JP2006007678A - 液体吐出装置の維持回復装置及び画像形成装置 - Google Patents

液体吐出装置の維持回復装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006007678A
JP2006007678A JP2004190618A JP2004190618A JP2006007678A JP 2006007678 A JP2006007678 A JP 2006007678A JP 2004190618 A JP2004190618 A JP 2004190618A JP 2004190618 A JP2004190618 A JP 2004190618A JP 2006007678 A JP2006007678 A JP 2006007678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
cap
maintenance
nozzle
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004190618A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamune Kusunoki
雅統 楠
Toshitaka Osanai
敏隆 小山内
Noboru Hiramatsu
登 平松
Michiro Yamamoto
道郎 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004190618A priority Critical patent/JP2006007678A/ja
Priority to EP05755235A priority patent/EP1761389B1/en
Priority to DE602005020288T priority patent/DE602005020288D1/de
Priority to PCT/JP2005/012273 priority patent/WO2006001535A1/en
Priority to US10/566,864 priority patent/US7494205B2/en
Priority to CNA2005800007156A priority patent/CN1826227A/zh
Priority to KR1020067004233A priority patent/KR20060095941A/ko
Publication of JP2006007678A publication Critical patent/JP2006007678A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
    • B41J2/16505Caps, spittoons or covers for cleaning or preventing drying out
    • B41J2/16508Caps, spittoons or covers for cleaning or preventing drying out connected with the printer frame
    • B41J2/16511Constructions for cap positioning
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17503Ink cartridges
    • B41J2/17506Refilling of the cartridge
    • B41J2/17509Whilst mounted in the printer
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/18Ink recirculation systems
    • B41J2/185Ink-collectors; Ink-catchers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J29/00Details of, or accessories for, typewriters or selective printing mechanisms not otherwise provided for
    • B41J29/38Drives, motors, controls or automatic cut-off devices for the entire printing mechanism

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 キャップ部材の凹部形成部材の内壁面に撥水性を持たせるときに、当接部材と凹部形成部材とを一体成形した後に内壁面に撥水剤を塗布することは難しく、耐久性も十分でない。
【解決手段】 キャップ92aは、ヘッドのノズル面に当接する弾性部材からなる当接部材192と、当接部材192を保持し、ノズルから吐出又は吸引されたインクを受ける凹部191を形成する凹部形成部材193とを有し、当接部材192と凹部形成部材193とを一体成形で形成し、凹部形成部材193は撥水剤を含有する樹脂部材で形成して、凹部191の底面には、チューブ119が接続される排出口194に向かって傾斜する2つの第1傾斜面191a及び第2傾斜面191bを形成し、第1傾斜面191aの水平面に対する傾斜角θと、第1傾斜面191aを形成する部材とインクとの接触角の和が70°以上になるようにした。
【選択図】 図9

Description

本発明は液体吐出装置の維持回復装置及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機、プロッタ等の各種画像形成装置として、記録液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを用いた記録ヘッドを含む液体吐出装置を備えるものがある。
このような画像形成装置においては、記録液を吐出する記録ヘッドの性能を維持、回復する装置が不可欠である。このヘッドの性能維持回復を行なうための維持回復装置は、一般に、記録液であるインクの自然蒸発によるノズル付近の記録液の増粘固着を防止するためにノズル面を高い密閉性を保って覆うための保湿用キャップ、ノズルから増粘した記録液を吸引して排出するための吸引用キャップ(保湿用キャップと兼用されることもある。)、ノズル面に付着した記録液を拭き取って除去するためのワイパーブレード、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出を行なうための空吐出受けなどで構成される。
このような維持回復装置におけるキャップ部材としては、一般に、ヘッドのノズル面に当接する弾性部材からなる当接部材と、ノズル面のノズルから吸引される記録液を受けるための凹部を形成した凹部形成部材とを有するものが使用されている。
そして、従来、キャップ部材としては、特許文献1に開示されているように、インク排出口に向かって緩やかな勾配で傾斜する第1の傾斜面と、第1の傾斜面からインク排出口に向かって急峻な勾配で傾斜する第2の傾斜面を有することで、インク排出口近傍に残留するインクをなくするようにしたものがある。
特許第3106783号公報
また、特許文献2に開示されているように、インク排出口に向かって連続的に縮小するテーパ状の空間部を形成し、更にインク吸引口から負圧発生手段に連結する管路にインク保持手段を施すことで、空間部のインクを排出し、管路のインクで保湿性を保つようにしたものもある
特開2001−71514号公報
さらに、キャップ内面へのインクの付着を低減することでインク吸引を容易にしようとするものとして、例えば、特許文献3に開示されているように、キャップ内面に撥水剤を塗布して撥水性を高めるようにしたものがある。
特開平6−238915号公報
また、特許文献4に開示されているように、ノズル面を覆う弾性シール部材と、密閉部を形成する剛体部材とで構成することにより気密性を向上させ、これらの部材をインクに対する接触角が90度以上の撥水性のある部材から形成したものもある。
特開2003−1839号公報
ところが、画像形成装置としてのインクジェット記録装置で使用されるインクの着色剤としては、その発色性の良さや信頼性の高さ等の点から、当初は染料インクが主流であったが、近年に至り、記録画像に耐光性や耐水性を持たせるためにカーボンブラック等の顔料を用いた顔料インクを使用する傾向にある。また、インク処方の自由度を高くする目的と、普通紙に着弾した後のにじみを防止する目的でインク粘度を高くする傾向がある。
このような高粘度の顔料インクは、温度によってインク粘度が大きく変化し、例えば、22℃環境で粘度8cpのインクは、処方により若干の違いはあるといっても、10℃では15cpを越える粘度、32℃では約5cpの粘度になる。本発明者らの実験によると、このような流動性の低い高粘度インクをキャップ部材に吸引した場合、従来のキャップ部材ではインクを安定して排出することが困難であることが解明された。
つまり、特許文献1に記載のキャップ部材にあっては、インク排出口に向かって緩やかな勾配で傾斜する第1の傾斜面と、第1の傾斜面からインク排出口に向かって急峻な勾配で傾斜する第2の傾斜面を有することによって、インクの残留は低減するが、顔料インク、特に5cp以上の高粘度インクの場合にはインクの排出が十分でないことが確認された。特許文献2に記載のキャップ部材にあっても、顔料インク、特に5cp以上の高粘度インクの場合にはインクの排出が十分でないことが確認された。
また、特許文献3に記載のキャップ部材にあっては、キャップ内面の撥水性を高めることによりインクの吸引を容易にするが、顔料を含有するインク、特に、25℃における粘度が5cp以上で、表面張力が40mN/m以下のインクを用いた場合には、撥水処理してもインクの濡れ性が極めて高いために、インクの排出が十分でないことが確認された。しかも、ノズル面に当接する当接部材とこの当接部材を設けた凹部形成部材とを一体成形してキャップ部材を形成する場合、当接部材が装着された凹部形成部材の凹部内面に特許文献3に記載されているように撥水剤を一様に塗布することは容易でないという課題がある。
さらに、特許文献4に記載のキャップ部材にあっては、ノズル面を覆う弾性シール部材と、密閉部を形成する剛体部材がインクに対する接触角が90度以上の撥水性のある部材からなるが、顔料を含有するインク、特に粘度が5cp以上、表面張力が40mN/m以下のインクを用いた場合、インクに対する接触角が90度以上になるような撥水処理が困難であるために適用できないことが確認された。
本発明は上記の課題に基づいてなされたものであり、特に簡単な構成でキャップ部材の撥水性を高めることで高粘度記録液の排出性を向上した液滴吐出装置の維持回復装置及びこの維持回復装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置は、キャップ部材は、ノズル面に当接する弾性を有する当接部材と、ノズル面のノズルから吸引される記録液を受けるための凹部を形成した凹部形成部材とを有し、これらの当接部材と凹部形成部材が一体成形された部材であって、凹部形成部材は撥水剤を含有する樹脂部材で形成され、凹部の底面に設けられた排出口に向かって傾斜する少なくとも2つの傾斜面を有する構成とした。
ここで、凹部形成部材を形成する樹脂部材中の撥水剤の含有率が10重量%を越えないことが好ましい。また、凹部形成部材の凹部の内壁部に角部は曲面に形成されていることが好ましい。
また、凹部形成部材の傾斜面の水平面に対する角度と、この傾斜面と記録液との接触角の和が70°以上であることが好ましい。この場合、傾斜面の角度と記録液との接触角の和が90°以上であることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置は、記録ヘッドの性能を維持回復するための本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置を備えている構成としたものである。ここで、記録液は、水と顔料とポリマー成分と水溶性有機溶剤を含み、前記顔料を記録液中に6重量%以上含有し、25℃における記録液粘度が5cp以上20cp以下、表面張力が40mN/m以下であることが好ましい。
本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置によれば、キャップ部材は、ノズル面に当接する弾性を有する当接部材と、撥水剤を含有する樹脂部材で形成され、ノズル面のノズルから吸引される記録液を受けるための凹部を形成した凹部形成部材とを一体成形で形成して、凹部の底面に設けられた排出口に向かって傾斜する少なくとも2つの傾斜面を有する構成としたので、簡単な構成でキャップ内面の撥水性を高めることができ、キャップ部材内に吸引された記録液が傾斜面を伝って排出口に導かれやすくなり、粘度が5cp以上で表面張力が40mN/m以下の記録液を用いた場合でもキャップ部材内での記録液の残留を低減することができる。
本発明に画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置を備えたので、粘度が5cp以上で表面張力が40mN/m以下の記録液を用いた高画質記録を行う場合でもキャップ部材内での記録液の残留を低減することができ、ノズル抜けなどの画像欠損を生じない。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置を含む本発明に係る画像形成装置の一例について図1を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。
この画像形成装置は、装置本体1と、装置本体1に装着した用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備え、さらに、装置本体1の前面4の一端部側には、前面4から前方側に突き出し、上面5よりも低くなったカートリッジ装填部6を有し、このカートリッジ装填部6の上面に操作キーや表示器などの操作部7を配置している。カートリッジ装填部6には、液体補充手段としての液体保管用タンクであるメインタンク(以下、「インクカートリッジ」という。)10が交換可能に装着され、また、開閉可能な前カバー8を有している。
次に、この画像形成装置の機構部について図2及び図3をも参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。
フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ23を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、記録液の液滴(インク滴)を吐出するための液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなる複数の記録ヘッド34を複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
ここで、記録ヘッド34は、例えば、イエロー(Y)の液滴を吐出する記録ヘッド34y、マゼンタ(M)の液滴を吐出する記録ヘッド34m、シアン(C)の液滴を吐出する記録ヘッド34c、ブラック(Bk)の液滴を吐出する記録ヘッド34bとで構成している。なお、「記録ヘッド34」というときは色を区別しないものとする。なお、ヘッド構成は、これらの例に限るものではなく、1又は複数の色の液滴を吐出する1又は複数のノズル列を有する記録ヘッドを1又は複数用いて構成することもできる。
記録ヘッド34を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ33には、各記録ヘッド34にそれぞれ各色の記録液を供給するための各色のサブタンク35y、35m、35c、35k(色を区別しない場合は「サブタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク35には各色の記録液供給チューブ37を介して前述した各色のインクカートリッジ10(各色を区別する場合には、「インクカートリッジ10y、10m、10c、10k」という。)から記録液を供給するようにしている。
ここで、インクカートリッジ10は、図3にも示すように、カートリッジ装填部6に収納され、このカートリッジ装填部6にはインクカートリッジ10内の記録液を送液するための供給ポンプユニット23が設けられている。また、インクカートリッジ装填部6からサブタンク35に至るまでの記録液供給チューブ37は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに本体側ホルダ25にて固定保持されている。さらに、キャリッジ33上でも固定リブ26にて固定されている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(底板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側で搬送するための搬送部として、用紙42を静電吸着して搬送するための搬送ベルト51と、給紙部からガイド45を介して送られる用紙42を搬送ベルト51との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ52と、略鉛直上方に送られる用紙42を略90°方向転換させて搬送ベルト51上に倣わせるための搬送ガイド53と、押さえ部材54で搬送ベルト51側に付勢された先端加圧コロ55とを備えている。また、搬送ベルト51表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。
ここで、搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ57とテンションローラ58との間に掛け渡されて、図3のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド54による印写領域に対応してガイド部材61を配置している。このガイド部材61は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ57とテンションローラ58)の接線よりも記録ヘッド34側に突出している。これにより、搬送ベルト51は印写領域ではガイド部材61の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性を維持される。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪71と、排紙ローラ72及び排紙コロ73とを備え、排紙ローラ72の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ72と排紙コロ73との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体1の背面部には両面給紙ユニット81が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット81は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ52と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット81の上面には手差し給紙部82を設けている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置(以下「サブシステム」ともいう。)91を配置している。
このサブシステム91には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)92a〜92d(区別しないときは「キャップ92」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード93と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け94及びこの空吐出受け94に一体形成され、ワイパーブレード93に付着した記録液を除去するための清掃部材であるワイパークリーナ95と、ワイパーブレード93のクリーニング時にワイパーブレード93をワイパークリーナ95側に押し付けるクリーナ手段を構成するクリーナコロ96などを備えている。
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向の他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け98を配置し、この空吐出受け98には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口99などを備えている
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ52との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド53で案内されて先端加圧コロ55で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に静電的に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33はサブシステム91側に移動されて、キャップ部材92で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ部材92で記録ヘッド34をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
そこで、この画像形成装置における本発明に係る維持回復装置を含むサブシステム91の構成の概要について図4ないし図6を参照して説明する。なお、図4は同システムの要部平面説明図、図5は同システムの模式的概略構成図、図6は図4の右側面説明図である。
このサブシステム91のフレーム(維持装置フレーム)111には、キャップ保持機構である2つのキャップホルダ112A、112Bと、清浄化手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード93と、キャリッジロック115とがそれぞれ昇降可能(上下動可能)に保持されている。また、ワイパーブレード93とキャップホルダ112Aとの間には空吐出受け94が配置され、ワイパーブレード93のクリーニングを行なうために、フレーム111の外側からワイパーブレード93を空吐出受け94の清掃部材であるワイパークリーナ95側に押し付けるための清掃部材であるクリーナコロ96を含むクリーナ手段であるワイパークリーナ118が揺動可能に保持されている。
キャップホルダ112A、112B(区別しないときは「キャップホルダ112」という。)には、それぞれ、2つの記録ヘッド34のノズル面をそれぞれキャッピングする2つのキャップ92aと92b、キャップ92cと92dを保持している。
ここで、印字領域に最も近い側のキャップホルダ112Aに保持したキャップ92aには可撓性チューブ119を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)120を接続し、その他のキャップ92b、92c、92dはチュービングポンプ120を接続していない。すなわち、キャップ92aのみを吸引(回復)及び保湿用キャップ(以下単に「吸引用キャップ」という。)とし、その他のキャップ92b、92c、92dはいずれも単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッド34の回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド34を吸引用キャップ92aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、これらのキャップホルダ112A、112Bの下方にはフレーム111に回転自在に支持したカム軸121を配置し、このカム軸121には、キャップホルダ112A、112Bを昇降させるためのキャップカム122A、122Bと、ワイパーブレード93を昇降させるためのワイパーカム124、キャリッジロック115をキャリッジロックアーム117を介して昇降させるためのキャリッジロックカム125と、空吐出受け94内で空吐出される液滴がかかる空吐出着弾部材である回転体としてのコロ126と、ワイパークリーナ118を揺動させるためのクリーナカム128をそれぞれ設けている。
ここで、キャップ92はキャップカム122A、122Bにより昇降させられる。ワイパーブレード93はワイパーカム124により昇降させられ、下降時にワイパークリーナ118が進出して、このワイパークリーナ118のクリーナコロ96と空吐出受け94のワイパークリーナ95とに挟まれながら下降することで、ワイパーブレード93に付着したインクが空吐出受け94内に掻き落とされる。
キャリッジロック115は図示しない圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックカム125で駆動されるキャリッジロックアーム117を介して昇降させられる。
そして、チュービングポンプ120及びカム軸121を回転駆動するために、モータ131の回転をモータ軸131aに設けたモータギヤ132に、チュービングポンプ120のポンプ軸120aに設けたポンプギヤ133を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ133と一体の中間ギヤ134に中間ギヤ135を介して一方向クラッチ137付きの中間ギヤ136を噛み合わせ、この中間ギヤ136と同軸の中間ギヤ138に中間ギヤ139を介してカム軸121に固定したカムギヤ140を噛み合わせている。なお、クラッチ137付きの中間ギヤ136、138の回転軸である中間軸141はフレーム111にて回転可能に保持している。
また、カム軸121にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム142を設け、このサブシステム91に設けた図示しないホームポジションセンサにてキャップ92が最下端に来たときにホームポジションレバー(不図示)を作動させ、センサが開状態になってモータ131(ポンプ120以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ92(キャップホルダ112)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ92のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッド34がキャッピングされる。
次に、キャップ92の保持機構及び昇降機構(上下動機構)の詳細について図7及び図8を参照して説明する。なお、図7はキャップ保持昇降機構部の側面説明図、図8は同じく正面説明図である。
キャップ保持機構であるキャップホルダ112Aは、キャップ92a、キャップ92b(これらを併せて「キャップ92A」という。)を昇降可能に保持するホルダ151と、ホルダ151の底面とキャップ92Aの底部との間に介装されてキャップ92Aを上方に付勢するスプリング152と、ホルダ151を前後方向(記録ヘッド34のノズルの並び方向)に移動可能に保持するスライダ153とを有している。
キャップ92Aは両端部に設けたガイドピン150aをホルダ151の図示しないガイド溝に上下動可能に、底面に設けたガイド軸150bをホルダ151に上下動可能に挿通して、ホルダ151に対して上下動可能に装着している。キャップ92Aとキャップホルダ151との間に介装したスプリング152、152はキャップ92a、92bを上方向(キャッピング時にノズル面側に押圧する方向)に付勢している。
スライダ153は、前後端に設けたガイドピン154、155をフレーム111に形成したガイド溝156に摺動可能に嵌め合わせることで、スライダ153及びホルダ151及びキャップ92A全体が上下動できる構成としている。
そして、スライダ153の下面に設けたカムピン157をキャップカム122Aの図示しないカム溝に嵌め合わせて、モータ131の回転が伝達されるカム軸121の回転に同動するキャップカム122Aの回転によってスライダ153、ホルダ151及びキャップ92Aが上下動するようにしている。
さらに、吸引用キャップ92aにはスライダ153及びホルダ151を挿通して、キャップ92aの短手方向に対してキャップ中央位置の下方からチューブ119を這い回して接続している。
なお、キャップ92c、92d(これらを併せて「キャップ92B」という。)をほじするキャップホルダ112B及びこれを上下動させる構成も上記と同様であるので説明を省略する。ただし、キャップ92c、92dにはチューブ119は接続されない。
このように、1つの駆動源であるモータ131を駆動することによって1つの軸であるカム軸121が回転し、このカム軸121の回転によってカム軸121に固定したカム122A、122Bが回転して、キャップ92A及びキャップ92Bが上下動する構成としている。
ここで、吸引用キャップ92aは、図9に示すように、ヘッド34の液滴を吐出するノズル34nを形成したノズル面34aに当接する弾性部材からなる当接部材192と、この当接部材192を保持し、ノズルから吐出又は吸引されたインクを受ける凹部191を形成する凹部形成部材193とを有し、当接部材192と凹部形成部材193は一体成形で形成している。この当接部材192と凹部形成部材193の一体成形は、例えばリボルバータイプの射出成形機を用いて、まず、凹部形成部材193を射出成形した後、成型型内に凹部形成部材193を保持したまま回動させて、凹部形成部材193に当接部材192を射出成型して形成する。このように、当接部材192と凹部形成部材193は一体成形することにより、ノズル面34aにキャップ圧が十分伝わって密着性が高くなり、吸引を確実に行うことができる。
当接部材192は、例えば、ブチルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、EPDM、スチレン系エラストマーなどの弾性体で形成している。また、凹部形成部材193は、撥水剤、例えばフッ素系撥水剤を含有するHDPE、PP,PTFEなどの樹脂部材で形成している。
そして、凹部形成部材193の凹部191の底面には、チューブ119が接続される排出口194に向かって傾斜する2つの第1傾斜面191a及び第2傾斜面191bを形成している。この場合、第1傾斜面191aの水平面に対する傾斜角θを第2傾斜面191bの水平面に対する傾斜角よりも小さくしている。そして、第1傾斜面191aの水平面に対する傾斜角θと、第1傾斜面191aを形成する部材(すなわち、ここでは凹部形成部材193)とインクとの接触角の和が70°以上になるように、傾斜角θ及び凹部形成部材193の形成材料を選定している。
このように、キャップ部材92aの凹部形成部材193を、撥水剤を含有した樹脂部材で形成することにより、当接部材192と凹部形成部材193とを一体成形で形成した場合でも、凹部形成部材193の凹部表面である傾斜面191a、191bに簡単に撥水性を持たせることができる。つまり、当接部材192と凹部形成部材193とを一体成形してキャップ部材92aを成型した後、凹部形成部材193の傾斜面191a、191bを含む凹部表面に撥水剤を一様な厚さで塗布することが困難であり、製造工程が複雑になるとともに、耐久性の面でも長期使用による撥水層の磨耗が生じてなどの不都合がある。これに対して、凹部形成部材193そのものを撥水剤を含有する樹脂部材で形成することで、簡単な工程で撥水性を持たせることができるとともに、耐久性も向上する。
この場合、凹部形成部材193を形成する樹脂部材に含まれる撥水剤の含有率については、10重量%を越えないことが好ましい。成型実験によると、撥水剤の含有率が10重量%を越えると、成型時に金型からの離型性が高くなりすぎて、リボルバータイプの成形機によって製造する場合、凹部形成部材193を成型した状態で金型を回転させると、凹部形成部材193が自重で金型から落下するなどの現象が生じることが確認され、このようになると成型効率が悪くなる。これに対して、撥水剤の含有率を10重量%以下に抑えた場合には、上述したような金型からの落下という現象は確認されなかった。
また、上述したように、キャップ部材の底部には排出口に向かって傾斜する少なくとも2つの傾斜面を設け、この傾斜面の水平面に対する角度と、この傾斜面を形成する部材と記録液との接触角の和が70°以上である構成とすることによって、特に、水と顔料とポリマー成分と水溶性有機溶剤を含み、顔料を記録液中に6重量%以上含有し、25℃における記録液粘度が5cp以上20cp以下、25℃における表面張力が40mN/m以下である記録液を用いた場合でも、キャップ部材92a内に排出された記録液の残存量が低減する。
すなわち、記録液として、水と顔料とポリマー成分と水溶性有機溶剤を必須成分としてなり、顔料をインク中に6重量%以上含有し、25℃におけるインク粘度が5cp以上20cp以下、同じく表面張力が40mN/m以下の記録液を用いることにより、普通紙に対しても滲みにじみが少なく、濃度の高い鮮明な画像を形成することができる。
ところが、このような記録液(インク)を用いた場合には、維持回復動作の一環として吸引用キャップでノズル面をキャッピングしてノズルから吸引を行った場合、キャップ部材内で吸引口(排出口)への流動性が低下し、キャップ部材内でのインクの残存量が多くなり易い。さらに、印字中にやや乾燥することによって染料インクと比べものにならないほどインクの粘度が著しく増大し、キャップ部材内のインクが残存し易い状況となる。キャップ部材内に残存したインクは元のインクと較べて水分量が少ないため、ノズル面をキャッピングして長時間置くと、ノズルメニスカス部のインクから水分を奪うことによってノズルメニスカス部のインクが増粘し、非吐出となり易いという問題があることが新たに判明した。
そこで、上記実施形態の構成を満足するキャップ部材を用いることによって、水と顔料とポリマー成分と水溶性有機溶剤を必須成分としてなり、顔料をインク中に6重量%以上含有し、25℃におけるインク粘度が5cp以上20cp以下、同じく表面張力が40mN/m以下の記録液を使用した場合でも、上記の問題を解消することができる。
そして、上述したように凹部形成部材193を撥水剤を含む樹脂部材で形成して、傾斜面に撥水性を持たせることにより、記録液との接触角が大きくなり、キャップの傾斜面の傾斜角と記録液の接触角の和が大きくなることより、キャップ形状および記録液の種類の選択幅を広げることができる。
また、図10の平面図で示すように、キャップ92aの凹部形成部材193は排出口194に向かって4辺から連続的に傾斜する傾斜面191a〜191dを形成することによって、排出口194に向かって連続的に開口断面積が縮小し、記録液が排出口194に向かって流れる形状部分を有する形状にすることで、排出口194から負圧によって吸引する場合(ノズル吸引する場合)に、記録液が負圧の高い方に、すなわち、排出口に向って導かれるため、一層インクの残存量を少なくすることができる。
そして、この場合、図10に示すように、キャップ部材92aの角部、特に凹部形成部材193の角部192a〜192dは曲面形状とすることによって、高粘度インクの場合に角部に滞留することを抑制できる。つまり、凹部191の角部ではインク表面張力によってインクが滞留しやすくなるので、角部を曲面形状にすることによってインクの滞留を低減することができる。
以下、具体的に説明する。
まず、キャップ部材92aとして、当接部材192はスチレン系エラストマーで、凹部形成部材193はポリプロピレンで形成し、傾斜角θが異なる複数のキャップ部材を製作した。また、凹部形成部材193としてのポリプロピレンにはフッ素系撥水剤を含有させたものと、撥水剤を含有させないものを使用してそれぞれ製作した。
そして、インクジェット記録装置として実機(Ipsio505(商品名))に各キャップ部材を装着し、インク(記録液)として、次に述べるインクセット1、2、3を用いて印字に伴い、各キャップ部材でノズル面をキャッピングして吸引する回復動作を行った後、キャップ部材内のインク残存状態(重量)と噴射特性を調べた。
そこで、インクについて説明する。
〈顔料分散体の調製〉
(1)シアン
フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
特開2001−139849号公報に開示されている調整例3を追試して青色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(2)マゼンタ
ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
上記(1)のフタロシアニン顔料をピグメントレッド122に変更したほかは上記(1)と同様にして赤紫色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(3)イエロー
モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
上記(1)のフタロシアニン顔料をピグメントイエロー74に変更したほかは上記(1)と同様にして黄色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(4)ブラック
カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
上記(1)のフタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社FW100(商品名))に変更したほかは上記(1)と同様にして黒色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は104nmであった。
次に、インクの調整について説明する。なお、以下のインクの処方における各成分の量(%)は重量基準である。
〈インクセット1〉
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色のインク組成物を得た。
各インクの表面張力は30〜34mN/m、粘度は8〜9cp(25℃)であった。
前記調製した各色顔料分散体 8.0wt%(固形分として)
1,3−ブタンジオール 22.5wt%
グリセロール 7.5wt%
2−ピロリドン 2.0wt%
一般式R−(OCHCH)nOH(Rは分岐しても良い炭素数6から14の炭素鎖、n:5〜20)におけるR:C12、n=9 2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
FT-110((株)ネオス社製) 0.5wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
〈インクセット2〉
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行いシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色インク組成物を得た。各インクの表面張力は32〜36mN/m、粘度は2〜3cp(25℃)であった。
前記調製した各色顔料分散体 4.0wt%(固形分として)
ジエチレングリコール 15.0wt%
グリセロール 5.0wt%
2−ピロリドン 2.0wt%
ECTD−3NEX(日光ケミカルズ製アニオン系界面活性剤) 1.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
エマルジョン 3.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
〈インクセット3〉
市販染料インクとして、Ipsio JET300用(リコー製)インクを用いた。このインクの表面張力は29〜32mN/m、粘度は2.1〜2.4cpであった。
ここで、前述した各キャップのタイプ、傾斜角θと、各インクセットのインクとの接触角、傾斜角θと接触角の和とを表1ないし表3に一覧表で示している。
Figure 2006007678
Figure 2006007678
Figure 2006007678
次に、試験結果について説明する。前記実機の吸引用キャップを前記各タイプの吸引用キャップに取り替え、2000枚/日の印字を行った。このとき、5日おき(1万枚印字)にノズルチェックパターンによる噴射状態を、吸引用キャップの重量を毎日測定し、その変化を調べた。ノズルチェックパターン印字により不吐出ノズルが合った場合は1回クリーニングを実施し、回復性を調べた。これを各インクセット1、2、3のインクを用いて行った。
インクセット1を用いた場合の結果を表4に、インクセット2を用いた場合の結果を表5に、インクセット3を用いた場合の結果を表6に、それぞれ示している。なお、各表中、インク量はキャップに付着しているインクの重量を、不吐出ノズルがなかった場合を○、不吐出ノズルが発生した場合を×、その後のクリーニングによって不吐出が回復した場合を○、回復しなかった場合を×として表している。
Figure 2006007678
Figure 2006007678
Figure 2006007678
これらの表4ないし表6からは、キャップの傾斜角θと、傾斜面を形成する部材とインクとの接触角の和(以下、「傾斜角θと接触角の和」という。)が70°以上であれば、5万枚印刷後においても、不吐出ノズルが生じた場合にはクリーニング(回復動作)によって回復されることが分かる。なお、表5のインクセット2を用いた場合にはキャップのタイプNについて5万枚印刷後においても、不吐出ノズルが生じた場合にはクリーニング(回復動作)によって回復されるという結果が出ているが、インク成分などの関係から、傾斜角θと傾斜面を形成する部材とインクとの接触角の和が70°以上であることが好ましい。
また、キャップの傾斜角θと接触角の和が75°以上であれば、不吐出ノズルが生じないことが確認されている(表4のタイプGと表5のタイプGとの違いから。)。特に、傾斜角θと接触角の和が90°であれば、吸引されたインクが傾斜面を落ちて排出口に導かれ易く、インクのキャップ内への残存量はほとんどなく、長期間にわたる印字においてもノズル抜けも発生しないことが分かる。
この場合、キャップの凹部内面に撥水処理を施すことによって、インクとの接触角が大きくなり、キャップの傾斜角とインクの接触角の和が大きくなることより、キャップ形状及びインクの種類の選択幅が増加する。
なお、本発明は、インクジェットプリンタ以外にも、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、本発明は、インク以外の液体(記録液)、例えばレジスト、医療分野におけるDNA試料を吐出させる液体吐出装置の維持回復装置にも適用することができる。
本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置を含む画像形成装置の一例を示す前方側から見た斜視説明図である。 同画像形成装置の機構部の一例を示す概略説明図である。 同機構部の概略平面説明図である。 本発明に係る維持回復装置を含むサブシステムの要部平面説明図である。 同システムの模式的概略構成図である。 図4の右側面説明図である。 キャップ保持昇降機構部の側面説明図であ 同じく正面説明図である。 キャップ部材の断面説明図である。 同キャップ部材の断面説明図である。
符号の説明
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
6…インクカートリッジ装填部
10…インクカートリッジ
21…フレーム
23…供給ポンプユニット
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…サブタンク
36…チューブ
42…用紙
51…搬送ベルト
91…サブシステム
92a〜92d…キャップ部材
93…ワイパーブレード
94…空吐出受け
95…ワイパークリーナ
96…クリーナコロ
119…吸引チューブ
191…凹部
191a…第1傾斜面
191b…第2傾斜面
192…当接部材
193…凹部形成部材
194…排出口
198…撥水層

Claims (7)

  1. ノズルから記録液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップする吸引用キャップ部材を備えた液体吐出装置の維持回復装置において、前記キャップ部材は、前記ノズル面に当接する弾性を有する当接部材と、前記ノズル面のノズルから吸引される記録液を受けるための凹部を形成した凹部形成部材とを有し、これらの当接部材と凹部形成部材が一体成形された部材であって、前記凹部形成部材は撥水剤を含有する樹脂部材で形成され、前記凹部の底面に設けられた排出口に向かって傾斜する少なくとも2つの傾斜面を有することを特徴とする液体吐出装置の維持回復装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置の維持回復装置において、前記凹部形成部材を形成する樹脂部材中の撥水剤の含有率が10重量%を越えないこと特徴とする液体吐出装置の維持回復装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体吐出装置の維持回復装置において、前記凹部形成部材の凹部の内壁部の角部は曲面に形成されていることを特徴とする液体吐出装置の維持回復装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出装置の維持回復装置において、前記凹部形成部材の傾斜面の水平面に対する角度と、この傾斜面と前記記録液との接触角の和が70°以上であることを特徴とする液体吐出装置の維持回復装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置の維持回復装置において、前記傾斜面の角度と前記記録液との接触角の和が90°以上であることを特徴とする液体吐出装置の維持回復装置。
  6. ノズルから記録液を吐出する液滴吐出ヘッドを記録ヘッドに使用した画像形成装置において、前記記録ヘッドの性能を維持、回復するための請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出装置の維持装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、前記記録液は、水と顔料とポリマー成分と水溶性有機溶剤を含み、前記顔料を記録液中に6重量%以上含有し、25℃における記録液粘度が5cp以上20cp以下、25℃における記録液の表面張力が40mN/m以下であることを特徴とする画像形成装置。
JP2004190618A 2004-06-29 2004-06-29 液体吐出装置の維持回復装置及び画像形成装置 Pending JP2006007678A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190618A JP2006007678A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 液体吐出装置の維持回復装置及び画像形成装置
EP05755235A EP1761389B1 (en) 2004-06-29 2005-06-28 Maintenance/recovery device for liquid discharge device, and image forming device
DE602005020288T DE602005020288D1 (de) 2004-06-29 2005-06-28 Wartungs-/rückgewinnungsvorrichtung für flüssigkeitsabführvorrichtung und bilderzeugungsvorrichtung
PCT/JP2005/012273 WO2006001535A1 (en) 2004-06-29 2005-06-28 Maintenance/recovery device for liquid discharge device, and image forming device
US10/566,864 US7494205B2 (en) 2004-06-29 2005-06-28 Maintenance/recovery device for liquid discharge device and image forming device
CNA2005800007156A CN1826227A (zh) 2004-06-29 2005-06-28 用于液体排放装置的维护/恢复装置及成像装置
KR1020067004233A KR20060095941A (ko) 2004-06-29 2005-06-28 액체토출장치용 유지회복장치 및 화상형성장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190618A JP2006007678A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 液体吐出装置の維持回復装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006007678A true JP2006007678A (ja) 2006-01-12

Family

ID=35775437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004190618A Pending JP2006007678A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 液体吐出装置の維持回復装置及び画像形成装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7494205B2 (ja)
EP (1) EP1761389B1 (ja)
JP (1) JP2006007678A (ja)
KR (1) KR20060095941A (ja)
CN (1) CN1826227A (ja)
DE (1) DE602005020288D1 (ja)
WO (1) WO2006001535A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015093466A (ja) * 2013-11-14 2015-05-18 セイコーエプソン株式会社 印刷装置
US9375931B2 (en) 2014-02-28 2016-06-28 Seiko Epson Corporation Liquid receiving apparatus, liquid ejecting apparatus, and method of discharging liquid

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE602006004908D1 (de) 2005-03-29 2009-03-12 Seiko Epson Corp Abdeckeinrichtung eines Duckkopfes und Flüssigkeitsausstossgerät mit einer derartigen Abdeckeinrichtung
KR100831287B1 (ko) * 2006-11-09 2008-05-22 주식회사 디지아이 디지털 프린팅 머신용 헤드의 이물질 유입방지용캡핑장치
KR100831288B1 (ko) * 2006-11-09 2008-05-22 주식회사 디지아이 디지털 프린팅 머신의 헤드 캡핑장치
JP4929052B2 (ja) * 2007-05-26 2012-05-09 株式会社リコー 画像形成装置
JP5354378B2 (ja) * 2008-12-17 2013-11-27 株式会社リコー 画像形成装置
JP6161869B2 (ja) * 2012-03-05 2017-07-12 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP6569445B2 (ja) 2015-10-07 2019-09-04 株式会社リコー インクジェット記録装置
JP6976154B2 (ja) * 2017-12-04 2021-12-08 キヤノン株式会社 液体吐出装置、インプリント装置および方法
CN109955595B (zh) * 2017-12-14 2022-07-05 精工爱普生株式会社 液体喷射装置以及盖
WO2019130531A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッドのメンテナンス装置及びインクジェット記録装置
CN110039904B (zh) * 2019-03-14 2024-04-26 广州精陶机电设备有限公司 一种喷绘***刮墨方法及应用该方法的刮墨机构

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5717444A (en) * 1990-04-11 1998-02-10 Canon Kabushiki Kaisha Suction recovery device and ink jet recording apparatus using the device
JPH06238915A (ja) 1993-02-12 1994-08-30 Fuji Electric Co Ltd インクジェット・プリンタ用吸引式清掃装置
JP3106783B2 (ja) 1993-07-26 2000-11-06 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録装置のヘッドキャップ
US6435665B2 (en) * 1998-06-12 2002-08-20 Eastman Kodak Company Device for controlling fluid movement
JP4048609B2 (ja) 1998-07-13 2008-02-20 凸版印刷株式会社 複合容器
JP2001071514A (ja) 1999-09-07 2001-03-21 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
DE60031215T2 (de) * 1999-09-07 2007-08-23 Seiko Epson Corp. Tintenstrahlaufzeichnungsgerät, Verfahren zur Tintenabfuhr aus der im Gerät eingebauten Verschliessvorrichtung und für das Gerät verwendete Tintenzusammenstellung
JP2001349062A (ja) 2000-06-07 2001-12-21 Hagihara Industries Inc 工事用シート
JP2002102087A (ja) 2000-09-29 2002-04-09 Sekisui Chem Co Ltd 台所用成形品
JP4051916B2 (ja) * 2000-12-14 2008-02-27 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP2003096355A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Ricoh Co Ltd インク組成物、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法および記録装置
EP1262529A1 (en) * 2001-05-29 2002-12-04 Ricoh Company, Ltd. Ink set for ink jet recording, method for ink jet recording
JP2003001839A (ja) 2001-06-26 2003-01-08 Ricoh Co Ltd インクジェット記録ヘッドの維持回復装置
EP1275507B8 (en) * 2001-07-09 2005-06-15 Ricoh Company, Ltd. Liquid drop jet head and ink jet recording apparatus
JP2003276213A (ja) 2002-03-25 2003-09-30 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
US6846076B2 (en) * 2003-04-09 2005-01-25 Milliken & Company Methods employed in solvent-based ink jet printing

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015093466A (ja) * 2013-11-14 2015-05-18 セイコーエプソン株式会社 印刷装置
US9375931B2 (en) 2014-02-28 2016-06-28 Seiko Epson Corporation Liquid receiving apparatus, liquid ejecting apparatus, and method of discharging liquid

Also Published As

Publication number Publication date
EP1761389A1 (en) 2007-03-14
WO2006001535A1 (en) 2006-01-05
KR20060095941A (ko) 2006-09-05
US7494205B2 (en) 2009-02-24
DE602005020288D1 (de) 2010-05-12
US20060290738A1 (en) 2006-12-28
CN1826227A (zh) 2006-08-30
EP1761389B1 (en) 2010-03-31
EP1761389A4 (en) 2008-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100801673B1 (ko) 액체토출장치의 유지 회복장치 및 이를 구비한 화상형성장치
EP1761389B1 (en) Maintenance/recovery device for liquid discharge device, and image forming device
JP5228615B2 (ja) 画像形成装置
US9050811B2 (en) Image forming apparatus
JP2007076211A (ja) ヘッドの維持回復装置及び画像形成装置
JP4541176B2 (ja) 画像形成装置
JP2012139933A (ja) 画像形成装置
JP2008302669A (ja) 画像形成装置
JP4233984B2 (ja) 液体吐出装置の維持装置及び画像形成装置
JP2005144910A (ja) 液体吐出装置の維持装置及び画像形成装置
JP4347669B2 (ja) 液体吐出装置の維持装置及び画像形成装置
JP4689199B2 (ja) 画像形成装置
JP2010194829A (ja) 画像形成装置
JP5033074B2 (ja) 画像形成装置
JP4347665B2 (ja) 記録液用ポンプ、記録液供給装置及び画像形成装置
JP5899661B2 (ja) 画像形成装置及び記録液排出方法
JP4627490B2 (ja) 画像形成装置
JP4398227B2 (ja) 画像形成装置
JP4198577B2 (ja) 空吐出受け及び画像形成装置
JP2007076075A (ja) インクジェット記録方法及び装置
JP2012116079A (ja) 画像形成装置
JP2005144939A (ja) 液体吐出装置、液体吐出装置の回復方法及び画像形成装置
JP4877721B2 (ja) 記録液用ポンプ及び画像形成装置
JP5332704B2 (ja) 画像形成装置
JP2009126116A (ja) 液吸引装置と維持回復装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070328