JP2003343620A - 電気式ディスクブレーキ - Google Patents

電気式ディスクブレーキ

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JP2003343620A
JP2003343620A JP2002150834A JP2002150834A JP2003343620A JP 2003343620 A JP2003343620 A JP 2003343620A JP 2002150834 A JP2002150834 A JP 2002150834A JP 2002150834 A JP2002150834 A JP 2002150834A JP 2003343620 A JP2003343620 A JP 2003343620A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクロータに摩擦パッドが押圧された状
態で、電動モータ、減速ギア機構、進退動機構等に於い
て固着等を生じた際に、電力等を使用する事なく、手動
による簡易な操作で容易にクランプ力の開放ができるよ
うにする。また、このようなクランプ開放手段を、簡易
な構成で容易に形成する。 【解決手段】 電動モータ15の駆動力を減速させて進
退動機構に伝達する減速ギア機構17を、電動モータ1
5により回動される遊星腕18と、この遊星腕18に回
動可能に軸支される遊星歯車23と、固定部材28によ
り回動不能に固定され遊星歯車23を回動させる太陽歯
車26とで構成する。電動モータ15、減速ギア機構1
7、進退動機構に於いて固着を生じた場合のクランプの
開放手段として、前記太陽歯車26の固定部材28によ
る固定を解除して、該太陽歯車26を回動可能とし、減
速ギア機構17を手動で操作して、進退動機構を作動さ
せ、摩擦パッド3、4によるディスクロータ1の押圧を
解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や自動二輪車等
の各種車両に搭載され、電動モータの駆動力で進退動機
構を進退動させ、ディスクロータに摩擦パッドを押圧摺
動して制動を行う電気式ディスクブレーキに係るもので
あり、ディスクロータへの摩擦パッドの押圧状態で、電
動モータ、減速ギア機構、進退動機構、その他に於いて
固着等が生じた場合に、摩擦パッドのクランプ力を手動
で容易に開放可能とし、制動を解除するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車や自動二輪車等の各種車両
に於いて、電動モータの駆動力で作動する進退動機構に
より、押圧部材を介して摩擦パッドをディスクロータに
押圧摺動させて制動を行う電気式ディスクブレーキが存
在する。この電気式ディスクブレーキの作動時に、ディ
スクロータへの摩擦パッドの押圧状態で、電動モータや
進退動機構等に於いて固着が生じた場合、制動の解除操
作を行えなくなる事がある。このような場合のクランプ
力の開放手段として、特表2001−506348号公
報記載の従来発明では、電動モータとは異なる電力源か
らの電力で作動する永久磁石式ブレーキを設けている。
【0003】この従来技術は、ブレーキ作動機構として
は、電動モータによりねじ山付きローラ伝導装置を作動
し、摩擦パッドをディスクロータに押圧摺動させるもの
である。そして、前記永久磁石式ブレーキは、ねじ山付
きローラ伝導装置のナットを支持する円盤状のフランジ
ハブ並びにこのフランジハブにピンを介して嵌合された
スピンドルとから成る支持部と、この支持部を回動不能
に固定する永久磁石と、この永久磁石の磁界と対向する
磁界を持つ電磁石とにより構成されている。
【0004】上記永久磁石式ブレーキは、通常時は電磁
石がオフ状態にあり、永久磁石により支持部は回動及び
摺動不能に本体カバーに固定され、摩擦パッドからの反
力で支持部方向に付勢されるナットを支持している。そ
して、電動モータやねじ山付きローラ伝導装置等に於い
て固着を生じ、制動解除が不能となった場合には、電動
モータとは異なる電力源からの通電により電磁石に、永
久磁石の磁界と対向する磁界を発生させる事で、永久磁
石の磁界が相殺され、永久磁石式ブレーキが解除され
る。この解除により、前記ナットを支持する支持部の回
動が可能となり、支持部を摩擦パッドとは反対方向に後
退させる事ができる。この後退により、ねじ山付きロー
ラ伝導装置全体も同方向に後退して、摩擦パッドがディ
スクロータから離れるので、クランプ力を開放可能とな
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記電
力によるクランプ力の開放手段では、電圧低下や回線障
害等で電力の供給ができなくなった場合、上記永久磁石
式ブレーキの解除操作を行えず、クランプ力を開放でき
なくなるものであった。また、磁石式ブレーキの構造も
複雑で、部品点数も多く、組み付け性やメンテナンス性
を悪くする虞もあった。
【0006】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るものであって、ディスクロータへの摩擦パッドの押圧
状態で、電動モータ、減速ギア機構、進退動機構等に於
いて生じた固着等により電気式ディスクブレーキが作動
不良となった場合に、電力等を使用する事なく、手動に
より進退動機構を操作可能とする事により、摩擦パッド
への押圧力を解除する事が可能なクランプ力の開放手段
を得るものである。また、このクランプ力の開放手段
を、複雑な部品や多くの組み立て工数を必要とする事な
く、簡易な構造で容易に形成し、生産性やメンテナンス
性を向上させるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の如き課題
を解決するため、電動モータの駆動力で進退動し摩擦パ
ッドの押圧部材に押圧力を発生させる進退動機構と、こ
の進退動機構に電動モータの駆動力を減速して伝達する
減速ギア機構とをキャリパボディに設け、前記進退動機
構によりディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動させて
制動を行う電気式ディスクブレーキに於いて、前記減速
ギア機構を、電動モータにより回動可能な遊星腕と、こ
の遊星腕の外周に回動可能に軸支される遊星歯車と、キ
ャリパボディに固定部材により回動不能に固定され、前
記遊星歯車を回動させる太陽歯車とで構成し、ディスク
ロータへの摩擦パッドの押圧状態で、電動モータ、減速
ギア機構、進退動機構に於いて固着を生じた場合に、前
記太陽歯車の固定部材による固定を解除して、該太陽歯
車を回動可能とする事により、減速ギア機構を介して進
退動機構を手動で操作し、前記摩擦パッドの押圧部材を
強制的に非作動状態に戻すクランプ力開放手段として成
るものである。
【0008】また、固定部材は、押さえ板によって太陽
歯車に係合されるとともにこの係合力よりも小さい付勢
力の付勢手段により押さえ板方向に付勢され、押さえ板
により固定部材を太陽歯車に係合させ太陽歯車を回動不
能に固定し、クランプ力の開放時には、押さえ板による
固定部材の係合を解除して、付勢手段の付勢力で固定部
材を太陽歯車から離脱する事により太陽歯車の固定を解
除し、該太陽歯車を回動可能としても良い。
【0009】また、太陽歯車は、押さえ板側に、太陽歯
車と同心とする円周溝を設け、この円周溝に、一定間隔
を介して円周状に配置された固定部材の細径先端部を相
対摺動可能に遊挿するとともに、固定部材の大径挿嵌部
を挿嵌する固定穴を一定間隔で円周溝に設け、太陽歯車
の固定時は、押さえ板により固定部材の大径挿嵌部を固
定穴に挿嵌して太陽歯車を回動不能に固定し、クランプ
力の開放時には、押さえ板による固定部材の係合を解除
して、固定部材の大径挿嵌部を固定穴から離脱する事に
より太陽歯車の固定を解除し、固定部材の細径先端部を
円周溝内で相対摺動させながら太陽歯車を回動可能とし
ても良い。
【0010】また、進退動機構は、減速ギア機構の遊星
歯車よりも径大で遊星歯車の回動によって回動するボー
ルねじナットと、このボールねじナットの回動により、
ディスク軸の方向に進退動するボールねじ軸とから成
り、遊星歯車にて径大なボールねじナットを回動する事
により、減速ギア機構から伝達される回動力を更に減速
して、ボールねじ軸を介して押圧部材に押圧力を発生さ
せても良い。
【0011】
【作用】本発明は上述の如く構成したもので、電気式デ
ィスクブレーキの正常な作動時は、減速ギア機構の太陽
歯車は、固定部材によりキャリパボディに回動不能に固
定されている。従って、ブレーキペダルを踏み込みによ
り制動操作を行い、電動モータを駆動して遊星腕を回転
させると、この遊星腕に軸支した遊星歯車が、前記回動
不能に固定された太陽歯車の外周を回動する。この遊星
歯車の回動により、電動モータによる遊星腕の回転速度
が減速されて進退動機構に伝達される。この進退動機構
が作動して、摩擦パッドの押圧部材に押圧力を発生させ
る事により、摩擦パッドがディスクロータに押し付けら
れ、制動が行われる。
【0012】この摩擦パッドによるディスクロータの押
圧状態で、電動モータ、減速ギア機構、進退動機構等に
於いて、何らかの固着を生じた場合、制動の解除を行え
なくなる事がある。尚、前記固着は、電圧低下、回線障
害等により電動モータが固着したり、減速ギア機構の歯
車間に異物等が挟まって歯車等の各部品が固着して回動
不良となる等、電動モータ、減速ギア機構、進退動機構
等に於いて個々に生じる固着は勿論、電動モータと減速
ギア機構間での固着、減速ギア機構と進退動機構間での
固着、或いは電動モータと進退動機構間での固着等、互
いの固着も含むものである。このような場合には、本発
明のクランプ力の開放手段により、電力等を使用する事
なく、手動による簡単な操作でクランプ力を容易に開放
する事ができる。それには、前記太陽歯車の固定部材に
よる固定を解除し、回動可能となった太陽歯車を、工具
等を用いて制動解除方向に回動させる。
【0013】この太陽歯車の回動により、遊星歯車が回
動し、摩擦パッド方向に前進して押圧部材に押圧力を発
生させていた進退動機構が、摩擦パッドとは反対方向に
後退する。この進退動機構の後退により、押圧力が解除
されるので、摩擦パッドがディスクロータから離間し、
クランプ力を開放する事ができる。このクランプ力の開
放により、車輪の作動が可能となり、修理工場等への車
両の牽引作業等を支障なく行う事が可能となる。
【0014】また、太陽歯車の固定部材は、太陽歯車の
固定と固定解除を手動操作で容易に行う事ができるもの
であれば、任意の機構で構成する事ができる。例えば、
固定部材は、押さえ板によって太陽歯車に係合されると
ともにこの係合力よりも小さい付勢力の付勢手段により
押さえ板方向に付勢されるように構成する。そして、通
常時は押さえ板により固定部材を太陽歯車に係合させ太
陽歯車を回動不能に固定する。また、クランプ力の開放
が必要となった場合には、押さえ板による固定部材の係
合を、手動操作により解除する事で、付勢手段の付勢力
で固定部材が太陽歯車から自動的に離脱し、太陽歯車の
固定が解除され、該太陽歯車の回動を可能とする事がで
きる。このように、太陽歯車の固定解除を、手動による
簡単な操作で容易に行う事が可能となるとともに、固定
手段の構造が簡易で、組み付け性やメンテナンス性も向
上する。
【0015】太陽歯車の固定を行うための、更なる好ま
しい構成として、太陽歯車は、押さえ板側に、太陽歯車
と同心とする円周溝を設け、この円周溝に、一定間隔を
介して円周状に配置された固定部材の細径先端部を相対
摺動可能に遊挿するとともに、固定部材の大径挿嵌部を
挿嵌する固定穴を一定間隔で円周溝に設けて形成する。
そして、太陽歯車の固定時は、押さえ板により固定部材
の大径挿嵌部を固定穴に挿嵌して太陽歯車を回動不能に
固定する。
【0016】また、クランプ力の開放時には、押さえ板
による固定部材の係合を解除し、固定部材の大径挿嵌部
を固定穴から離脱させる事により太陽歯車の固定を解除
し、該太陽歯車の回動を可能とする。ここで、固定部材
を太陽歯車から完全に取り外さずに、円周溝に細径先端
部を差し込んだ状態であっても、太陽歯車の回動時の際
に、細径先端部が円周溝内を相対摺動するので、太陽歯
車の回動を支障なく行う事ができる。そして、クランプ
力を開放した後、固定部材を取り付けた状態で車両の移
動等が可能となり、固定部材等の部品の紛失も防ぐ事が
できる。
【0017】また、前記進退動機構は、従来公知の何れ
の機構であっても良く、例えば前記減速機構の遊星歯車
よりも径大で遊星歯車の回動によって回動するボールね
じナットと、このボールねじナットの回動により、ディ
スク軸の方向に進退動するボールねじ軸とから成るボー
ルねじ機構を用いる事ができる。そして、遊星歯車にて
径大なボールねじナットを回動する事により、減速ギア
機構により減速された回転運動が、更に減速されるの
で、電動モータによる遊星腕の回転運動を、ボールねじ
軸の進退動に効率的に変換して、押圧部材に強い押圧力
を発生させる事ができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に於いて説明
すると、(1)は自動車の車輪に接続して一体に回動する
ディスクロータで、両側の摩擦面(2)に臨ませて、図1
に示す如く、タイヤホイール(5)の内側に於いて、一対
の摩擦パッド(3)(4)を配置している。また、前記ディ
スクロータ(1)に臨ませて、車両本体にブラケット(6)
を固定し、この固定側からディスクロータ(1)の外周を
跨いで反対側に掛けて突設したキャリパ支持腕(7)に、
前記摩擦パッド(3)(4)を摺動可能に配置している。
【0019】また、前記ブラケット(6)のキャリパ支持
腕(7)に、摩擦パッド(3)(4)をディスクロータ(1)に
押し付けるキャリパボディ(8)を、図2に示す如く、一
対のスライドピン(9)を介して進退動可能に連結してい
る。このキャリパボディ(8)は、図1に示す如く、ディ
スクロータ(1)を挟んで、一方の摩擦パッド(3)の背面
に配置する作用部(10)と、他方の摩擦パッド(4)の背
面に配置する反力爪(11)を設けた反作用部(12)と、
ディスクロータ(1)の外周を跨いで作用部(10)及び反
作用部(12)とを連結するブリッジ部(13)とで構成さ
れている。
【0020】そして、前記作用部(10)は、図1に示す
如く、シリンダ(14)内に、ブラシレス型の電動モータ
(15)と、摩擦パッド(3)(4)の押圧力を発生させるボ
ールねじ機構(16)と、このボールねじ機構(16)に電
動モータ(15)の駆動力を減速して伝達する減速ギア機
構(17)とを収納している。この減速ギア機構(17)
は、図8に示す如く、電動モータ(15)の駆動力により
回動可能な遊星腕(18)と、この遊星腕(18)に回動可
能に軸支した遊星歯車(23)と、この遊星歯車(23)を
回動させる太陽歯車(26)とから構成されている。
【0021】前記遊星腕(18)は、前記電動モータ(1
5)の回転子として作用するマグネット(39)を外周に
配置した円筒部(20)と、この円筒部(20)よりも径大
とし、摩擦パッド(3)とは反対側の後部に設けた径大部
(21)とから成り、電動モータ(15)の駆動力により、
軸受部(57)を介してシリンダ(14)内を回動可能とし
ている。そして、径大部(21)の外周三ヶ所に設けた切
欠部(22)に、図8に示す如く、各々遊星歯車(23)を
回動可能に軸支している。また、径大部(21)は、図
2、図8に示す如く、隣接する遊星歯車(23)間の外周
を三角形状にカットして、遊星腕(18)の軽量化を図る
とともに、後述の回転角センサのロータとしての使用を
可能としている。
【0022】また、遊星歯車(23)は、第1歯車部(2
4)と、この第1歯車部(24)よりも歯数の少ない第2
歯車部(25)とを、軸方向の前後に分離して一体に形成
し、前記第1歯車部(24)を、キャリパボディ(8)に回
動不能に固定された太陽歯車(26)に噛合し、この太陽
歯車(26)により遊星歯車(23)の回動を可能としてい
る。
【0023】そして、前記遊星腕(18)内に、軸受部
(58)を介してボールねじ機構(16)のボールねじナッ
ト(34)を、回動可能に収納している。前記ボールねじ
ナット(34)の軸受部(58)は、図3に示す如く、遊星
腕(18)側の両端を係止され、ディスク軸の方向への移
動が不能となっているが、軸受部(58)の取り外しは可
能となっている。また、ボールねじナット(34)は、太
陽歯車(26)との間に配置した軸受部(67)を介して太
陽歯車(26)に支持され、回動は可能であるが太陽歯車
(26)方向への後退を阻止されている。更に、ボールね
じナット(34)は、遊星腕(18)の径大部(21)側に配
置した後端外周に、太陽歯車(26)よりも歯数の少ない
減速歯車(35)を固定している。この減速歯車(35)
を、前記遊星歯車(23)の第2歯車部(25)に噛合し、
遊星歯車(23)の回動によってボールねじナット(34)
の回動を可能としている。そして、このボールねじナッ
ト(34)の内径側に設けたボール溝(36)に、複数のボ
ール(37)を介してボールねじ軸(38)を進退動可能に
螺合している。
【0024】また、前記ボールねじ軸(38)は先端に、
摩擦パッド(3)の押圧部材として、平板状のパッド押圧
板(40)を互いに分離不能に接続している。このパッド
押圧板(40)にて、摩擦パッド(3)を、広い面積で一部
に押圧力を集中する事なく押圧して、ディスクロータ
(1)に平行に押し付け可能としている。
【0025】また、前記パッド押圧板(40)の外周とシ
リンダ(14)の内周との間に、伸縮可能なダストシール
(47)を接続して、シリンダ(14)の開口部(45)を被
覆し、シリンダ(14)内への塵埃や水滴、小石等の侵入
を防止可能としている。このシリンダ(14)内部のシー
ル性を更に高めるため、前記ボールねじ軸(38)とパッ
ド押圧板(40)との接続を、以下に示す如く行ってい
る。
【0026】まず、図1に示す如く、ボールねじ軸(3
8)は、内部を中空形状に形成し、中空部(41)を設け
るとともに、摩擦パッド(3)側に取付ねじ(42)を固定
する固定壁(49)を形成する。また、パッド押圧板(4
0)の背面に、袋穴状の取付穴(43)を凹設する。ま
た、ボールねじナット(34)及び太陽歯車(26)、バッ
クプレート(27)のキャップ(33)の中央には、図4に
示す如く、各々六角形状の工具穴(61)(62)(63)を
開口し、ボルトや工具等を挿入して各種部品の組み付け
や分解等を可能としている。そして、前記工具穴(61)
(62)(63)を介して、ボールねじ軸(38)の中空部
(41)内に、取付ねじ(42)を挿入し、この取付ねじ
(42)を、ボールねじ軸(38)の固定壁(49)を介して
前記パッド押圧板(40)の取付穴(43)に螺合する事に
より、ボールねじ軸(38)とパッド押圧板(40)とを分
離不能に接続している。
【0027】このような構成とする事により、パッド押
圧板(40)には、シリンダ(14)内部と摩擦パッド(3)
側の外部とを連通する穴等が何ら形成される事はない
し、該パッド押圧板(40)とボールねじ軸(38)との接
続が、パッド押圧板(40)及びダストシール(47)で被
覆された空間内で行われるものとなる。従って、シリン
ダ(14)の開口部(45)のシール性が向上し、摩擦パッ
ド(3)側からのシリンダ(14)内への微細な塵埃や少量
の水滴の侵入も確実に防ぐ事ができる。また、パッド押
圧板(40)とボールねじ軸(38)との接続を、キャリパ
ボディ(8)の後部側から行えるので、組み付け性やメン
テナンス性も向上するものである。
【0028】更に、キャリパボディ(8)の外表面の熱伝
導を低くするため、キャリパボディ(8)を、電動モータ
(15)の摩擦パッド(3)側と減速ギア機構(17)側で3
分割可能に形成し、各パーツ間に、図1に示す如く、キ
ャリパボディ(8)よりも熱伝導率の低い断熱材製の断熱
リング部材(46)を挿入配置している。この断熱リング
部材(46)により、摩擦パッド(3)(4)の制動熱が、キ
ャリパボディ(8)の外表面を介して電動モータ(15)や
減速ギア機構(17)に伝達されるのを防止可能となると
ともに、電動モータ(15)の駆動熱が、減速ギア機構
(17)に伝達されるのも防ぐ事ができる。
【0029】尚、前記断熱リング部材(46)は、キャリ
パボディ(8)の本体を分割形成して、各パーツ間に挿入
配置しているので、キャリパボディ(8)内部に断熱部材
を設ける場合と比較して、組み付けが容易であり、生産
性に影響を与える事はない。また、分割形成によりキャ
リパボディ(8)の内部への各種部品の組み付け性やメン
テナンス性を向上させる事ができる。
【0030】また、図1、図5に示す如く、ボールねじ
軸(38)の先端に荷重センサ(48)を設けて、摩擦パッ
ド(3)に掛かる荷重を検知可能としている。そして、荷
重センサ(48)と検知器本体(図示せず)とを接続するハ
ーネス(50)を、図1に示す如く、ボールねじ軸(38)
の中空部(41)に挿通させている。また、ハーネス(5
0)は、ボールねじ軸(38)の進退動の移動距離に合わ
せて、余裕を持たせた長さで中空部(41)に配置してい
る。ところが、この余裕部分の弛みが、部品相互の隙間
に入り込んで、引掛かりや切断を生じる虞がある。
【0031】この不具合を解消するため、図1に示す如
く、ハーネス(50)を引張り発条(51)にて引張り付勢
し、弛み部分を常に中空部(41)に配置して、中空部
(41)の外ではハーネス(50)が常に張った状態となる
ようにしている。そして、ボールねじ軸(38)が摩擦パ
ッド(3)方向に前進して、ハーネス(50)に引張り力が
加わっても、引張り発条(51)が伸張するので、ハーネ
ス(50)が切断されにくくなるとともに、ボールねじ軸
(38)の前進に支障を与えにくいものとなる。また、ボ
ールねじ軸(38)が後退すると、引張り発条(51)が復
元収縮するので、ハーネス(50)が中空部(41)以外の
位置で弛むのを防ぐ事ができる。
【0032】また、制動時の摩擦パッド(3)(4)による
ディスクロータ(1)の押圧を調整して、適切な制動を可
能とするため、前記遊星腕(18)の回転角を検出する回
転角センサを設け、この回転角センサで検出した回転角
により、ブラシレス型の電動モータ(15)の駆動を制御
したり、ボールねじ軸(38)の進退量を算出可能として
いる。この回転角センサは、図2、図4に示す如く、遊
星腕(18)の三角形状の径大部(21)を、回転角センサ
のロータとし、図2、図4に示す如く、前記径大部(2
1)の外周に臨ませて、シリンダ(14)の内周面に、コ
イル(19)を円周状に配置してステータとしている。
【0033】そして、上記コイル(19)の内周を、三角
形状の径大部(21)が回動する事で、波形の出力電圧を
発生するので、回転角センサにて遊星腕(18)の回転角
を検知可能となるものである。このように、遊星腕(1
8)の径大部(21)をロータとする事ができるので、遊
星腕(18)とは別個に回転角センサ用のロータを設ける
必要がなく、部品点数や組み付け工数の増加を防ぐ事が
できる。
【0034】更に、図1、図4に示す如く、遊星腕(1
8)の径大部(21)の後端面に臨ませて、前記バックプ
レート(27)に、パーキング機構のソレノイド(54)を
設けている。そして、車両の駐車時に、摩擦パッド(3)
(4)により制動を行っている状態で、ソレノイド(54)
を作動すると、ロックピン(55)が、遊星腕(18)の径
大部(21)の端面に設けた係止穴(56)の何れかに係合
する。この係合により、遊星腕(18)が回動不能に固定
され、摩擦パッド(3)(4)による制動を維持する事がで
きる。また、バックプレート(27)外周には、Oリング
(60)を介して被覆カバー(44)を装着し、複数の固定
ねじ(59)で固定している。この被覆カバー(44)によ
り、前記ソレノイド(54)及びバックプレート(27)、
その他を外的衝撃から保護するとともに、工具穴(61)
(62)(63)を介してのシリンダ(14)内への水分や塵
埃の侵入等を防止している。
【0035】そして、ディスクロータ(1)への摩擦パッ
ド(3)(4)の押圧状態で、電動モータ(15)、減速ギア
機構(17)、進退動機構を構成するボールねじ機構(1
6)等に於いて、何らかの固着を生じ、制動を解除不能
となった場合、そのクランプ力の開放手段として、本発
明の実施例では、通常時は回動不能に固定された太陽歯
車(26)を、手動で回動する事により実施するものであ
る。そのため、太陽歯車(26)は、図1、図3、図7に
示す如く、バックプレート(27)側の背面に、太陽歯車
(26)と同心とする円周溝(52)を凹設し、この円周溝
(52)に、一定間隔を介して円周状に、円周溝(52)よ
りも径大な固定穴(30)を複数開口している。
【0036】前記複数の固定穴(30)に対応して、バッ
クプレート(27)に挿通穴(29)を複数開口し、各挿通
穴(29)に、太陽歯車(26)をバックプレート(27)に
固定するためのピン状の固定部材(28)を挿通し、この
固定部材(28)を前記太陽歯車(26)の背面に凹設した
固定穴(30)に挿嵌する事により、太陽歯車(26)を回
動不能にバックプレート(27)に固定するものである。
【0037】また、前記固定部材(28)は、図7に示す
如く、先端側を太陽歯車(26)の円周溝(52)の形成幅
と略同径に形成し、該円周溝(52)内に遊挿し円周溝
(52)内を相対摺動可能な細径先端部(64)を設け、こ
の細径先端部(64)に連続して、固定穴(30)内に挿嵌
可能な大径挿嵌部(65)を設けている。そして、バック
プレート(27)の装着孔(32)に螺着により装着するキ
ャップ(33)に、鍔状の押さえ板(53)を突設し、キャ
ップ(33)の装着時に、押さえ板(53)にて固定部材
(28)の頭部(66)をバックプレート(27)に係合す
る。この係合により、固定部材(28)の大径挿嵌部(6
5)が固定穴(30)に挿嵌されるとともに、この挿嵌状
態が保たれるものとなる。
【0038】また、上述の如くバックプレート(27)の
挿通穴(29)と太陽歯車(26)の固定穴(30)とに固定
部材(28)を挿嵌して太陽歯車(26)をバックプレート
(27)に固定しようとした際に、前記挿通穴(29)と固
定穴(30)との位置がズレを生じている場合がある。し
かし、前記太陽歯車(26)の固定穴(30)を、円周溝
(52)に設けているから、挿通穴(29)と固定穴(30)
への確実な固定部材(28)の挿通が可能となる。即ち、
前記位置ズレ状態で、挿通穴(29)に固定部材(28)を
挿通した後、固定部材(28)の細径先端部(64)を円周
溝(52)に遊挿する。
【0039】次に、キャップ(33)の押さえ板(53)に
て固定部材(28)を支持しながら、太陽歯車(26)を円
周方向に回動させると、固定部材(28)の細径先端部
(64)が円周溝(52)内を相対摺動するものとなる。そ
して、太陽歯車(26)の回動により、固定穴(30)と大
径挿嵌部(65)との位置が一致した時点で、キャップ
(33)の螺着操作を行う事により、押さえ板(53)にて
固定部材(28)がバックプレート(27)に係合され、大
径挿嵌部(65)が太陽歯車(26)の固定穴(30)に確実
に挿嵌されるものとなる。
【0040】上記大径挿嵌部(65)の固定穴(30)への
挿嵌により、太陽歯車(26)が回動不能に固定されると
ともに、太陽歯車(26)はボールねじナット(34)方向
に押圧付勢され、太陽歯車(26)とバックプレート(2
7)との間には、図3に示す如く、間隙部(68)が形成
される。また、固定部材(28)は、頭部(66)とバック
プレート(27)との間に、押圧発条(31)を装着し、キ
ャップ(33)を緩めて押さえ板(53)による係合を解除
すると、前記押圧発条(31)の付勢力により、固定部材
(28)が固定穴(30)から離脱し、太陽歯車(26)の固
定が解除されるものとしている。
【0041】上述の如く構成された電気式ディスクブレ
ーキでは、自動車の運転者がブレーキペダルを踏み込ん
で制動操作を行うと、この踏み込み量に応じて電動モー
タ(15)が駆動し、遊星腕(18)がシリンダ(14)内を
回動する。この遊星腕(18)の回動により、径大部(2
1)に軸支され、太陽歯車(26)に第1歯車部(24)を
噛合する遊星歯車(23)が、太陽歯車(26)の外周を回
動する。この遊星歯車(23)の回動により、第2歯車部
(25)に減速歯車(35)を噛合するボールねじナット
(34)が回動される。
【0042】そして、ボールねじ機構(16)の作用によ
り、ボールねじナット(34)の回動力がボールねじ軸
(38)の摩擦パッド(3)方向への前進力に変換され、パ
ッド押圧板(40)を介して作用部(10)側の摩擦パッド
(3)を押圧摺動し、ディスクロータ(1)に押し付ける。
更に、ボールねじ軸(38)の前進の反力で、キャリパボ
ディ(8)が後退し、反作用部(12)の反力爪(11)が、
反作用部(12)側の摩擦パッド(4)を押圧摺動し、ディ
スクロータ(1)に押し付ける事により、制動が行われ
る。
【0043】この制動の際には、前述の如く、遊星歯車
(23)は、太陽歯車(26)と噛合する第1歯車部(24)
よりも、ボールねじナット(34)の減速歯車(35)と噛
合する第2歯車部(25)の歯数を少なくし、この第2歯
車部(25)にて、太陽歯車(26)よりも歯数の少ない減
速歯車(35)を回動している。これらの作用により、電
動モータ(15)による遊星腕(18)の回転は、効率的に
減速され、トルクの強いボールねじナット(34)の回転
に変換されるので、摩擦パッド(3)(4)の強い押圧力を
発生させて、効果的に制動を行う事ができる。
【0044】そして、ブレーキペダルの踏み込みを解除
すると、電動モータ(15)の制御により遊星腕(18)が
制動時とは逆方向に回転し、遊星歯車(23)を介してボ
ールねじナット(34)が、先の回転とは逆方向に回転す
るので、ボールねじ軸(38)が後退し、摩擦パッド(3)
の押圧が解除される。また、このボールねじ軸(38)後
退の反力により、キャリパボディ(8)も復元方向に摺動
し、反作用部(12)側の摩擦パッド(4)の押圧が解除さ
れるので、制動が解除されるものである。
【0045】ところが、上記摩擦パッド(3)(4)による
ディスクロータ(1)の押圧状態で、電動モータ(15)、
減速ギア機構(17)、ボールねじ機構(16)等に於い
て、万が一何らかの固着を生じた場合、制動解除を行え
なくなる可能性がある。尚、前記固着とは、電圧低下、
回線障害等により電動モータ(15)が固着したり、遊星
歯車(23)と太陽歯車(26)との噛合部や、ボールねじ
ナット(34)とボールねじ軸(38)との螺合部に於い
て、異物等の侵入や焼き付け等により、減速ギア機構
(17)やボールねじ機構(16)が個別に固着する場合は
勿論、電動モータ(15)と減速ギア機構(17)の遊星腕
(18)との焼き付けによる固着や、減速ギア機構(17)
の太陽歯車(26)とボールねじ機構(16)の減速歯車
(35)との固着等、電動モータ(15)、減速ギア機構
(17)、ボールねじ機構(16)等の何れかの間で、互い
に固着する場合も含むものである。
【0046】このような場合には、本発明のクランプ力
の開放手段により、手動による簡易な操作でクランプ力
を容易に開放する事ができる。それには、図4に示す如
く、被覆カバー(44)の固定ねじ(59)を外し、バック
プレート(27)から被覆カバー(44)及びOリング(6
0)を取り外す。次に、キャップ(33)をバックプレー
ト(27)からの離脱方向に回動して緩めると、図5に示
す如く、太陽歯車(26)を固定する固定部材(28)へ
の、押さえ板(53)による係合が解除される。この押圧
解除によって、押圧発条(31)が復元し、この復元力に
より固定部材(28)が太陽歯車(26)の固定穴(30)か
らの離脱方向に移動するので、太陽歯車(26)に作用し
ていたボールねじナット(34)方向への押圧付勢力が解
除される。
【0047】また、ディスクロータ(1)への摩擦パッド
(3)(4)の押圧の反力により、ボールねじナット(34)
には、太陽歯車(26)方向への強い付勢力が作用し、ボ
ールねじナット(34)は軸受部(67)を介して太陽歯車
(26)に押し付けられている。従って、前述の如く固定
部材(28)の移動により、太陽歯車(26)への押圧付勢
力が解除されると、太陽歯車(26)とボールねじ機構
(16)全体とがバックプレート(27)方向に後退する。
この後退は、太陽歯車(26)とバックプレート(27)と
の間に介在する間隙部(68)の距離分だけ行われ、太陽
歯車(26)がバックプレート(27)に突き当たって、後
退が停止される。また、この太陽歯車(26)の後退によ
り、図5の時点では、固定部材(28)は固定穴(30)に
挿嵌されたままで、太陽歯車(26)の回動は不能となっ
ている。
【0048】尚、上記太陽歯車(26)とボールねじ機構
(16)の後退のみでも、ディスクロータ(1)への摩擦パ
ッド(3)(4)によるクランプ力を低下させる事ができ
る。しかし、摩擦パッド(3)(4)をディスクロータ(1)
の摩擦面(2)から離間させて、クランプ力を確実に開放
するには、前記キャップ(33)を更に緩める事により、
図6に示す如く、押圧発条(31)の復元力で固定部材
(28)が離脱方向に更に移動する。この際、太陽歯車
(26)は、バックプレート(27)に突き当たって、後退
が阻止されているから、固定部材(28)のみが移動し、
該固定部材(28)の大径挿嵌部(65)が、太陽歯車(2
6)の固定穴(30)から完全に離脱する。
【0049】但し、大径挿嵌部(65)が固定穴(30)か
ら離脱しても、細径先端部(64)が円周溝(52)内に遊
挿されている。しかし、細径先端部(64)は円周溝(5
2)内を相対的に摺動可能であるから、固定部材(28)
による太陽歯車(26)の固定が解除され、太陽歯車(2
6)を支障なく回動する事ができる。そして、キャップ
(33)の工具穴(63)を介して、太陽歯車(26)の工具
穴(62)に、六角棒レンチ等の専用工具を挿通係合し、
この工具により太陽歯車(26)を制動解除方向に回動さ
せる。この回動により、太陽歯車(26)に第1歯車部
(24)を噛合した遊星歯車(23)が回動し、遊星歯車
(23)の第2歯車部(25)に噛合するボールねじナット
(34)が回動する。
【0050】このボールねじナット(34)の回動によ
り、ボールねじ軸(38)が摩擦パッド(3)とは反対方向
に後退するので、ボールねじ軸(38)に接続するパッド
押圧板(40)が摩擦パッド(3)とともに後退し、該摩擦
パッド(3)がディスクロータ(1)から離間する。また、
ボールねじ軸(38)の後退の反力により、キャリパボデ
ィ(8)がディスクロータ(1)方向に前進するので、反作
用部(12)側の摩擦パッド(4)への押圧力も解除される
ので、該摩擦パッド(4)もディスクロータ(1)から離間
し、クランプ力の開放が可能となるものである。
【0051】このクランプ力の開放により、車輪の回動
が可能となるので、当該車両を路肩や修理工場等に移動
する事ができる。このように、太陽歯車(26)に固定部
材(28)を係合する押さえ板(53)を設けたキャップ
(33)を緩めて太陽歯車(26)の固定を解除し、工具で
太陽歯車(26)を回動させるだけの簡単な操作で、クラ
ンプ力を容易に開放する事ができる。また、前記キャッ
プ(33)や固定部材(28)を、完全に取り外す必要がな
く、バックプレート(27)に取り付けたままでの、車両
の移動、その他の作業が可能となるので、キャップ(3
3)、固定部材(28)、押圧発条(31)等の小さな部品
の紛失も防ぐ事ができる。また、クランプ力の開放後
に、先に取り外したOリング(60)や被覆カバー(44)
を、再び取り付けて使用する事もできる。
【0052】また、本実施例では、太陽歯車(26)とバ
ックプレート(27)との間の間隙部(68)を形成してい
るので、この間隙部(68)の距離分、ボールねじ機構
(16)全体を後退させる事だけでも行えるが、クランプ
力の確実な開放は、太陽歯車(26)を介してボールねじ
機構(16)を回動させる事により行っている。そのた
め、前記間隙部(68)を長尺に設ける必要がなく、ディ
スクロータ(1)がディスク軸の方向に長尺となるのを防
ぐ事ができる。
【0053】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したもので、デ
ィスクロータへの摩擦パッドの押圧状態で電動モータ、
減速ギア機構、進退動機構等に於いて固着等を生じ、制
動の解除ができなくなった場合に、太陽歯車の固定を解
除し、この太陽歯車を手動で回動する事で、摩擦パッド
の押圧部材を非制動時の位置に復帰させ、ディスクロー
タから摩擦パッドを離間させてクランプ力の開放を行う
事ができる。従って、クランプ力の開放を、電力等を必
要とする事なく、手動による簡単な操作で容易に行う事
ができ、クランプ力の開放の確実性及び作業性が向上す
る。また、前記太陽歯車の固定及び固定解除手段を、固
定部材を用いて簡易な構造で形成可能で、生産性を向上
させる事も可能となる。また、キャリパボディに、クラ
ンプ力の開放のための空間等を多く設ける必要がなく、
キャリパボディがディスク軸の方向に長尺になるのを防
止して、よりコンパクトな形成が可能となり、電気式デ
ィスクブレーキ設置時のレイアウトの自由度を高める事
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で、ディスクロータに臨ませ
て設置した電気式ディスクブレーキの横断面図。
【図2】図3のA−A線断面図で、太陽歯車の固定部材
とハーネスとを省略したものである。
【図3】図1のバックプレート側の部分拡大断面図で、
固定部材にて太陽歯車を回動不能に固定した状態を示
す。
【図4】クランプ力を解放する工程で、キャリパボディ
から被覆カバーを取り外した状態を示す拡大断面図。
【図5】キャップを緩める事で、押さえ板による固定部
材の係合が解除され、太陽歯車とボールねじ機構がバッ
クプレート方向に移動した状態を示す拡大断面図。
【図6】固定部材の大径挿嵌部が太陽歯車の固定穴から
離脱し、太陽歯車の固定が解除された状態を示す拡大断
面図。
【図7】図3の固定部材付近の拡大断面図。
【図8】減速ギア機構の斜視図。
【符号の説明】
1 ディスクロータ 3 摩擦パッド 4 摩擦パッド 8 キャリパボディ 15 電動モータ 16 ボールねじ機構(進退動機構) 17 減速ギア機構 18 遊星腕 23 遊星歯車 26 太陽歯車 28 固定部材 30 固定穴 34 ボールねじナット 38 ボールねじ軸 40 パッド押圧板(押圧部材) 52 円周溝 53 押さえ板 64 細径先端部 65 大径挿嵌部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月27日(2002.5.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 電気式ディスクブレーキの配
置構造 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月30日(2002.5.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 電気式ディスクブレーキ
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータの駆動力で進退動し摩擦パッ
    ドの押圧部材に押圧力を発生させる進退動機構と、この
    進退動機構に電動モータの駆動力を減速して伝達する減
    速ギア機構とをキャリパボディに設け、前記進退動機構
    によりディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動させて制
    動を行う電気式ディスクブレーキに於いて、前記減速ギ
    ア機構を、電動モータにより回動可能な遊星腕と、この
    遊星腕の外周に回動可能に軸支される遊星歯車と、キャ
    リパボディに固定部材により回動不能に固定され、前記
    遊星歯車を回動させる太陽歯車とで構成し、ディスクロ
    ータへの摩擦パッドの押圧状態で、電動モータ、減速ギ
    ア機構、進退動機構に於いて固着を生じた場合に、前記
    太陽歯車の固定部材による固定を解除して、該太陽歯車
    を回動可能とする事により、減速ギア機構を介して進退
    動機構を手動で操作し、前記摩擦パッドの押圧部材を強
    制的に非作動状態に戻すクランプ力開放手段とする事を
    特徴とする電気式ディスクブレーキの配置構造。
  2. 【請求項2】 固定部材は、押さえ板によって太陽歯車
    に係合されるとともにこの係合力よりも小さい付勢力の
    付勢手段により押さえ板方向に付勢され、押さえ板によ
    り固定部材を太陽歯車に係合させ太陽歯車を回動不能に
    固定し、クランプ力の開放時には、押さえ板による固定
    部材の係合を解除して、付勢手段の付勢力で固定部材を
    太陽歯車から離脱する事により太陽歯車の固定を解除
    し、該太陽歯車を回動可能とした事を特徴とする請求項
    1の電気式ディスクブレーキの配置構造。
  3. 【請求項3】 太陽歯車は、押さえ板側に、太陽歯車と
    同心とする円周溝を設け、この円周溝に、一定間隔を介
    して円周状に配置された固定部材の細径先端部を相対摺
    動可能に遊挿するとともに、固定部材の大径挿嵌部を挿
    嵌する固定穴を一定間隔で円周溝に設け、太陽歯車の固
    定時は、押さえ板により固定部材の大径挿嵌部を固定穴
    に挿嵌して太陽歯車を回動不能に固定し、クランプ力の
    開放時には、押さえ板による固定部材の係合を解除し
    て、固定部材の大径挿嵌部を固定穴から離脱する事によ
    り太陽歯車の固定を解除し、固定部材の細径先端部を円
    周溝内で相対摺動させながら太陽歯車を回動可能とした
    事を特徴とする請求項2の電気式ディスクブレーキの配
    置構造。
  4. 【請求項4】 進退動機構は、減速ギア機構の遊星歯車
    よりも径大で遊星歯車の回動によって回動するボールね
    じナットと、このボールねじナットの回動により、ディ
    スク軸の方向に進退動するボールねじ軸とから成り、遊
    星歯車にて径大なボールねじナットを回動する事によ
    り、減速ギア機構から伝達される回動力を更に減速し
    て、ボールねじ軸を介して押圧部材に押圧力を発生させ
    る事を特徴とする請求項1の電気式ディスクブレーキの
    配置構造。
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