JP2006006120A - 起泡性乳化組成物、及びこれを起泡させてなる含気状乳化組成物 - Google Patents

起泡性乳化組成物、及びこれを起泡させてなる含気状乳化組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 合成添加物を用いることなく、乳化安定性(保存性)、クリーム特性(粘度等)、ホイップ性、ホイップ後の特性(保形性、硬度、食感等)に優れた起泡性乳化組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の起泡性乳化組成物は、グリセリンの1位及び3位に飽和脂肪酸(S)が配位し、2位に不飽和脂肪酸(U)が配位したSUS型トリグリセリドを含むSUS系油脂(AX)30〜70質量%と、ラウリン型トリグリセリドを含むラウリン系油脂(AY)70〜30質量%とを含む油相(A)30〜55質量部と、水相(B)70〜45質量部とが乳化状態にあり、かつ、乳清蛋白質(C)0.2〜0.6質量部、及び卵黄又はその加工物(D)を含む(組成物総量が100質量部)ことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、起泡性乳化組成物、及びこれを起泡させてなる含気状乳化組成物に関する。
合成ホイップクリーム等の従来の起泡性乳化組成物では、非ホイップ時(保存時)には乳化安定性を呈すると共に、ホイップ時(起泡時)には適度な解乳化性を呈し、ホイップ後に適度な保形性を有することが必要である。
従来の起泡性乳化組成物では、これらの特性を充足するべく、各種の合成乳化成分と、増粘多糖類等の合成乳化安定成分とが併用され、さらにリン酸塩等のクリーム特性向上剤が少量添加されている(非特許文献1、2)。以下、合成乳化成分、増粘多糖類等の合成乳化安定成分、及びリン酸塩等のクリーム特性向上剤をまとめて、「合成添加物」と称す。かかる合成添加物の使用は、風味の低下や糊感等を招き、好ましくない。
そこで、合成添加物を用いない起泡性乳化組成物が提案されている。例えば、(1)乳化成分や乳化安定成分として、乳清蛋白質(ラクトアルブミン)及び卵黄油を含む組成物(特許文献1)、(2)油脂としてラウリン系油脂を用い、乳化成分や乳化安定成分として、乳清蛋白質(ラクトアルブミン)及び卵黄を含む組成物(特許文献2、3)が開示されている。
ラウリン系油脂に含まれるトリグリセリド(ラウリン型トリグリセリド)は、結晶が細かく、結晶形が変化しにくいため、乳化安定化作用を有することが知られている(非特許文献2)。
特開2000−262236号公報 特開2003−325104号公報 特開2002−45136号公報 山内邦男、横山健吉編集、「ミルク総合辞典」、朝倉書店、1992年、p.173−174 藤田哲著、「食用油脂 その利用と油脂食品」、幸書房、2000年、p.107、185、241
しかしながら、特許文献1に記載の起泡性乳化組成物はホイップ性が良好でなく、良好なホイップ状態とするのに長時間を要する。また、特許文献2、3に記載の起泡性乳化組成物は、ホイップ後の組織が硬くなりすぎ、絞った際に先端割れや表面荒れが発生しやすい。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、合成添加物を用いることなく、乳化安定性、クリーム特性(粘度等)、ホイップ性、ホイップ後の特性(保形性、硬度、食感等)に優れた起泡性乳化組成物、及びこれを用いた含気状乳化組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の起泡性乳化組成物は、グリセリンの1位及び3位に飽和脂肪酸(S)が配位し、2位に不飽和脂肪酸(U)が配位したSUS型トリグリセリドを含むSUS系油脂(AX)30〜70質量%と、ラウリン型トリグリセリドを含むラウリン系油脂(AY)70〜30質量%とを含む油相(A)30〜55質量部と、水相(B)70〜45質量部とが乳化状態にあり、かつ、乳清蛋白質(C)0.2〜0.6質量部、及び卵黄又はその加工物(D)を含む(組成物総量が100質量部)ことを特徴とする。
なお、(C)及び(D)成分は少なくとも一部が油相(A)と水相(B)の界面に存在すると推察されるが、本発明の起泡性乳化組成物においては、(C)成分は全量が水相(B)、(D)成分は全量が油相(A)に含まれるものとし、配合量を決定する。
本発明の起泡性乳化組成物は、6〜8.5MPaの圧力をかけるホモジナイザー処理を経て製造されたものであることが好ましい。
ホモジナイザー処理は1段式又は2段式のホモジナイザーを用いて実施することができるが、ここで言う圧力は「全圧」を意味するものとする。
本発明の含気状乳化組成物は、上記の本発明の起泡性乳化組成物を起泡させてなることを特徴とする。
本発明によれば、合成添加物を用いることなく、乳化安定性、ホイップ性、ホイップ後の特性(保形性、硬度、食感等)に優れた起泡性乳化組成物、及びこれを用いた含気状乳化組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。
「起泡性乳化組成物」
本発明の起泡性乳化組成物は、油相(A)と水相(B)とが乳化状態にあり、乳清蛋白質(C)、及び卵黄又はその加工物(D)を含む組成物である。
(油相(A))
本発明では、油相(A)の成分として、グリセリンの1位及び3位に飽和脂肪酸(S)が配位し、2位に不飽和脂肪酸(U)が配位したSUS型トリグリセリドを含むSUS系油脂(AX)と、ラウリン酸を構成成分として含むトリグリセリドであるラウリン型トリグリセリドを含むラウリン系油脂(AY)と、必要に応じて他の油脂(AZ)を併用する。
SUS系油脂(AX)としてはパーム油、その分別油や硬化油、これらのエステル交換油、これらを含む混合油等が挙げられる。(AX)成分のSUS型トリグリセリド含量は、20〜30質量%が好ましい。また、(AX)成分の融点は特に制限はないが、口溶け等を考慮すれば、30〜35℃が好ましい。
ラウリン系油脂(AY)としては、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油や硬化油、これらのエステル交換油、これらを含む混合油等が挙げられる。(AY)成分のラウリン型トリグリセリド含量は、40〜60質量%が好ましい。また、(AY)成分の融点は特に制限はないが、口溶け等を考慮すれば、30〜36℃が好ましい。
必要に応じて用いられる他の油脂(AZ)としては、菜種油、大豆油、ひまわり種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油等の植物性油脂、乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂、これらの分別油や硬化油、これらのエステル交換油、これらを含む混合油が挙げられる。
油脂(AX)〜(AZ)は各々1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の組成物では、油相(100質量%)中における、SUS系油脂(AX)量が30〜70質量%、好ましくは30〜60質量%、ラウリン系油脂(AY)量が70〜30質量%、好ましくは60〜30質量%である。
「背景技術」の項で述べたように、ラウリン系油脂に含まれるラウリン型トリグリセリドが乳化安定化作用を呈することは公知であるが、本発明では、SUS系油脂(AX)とラウリン系油脂(AY)とを併用すること、すなわちSUS型トリグリセリドとラウリン型トリグリセリドとを併用することで、良好な乳化安定性を確保しつつ、ホイップ性を著しく向上させ、ホイップ時間を大幅に短縮することを実現した。([実施例]の項、試験例1参照)
また、油相(A)中に占めるSUS系油脂(AX)とラウリン系油脂(AY)の量を上記の如く規定することで、ホイップ前の組成物の粘度がホイップクリームとして適当な100mPa・s以下であり、ホイップ後の保形性や硬度が良好で、絞り袋を用いて絞った際の先端割れや表面荒れがなく、造花性が良好な組成物を実現した。
なお、油相(A)中に占めるSUS系油脂(AX)量が30質量%未満(ラウリン系油脂(AY)量が70%質量超)では、ホイップ後に組織が硬くなりすぎて造花性が良好でなく、絞り袋を用いて絞った際の先端割れや表面荒れが発生しやすく、SUS系油脂(AX)量が70質量%超(ラウリン系油脂(AY)量が30質量%未満)では、組成物の粘度が100mPa・s超と高粘性となりやすい。([実施例]の項、試験例2参照)
油相(A)には、油脂の他、必要に応じて1種又は2種以上の油溶性成分(例示については後記)を含ませることができる。
(水相(B))
水相(B)は、水(BX)を主とし、必要に応じて1種又は2種以上の水溶性成分(例示については後記)を含む相である。
本発明の組成物100質量部中、油相(A)量は30〜55質量部であり、水相(B)量は70〜45質量部である。油相(A)と水相(B)の比をかかる範囲とすることで、ホイップ性、風味が共に良好な組成物が得られる。
なお、油相(A)量が30質量部未満(水相(B)が70質量部超)では、ホイップ後の保形性が不充分となり、油相(A)量が55質量部超(水相(B)が45質量部未満)では、乳化安定性が不充分となる。
(乳清蛋白質(C)、及び卵黄又はその加工物(D))
本発明の組成物では、乳化成分や乳化安定成分として、乳清蛋白質(C)、及び卵黄又はその加工物(D)を添加する。これらはいずれも天然あるいは天然由来の成分である。
乳清蛋白質(C)を添加することで、乳化安定性が向上し、ホイップ時の脂肪凝集率が抑えられる。また、ホイップ後の保形性や硬度が良好で、絞り袋を用いて絞った際の先端割れや表面荒れがなく、造花性が良好なものとなる。卵黄又はその加工物(D)を添加することで、ホイップ性が向上する。
乳清蛋白質(C)としては、ホエー蛋白濃縮物(WPC)、ホエー蛋白分離物(WPI)、ホエー蛋白酵素分解物のいずれを用いても良く、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
卵黄の加工物としては、卵黄粉末や卵黄油等が具体的に挙げられ、(D)成分としては、卵黄及びその加工物から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の組成物100質量部中、乳清蛋白質(C)量は0.2〜0.6質量部である。(D)成分量は、卵黄では2〜5質量部、卵黄粉末では1〜2.5質量部、卵黄油では0.5〜2.0質量部が好ましい。
乳清蛋白質(C)量が0.2質量部未満では、ホイップ時の脂肪凝集率が高く、ホイップ後に組織が硬くなりすぎて造花性が良好でなく、絞り袋を用いて絞った際の表面荒れ等が発生しやすい。乳清蛋白質(C)量が0.6質量部超では、ホイップ後の食感が粉っぽくなり、好ましくない。
卵黄又はその加工物(D)量が上記下限未満では、ホイップ後の保形性が不充分となる恐れがあり、上記上限超では、ホイップ後の組織が硬くなり、表面荒れ等が発生する恐れがある。
(任意成分)
上記したように、(C)及び(D)成分以外に、油相(A)及び水相(B)には各々、必要に応じて油溶性成分及び水溶性成分を含ませることができる。
必要に応じて用いられる油溶性成分としては、香料(フレーバー)等が挙げられ、水溶性成分としては、脱脂粉乳(BY)、糖類、香料(フレーバー)等が挙げられる。
本発明の起泡性乳化組成物の製造方法は特に制限はないが、例えば、油相(A)の成分(SUS系油脂(AX)、ラウリン系油脂(AY)、必要に応じて他の油脂(AZ)、さらに必要に応じて油溶性成分)と、水相(B)の成分(水(BX)、必要に応じて水溶性成分)とを、乳清蛋白質(C)と卵黄又はその加工物(D)との存在下で、ホモミキサー等の混合装置にて予備乳化し、さらにホモジナイザーによる均質化処理を経て製造する方法が挙げられる。予備乳化後及び/又はホモジナイザー処理後には、公知方法にて殺菌を行うことができる。
ホモジナイザー処理は、1段式又は2段式のホモジナイザーを用いて実施することができるが、ホモ圧(全圧)は6〜8.5MPaとすることが好ましい。これによって、良好な乳化状態を呈し、乳化安定性(保存性)に優れた組成物が得られる。
なお、ホモ圧が6MPa未満では、乳化が不充分となり、乳化安定性が劣る傾向にあり、8.5MPa超では、組成物が増粘することがあり、製品上、好ましくない。
本発明では、油脂として、SUS系油脂(AX)とラウリン系油脂(AY)とを併用し、乳化成分や乳化安定成分として、乳清蛋白質(C)、及び卵黄又はその加工物(D)を用い、成分の配合比を特定することで、合成添加物を用いることなく、乳化安定性、クリーム特性(粘度等)、ホイップ性、ホイップ後の特性(保形性、硬度、食感等)に優れた起泡性乳化組成物を実現した。
本発明の起泡性乳化組成物は、合成乳化成分、増粘多糖類等の合成乳化安定成分、及びリン酸塩等のクリーム特性向上剤等の合成添加物を用いる必要がないので、風味や触感等が合成添加物を含むものに比して格段に優れる。
「含気状乳化組成物」
本発明の含気状乳化組成物は、上記の本発明の起泡性乳化組成物を起泡(ホイップ)させてなることを特徴とする。
ホイップ方法は特に制限はなく、各種ホイップ装置等を用いて実施することができる。本発明の含気状乳化組成物の特性は特に制限はなく、用途等に応じて設計できる。
本発明の含気状乳化組成物は、本発明の起泡性乳化組成物を用いたものであるので、保形性、硬度、食感等が良好なものである。
以下、本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
各例においては、組成あるいはホモジナイザー処理条件を変更して起泡性乳化組成物を製造し、評価を行った。例中、配合量を示す「部」及び「%」は質量基準とする。
(評価項目及び評価方法)
<粘度>
起泡性乳化組成物の粘度をB型粘度計にて測定し、ホイップクリームとして好適な100mPa・s以下を良好と判定した。
<クリーム浮上率>
起泡性乳化組成物の乳化安定性(保存性)の評価として、クリーム浮上率を測定した。
すなわち、起泡性乳化組成物を製造後、直ちに100gを200mLガラスビーカーに採取して、ラップで開口部を封止し、5℃の冷蔵庫内に静置した。8日経過後、表面に浮上している硬いクリーム層(スパチュラで回収できる程の硬い層)の質量を測定し、サンプル総量に対する該層の質量から、クリーム浮上率を求めた。クリーム浮上率が低い程、乳化安定性は良好である。
<ホイップ時間>
起泡性乳化組成物400mLをホイップマシン(ケンウッド社製ケンミックス)を用い、ホイップ後の動的粘弾性測定による貯蔵弾性率(測定条件:G’、5℃、ひずみ1%、1rad/s) が約10000Paになるまでホイップし、その際に要した時間をホイップ時間として評価した。なお、上記貯蔵弾性率は、絞り袋で絞った際に、先端の保形性が良好な硬さ(いわゆる「つの」が立つ硬さ)に相当する。
<脂肪凝集率>
ホイップ時の乳化安定性の評価として、脂肪凝集率を測定した。
堀場製レーザー回折式粒度分布計LA−500を用い、ホイップ前の粒子径分布を測定し、その体積基準の90%径[a(μm)]を求め、ホイップ後に再度粒子径分布を測定し、a(μm)以上の径の脂肪球の体積分率を求めた[A(%)]。これから下記式に基づいて、脂肪凝集率を求めた。
脂肪凝集率(%)=(A−10)/90×100
脂肪凝集率は、ホイップ前にa(μm)以下であった脂肪球(90%)が、ホイップ後にどの位の割合でa(μm)以上に凝集したかを示すものである。脂肪凝集率は20%以下を良好と判定した。
<ホイップ後の食感>
ホイップ後に食し、下記基準にて食感を評価した。
判定基準
○:粉っぽさがなく、なめらかである。
△:粉っぽさがややある。
×:粉っぽさがある。
<造花性>
ホイップした組成物を絞り袋にて「花」の形状に絞り、先端割れや表面荒れの有無を目視観察し、造花性を評価した。
(試験例1)
<実施例1−1〜1−3>
表1に示す組成の本発明の起泡性乳化組成物を製造した(表中の単位は「部」)。
SUS系油脂(AX)としては、パーム硬化油(太陽油脂(株)製、SUS型トリグリセリド含量25%、融点32℃)、ラウリン系油脂(AY)としては、菜種硬化油とパーム核硬化油の混合硬化油(太陽油脂(株)製、ラウリン型トリグリセリド含量50%、融点36℃)を用いた。水相(B)の成分としては、水(BX)と脱脂粉乳(BY)を用いた。いずれの例においても、油相(A)中の(AX)量は50%、(AY)量は50%とした。
油脂(AX)と(AY)とを混合し、これに卵黄(D)を添加混合した(混合物M1)。別途、水(BX)に、脱脂粉乳(BY)及び乳清蛋白質(C)としてホエー蛋白分離物(WPI)を添加混合した(混合物M2)。これら混合物M1及びM2をホモミキサーにて、60℃で予備乳化した。その後、超高温瞬間殺菌(UHT)装置(森永エンジニアリング(株)製 連続式プレート殺菌機)にて、120℃15秒殺菌を行った。次いで、予備乳化物に対して、2段式ホモジナイザー(三丸機械(株)製)を用いて、均質化処理を行った。ホモ圧は、2次圧を1MPa、全圧を6.5MPaとした。最後に、プレート冷却機を用いて5℃まで冷却し、一晩冷蔵庫(5℃)でエージングし、起泡性乳化組成物を製造した。
<比較例1>
比較例1として、表1に示す組成の起泡性乳化組成物(特許文献1の実施例1と同様)を製造した。
なお、この例では、油相(A)の成分として、SUS系油脂(AX)を用いずに、ラウリン系油脂(AY)のみを用い、卵黄(D)の代わりに、卵黄油(D)を用いている。
<結果>
評価結果を同表に示す。
実施例1−1〜1−3では、乳化安定性(保存性)、ホイップ性等が良好な起泡性乳化組成物が得られた。油脂(A)総量が同様の実施例1−2と比較例1との比較から、油相(A)の成分として、SUS系油脂(AX)とラウリン系油脂(AY)とを併用することで、ホイップ時間が大幅に改良されることが明らかとなった。
Figure 2006006120
(試験例2)
<実施例2−1、2−2、比較例2−1、2−2>
試験例2では、SUS系油脂(AX)とラウリン系油脂(AY)の配合比を変化させ、実施例1−1と同様にして、起泡性乳化組成物を製造した。各例の組成及び評価結果を表2に示す。この例では、油相(A)中の(AX)量と(AY)量を併記してある。
油相(A)中のSUS系油脂(AX)量を30〜70%、ラウリン系油脂(AY)量を70〜30%とした実施例2−1、2−2では、得られた起泡性乳化組成物は粘度が100mPa・s以下と良好であり、ホイップ後の造花性も良好であった。
対して、油相(A)中のSUS系油脂(AX)量を30%未満とした比較例2−1では、ホイップ後の造花性が不良であり、絞った際に先端割れや表面荒れが発生し、70%超とした比較例2−2では、得られた起泡性乳化組成物の粘度が高すぎ、不良であった。
Figure 2006006120
(試験例3)
<実施例3−1、3−2、比較例3−1、3−2>
試験例3では、乳清蛋白質(C)量を変化させ、実施例1−1と同様にして、起泡性乳化組成物を製造した。各例の組成及び評価結果を表3に示す。
組成物100部中、乳清蛋白質(C)量を0.2〜0.6部とした実施例3−1、3−2では、ホイップ後の脂肪凝集率が小さく、ホイップ後の食感、造花性が良好な起泡性乳化組成物が得られた。
対して、乳清蛋白質(C)を添加しなかった比較例3−1ではホイップ後の造花性が不良であり、絞った際に表面荒れが発生し、0.6部超とした比較例3−2ではホイップ後の食感が粉っぽく、不良であった。
Figure 2006006120
(試験例4)
<実施例4−1〜4−5>
試験例4では、ホモ圧を変化させ、実施例1−1と同様にして、起泡性乳化組成物を製造した。なお、各例においては、2次圧を1MPaに固定し、全圧のみを変化させた。各例の組成、ホモ圧(全圧)、及び評価結果を表4に示す。
ホモ圧(全圧)を6〜8.5MPaとした実施例4−2〜4−4では、クリーム浮上率が1%以下と、乳化安定性(保存性)が特に良好な起泡性乳化組成物が得られた。
Figure 2006006120
本発明の起泡性乳化組成物、及びこれを用いた含気状乳化組成物は、ケーキ、シュークリーム、アイスクリーム等のデコレーションや、菓子パン等のトッピング、フィリング等に使用されるホイップクリーム等として好ましく利用できる。

Claims (3)

  1. グリセリンの1位及び3位に飽和脂肪酸(S)が配位し、2位に不飽和脂肪酸(U)が配位したSUS型トリグリセリドを含むSUS系油脂(AX)30〜70質量%と、ラウリン型トリグリセリドを含むラウリン系油脂(AY)70〜30質量%とを含む油相(A)30〜55質量部と、水相(B)70〜45質量部とが乳化状態にあり、
    かつ、乳清蛋白質(C)0.2〜0.6質量部、及び卵黄又はその加工物(D)を含む(組成物総量が100質量部)ことを特徴とする起泡性乳化組成物。
  2. 6〜8.5MPaの圧力をかけるホモジナイザー処理を経て製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の起泡性乳化組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の起泡性乳化組成物を起泡させてなることを特徴とする含気状乳化組成物。
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