JP2006006050A - 電機子ユニット、電磁アクチュエータ、ステージ装置、及び露光装置 - Google Patents

電機子ユニット、電磁アクチュエータ、ステージ装置、及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 コイルを冷却するジャケット内部及び表面の温度分布を低減することにより、レーザ干渉計の検出精度の悪化を防止することができる電機子ユニット等を提供する。
【解決手段】 電磁アクチュエータ1は、コイル13を備える電機子ユニット10と磁石22,23を備える発磁体ユニット20とを含んで構成される。電機子ユニット10は、コイル13を第1ジャケット11内に収容するとともに、沸点がほぼ常温に設定された状態の冷媒14を気液混合状態でジャケット11内に密閉収容し、コイル13を冷却する。第2ジャケット12は、第1ジャケット11内の気体状態の冷媒14を冷却して液化する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コイルを備えてなる電機子ユニット、並びに当該電機子ユニットを備える電磁アクチュエータ、ステージ装置、及び露光装置に関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD(Charge Coupled Device)等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスは、マスクに形成されたパターンを基板(レジストが塗布された半導体ウェハ又はガラスプレート等)上に転写する、所謂リソグラフィの手法により製造される。このリソグラフィ工程では、マスクを保持するマスクステージ、基板を保持する基板ステージ、及びマスクに形成されたパターンの光学像を基板上に投影する投影光学系等を備える露光装置が用いられる。この露光装置に設けられるマスクステージ及び基板ステージ等を駆動するために、リニアモータ、ボイスコイルモータ等の電磁アクチュエータが設けられている。
電磁アクチュエータは、固定子と、固定子に対して相対的に移動可能に構成された可動子とからなり、可動子及び固定子の一方に電機子ユニットが設けられており、他方に発磁体ユニットが設けられている。電機子ユニットは可動子の移動方向に沿ってコイルを配列したコイル列を備えており、発磁体ユニットは可動子の移動方向に沿って永久磁石を配列した磁石列を備えている。電機アクチュエータを駆動するにはコイル列をなすコイルに電流を流す必要があるが、コイルに電流を流すと熱が発生する。このため、電磁アクチュエータは、発熱源であるコイル列をジャケット内に収容し、冷媒を冷媒導入口からジャケット内部に導入するとともに冷媒排出口から排出して、ジャケット内において冷媒を循環させてコイル列を冷却する構成とされることが多い。尚、従来の電磁アクチュエータの詳細については、例えば以下の特許文献1,2を参照されたい。
特開2000−114034号公報 特開2002−078314号公報
ところで、上述したジャケット内に導入される冷媒は、ジャケット内を流れる間に発熱源であるコイルに熱せられて温度が上昇する。このため、ジャケットに設けられた冷媒導入口における冷媒の温度と、冷媒排出口における冷媒の温度との間には温度差が生ずる。とりわけ、露光装置のマスクステージ又は基板ステージのリニアモータ装置に設けられる電機子ユニットはマスクステージ又は基板ステージの可動範囲と同程度の長さに設定されるためジャケットの長さが長くなり、冷媒がジャケット内を流れる間にコイルに熱せられる量が多くなって冷媒の冷媒導入口における温度と冷媒排出口における温度との差が大きくなる。
ジャケット内の冷媒に温度分布が生ずると、その温度分布はジャケットの表面にも現れるためジャケット表面において空気の揺らぎが生じる。上記のマスクステージ又は基板ステージの各々には、各ステージ上に設けられた移動鏡等にレーザ光を照射して各ステージの位置情報を検出するレーザ干渉計が設けられている。このレーザ干渉計から射出されるレーザ光の光路の近傍(例えば、光路の下方向)にジャケットが配置されると、ジャケット表面において生ずる空気の揺らぎの影響により、レーザ干渉計によるマスクステージ又は基板ステージの位置検出精度が低下するという問題がある。また、温度分布があると各ステージを構成する部材に熱が伝わって寸法変化が生じ、これによってもレーザ干渉計の計測に影響が生ずることがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、コイルを冷却するジャケット内部及び表面の温度分布を低減することにより、レーザ干渉計の検出精度の悪化を防止することができる電機子ユニット、並びに、当該電機子ユニットを備える電磁アクチュエータ、ステージ装置、及び露光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電機子ユニットは、コイル(13)を備える電機子ユニット(10、30、40、50)であって、沸点がほぼ常温に設定された状態の冷媒(14、34a、34b)を気液混合状態で密閉収容し、前記コイルを冷却する第1冷却部(11、31a、31b)と、気体状態の前記冷媒を冷却して液化する第2冷却部(12、32、41、51、52)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、コイルから発せられた熱によって第1冷却部に密閉収容された冷媒が沸騰し、コイルの温度が沸点近傍に保たれる。また、気体状態の冷媒は第2冷却部により冷却されて液体状態になる。これにより、第1冷却部内は常時気体状態の冷媒と液体状態の冷媒とが存在する状態とされる。
本発明の電磁アクチュエータは、上記の電機子ユニットと、発磁体(22、23)を有し、前記電機子ユニットとの間で相対移動可能な発磁体ユニット(20)とを備え、前記電機子ユニットによって固定子又は可動子が構成され、前記発磁体ユニットによって可動子又は固定子が構成されていることを特徴としている。
また、本発明のステージ装置は、所定の方向に移動可能なステージ(104)を備えるステージ装置(100)であって、前記ステージの駆動手段として上記の電磁アクチュエータを備えることを特徴としている。
また、本発明のステージ装置は、マスク(R)を保持するマスクステージ(RST)と、基板(W)を保持する基板ステージ(WST)とを備え、前記マスクに形成されたパターンを前記基板上に転写する露光装置(200)であって、前記マスクステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方として上記のステージ装置を備えることを特徴としている。
本発明によれば、第1冷却部内においては常時液体状態の冷媒と気体状態の冷媒とが共存する状態であるため、コイルが発熱しても第1冷却部内部の温度が冷媒の沸点近傍でほぼ一定に保たれ、第1冷却部の表面温度もほぼ一定温度になる。これにより第1冷却部の内部及び表面に温度分布が生じないため、周囲に設けられたレーザ干渉計等の機器及び部材に空気の揺らぎ等の熱的な影響を及ぼすことはないという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による電機子ユニット、電磁アクチュエータ、ステージ装置、及び露光装置について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態による電機子ユニットを備える電磁アクチュエータの概略構成を示す斜視図であって、図2は図1中のA−A線の断面矢視図である。尚、以下の説明においては、必要で有れば図中にxyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。xyz直交座標系は、y軸が電機子ユニット10と発磁体ユニット20との相対移動方向に設定されており、z軸が鉛直上方向に設定されている。また、図1においては、簡単のため電機子ユニット10と発磁体ユニット20とのy方向の長さが等しく設定されたものを図示しているが、電機子ユニット10よりも発磁体ユニット20の方が長く設定されていてもよく、逆に発磁体ユニット20よりも電機子ユニット10の方が長く設定されていても良い。
図1に示す通り、電磁アクチュエータ1は、y方向に伸びる電機子ユニット10及び発磁体ユニット20を備えており、電機子ユニット10が発磁体ユニット20に対してy方向に相対移動し、又は発磁体ユニット20が電機子ユニット10に対してy方向に相対移動する構成である。尚、ここでは電機子ユニット10が発磁体ユニット20に対してy方向に相対移動する場合を例に挙げて説明する。この場合においては、電機子ユニット10が可動子となり発磁体ユニット20が固定子となる。
まず、電機子ユニット10は、図2に示す通り、第1ジャケット11、第2ジャケット12、y方向に沿って配列された複数のコイル13、及び冷媒14を含んで構成されている。コイル13の各々は銅の丸線又は平角線をほぼ矩形形状に所定回数(例えば、数十〜数百回)巻回させて形成されており、その巻回面がyz平面とほぼ平行となるように、つまりコイル13に電流を流したときにコイル13の中心において発生する磁界の方向がx軸とほぼ平行となるように配置される。尚、コイル13の巻線の材質は銅に限られるわけではなく、アルミ線を用いても良い。
複数のコイル13は、第1冷却部としての第1ジャケット11に収容される。尚、コイル13の各々は、第1ジャケット11に設けられた不図示の接続部を介して電磁アクチュエータ1を駆動する不図示の駆動装置に接続されている。第1ジャケット11は、熱伝導性が高い非磁性SUS材で形成された矩形の環状断面を有する部材であって、その内部にコイル13及び冷媒14を密閉した状態で収容する。尚、第1ジャケット11は非磁性SUS材に限られる訳ではなく、非磁性であってSUS材程度又はそれ以上のヤング率を有する材質で形成することが好ましい。また、渦電流発生による粘性抵抗を考慮してCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やセラミックス等で形成することも可能である。
冷媒14は、電気的絶縁性が良好な液体であり、沸点がほぼ常温(25℃)に設定された状態で、且つ気液混合状態で第1ジャケット11に密閉収容される。冷媒14を気液混合状態で第1ジャケット11に密閉収容するのは、気化熱によりコイル13を冷却して第1ジャケット11内部及び表面の温度を一定にするためである。また、第1ジャケット11に密閉収容された冷媒14の沸点をほぼ常温にするのは、コイル13が発熱したときに、第1ジャケット11内部及び表面の温度を常温に保つためである。尚、図2においては、コイル14が液体状態の冷媒14に浸されている状態を図示しているが、必ずしもコイル14を液体状態の冷媒14に浸した状態にする必要はなく、第1ジャケット11の内部において気体状態の冷媒14と液体状態の冷媒14とが存在していれば良い。
冷媒14としては、例えば水(純水)又はアルコール、エーテル、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)やフロリナート等の有機溶媒を用いることができる。ここで、これらの水又は有機溶媒を用いる場合において、沸点が常温よりも高いときには第1ジャケット11内を減圧することにより(第1ジャケット11内部を負圧に保つことにより)第1ジャケット11内における沸点をほぼ常温にするとともに気液混合状態とすることができる。逆に、沸点が常温よりも低いときには第1ジャケット11内を加圧することにより第1ジャケット11内における沸点をほぼ常温にするとともに気液混合状態とすることができる。つまり、第1ジャケット11内の圧力を調整することにより冷媒14の沸点を所望の値に設定することができる。特に、冷媒14として常温よりも高い沸点を持つ液体を用いれば第1ジャケット11内を負圧に保つことになるので、第1ジャケットが膨張して発磁体ユニット20と接触する虞がない。
第2ジャケット12は、SUS材で形成された略矩形の環状断面を有する部材であって、第1ジャケット11の上部を内部に包含するように第1ジャケット11の上部に取り付けられる。即ち、第2ジャケット12は、第1ジャケット11の上部に当接した状態で設けられる。この第2ジャケット12は第1ジャケット11に収容された気体状態の冷媒14を冷却するためのものであり、その内部には図1に示す冷媒導入口15から冷媒が導入されるとともに冷媒排出口16から排出されて冷媒が循環(流動)される。尚、図1においては、冷媒導入口15及び冷媒排出口16が第2ジャケット12の上面に取り付けられている場合を例に挙げて図示しているが、これらは第2ジャケット12の側面に取り付けられていても良い。第2ジャケット12に導入される冷媒は、例えばアルコール、エーテル、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)やフロリナート等の有機溶媒を用いることができる。尚、第1ジャケット11及び冷媒14によって十分な絶縁性が確保されていれば、第2ジャケット12に導入される冷媒の絶縁性能を考慮する必要が無いため、熱容量の大きな水を用いることができる。
尚、第2ジャケット12は加工の容易さを考慮するとSUS材を用いることが好ましいが、必ずしも上記のSUS材に限られる訳ではなく、SUS材程度又はそれ以上のヤング率を有する材質で形成することが好ましい。また、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やセラミックス等で形成することも可能である。但し、第2ジャケット12内を循環(流動)する冷媒は、第1ジャケット11に収容された気体状態の冷媒14を冷却することにより、温度が上昇するため、第2ジャケット12の内部及び表面に温度分布が生ずることになる。このため、第2ジャケット12は断熱性の高い材質を用いて形成することが望ましい。第2ジャケット12の材質として断熱性が低いものを用いざるを得ない場合には、第2ジャケット12の周囲に断熱材を設けることが望ましい。
次に、発磁体ユニット20は、図1及び図2に示す通り、コ字形状のヨーク21と、ヨーク21の内側面の一方に取り付けられた複数の磁石22と、ヨーク21の内側面の他方に取り付けられた複数の磁石23とを含んで構成されている。ヨーク21の内側面の一方に取り付けられた複数の磁石22は、隣接する磁石22の磁極が互いに異なるように、y方向に沿って所定間隔で並ぶように配列されている。同様に、ヨーク21の内側面の他方に取り付けられた複数の磁石23は、隣接する磁石23の磁極が互いに異なるように、y方向に沿って所定間隔で並ぶように配列されている。尚、y方向の位置が同じ位置に配列される磁石22と磁石23とは互いに異なる極が対向するように極性が設定される。上記の電機子ユニット10は、第1ジャケット11内のy方向に配列されたコイル13の各々が磁石22と磁石23との間に位置するように、発磁体ユニット20内に配置される。
次に、上記構成における本発明の第1実施形態による電機子ユニット10を備える電磁アクチュエータ1の動作について説明する。電磁アクチュエータ1を駆動する前に、冷媒を冷媒導入口15から第2ジャケット12内に導入するとともに、第2ジャケット12内の冷媒を冷媒排出口16から排出して第2ジャケット12内において冷媒を循環(流動)させておく。電磁アクチュエータ1を駆動するには、不図示の駆動装置から電機子ユニット10に設けられたコイル13の各々に所定のタイミングで例えば三相交流を供給する。
三相交流が供給されたコイル13が発磁体ユニット20に設けられた磁石22,23によって形成されるy方向に沿った交番磁界の中に置かれると、コイル13と発磁体ユニット20との間にローレンツ力が働くため、電機子ユニット10にy方向の推力が発生し、可動体としての電機子ユニット10は固定子としての発磁体ユニット20に対して相対移動する。尚、発生する推力の方向はコイル13に対する三相交流の供給の仕方に応じて定まり、その大きさはコイル13に供給する電流の大きさに応じて定まる。尚、電機子ユニット10を固定子にして発磁体ユニット20を可動子にした場合にも同様の動作により発磁体ユニット20は電機子ユニット10に対して相対移動する。
ここで、第1ジャケット1に収容された冷媒14の沸点をT[℃]とする。コイル13に電流が供給されてコイル13の温度がT[℃]付近まで上昇すると、図2に示す通り、冷媒14が沸騰し始めてコイル13の周辺では液体状態の冷媒14と気体状態の冷媒14とが共存する状態になる。一般に、物質が沸騰している状態で、その物質の液体状態と気体状態とが共存する場合には、全ての液体が気化するまでその物質は一定温度に保たれる。つまり、冷媒14が全て気化しない限り、第1ジャケット11内部の温度はほぼ一定温度T[℃]になる。
一方、第1ジャケット11の上部では、気化状態の冷媒14が第2ジャケット12内を流れる冷媒によって冷却され、これにより気化状態の冷媒14が再び液体状態になって第1ジャケット14の下方に戻る。これにより、第1ジャケット11内においては液体状態の冷媒14が無くなることはない。従って、第1ジャケット11内部の温度は常時ほぼ一定温度T[℃]に保たれ、この結果として第1ジャケット11の表面温度もほぼ一定温度になる。以上の作用により第1ジャケット11の内部及び表面に温度分布が生じないため、周囲に設けられた機器及び部材に空気の揺らぎ等の熱的な影響を及ぼすことはない。
〔第2実施形態〕
図3は、本発明の第2実施形態による電機子ユニットを備える電磁アクチュエータの断面矢視図である。尚、図3においては、図2に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。図3に示す電磁アクチュエータ2は図2に示す電磁アクチュエータ1と同様に電機子ユニット及び発磁体ユニットを備えるが、電機子ユニットの構成が異なる。電磁アクチュエータ2に設けられる電機子ユニット30は、図3に示す通り、第1ジャケット31a,31b、第2ジャケット32、y方向に沿って配列された複数のコイル13、及び冷媒34a,34bを含んで構成されている。電機子ユニット30に設けられるコイル13の構成及び配列は図2に示す電磁アクチュエータ1に設けられるコイル13の構成及び配列と同一である。
本実施形態では、これら複数のコイル13の一側面に第1ジャケット31aが取り付けられ、他側面に第1ジャケット31bが取り付けられる。第1ジャケット31a,31bは、図2に示す第1ジャケット11と同様に、熱伝導性が高い非磁性SUS材で形成された矩形の環状断面を有する部材であって、その内部に冷媒34a,34bをそれぞれ密閉した状態で収容する。尚、第1ジャケット31a,31bは、図2に示す第1ジャケット11よりも幅狭である。尚、第1ジャケット31a,31bは非磁性SUS材に限られる訳ではなく、非磁性であってSUS材程度又はそれ以上のヤング率を有する材質で形成することが好ましい。また、渦電流発生による粘性抵抗を考慮してCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やセラミックス等で形成することも可能である。
但し、第1ジャケット31a,31bは、コイル13に直接取り付けられるため絶縁性を有する必要がある。このため、セラミックス等の絶縁材料を用いて形成された第1ジャケット31a,31bを用いることが好ましい。しかしながら、第1ジャケット31a,31bとコイル13とを取り付ける際に、これらの間に薄い絶縁性フィルムを挟むことで、導電性を有するとともに熱伝導体が高いSUS等の金属を用いて形成された第1ジャケット31a,31bを用いることができる。
冷媒34a,34bは、第1実施形態の冷媒14と同様に、沸点がほぼ常温(25℃)に設定された状態で、且つ気液混合状態で第1ジャケット31a,31bの各々に密閉収容される。尚、図3においては、第1ジャケット31a,31bの内部を殆ど満たす状態で冷媒34a,34bが第1ジャケット31a,31bの各々に収容されている状態を図示しているが、これほど多量の冷媒34a,34bを収容する必要はなく、第1ジャケット31a,31bの内部において気体状態の冷媒34a,34bと液体状態の冷媒34a,34bとが存在していれば良い。冷媒34a,34bは、第1実施形態で説明した冷媒14と同じものを用いることができる。
第2ジャケット32は、SUS材で形成された略矩形の環状断面を有する部材であって、第1ジャケット31a,31bの上部を内部に包含するように第1ジャケット31a,31bの上部に当接した状態で取り付けられる。この第2ジャケット32には、図1に示した冷媒導入口15及び冷媒排出口16と同様のものが設けられており、その内部を冷媒が循環(流動)される。第2ジャケット32に導入される冷媒は、第1実施形態で説明した第2ジャケット12に導入される冷媒と同じ熱容量の大きなものを用いることができる。尚、第2ジャケット32については、第1実施形態と同様に断熱性を有する材料を用いて形成し、又は断熱材等により断熱性を持たせることが望ましい。
本実施形態の電磁アクチュエータ2において、コイル13に電流が供給されてコイル13が発熱すると、コイル13から発せられた熱はコイル13に取り付けられた第1ジャケット31a,31bに伝わり第1ジャケット31a,31bに収容された冷媒34a,34bをそれぞれ加熱する。第1ジャケット34a,34bに収容された冷媒34a,34bが沸点付近まで加熱されると、図3に示す通り、冷媒34a,34bが沸騰し始める。気体状態の冷媒34a,34bは、それぞれ第1ジャケット34a,34bの上部において第2ジャケット32内を流れる冷媒によって冷却され、これにより気化状態の冷媒34a,34bが再び液体状態になって第1ジャケット31a,31bの下方に戻る。これにより、第1ジャケット31a,31bの内部の温度は常時ほぼ常温に保たれ、この結果として第1ジャケット31a,31bの表面温度もほぼ一定温度になる。以上の作用により第1ジャケット11の内部及び表面に温度分布が生じないため、周囲に設けられた機器及び部材に空気の揺らぎ等の熱的な影響を及ぼすことはない。
本実施形態の電磁アクチュエータ2に設けられる電機子ユニット30は、コイル13の側面の各々に第1ジャケット31a,31bを取り付けた構成であるため、第1実施形態で説明した第1ジャケット11の内部にコイル13を収容した電機子ユニット10に比べて構造が簡単である。このため、電機子ユニット30の製造が容易となり、製造コストの低減を図ることができる。
〔第3実施形態〕
図4,図5は、本発明の第3実施形態による電機子ユニットを備える電磁アクチュエータの断面矢視図である。尚、図4及び図5においては、図2に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。図4及び図5に示す電磁アクチュエータ3は図2に示す電磁アクチュエータ1と同様に電機子ユニット及び発磁体ユニットを備えるが、電機子ユニットの構成が異なる。図4に示す電磁アクチュエータ3に設けられる電機子ユニット40及び図5に示す電磁アクチュエータ4に設けられる電機子ユニット50は、第1実施形態と同様にy方向に沿って配列されたコイル13及び冷媒14を収容する第1ジャケット11を備えているが、第1ジャケット11の上部に設けられた第2ジャケット12が省略されている。
図4に示す電機子ユニット40は、省略された第2ジャケット12に代えて第1ジャケット11の内部に第2ジャケット41が設けられており、図5に示す電機子ユニット50は、省略された第2ジャケット12に代えて第1ジャケット11の内部に第2ジャケット51,52が設けられている。第2ジャケット41,51,52は、円環状のSUS材等から形成された部材であって、第1ジャケット11をy方向に貫通するように取り付けられている。図4に示す電機子ユニット40において、第2ジャケット41はコイル13の側面に沿ってy方向に延びるよう配置され、図5に示す電機子ユニット50において、第2ジャケット51,52はコイル13の上方及び下方においてそれぞれy方向に延びるよう配置されている。図4及び図5に示す例では第2ジャケット41,52が液体状態の冷媒14と直接接するよう配置され、第2ジャケット51が気体状態の冷媒14と直接接するよう配置される。
本実施形態においても冷媒14を第1ジャケット11内に密閉収容する必要があるため、第2ジャケット41,51,52が第1ジャケット11のzx面に平行な面を貫通している部位にはシール処理が施されている。これらの第2ジャケット41,51,52には、第1ジャケット11の外側において図1に示した冷媒導入口15及び冷媒排出口16と同様のものが設けられており、その内部を冷媒が循環(流動)される。第2ジャケット41,51,52に導入される冷媒は、第1実施形態で説明した第2ジャケット12に導入される冷媒と同じ熱容量の大きなものを用いることができる。この、第2ジャケット41,51,52は、冷媒14に直接接して冷媒14を冷却するため、熱伝導性が高い材質で形成されていることが望ましい。
本実施形態の電磁アクチュエータ3,4において、コイル13に電流が供給されてコイル13が発熱すると、コイル13から発せられた熱により冷媒14が加熱される。冷媒14が沸点付近まで加熱されると沸騰し始める。図4に示す電磁アクチュエータ3においては第2ジャケット41によって第1ジャケット11内に密閉収容された液体状態の冷媒14が冷却される。他方、図5に示す電磁アクチュエータ4においては第2ジャケット52によって第1ジャケット11内に密閉収容された液体状態の冷媒14が冷却され、第2ジャケット51によって第1ジャケット11内の期待状態の冷媒14が冷却される。これにより気化状態の冷媒14が再び液体状態になり、第1ジャケット11の内部の温度は常時ほぼ常温に保たれ、この結果として第1ジャケット11の表面温度もほぼ一定温度になる。以上の作用により第1ジャケット11の内部及び表面に温度分布が生じないため、周囲に設けられた機器及び部材に空気の揺らぎ等の熱的な影響を及ぼすことはない。
尚、図5では、電機子ユニット50において第2ジャケット51,52をコイル13の上方及び下方に配置した場合を例に挙げて説明したが第2ジャケット51,52のうちの何れか一方のみを設けた構成であっても良い。また、図4及び図5に示す例では、コイル13及び冷媒14を第1ジャケット11に密閉収容し、第1ジャケット11の内部に第2ジャケット41,51,52を設けていた。しかしながら、図3に示す第2実施形態のように、コイル13に対して冷媒が密封収容された第1ジャケットを当接させた構成にし、この第1ジャケットの内部に第2ジャケット41,51,52と同様のものを設けた構成であっても良い。
尚、以上説明した第1〜第3実施形態においては、y方向にコイル12及び磁石22,23を配列して、電機子ユニット10,30と発磁体ユニット20との相対方向をy方向に設定していたが、コイル12及び磁石22,23の配列方向をz方向に設定すれば、電機子ユニット10,30と発磁体ユニット20との相対方向をz方向にすることができる。また、第1,第2実施形態においては、第1ジャケット11,31a,31bに収容された冷媒14,34a,34bを冷却するために第1ジャケット11,31a,31bの外部に第2ジャケット12,32を当接させて、第2ジャケット12,32内に冷媒を循環させていた。しかしながら、第2ジャケット12,32に代えてペルチェ素子を第1ジャケット11,31a,31bに貼付して第1ジャケット11,31a,31bに収容された冷媒14,34a,34bを冷却してもよい。
〔アクチュエータ装置〕
図6は、本発明の実施形態による電磁アクチュエータを備えるアクチュエータ装置を示す概要図である。図6に示すアクチュエータ装置60は、支持部61、磁気装置62,63、ボイスコイルモータ(VCM)64、及びテーブル65を含んで構成される。支持部61に設けられた支柱66には、案内部である板バネ67が設けられ、テーブル65を支えるとともに、テーブル65が上下方向のみに移動し、水平方向には移動しないようにしている。
テーブル65は、VCM64によって駆動される。このVCM64として前述した電磁アクチュエータ1〜4が用いられる。尚、図6においては、電磁アクチュエータ1をVCM64として用いた場合を例に挙げて図示している。このVCM64はコイル及び冷媒を密閉収容する第1ジャケット及び第1ジャケットの上部に設けられた第2ジャケットを備える電機子ユニット68と、電機子ユニット68を磁石が挟むように設けられた発磁体ユニット69とからなる。図6に示す例では電機子ユニット68は可動子に設定され、発磁体ユニット69が固定子に設定されている。尚、図6においては、発磁体ユニット69に設けられた磁石は図中の符号STを付して示す矢印の方向に配列されており、可動子としての電機子ユニット68は矢印ST方向に移動する。尚、矢印ST方向は上下方向であり、テーブル65は支持部61上に配置される。
VCM64の電機子ユニット68に設けられたコイルに流す電流を調節することにより、テーブル65の上下方向(矢印ST方向)の位置制御を行うことができる。テーブル65の自重をVCM64の駆動力のみで支えようとすると、VCM64には常に大きな電流を流しておかなければならず、コイルの発熱量が大きくなり、消費電力が大きくなる。このため、図6に示すアクチュエータ装置60は、テーブル65の自重をキャンセルするとともに、テーブル65の移動に伴って発生する板バネ67の弾性力をキャンセルするために、磁気装置62,63及びコイルバネBを含んで構成される自重補正部を設けている。
磁気装置62は支持部61上に取り付けられた固定部71とテーブル65の裏面に取り付けられた可動部72とに大別される。固定部71は、上下方向に配置した円環状の第1,第2磁石ユニットを備えており、可動部72は固定部71の第1,第2磁石ユニット間に配置された円板形状のセンターヨークを備えている。磁気装置63も磁気装置62と同様の構成である。以上の構成の磁気装置62,63が発生する磁力とコイルバネBの弾性力が、ステージ65の自重と板バネ67の弾性力をキャンセルし、定常状態ではVCM64がこれらの力を補償しなくてもよいように構成されている。
〔ステージ装置〕
図7は、本発明の一実施形態によるステージ装置を示す斜視図である。尚、図7に示すステージ装置は、感光基板の一種である半導体ウェハを保持した状態で移動可能に構成されたステージ装置である。図7に示したステージ装置100においては、Yステージ100Yと、ウェハテーブル104との間に、図6に示したアクチュエータ装置60が配置されている。
ステージ装置100は、X軸及びY軸の2軸のX−Yステージ装置であり、ベース部102上をX方向(図中矢印Xで示す方向)に駆動されるXステージ100X、Y方向(矢印Yで示す方向)に駆動されるYステージ100Y、及びウェハテーブル(試料台)104、並びにYステージ100Yとウェハテーブル104との間でシフト量を調整するための図示せぬアクチュエータ装置を主たる構成要素としている。
ここでウェハテーブル104は、Yステージ100Y上に配置され、このウェハテーブル104に図示せぬウェハホルダを介して感光基板の一種であるウェハWが搭載される。このウェハWの上方には、図示しない照射部が配置されており、照射部からマスク(共に図示省略)を介して照射された露光光によって、ウェハW上に予め塗布されたレジスト(図示省略)に、マスク上の回路パターンが転写されるようになっている。
ステージ装置100におけるXステージ100X及びYステージ100Yの移動量は、各々、ウェハテーブル104のX方向の端部、Y方向の端部に固定された移動鏡105X,105Yと、これに対向するように、ベース部102に各々固定されたレーザ干渉計106X,106Yとによって計測される。そして、主制御装置(図示省略)が、この計測結果を基に、ウェハテーブル104をベース部102上の所望の位置に移動制御するようになっている。
このステージ装置100のXステージ100X、Yステージ100Yは、固定子111及び可動子112を含んで構成されるリニアモータ110、及び固定子121及び可動子122を含んで構成されるリニアモータ120によって、ベース部102上をX方向、Y方向にそれぞれ駆動される。これらのリニアモータ110,120として前述した電磁アクチュエータ1〜4が用いられる。ここで、2つのリニアモータ110の固定子111は、共にベース部102上に固定され、可動子112は、固定板107を介してXステージ100Xにそれぞれ固定されている。
また、リニアモータ120の固定子121は共にXステージ100Xに固定され、可動子122(一方のみ図示)はYステージ100Yに固定されている。各可動子112,122は、その内部に設けられた流路(前述した第2ジャケット)に流される温度調整用の冷却媒体によって冷却されるが、この冷却媒体は、温度調節機131にて温度調節される。尚、可動子112,122と温度調節機131とは、吐出配管132、配管133等によって接続されている。吐出配管132及び配管133は、可動子112,122の移動を妨げないよう可撓性を有していることが望ましい。尚、図7においては、図面の複雑化を避けるために吐出配管132及び配管133を簡略化して図示している。また、ステージ装置100には、エアガイド140と静圧気体軸受(図示省略)とが設けられており、エア吹き出し口141及びエア吸引口142によって静圧空気軸受式のステージが構成されている。
〔露光装置〕
次に、以上説明したステージ装置を備える露光装置について説明する。図8は、露光装置の概略構成を示す図である。尚、本実施形態の露光装置200は、いわゆるステップ・アンド・スキャン露光方式の走査型露光装置である。露光装置200は、図8に示す通り、照明系ILSと、レチクル(フォトマスク)Rを保持するレチクルステージRSTと、投影光学系PLと、ウェハ(感光基板)WをX−Y平面内でX方向−Y方向の2次元方向に駆動するステージ装置としてのウェハステージWSTと、これらを制御する主制御装置MCSとを含んで構成される。照明系ILSは、不図示の光源ユニット(例えば、超高圧ハロゲンランプ又はエキシマレーザ等のレーザ光源)から射出された露光光の整形及び照度分布の均一化を行ってレチクルR上の矩形(又は円弧状)の照明領域IARに均一な照度で照射する。
レチクルステージRSTでは、ステージ可動部201がレチクルベース(図示省略)上を所定の走査速度で所定の走査方向に沿って移動する。また、ステージ可動部201の上面にはレチクルRが、例えば真空吸着により保持される。更に、ステージ可動部201のレチクルRの下方には、露光光通過穴(図示省略)が形成されている。
このステージ可動部201の端部には反射鏡202が配置されており、この反射鏡202の位置をレーザ干渉計203が測定することにより、ステージ可動部201の位置を検出する。レーザ干渉計203の検出結果はステージ制御系SCSへ出力される。ステージ制御系SCSは、レーザ干渉計203の検出結果と、可動部201の移動位置に基づく主制御装置MCSからの制御信号に基づいて、ステージ可動部201を駆動する。
投影光学系PLは、例えば縮小倍率がα(αは、例えば4又は5)である縮小光学系であり、レチクルステージRSTの下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向に設定されている。ここではテレセントリックな光学配置となるように光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されている。尚、レンズエレメントは、光源ユニットから射出される光の波長に応じて適切なものが選択される。上記照明系ILSによりレチクルRの照明領域IARが照明されると、レチクルRの照明領域IAR内の回路パターンの縮小像(部分倒立像)が、ウェハW上の照明領域IARに共役な露光領域IAに形成される。
尚、ウェハステージWSTは、ベース部212(図7中のベース部102に相当する)と、このベース部212の上面の上方に設けられたテーブル211(図7中のウェハテーブル104に相当する)とを備え、テーブル211をX−Y面内で2次元方向に駆動するものである。テーブル211には図6に示したアクチュエータ装置が組み込まれており、テーブル211のチルト方向の駆動等を行うようになっている。また、テーブル211をXY面内で移動させるために図7に示すステージ装置100がウェハステージWSTに組み込まれている。ここでテーブル211には、露光処理時、その上面にウェハ(基板)Wが、例えば真空吸着によって保持される。尚、図7に示したステージ装置100に代えて、ベース部212と、このベース部212の上面の上方に数μm程度のクリアランスを介して浮上されるテーブル211と、このテーブル211を移動させる平面モータとを備えた構成のステージ装置を用いることもできる。
テーブル211の一端には移動鏡213が固定されており、レーザ干渉計214から移動鏡213へレーザビームが照射されて、テーブル211のX−Y面内における移動位置が検出される。レーザ干渉計214によって検出されたテーブル211の移動位置の情報は、ステージ制御系SCSを介して主制御装置MCSに送られる。そして、ステージ制御系SCSは、この情報に基づく主制御装置MCSからの指示に従って、ウェハステージWSTはテーブル211をX−Y面内の所望の位置に移動させる。
テーブル211は、図6に示したアクチュエータ(図8においては図示省略)によって異なる3点で支持されている。従って、テーブル211は、X方向、Y方向に駆動するのみならず、アクチュエータによりX−Y面に対して傾斜させたり、Z軸方向(上方)に駆動させることができるようになっている。
かかる構成のテーブル211を含む露光装置200においては、概ね、以下の手順で露光処理が行われる。先ず、レチクルRがレチクルステージRST上にロードされるとともに、ウェハWがテーブル211上にロードされ、次いで、レチクルアラインメント、ベースライン計測、アラインメント計測等が実行される。アライメント計測が終了すると、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われる。
露光動作にあたっては、レーザ干渉計203によるレチクルRの位置情報、レーザ干渉計214によるウェハWの位置情報に基づき、主制御装置MCSがステージ制御系SCSに指令を出し、レチクルステージRSTの電磁アクチュエータ及びリニアモータ(何れも図示省略)によってレチクルRを一定速度で移動させるとともに、ウェハWを一定速度(レチクルの移動速度の1/α)で移動させる。これによりレチクルRとウェハWとを同期移動させて、所望の走査露光が行われる。
このようにして、1つのショット領域に対するレチクルパターンの転写が終了すると、テーブル211が1ショット領域分だけステッピングされて、次のショット領域に対する走査露光が行われる。このステッピングと走査露光とが順次繰り返され、ウェハW上に必要なショット数のパターンが転写される。
以上説明した、露光装置200をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。図9は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造工程の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ステップS13(ウェハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図10は、半導体デバイスの場合における、図9のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。図10において、ステップS21(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウェハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、以上ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置にも適用可能である。更には、ミラープロジェクション方式、プロキシミティ方式、コンタクト方式等の露光装置に適用することが可能である。また、上記実施形態では、図7に示すステージ装置100をウェハステージWSTに設けた場合を説明したが、レチクルステージRSTのみに設けることも、ウェハステージWSTとレチクルステージRSTとの両方に設けることもできる。
また、以上では半導体素子を製造する場合を例に挙げて説明したが、もちろん、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけではなく、液晶表示素子等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラス基板上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用することができる。更には、半導体素子等のマイクロデバイスだけではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウェハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
本発明の第1実施形態による電機子ユニットを備える電磁アクチュエータの概略構成を示す斜視図である。 図1中のA−A線の断面矢視図である。 本発明の第2実施形態による電機子ユニットを備える電磁アクチュエータの断面矢視図である。 本発明の第3実施形態による電機子ユニットを備える電磁アクチュエータの断面矢視図である。 本発明の第3実施形態による電機子ユニットを備える電磁アクチュエータの断面矢視図である。 本発明の実施形態による電磁アクチュエータを備えるアクチュエータ装置を示す概要図である。 本発明の一実施形態によるステージ装置を示す斜視図である。 露光装置の概略構成を示す図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。 半導体デバイスの場合における、図9のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。
符号の説明
10 電機子ユニット
11 第1ジャケット(第1冷却部)
12 第2ジャケット(第2冷却部)
13 コイル
14 冷媒
20 発磁体ユニット
22,23 磁石(発磁体)
30 電機子ユニット
31a,31b 第1ジャケット(第1冷却部)
32 第2ジャケット(第2冷却部)
34a,34b 冷媒
40 電機子ユニット
41 第2ジャケット(第2冷却部)
50 電機子ユニット
51,52 第2ジャケット(第2冷却部)
100 ステージ装置
104 ウェハテーブル
200 露光装置
R レチクル(マスク)
RST レチクルステージ(マスクステージ)
W ウェハ(基板)
WST ウェハステージ(基板ステージ)

Claims (10)

  1. コイルを備える電機子ユニットであって、
    沸点がほぼ常温に設定された状態の冷媒を気液混合状態で密閉収容し、前記コイルを冷却する第1冷却部と、
    気体状態の前記冷媒を冷却して液化する第2冷却部と
    を備えることを特徴とする電機子ユニット。
  2. 前記第1冷却部は、前記冷媒を密閉収容した空間が負圧に保たれていることを特徴とする請求項1記載の電機子ユニット。
  3. 前記第1冷却部は、前記冷媒とともに前記コイルを収容することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電機子ユニット。
  4. 前記第1冷却部は、前記コイルに接触した状態に取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電機子ユニット。
  5. 前記第2冷却部は、前記第1冷却部の外部に当接して設けられることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電機子ユニット。
  6. 前記第2冷却部は、前記第1冷却部内部に設けられ、前記冷媒の気体部分に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電機子ユニット。
  7. 前記第2冷却部は、前記冷媒と異なる第2の冷媒が内部を流動することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の電機子ユニット。
  8. 請求項1から請求項7の何れか一項に記載の電機子ユニットと、
    発磁体を有し、前記電機子ユニットとの間で相対移動可能な発磁体ユニットとを備え、
    前記電機子ユニットによって固定子又は可動子が構成され、前記発磁体ユニットによって可動子又は固定子が構成されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  9. 所定の方向に移動可能なステージを備えるステージ装置であって、
    前記ステージの駆動手段として請求項8記載の電磁アクチュエータを備えることを特徴とするステージ装置。
  10. マスクを保持するマスクステージと、基板を保持する基板ステージとを備え、前記マスクに形成されたパターンを前記基板上に転写する露光装置であって、
    前記マスクステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方として請求項9記載のステージ装置を備えることを特徴とする露光装置。
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