以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
[概略構成]
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る配信システムの概略機能構成図である。このシステムは、パソコン1と、写真プリント注文受付サーバ2(以下単に注文受付サーバという)と、配信管理サーバ8と、CTI(Computer Telephony Integration)サーバ9ととがネットワーク3を介して接続されてなる。図1では、パソコン1は1つしか図示していないが、複数のパソコン1を注文受付サーバ2に接続する態様も可能である。即ち、注文受付サーバ2には認証部28が備えられており、パソコン1から入力された一意的な識別情報(説明の簡略のためユーザID及びパスワードとするが、携帯電話機6に一意に割り当てられた電話番号やユーザの指紋情報などであってもよい)で各パソコン1の注文受付サーバ2への接続を認証する。このため、複数のパソコン1が接続された場合も、その各々を識別することが可能である。パソコン1はWebブラウザ11を備えており、キーボードやマウスなどで構成される操作部13から入力されたURL(Uniform Resource Locator)で特定されるWebページの送信をWebサーバ21に要求し、受信したWebページを表示装置12の表示画面に表示する。
注文受付サーバ2は、音声や画像などのコンテンツにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれた二次元コードをコード発行部29で発行し、パソコン1からアップロードされた写真プリント用画像に二次元コードを添付して共にプリントする写真プリントの注文を受け付けるサーバである。注文受付サーバ2は、制御部20とWebサーバ21と注文管理データベース(OMDB)22とコード発行部29とコンテンツデータベース(コンテンツDB)31とプリンタ32を備えている。OMDB22は、パソコン1から送信される注文情報を記憶する。コンテンツDB31はコンテンツを記憶する。後述するが、制御部20はOMDB22に記憶された注文情報に基づいてプリントデータを作成し、プリンタ32はプリントデータに基づいて写真プリント用画像にコンテンツへのアクセス情報が埋め込まれた二次元コードを添付した写真プリントを印刷する。制御部20はCPUで構成され、Webサーバ21、OMDB22、コード発行部29、コンテンツDB31、プリンタ32とバス30を介して接続されており、各部の動作制御を行う。Webサーバ21はパソコン1からパソコン1で記録/再生可能なフォーマット(以下、記録フォーマットという)の音声ファイルのアップロードも受け付ける。記録用フォーマットの音声ファイルとしては、WAVファイルが一例として挙げられる。
図2は管理データベース(OMDB)22に記憶される注文情報の概念説明図である。注文情報は、ユーザIDと画像とテンプレート画像とQRコードとが対応した情報である。ユーザIDは認証部28がパソコン1から取得する。画像はパソコン1から注文受付サーバ2にアップロードされた写真プリント用の画像である。テンプレート画像は予めコンテンツDB31に記憶されており、アップロードされた画像に合成するテンプレートとなる。QRコードには、音声アプリDB83あるいは音声DB93に記憶された音声コンテンツにアクセスするためのアクセス情報、特に音声アプリDB83に記憶された再生用フォーマットの音声ファイルの格納位置(ダウンロードサイトのURL)が埋め込まれている。さらに、この格納位置の中には、本システムが配信する音声の識別子である音声IDが含まれている。例えば、アクセス情報「http://otop.jp?v001」の中には、音声ID「v001」が含まれている。QRコードは写真プリント用画像に添付されてプリントされるため、画像ファイルとしてOMDB22に記憶される。
図3に示すように、コンテンツDB31には、テンプレート画像とテンプレート音声ファイルとが対応づけられたテンプレート情報が記憶されている。コンテンツDB31に記憶されたテンプレート画像は、パソコン1の操作部13の操作でいずれか1つを任意に選択できる。テンプレート音声ファイルは、記録用フォーマットの音声ファイルである。テンプレート画像とテンプレート音声ファイルとの対応は特に限定する必要はないが、認証部28で認証を受けたプリント注文者とは別のコンテンツ提供者が用いるパソコンであるコンテンツ提供者端末7から、独自に作成したテンプレート画像とそのテンプレート画像の内容に相応しい音声を再生する音声ファイルを対応づけてコンテンツDB31に記憶してもらうようにしてもよい。この際、コンテンツ提供者はコンテンツDB31の利用料を注文受付サーバ2の管理者に支払い、パソコン1からのプリント注文の数などに応じて所定の報酬を得るようにしてもよい。
CTIサーバ9は、通信部90と、録音部91と、再生部92と、音声DB93とを備えている。通信部90は、移動体電話通信網の基地局5及びネットワーク3と接続し、注文受付サーバ2、配信管理サーバ8、あるいは携帯電話機6との間で通話音声や各種データの通信を行う。通信部90には所定の電話番号が付与されている。録音部91は、通信部90の受信した通話音声を記録用フォーマットの音声ファイルに記録し、この音声ファイルを音声DB93に記憶する。再生部92は、音声DB93の音声ファイルから通話音声を再生し、通信部90を介して所定の電話番号に着信してきた携帯電話機6その他の各種電話機にその通話音声を送信する。録音部91と再生部92は、通信部90の所定の電話番号に着信した各種電話機から入力されるプッシュトーン信号で録音/再生の指示を受け付け、録音が指示された場合は電話機から送信された音声を録音し、再生が指示された場合はさらにプッシュトーン信号で音声IDの指定を受け付け、指定された音声IDに対応する音声DB93の音声ファイルから通話音声を再生して電話機に送信する。
図4は音声DB93に記憶される情報の概念説明図である。音声DB93には、音声IDと録音用フォーマットの音声ファイルとチェックIDとが対応づけられて記憶されている。音声IDは各音声ファイルに一意的に付与された識別子である。録音用フォーマットの音声ファイルはWAVファイルなどであり、録音部91により作成される。チェックIDについては後述する。
配信管理サーバ8は、通信部81と、音声ファイル変換部82と、音声アプリデータベース(音声アプリDB)83を備えている。通信部81はネットワーク3と接続されており、音声アプリDB83は、通信部81が注文受付サーバ2又はCTIサーバ9から受信した記録用フォーマットの音声ファイルを一時記憶する。音声ファイル変換部82は、音声アプリDB83の記録用フォーマットの音声ファイルを、携帯電話機6にダウンロード可能なファイルサイズとなるよう所定の音質の範囲内で携帯電話機6の機種に固有の再生用フォーマットの音声ファイルに変換する。以下、この固有の再生用フォーマットの音声ファイルから音声を再生できる携帯電話機6の機種を、アプリ対応機種といい、固有の再生用フォーマットの音声ファイルから音声を再生できない携帯電話機6の機種をアプリ非対応機種という。コード発行部29の発行した二次元コードにはアクセス情報として、音声アプリDB83に記憶された再生用フォーマットの音声ファイルのダウンロードサイトのURLが埋め込まれている。このURLには音声IDも含まれている。アプリ対応機種は二次元コードからダウンロードサイトのURLを読み込み、再生用フォーマットの音声ファイルをダウンロードできる。
なお、携帯電話機6の機種に固有の再生用フォーマットが複数存在する場合、音声ファイル変換部82は、記録用フォーマットの音声ファイルを各機種に固有の再生用フォーマット全てに変換する。例えば、3つの機種である機種1〜機種3に対しては、機種1〜機種3のそれぞれに固有の再生用フォーマットのファイルに変換する。この再生用フォーマットの音声ファイルは、Java(登録商標)など携帯電話機6の各機種で実行可能な言語で記述されたアプリケーションである。携帯電話機6がダウンロード可能なファイルサイズは基地局5の通信環境あるいは携帯電話機6の機種や性能などに依存する。携帯電話機6の各機種のダウンロード可能なファイルサイズが異なる場合、そのうち最小のものを再生用フォーマットの音声ファイルのファイルサイズとすればよい。図5は音声アプリDB83に記憶される情報の概念説明図である。音声アプリDB83には、音声IDと各機種に固有の再生用フォーマットの音声ファイルとが対応づけられて記憶されている。
少なくとも、記録用フォーマットの音声ファイルを、どの機種の携帯電話機6でもダウンロード可能なファイルサイズとすれば、どの機種の携帯電話機6でも再生用フォーマットの音声ファイルをダウンロードできる。しかし、これに加え、再生用フォーマットの音声ファイルを携帯電話機6で再生したとき、その音声内容が判別できるような音質を確保する必要もある。例えば、携帯電話機6が、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)による再生機能を有しているが、ADPCMの量子化ビットが4ビットに固定されており、かつ携帯電話機6のダウンロードできる音声ファイルのサイズが20KB以下に制限されているとする。
仮に、ADPCMのサンプリング周波数を8kHzとすると、1秒間の音声再生に必要なデータ量は、8kHz×0.5バイト(4ビット)=4kバイトである。従って、ダウンロード可能なファイルサイズ20kバイトの音声ファイルの再生時間(理論値)は、20kバイト÷4kバイト=5秒間となる。ただし、音声ファイルには数十バイトのヘッダ部分が存在するため、実際には5秒間より短くなる。このように、サンプリング周波数8kHz・量子化ビットが4ビットの携帯電話機6におけるADPCM再生機能では、サンプリング周波数8kHz・量子化ビット4ビットの電話音声と同等の音質で最大5秒間(理論値)音声再生できる。無論、ダウンロード可能なファイルサイズが携帯電話機6の仕様変更とともに増大すれば、それに合わせてサンプリング周波数を増大させて音質を向上させてもよいし、サンプリング周波数は変えずに再生時間を長く取るようにしてもよい。また仮に、ADPCMのサンプリング周波数を4kHzとすると、最大10秒間(理論値)の再生時間が得られるが、実際には内容の判別が困難なほどに音質が劣化し好ましくない。
なお、通信部81は、アクセス情報に従ってアクセスしてきたアプリ対応機種の携帯電話機6に対し、そのアクセス情報で特定される格納位置に格納されておりかつその携帯電話機6で再生可能なフォーマットの音声ファイルを音声アプリDB83から取得して携帯電話機6にダウンロードする。
携帯電話機6は、注文受付サーバ2に認証されたパソコン1を使用するユーザやその他のユーザが使用する。携帯電話機6は、QRコードなどの二次元コードに埋め込まれている情報を読み取るコードリーダ61を備えている。本明細書では簡略のため、二次元コードとQRコードを同視して説明するが、QRコードの代わりに、PDF417・データコード・マキシコードなどの各種二次元コードを用いてもよい。携帯電話機6がバーコードを読み取る手段を備えていれば二次元コードの代わりにバーコードを用いてもよい。
[処理の流れ]
以下、配信システムの実行する処理の流れを説明する。配信システムでは注文処理及び配信処理が行われる。
(注文処理)
まず、図6のフローチャートに基づき、配信システムの実行する注文処理の流れを説明する。
S1では、注文受付サーバ2は、アクセスしたパソコン1から送信されたユーザIDとパスワードでパソコン1を認証する。以下、パソコン1は認証を受けたユーザIDで識別される。
S2では、注文受付サーバ2は、コンテンツDB31に記憶されたテンプレート画像を一覧表示するWebページをパソコン1に送信し、一覧表示されたテンプレート画像からいずれか1つを選択させる。図7はテンプレート画像を一覧表示するWebページの一例である。この図では一例として、テンプレート画像T1〜T3が表示されている。パソコン1では、テンプレート画像T1〜T3のクリックなど、操作部13の操作でテンプレート画像の選択を受け付け、選択されたテンプレート画像の識別子を注文受付サーバ2に通知する。以下の説明では一例としてテンプレート画像T1が選択されたものとする。
S3では、注文受付サーバ2は、パソコン1から写真プリント用画像のアップロードを受け付ける。図8に示すように、写真プリント用画像のアップロードは、Webサーバ21からパソコン1に送信したWebページから受け付けることができる。即ち、このページで「参照」ボタン52を押下することで、パソコン1に保存されている画像を選択することができ、この選択をもってアップロードすべき画像を指定する。指定が完了するとパソコン1は指定された画像を注文受付サーバ2に送信する。なお、このページには、S2で選択されたテンプレート画像を確認できるように拡大表示させている。パソコン1からアップロードされた画像はS1で認証されたユーザIDと対応づけられてOMDB22に記憶される。
S4では、注文受付サーバ2は、写真プリント用画像に添付する音声を、S2で選択されたテンプレート画像に対応するテンプレート音声ファイルから変更するか否かの指定を受け付ける。変更する指定がされた場合はS5に移行する。変更する指定がされなかった場合、S2で選択されたテンプレート画像に対応するテンプレート音声ファイルをコンテンツDB31から取得し、S1で認証されたユーザIDと取得した音声ファイルとを対応させて配信管理サーバ8に送信する。配信管理サーバ8は、受信したユーザIDと音声ファイルとを対応づけて音声アプリDB83に記憶し、S8に移行する。変更する指定は、例えば図8に示すWebページで、「変更」ボタン51が押下されたか否かで受け付けることができる。
S5では、注文受付サーバ2は、写真プリント用画像に添付する音声を、パソコン1からアップロードする記録用フォーマットの音声ファイルとするか否かの指定を受け付ける。パソコン1から音声ファイルが指定された場合、指定された音声ファイルのアップロードをパソコン1から受け付け、アップロードされた音声ファイルをユーザIDと対応させて配信管理サーバ8に送信する。配信管理サーバ8は、受信したユーザIDと音声ファイルとを対応づけて音声アプリDB83に記憶し、S8に移行する。一方、パソコン1から音声ファイルが指定されなかった場合、S6に移行する。これらの指定は、図9に示すようなWebページから受け付けることができる。即ち、「参照」ボタン71が押下されると、パソコン1に保存されている音声ファイルを選択することができ、この選択をもってアップロードすべき音声ファイルを指定する。指定が完了すると、パソコン1は指定された音声ファイルを注文受付サーバ2に送信する。「参照」ボタン71が押下されない場合はS6に移行する。
S6では、注文受付サーバ2は、写真プリント用画像に添付する音声を、録音部91で録音した音声とするか否かの指定を受け付ける。この指定がされた場合はS7に移行し、指定されなかった場合はS5に戻る。この指定は、図9のWebページで、「完了」ボタン72が押下されたか否かで受け付けることができる。なお、図9のWebページには、通信部90に付与された所定の電話番号73が表示されており、録音部91がこの電話番号73に接続した電話の通話音声を記録用フォーマットの音声ファイルに変換して音声DB93に記憶する。録音部91は、この音声ファイルとS1で認証したユーザIDとを対応づけて記憶しており、どの音声ファイルがどのユーザIDと対応しているかを管理している。
S7では、通信部90は、S1で認証したユーザIDに対応する音声ファイルを音声DB93から取得し、このユーザIDと取得した音声ファイルとを対応させて配信管理サーバ8に送信する。配信管理サーバ8は、受信した音声ファイルとユーザIDを対応させて音声アプリDB83に記憶する。
S8では、音声ファイル変換部82は、S1で認証したユーザIDに対応する記録用フォーマットの音声ファイルを音声アプリDB83から取得し、この音声ファイルを携帯電話機6にダウンロード可能なファイルサイズとなるよう所定の音質の範囲内で再生用フォーマットの音声ファイルに変換する。変換された再生用フォーマットの音声ファイルには一意的な音声IDが付与されて音声アプリDB83に記憶される。この音声IDはCTIサーバ9にも通知され、音声ファイル変換部82が変換した再生用フォーマットの音声ファイルの変換元となった記録用フォーマットの音声ファイルに対応して音声DB93に記憶される。図4は再生用フォーマットの音声ファイルの変換元となった記録用フォーマットの音声ファイルに音声IDが対応づけられて記憶された状態を示す。なお、本処理の終了後は、S1で認証したユーザIDに対応する記録用フォーマットの音声ファイルを音声アプリDB83から消去してもよい。
S9では、コード発行部29は、S8で音声アプリDB83に記憶された再生用フォーマットの音声ファイルに付与された音声IDを含むアクセス情報を埋め込んだQRコードを発行し、このQRコードをS1で認証したユーザIDと対応づけてOMDB22に記憶する。
S10では、注文受付サーバ2は、S3でアップロードされたプリント用画像とS2で選択されたテンプレート画像とを合成した合成画像に、S9で発行したQRコードを添付した写真プリントをプレビュー表示させるWebページをパソコン1に送信する。図10はプレビュー表示の一例である。この図のWebページには、S2で選択されたテンプレート画像とS3でアップロードされたプリント用画像とを合成した合成画像56に、S9で発行したQRコードの縮小画像55が添付された写真プリントのプレビュー画像57が表示される。なお、この画面では、「聞く」ボタン54を押下することで、S1で認証したユーザIDに対応する記録用フォーマットの音声ファイルを音声DB93からパソコン1にダウンロードして再生することができる。このため、写真プリントに添付する音声をパソコン1でも確認できる。
S11では、注文受付サーバ2は、パソコン1の表示装置12の表示画面でコードリーダ61がアクセス情報を読み取れるようなサイズで発行したQRコードを送信するよう要求されたか否かを判断する。要求された場合はS12に移行し、要求されない場合はS13に移行する。この要求は、プレビュー画像57のQRコードの縮小画像55をクリックなどで指定することでパソコン1から注文受付サーバ2に送信することができる。
S12では、注文受付サーバ2は、パソコン1の表示装置12の表示画面でコードリーダ61がアクセス情報を読み取れるようなサイズに拡大したQRコードの画像をパソコン1に送信する。図11に示すように、表示装置12の表示画面に表示されたQRコードの画像55’は、携帯電話機6のコードリーダ61からアクセス情報を読み取ることができるサイズである。
S13では、配信管理サーバ8は、携帯電話機6が画像55’に埋め込まれたアクセス情報あるいは写真プリントに添付されたQRコードのアクセス情報を読み取り、そのアクセス情報で特定される音声アプリDB83の音声ファイルのダウンロードを要求してきたか否かを判断する。ダウンロードが要求された場合はS14に移行する。ダウンロードが要求されない場合はS15に移行する。
S14では、配信管理サーバ8はアクセス情報で特定されかつ携帯電話機6に固有の再生用フォーマットの音声ファイルを音声アプリDB83から取得して携帯電話機6にダウンロードする。例えば、図5のような情報が、音声アプリDB83に記憶されているとする。アクセス情報に音声ID「V001」が含まれ、携帯電話機6の機種が「機種1」の場合、携帯電話機6には音声ファイル「voice1.mfi1」がダウンロードされる。なお、配信管理サーバ8がどのようにして携帯電話機6の機種を判別するかは後述する。S15では、QRコードの添付された写真プリントを印刷するか否かの指示をパソコン1から受け付ける。印刷する指示を受け付けた場合はS16へ移行し、印刷しない指示を受け付けた場合は本処理を終了する。S16では、制御部20は注文代金の決済処理などを適宜行った後、S3でアップロードされたプリント用画像とS2で選択されたテンプレート画像とを合成した合成画像に、S9で発行したQRコードを添付した写真プリントを印刷するための印刷データを作成してプリンタ32に出力する。プリンタ32は印刷データに基づいてQRコードを添付した写真プリント(以下、QRコード添付プリントという)を印刷する。
以上説明したとおり、パソコン1の表示装置12に表示されたQRコードの画像55’は携帯電話機6のコードリーダ61からアクセス情報を読み取ることができるサイズである。携帯電話機6はパソコン1の表示装置12からアクセス情報を読み取ることができる。音声ファイル変換部82は、記録用フォーマットの音声ファイルを携帯電話機6にダウンロード可能なファイルサイズとなるよう所定の音質の範囲内で再生用フォーマットの音声ファイルに変換して音声アプリDB83に記憶する。この音声ファイルは携帯電話機6の機種ごとに固有のフォーマットである。
携帯電話機6で固有の再生用フォーマットの音声ファイルを受信し、携帯電話機6で音声を再生すれば、所望の音声へのアクセス情報が埋め込まれたQRコードが写真プリントに添付されているか否かをプリント注文時に確認することができ、問題なければプリンタ32でQRコード添付プリントを印刷できる。
なお、上述の配信管理サーバ8は、一旦作成された再生用フォーマットの音声ファイルを更新できる構成とすることも可能である。例えば、通信部90に付与された電話番号と変更対象の音声ファイルに付与された音声IDを含むアクセス情報を埋め込んだQRコードの添付された写真プリントを音声変更用プリントとして携帯電話機6のユーザに有料又は無料で配布しておき、ユーザが携帯電話機6でそのアクセス情報を読み取って通信部90に電話発信して録音開始のプッシュトーン操作を行った場合、録音部91は、携帯電話機6から着信した通話音声を録音する。携帯電話機6の電話通信が終了した場合、上述のS8と同様、音声ファイル変換部82は、記録用フォーマットの音声ファイルを再生用フォーマットの音声ファイルに変換し、この音声ファイルをアクセス情報に含まれた音声IDと対応させて音声アプリDB83に記憶する。この際、既に音声アプリDB83に記憶されている同一の音声IDに対応する再生用フォーマットの音声ファイルは上書きされる。
新たに作成された再生用フォーマットの音声ファイルを確認するためには、S13及びS14と同様、音声アプリDB83へのアクセス情報が埋め込まれたQRコードが添付された写真プリントから該アクセス情報を携帯電話機6で読み取り、再生用フォーマットの音声ファイルをダウンロードして実行させればよい。ただし、再生用フォーマットの音声ファイルの作成中に該音声ファイルのダウンロード要求がされた場合、既に音声アプリDB83に記憶されている古い再生用フォーマットの音声ファイルがダウンロードされ、音声が更新されていないとユーザが誤解するおそれがある。このため、配信管理サーバ8は、再生用フォーマットの音声ファイルの作成中に該音声ファイルのダウンロード要求がされた場合、再生用フォーマットの音声ファイルの作成中である旨を携帯電話機6に通知するとともに、音声ファイルのダウンロードを受け付けないようにすればよい。
(配信処理)
次に、図12のフローチャートに基づき、配信システムの実行する配信処理の流れを説明する。
S21では、携帯電話機6がQRコード添付プリントのQRコードからアクセス情報を読み取り、アクセス情報で示されるネットワーク3上のリソースである配信管理サーバ8にアクセスする。携帯電話機6は、配信管理サーバ8にアクセスした際に、携帯電話機6の固有に情報(携帯電話機6に一意に割り当てられた携帯電話番号や端末IDなど)と、携帯電話機6の機種の情報(端末IDに含まれていてもよい)を配信管理サーバ8に自動通知するエージェント機能を有するものとする。無論、セキュリティ保護や、エージェント機能がない場合にも対応するため、携帯電話機6の所定操作に応じてこれらの情報を配信管理サーバ8に通知するようにしてもよい。以下、説明の簡略のため、端末IDは携帯電話機6の機種を表す情報を含むとする。上述のように、アクセス情報には音声IDが含まれており、携帯電話機6は、エージェント機能又は所定操作により、端末IDとQRコードから取得した音声IDと携帯電話番号を配信管理サーバ8に通知する。
S22では、配信管理サーバ8は携帯電話機6から通知された携帯電話番号と端末IDと音声IDとを取得する。S23では、携帯電話番号又は端末IDに基づき、アクセスしてきた携帯電話機6に固有の再生用フォーマットが音声アプリDB83に記憶された音声ファイルのどの再生フォーマットに対応しているかを判断する。対応する再生フォーマットが存在する場合はS24に移行し、対応する再生フォーマットが存在しない場合はS26に移行する。なお、携帯電話機6が端末IDを通知する機能を有していない場合はS26に移行する。
携帯電話機6の再生用フォーマットの音声ファイルへの対応/非対応の判断は各種の方式が可能である。例えば、各機種の再生用フォーマットの音声ファイルの対応/非対応をテーブル化して配信管理サーバ8に記憶しておき、このテーブルと通知された端末IDとに基づいて携帯電話機6がどの再生用フォーマットに対応しているかを判断してもよい。あるいは、携帯電話機6の通信キャリアごとの再生用フォーマットの音声ファイルの対応/非対応をテーブル化して配信管理サーバ8に記憶しておき、通知された携帯電話番号からキャリアを識別し(例えば、携帯電話番号が「090-XXX○-○○○○」であり、「XXX」の3桁がキャリアの識別子であれば、この3桁からキャリアを識別)する。そして、このテーブルと識別したキャリアとに基づいて携帯電話機6がどの再生用フォーマットに対応しているかを判断してもよい。
S24では、携帯電話機6から通知された音声IDに対応しかつ通知された機種に対応する再生用フォーマットの音声ファイルを音声アプリDB83から取得して携帯電話機6に送信(ダウンロード)する。例えば、図5のような情報が、音声アプリDB83に記憶されているとする。アクセス情報に音声ID「V001」が含まれ、携帯電話機6の端末IDには機種情報として「機種1」が含まれている場合、携帯電話機6には音声ファイル「voice1.mfi1」がダウンロードされる。
S26では、S22で取得した音声IDをCTIサーバ9に送信してチェックIDの生成を要求する。このチェックIDは、携帯電話機6がCTIサーバ9に接続して再生部92に再生させる音声を音声DB93で特定するための仮の音声識別子である。
S27では、CTIサーバ9は、配信管理サーバ8の要求に応じて一意なチェックIDを生成する。次に、CTIサーバ9は、配信管理サーバ8から送信された音声IDと同一の音声IDを音声DB93から特定する。そして、生成したチェックIDを特定した音声IDに対応づけて音声DB93に記憶する。CTIサーバ9は、生成したチェックIDを配信管理サーバ8に通知する。なお、本ステップで生成したチェックIDには有効期限を設定してもよく、有効期限が経過したチェックIDは音声DB93から消去するようにしてもよい。こうすることで不正に携帯電話機6がCTIサーバ9にアクセスして音声の再生を受ける可能性を減らすことができる。
S28では、アクセス情報から読み取った音声IDに対応する音声をCTIサーバ9の再生部92から再生させる再生用電話番号をチェックIDとともに携帯電話機6に通知する。このチェックIDは再生用電話番号の末尾に付加された内線番号などとすることができる。
S29では、携帯電話機6から再生用電話番号に発信してCTIサーバ9に接続し、プッシュトーン操作でチェックIDを送信する。S30では、再生部92は送信されたチェックIDを取得する。S31では、再生部92は、受信したチェックIDと音声DB93のチェックIDとを比較し、受信したチェックIDに対応する記録用フォーマットの音声ファイルを音声DB93から取得し、取得した音声ファイルから音声を再生して携帯電話機6に送信する。S32では、携帯電話機6は受信した音声を図示しないスピーカで再生する。
以上の処理により、携帯電話機6が音声アプリDB83に記憶された再生用フォーマットの音声ファイルを再生できる機種である場合は(S23で“Y”)、携帯電話機6に対応する再生用フォーマットの音声ファイルを携帯電話機6にダウンロードすることができ(S24)、携帯電話機6からCTIサーバ9に何度もアクセスしなくても所定の音質の音声を再生できる。
一方、携帯電話機6が音声アプリDB83に記憶された再生用フォーマットの音声ファイルを再生できる機種でない場合でも(S23で“N”)、携帯電話機6からCTIサーバ9に電話接続してチェックIDを通知することで(S29)、音声の再生を受けることができる(S31、S32)。即ち、本配信システムは、どのような機種、どのような通信キャリアの携帯電話機6がアクセスしてきても音声を配信することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態の配信システムが実行する配信処理では、携帯電話機6からトーン操作などで送信したチェックIDで音声DB93の音声ファイルを特定していたが、基地局5と携帯電話機6の通信状況その他の事情に起因してチェックIDの通知が困難な場合があるため、携帯電話機6の携帯電話番号から音声ファイルを特定できるような構成にすることも可能である。
図13は第2実施形態に係る配信処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、第1実施形態の配信システムと同様の構成のシステムで実行可能である。
S41〜S44はそれぞれ第1実施形態の配信処理のS21〜S24と同様である。S46では、配信管理サーバ8は、携帯電話機6から通知された音声IDと携帯電話番号とをCTIサーバ9に送信する。S47では、CTIサーバ9は、配信管理サーバ8から送信された音声IDと同一の音声IDを音声DB93から特定する。そして、配信管理サーバ8から送信された携帯電話番号を特定した音声IDに対応づけて音声DB93に記憶する。図14は音声DB93に記憶される情報の概念説明図である。この図に示すように、第2実施形態に係る音声DB93は、第1実施形態と異なり、音声IDと記録用フォーマットの音声ファイルと携帯電話番号とを対応づけて記憶している。
S48では、アクセス情報から読み取った音声IDに対応する音声をCTIサーバ9の再生部92から再生させる再生用電話番号を携帯電話機6に通知する。
S49では、携帯電話機6から再生用電話番号に発信してCTIサーバ9に接続する。S50では、再生部92は接続してきた携帯電話機6から携帯電話番号を取得する。なお、再生部92が携帯電話機6から携帯電話番号を取得するためには、携帯電話機6の電話番号通知機能を有効にしておく必要がある。S51では、再生部92は、取得した携帯電話番号と音声DB93の携帯電話番号とを比較し、取得した携帯電話番号に対応する記録用フォーマットの音声ファイルを音声DB93から取得し、取得した音声ファイルから音声を再生して携帯電話機6に送信する。S52では、携帯電話機6は受信した音声を図示しないスピーカで再生する。
<その他の実施形態>
上述のS21あるいはS41では、QRコードから音声IDを読み取っていたが、この音声IDをボタン操作やBluetooth通信などから携帯電話機6に入力する構成としてもよい。このようにすれば、コードリーダ61を備えない携帯電話機6でも上記第1又は第2実施形態に係る配信管理サーバ8を利用できる。入力させる音声IDはQRコード添付プリントの縁部などに印刷してユーザが認識できるようにしてもよい。