JP2006009099A - 膜厚制御方法及び装置、並びに光学多層膜の製造方法 - Google Patents

膜厚制御方法及び装置、並びに光学多層膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板での光干渉に起因する透過光量のノイズを低減し、高精度の膜厚制御を実現する。
【解決手段】成膜時に基板を自転させなくても良好な膜厚均一性が得られるカルーセル型のスパッタ装置を用いるとともに、基板18の成膜面18Aに対して基板裏面18Bが所定角度で傾斜している形状の基板を用いる。成膜面18Aに対する基板裏面18Bの傾斜角θは0°<θ≦2°が好ましく、基板18の最も厚い部分または最も薄い部分が基板ホルダーの上下方向になるように基板を固定する。また、投光部から出射した光が成膜面18Aで当該成膜面18Aと垂直になるように光軸を調整することが好ましい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、スパッタ装置を用いて薄膜を作製する場合の膜厚制御方法及び装置、並びに光学多層膜の製造方法に係り、特にWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長多重分割)技術に用いられるWDM用フィルターの製造に好適な膜厚制御方法及び装置、並びに光学多層膜の製造方法に関する。
WDM技術で用いられるWDM用フィルターは、低屈折率材料と高屈折率材料とを組み合わせ、極めて多くの層(例えば100層程度)をガラス基板上に積層して形成される。かかる光学多層膜の製造に際しては、各層の膜厚を設計値通り精度良く形成することが極めて重要であり、このため、薄膜形成装置に備え付けた膜厚モニタリングシステムを用いて、成膜時もしくは成膜後のガラス基板のモニタリング光の透過光量(あるいは透過率)を監視することにより、膜厚を精密に制御する必要がある(特許文献1〜3参照)。
従来の膜厚モニタリングシステムにおいては、受光光量が大きく(S/N比に優れ)、波長の単色性に優れたレーザ光源やASE(Amplified Spontaneous Emission)光源などを投光部に使用するものが知られている。コヒーレント長の長いレーザ光源などを投光部に用いた透過型膜厚モニタリングシステムの場合、ガラス基板での光干渉により発生する上記透過光量のノイズを低減するために、光学多層膜形成前に予めガラス基板の裏面(成膜面の反対の面)に高性能な低反射膜を形成しておく必要がある。
国際公開第02/063064号パンフレット 特開2002−340523号公報 特開2003−121118号公報
しかしながら、高性能な低反射膜の作製は極めて困難であるとともに、製品コストを高くする要因の一つとなっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、高性能な低反射膜を要せずとも容易に上記透過光量のノイズを低減させ、高精度に膜厚制御することが可能な膜厚制御方法及び装置、並びにこれを用いた光学多層膜の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、基板上に形成される膜の膜厚を制御する膜厚制御方法であって、基板の成膜面と反対の基板裏面を前記成膜面に対して所定角度で傾斜させた形状を有する基板をスパッタ装置の基板ホルダーに固定し、当該スパッタ装置によって成膜を行うとともに、前記基板ホルダー上の基板に向けて投光部から光を照射し、照射した光を基板を挟んで投光部の反対側に位置する受光部によって受光して受光量に応じた透過光量を測定し、前記透過光量に基づいて膜付き基板の透過光量データを取得し、その測定結果に基づいて成膜量に影響するパラメータを制御することにより所望の膜厚を得ることを特徴とする。
本発明によれば、成膜に用いる基板の裏面が成膜面に対して所定の角度で傾斜した形状(略楔形状)を有しているため、投光部からコヒーレント長の長い光を出射した場合でも、当該基板での光干渉(基板内で反射する光同士の干渉)がほとんど発生せず、基板自体での光干渉に起因するノイズ成分を大幅に低減することができる。これにより、従来必要とされていた基板裏面の高性能な低反射膜の形成が不要となり、高精度の膜厚制御を実現できる。
成膜時に膜厚をモニタリングし、その情報を制御系にフィードバックして成膜をコントロールする場合、成膜量に影響するパラメータの制御としては、例えば、スパッタ電源の電力制御、基板ホルダー(ドラム)の回転速度、成膜時間、シャッター開閉度、スパッタ圧力等の制御がある。これらに代表される各種パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを制御して成膜量をコントロールする。
また、特許文献2,3に開示された従来の装置では、量産性(膜厚分布)の改善のために、成膜時に基板を自転させる必要があるのに対し、本発明で用いるカルーセル型のスパッタ装置は、成膜時に基板を自転させなくても、実用上充分な膜厚均一性が得られるという特徴を有している。
仮に、本発明で用いる裏面傾斜処理の基板を自転させながら透過光量の測定を行うと、基板の回転位置に応じて、基板の透過光の出射方向が変化するため、透過光量を正確に測定できず、かえってノイズを増加させる要因となり得る。
したがって、本発明では基板の自転が不要なカルーセル型のスパッタ装置を用いることで、上述の基板裏面の傾斜構造と相まって透過光量のノイズを低減している。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の膜厚制御方法の一態様に係り、基板での光干渉による透過光量のノイズ低減、及び基板のハンドリング性等を考慮すると、成膜面に対する基板裏面の所定角度θは0°<θ≦2°とすることが好ましく、0.3°≦θ≦2°、特に0.5°≦θ≦2°であることがより好ましい。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の膜厚制御方法の一態様に係り、前記基板は、前記所定角度の傾斜面を有する形状の最も厚い部分または最も薄い部分が基板ホルダーの上下方向になるように前記基板ホルダーに固定されることを特徴とする。
カルーセル型のスパッタ装置は、回転ドラムに取り付けられた基板ホルダーが回転しながら成膜が行われるため、基板の最も厚い部分又は最も薄い部分を基板ホルダーの上下方向に向けた姿勢で基板を固定することが好ましい。こうすることで、ドラムの回転方向(すなわち、投光部から照射される光の走査ライン)に沿って基板の厚みが一定となり、透過光量のノイズを一層低減することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1、2または3記載の膜厚制御方法の一態様に係り、前記投光部から照射した光の光軸が、前記基板の成膜面膜厚の制御中におけるいずれか1点で、当該成膜面と垂直になるように調整されることを特徴とする。
基板裏面の傾斜形状に応じて光軸を微調整できるように光軸調整機構を設ける態様が好ましい。
請求項1乃至4の何れか1項記載の膜厚制御方法に用いられるスパッタ装置は、請求項5に示すように、チャンバーと、該チャンバー内に回転自在に設置され、横断面が多角形状または円形状のドラムと、前記ドラムの外周面上に取り付けられた前記基板ホルダーと、前記チャンバー壁の内側に配置されたマグネトロンスパッタ源と、から構成される。
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するための膜厚制御装置を提供する。すなわち、請求項6に係る発明は、基板上に形成される膜の膜厚を制御する膜厚制御装置であって、基板の成膜面と反対の基板裏面を前記成膜面に対して所定角度で傾斜させた形状を有する基板をスパッタ装置の基板保持部に固定するための基板保持機構と、前記基板保持機構に保持された基板に向けて光を照射する投光手段と、前記基板を通過した光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される電気信号から受光量に応じた透過光量を測定し、前記透過光量に基づいて膜付き基板の透過光量データを取得する演算処理手段と、前記演算処理手段で得た前記透過光量データに基づいて成膜量に影響するパラメータを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項7に示したように、前記基板保持機構は、前記所定角度の傾斜面を有する形状の前記基板の最も厚い部分または最も薄い部分が上下方向になるように、当該基板を固定するものであることが好ましい。
さらに、請求項8に示したように、前記投光手段から照射した光が前記基板の成膜面で当該成膜面と垂直になるように光軸を調整する光軸調整機構を備えている構成が好ましい。
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するための光学多層膜の製造方法を提供する。すなわち、請求項9に係る発明は、屈折率の異なる2種類の薄膜を基板上に交互に積層形成して成る光学多層膜を製造する製造方法であって、基板の成膜面と反対の基板裏面を前記成膜面に対して所定角度で傾斜させた形状を有する基板を用いるとともに、相対的に低屈折率の薄膜を形成するためのターゲットが取り付けられた低屈折率膜形成用のマグネトロンスパッタ源と、相対的に高屈折率の薄膜を形成するためのターゲットが取り付けられた高屈折率膜形成用のマグネトロンスパッタ源とが併設されたスパッタ装置を用い、当該スパッタ装置の基板ホルダーに前記基板を固定して成膜を行い、成膜中に前記基板ホルダー上の基板に向けて投光部から光を照射し、照射した光を受光部によって受光して受光量に応じた透過光量を測定し、前記透過光量に基づいて膜付き基板の透過光量データを取得し、その測定結果に基づいて成膜量に影響するパラメータを制御することにより、所望の膜厚の薄膜を形成することを特徴とする。なお、光学多層膜の総層数は2〜2000層、総層厚は50nm〜400μmであることが好ましい。
本発明に係る光学多層膜の製造方法によれば、基板の自転が不要なカルーセル型のスパッタ装置と、基板での光干渉を回避する基板形状との組み合わせにより、膜厚を正確に把握することが可能となり、各層の膜厚を設計値通りに形成することが可能となる。また、従来必要とされた基板裏面への高性能な低反射膜の形成が不要となり、低コスト化を実現できる。
本発明によれば、スパッタ装置を利用するとともに、基板の成膜面に対して基板裏面が所定角度で傾斜している形状の基板を用いることにより、基板での光干渉により発生する透過光量のノイズを大幅に低減させることが可能になり、高精度の膜厚制御を実現できる。
以下添付図面に従って本発明に係る膜厚制御方法及び装置、並びに光学多層膜の製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明の実施形態に係る膜厚制御装置を適用した光学多層膜成膜用のスパッタ装置の構成を示す平面模式図である。図1に示したスパッタ装置10は、高さ2m、直径1.5mの略円筒形のチャンバー12内に、ドラム(図1中不図示、図5中符号17)と該ドラム17の外周面上に設けられた基板ホルダー14とを有し、直径1mの正十二角形を構成する各基板ホルダー14がドラム17の中心軸16を回転中心として回転可能に支持された構造から成るカルーセル型のスパッタ装置である。
反応室となるチャンバー12は、図示せぬ排気用ポンプと連結され、スパッタに必要な低圧を得ることができる。また、図示されていないが、チャンバー12には、スパッタに必要なガスを導入するためのガス供給手段やローディング用ドアが設けられている。なお、チャンバー12の内壁は、ドラム17と概略所定間隔をもって対向する形状(内周形状)を有している。
詳細は後述するが(図4乃至図9)、各基板ホルダー14には成膜用の基板(例えば、ガラス基板)18が取り付けられ、基板ホルダー14は、図示せぬ回転駆動装置によるドラム17の回転に伴って一定の回転速度(例えば、6rpm )で回転する。ドラム17が回転するに伴い、基板ホルダー14に取りつけられた基板18上に例えば低屈折率膜又は高屈折率膜が成膜される。高屈折率膜と低屈折率膜とを組み合わせて積層することで光学多層膜が形成される。
図1に示したように、チャンバー12の内側には、低屈折率膜形成用のACマグネトロン20と、高屈折率膜形成用のACマグネトロン30とが設置されている。
低屈折率膜形成用のACマグネトロン20は、二つのマグネトロン部22、23に対して一つの交流電源26が接続され、アノード/カソードの関係を所定周波数で交互に切り替える交流型マグネトロンスパッタ源である。
同様に、高屈折率膜形成用のACマグネトロン30は、二つのマグネトロン部32、33に対して一つの交流電源36が接続され、アノード/カソードの関係を所定周波数で交互に切り替える交流型マグネトロンスパッタ源である。
ACマグネトロン20,30の動作原理は、特開平5−222530号、特開平5−222531号、特開平6−212421号、特開平10−130830号の各公報に開示されている。概説すると、ACのマグネトロンとは、ターゲットを二個並べて配置し、一方のターゲットがカソードの時は、他方がアノードとなり、数十kHz の周波数でカソードとアノードが入れ替わるマグネトロン装置であり、種々の制御を行うことにより、安定かつ高速に酸化物膜や窒化物膜等を成膜することができる。
ACマグネトロン20,30と基板18との間には、それぞれ開閉可能なシャッター28,38が設けられている。図1では両方のシャッター28,38が開放された状態が示されているが、成膜に使用する一方のスパッタ源のシャッター28又は38のみを選択的に開け、成膜に使用しない他方のスパッタ源のシャッター38又は28を閉じておくことにより、ターゲットの劣化を防止できる。反応性スパッタプロセスにより所望の膜厚が得られた時点でシャッター28又は38を閉じることによって、成膜反応を確実に停止させることができる。
また、スパッタ装置10は、成膜中に膜厚を測定する手段(膜厚モニタリングシステム)として、光源40、光ファイバー42、投光部44、受光部46、受光処理部48及びパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という。)50を備えている 光源40には、可変波長レーザが好適に用いられる。光源40から出射された光は、光ファイバー42を介して投光部44に導かれる。投光部44は、基板ホルダー14の内側(ドラム17の内側)に設置され、投光部44から回転中の基板18に向けて光が照射される。
チャンバー12の外側には、受光部46が設置されており、チャンバー12の外壁には受光部46に光を導く窓部(不図示)が設けられている。基板18を透過した光は、受光部46で受光され、受光量に応じた電気信号に変換された後、受光処理部48に送られる。受光処理部48は、受入した信号に対して所定の信号処理を行い、受光量に応じた透過光量という電気信号に変換する。受光処理部48で処理された透過光量は、パソコン50に送られる。
パソコン50は、中央演算処理装置(CPU)を備え、演算処理装置として機能し、透過光量に基づいて膜付き基板の透過光量データを取得する。透過光量の測定は下記のとおり行われる。図2は、透過光量を測定する様子を示した模式図である。図2(a)〜(c)において基板18が取り付けられているドラム17は、図の反時計回りに回転しており、投光部44から照射された単色レーザ光44Aは、基板18を通過して受光部46に受光される。また、単色レーザ光44Aの波長は、特に限定されないが、ガラスの吸収性の点で、350〜2000nmであることが好ましい。
図2(a)〜(c)に示したように、成膜中の膜厚をモニタリングする場合、ドラム17の回転に伴い、基板18の成膜面18Aに対する単色レーザ光44Aの入射角度が時々刻々と変化する。このため成膜時(ドラム回転時)に基板を通過して測定される受光量は、入射角度に応じて時々刻々変化し得る。ドラム17の回転中に受光部46から連続して得られた受光量は透過光量という電気信号に変換される。つまり、ドラム17の回転中に受光部46から連続して受光量を得れば、基板(膜付き基板)18の位置に応じた入射角度における透過光量が得られる。
図2(b)は、入射角度0°の時の図であり、このとき、単色レーザ光44Aは基板18の中心を通過する。図2(b)の成膜面への光の入射角度を0°基準として、図2(a)は負の入射角度の状態であり、図2(c)は正の入射角度の状態を表すものとする。
上記のような方法で得られた透過光量のスペクトルの一例が、図3に記載されている。図3は成膜面への光の入射角度を横軸とし、該角度における透過光量を縦軸としたものである。この図3において、0.63V程度の透過光量が得られた領域はレーザ光が基板を通過した時のものである。
次に、各入射角度における透過光量から、膜付き基板のある部分における透過光量データを取得する。膜付き基板のある部分とは、膜付き基板の成膜がされている範囲の中の1点であれば特に限定されないが、膜厚制御の点から、膜付き基板の中央の点であることが好ましい。その他、制御に有用な透過光量データを取得するために、他の処理(ノイズ低減のための移動平均処理や膜付き基板の1点のデータを取得するためのソフト処理等)を透過光量に施してもよい。
また、図1に示したパソコン50は、各スパッタ電源(26,36)を制御する制御装置としても機能する。また、パソコン50によって光源40の発光制御(光量制御を含む)や、基板ホルダー14の回転制御、チャンバー12の圧力制御、導入ガスの供給制御及びシャッター52,54の開閉制御等を行うことができる。ドラム17に取り付けられた各基板18について、ドラム回転毎に膜付き基板のある部分の透過光量データを計算し、計算されたドラム回転毎の膜付き基板の透過光量データに基づき、成膜量に影響するパラメータであるスパッタ電力制御、基板ホルダーの回転速度、成膜時間、シャッター開閉度、スパッタ制御を制御しつつ、透過光量データが所望の値になったところで成膜を中止する。パソコン50には各制御に必要なプログラムや各種データが組み込まれている。
本実施形態の膜厚モニタリングシステムにおいて、例えば光源40には、アジレント・テクノロジー社製のライトウェーブ・メジャメント・システム8164Bに内蔵された波長可変レーザモジュール8168Bを用いることができる。受光部46には、アジレント・テクノロジー社製のオプティカル・ヘッド81624 Bを用い、基板18には、OHARA社製のガラス基板WMS02やWMS13もしくはWMS15を好適に用いることができる。なお、上記のライトウェーブ・メジャメント・システム8164Bは、受光部からの電気信号を受け取り、データ処理する機能を備えている。
膜厚モニタリングの際に、基板18での光干渉による透過光量のノイズを消失させるために、本実施形態の基板18には、図4に示したように、成膜面18Aの反対側の面(「基板裏面」という。)18Bを所定角度θで傾斜させた形状、例えば、θ=1°の傾斜をさせた形状となるように研磨加工したものを用いる。なお、図4において右図は基板18を回転方向から見た図であり、左図は基板18を回転軸16方向から見た図である。所定角度(ここでは、研磨角度)θは、必ずしも1°である必要はなく、0°より大きければ充分である。
ただし、投光部44と基板18との距離や投光部光軸調整部材(後述)で調整可能な煽り角度などの光学系の配置や性能、更には基板18の大きさや厚さtなどを考慮すると、所定角度θは、0°よりも大きく2°以下(つまり、0°<θ≦2°)であることが好ましく、0.3°≦θ≦2°、0.5°≦θ≦2°であることが特に好ましい。なお、前記所定角度θが2°を超えると、基板18の加工時間が長くなるため、生産性の点で問題がある。
基板18の厚さtについては特に限定されず、標準的な値としてはt=6mm程度である。本例では円形の基板18を例示するが、本発明の実施に際して基板18の平面形状は特に限定されず、多角形、楕円形など多様な形状があり得る。
基板18を上記構成とすることで、投光部44からのコヒーレント長の長い光を照射した場合であっても、基板18での光干渉がほとんど発生せず、基板自体の光干渉に起因する透過光量のノイズを大幅に低減することができる。また、この構成により、従来必要とされていた高性能な低反射膜の形成が不要となり、高精度の膜厚制御を実現できる。
ここで基板ホルダー14の構造について説明する。
図5はドラム17に取り付けられた基板ホルダー14の斜視図である。同図に示すように、矩形の基板ホルダー14は、円筒形状のドラム17の外周面に取り付けられており、回転自在に設置されたドラム17と一体的に回転する。なお、ドラム17の形状は円筒形状に限らず、多角筒形状(横断面が多角形状)等であってもよい。
基板ホルダー14の縦方向略中央部には、膜厚測定のための光通過用開口(以下「測定用穴」という。)14Aが形成されており、この測定用穴14Aを通して基板18(図5中不図示)に光が照射される。
図6は基板ホルダー14を構成しているベースプレート60の正面図、図7は図6に示したベースプレート60の点線部分に取り付けられる基板保持ユニット62の正面図、図8は図7の基板保持ユニット62を矢印A方向から見た図、図9は図7の矢印B方向から見た図である。
図6に示したように、ベースプレート60は測定用穴14Aを有しており、該ベースプレート60は、図5で説明したようにドラム17の外周面に固定される。図6の符号61は固定用のボルト(不図示)を通すためのボルト通し穴である。図6の点線で示した部分には、図7乃至図9に示す基板保持ユニット62が取り付けられる。
図7に示したように基板保持ユニット62は、保持枠プレート64と押えプレート65とで基板18を挟持する構造から成る。押えプレート65の開口部65Aは、基板18の直径よりも小さい径となっており、この開口部65Aから露出する基板面に薄膜が形成される。
図7において、符号66は押えプレート65を保持枠プレート64に固定するためのボルト、符号67は保持枠プレート64をベースプレートに固定するためのボルトである。
保持枠プレート64は、図7の左右方向に取付け位置を微調整できるように、ボルト67の通し穴68が左右方向に長い長穴形状に形成されている。また、保持枠プレート64の上辺及び下辺に沿ってガイド部材69が設けられており、ガイド部材69に沿って保持枠プレート64をスライドさせることが可能となっている。
図9に示したように、保持枠プレート64は、基板18の裏面傾斜角(図4で説明した所定角度θ)に合わせて基板18を安定的に支持する基板支持面64Aを有しており(図9参照)、押えプレート65と共に基板18の成膜面18Aを略鉛直方向と平行な状態で保持する。
なお、基板支持面64Aの斜面角度が異なる別の保持枠プレートに取り替えることによって、基板18の姿勢を(成膜面18Aの角度)を調整することができる。勿論、基板18の姿勢を自在に微調整可能な機構を設けてもよい。
上記構成とすることで、ドラム17の各面に設置された各基板ホルダー14毎に角度を調整することが可能となる。
膜厚モニタリングにおける透過光量のノイズ低減もしくは消失以外の特性を阻害しないよう、基板18は、所定角度θの傾斜面を有する形状の最も厚い部分、あるいは薄い部分が基板ホルダー14の上下方向になるよう基板ホルダー14に固定する。図9では最も厚い部分が基板ホルダーの下方向になるように固定されている。
基板ホルダー内の基板18の位置は、基板ホルダー14の中心付近に限らなくともよく、また、複数枚の基板を固定できるようにしてもよい。例えば、各基板ホルダー14には、厚さ(最も厚い部分)6mm、直径φ10cmの円形基板を9枚ずつ縦方向に並べて取り付けることも可能である。
次に、投光部の光軸調整機構について説明する。
図10は、図1で説明した投光部44を支持する光軸調整部材の側面図であり、図11は平面図、図12は図10の矢印C方向から見た図である。
これらの図面に示したように、光軸調整部材70は、投光部44を所定の煽り角度ψで保持するための傾斜面を有するテーパー台71及び固定部材72を含んで構成される。符号74は支持プレート、符号75は固定用ボルトの通し穴である。当該光軸調整部材70は不図示の固定台に固定用ボルトを用いて取り付けられる。
テーパー台71と固定部材72には、それぞれ対向する面に投光部44を挟むための溝71A、72Aが形成されており、この溝間(図11及び図12の符号77で示した投光部保持穴)に投光部44(図10〜図12において不図示)を挟持して不図示のボルトで固定する。図12中、符号78はテーパー台71を支持プレートに固定するためのボルト(不図示)が挿入される穴(支持プレート74側は雌ねじ)、符号79は固定部材72をテーパー台71に固定するためのボルト(不図示)が挿入される穴(テーパー台71側は雌ねじ)である。
煽り角度ψを変更する場合には、別の角度の傾斜面を有するテーパー台に取り替える。勿論、光軸の方向を自在に微調整可能な機構であってもよい。
かかる光軸調整部材70を用い、投光部44から出射した光が成膜面18Aで当該成膜面18Aと垂直となるように、煽り角度ψを調整することにより、光軸を調整する。或いは、この光軸調整部材70による光軸調整に代えて、又はこれと併用して、図7で説明した基板ホルダー光軸調整部材の角度と位置を微調整する。
投光部の光軸調整部材70には、煽り方向だけでなく、カルーセル回転方向にも角度を調整可能な機能を持たせてもよい。また、投光部44から出射した光は必ずしも成膜面18Aにおいて成膜面18Aと垂直である必要はなく、ある任意の角度をつけてもよい。本発明によって用いられる低屈折率膜としてはSiO2 が例示され、高屈折率膜としてはNb25 、TiO2 、Ta2 5 等が例示される。
次に、上記の如く構成されたスパッタ装置10及び膜厚モニタリングシステム(制御装置)を用いてバンドパスフィルターを作製する方法を説明する。ここでは、低屈折率膜としてSiO2 、高屈折率膜としてNb25 をそれぞれ反応性スパッタにより成膜し、バンドパスフィルターを形成する例を説明する。
作製するバンドパスフィルターの膜構成は例えば、下記に示した26層膜とする。
ガラス基板/(H/L)×6/H×2/(L/H)×6/L …(1)
上記(1)で示した膜構成におけるH及びLはそれぞれ高屈折率膜、低屈折率膜について光学膜厚がλ/4の膜であることを意味するものとする(ただし、λ=1550nmとする。)このとき、Hの物理膜厚は174.5nm、Lの物理膜厚は264.5nmである。
図4乃至図9で説明したように、基板18を最も厚い部分が下、最も薄い部分が上として基板ホルダー14にセットし、図10乃至図12の光軸調整部材70によって膜厚モニタリングシステムの光軸を調整し、次いで、チャンバー12をロータリーポンプで5Pa まで粗引きした後、クライオポンプで1 ×10-3Pa まで排気する。
次に、アルゴンガス100sccm、酸素ガスを30sccm、マスフローコントローラを通してチャンバー内に導入する。このときのガス圧は0.4Pa である。
Nb25 膜を形成するために、Nb ターゲットが取り付けられているACマグネトロン30に交流20kWの電力をそれぞれ供給し、ターゲットと基板間に配置されたシャッター38を閉めて5分間の予備放電を行った後、シャッター38を開けて成膜を開始する。
成膜時の透過光量の測定は、膜厚モニタリングシステムにより、以下の方法でなされる。光源40から1550nmの単色レーザ光が出射され、この光は回転するドラム17に取り付けられた基板18を通過して受光部46に入射する。受光部46に入射したレーザ光の受光量は透過光量という電気信号に変換された後、パソコン50に透過光量データとして取り込まれる。
図2で既に説明したとおり、ドラム17に取り付けられた各基板18について、上記の透過光量を取得し、基板18の中心におけるドラム回転毎のこの透過光量に基づき膜付き基板の透過光量データを計算する。計算されたドラム回転毎の膜付き基板の透過光量データに基づき、透過光量データが所望の値になったところで成膜を停止する。
次に、SiO2 膜を形成するために、Siターゲットが取り付けられているACマグネトロン20に交流20kWの電力をそれぞれ供給し、5分間の予備放電を行い、その後シャッター28を開けて成膜を開始する。
成膜時の透過光量の測定と膜付き基板の透過光量データの計算は、上述したNb25 膜の成膜時における測定方法と同様である。こうして、膜付き基板18の透過光量データが所望の値になったところで成膜を停止する。
上述の高屈折率材料(Nb25 )の成膜工程と低屈折率材料(SiO2 )の成膜工程とを交互に繰り返すことにより、目的の光学多層膜を形成する。
前出の図3は、バンドパスフィルターの1層目を成膜時(カルーセル回転数:100回転目)に上述の方法及び装置で取得した透過光量(電圧値)の例である。図3において横軸は成膜面への光の入射角度を示し、縦軸は受光部46から得られる透過光量を示す。
図示の透過光量について、ノイズと光量の比は0.01以下と小さく、基板中心の透過光量を正確に測定できる。なお、「ノイズ」とは、後述する図14を用いて説明すると、成膜面へ光が入っている状態(図14における入射角度−5°〜5°の範囲)における、上下に振幅するグラフの最大値と最小値との差であり、「光量」は、図14において成膜面へ光が入っている状態における、透過光量の平均値(図14においては、約0.61)を意味する。
本発明を適用して膜厚制御を行う場合、図3のように、透過光量のノイズが非常に少ない。したがって、このような低ノイズの透過光量データに基づいて算出される透過率の成膜経過は、図13に示すように、理論値とよく一致した透過率変化を示す。図13は、1層目のNb25 膜を作るときの基板18の中心におけるドラム回転毎の透過率変化の理論値と実際の測定結果を示したグラフである。なお、図13の縦軸が規格化されているのは、後述する図17との比較を容易にするためであり、図13の透過率とは透過光量データよりガラス基板の透過率で規格化したものである。
本発明による実施形態によれば、図13のとおり、他特性を阻害せずに、基板での光干渉がない状態で透過光量をより正確に測定できるため、高性能な低反射膜を要せずとも、容易にかつ高精度に膜厚制御することが可能である。
〔比較例〕
比較のために、基板裏面に低反射膜を形成する従来の方法を適用してカルーセル型のスパッタ装置により光学多層膜を形成した場合の例を示す。
この従来の方法に用いるガラス基板の厚さは一定(基板裏面の所定角度0°)であり、その裏面に例えば下記(2)に示した膜厚構成の低反射膜を施す。なお、基板の両面にこの低反射膜をコーティングした場合、波長1550nm付近において約0.2%の低反射性能を有するものとする。
SiO2 (膜厚275nm )/Nb25 (膜厚141nm )/SiO2 (膜厚78nm)
/Nb25 (膜厚73nm)/ガラス基板 …(2)
裏面に上記の低反射膜がコーティングされた基板を基板ホルダーにセットする。このとき、図5乃至図7で説明した基板保持ユニット62に代えて、平板状(厚さ一定)の基板を保持するのに適した構造の基板保持ユニットを用いる。
次に、基板の成膜面で投光部からの出射光が成膜面と垂直となるよう、投光部光軸調整部材の煽り角を調整する。或いは、この煽り角の調整に代えて、又はこれと併用して、基板ホルダー光軸調整部材の角度と位置を微調整する。
チャンバーを真空引きした後、上述した実施形態の実施条件と同様の条件で成膜を開始し、膜厚のモニタリングを行いながら、高屈折率材料(Nb25 )の成膜工程と低屈折率材料(SiO2 )の成膜工程とを交互に繰り返すことにより、目的の光学多層膜を形成する。
作成したバンドパスフィルター1層目の成膜時に取得した透過光量を図14乃至図16に示す。
図14乃至図16は、1層目のNb25 膜作成時におけるカルーセル回転数がそれぞれ10回転目(図14)、100回転目(図15)、150回転目(図15)の透過光量である。これらの図面に示すように、従来の手法では、ノイズと光量の比が0.03以上と大きかった。ノイズ/光量比は0.02以下が反射率を良好とする点で好ましい。
また、基板裏面に形成した低反射膜では、基板裏面での光の反射を完全に防止することはできないため、基板での光干渉に起因してドラムの回転に伴い波状に変動する透過光量が得られる。この波状の透過光量は成膜の進行に伴い図14乃至図16に示したように変化するため、この透過光量に基づいて算出される基板中心(入射角度0°)での透過率の成膜経過(バンドパスフィルター1層目)は、図17に示したように、うねり状の透過率変化を示す。
このうねり状の透過率変化により、本来成膜停止すべき所望の膜厚において、透過率は極値とならず、あるいは、極値が複数存在するため本来成膜停止すべき極値を判別することが極めて困難である。
なお、このうねり状の透過率変化は、基板裏面に0.003%以下の極めて高性能な低反射膜を施すことにより、ほぼ消失せしめることができることが分かるが、このような高性能な低反射膜を再現性よく得ることは極めて難しい。
したがって、従来の手法を適用して膜厚制御を行う場合、本来成膜停止すべき所望の透過率で成膜を停止し、高精度に膜厚制御することは極めて困難である。
〔基板裏面の研磨角度についての他の実施形態〕
上述した実施形態では、基板裏面の所定角度θ=1°の場合を例示したが、本発明の実施上、所定角度θは基板での光干渉を防止する観点から適宜設計される。図18は、所定角度が0.5°の基板を用いた場合について、バンドパスフィルターの1層目を成膜時(カルーセル回転数:10回転目)に取得した透過光量(電圧値)の一例である。基板裏面の傾斜角度以外の他の成膜条件は、図12の場合と同様である。
図18に示されているとおり、所定角度(成膜面に対する裏面の傾斜角度)が0.5°の基板を用いた場合も、図3(所定角度=1°)と同様に、ノイズと光量の比は0.01以下と小さく、基板中心の透過率をより正確に測定できる。
本発明の実施形態に係る膜厚制御装置を適用した光学多層膜成膜用のスパッタ装置の構成を示す一態様の平面模式図 透過光量を測定する様子を示した一態様の模式図 本実施形態においてバンドパスフィルターの1層目を成膜時(カルーセル回転数:100回転目)に取得した透過光量(電圧値)の例を示す図 基板の形状を示した一態様の模式図 図1のスパッタ装置で使用される基板ホルダーの一態様の斜視図 基板ホルダーのベースプレートの一態様の正面図 ベースプレートに取り付けられる基板保持ユニットの一態様の正面図 図7の基板保持ユニットを矢印A方向から見た図 図7の基板保持ユニットを矢印B方向から見た図 投光部を支持する光軸調整部材の一態様の側面図 図10に示した光軸調整部材の平面図 図10の光軸調整部材を矢印C方向から見た図 本発明の実施形態によって得られるバンドパスフィルター1層目の透過率の変化及び理論成膜経過の一例を示すグラフ 従来の方法によって作成したバンドパスフィルター1層目の成膜時(カルーセル回転数:10回転目)に取得した透過光量を示す参考図 従来の方法によって作成したバンドパスフィルター1層目の成膜時(カルーセル回転数:100回転目)に取得した透過光量を示す参考図 従来の方法によって作成したバンドパスフィルター1層目の成膜時(カルーセル回転数:150回転目)に取得した透過光量を示す参考図 従来の方法によって得られるバンドパスフィルター1層目の透過率の変化を示すグラフ 裏面の研磨角度が0.5°の基板を用いてバンドパスフィルターの1層目を成膜時(カルーセル回転数:10回転目)に取得した透過光量の例を示す図
符号の説明
10…スパッタ装置、12…チャンバー、14…基板ホルダー、14A…測定用穴、16…中心軸、17…ドラム、18…基板、18A…成膜面、18B…基板裏面、20…ACマグネトロン、22,23…マグネトロン部、26…交流電源、28…シャッター、30…ACマグネトロン、32,33…マグネトロン部、36…交流電源、38…シャッター、40…光源、42…光ファイバー、44…投光部、46…受光部、48…受光処理部、50…パソコン、52,53,54,55…シャッター、60…ベースプレート、61…ボルト、62…基板保持ユニット、64…保持枠プレート、64A…基板支持面、65…押えプレート、66,67…ボルト、68…通し穴、69…ガイド部材、70…光軸調整部材、71…テーパー台、71A…溝、72…固定部材、72A…溝、74…支持プレート、75…通し穴、78,79…ボルト挿入穴

Claims (9)

  1. 基板上に形成される膜の膜厚を制御する膜厚制御方法であって、
    基板の成膜面と反対の基板裏面を前記成膜面に対して所定角度で傾斜させた形状を有する基板をスパッタ装置の基板ホルダーに固定し、当該スパッタ装置によって成膜を行うとともに、
    前記基板ホルダー上の基板に向けて投光部から光を照射し、
    照射した光を基板を挟んで投光部の反対側に位置する受光部によって受光して受光量に応じた透過光量を測定し、前記透過光量に基づいて膜付き基板の透過光量データを取得し、
    その測定結果に基づいて成膜量に影響するパラメータを制御することにより所望の膜厚を得ることを特徴とする膜厚制御方法。
  2. 前記所定角度は、0°よりも大きく2°以下であることを特徴とする請求項1記載の膜厚制御方法。
  3. 前記基板は、前記所定角度の傾斜面を有する形状の最も厚い部分または最も薄い部分が基板ホルダーの上下方向になるように前記基板ホルダーに固定されることを特徴とする請求項1または2記載の膜厚制御方法。
  4. 前記投光部から照射した光の光軸が、前記基板の成膜面膜厚の制御中におけるいずれか1点で、当該成膜面と垂直になるように調整されることを特徴とする請求項1、2または3記載の膜厚制御方法。
  5. 前記スパッタ装置は、
    チャンバーと、
    該チャンバー内に回転自在に設置され、横断面が多角形状または円形状のドラムと、
    前記ドラムの外周面上に取り付けられた前記基板ホルダーと、
    前記チャンバー壁の内側に配置されたマグネトロンスパッタ源と、
    から構成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の膜厚制御方法。
  6. 基板上に形成される膜の膜厚を制御する膜厚制御装置であって、
    基板の成膜面と反対の基板裏面を前記成膜面に対して所定角度で傾斜させた形状を有する基板をスパッタ装置の基板保持部に固定するための基板保持機構と、
    前記基板保持機構に保持された基板に向けて光を照射する投光手段と、
    前記基板を通過した光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する受光手段と、
    前記受光手段から出力される電気信号から受光量に応じた透過光量を測定し、前記透過光量に基づいて膜付き基板の透過光量データを取得する演算処理手段と、
    前記演算処理手段で得た前記透過光量データに基づいて成膜量に影響するパラメータを制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする膜厚制御装置。
  7. 前記基板保持機構は、前記所定角度の傾斜面を有する形状の前記基板の最も厚い部分または最も薄い部分が上下方向になるように、当該基板を固定することを特徴とする請求項6記載の膜厚制御装置。
  8. 前記投光手段から照射した光が前記基板の成膜面で当該成膜面と垂直になるように光軸を調整する光軸調整機構を備えていることを特徴とする請求項6または7記載の膜厚制御装置。
  9. 屈折率の異なる2種類の薄膜を基板上に交互に積層形成して成る光学多層膜を製造する製造方法であって、
    基板の成膜面と反対の基板裏面を前記成膜面に対して所定角度で傾斜させた形状を有する基板を用いるとともに、
    相対的に低屈折率の薄膜を形成するためのターゲットが取り付けられた低屈折率膜形成用のマグネトロンスパッタ源と、相対的に高屈折率の薄膜を形成するためのターゲットが取り付けられた高屈折率膜形成用のマグネトロンスパッタ源とが併設されたスパッタ装置を用い、
    当該スパッタ装置の基板ホルダーに前記基板を固定して成膜を行い、
    成膜中に前記基板ホルダー上の基板に向けて投光部から光を照射し、
    照射した光を受光部によって受光して受光量に応じた透過光量を測定し、前記透過光量に基づいて膜付き基板の透過光量データを取得し、
    その測定結果に基づいて成膜量に影響するパラメータを制御することにより、所望の膜厚の薄膜を形成することを特徴とする光学多層膜の製造方法。
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