JP2006015259A - 無機ナノ粒子の製造方法及びその無機ナノ粒子、並びに、ナノコンポジット複合材料の製造方法及びそのナノコンポジット複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 十分に高い収率で無機ナノ粒子を得ることのできる無機ナノ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決する本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、無機ナノ結晶を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、無機ナノ結晶を含有するヒドロゾル相と、無機ナノ結晶の表面を疎水化する親油性化合物、ソルビタン酸誘導体、及び、有機溶媒を含有する有機相とを接触させて無機ナノ結晶を有機相に抽出することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 上記課題を解決する本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、無機ナノ結晶を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、無機ナノ結晶を含有するヒドロゾル相と、無機ナノ結晶の表面を疎水化する親油性化合物、ソルビタン酸誘導体、及び、有機溶媒を含有する有機相とを接触させて無機ナノ結晶を有機相に抽出することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、サブミクロン以下の粒径を有する無機ナノ粒子の製造方法及びその無機ナノ粒子、並びに、無機ナノ粒子を有機マトリックスへ分散させたナノコンポジット複合材料の製造方法及びそのナノコンポジット複合材料に関するものである。
従来、無機ナノ粒子と呼ばれるサブミクロン以下の粒径を有する金属材料又は金属酸化物材料の製造方法には、気相法や液相法が知られている。これらを比較すると、気相法では生成する粒子同士の二次凝集が生じやすく、その点で液相法が有効であるとされている。
かかる液相法としては、サブミクロン以下の粒径を有する無機結晶の粒子(以下、「無機ナノ結晶」という。)を生成するための原料水溶液を、非極性有機溶媒中の逆ミセル相内部に存在させ、逆ミセル相中で結晶成長させる方法が知られている(以下、「逆ミセル法」という。)。また、無機ナノ結晶を水やエタノール等のプロトン性溶媒中で生成させてゾルを合成し、次いでこれに界面活性剤を加えて、この無機ナノ結晶の粒子表面を界面活性剤で被覆、すなわち疎水化し、有機溶媒に抽出する方法が知られている(以下、「ゾル生成法」という。)。また、高温の配位性溶媒中で熱分解性の原料を加熱させ、かかる原料が熱分解して発生した核粒子の表面に配位性溶媒分子を配位させて結晶成長させる方法が知られている(以下、「ホットソープ法」という。)。
逆ミセル法やゾル生成法においては、無機ナノ粒子の結晶性を向上させるために加熱処理が行われる。しかしながら、両者とも水の沸点や界面活性剤の分解温度よりも低い温度で加熱する必要があるため、結晶性の良好な無機ナノ粒子を作製するには不十分である。一方、ホットソープ法においては、比較的高温で反応させるため、加熱処理をあえて行う必要がないが、熱分解性の原料として高価で不安定な有機金属化合物を使用しなくてはならない。また、原料自体も限られており、工業利用上制限がある。
そこで、これらの不具合を解消するため、例えば、無機ナノ結晶やその前駆体を含有するヒドロゾルと、この無機ナノ結晶やその前駆体の表面と結合性を有する脂溶性表面修飾分子を含む、水と混和しない有機溶媒とを接触させることにより、無機ナノ粒子を有機相へ抽出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−73126号公報
しかしながら、本発明者らは、上記従来の無機ナノ粒子の製造方法について詳細に検討を行ったところ、かかる無機ナノ粒子の製造方法では、無機ナノ粒子を効率よく回収することが困難であることを見出した。
その理由は必ずしも明白ではないが、以下のように推測される。すなわち、かかる従来の無機ナノ粒子の製造方法は、両相界面で脂溶性表面修飾分子を無機ナノ結晶やその前駆体の粒子表面に結合させ、これによって疎水化された無機ナノ結晶を有機相へ抽出するものである。しかしながら、無機ナノ結晶が金属酸化物である場合などでは、その表面と脂溶性修飾分子との結合性が弱くなり、無機ナノ結晶を十分に疎水化できなくなると推測される。その結果、無機ナノ結晶がヒドロゾル相から有機相へ移相され難くなるものと考えられる。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、十分に高い収率で無機ナノ粒子を得ることのできる無機ナノ粒子の製造方法及びその無機ナノ粒子、並びに、当該無機ナノ粒子を用いたナノコンポジット複合材料の製造方法及びそのナノコンポジット複合材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、無機ナノ結晶(以下、「a成分」という。)を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、a成分を含有するヒドロゾル相と、a成分の表面を疎水化する親油性化合物(以下、「b1成分」という。)、ソルビタン酸誘導体(以下、「c成分」という。)、及び、有機溶媒(以下、「d成分」という。)、を含有する有機相とを接触させてa成分を有機相に抽出することを特徴とする。
また、本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、a成分を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、a成分を含有するヒドロゾル相を生成させる第1工程と、b1成分、c成分及びd成分を含有する有機相にヒドロゾル相を接触させてa成分を有機相に抽出する第2工程とを有することを特徴とする。
ここで、「無機ナノ粒子」とは、平均粒径がサブミクロンオーダーのa成分を含有するものであり、a成分の表面をa成分とは異なる組成の分子が被覆していてもよい。
また、a成分とb1成分との結合は、b1成分自体がa成分に結合してもよく、b1成分の有する官能基が脱離、解離等してa成分に結合してもよい。また、a成分は単結晶及び多結晶のいずれの構造を有していてもよい。
a成分とb1成分との結合状態を確認する方法としては、表面の荷電状態を調べるゼータ(ζ)電位測定法が挙げられる。例えば、a成分単独で正の電荷を有する無機ナノ結晶に、b1成分としてアニオン性の化合物を用いることにより、負のゼータ電位を測定できる。また、a成分とb1成分の液体とを超高速遠心分離等で固液分離し、液成分中のb1成分の量を定量し、a成分とb1成分との結合量を同定することも可能である。
本発明においては、有機相にc成分及びd成分が含有されることにより、高い収率でa成分を有機相へ抽出することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、b1成分はa成分と結合してa成分の粒子表面を疎水化することができる特性を有し、また、c成分はa成分の粒子表面を被覆できる特性を有するため、これらの特性が複合的に作用することによって、a成分を十分に疎水化できることに起因するものと推測される。
有機相にa成分が抽出されているかどうかを確認する方法としては、例えば不揮発成分の量を熱重量法で測定する方法がある。または、FT−IR測定によって、吸収の度合からa成分の濃度を測定することもできる。更に、有機相をドライアップ(乾燥)し、TEM観察で無機ナノ結晶を確認することができる。
本発明においては、第2工程を経て得られたa成分を含有する有機相を150〜400℃に加熱する第3工程を更に有してもよい。これにより、a成分の結晶成長を適度に促進し、a成分の結晶性を向上させることができる。
また、第2工程を経て得られたa成分を含有する有機相から、a成分を単離する第4工程を更に有してもよい。かかる単離方法としては、通常の析出沈殿操作やドライアップ(乾燥)等が挙げられる。
また、本発明の別の無機ナノ粒子の製造方法は、a成分を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、a成分の前駆体を含有するヒドロゾル相と、前駆体の表面を疎水化する親油性化合物(以下、「b2成分」という。)、c成分、及び、d成分、を含有する有機相とを接触させて前駆体を有機相に抽出した後、前駆体を所定温度で加熱してa成分を生成させることを特徴とする。
また、本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、a成分を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、a成分の前駆体を含有するヒドロゾル相を生成させる第5工程と、b2成分、c成分及びd成分を含有する有機相にヒドロゾル相を接触させて前駆体を有機相に抽出する第6工程と、前駆体を所定温度で加熱してa成分を生成させる第7工程とを有することを特徴とする。
a成分の前駆体を用いる上記無機ナノ粒子の製造方法では、a成分の前駆体は十分に高い効率で有機物に抽出される。その理由は上述のa成分を抽出する場合と同様のものと考えられる。そして、有機相へ抽出されたa成分の前駆体を所定温度で加熱するとa成分を生成させることができるため、a成分を含有する無機ナノ粒子を効率的に製造することができる。有機相中にa成分が生成しているかどうかを確認する方法としては、有機相にa成分が抽出されているかどうかを確認する上述の方法と同様の確認方法が挙げられる。
本発明においては、上述の所定温度が150〜400℃であると好ましい。これにより、a成分の前駆体からa成分をより容易に生成することができる。
また、第7工程を経て得られたa成分を含有する有機相から、a成分を単離する第4工程を更に有してもよい。
本発明においては、b1成分又はb2成分(以下、単に「b成分」という。)が、スルファニル基、ジスルファンジイル基、アミノ基、ピリジル基、カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシホスホノイル基(−PO(OH)H)、置換又は未置換のホスファニル基、及び、置換又は未置換のホスフィノイル基からなる群より選択される1種以上の基を有すると好ましい。特に、b成分が、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、及び、ホスフィン酸からなる群より選択される1種以上の化合物の塩であると好ましい。かかる構造を有するb成分を用いることにより、a成分をより確実に疎水化することができる。
本発明においては、c成分のHLB値が10以下であることが好ましい。
ここで、HLB(Hydrophil Lyophile Balance)値とは、分子中に含まれる親水基と親油基のバランスを特性値として利用した指標的数字であり、以下の定義により示される値のことをいう。すなわち、炭素数8〜10のアルキル硫酸エステル塩や石鹸では水への溶解度が大きいが、油へは実質的に溶解しない。このような界面活性剤では後述する場合よりも親水性が勝っており、後述の場合に比してHLBが大きいと定義される。一方、炭素数が18〜22の硫酸エステル塩や石鹸では油への溶解度は大きいが、水へは実質的に溶解しない。このような界面活性剤では上述の場合よりも疎水性が勝っており、上述の場合に比してHLBが小さいと定義される。
HLB値の算出方法としては、親水基や疎水基をパラメーター化したHLB基数に基づいて算出する方法や、分子量に対する親水基の重量の割合に基づいて算出する方法等が挙げられる。具体的なHLB値の例としては、ソルビタントリステアリン酸エステル(2.1)、ソルビタンモノステアリン酸エステル(5.7〜5.9)、ソルビタンモノパルミチン酸エステル(6.6〜6.7)、ソルビタンモノラウリン酸エステル(8.5〜8.6)、ポリオキシエチレン〈20〉ソルビタンモノオレイン酸エステル(15〜15.8)である。
かかる条件を満たすc成分は、a成分を有機相へ抽出しやすくする観点から、親水基と親油基とのバランスがとれた構造を有する。このため、より高い収率でa成分を有機相へ抽出することができる。
また、本発明の無機ナノ粒子は、上述の無機ナノ粒子の製造方法により得られるものである。かかる無機ナノ粒子は、溶媒中で粒子同士が凝集し難く、安定に分散して存在することができる。また、ドライアップされた上記の無機ナノ粒子を他の有機溶媒や樹脂等の有機マトリックス内へ添加しても粒子同士が二次凝集し難く、好適に再分散することができる。これらの理由は必ずしも明らかではないが、a成分の表面にc成分が十分に結合された結果、本発明の無機ナノ粒子では、a成分同士が直接接触し難いためと推測される。
本発明のナノコンポジット複合材料の製造方法は、本発明の無機ナノ粒子の製造方法において得られた、a成分を含有する有機相にポリマーを添加した後に、有機相中の溶媒を除去することを特徴とする。また、本発明のナノコンポジット複合材料の製造方法は、本発明の無機ナノ粒子の製造方法において得られた、a成分を含有する有機相に重合性化合物を添加し、この重合性化合物を重合した後に、有機相中の溶媒を除去することを特徴とする。ここで、ポリマーや重合性化合物は、a成分を有機相に抽出した後であればいつでも有機相へ添加することができ、上述の第2工程又は第6工程後であっても、第3工程又は第7工程後であってもよい。
また、本発明の別のナノコンポジット複合材料の製造方法は、ポリマーを含有する有機溶液に本発明の無機ナノ粒子を添加した後に、有機溶液中の溶媒を除去することを特徴とする。また、本発明の更に別のナノコンポジット複合材料の製造方法は、重合性化合物を含有する有機溶液に本発明の無機ナノ粒子を添加し、この重合性化合物を重合した後に、有機溶液中の溶媒を除去することを特徴とする。このような製造方法は、本発明の無機ナノ粒子が二次凝集し難い特性を生かしたものであり、ポリマー中に無機ナノ粒子を均一分散させることができる。
また、本発明のナノコンポジット複合材料は、上述のナノコンポジット複合材料の製造方法により得られるものである。かかるナノコンポジット複合材料は、本発明の無機ナノ粒子をポリマー中に均一に分散させた構造を有するため、十分に優れた光学的性質等の特性を備えることができる。
本発明は、十分に高い収率で無機ナノ粒子を得ることのできる無機ナノ粒子の製造方法及び無機ナノ粒子を提供することができる。また、当該無機ナノ粒子を用いたナノコンポジット複合材料の製造方法及びナノコンポジット複合材料を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[第1実施形態]
第1実施形態にかかる無機ナノ粒子の製造方法は、a成分である無機ナノ結晶を含有するヒドロゾル相と、b1成分であるa成分との結合によりa成分の表面を疎水化する親油性化合物、c成分であるソルビタン酸誘導体、及び、d成分である有機溶媒、を含有する有機相とを接触させてa成分を有機相に抽出するものである。
第1実施形態にかかる無機ナノ粒子の製造方法は、a成分である無機ナノ結晶を含有するヒドロゾル相と、b1成分であるa成分との結合によりa成分の表面を疎水化する親油性化合物、c成分であるソルビタン酸誘導体、及び、d成分である有機溶媒、を含有する有機相とを接触させてa成分を有機相に抽出するものである。
(a成分)
a成分は、無機結晶を主体とするサブミクロン以下の無機物粒子であり、水性溶媒中に分散して重力により沈降しないものであれば特に限定されず、例えば、半導体や導電体(例えば遷移金属や炭素等)の金属酸化物、あるいは、これらの金属酸化物に絶縁体(例えばシリカ等)の組成を有する外殻(シェル)を備えたものが挙げられる。
a成分は、無機結晶を主体とするサブミクロン以下の無機物粒子であり、水性溶媒中に分散して重力により沈降しないものであれば特に限定されず、例えば、半導体や導電体(例えば遷移金属や炭素等)の金属酸化物、あるいは、これらの金属酸化物に絶縁体(例えばシリカ等)の組成を有する外殻(シェル)を備えたものが挙げられる。
a成分の無機ナノ結晶としては、SiO2、CeO2等が挙げられるが、特に、a成分が半導体結晶であると光学的特性等の面からみて非常に有用である。かかる半導体としては、例えばC、Si、Ge、Sn等の周期表第14族元素の単体、P(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、SeやTe等の周期表第16族元素の単体、SiC等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、SnO2、Sn(II)Sn(IV)S3、SnS2、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、Al2S3、Al2Se3、Ga2S3、Ga2Se3、Ga2Te3、In2O3、In2S3、In2Se3、In2Te3等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、TlCl、TlBr、TlI等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、As2S3、As2Se3、As2Te3、Sb2S3、Sb2Se3、Sb2Te3、Bi2S3、Bi2Se3、Bi2Te3等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、Cu2O、Cu2Se等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、CuCl、CuBr、CuI、AgCl、AgBr等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、NiO等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、CoO、CoS等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、Fe3O4等の酸化鉄類、FeS等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、MnO等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、MoS2、WO2等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、VO、VO2、Ta2O5等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、TiO2、Ti2O5、Ti2O3、Ti5O9等の酸化チタン類(結晶型はルチル型、ルチル/アナタースの混晶型、アナタース型のいずれでもよい)及びZrO2等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、Y2O3、La2O3等の周期表第3族元素(ランタノイド元素を含む)と周期表第16族元素との化合物、MgS、MgSe等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、CdCr2O4、CdCr2Se4、CuCr2S4、HgCr2Se4等のカルコゲンスピネル類、あるいはBaTiO3等が挙げられる。
これらのうち実用的に重要なものは、例えばSnO2、SnS2、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等のIII−V族化合物半導体、Ga2O3、Ga2S3、Ga2Se3、Ga2Te3、In2O3、In2S3、In2Se3、In2Te3等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe等のII−VI族化合物半導体、As2O3、As2S3、As2Se3、As2Te3、Sb2O3、Sb2S3、Sb2Se3、Sb2Te3、Bi2O3、Bi2S3、Bi2Se3、Bi2Te3等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、Fe3O4等の酸化鉄類やFeS等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、上記の酸化チタン類やZrO2等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、Y2O3、La2O3等の周期表第3族元素(ランタノイド元素を含む)と周期表第16族元素との化合物である。
これらの中でも、SnO2、GaN、GaP、In2O3、InN、InP、Ga2O3、Ga2S3、In2O3、In2S3、ZnO、ZnS、CdO、CdS、上記の酸化鉄類、ルチル型やアナタース型二酸化チタン、ZrO2、Y2O3、MgS等は毒性の高い陰性元素を含まないので耐環境汚染性や生物への安全性の点で好ましく、この観点ではSnO2、In2O3、ZnO、ZnS、α−Fe2O3、ルチル型二酸化チタン、ZrO2、Y2O3等の毒性の高い陽性元素を含まない組成であると更に好ましい。
ZnO、α−Fe2O3、ルチル型二酸化チタン、Y2O3等の酸化物半導体結晶は、光吸収能、高い屈折率、安全性、安価であることから、紫外線吸収材料や高屈折率コーティング等の用途に最も好ましいものである。
また、α−Fe2O3等の酸化鉄類等、可視領域に吸収能のある着色した半導体結晶は、顔料等の色材用途に重要である。
なお、例示した半導体結晶の組成には、必要に応じ、微量のドープ物質(故意に添加する不純物の意味)として、例えばAl、Mn、Cu、Zn、Ag、Cl、Ce、Eu、Tb、Er等の元素が含まれていてもよい。また、内核(コア)と外殻(シェル)からなるいわゆるコアシェル構造であってもよい。
a成分を作製する方法としては、4価の金属塩とアルカリ液とを混合する手法が使用できる(例えば、「希土類の科学」足立吟也編、化学同人、304〜305頁参照)。かかる4価の金属塩としては、例えば、Mを希土類元素(Ce、Y、La等)として、M(SO4)2、M(NH4)2(NO3)6、M(NH4)4(SO4)4、Zr(SO4)2・4H2Oを好ましく使用することができる。
また、a成分の平均粒径としては、0.5〜50nmであると好ましい。
特に、a成分が半導体である場合、a成分の平均粒径としては、0.5〜50nmであると好ましく、2〜40nmであるとより好ましく、3〜30nmであると更に好ましい。平均粒径が0.5nm未満であると、半導体結晶としての性質(例えば吸発光特性や高屈折率性等)が十分に発揮されない傾向にある。また、平均粒径が50nmを超えると、半導体ナノ結晶としての特徴(例えば、量子効果による吸発光特性の粒径依存性や透明分散性等)が極端に低下する傾向にある。
上記の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により得られる粒子像から測定される。詳しくは、観察される粒子像と同面積の円の直径を当該粒子像の粒径と定義する。こうして決定される粒径を用い、例えば公知の画像データの統計処理手法により、この平均粒径を数平均粒径として算出するが、かかる統計処理に使用する粒子像の数(統計処理データ数)は可及的多いことが当然望ましく、本実施形態においては、再現性の点で無作為に選ばれた当該粒子像の個数として最低でも50個以上、好ましくは80個以上、更に好ましくは100個以上とする。これらはヒドロゾル中では、分散性に影響のない程度に緩やかに二次凝集していてもよい。
また、本実施形態において、a成分を含有するヒドロゾルとは、水を主体とする水性溶媒中にa成分が分散した分散液を意味する。この水溶液溶媒中のa成分は分散されており、水性溶媒中の水の含有量は後述する有機相との相分離性の点で通常70質量%以上必要であり、好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。かかる水性溶媒に混合してもよい水と混和する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等の炭素数3以下のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の炭素数4以下のグリコール類、グリセリンやペンタエリスリトール等の多価アルコール類等が例示される。
(b1成分)
b1成分は、上述のヒドロゾル中に分散するa成分に結合してその表面を疎水化できる有機化合物(親油性化合物)であり、a成分に有機相への分散性を付与することによって、有機相にa成分を抽出する作用を有するものである。また、かかる作用を有するため、有機相に溶解可能であり、ヒドロゾル相には溶解し難いものである。b1成分のa成分への結合状態に制限はないが、共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合等の化学結合が挙げられる(以下、かかる結合に関与するb1成分側の官能基を「結合生成官能基」という。)。
b1成分は、上述のヒドロゾル中に分散するa成分に結合してその表面を疎水化できる有機化合物(親油性化合物)であり、a成分に有機相への分散性を付与することによって、有機相にa成分を抽出する作用を有するものである。また、かかる作用を有するため、有機相に溶解可能であり、ヒドロゾル相には溶解し難いものである。b1成分のa成分への結合状態に制限はないが、共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合等の化学結合が挙げられる(以下、かかる結合に関与するb1成分側の官能基を「結合生成官能基」という。)。
b1成分の分子構造における炭化水素構造(例えばアルキル基、アルキレン基、炭化水素芳香環等)の占める割合は、b1成分の総量100質量%に対して40質量%以上であると好ましく、50質量%以上であるとより好ましく、60質量%以上であると更に好ましい。上記割合が40質量%未満であると、b1成分が十分な親油性を発揮することができない傾向にある。
上記炭化水素構造として好ましい炭化水素構造としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の炭素数3〜20程度のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、ナフチルメチル基等の芳香族炭化水素基を含有する炭化水素基等が例示され、中でもn−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基等の炭素数6〜16程度の直鎖状アルキル基が特に好ましい。また、これらの親油性化合物はそれ自体あるいは他の有機化合物との反応性を有する官能基を有していてもよい。
また、結合生成官能基としては、例えばスルファニル基、ジスルファンジイル基、チエニル基等の硫黄原子含有官能基、アミノ基、ピリジル基、カルバモイル基、シアノアルキル基等の窒素原子含有官能基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシホスホノイル基(−PO(OH)H)等の酸性官能基、置換又は未置換のホスファニル基、置換又は未置換のホスフィノイル基等のリン原子含有官能基、あるいは水酸基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基等のエステル結合を有する基、アルコキシアルキル基等のエーテル結合を有する基、ポリエチレングリコール鎖等の酸素原子含有官能基等が例示される。
これらのうち、スルファニル基及びジスルファンジイル基等の硫黄原子含有官能基、アミノ基、ピリジル基及びカルバモイル基等の窒素原子含有官能基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及びヒドロキシホスホノイル基等の酸性官能基、置換又は未置換のホスファニル基、及び、置換又は未置換のホスフィノイル基等のリン原子含有官能基がa成分への結合性の点で好適であり、中でもスルファニル基、アミノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ホスホノ基、置換又は未置換のホスフィノイル基が更に好適である。
スルファニル基は遷移金属元素(例えば銀、金、銅、亜鉛、カドミウム等の周期表第11族及び12族元素等)との結合エネルギーの点で、ホスホノ基は酸化物(例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等)表面との結合エネルギーの点で、それぞれ最も好適である。
一方、アミノ基、カルバモイル基、及び、置換又は未置換のホスフィノイル基は、上述の結合エネルギーが比較的低いので、本発明による製造方法の工程の途中又は終了後にb1成分を除去したり別の有機化合物に置換する必要がある場合には最も好適に用いられる。
上記例示の結合生成官能基は、b1成分による効果を著しく悪化させない限りにおいてその分子構造中に2つ以上存在してもよいが、通常1つ存在することが望ましい。なお、結合生成官能基が2つ以上存在する場合、その種類は同一でも異なっていてもよい。
具体的に、b1成分としては、1−メルカプト−n−ブタン(n−ブチルメルカプタン)、1−メルカプト−n−ヘキサン、1−メルカプト−n−オクタン、1−メルカプト−n−デカン、1−メルカプト−n−ドデカン、1−メルカプト−n−ヘキサデカン等のω−メルカプトアルカン類、ベンゼンチオール、メルカプトフェニルメタン(ベンジルメルカプタン)等のフェニル基を有するチオール類、n−ブチルメチルジスルフィド、n−ヘキシルメチルジスルフィド、n−オクチルメチルジスルフィド、n−デカメチルジスルフィド、n−ドデカメチルジスルフィド、n−ヘキサデカメチルジスルフィド等のジスルフィド結合を有する化合物、フェニルメチルジスルフィド、ベンジルメチルジスルフィド等のフェニル基とジスルフィド結合とを有する化合物、1−アミノ−n−ブタン(n−ブチルアミン)、1−アミノ−n−ヘキサン、1−アミノ−n−オクタン、1−アミノ−n−デカン、1−アミノ−n−ドデカン、1−アミノ−n−ヘキサデカン等のω−アミノアルカン類、アニリン、アミノフェニルメタン(ベンジルアミン)等のフェニル基を有するアミン類、2−ブチル−3−メチルピリジン、2−ヘキシル−3−メチルピリジン、2−オクチル−3−メチルピリジン等のピリジン類、n−ブチルカルバミン酸、n−ヘキシルカルバミン酸、n−オクチルカルバミン酸、n−デカカルバミン酸、n−ドデカカルバミン酸、n−ヘキサデカカルバミン酸等の脂肪族カルバミン酸類、n−ブタン酸、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、n−ヘキサデカン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、n−ブタン酸アミド、n−ヘキサン酸アミド、n−オクタン酸アミド、n−デカン酸アミド、n−ドデカン酸アミド、n−ヘキサデカン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド類、安息香酸アミド、桂皮酸アミド等のフェニル基を有するカルボン酸アミド類、n−ブチルスルホン酸、n−ヘキシルスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、n−デシルスルホン酸、n−ドデシルスルホン酸、n−ヘキサデシルスルホン酸等の脂肪族スルホン酸類、ベンゼンスルホン酸等のフェニル基を有するスルホン酸類、n−ブチルホスホン酸、n−ヘキシルホスホン酸、n−オクチルホスホン酸、n−デシルホスホン酸、n−ドデシルホスホン酸、n−ヘキサデシルホスホン酸等の脂肪族ホスホン酸類、ベンゼンホスホン酸等のフェニル基を有するホスホン酸類、n−ブチルホスフィン酸、n−ヘキシルホスフィン酸、n−オクチルホスフィン酸、n−デシルホスフィン酸、n−ドデシルホスフィン酸、n−ヘキサデシルホスフィン酸等の脂肪族ホスフィン酸類、ベンゼンホスフィン酸等のフェニル基を有するホスフィン酸類、1−ホスファニル−n−ブタン(n−ブチルホスフィン)、1−ホスファニル−n−ヘキサン、1−ホスファニル−n−オクタン、1−ホスファニル−n−デカン、1−ホスファニル−n−ドデカン、1−ホスファニル−n−ヘキサデカン等のω−ホスファニルアルカン類、ベンゼンホスフィン、ホスファニルフェニルメタン(ベンジルホスフィン)等のフェニル基を有するホスファン類、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィンオキシド類、トリフェニルホスフィンオキシド、ベンジルジオクチルホスフィンオキシド等のフェニル基を有するホスフィンオキシド類等が例示される。b1成分それ自体あるいは他の有機化合物との反応性を有する官能基を有するものとして、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
b1成分の重量平均分子量は、上記のa成分の抽出作用を発揮する限りにおいて特に制限はないが、150〜500であると好ましく、170〜400であるとより好ましく、190〜350であると更に好ましい。b1成分の重量平均分子量が150未満であると、a成分の抽出後に有機相を150〜400℃に加熱する場合、極端に揮発しやすくなる傾向にあり、500を超えると、a成分の抽出作用に寄与しない不必要なb1成分が生じる傾向にある。
(c成分)
c成分としては、ノニオン(非イオン)性界面活性剤の一種であるソルビタン酸の高級脂肪酸エステルやポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられ、例えばソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(6)、ソルビタンテトラオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(30)ソルビタンテトラオレエート等が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、これらを併用して使用してもよい。
c成分としては、ノニオン(非イオン)性界面活性剤の一種であるソルビタン酸の高級脂肪酸エステルやポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられ、例えばソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(6)、ソルビタンテトラオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(30)ソルビタンテトラオレエート等が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、これらを併用して使用してもよい。
界面活性剤中の親水基と親油基とのバランスの指標としては、HLB値が挙げられる。例えば、HLB値が1〜4のものは油溶性、5〜9のものは水分散性、10〜20のものは水溶性というように性質が分かれるが、c成分においては、HLB値が10以下であると好ましく、4以下であるとより好ましい。HLB値が10を超えると、油相中にエマルジョンが生成しやすくなり、抽出物の分離が困難となる傾向にある。なお、HLB値は加成則が成り立つことから、高HLB値の界面活性剤と低HLB値の界面活性剤を組み合わせることにより、10以下に調節することができる。
(d成分)
d成分は、水と均一に混和しない相を形成でき、なおかつb1成分及びc成分を溶解可能にするものであれば特に制限なく使用することができる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等のアルカン類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサノールやオクタノール等の高級アルコール類等が例示される。
d成分は、水と均一に混和しない相を形成でき、なおかつb1成分及びc成分を溶解可能にするものであれば特に制限なく使用することができる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等のアルカン類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサノールやオクタノール等の高級アルコール類等が例示される。
これらのうちで、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等のアルカン類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類は化学的安定性に優れ、揮発性が高すぎず、また、除去しやすい沸点を有し、更には非親水性である点で好ましい。中でもトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類及びクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類は溶解力の点で優れ、更に好ましい。
有機相に含有される上記のb1成分、c成分及びd成分は、いずれも有機相中に存在し、ヒドロゾル相に溶解し難いものであって、a成分をヒドロゾル相から有機相へ抽出可能であるものならばいずれの組み合わせであってもよいが、好適な組み合わせ例として、b1成分がスルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムであり、c成分がソルビタントリステアレートであり、d成分がトルエンである組み合わせが挙げられる。
(ヒゾロゾル相及び有機相中の各成分の組成比)
ヒドロゾル相中のa成分の含有量に制限はないが、ヒドロゾル相の総量100質量%に対して0.001〜15質量%であると好ましく、0.01〜10質量%であるとより好ましく、0.1〜5質量%であると更に好ましい。かかる含有量が0.001質量%未満であると、生産性の効率が悪化する傾向にあり、15質量%を超えると、ヒドロゾル中のa成分の分散性が低下する傾向にある。
ヒドロゾル相中のa成分の含有量に制限はないが、ヒドロゾル相の総量100質量%に対して0.001〜15質量%であると好ましく、0.01〜10質量%であるとより好ましく、0.1〜5質量%であると更に好ましい。かかる含有量が0.001質量%未満であると、生産性の効率が悪化する傾向にあり、15質量%を超えると、ヒドロゾル中のa成分の分散性が低下する傾向にある。
b1成分、c成分及びd成分を含有する有機相においては、有機相の総量100質量%に対して、b1成分を0.5〜50質量%含むことが好ましく、1〜50質量%含むことがより好ましく、5〜50質量%含むことが更に好ましい。上記範囲外であると、a成分の表面を十分に疎水化できない傾向にある。
また、有機相の総量100質量%に対して、c成分を0.01〜30質量%含むことが好ましく、0.2〜20質量%含むことがより好ましい。c成分が上記範囲外にあると、十分にa成分を有機相へ移動させることができず、a成分の有機相への収率が低下する傾向にある。
本発明の無機ナノ粒子の製造方法においては、a成分の疎水化を更に高めるために、上述の成分に加えて、必要に応じて通常使用されるアニオン性、カチオン性あるいは両性の界面活性剤を使用することもできる。
かかるアニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、例えば、石鹸、N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルりん酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムが挙げられるが、これに限定されるものではない。両性界面活性剤としては、例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、これらの界面活性剤は、有機相の総量100質量%に対して、0.1〜20質量%程度含有することができる。
第1実施形態にかかる無機ナノ粒子の製造方法は、具体的には、a成分を含有するヒドロゾル相を生成させる第1工程と、b1成分、c成分及びd成分、を含有する有機相にヒドロゾル相を接触させてa成分を有機相に抽出する第2工程とを有するものであり、更に必要に応じて、その後に、a成分を含有する有機相を150〜400℃に加熱する第3工程や、a成分を含有する有機相からa成分を単離する第4工程を行うものである。以下、それぞれの工程について詳述する。
(第1工程)
第1工程において、ヒドロゾルの生成の反応機構に制限はなく、例えば、水性溶媒又はアルコール系溶媒中での金属塩の加水分解又は加硫分解等と、これに付随する縮合反応により、a成分を直接生成させるゾル生成法が例示される。その他、気相反応により無機ナノ粒子を製造する気相法や、逆ミセル法、ホットソープ法等で調製したa成分を原料として、水性溶媒中に分散し、ヒドロゾルを生成させてもよいが、ゾル生成法を用いることが特に有効である。
第1工程において、ヒドロゾルの生成の反応機構に制限はなく、例えば、水性溶媒又はアルコール系溶媒中での金属塩の加水分解又は加硫分解等と、これに付随する縮合反応により、a成分を直接生成させるゾル生成法が例示される。その他、気相反応により無機ナノ粒子を製造する気相法や、逆ミセル法、ホットソープ法等で調製したa成分を原料として、水性溶媒中に分散し、ヒドロゾルを生成させてもよいが、ゾル生成法を用いることが特に有効である。
ゾル生成法におけるヒドロゾルの原料としては、例えば酸化チタンナノ結晶を合成する場合には硫酸チタニルが、酸化亜鉛ナノ結晶を合成する場合には酢酸亜鉛や硝酸亜鉛等の亜鉛塩が、それぞれ例示される。
また、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)やテトライソプロポキシオルソチタネート等の金属アルコキシド類もヒドロゾルの原料として好適に使用可能である。金属が希土類元素の場合は、上述したようにMを希土類元素(Ce、Y、La等)として、M(SO4)2、M(NH4)2(NO3)6、M(NH4)4(SO4)4、Zr(SO4)2・4H2O等が使用できる。
特に、ゾル生成法により酸化物ナノ結晶を合成する場合においては、例えば、硫酸チタニルを原料として用いる酸化チタンナノ結晶の合成のように、水酸化物等の前駆体を経由し、次いで酸やアルカリにより(好ましくは酸により)これを脱水縮合又は解膠してヒドロゾルを生成させる手順も可能である。
かかる前駆体を経由する手順では、この前駆体を、粉砕、超音波処理、濾過や沈殿分離(必要であれば遠心分離)等の任意の方法で分散及び単離精製することが、最終製品の純度を高める観点で好適である。
また、ヒドロゾルのpH(水素イオン濃度)は、無機ナノ結晶の有機相への抽出性を極端に阻害しない限りにおいて特に制限はないが、1〜12であると好ましく、2〜10であるとより好ましい。上記範囲外であると、c成分の結合生成官能基との反応性や、生成する結合の安定性が低下する傾向にある。
(第2工程)
第2工程においては、上記のa成分を含有するヒドロゾルと、b1成分、c成分及びd成分を含有する有機溶液とを例えば攪拌することによって接触させ、2相系の状態にする。このとき、2相系界面において、a成分がb1成分やc成分によって疎水化される。そして、このような疎水化されたa成分が有機相へ抽出される。
第2工程においては、上記のa成分を含有するヒドロゾルと、b1成分、c成分及びd成分を含有する有機溶液とを例えば攪拌することによって接触させ、2相系の状態にする。このとき、2相系界面において、a成分がb1成分やc成分によって疎水化される。そして、このような疎水化されたa成分が有機相へ抽出される。
2相系においてのヒドロゾル相と有機相との容積比は、ヒドロゾル相中のa成分の含有量にもよるが、99:1〜1:99であると好ましく、90:10〜10:90であるとより好ましく、80:20〜20:80であると更に好ましい。上記範囲外であると、界面面積が極めて狭くなる傾向にある。
また、a成分の抽出温度は0〜100℃であると好ましく、10〜90℃であるとより好ましく、20〜80℃であると更に好ましい。抽出温度が0℃未満であると、有機相のa成分に対する溶解力が著しく低下する傾向にあり、100℃を超えると、有機相の溶媒が揮散する傾向にある。
また、a成分の抽出時間は特に制限はないが、0.5〜1500分であると好ましく、1〜1000分であるとより好ましく、10〜500分であると更に好ましい。抽出時間が0.5分未満であると、a成分の抽出収率が著しく低下する傾向にあり、1500分を超えると、抽出速度が著しく低下する傾向にある。
また、a成分を抽出する際の環境としては、a成分やその他の有機物における酸化等の変性を防止する目的で、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気下で行うことが好ましい場合がある。また、必要に応じて遮光してもよい。
なお、2相系の有機相では、ヒドロゾルとの接触の際に少量の水を溶解してもよい。
(第3工程)
a成分を有機相に抽出した後、第3工程において、その有機相を必要に応じて加熱する。この工程の主目的は、その結晶性を向上させることにある。また、副次的な効果として、a成分の数平均粒径の増大がある。
a成分を有機相に抽出した後、第3工程において、その有機相を必要に応じて加熱する。この工程の主目的は、その結晶性を向上させることにある。また、副次的な効果として、a成分の数平均粒径の増大がある。
a成分を抽出した有機相をそのまま加熱してもよいが、高い加熱温度を達成する目的で、比較的低い沸点の有機溶媒を、蒸留等によりあらかじめ有機相から除去しておいてもよい。また、これらいずれの場合においても、所定温度での加熱還流による温度制御等を目的として新しい溶媒を有機相中に加えてもよい。
有機相の加熱温度は、150〜400℃であると好ましく、180〜380℃であるとより好ましく、200〜350℃であると更に好ましい。有機相の加熱温度が150℃未満であると、a成分の結晶性が十分に向上しない傾向にあり、400℃を超えると、b1成分やc成分等の有機物の熱分解等による変性が生じやすくなる傾向にある。
また、加熱環境については、有機物の酸化劣化等の変性を防止する観点から、窒素やアルゴン等の不活性気体の雰囲気下で行うことが好ましい。ここで、不活性気体の雰囲気において、酸素ガス濃度が1%未満であると好ましく、0.1%未満であるとより好ましく、0.05%未満であると更に好ましい。
(第4工程)
有機相に抽出し、必要に応じて加熱されたa成分は、その表面に結合するc成分を保持した無機ナノ粒子の状態で有機相中に存在している。第4工程において、これを単離する処理としては、例えば、加熱した有機相の貧溶媒(例えば水を含有していてもよいメタノール等のアルコール類)への注入による無機ナノ粒子の析出沈殿操作が挙げられる。また、溶媒を取り除いてドライアップ(乾燥)を行ってもよい。
有機相に抽出し、必要に応じて加熱されたa成分は、その表面に結合するc成分を保持した無機ナノ粒子の状態で有機相中に存在している。第4工程において、これを単離する処理としては、例えば、加熱した有機相の貧溶媒(例えば水を含有していてもよいメタノール等のアルコール類)への注入による無機ナノ粒子の析出沈殿操作が挙げられる。また、溶媒を取り除いてドライアップ(乾燥)を行ってもよい。
このようにして得られた本実施形態に係る無機ナノ粒子は、液中に均一分散させることができ、安定性に優れている。また、ドライアップ(乾燥)した無機ナノ粒子を再度、有機溶液へ添加しても、二次凝集が起こり難く、再分散性に優れている。
[第2実施形態]
第2実施形態にかかる無機ナノ粒子の製造方法は、a成分の前駆体を含有するヒドロゾル相と、b2成分、c成分及びd成分、を含有する有機相とを接触させてa成分の前駆体を有機相に抽出した後、a成分の前駆体を所定温度で加熱してa成分を生成させるものである。
第2実施形態にかかる無機ナノ粒子の製造方法は、a成分の前駆体を含有するヒドロゾル相と、b2成分、c成分及びd成分、を含有する有機相とを接触させてa成分の前駆体を有機相に抽出した後、a成分の前駆体を所定温度で加熱してa成分を生成させるものである。
a成分の前駆体としては、ヘマタイト(α−Fe2O3)やマグネタイト(Fe3O4)等の酸化鉄類ナノ結晶を与える前駆体である水和酸化鉄類(例えばゲーサイトやアカゴナイト、もしくは組成が不定の水酸基を有する酸化鉄類)、アナタース型やルチル型結晶を有する酸化チタンナノ結晶を与える水和酸化チタン、その他、Ce等希土類の4価の金属塩から得られる水酸化物等が挙げられる。また、a成分の前駆体の平均粒径は、0.5〜50nmであると好ましい。b2成分としては、第1実施形態のb1成分と同様のものが挙げられる。c成分及びd成分は第1実施形態と同様のものを用いることができる。また、各成分の組成比に関しては、第1実施形態の組成比において、a成分をa成分の前駆体に、b1成分をb2成分に置き換えればよい。
第2実施形態にかかる無機ナノ粒子の製造方法は、具体的には、a成分の前駆体を含有するヒドロゾル相を生成させる第5工程と、b2成分、c成分及びd成分を含有する有機相にヒドロゾル相を接触させてa成分の前駆体を有機相に抽出する第6工程と、a成分の前駆体を所定温度で加熱してa成分を生成させる第7工程とを有するものであり、更に必要に応じて、その後に、a成分を含有する有機相からa成分を単離する第8工程を行うものである。
第5工程は、a成分に代えてa成分の前駆体を用いる以外は第1実施形態の第1工程と同様である。第6工程は、a成分に代えてa成分の前駆体を用い、b1成分に代えてb2成分を用いる以外は第1実施形態の第2工程と同様である。第8工程は第1実施形態の第4工程と同様である。
第7工程は、a成分の前駆体からa成分を生成させるためのものであり、加熱の際の所定温度が150〜400℃であると好ましい。この温度が上記範囲外であると、a成分を十分に生成させることができない傾向にある。
[第3実施形態]
第3実施形態にかかるナノコンポジット複合材料の製造方法は、第1実施形態の第2工程を経て得られたa成分を含有する有機相に重合性化合物又はポリマーを添加した後、重合性化合物を添加した場合は重合反応させたうえで、有機相の溶媒を除去するものである。
第3実施形態にかかるナノコンポジット複合材料の製造方法は、第1実施形態の第2工程を経て得られたa成分を含有する有機相に重合性化合物又はポリマーを添加した後、重合性化合物を添加した場合は重合反応させたうえで、有機相の溶媒を除去するものである。
かかるポリマーとしては、有機相に溶解可能なものであれば特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等を挙げることができる。また、重合性化合物としては、重合反応によってポリマーを形成できるものであれば特に限定されず、公知の光重合性化合物、熱重合性化合物等を挙げることができ、重合可能であれば複数の種類を用いてもよい。
有機相にポリマーを添加してナノコンポジット複合材料を作製する場合、有機相の総量100質量%に対して、ポリマーを0.01〜50質量%添加することが好ましく、1〜40質量%添加することがより好ましい。ポリマーの添加量が0.01質量%未満であると生産性(効率)が低下する傾向にあり、50質量%を超えると低濃度のナノコンポジット複合材料となり、ナノコンポジット複合材料特有の性質が得られ難い傾向にある。
有機相に重合性化合物を添加してナノコンポジット複合材料を作製する場合、有機相の総量100質量%に対して、重合性化合物を0.01〜5質量%添加することが好ましく、0.1〜1質量%添加することがより好ましい。重合性化合物の添加量が0.01質量%未満であると重合化し難い傾向にあり、5質量%を超えると反応を制御し難い傾向にある。
なお、有機相を加熱する第7工程は、a成分を含有する有機相に重合性化合物又はポリマーを添加する前に実施しても、後に実施してもよい。
このようにして得られたナノコンポジット複合材料は、吸発光特性や高屈折率等の光学的特性を有するため、プロジェクタやディスプレイなどの光学デバイス用部品材料の原料や、コーティング材料として活用することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態にかかるナノコンポジット複合材料の製造方法は、第4工程又は第8工程を経て単離された無機ナノ粒子を、重合性化合物又はポリマーを含有する有機溶液に添加した後、重合性化合物が含有されている場合は重合反応させたうえで、有機溶液中の溶媒を除去するものである。
第4実施形態にかかるナノコンポジット複合材料の製造方法は、第4工程又は第8工程を経て単離された無機ナノ粒子を、重合性化合物又はポリマーを含有する有機溶液に添加した後、重合性化合物が含有されている場合は重合反応させたうえで、有機溶液中の溶媒を除去するものである。
かかる重合性化合物又はポリマーとしては特に限定されず、第3実施形態と同様の化合物が挙げられる。
この場合、有機溶液の総量100質量%に対して、本発明の無機ナノ粒子を0.1〜20質量%添加することが好ましく、1〜15質量%添加することがより好ましい。無機ナノ粒子の添加量が0.1質量%未満であると生産性(効率)が低下する傾向にあり、20質量%を超えると無機ナノ粒子の分散性が低下する傾向にある。
以上、本発明の無機ナノ粒子の製造方法、無機ナノ粒子、ナノコンポジット複合材料の製造方法及びナノコンポジット複合材料の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、a成分とa成分の前駆体とを両方含有するヒドロゾル相と、b成分、c成分及びd成分を含有する有機相と、を接触させてa成分を有機相に抽出し、必要に応じて、有機相を所定温度で加熱して、無機ナノ粒子を作製してもよい。また、重合性化合物及びポリマーの両方を有機相に添加して、ナノコンポジット複合材料を作製してもよい。
以下、実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
(無機ナノ結晶を含有するヒドロゾルの合成)
[合成例1]
430gのCe(NH4)2(NO3)6を7300gの純水に溶解し、次にこの溶液に240gの25%アンモニア水溶液を混合し攪拌することにより、該溶液中に水酸化セリウム(黄白色)の沈殿を生成した。
[合成例1]
430gのCe(NH4)2(NO3)6を7300gの純水に溶解し、次にこの溶液に240gの25%アンモニア水溶液を混合し攪拌することにより、該溶液中に水酸化セリウム(黄白色)の沈殿を生成した。
上述の沈殿が含まれる溶液を遠心分離(4000rpm、5分間)によって固液分離し、液体を除去した沈殿に新たに純水を加えて、再び上記条件で遠心分離を行った。このような操作を4回繰り返し、洗浄を行った。得られた水酸化セリウムの粒子160gを純水15680gと混合した後、その化合物に超音波分散を施し、更に1μmのSUSフィルタでろ過を行った。このようにして、固形分1質量%の水酸化セリウムナノ結晶を含有する合成例1のヒドロゾルを得た。
[合成例2]
0.1モル/Lの濃度の塩化チタニル(TiOCl2)水溶液を攪拌しながら、その水溶液と同容量の1.5モル/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液を室温で25分かけて、上記塩化チタニル水溶液に滴下した。こうして白色の超微粒子を含有する懸濁液を得た。
0.1モル/Lの濃度の塩化チタニル(TiOCl2)水溶液を攪拌しながら、その水溶液と同容量の1.5モル/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液を室温で25分かけて、上記塩化チタニル水溶液に滴下した。こうして白色の超微粒子を含有する懸濁液を得た。
得られた白色の超微粒子の懸濁液を、遠心分離(4000rpm)、上澄み液のデカンテーションによる除去、及び水洗の3工程をこの順に繰り返す操作により精製して白色沈殿を得た。なお、該精製は、上澄み液に水酸化バリウム水溶液を加えてもチタン酸バリウムの白色の濁りが目視観察されなくなるまで行った。
こうして得られた白色沈殿を0.3モル/Lの濃度の希塩酸中に投入し、該希塩酸を攪拌分散しながら60℃で約1時間加熱して透明感のある酸性のヒドロゾルを作製した。このようにして、酸化チタンナノ結晶を含有する合成例2のヒドロゾルを得た。
(無機ナノ粒子液の調製)
[実施例1]
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)0.043g及びソルビタントリステアレート(和光純薬製)0.043gをトルエンに溶解し10mL溶液とした。この溶液を合成例1で得た黄色のヒドロゾル10mLの入った容器に注入し、該容器を室温で激しく攪拌した。
[実施例1]
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)0.043g及びソルビタントリステアレート(和光純薬製)0.043gをトルエンに溶解し10mL溶液とした。この溶液を合成例1で得た黄色のヒドロゾル10mLの入った容器に注入し、該容器を室温で激しく攪拌した。
その後、容器を静置すると、上側のトルエンを多く含む透明な有機相と、下側の主に水を含む白濁した相とに分離した。上側の有機相を分取し、遠心分離(3000rpm)して沈殿物を生成させ、該沈殿物を除去した。このようにして、黄色透明の実施例1の無機ナノ粒子を含有する液(以下、「無機ナノ粒子液」という。)を調製した。
[実施例2]
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.096gとし、ソルビタントリステアレートの添加量を0.096gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の実施例2の無機ナノ粒子液を調製した。
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.096gとし、ソルビタントリステアレートの添加量を0.096gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の実施例2の無機ナノ粒子液を調製した。
[実施例3]
合成例1のヒドロゾルに代えて、合成例2のヒドロゾルを用いたほかは、実施例1と同様にして透明の実施例3の無機ナノ粒子液を得た。
合成例1のヒドロゾルに代えて、合成例2のヒドロゾルを用いたほかは、実施例1と同様にして透明の実施例3の無機ナノ粒子液を得た。
[実施例4]
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)0.043g、ソルビタントリステアレート(和光純薬製)0.043g、トルエン(和光純薬製)8.5g、及び、合成例1で得た黄色のヒドロゾル10gを容器に入れ、該容器を室温で激しく攪拌した。その後は実施例1と同様にして、実施例4の無機ナノ粒子液を調製した。
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)0.043g、ソルビタントリステアレート(和光純薬製)0.043g、トルエン(和光純薬製)8.5g、及び、合成例1で得た黄色のヒドロゾル10gを容器に入れ、該容器を室温で激しく攪拌した。その後は実施例1と同様にして、実施例4の無機ナノ粒子液を調製した。
この実施例4の無機ナノ粒子液において、上述と同様にして無機ナノ粒子濃度を求めたところ、無機ナノ粒子濃度は7.65g/Lとなり、実施例1のナノ粒子濃度とほぼ同等の濃度となることが確認された。
[実施例5]
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)5.07g及びソルビタントリステアレート(和光純薬製)5.07gをトルエンに溶解し500mL溶液とした。この溶液を合成例1で得た黄色のヒドロゾル10mLの入った容器に注入し、該容器を室温で激しく攪拌した。その後は実施例1と同様にして、実施例5の無機ナノ粒子液を調製した。
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)5.07g及びソルビタントリステアレート(和光純薬製)5.07gをトルエンに溶解し500mL溶液とした。この溶液を合成例1で得た黄色のヒドロゾル10mLの入った容器に注入し、該容器を室温で激しく攪拌した。その後は実施例1と同様にして、実施例5の無機ナノ粒子液を調製した。
ポリスチレン(和光純薬製、重量平均分子量:1000000)60.5gをトルエン200gに溶解し、実施例5の無機ナノ粒子液200gを加えて均一な溶液とした。続いて、その溶液を0.5mmスペーサーを介して離型フィルム上に塗布し乾燥した。その結果、無機ナノ粒子が均一に分散し、透明なフィルム状のポリスチレンが得られたことを確認した。図1にその透明なフィルム状のポリスチレンの模式図を示す。
[実施例6]
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)5.07g及びソルビタントリステアレート(和光純薬製)5.07gをトルエンに溶解し500mL溶液とした。この溶液を合成例1で得た黄色のヒドロゾル10mLの入った容器に注入し、該容器を室温で激しく攪拌した。その後は実施例1と同様にして、実施例6の無機ナノ粒子液を調製した。
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウム(和光純薬製)5.07g及びソルビタントリステアレート(和光純薬製)5.07gをトルエンに溶解し500mL溶液とした。この溶液を合成例1で得た黄色のヒドロゾル10mLの入った容器に注入し、該容器を室温で激しく攪拌した。その後は実施例1と同様にして、実施例6の無機ナノ粒子液を調製した。
この実施例6の無機ナノ粒子液を、エバポレータを使用してドライアップ(乾燥)した。得られた粉末0.2gを、メタクリル酸メチルモノマー(和光純薬製)溶液40gに溶解し、更に、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬製)0.2gを加えて均一な溶液とした。続いて、その溶液を1.5mmスペーサーを介して二枚のガラス板の中に流し込んだ。そして、これを恒温槽に入れて、60℃で2時間、90℃で1時間、100℃で2時間加熱した。その結果、無機ナノ粒子が均一に分散し、透明な樹脂板が得られたことを確認した。
[比較例1]
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.025gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例1の無機ナノ粒子液を調製した。
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.025gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例1の無機ナノ粒子液を調製した。
[比較例2]
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.046gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例2の無機ナノ粒子液を調製した。
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.046gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例2の無機ナノ粒子液を調製した。
[比較例3]
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.093gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例3の無機ナノ粒子液を調製した。
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.093gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例3の無機ナノ粒子液を調製した。
[比較例4]
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.192gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例4の無機ナノ粒子液を調製した。
ソルビタントリステアレートを添加せず、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムの添加量を0.192gとした以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例4の無機ナノ粒子液を調製した。
[比較例5]
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例5の無機ナノ粒子液を調製した。
スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして黄色透明の比較例5の無機ナノ粒子液を調製した。
<有機相に抽出した無機ナノ粒子の定量>
合成例1のヒドロゾルを純水で希釈し、所定濃度のヒドロゾルを含有する希釈液を作製した。この希釈液の吸光度を、分光光度計(日立製作所製、U−2010型)により、290〜600nmの波長範囲で求めた。ヒドロゾル濃度を種々変化させて得られた希釈液について、上述と同様にして吸光度を求めた。そして、希釈液中のヒドロゾル濃度と300nmの波長における吸光度との関係から検量線を作成した。
合成例1のヒドロゾルを純水で希釈し、所定濃度のヒドロゾルを含有する希釈液を作製した。この希釈液の吸光度を、分光光度計(日立製作所製、U−2010型)により、290〜600nmの波長範囲で求めた。ヒドロゾル濃度を種々変化させて得られた希釈液について、上述と同様にして吸光度を求めた。そして、希釈液中のヒドロゾル濃度と300nmの波長における吸光度との関係から検量線を作成した。
続いて、実施例1、2、比較例1〜4の無機ナノ粒子液の原液について、又は該原液を必要に応じて所定量の純水で希釈して得られた希釈液について、上述と同様にして300nmの波長における吸光度を求めた。得られた吸光度の値、希釈液の吸光度の値、希釈液の吸光度を測定した場合の該希釈液の希釈率、及び上記検量線から、実施例1、2、比較例1〜4の無機ナノ粒子液中の無機ナノ粒子濃度を求めた。その結果を表1に示す。
<無機ナノ粒子液の安定性評価>
実施例1、2、比較例1〜4の無機ナノ粒子液を作製後、室温で2週間放置し、沈殿物の生成を目視で確認し、無機ナノ粒子液の安定性を評価した。その結果を表1に示す。沈殿物が確認されなかった場合、無機ナノ粒子は液中に比較的均一に分散し、無機ナノ粒子としての安定性が比較的良好であることが示唆される。この場合は表1中Aと表記した。一方、沈殿物が確認された場合、無機ナノ粒子が凝集し、液中に分散し難い状態にあり、無機ナノ粒子の安定性が比較的良好ではないことが示唆される。この場合は表1中Bと表記した。ソルビタントリステアレートを添加して調製した無機ナノ粒子液の方が、ソルビタントリステアレートを添加せずに作製したものに比べて、沈殿物を確認できない傾向にあった。このことは、ソルビタントリステアレートを添加することにより、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムが十分に疎水化し、無機ナノ粒子同士の凝集が起こり難くなっていることを示唆している。
実施例1、2、比較例1〜4の無機ナノ粒子液を作製後、室温で2週間放置し、沈殿物の生成を目視で確認し、無機ナノ粒子液の安定性を評価した。その結果を表1に示す。沈殿物が確認されなかった場合、無機ナノ粒子は液中に比較的均一に分散し、無機ナノ粒子としての安定性が比較的良好であることが示唆される。この場合は表1中Aと表記した。一方、沈殿物が確認された場合、無機ナノ粒子が凝集し、液中に分散し難い状態にあり、無機ナノ粒子の安定性が比較的良好ではないことが示唆される。この場合は表1中Bと表記した。ソルビタントリステアレートを添加して調製した無機ナノ粒子液の方が、ソルビタントリステアレートを添加せずに作製したものに比べて、沈殿物を確認できない傾向にあった。このことは、ソルビタントリステアレートを添加することにより、スルホこはく酸ジイソオクチルナトリウムが十分に疎水化し、無機ナノ粒子同士の凝集が起こり難くなっていることを示唆している。
<無機ナノ粒子の有機溶剤への再分散性評価>
エバポレータを用いて、実施例1、2、比較例1〜4の無機ナノ粒子液のドライアップ(乾燥)を行い、黄色粉末を得た。得られた黄色粉末を所定量のトルエンに再分散させ、得られた溶液の透明性から再分散の程度を判断した。その結果を表1に示す。溶液の透明性が比較的良い(高い)場合は、再分散性が良好であり、表1中、Aと表記した。一方、溶液の透明性が比較的悪い(低い)場合は、再分散性が良好でなく、表1中、Bと表記した。実施例1、2の場合のみ、ドライアップ(乾燥)品の再分散性が確保されることが確認された。このことは、実施例1、2では、無機ナノ粒子同士の二次凝集が十分に防止されていることを示唆する。
エバポレータを用いて、実施例1、2、比較例1〜4の無機ナノ粒子液のドライアップ(乾燥)を行い、黄色粉末を得た。得られた黄色粉末を所定量のトルエンに再分散させ、得られた溶液の透明性から再分散の程度を判断した。その結果を表1に示す。溶液の透明性が比較的良い(高い)場合は、再分散性が良好であり、表1中、Aと表記した。一方、溶液の透明性が比較的悪い(低い)場合は、再分散性が良好でなく、表1中、Bと表記した。実施例1、2の場合のみ、ドライアップ(乾燥)品の再分散性が確保されることが確認された。このことは、実施例1、2では、無機ナノ粒子同士の二次凝集が十分に防止されていることを示唆する。
Claims (17)
- 無機ナノ結晶を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、
前記無機ナノ結晶を含有するヒドロゾル相と、
前記無機ナノ結晶の表面を疎水化する親油性化合物、ソルビタン酸誘導体、及び、有機溶媒、を含有する有機相と、を接触させて前記無機ナノ結晶を前記有機相に抽出する、無機ナノ粒子の製造方法。 - 無機ナノ結晶を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、
前記無機ナノ結晶を含有するヒドロゾル相を生成させる第1工程と、
前記無機ナノ結晶の表面を疎水化する親油性化合物、ソルビタン酸誘導体、及び、有機溶媒、を含有する有機相に前記ヒドロゾル相を接触させて前記無機ナノ結晶を前記有機相に抽出する第2工程と、
を有する無機ナノ粒子の製造方法。 - 前記第2工程を経て得られた前記無機ナノ結晶を含有する前記有機相を150〜400℃に加熱する第3工程、を更に有する、請求項2記載の無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記第2工程を経て得られた前記無機ナノ結晶を含有する前記有機相から、前記無機ナノ結晶を単離する第4工程、を更に有する、請求項2又は3に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
- 無機ナノ結晶を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、
前記無機ナノ結晶の前駆体を含有するヒドロゾル相と、
前記前駆体の表面を疎水化する親油性化合物、ソルビタン酸誘導体、及び、有機溶媒、を含有する有機相と、を接触させて前記前駆体を前記有機相に抽出した後、前記前駆体を所定温度で加熱して前記無機ナノ結晶を生成させる、無機ナノ粒子の製造方法。 - 無機ナノ結晶を含有する無機ナノ粒子の製造方法であって、
前記無機ナノ結晶の前駆体を含有するヒドロゾル相を生成させる第5工程と、
前記前駆体の表面を疎水化する親油性化合物、ソルビタン酸誘導体、及び、有機溶媒、を含有する有機相に前記ヒドロゾル相を接触させて前記前駆体を前記有機相に抽出する第6工程と、
前記前駆体を所定温度で加熱して前記無機ナノ結晶を生成させる第7工程と、
を有する無機ナノ粒子の製造方法。 - 前記所定温度が150〜400℃である請求項5又は6に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記第7工程を経て得られた前記無機ナノ結晶を含有する前記有機相から、前記無機ナノ結晶を単離する第8工程、を更に有する、請求項6又は7に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記親油性化合物が、スルファニル基、ジスルファンジイル基、アミノ基、ピリジル基、カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシホスホノイル基、置換又は未置換のホスファニル基、及び、置換又は未置換のホスフィノイル基からなる群より選択される1種以上の基を有するものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記親油性化合物が、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸及びホスフィン酸からなる群より選択される1種以上の化合物の塩である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記ソルビタン酸誘導体のHLB値が10以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の無機ナノ粒子の製造方法により得られる、無機ナノ粒子。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の無機ナノ粒子の製造方法において得られた、前記無機ナノ結晶を含有する前記有機相、にポリマーを添加した後に、前記有機相中の溶媒を除去する、ナノコンポジット複合材料の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の無機ナノ粒子の製造方法において得られた、前記無機ナノ結晶を含有する前記有機相、に重合性化合物を添加し、前記重合性化合物を重合した後に、前記有機相中の溶媒を除去する、ナノコンポジット複合材料の製造方法。
- ポリマーを含有する有機溶液に請求項12記載の無機ナノ粒子を添加した後に前記有機溶液中の溶媒を除去する、ナノコンポジット複合材料の製造方法。
- 重合性化合物を含有する有機溶液に請求項12記載の無機ナノ粒子を添加し、前記重合性化合物を重合した後に、前記有機溶液中の溶媒を除去する、ナノコンポジット複合材料の製造方法。
- 請求項13〜16のいずれか一項に記載のナノコンポジット複合材料の製造方法により得られる、ナノコンポジット複合材料。
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JP2004196074A JP2006015259A (ja) | 2004-07-01 | 2004-07-01 | 無機ナノ粒子の製造方法及びその無機ナノ粒子、並びに、ナノコンポジット複合材料の製造方法及びそのナノコンポジット複合材料 |
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JP2009535497A (ja) * | 2006-04-12 | 2009-10-01 | ナノマス テクノロジーズ インコーポレイテッド | ナノ粒子、その製造方法、およびその用途 |
JP2011140426A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 金属酸化物ナノ結晶の製造方法、金属酸化物ナノ結晶配列膜の作製方法、金属酸化物ナノ結晶配列膜被覆基板及びその製造方法 |
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2004
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