JP2006009913A - 電動ブレーキの軸受構造および電動ブレーキ用複列スラスト針状ころ軸受 - Google Patents

電動ブレーキの軸受構造および電動ブレーキ用複列スラスト針状ころ軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 電動ブレーキの軸受構造の耐久性を高める。
【解決手段】 電動ブレーキは、電動ブレーキ内の回転体の回転軸線に対して交差する面に沿って延在する第1部材と、この第1部材に対してスラスト荷重を受けながら相対回転する第2部材と、第1部材と第2部材との間に配置された複列スラスト針状ころ軸受180とを備える。複列スラスト針状ころ軸受は、軸受の径方向の外側に位置する外側ころ303と、軸受の径方向の内側に位置する内側ころ302と、外側ころ303および内側ころ302を保持する保持器301とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や自動二輪車等の各種車両の電動ブレーキの軸受構造およびここに用いられるスラスト針状ころ軸受に関するものである。
各種車両の電動ブレーキは、例えば、特開2003−247576号公報(特許文献1)および特開2000−238628号公報(特許文献2)に開示されている。
特開2003−247576号公報に開示された電動ブレーキでは、電動モータの駆動力で進退し摩擦パッドの押圧部材に押圧力を発生させる進退作動機構を設け、この進退作動機構によりディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動させて制動を行なっている。電動ブレーキは、電動モータの駆動力を減速して進退作動機構に伝達する減速ギア機構を備える。電動モータは、摩擦パッドと、減速ギア機構との間に配置される。
上記の電動ブレーキにおいて、減速ギア機構は、電動モータにより回転駆動される遊星腕と、この遊星腕の外周部に回転可能に支持された遊星歯車と、遊星歯車に噛合う外歯を有する太陽歯車と、遊星歯車に噛合う外歯を有し太陽歯車に対面するように配置される減速歯車と、減速歯車と一体となって回転するボールねじナットとを備える。スラスト荷重が作用する太陽歯車と減速歯車との間に、スラスト針状ころ軸受が配置される。
スラスト針状ころ軸受は、軌道輪と、複数の針状ころと、保持器とからなり、単純な構造で高負荷容量と高剛性とを実現できるものとして知られている。また、スラスト針状ころ軸受は、軸方向の高さ(厚み)が小さい等の利点を有するので、省スペース化が要求される用途に広く使用されている。
特開2000−238628号公報は、車両の一時停止状態、パーキングブレーキ作動などの一定条件のもとでブレーキ力を保持、解除できるブレーキ力保持装置を開示している。この公報に開示された装置にも、スラスト荷重を受けながら相対回転する部位に軸受が配置されている。
特開2003−247576号公報 特開2000−238628号公報
スラスト針状ころ軸受では、その基本構造に由来して、ころと軌道輪との間に差動すべりが生ずる。より詳しく説明すると、スラスト針状ころ軸受の場合、平面の軌道面を有する軌道輪の上に、転動体として円柱形状の針状ころを配置し、このころと軌道面とが線接触する構造になっている。軸受の回転中心と、ころの公転運動の中心とは一致する。ころは軸受の径方向に所定の長さを有しているが、ころの転動面上における周速度は、同じ速度である。一方、ころに転がり接触する軌道輪の軌道面は、軸受の回転中心から外径方向に向かうほど周速度は大きくなる。そのため、ころと軌道輪の軌道面との間の周速度差は、ころの両端部で最大となる。
理論上では、軸受のピッチ円上のみで純転がり運動を行い、ピッチ円上の点からころの両端部に向けて、ころと軌道面との周速度差が大きくなり、差動すべりが増大する。この差動すべりは、ころの長さに比例して大きくなる。
スラスト針状ころ軸受における差動すべりは、他の形式の軸受と比較して大きい。そのため、差動すべりが原因となって、ころのエッジ部と軌道輪との間でエッジ応力が発生しやすく、軌道輪のころ転走部のエッジ部に表面起点型の剥離が発生しやすくなる。
また、針状ころに差動すべりが発生すると、油膜切れが起こり、ころと軌道輪とが金属接触して発熱する。この発熱により、表面損傷や表面起点型の剥離が発生しやすくなる。このような傾向は、高速回転になればなる程、顕著となる。結果的に、軸受寿命が短くなることが認められる。
ころと、軌道輪の軌道面との間の差動すべりの影響を緩和する方策として、ころの長さを短くすることが考えられる。しかしながら、ころの長さを単純に短くすれば、ころの接触面積が小さくなるので、ころの接触面圧が増大し、ころ外面に早期剥離等の問題が生じるおそれがある。
従来の車両の電動ブレーキにおいては、スラスト荷重を受ける部位にスラスト針状ころ軸受を配置しているが、差動すべりの影響による表面起点型の早期剥離に対する課題解決が望まれる。客先のニーズとしては、軸受の耐ピーリング性の向上、および省燃費化による軸受の低トルク化がある。
この発明の目的は、電動ブレーキの軸受構造の耐久性を高めることである。
この発明の他の目的は、高荷重条件下での対応が可能な電動ブレーキ用スラスト針状ころ軸受を提供することである。
この発明に従った電動ブレーキの軸受構造は、電動ブレーキ内の回転体の回転軸線に対して交差する面に沿って延在する第1部材と、この第1部材に対してスラスト荷重を受けながら相対回転する第2部材と、第1部材と第2部材との間に配置されたスラスト針状ころ軸受とを備える。スラスト針状ころ軸受は、軸受の径方向の外側に位置する外側ころと、軸受の径方向の内側に位置する内側ころと、外側ころおよび内側ころを保持する保持器とを備える。
上記構成の電動ブレーキの軸受構造によれば、軸受の径方向に複数のころを配置した複列スラスト針状ころ軸受を用いているので、1個当たりのころの長さを短くして差動すべりの影響を緩和することができる。従って、油膜切れに起因する金属接触を防ぎ、軸受部の発熱も抑制することができる。その結果、表面損傷や表面起点型の剥離を防止でき、軸受の耐久性を向上させることができる。さらに、発熱、表面損傷、剥離等を抑制できることから、高速化への対応が可能となる。
また、軸受の径方向に複列の針状ころを配置して差動すべりを抑制することにより、軸受は低トルクとなり、客先ニーズである省燃費化を実現することができる。
一つの実施形態では、スラスト針状ころ軸受の保持器は、周方向に間隔をあけて設けられた複数のポケットを含み、複数のポケットの各々に、外側ころおよび内側ころが収容されている。
他の実施形態では、スラスト針状ころ軸受の保持器は、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケットと、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケットとを含む。複数の外側ポケットの各々に、前記外側ころが収容され、複数の内側ポケットの各々に、内側ころが収容されている。
ころの端面形状に注目すると、外側ころはF端面(平面)またはA端面(丸面)を有し、内側ころはF端面またはA端面を有している。従って、外側ころの端面と内側ころの端面との組合せとして、F端面とF端面、A端面とA端面、A端面とF端面、F端面とA端面の4通りがある。好ましくは、F端面が低騒音、低トルクの面で有利である。
ころの長さに注目すると、外側ころと内側ころの長さを同じにしてもよいし、外側ころを内側ころよりも長くしてもよいし、外側ころを内側ころよりも短くしてもよい。
好ましくは、保持器のころ保持部の角部の形状を滑らかにだらす。このようにすれば、針状ころの表面に形成された潤滑油膜を切ることなく、針状ころを安定して案内保持することができる。
電動ブレーキは、例えば、電動モータの駆動力を減速する減速ギア機構を含む。減速ギア機構は、電動モータにより回転駆動される遊星腕と、この遊星腕の外周部に回転可能に支持された遊星歯車と、遊星歯車に噛合う外歯を有する太陽歯車と、遊星歯車に噛合う外歯を有し太陽歯車に対面するように配置される減速歯車と、減速歯車と一体となって回転するボールねじナットとを備える。このような構造の電動ブレーキにおいては、太陽歯車は上記の第1部材を構成し、減速歯車は上記の第2部材を構成する。言い換えれば、太陽歯車と減速歯車との間に、複列スラスト針状ころ軸受が配置される。
この発明に従った電動ブレーキ用複列スラスト針状ころ軸受は、電動ブレーキのスラスト荷重を受ける部位に配置されるものであり、軸受の径方向の外側に位置する外側ころと、軸受の径方向の内側に位置する内側ころと、外側ころおよび内側ころを保持する保持器とを備える。このような複列スラスト針状ころ軸受は、従来の単列ころ仕様のスラスト軸受に比べ、ピーリング寿命および軸受耐久性を向上させることができるので、ころのサイズを小さくしたり、ころの本数を減少させたりすることができる。保持器の1つのポケットに複数のころを配置する場合、ころの本数は減少しないが、ポケットの数は減少する。従って、軸受の軽量化・コンパクト化を図ることができる。言い換えれば、同一サイズの軸受であれば、複列ころ仕様のスラスト軸受は、従来の単列ころ仕様のスラスト軸受に比べ、高荷重条件下での対応が可能になる。また、電動ブレーキ装置全体のコンパクト化にも貢献できる。
この発明が適用されるべき電動ブレーキの一例の基本的な構造は、特開2003−247576号公報に開示されたものである。まず、この電動ブレーキの基本的な構造を説明する。図1は、特開2003−247576号公報の図1をほぼそのまま引用して示している。
図1に示す電動ブレーキの一構成要素であるブレーキディスクロータ101は、自動車の駆動輪に接続されて一体に回転するものである。タイヤホイール105の内側において、1対の摩擦パッド103,104がブレーキディスクロータ101の両側の摩擦面102に当接し得るように配置されている。また、ブレーキディスクロータ101に臨ませて、車両本体にブラケット106を固定し、この固定側からブレーキディスクロータ101の外周を跨いで反対側に掛けて突設したキャリパ支持腕に、摩擦パッド103,104を摺動可能に配置している。
ブラケット106のキャリパ支持腕に、摩擦パッド103,104をブレーキディスクロータ101に押し付けるキャリパボディ108を1対のスライドピンにて進退可能に連結している。このキャリパボディ108は、ブレーキディスクロータ101を挟んで、一方の摩擦パッド103の背面に配置する作用部110と、他方の摩擦パッド104の背面に配置する反力爪111を設けた反作用部112と、ブレーキディスクロータ101の外周を跨いで作用部110および反作用部112とを連結するブリッジ部113とで構成されている。
作用部110は、シリンダ114内に、電動モータ115と、摩擦パッド103,104の押圧力を発生させる進退作動機構としてのボールねじ機構116と、このボールねじ機構116に電動モータ115の駆動力を減速して伝達する減速ギア機構117とを収納している。この減速ギア機構117は、電動モータ115の駆動力により回動可能な遊星腕118と、この遊星腕118に回動可能に軸支した遊星歯車123と、この遊星歯車123を回動させる太陽歯車126とから構成されている。
遊星腕118内に、軸受部158を介してボールねじ機構116のボールねじナット134を、回動可能で進退不能に収納している。このボールねじナット134は、遊星腕118の径大部側に配置した後端外周に、太陽歯車126よりも歯数の少ない減速歯車135を固定している。この減速歯車135を、遊星歯車123の第2歯車部に噛合し、遊星歯車123の回動によってボールねじナット134の回動を可能としている。
また、ボールねじナット134の中央にボール溝を設け、複数のボール137を介してボールねじ軸138を進退可能に螺着している。このボールねじ軸138は、先端に、一方の摩擦パッド103の押圧部材として、平板状のパッド押圧板140を接続している。このパッド押圧板140にて、摩擦パッド103を、広い面積で一部に押圧力を集中することなく押圧して、ブレーキディスクロータ101に平行に押し付け可能としている。
自動車の運転者がブレーキペダルを踏み込んで制動操作を行なうと、この踏み込み量に応じて電動モータ115が駆動し、遊星腕118がシリンダ114内を回動する。この遊星腕118の回動により、太陽歯車126に第1歯車部を噛合する遊星歯車123が、太陽歯車126の外周を回動する。この遊星歯車123の回動により、第2歯車部に減速歯車を噛合するボールねじナット134が回動する。
ボールねじ機構116の作用により、回動力がボールねじ軸138の摺動力に変換され、パッド押圧板140を介して作用部110側の摩擦パッド103を押圧摺動し、ブレーキディスクロータ101に押し付ける。さらに、ボールねじ軸138の摺動の反力で、キャリパボディ108が後退するので、反作用部112の反力爪111が、反作用部112側の摩擦パッド104を押圧摺動し、ブレーキディスクロータ101に押し付けることにより、制動が行なわれる。
本発明の実施形態として、図1に示す構造の電動ブレーキの特徴は、対面して相対回転する太陽歯車126と減速歯車135との間に、複列スラスト針状ころ軸受180を配置した点にある。
この発明が適用されるべき電動ブレーキの他の例の基本的な構造は、特開2000−238628号公報に開示されたものである。まず、この電動ブレーキの基本的な構造を説明する。図2は、特開2000−238628号公報の図1をほぼそのまま引用して示している。
図2において、201はシリンダ部材としてのキャリパであり、このキャリパ201にはシリンダ203が形成され、シリンダ203内に摺動自在にピストン202が配置されている。ピストン202とキャリパ201には、ブレーキ部材としてのブレーキパッド204A,204Bが設けられ、これらのブレーキパッド204A,204B間に被制動部材としてのブレーキディスクロータRが配置されている。なお、ピストン202の凹部にブレーキパッド204Aの突起204Cが係合していることによってピストン202の回転が規制されている。
キャリパ201に形成した段付シリンダ203内にはピストン202によって区画された液圧室205が形成されており、液圧室205はシール部材206,207によって液密状態にシールされている。液圧室205はキャリパ201に形成した通路208を介してマスターシリンダに連通しており、マスターシリンダで液圧が発生するとその液圧によってピストン202が図中左方に移動し、ブレーキパッド204AがブレーキディスクロータRに押圧され、その反作用でキャリパ201が右方へ移動し、ブレーキパッド204BがブレーキディスクロータRに押圧されブレーキが働く。
ピストン202の中央部には有底円筒状の収納部209が形成されており、この収納部209の底部を形成する壁面の中央部には円錐状凸部210が形成されている。この凸部210に対向してピストン202の軸長方向には第1部材としてのスクリューシャフト211が配置され、スクリューシャフト211の端部に一体に設けたスクリューシャフト頭部212には前述の凸部210に対向して、凸部210と嵌合可能な円錐状凹部212aが形成され、この凸部210および凹部212aによって摩擦クラッチが構成されている。スクリューシャフト頭部212は、軸受213を介して収納部209内に配置した支持部材214に当接している。収納室209の内周面には支持部材214と当接する止め輪215が固定されている。
スクリューシャフト211には可逆ネジが形成されており、可逆ネジには回転自在に第2部材としてのナット部材216が螺合して設けられ、ナット部材216の大径部216aは軸受217を介してキャリパ201側に形成した保持部218に回転自在に軸支されている。ナット部材216の小径部216b外周には周方向に凹状をした係合部216cが等ピッチで多数形成されている。なお、前述のスクリューシャフト211とナット部材216との組み合わせにより所謂ストラット機構を構成している。
係合部216cに対向して、揺動自在のロック部材219が配置されており、ロック部材219にはロック部材219を揺動するための電動アクチュエータ220の出力軸220aが結合されている。電動アクチュエータ220が作動し出力軸220aが回転し、ロック部材219が揺動してナット部材に形成した係合部216cと嵌合するとナット部材216の回転が禁止されるようになっており、ナット部材216とロック部材219と電動アクチュエータ220とによってロック手段が形成される。ロック手段は通常時には係合が解除された状態となっており、図示せぬ電子制御装置からの指令によって電動アクチュエータ220が作動すると、ロック状態となり、所定時間経過後、電動アクチュエータ220への通電が止められ、ロック状態はナット部材216とロック部材219との係合によって機械的に維持される。このロック状態は、車両の発進操作によって電動アクチュエータ220が作動しロック部材219が初期状態に復帰することで解除される。
図2に示したブレーキ装置の作動を説明する。図示せぬブレーキペダルを踏み込みマスターシリンダに液圧が発生すると、その液圧が液圧室205内に流入し、ピストン202を図中左方に移動し、ピストン202に設けたブレーキパッド204AをブレーキディスクロータRに押圧し、この時の反力によってキャリパ201側のブレーキパッド204BもブレーキディスクロータRに押圧されてブレーキ力が働く。また、ピストン202の移動により止め輪215を介して支持部材214が左方に押され、これによって軸受213を介してスクリューシャフト頭部212も図中左方に移動する。この時には凸部210および凹部212aからなる摩擦クラッチはまだ非接続状態であり、スクリューシャフト211はナット部材216に対して回転しながら左方に移動する。
車両が停止すると、この状態を車輪速度センサ(図示せず)よりの信号により検知し、電子制御装置によってブレーキ力保持の制御フローが開始され、電動アクチュエータ220が作動する。電動アクチュエータ220の作動によりロック部材219が揺動し、ナット部材216に形成した係合部216cに係合し、ナット部材216の回転が規制される。この状態でブレーキペダルを緩めると、ブレーキ液圧が減圧し、シール部材206、207の弾性復元内でピストン202が右方に戻ろうとするが、直ちに凸部210および凹部212aとからなる摩擦クラッチが係合し、スクリューシャフト211が回転できぬ状態となり、さらにこの状態でスクリューシャフト211は右方に移動しようとする。ここでスクリューシャフト211は可逆ネジであるので、スクリューシャフト211の移動によりナット部材216を回転しながら戻ろうとするが、ナット部材216はロック部材219によって回転が規制されるため(ロック状態となる)、スクリューシャフト211は移動することができず、これによってブレーキ作動状態が保持される。電動アクチュエータは、ナット部材216とロック部材219が係合しロック状態となると通電が止められ、ロック状態はナット部材216とロック部材219との係合によって機械的に維持される。
本発明の実施形態として、図2に示す構造の電動ブレーキの特徴は、スラスト荷重を受ける軸受213および軸受217として、複列スラスト針状ころ軸受を用いた点にある。
なお、本発明が適用されるべき電動ブレーキの基本構造は、上述したものに限定されるのではない。本発明者が意図する電動ブレーキは、必須の構成要素として、電動ブレーキ内の回転体の回転軸線に対して交差する面に沿って延在する第1部材と、この第1部材に対してスラスト荷重を受けながら相対回転する第2部材と、第1部材と第2部材との間に配置された複列スラスト針状ころ軸受とを備えていればよい。
図3〜図5は、それぞれ、電動ブレーキに使用されるべき複列スラスト針状ころ軸受の実施形態を示している。また、図6〜図8は、それぞれ、異なったころの配置形態を示している。これらの図において、同一の参照番号は、同一または相当の要素を示すものである。また、これらの図では、軸受の軌道輪の図示を省略している。
まず、図3を参照して、複列スラスト針状ころ軸受の基本構造を説明する。複列スラスト針状ころ軸受は、固定側軌道輪(図示省略)と、回転側軌道輪(図示省略)と、両軌道輪の間に配置されて保持器301によって保持された複数のころ302,303とを備える。ころ302,303は、軸受の径方向に複数配置されている。ころ302は径方向に見て内側に配置され、ころ303は径方向に見て外側に配置されている。従って、以下の説明では、内側ころ302および外側ころ303と呼ぶ。
内側ころ302および外側ころ303を配置する形態として、基本的には図6〜図8に示す3種類のものがある。
図6に示す保持器301は、周方向に間隔をあけて設けられた複数のポケット311を含み、各ポケット311内に内側ころ302と外側ころ303とが配置されている。
図7に示す保持器301は、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケット312と、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケット313とを含み、複数の外側ポケット312の各々に外側ころ303が収容され、複数の内側ポケット313の各々に内側ころ302が収容されている。図7に示す形態では、内側ころ302の数と、外側ころ303の数とが同じである。
図8に示す保持器301は、図7に示した保持器と同様に、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケット312と、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケット313とを含み、複数の外側ポケット312の各々に外側ころ303が収容され、複数の内側ポケット313の各々に内側ころ302が収容されている。図8に示す形態では、内側ころ302の数と、外側ころ303の数とが異なっている。具体的には、図示した形態では、外側ころ303の数が内側ころ302よりも多くなっている。
なお、図6〜図8に示す形態では、径方向に2個のころを配置しているが、径方向に3個以上のころを配置することもある。また、スラスト針状ころ軸受は、必ずしも固定側軌道輪および回転側軌道輪を有しておらず、組み込まれるべき部材の相手側に直接転走面を有する構造のものでもよい。
図3〜図5に示す各実施形態において、相違しているのは保持器301の形態だけである。図3および図5に示す実施形態では、保持器301は、上下に重ね合わせて接合される板状の第1部材301aと第2部材301bとからなる。図3に示す保持器301の場合、第1部材301aの外周部分を折り曲げて第2部材301bの外周部をかしめて挟持するようにし、第2部材301bの内周部分を折り曲げて第1部材301aの内周部をかしめて挟持するようにしている。
図5に示す保持器301の場合、リング状の第1部材301aの外周部および内周部を第2部材301b側に向かって折り曲げ、第2部材301bの外周部および内周部を第1部材301a側に向かって折り曲げている。第1部材301aの折り曲げ外周部および内周部は、第2部材301bの折り曲げ外周部および内周部内に嵌め入れられている。
図4に示す保持器301は、例えば樹脂によって形成された単一部品である。
外側ころ303および内側ころ302の端面形状に注目すると、外側ころはF端面(平面)またはA端面(丸面)を有し、内側ころはF端面またはA端面を有している。したがって、外側ころの端面と内側ころの端面との組合せとして、以下の4通りがある。
(1)外側ころ303がF端面で、内側ころ302がF端面。
(2)外側ころ303がF端面で、内側ころ302がA端面。
(3)外側ころ303がA端面で、内側ころ302がF端面。
(4)外側ころ303がA端面で、内側ころ302がA端面。
外側ころ303および内側ころ302の長さに注目すると、通常は、両者を同じ長さにする。ただ、使用条件によって、両者の長さを異ならせる場合もある。具体的には、面圧が高くなる使用条件では、内側ころ302の長さを外側ころ303よりも長くすることがある。また、ころの滑りが大きくなる使用条件では、外側ころ303の長さを内側ころ302よりも長くすることがある。
保持器のころ保持部の形状に注目すると、針状ころを側面から抱える角部を滑らかにだらすようにするのが好ましい。このようなだらした保持部で針状ころを抱えるようにすれば、潤滑油膜を切ることなく、針状ころを安定して案内保持することができる。
また、ころの形状に注目すると、外側ころ303および内側ころ302の少なくとも一方のころにクラウニングを形成するようにしてもよい。このようにすれば、クラウニング形状の付加によりころの有効長さを短くして差動すべり減少効果を高めることができる。さらに、クラウニング形状でのエッジ部での負荷が軽減される効果もあり、軸受の摩擦トルクを減少させることができる。
複列スラスト針状ころ軸受が軌道輪を有する場合、この軌道輪が、少なくとも表層0.1mmの深さまで粒径0.6μm以上の炭化物を単位面積当たり10000個/mm以上、40000個/mm未満有するようにしてもよい。このような軌道輪であれば、炭化物が変形抵抗として働くため、表層の材料強度を向上させる。さらに、ころと軌道輪との間の差動すべりや潤滑不良によって、軌道輪表面が発熱しても塑性流動の発生を抑制することができる。なお、軌道輪は必ずしも必要ではなく、複列スラスト針状ころ軸受が配置される相手部材に直接、転走面を形成して軌道輪を省略してもよい。
図9〜図15を参照して、電動ブレーキ用複列スラスト針状ころ軸受の詳細構造を例示的に説明する。
図9は、本発明の実施形態である電動ブレーキ用複列スラスト針状ころ軸受の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のIb−Ib線に沿った断面図、(c)は(b)の要部拡大図、そして(d)は(a)のポケット部の要部拡大図、(e)は(b)のIe−Ie線に沿った拡大断面図である。
この複列スラスト針状ころ軸受1は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器3、4とからなっている。ここで、2枚の保持器3、4のそれぞれは、径方向において針状ころ2の長さLよりも長い矩形状の複数のポケット5、6を有し、冷間圧延鋼鈑(SPCC)からなる鋼鈑をプレス加工にて形成している。各ポケット5、6の両側縁には対向する方向に突出するころ保持部5a、6aを形成し、これらころ保持部5a、6aで針状ころ2を上下方向に挟んで保持している。なお、保持器3、4は、これ以外にも例えば、SCM415等の帯鋼をプレスで絞り成形しても良い。
針状ころ2は、外径側の針状ころ2aと内径側の針状ころ2bで構成し、ポケット5、6内に複列で配置している。各針状ころ2a、2bにおいて、外径側部分と内径側部分との公転周速差が小さくなり、軌道面(図示せず)との滑りが抑制されるので、接触部の発熱が少なく、表面損傷や表面起点型の剥離を防止することができる。なお、ここでは複列の針状ころ2a、2bの長さを同一としているが、外径側の針状ころ2aを内径側の針状ころ2bよりも長く、例えば1.2倍の長さにすることにより、外径側の負荷容量を上げるようにしても良い。また、針状ころ2a、2bの端面形状はフラットなF端面としたが、これ以外にも凸球状のA端面、あるいはF端面とA端面の組合せであっても良い。
図9の(d)に示すように、ころ保持部5a、6aの径方向の長さLaはころ長さLよりも短く形成し、ころ保持部5a、6aの両端に形成された凹部5b、6bによって潤滑油が容易に通過することができる。
また、図9の(e)に示すように、ころ保持部5a、6aの角部は、プレスでポケット5、6を打抜きする際にだらして形成するか、打抜き後、内縁部を面押し加工により角部を滑らかにだらしている。針状ころ2a、2bの表面に形成された潤滑油膜を切ることなく、針状ころ2a、2bを安定して案内保持することができる。
2枚の保持器3、4のうち、上側保持器3のころ保持部5aの径方向外側は、図9の(c)に示すように、ころ保持部5aの外端から折り曲げられた傾斜延出部3aと、この傾斜延出部3aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部3bとで構成されている。また、上側保持器3のころ保持部5aの径方向内側は、同じくころ保持部5aの内端から折り曲げられた傾斜延出部3cと、この傾斜延出部3cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部3dとで構成されている。
また、上側保持器3と同一型でポケット抜きされた下側保持器4のころ保持部6aの径方向外側は、ころ保持部6aの外端から折り曲げられた傾斜延出部4aと、この傾斜延出部4aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部4bとで構成されている。また、上側保持器4のころ保持部6aの径方向内側は、同じくころ保持部6aの内端から折り曲げられた傾斜延出部4cと、この傾斜延出部4cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部4dとで構成されている。
2枚の保持器3、4は、外側板部3b、4bを互いに上下方向に重合させると共に、外側板部4bの最外端部を上方向に折り曲げて加締部7を形成している。また、内側板部3c、4cも互いに上下方向に重合させると共に、内側板部3dの最内端部を下方向に折り曲げて加締部8を形成している。これら加締部7、8により、2枚の保持器3、4は内外端部を加締固定して強固に一体化されているため、運転中においても2枚の保持器3、4は分離することはない。また、外側板部3b、4bおよび内側板部3d、4dでは、針状ころ2の端面とポケット5、6との接触面積を広くとることができ、ドリリング摩耗を抑制することができる。
2枚の保持器3、4を固定した状態では、2枚の保持器3、4がなすころ保持部5a、6aに対して、径方向の外側部分、内側部分とも上下方向の厚さT、Tは、傾斜延出部3a、4aおよび3c、4cが存在することから、ころ保持部5a、6aの上下方向の厚さTよりも薄い。
以上の構成を有するスラスト針状ころ軸受1は、図10に示すように、第1軸(回転軸)9の軌道面9aと、第2軸(固定軸)10の軌道面10aとの間を針状ころ2が転動するように、上側保持器3の加締部8を案内面としてすきまばめされる。第1軸9が回転すると、保持器3、4もこの第1軸9とともに回転し、針状ころ2が第1軸9の軌道面9aと第2軸10の軌道面10aとの間を転動する。ここで、図示しない油圧供給源から油路を経由してスラスト針状ころ軸受1内に供給される。
潤滑油は、油路を矢印aのように通ってから第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向内側部分との間を矢印bのように通る。その後、潤滑油は、針状ころ2の周囲および保持器3、4で形成される空間内を矢印cのように通って、針状ころ2の側面と保持器3、4のころ保持部5a、6bとの間、針状ころ2の端面との間、および針状ころ2の側面と軌道面9a、10aとの間を潤滑し、第2軸10の軌道面10aと保持器4のころ保持部6aに対して径方向の外側部分との間、および第1軸9の軌道面9aと保持器3のころ保持部5aに対して径方向の外側部分との間を通って矢印dのように排出される。
この潤滑油による各部の潤滑に際し、2枚の保持器3、4がなすころ保持部5a、6aに対して、径方向の外側部分、内側部分の上下方向の厚さT、Tをころ保持部5a、6aの上下方向の厚さTよりも薄く形成しているため、第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向の内側部分との間の空間の断面積が従来に比べて大きくなり、潤滑油の流出性だけでなく流入性も向上している。したがって、軸受各部の焼付きを確実に防止することができると共に、針状ころ2の端面と保持器3、4のポケット5、6とのドリリング摩耗を抑制することができる。また、保持器3、4によって潤滑油の通過が遮られ難くなるため潤滑油が滞留し難くなり、油温の上昇を抑制することができ、保持器の強度アップと相俟って軸受の耐久性を一層向上させることができる。
なお、2枚の保持器の径方向の最外端部および最内端部のうち、少なくとも最内端部を固定するとともに、この保持器の全周に亘って表面硬さ600Hv以上の硬化層を形成するようにしてもよい。このようにすれば、針状ころの端面と保持器のポケットのドリリング摩耗や案内面の摩耗を抑制することができる。従って、保持器の強度アップと相俟って軸受の耐久性を一層向上させることができる。
なお、上記においては、保持器3または4の最外端部もしくは最内端部を、部分的にまたは全周において図11の(a)に示すようにC字状に折り曲げることにより加締める場合について説明したが、折り曲げによる加締めの形状はこれに限定されず、図11(b)〜(e)に示すような形状であってもよい。
図12は、樹脂製の保持器403を採用した複列スラスト針状ころ軸受401の一部分を示している。保持器403は、針状ころ402の径方向の長さLよりも長い矩形状の複数のポケット405を有している。各ポケット405の両側縁には、対向する方向に突出するころ保持部405a,405bが形成されている。これらころ保持部405a,405bによって針状ころ402が保持されている。
図13は、図12のポケット部分を拡大した平面図であり、図14は図3のIV−IV線に沿った断面図である。針状ころ402は、外径側の針状ころ402aと内径側の針状ころ402bとで構成され、ポケット405内に複列で配置されている。
ここで、ころ保持部405a,405bの径方向の長さLaはころ長さLよりも短く形成されることで、ころ保持部405a,405bの両端に形成された凹部405cによって潤滑油を容易に通過させることができる。
図15は、本発明の一実施形態における複列スラスト針状ころ軸受の使用状態を説明する部分断面図である。複列スラスト針状ころ軸受401は、回転軸409の軌道面409aと、固定軸410の軌道面410aとの間を針状ころ402が転動するように、保持器403の内端部403aを案内面としてすきまばめされる。回転軸409が回転すると、保持器403もこの回転軸409とともに回転し、針状ころ402が回転軸409の軌道面409aと固定軸410の軌道面410aとの間を転動する。ここで、図示しない油圧供給源から油路を経由して複列スラスト針状ころ軸受401内に潤滑油が供給される。
潤滑油は、油路を矢印aのように通ってから、固定軸410の軌道面410aと、保持器403の下側のころ保持部405bに対して径方向内側部分との間を矢印bのように通る。その後、潤滑油は、針状ころ402の周囲および保持器403で形成される空間内を矢印cのように通って、針状ころ402の側面と保持器403のころ保持部405a,405bとの間、針状ころ402の端面の間、および針状ころ402の側面と軌道面409a,410aとの間を潤滑する。そして、固定軸410の軌道面410aと、保持器403のころ保持部405bに対して径方向の外側部分との間、および回転軸409の軌道面409aと保持器403のころ保持部405aに対して径方向の外側部分との間を通って矢印dのように排出される。
保持器403は、例えば、ポリフェニレンサルファイドにグラスファイバを含む合成樹脂よりなっている。ポリフェニレンサルファイドは加水分解しない性質を有しているので、水分を多く含む雰囲気中でスラスト針状ころ軸受が使用される場合において、保持器が水分を吸収しにくく、保持器の寸法変化および強度低下が防止される。また、グラスファイバは高い機械的強度を有しているので、これを含むことにより保持器の強度および耐熱性を向上することができる。また、ポリフェニレンサルファイドにグラスファイバを含む合成樹脂は、加熱により溶融しやすく、かつ冷却により固化しやすいので、射出成形により保持器を製造することに適している。さらに、ポリフェニレンサルファイドにグラスファイバを含む合成樹脂は耐薬品性、耐油性に優れているので、薬品や油が付着する雰囲気中においてスラスト針状ころ軸受を使用することが可能となる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変更を加えることが可能である。
この発明は、各種車両の電動ブレーキに有利に適用され得る。
電動ブレーキの一例を示す断面図である。 電動ブレーキの他の例を示す断面図である。 電動ブレーキに使用されるべき複列スラスト針状ころ軸受の一形態を示す断面図である。 電動ブレーキに使用されるべき複列スラスト針状ころ軸受の他の形態を示す断面図である。 電動ブレーキに使用されるべき複列スラスト針状ころ軸受のさらに他の形態を示す断面図である。 複数のころの配置形態の一例を示す平面図である。 複数のころの配置形態の他の例を示す平面図である。 複数のころの配置形態のさらに他の例を示す平面図である。 複列スラスト針状ころ軸受を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の線Ib−Ib線に沿った断面図、(c)は(b)の要部拡大図、(d)は(a)のポケット部の要部拡大図、(e)は(b)のIe−Ie線に沿った断面図である。 複列スラスト針状ころ軸受の使用状態を説明する部分断面図である。 保持器の最外端部もしくは最内端部における加締めのための折り曲げ形状の種々のタイプを示す断面図である。 保持器の要部斜視図である。 保持器のポケット部分を拡大した平面図である。 図13のIV−IV線に沿った断面図である。 複列スラスト針状ころ軸受の使用状態を説明する部分断面図である。
符号の説明
180、213,217 複列スラスト針状ころ軸受、301 保持器、301a 第1部材、301b 第2部材、302 内側ころ、303 外側ころ、311 ポケット、312 外側ポケット、313 内側ポケット。

Claims (10)

  1. 電動ブレーキ内の回転体の回転軸線に対して交差する面に沿って延在する第1部材と、
    前記第1部材に対してスラスト荷重を受けながら相対回転する第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に配置されたスラスト針状ころ軸受とを備え、
    前記スラスト針状ころ軸受は、軸受の径方向の外側に位置する外側ころと、軸受の径方向の内側に位置する内側ころと、前記外側ころおよび前記内側ころを保持する保持器とを備える、電動ブレーキの軸受構造。
  2. 前記保持器は、周方向に間隔をあけて設けられた複数のポケットを含み、
    前記複数のポケットの各々に、前記外側ころおよび前記内側ころが収容されている、請求項1に記載の電動ブレーキの軸受構造。
  3. 前記保持器は、軸受の径方向の外側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の外側ポケットと、軸受の径方向の内側の位置で周方向に間隔をあけて設けられた複数の内側ポケットとを含み、
    前記複数の外側ポケットの各々に、前記外側ころが収容され、
    前記複数の内側ポケットの各々に、前記内側ころが収容されている、請求項1に記載の電動ブレーキの軸受構造。
  4. 前記外側ころはF端面またはA端面を有し、前記内側ころはF端面またはA端面を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の電動ブレーキの軸受構造。
  5. 前記外側ころと前記内側ころとは、同じ長さを有している、請求項1〜4のいずれかに記載の電動ブレーキの軸受構造。
  6. 前記外側ころは、前記内側ころよりも長い、請求項1〜4のいずれかに記載の電動ブレーキの軸受構造。
  7. 前記外側ころは、前記内側ころよりも短い、請求項1〜4のいずれかに記載の電動ブレーキの軸受構造。
  8. 前記保持器のころ保持部の角部を滑らかにだらしている、請求項1〜7のいずれかに記載の電動ブレーキの軸受構造。
  9. 前記電動ブレーキは、電動モータの駆動力を減速する減速ギア機構を含み、
    前記減速ギア機構は、電動モータにより回転駆動される遊星腕と、この遊星腕の外周部に回転可能に支持された遊星歯車と、前記遊星歯車に噛合う外歯を有する太陽歯車と、前記遊星歯車に噛合う外歯を有し前記太陽歯車に対面するように配置される減速歯車と、前記減速歯車と一体となって回転するボールねじナットとを備え、
    前記太陽歯車は前記第1部材を構成し、前記減速歯車は前記第2部材を構成する、請求項1〜8のいずれかに記載の電動ブレーキの軸受構造。
  10. 電動ブレーキのスラスト荷重を受ける部位に配置されるものであり、軸受の径方向の外側に位置する外側ころと、軸受の径方向の内側に位置する内側ころと、前記外側ころおよび前記内側ころを保持する保持器とを備えた、電動ブレーキ用複列スラスト針状ころ軸受。
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