の前記孔(12)に挿入される部分の最大外径部よりも小さい請求項1乃至4のいずれかに記載の点火器。
  6. 前記絶縁部材(3)を形成する熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含有することを特徴とする樹脂組成物である請求項1乃至5のいずれかに記載の点火器。
  7. 上記請求項1乃至6のいずれかに記載の点火器を有するガス発生器。
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