JP2006009979A - センサ付き密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装着スペースを縮小可能で、ロータリエンコーダのセンサ40の取付構造も複雑化しないセンサ付き密封装置1を提供する。
【解決手段】クランクシャフト4が挿通される嵌合筒部11及びその外周に展開しエンジンブロック2に固定される取付フランジ部12を有するリテーナ10と、前記嵌合筒部11に嵌着されると共にクランクシャフト4の外周面に摺動可能に密接される密封装置本体20とを備え、リテーナ10の取付フランジ部12に形成されたセンサ装着部13に、クランクシャフト4と一体回転するパルサーリング30の回転を検出するセンサ40が取り付けられている。パルサーリング30のパルサー本体32は円筒状をなし、リテーナ10の嵌合筒部11とセンサ装着部13の間を通って嵌合筒部11と同心の円周方向へ延びている。
【選択図】図2
【解決手段】クランクシャフト4が挿通される嵌合筒部11及びその外周に展開しエンジンブロック2に固定される取付フランジ部12を有するリテーナ10と、前記嵌合筒部11に嵌着されると共にクランクシャフト4の外周面に摺動可能に密接される密封装置本体20とを備え、リテーナ10の取付フランジ部12に形成されたセンサ装着部13に、クランクシャフト4と一体回転するパルサーリング30の回転を検出するセンサ40が取り付けられている。パルサーリング30のパルサー本体32は円筒状をなし、リテーナ10の嵌合筒部11とセンサ装着部13の間を通って嵌合筒部11と同心の円周方向へ延びている。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転軸の外周を密封する密封装置であって、特に、軸回転を検出するためのロータリエンコーダのセンサを設けたものに関する。
エンジンのクランクシャフトを軸封する手段として設けられる密封装置において、エンジンの回転を検出するための磁気式ロータリエンコーダが併設されるものとしては、従来、例えば下記の特許文献1に開示されたものが知られている。
特開2004−93554
すなわち、この密封装置は、非回転のハウジングの内周に支持され、クランクシャフトの外周面に摺接されるものであって、クランクシャフトの軸端には、円周方向に多極着磁されたパルサーリング(パルスホイール)が取り付けられており、更に前記ハウジングには、前記パルサーリングに外周側から対向された磁気センサが、前記密封装置に軸方向に隣接して取り付けられている。磁気センサは、パルサーリングと共に磁気式ロータリエンコーダを構成しており、クランクシャフトと一体回転するパルサーリングの磁界の変化と対応するパルスを発生し、クランクシャフトの回転を検出するものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来の技術によれば、センサと軸シールリングが軸方向に並んでハウジングに取り付けられるので、ハウジング(例えばエンジンブロック)の軸方向寸法が大きくなってしまい、取付構造も全体として煩雑であった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、装着スペースを縮小可能で、ロータリエンコーダのセンサの取付構造も複雑化しないセンサ付き密封装置を提供することにある。
上述した技術的課題は、本発明によって有効に解決することができる。すなわち請求項1の発明に係るセンサ付き密封装置は、回転軸が挿通される嵌合筒部及びその外周に展開し静止側に固定される取付フランジ部を有するリテーナと、前記嵌合筒部に嵌着されると共に前記回転軸の外周面に摺動可能に密接される密封装置本体とを備え、前記リテーナの取付フランジ部に形成されたセンサ装着部に、前記回転軸と一体回転するパルサーリングの回転を検出するセンサが取り付けられたものである。
上記構成において、リテーナの嵌合筒部には密封装置本体が予め一体に嵌着され、リテーナのセンサ装着部には、予めセンサが一体に取り付けられる。このため、リテーナ、密封装置本体及びセンサを、一体の組立物として取扱うことができる。また、センサがリテーナのセンサ装着部に取り付けられることによって、密封装置本体の外周側に配置される。
また、請求項2の発明に係るセンサ付き密封装置は、請求項1に記載された構成において、パルサーリングの被検出部が円筒状をなすものであって、リテーナの嵌合筒部とセンサ装着部の間を通って前記嵌合筒部と同心の円周方向へ延びるものである。
上記構成によれば、センサ、パルサーリングの円筒状被検出部、及び密封装置本体が、径方向に並んで設けられる。
請求項1の発明に係るセンサ付き密封装置によれば、リテーナに、密封装置本体及びセンサを予め取り付けておくことができるので、一体の組立物となって、取扱や、機器への取付作業が容易になる。
請求項2の発明に係るセンサ付き密封装置によれば、請求項1による効果に加え、軸方向に対する装着スペースの縮小を図ることができる。
以下、本発明に係るセンサ付き密封装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。まず図1は、この形態によるセンサ付き密封装置の装着状態を軸方向外側から見た図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、この形態によるセンサ付き密封装置を軸方向外側から見た図、図4は図3のIV−IV断面図、図5はセンサの取付構造の一例を示す分解斜視図である。
図1及び図2において、参照符号1は本発明に係る密封装置である。参照符号2は自動車用エンジンのエンジンブロックの一部(後部)を示しており、参照符号3はオイルパン、参照符号4はエンジンブロック2の後部から突出したクランクシャフトの後端部を示している。エンジンブロック2は、請求項1に記載された静止側に相当するものであり、クランクシャフト4は、請求項1に記載された回転軸に相当するものである。
本発明に係るセンサ付き密封装置1は、クランクシャフト4を回転自在に支持する軸受部2aを潤滑するために供給されるエンジンオイルを密封対象とするものであって、金属板の打ち抜きプレス成形体であるリテーナ10と、このリテーナ10に一体的に保持された密封装置本体20とからなる。
図3及び図4に示されるように、リテーナ10は、内周に密封装置本体20を保持する円筒状の嵌合筒部11と、この嵌合筒部11における軸方向内側となる端部から外周側へ展開した取付フランジ部12とを有する。取付フランジ部12には、複数の結合用孔12aが所定間隔で開設されると共に、補強のための周り縁12bが屈曲形成されている。また、周り縁12bの上部には、センサ装着部13が張り出し形成されている。
リテーナ10は、その取付フランジ部12がエンジンブロック2における軸受部2aの外周側の外端面に密接衝合されると共に、取付フランジ部12における各結合用孔12aに挿通される複数のボルト14によって緊結され、周り縁12bの下端の平面部12cが、オイルパン3の上縁に緊結又は溶接等により結合されるようになっている。
密封装置本体20は、金属製の取付環21と、この取付環21の内周にゴム状弾性材料によって一体成形されたシールリップ22及びダストリップ23とからなる。詳しくは、取付環21は、金属板を打ち抜きプレス成形することにより製作されたものであり、シールリップ22及びダストリップ23は、その外周部で互いに連続したものであって、取付環21に、その内周端部を一体に埋設した状態に加硫接着されている。
シールリップ22は、先端寄りの内周部が、クランクシャフト4の外周面に摺動可能に密接され、ダストリップ23は、シールリップ22と反対側を向いていて、クランクシャフト4の外周面に摺動可能に密接又は微小隙間を介して近接対向される。図4における参照符号22aは、シールリップ22の内周面に円周方向に対して所定の傾斜角度をなして形成された突条であり、クランクシャフト4の回転時に、その外周面との間で、エンジン外部へ向けて通過しようとするエンジンオイルをエンジン側へ押し戻すねじシール作用を惹起するものである。
密封装置本体20は、取付環21が、リテーナ10の嵌合筒部11の内周に、適当な締め代をもって圧入され密嵌されることによって、このリテーナ10に保持されている。そして、図2に示されるエンジンブロック2への取付状態では、シールリップ22がエンジンブロック2側を向き、ダストリップ23がエンジンブロック2と反対側を向いている。
図1及び図2における参照符号30は、クランクシャフト4の軸端に一体的に設けられたパルサーリングである。このパルサーリング30は、クランクシャフト4の端面4aに複数の取付ボルト33を介して取り付けられた円盤状のホルダ31と、このホルダ31の外周部に一体的に設けられた円筒状のパルサー本体32からなる。
パルサー本体32は、請求項2に記載された被検出部に相当するものであって、例えばフェライト粉末等の磁性粉末を混合した合成樹脂又はゴム材、あるいは強磁性体金属からなり、円周方向所定ピッチでS極とN極が交互に着磁された円筒状の多極磁石である。フェライト粉末等の磁性粉末を混合した合成樹脂又はゴム材からなるものである場合は、ホルダ31から屈曲形成した円筒部の外周面に一体的に成形される。
なお、パルサーリング30を固定する取付ボルト33は、例えばフライホイール(不図示)をクランクシャフト4の端面4aに取り付けるためのボルトを共用することができる。
参照符号40は、密封装置1におけるリテーナ10のセンサ装着部13に固定されたセンサである。このセンサ40は、磁気センサ本体41と、これに合成樹脂で一体に成形・接着された取付フランジ42とからなるものであって、この取付フランジ42において、前記センサ装着部13に取り付けられると共に、磁気抵抗素子等からなる磁気センサ本体41の検出面41aが、パルサーリング30におけるパルサー本体32の外周面と近接対向している。
センサ装着部13へセンサ40の取付フランジ42を固定するには、種々の方法が考えられる。例えば、まず図1及び図2に示されるように、センサ装着部13の端部13aを屈曲することにより取付フランジ42をカシメ固定する方法がある。この場合、センサ装着部13の端部13aの屈曲方向は、図示とは逆の方向(下向き)として、センサ40をセンサ装着部13の下面に装着しても良い。
そのほか、接着剤を用いてセンサ装着部13に接着する方法や、あるいは図5に示されるように、センサ装着部13に開設した孔13bに、取付フランジ42に突設したボルト43を挿入してナット44で緊結する方法や、このようなボルト・ナットの代わりに、前記孔13bを通して取付フランジ42にノックピン(不図示)を打ち込む方法なども考えられる。なお、図1及び図2あるいは図5に示される例では、センサ装着部13が左右一対形成され、磁気センサ本体41の検出面41aが、このセンサ装着部13,13の間から、パルサーリング30と対向される。
センサ40の磁気センサ本体41は、磁気抵抗素子あるいはホール素子等からなり、磁界の変化に対応した信号を発生するものである。このため、パルサーリング30がクランクシャフト4と一体的に回転することによって、パルサー本体32に着磁されたS極とN極が、磁気センサ本体41の検出面41aの正面を円周方向へ交互に通過すると、これに対応したパルスを出力する。すなわち、パルサーリング30とセンサ40は、磁気式ロータリエンコーダを構成するものであって、出力されるパルス信号の周波数は、クランクシャフト4の回転数に比例するため、このパルス列から、クランクシャフト2の回転速度や回転角を検出し、エンジン点火タイミング制御等、各種の制御に供することができる。
以上の構成において、リテーナ10には、密封装置本体20と、センサ40を予め取り付けておくことができる。このため、リテーナ10、密封装置本体20及びセンサ40を、一体の組立物として取扱うことができる。しかも、リテーナ10の取付フランジ部12を、図2のように、エンジンブロック2の端面に複数のボルト14によって取り付け、オイルパン3の上縁と結合することによって、エンジンへの密封装置本体20の取り付けとセンサ40の取り付けが同時に行われるので、作業を容易・迅速に行うことができ、更には、センサ40をエンジンブロック2に直接取り付けるものではないので、エンジンブロック2の形状が複雑化しない。
また、エンジンブロック2の外側へ向けて突出したリテーナ10の周り縁12bと嵌合筒部11の間に、パルサーリング30のホルダ31からエンジンブロック2側へ向けて突出したパルサー本体32が挿入されていることによって、すなわち、パルサー本体32が、リテーナ10における嵌合筒部11とセンサ装着部13との間を通って嵌合筒部11と同心の円周方向へ延びるため、センサ40、パルサー本体32及び密封装置本体20が径方向に並んでおり、したがって径方向の装着スペースが小さくて済む。
クランクシャフト4が挿通されたエンジンブロック2の軸受部2aの内周へ供給されたエンジンオイルは、前記軸受部2aを潤滑した後、その一部はエンジンブロック2の外側へ流出しようとするが、その流出は、密封装置本体20のシールリップ22によって阻止され、オイルパン3内へ落下する。このとき、密封装置本体20のシールリップ22とクランクシャフト4との摺動部は、前記エンジンオイルによって良好に潤滑される。
また、エンジンブロック2の外側へ向けて突出したリテーナ10の周り縁12bと嵌合筒部11の間の空間に、パルサーリング30のホルダ31からエンジンブロック2側へ向けて突出したパルサー本体32が挿入されていることによって、このリテーナ10とパルサーリング30との間に、図2に示されるように、断面形状がジグザグに屈曲したラビリンス状の空間Sが形成されている。このため、ラビリンスシール作用によって、外部からのダスト等が、密封装置本体20へ侵入するのを有効に抑制することができ、ダストリップ23によるシール効果を補佐することができる。
1 密封装置
2 エンジンブロック
3 オイルパン
4 クランクシャフト(回転軸)
10 リテーナ
11 嵌合筒部
12 取付フランジ部
13 センサ装着部
20 密封装置本体
21 取付環
22 シールリップ
23 ダストリップ
30 パルサーリング
31 ホルダ
32 パルサー本体(被検出部)
40 センサ
41 磁気センサ本体
41a 検出面
42 取付フランジ
S ラビリンス状の空間
2 エンジンブロック
3 オイルパン
4 クランクシャフト(回転軸)
10 リテーナ
11 嵌合筒部
12 取付フランジ部
13 センサ装着部
20 密封装置本体
21 取付環
22 シールリップ
23 ダストリップ
30 パルサーリング
31 ホルダ
32 パルサー本体(被検出部)
40 センサ
41 磁気センサ本体
41a 検出面
42 取付フランジ
S ラビリンス状の空間
Claims (2)
- 回転軸(4)が挿通される嵌合筒部(11)及びその外周に展開し静止側(2)に固定される取付フランジ部(12)を有するリテーナ(10)と、前記嵌合筒部(11)に嵌着されると共に前記回転軸(4)の外周面に摺動可能に密接される密封装置本体(20)とを備え、前記リテーナ(10)の取付フランジ部(12)に形成されたセンサ装着部(13)に、前記回転軸(4)と一体回転するパルサーリング(30)の回転を検出するセンサ(40)が取り付けられたことを特徴とするセンサ付き密封装置。
- パルサーリング(30)の被検出部(32)が円筒状をなすものであって、リテーナ(10)の嵌合筒部(11)とセンサ装着部(13)の間を通って前記嵌合筒部(11)と同心の円周方向へ延びることを特徴とする請求項1に記載のセンサ付き密封装置。
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- 2004-06-28 JP JP2004189245A patent/JP2006009979A/ja active Pending
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- 2005-06-09 CA CA002566987A patent/CA2566987A1/en not_active Abandoned
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