JP2006005664A - フェージング周波数推定装置およびその推定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定装置において、異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の大きさを算出する演算手段と、算出した複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する推定手段とを備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
したがって、このような受信局は、例えば、上述したフェージングの周波数が高いほどチャネル推定に供され、かつ積分されるパイロット信号の長さを短縮することによって、そのチャネル推定の精度の低下を軽減すると共に、そのフェージングの周波数および受信波の電力に適応した値に送信電力を維持することによって、無線周波数の有効利用に併せて、単位周波数当たりに収容可能な端末の台数の確保が図られている。
図において、周波数変換部81の入力には受信された受信波が入力され、その周波数変換部81の局発入力には局部発振器82の出力が接続される。この周波数変換部81の出力はA/D変換器83の入力に接続され、そのA/D変換器83の出力はフェージング周波数推定装置84の入力と、チャネル推定部85および同期検波部86の第一の入力とに接続される。フェージング周波数推定装置84の出力にはフェージング周波数が得られ、得られたフェージング周波数はチャネル推定部85の第二の入力に与えられる。このチャネル推定部85の出力は同期検波部86の第二の入力に接続され、その同期検波部86の出力には検波信号が出力される。
・ 初段に配置されたパイロットシンボル平均化部91
・ このパイロットシンボル平均化部91の出力に入力が接続された遅延部92
・ その遅延部92の出力と上述したパイロットシンボル平均化部91の出力とに第一および第二の入力がそれぞれ接続された内積算出部93
・ この内積算出部93の出力に縦続接続された平均化部94および判定部95
このような構成の受信局では、周波数変換部81は、局部発振器82によって生成された規定の周波数の局発信号に基づいて受信波を周波数変換することによって、互いに直交する2つのチャネルI,Q(同相成分および直交成分)に個別に対応するベースバンド信号を生成する。A/D変換器83は、これらのベースバンド信号をそれぞれA/D変換することによって、ディジタル領域におけるベースバンド信号i,qを生成する。
遅延部92は、このようなベースバンド信号i′、q′で示されるパイロットシンボルに、例えば、そのパイロットシンボルが移動局から送信される周期τに等しい遅延を与える。内積算出部93は、遅延部92と連係することによって、時間上で周期τに等しい時間遅れて順次受信された2つのパイロットシンボルの内積を算出する。
平均化部94は、上述した移動局との間に形成された無線伝送路においてこれらのパイロットシンボルに重畳され、振幅の平均値が0と見なせる雑音(白色雑音)の成分を積分することによって抑圧する。
また、全ての方向に放射された移動局からの送信波が移動局の周りの散乱体に反射されて同じくらいの電力で基地局に入射すると統計的に見なせる場合、基地局の受信波について同様に(1) 式が成り立つ。
ρ(τ)=J0(2πfτ) ・・・(1)
さらに、判定部95は、上述したように平均化部94を介して与えられる内積値に基づいてこの時間相関テーブルを参照し、その内積値を上回り、かつ最小である(あるいは、このベースバンドに対する偏差が最小である)時間相関値ρ(τ)を特定し、特定した時間相関値ρ(τ)に対応する値として既述の受信波のフェージング周波数fを推定する。なお、以下では、このように時間相関テーブルを参照することによってフェージング周波数fを推定する処理を閾値判定という。
同期検波部86は、このようにして推定されたチャネル推定の下で上述したベースバンド信号i,qを同期検波することによって、検波信号を生成する。
なお、本願発明に関連する先行技術としては、後述する特許文献1〜5にそれぞれ開示された下記の技術がある。
・ 共通の受信系に接続され、かつマルチパス毎に逆拡散を行う複数の逆拡散器から出力された信号を、マルチパス毎に生じた位相差を保持したまま合成して合成信号を生成し、その合成信号の自己相関値と予め定められた閾値との大小関係に基づいてフェージングピッチを検出する「フェージングピッチ検出装置およびこれを用いた携帯情報端末」
・ 受信されたベースバンド信号をディジタル化することによって得られたディジタルベースバンド信号を時間的にずらした拡散信号で逆拡散した相関信号の検波を行い、その結果を示す信号から、送信されたものと推定された信号と相関値信号との相関をとることによってフェージング信号を逐次推定する「周波数オフセット補正装置」
・ 各パイロットシンボルP0〜PS毎に、前後の隣接パイロットシンボルと同相加算器で加算することによってシンボル毎のチャネル推定値を生成し、パイロット信号が送信されない区間に対してその区間の直前および直後のシンボル単位のチャネル推定値を生成すると共に、これらのチャネル推定値の複素共役をデータシンボルに乗じることによってチャネル補償に併せて、スロット単位のチャネル推定値の算出を行い、さらに、フェージング周波数または受信品質に応じてスロット単位またはシンボル単位のチャネル推定値を選択して上記の同相加算に適用される重み係数を制御する「CDMA受信機」
・ 最小スロット遅延による遅延検波出力対応のスロット時間相関値を分母として、他のスロット時間相関値を分子としてフェージング周波数推定値を求める(内積値が閾値との大小関係の判別に先行して正規化される)ことによって、雑音に対する耐性を強化し、そのフェージング周波数推定値をサーチャ部、重み係数制御部、SIR推定部に入力することによって重み付け合成等の制御を行う「フェージング周波数推定回路および該回路を備えたCDMA受信装置」
・ パイロットシンボルの内積値に基づいて判定したフェージング周波数に応じて重み付け係数を変化させる「チャネル推定装置および方法、復調装置および方法、ならびにフェージング周波数判定装置および方法」
したがって、閾値判定に供される内積値は、上述した第一および第二の偏差に起因するパイロットシンボルの位相の誤差が補正された後に求められなければならなかった。
また、近年、移動通信システムでは、高度に進展したディジタル信号処理等が適用されることによる性能や付加価値の向上が厳しく要求され、受信波のフェージング周波数を安価に、精度よく求めることが強く要望されつつある。
このようにフェージング周波数の推定に供される2つのシンボルの複素積の大きさは、これらのシンボルの間における振幅の相関性を意味し、これらのシンボルの位相の偏差に依存しない。さらに、従来例においてこの複素積の大きさに代えて求められていた内積の算出に要する処理量は、一般に、その複素数積の大きさの算出に要する処理量より少ないが、上述した2つのシンボルの位相の誤差の補正には、これらの処理量の差より大幅に多くの処理量を要する三角関数の値の算出が必要である。
また、本発明では、平均化手段は、異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の実数部の平均化および虚数部の平均化を行う。演算手段は、このようにして平均化された複素積の大きさを算出する。
したがって、フェージング周波数の推定の精度が高められる。
さらに、本発明では、第1の演算手段は、第1の遅延量を有し異なる2つのシンボルの第1の複素積の大きさを算出する。第2の演算手段は、第2の遅延量を有し異なる2つのシンボルの第2の複素積の大きさを算出する。正規化手段は、第1の複素積の大きさで第2の複素積の大きさを正規化する。推定手段は、正規化された複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する。
したがって、フェージング周波数の推定の精度が高められる。
また、本発明では、複数の演算手段は、異なる遅延量を有し異なる2つのシンボルの複素積の大きさを算出する複数の演算手段であって、1つは基準とする複素積の大きさを算出し、他方は非基準の複素積の大きさを算出する。第1の推定手段は、基準となる複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する。第2の推定手段は、第1の推定手段により推定されたフェージング周波数に基づいて非基準の複素積の大きさのうち1つを選択し、選択された非基準の複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する。
したがって、フェージング周波数の推定の精度が高められる。
このようにフェージング周波数の推定に供される2つのシンボルの複素積の大きさは、これらのシンボルの間における振幅の相関性を意味し、これらのシンボルの位相の偏差に依存しない。さらに、従来例においてこの複素積の大きさに代えて求められていた内積の算出に要する処理量は、一般に、その複素数積の大きさの算出に要する処理量より少ないが、上述した2つのシンボルの位相の誤差の補正には、これらの処理量の差より大幅に多くの処理量を要する三角関数の値の算出が必要である。
また、本発明では、算術演算手段は、共通の信号点に対応し、かつ異なる時点に受信された2つのシンボルの複素領域における積の大きさmを求める。推定手段は、異なる時点の時間軸上の差τと、2つのシンボルの伝送に供された搬送波の波長λとに依存するこれらのシンボルの間における時間相関値の絶対値に大きさmが相当する値として、フェージング周波数を推定する。
さらに、本発明では、算術演算手段は、共通の信号点に対応し、かつ時系列の順に異なる時点t1,t2,t3 に個別に受信された3つのシンボルの内、第一のシンボルと第二および第三のシンボルとの複素領域における個別の積の大きさm1、m2の比r(=m2/m1)を求める。推定手段は、異なる時点t1,t3 の時間軸上の差τ(=t3−t1)と、3つのシンボルの伝送に供された搬送波の波長λとに依存する第一および第三のシンボルの間における時間相関値の絶対値に比rが相当する値として、フェージング周波数を推定する。
したがって、フェージング周波数の推定の精度が高められる。
また、本発明では、位相偏差算出手段は、複素領域における個別の積の位相角の平均値、またはこれらの位相角の変化率の平均値を求める。
したがって、上述した第二の発明が適用された場合であっても、これらの位相偏差や周波数偏差に適応した所望の処理が可能となる。
したがって、上述した帯域に個別に適応した時間軸上の差および時間相関値が予め求められる場合には、これらの帯域の数が多いほど精度よくフェージング周波数の推定の精度が高められる。
すなわち、算術演算手段の処理量は、「第一のシンボルと第三ないし第pのシンボルとの複素領域における個別の積の大きさm2〜mp-1の何れかを求める処理」が上述した特定の帯域が特定される前に開始される場合より、減少する。
したがって、内積と周波数偏差との双方もしくは何れか一方が既存のハードウエアやソフトウエアによって求められる受信局であっても、これらのハードウエアやソフトウエアの有効活用の下で本発明の適用が可能となる。
したがって、内積と周波数偏差との双方もしくは何れか一方が既存のハードウエアやソフトウエアによって求められる受信局であっても、これらのハードウエアやソフトウエアの有効活用の下で本発明の適用が可能となる。
すなわち、フェージング周波数の推定に供される上記の複素領域における積の大きさは、伝搬路がマルチパスとして構成される場合であっても、これらのマルチパスを介して到来した受信波の電力が有効に活用されることによって求められる。
また、本発明では、フェージング周波数の推定の精度が高められる。
さらに、本発明では、上述した第二の発明が適用された場合であっても、受信波の位相偏差や周波数偏差が求められ、これらの位相偏差や周波数偏差に適応した所望の処理が可能となる。
さらに、本発明では、内積と周波数偏差との双方もしくは何れか一方が既存のハードウエアやソフトウエアによって求められる受信局であっても、これらのハードウエアやソフトウエアの有効活用の下で本発明の適用が可能となる。
また、本発明では、伝搬路の特性の多様な変動に対する柔軟な適応が図られ、かつフェージング周波数の推定の精度が高められる。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態を示す図である。
図において、周波数変換部81の入力には受信された受信波が入力され、その周波数変換部81の局発入力には局部発振器82の出力が接続される。この周波数変換部81の出力はA/D変換器83の入力に接続され、そのA/D変換器83の出力はフェージング周波数推定装置10の入力と、チャネル推定部85および同期検波部86の第一の入力とに接続される。フェージング周波数推定装置10の出力にはフェージング周波数が得られ、得られたフェージング周波数はチャネル推定部85の第二の入力に与えられる。このチャネル推定部85の出力は同期検波部86の第二の入力に接続され、その同期検波部86の出力には検波信号が出力される。
・ 初段に配置されたパイロットシンボル平均化部91
・ このパイロットシンボル平均化部91の出力に入力が接続された遅延部92
・ その遅延部92の出力と上述したパイロットシンボル平均化部91の出力とに第一および第二の入力がそれぞれ接続された複素積算出部11
・ この複素積算出部11の出力に縦続接続された平均化部94、大きさ算出部12および判定部13
図2は、本発明の第一および第三の実施形態の動作を説明する図である。
A/D変換器83は、従来例と同様に周波数変換された受信波をA/D変換することによって、ディジタル領域で互いに直交する2つのチャネルI,Qに個別に対応するベースバンド信号i,qを生成する。
フェージング周波数推定部10では、パイロットシンボル平均化部91は、上述した受信波として到来した既知のパイロットシンボルに該当する2つの直交した部分ベースバンド信号i′、q′を入力し、同相成分、直交成分毎に平均化して雑音を抑圧したパイロット信号を生成する。
C=(PK,i+jPK,q)(Pn,i+jPn,q)* ・・・(2)
平均化部94は、上述した移動局との間に形成された無線伝送路の特性の変動に応じてこの複素積Cに重畳され、平均値が「0」と見なせる雑音(白色雑音)を積分することによって抑圧する。
S=|(PK,i+jPK,q)(Pn,i+jPn,q)*|2
=[(PK,iPn,i+PK,qPn,q)2+(PK,qPn,i−PK,iPn,q)2]・・・(3)
判定部13は、図3(a) に示すように、受信波のフェージング周波数fの推定値と、『「その推定値と上記のインターバルτと定係数2πとの積」に対して定まる既述の時間相関値ρ(τ)』の二乗値との対の列が離散的に予め登録された二乗値テーブル13Tを有する。
さらに、上述した二乗値Sの変化率は、一般に、フェージング周波数が低い領域であっても、既述の内積の変化率に比べて大きい。
PI =PK,iPn,i+PK,qPn,q ・・・(4)
しかし、本実施形態では、上式(3)、(4) で示される算術演算の処理量の差に比べて、大幅に大きな処理量を要する三角関数の値の算出を伴うパイロットシンボルの位相誤差の補正が不要となる。
なお、本実施形態では、パイロットシンボルの送信側との間に形成される無線伝送路が単一のパスとして形成されることを前提として求められた単一の複素積の絶対値に基づいて二乗値テーブル13Tが参照されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、既述の時間相関値ρ(τ)の絶対値のように、上記の二乗値と同様にパイロットシンボルの位相偏差に依存しない値がこれらの二乗値に代えて適用されてもよい。
[第二の実施形態]
図5は、本発明の第二の実施形態を示す図である。
・ 初段に配置されたパイロットシンボル平均化部91
・ このパイロットシンボル平均化部91の出力に入力が接続された遅延部92-1、92-2
・ 遅延部92-1の出力と上述したパイロットシンボル平均化部91の出力とに第一および第二の入力が接続された複素積算出部11-1
・ 遅延部92-2の出力と上述したパイロットシンボル平均化部91の出力とに第一および第二の入力が接続された複素積算出部11-2
・ 複素積算出部11-1の出力に縦続接続された平均化部94-1および大きさ算出部12-1
・ 複素積算出部11-2の出力に縦続接続された平均化部94-2および大きさ算出部12-2
・ 大きさ算出部12-1、12-2の出力に第一および第二の入力が接続された正規化部21
・ この正規化部21の出力に縦属接続され、かつ最終段に配置された判定部13
なお、以下では、遅延部92-1、複素積算出部11-1、平均化部94-1および大きさ算出部12-1から構成される系を「第一の系」と称し、かつ遅延部92-2、複素積算出部11-2、平均化部94-2および大きさ算出部12-2から構成される系を「第二の系」と称する。
第一の系は、図1に示す遅延部92、複素積算出部11、平均化部94および大きさ算出部12と同様に連係することによって、二乗値を算出する。なお、このような二乗値については、以下では、遅延部92-1に遅延時間として設定されたインターバルτに対応するので、「Sτ」と表記する。
このような第二の系は、上記の遅延時間tに基づいて、図1に示す遅延部92、複素積算出部11、平均化部94および大きさ算出部12と同様に連係することによって、二乗値Stを算出する。
判定部13は、その正規化二乗値Snに応じて既述の二乗値テーブル13Tと同様の構成をもつ、正規化二乗値に対応したフェージング周波数を登録した正規化二乗値テーブル32Tを参照することによって、その二乗値を上回り、かつ最小である(あるいは、この二乗値Snに対する偏差が最小である)「特定の二乗値」を特定すると共に、その「特定の二乗値」に対応する値として既述の受信波のフェージング周波数fを推定する。なお、以下では、この特定の二乗値を特定するために行われる処理については、「閾値判定」という。
すなわち、受信波の信号電力や雑音電力が変動する場合、正規化二乗値Snは、第一の実施形態において閾値判定に供される二乗値Sτに比べて、フェージングの相関をより精確に表す値である。
[第三の実施形態]
図6は、本発明の第三の実施形態を示す図である。
・ 平均化部94-1の出力に縦続接続された周波数偏差算出部22-1
・ 平均化部94-2の出力に縦続接続された周波数偏差算出部22-2
・ これらの周波数偏差算出部22-1、22-2の出力に第一および第二の入力がそれぞれ接続され、かつ出力に周波数偏差を出力する周波数偏差平均化部23
なお、以下では、上述した周波数偏差算出部22-1、22-2がそれぞれ既述の「第一の系」と「第二の系」とに含まれると仮定する。
周波数偏差算出22-1は、複素積算出部11-1によって算出され、かつ平均化部94-1を介して与えられる複素積C1(=Sτ1/2)の実部u(=PK,iPn,i+PK,qPn,q)と虚部v(=PK,qPn,i−PK,iPn,q)とを求める。
ところで、第一の系列に入力された2つのパイロットシンボルを示す受信波に、その受信波に適応した標準的な局発信号の周波数に対する局部発振器82の発振周波数の偏差と、無線伝送路において発生したドップラシフトとに起因して生じる位相の偏差Δφと、これらの2つのパイロットシンボルのインターバルがそのパイロットシンボルの周期で正規化された値kと、時系列を示す整数nと、上述した実部uと虚部vとの間には、図2の下部に示すように、一般に、下式(5) が成立する。
△φ・k=tan-1(v/u)+2π・n ・・・(5)
また、本実施形態が適用される無線通信システムにおいて発生し得る上記の周波数偏差の最大値の逆数に比べて十分に小さい値に、上記の複素積C1の算出に適用される2つのパイロットシンボルの時間軸上におけるインターバルτが設定された場合には、一般に、上記の整数nは「0」であると見なされるので、上式(5) は下式(6) に変形される。
△φ=tan-1(v/u)/k ・・・(6)
周波数偏差算出部22-1は、上式(6) で示される算術演算を行うことによって「第一の位相偏差」を求め、かつ時系列の順におけるその「第一の位相偏差」の変化率として「第一の周波数偏差」を求める。
周波数偏差平均化部23は、これらの「第一の周波数偏差」および「第二の周波数偏差」の平均値として上述した受信波の「周波数偏差」を求めることによって、受信波に重畳された雑音に起因してその「周波数偏差」に伴う精度の低下を軽減する。
なお、本実施形態では、周波数偏差算出部22-1、22-2は、上式(6) で示される算術演算を行うことによって、それぞれ周波数偏差を求めている。
しかし、これのような算術演算については、例えば、引数である実部uと虚部vとの対と、上述した値kとの双方または一部がとり得る値の組み合わせに対して予め算出された偏差Δφが登録されたテーブルがルックアップされることによって、処理量の削減が図られてもよい。
しかし、このような遅延時間は、短いほど第一の系によって求められる複素積C1の変化率が少ない点で望ましいが、必ずしも、このようなスロットの周期に設定されなくてもよい。
[第四の実施形態]
図7は、本発明の第四の実施形態を示す図である。
・ 初段に配置されたパイロットシンボル平均化部91
・ このパイロットシンボル平均化部91の後段に接続された「基準の系」(既述の第一の実施形態に備えられた遅延部92、複素積算出部11、平均化部94および大きさ算出部12から構成される。)
・ パイロットシンボル平均化部91の後段にその「基準の系」と共に並列に接続され、かつこの「基準の系」と基本的な構成が同じである「第一の系」ないし「第p(≧2)の系」
・ 「基準の系」の出力に縦続接続された一次判定部31
・ その「基準の系」の出力に一方の入力が上記の一次判定部31の入力と共に並列に接続された正規化部32-1〜32-p
・ これらの一次判定部31および正規化部32-2〜32-pの出力に接続された複数pの入力を有し、かつ出力にフェージング周波数を出力する二次判定部33
なお、以下では、上述した「第一の系」ないし「第p(≧2)の系」の要素については、符号に添え番号「1」〜「p」をそれぞれ付加して表記する。
以下、図7および図8を参照して本発明の第三の実施形態の動作を説明する。
「第一の系」ないし「第pの系」にそれぞれ備えられた遅延部92-1〜92-pには、推定されるフェージング周波数の値域が区分されてなる複数の部分帯域にそれぞれ対応し、該当する部分帯域において、フェージング周波数の推定値の精度が十分に高く確保される程度に、既述の時間相関値ρ(τ)の二乗値の変化率が大きな値となる、異なる遅延時間τ1〜τpが予め設定される。なお、以下では、これらの遅延時間τ1〜τpは、それぞれ最小であるτ1から昇順に設定され、かつ何れも「基準の系」(遅延部92)に設定された遅延時間τより大きいと仮定する。
一次判定部31は、正規化二乗値Sτを求め、その正規化二乗値Sτに基づいて図10に示す系番号テーブルを参照することによって、「Sτに対応した二次判定部33で使用する系」の番号を決定する。
二次判定部33は、このような番号で示される系のみの正規化二乗値Sτを算出し、その正規化二乗値Sτに基づいて図3(b) に示すテーブルを参照することによって、フェージング周波数を特定(推定)する。
第三の実施形態の別の動作を以下に述べる。
また、一次判定部31は、図3(a) に示すように、受信波のフェージング周波数fの推定値と、『「その推定値と既述のインターバルτと定係数2πとの積」に対して定まる既述の時間相関値ρ(τ)の二乗値S』との対の列が離散的に予め登録された二乗値テーブル31Tを有する。
さらに、二次判定部33は、図9に示すように、上記の「第一の系」ないし「第pの系」に対応し、かつこれらの系を個別に示す番号(「1」〜「p」の何れか)が格納された「番号」フィールドと、その「番号」フィールドの値で示される系に対応したフェージング周波数の部分帯域の範囲を示す「帯域」フィールドとから構成されたレコードの列である部分帯域テーブル33PBTを有する。
一方、「第一の系」ないし「第pの系」は、それぞれ遅延時間として上記のτ1〜τpが適用された点を除いて既述の第二の実施形態における「第二の系」と同様に、二乗値(以下、それぞれ「St-1」〜「St-p」と表記する。)を求める。
二次判定部33は、下記の処理を行う。
・ 上述した部分帯域テーブル33PBTのレコードの内、「帯域」フィールドの値で示される部分帯域(以下、「特定部分帯域」という。)に、このようにして推定されたフェージング周波数fが属するレコード(以下、「特定のレコード」という。)を特定する(図8(1))。
・ 上述した正規化二乗値Sn-1、…、Sn-pの内、この特定のレコードの「番号」フィールドの値に対応する正規化二乗値Snobj (以下、「特定正規化二乗値」という。)を特定する(図8(2))。
・ 二乗値テーブル33-1〜33-pの内、上述した特定のレコードの「番号」フィールドの値に対応する二乗値テーブル33obj (以下、「特定二乗値テーブル」という。)を特定する(図8(3))。
・ 上記の特定正規化二乗値Snobj に応じて特定二乗値テーブル33obj を参照し、その二乗値を上回り、かつ最小である(あるいは、この二乗値に対する偏差が最小である)「特定の二乗値」を特定する(図8(4))。
・ その「特定の二乗値」に対応する値として既述の受信波のフェージング周波数fをさらに高い精度で推定する(図8(5))。
なお、本実施形態では、フェージング周波数fの推定に適用される特定の二乗値テーブルの数が単一となっている。
また、本実施形態では、一次判定部31が設けられ、その一次判定部31によって粗く推測されたフェージング周波数を基準として既述の処理が二次判定部33によって行われることによって、フェージング周波数fが精度よく推定されている。
さらに、二次判定部33がこのような処理を行う場合には、「遅延部92、92-1〜92-pの遅延時間をフェージング周波数の推定値の精度を維持する自動制御や適応制御の下で設定し、かつ更新する処理」が二次判定部33によって併せて行われてもよい。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、応答性の低下が許容され、かつ受信波の伝搬路においてフェージング周波数を左右する要因が統計的に定常である場合には、例えば、既述の「特定部分帯域」が特定された後に、「第一の系」ないし「第pの系」の内、その「特定部分帯域」に対応する単一の系の稼働が開始されてもよい。
さらに、本実施形態では、何れの部分帯域も重なることなく周波数軸上に配置されている。
[第五の実施形態]
図12は、本発明の第五の実施形態を示す図である。
・ 複素積算出部11に代えて内積算出部41が備えられる。
・ 遅延部92とこの内積算出部41との段間に周波数偏差補正部42が備えられる。
・ 大きさ算出部12が備えられず、内積算出部41の出力が平均化部94の入力に接続される。
遅延部92は、パイロットシンボル平均化部91によって生成された2つの直交した部分ベースバンド信号i′、q′で示されるパイロットシンボルに、例えば、そのパイロットシンボルが移動局からスロットの単位に送信される周期τに等しい遅延を与える。
周波数偏差補正部42は、受信されたパイロットシンボル(PK,i+jPK,q)と、そのパイロットシンボルに先行して受信され、かつ補正の対象となるパイロットシンボルを含むスロットの数nと、既述の位相の偏差Δφとに対して、下式(7)、(8) で実部PK,j′および虚部PK,q′がそれぞれ示される複素信号(PK,i′+jPK,q′)を生成することによって、下記の「第一の偏差」および「第二の偏差」の双方に起因する周波数偏差を補正する。
PK,i′=PK,icos(nΔφ)+jPK,qsin(nΔφ) ・・・(7)
PK,q′=−PK,isin(nΔφ)+jPK,qcos(nΔφ) ・・・(8)
・ 受信局に備えられた局部発振器82の発振周波数に伴う「第一の偏差」(受信局の局部発信器と送信局の局部発信器との間の周波数偏差)
・ この受信波の周波数に伝搬路で生じるドップラー効果に起因した「第二の偏差」
内積算出部41は、上記のベクトル信号(PK,i′+jPK,q′)と、後続して受信されたパイロットシンボル(Pn,i+jPn,q)とに対して下式(9) で示される内積PI ′を求める。
PI ′=PK,i′Pn,i+PK,q′Pn,q ・・・(9)
このような内積PI ′は、上述した周波数偏差が補償された後に算出されるので、既述の複素積Cと同様に、受信されたパイロットシンボル(PK,i+jPK,q)と、そのパイロットシンボルより時間軸上でτ後続して受信されたパイロットシンボル(Pn,i+jPn,q)との間における振幅の相関性を意味するが、これらのパイロットシンボルの位相の偏差に依存しない。
なお、本実施形態では、複素積算出部11に代えて内積算出部41が備えられ、その内積算出部41の前段に周波数偏差補正部42が備えられている。
・ 周波数補正部42が備えられ、かつ遅延部92の出力が内積算出部41の対応する入力に接続される。
・ 求められた内積の平均値un を余弦値(=cos(nΔφ))で除することによって位相偏差を抑圧する位相偏差除去部51が平均化部94の後段に備えられる。
しかし、このようなパイロットシンボルは、既述の複素積や内積を算出する複素演算が可能であるならば、これらのチャネルI、Qの何れか一方のみを介して受信されてもよい。
以下、上述した各実施形態に開示された発明を階層的・多面的に整理し、付記項として列記する。
(付記1) 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定装置において、
異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の大きさを算出する演算手段と、
前記算出した複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたフェージング周波数推定装置。
(付記2) 付記1に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記演算手段は、
異なる2つの期間毎に個別に受信された複数のシンボルの実部および虚部を平均することによって2つの複素数を求め、これらの2つの複素数を前記2つのシンボルとして前記複素積の大きさを求める
ことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記3) 付記1に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記演算手段は
異なる2つの期間毎に個別に受信された異なるシンボルの複素積の大きさの一方で他方を正規化し、その正規化の結果として前記2つのシンボルの複素積の大きさを求める
ことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記4) 付記1に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記推定手段によって推定されたフェージング周波数が高いほど、時間軸上で短い間隔隔たった異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の大きさを算出する再演算手段と、
前記再演算手段によって算出された複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する再推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記5) 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定方法において、
異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の大きさを算出し、前記算出した複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する
ことを特徴とするフェージング周波数推定方法。
(付記6) 共通の信号点に対応し、かつ異なる時点に受信された2つのシンボルの複素領域における積の大きさmを求める算術演算手段と、
前記異なる時点の時間軸上の差τと、前記2つのシンボルの伝送に供された搬送波の波長λとに依存するこれらのシンボルの間における時間相関値の絶対値に前記大きさmが相当する値として、フェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記7) 共通の信号点に対応し、かつ時系列の順に異なる時点t1,t2,t3 に個別に受信された3つのシンボルの内、第一のシンボルと第二および第三のシンボルとの複素領域における個別の積の大きさm1、m2の比r(=m2/m1)を求める算術演算手段と、
前記異なる時点t1,t3 の時間軸上の差τ(=t3−t1)と、前記3つのシンボルの伝送に供された搬送波の波長λとに依存する前記第一および第三のシンボルの間における時間相関値の絶対値に前記比rが相当する値として、フェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記8) 付記7に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記複素領域における個別の積の位相角の平均値、またはこれらの位相角の変化率の平均値を求める位相偏差算出手段を備えた
ことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記9) 共通の信号点に対応し、かつ時系列の順に異なる複数p(≧3)の時点t1 〜tp に個別に受信された複数pのシンボルの内、第一のシンボルと第二ないし第pのシンボルとの複素領域における個別の積の大きさm1〜mp-1を求める算術演算手段と、
前記異なる時点t1,t2 の時間軸上の差τ(=t2−t1)と、前記複数pのシンボルの伝送に供された搬送波の波長λとに依存する前記第一および第二のシンボルの間における第一の時間相関値の絶対値に前記大きさm1 が相当する値として、フェージング周波数の概算値を求める概算推定手段と、
前記異なる時点t3〜tpと前記時点t1との時間軸上の差τ1(=t3−t1),…,τp-2(=tp−t1) のそれぞれと、前記波長λとに依存する前記第一のシンボルと第三ないし第pのシンボルのそれぞれの間における第二ないし第p-1の時間相関値に対応する値として、前記フェージング周波数が所望の精度で得られる帯域が予め登録された記憶手段と、
前記第二ないし第p-1の時間相関値の内、前記記憶手段に登録され、かつ前記概算値が属する特定の帯域に対応した第i(2≦i≦p−1)の時間相関値の絶対値に大きさmi(2≦i≦p−1)が相当する値として、前記フェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記10) 付記9に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記算術演算手段は、
前記特定の帯域が特定された後に、前記複数pのシンボルの内、前記第一のシンボルと第三ないし第pのシンボルとの複素領域における個別の積の大きさm2〜mp-1を求める
ことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記11) 共通の信号点に対応し、かつ時系列の順に異なる複数p(≧3)の時点t1 〜tp に個別に受信された複数pのシンボルの内、第一のシンボルと第二のシンボルとについて、受信に供された局発信号の周波数の偏差に起因する位相の偏差を補正した後に、内積を求める特定算術演算手段と、
前記複数pのシンボルの内、前記第一のシンボルと第三ないし第pのシンボルとの複素領域における個別の積の大きさm2〜mp-1を求める算術演算手段と、
前記異なる時点t1,t2 の時間軸上の差τ(=t2−t1)と、前記複数pのシンボルの伝送に供された搬送波の波長λとに依存する前記第一および第二のシンボルの間における第一の時間相関値に前記内積が相当する値として、フェージング周波数の概算値を求める概算推定手段と、
前記異なる時点t3〜tpと前記時点t1との時間軸上の差τ1(=t3−t1),…,τp-2(=tp−t1) のそれぞれと、前記波長λとに依存する前記第一のシンボルと第三ないし第pのシンボルのそれぞれの間における第二ないし第p-1の時間相関値に対応する値として、前記フェージング周波数が所望の精度で得られる帯域が予め登録された記憶手段と、
前記第二ないし第p-1の時間相関値の内、前記記憶手段に登録され、かつ前記概算値が属する特定の帯域に対応した第i(2≦i≦p-1)の時間相関値の絶対値に大きさmi(2≦i≦p−1)が相当する値として、前記フェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記12) 共通の信号点に対応し、かつ時系列の順に異なる複数p(≧3)の時点t1 〜tp に個別に受信された複数pのシンボルの内、第一のシンボルと第二のシンボルとの内積に、これらの第一および第二のシンボルの受信に供される局発信号の周波数の偏差に起因した位相の偏差の補正を施す特定算術演算手段と、
前記複数pのシンボルの内、前記第一のシンボルと第三ないし第pのシンボルとの複素領域における個別の積の大きさm2〜mp-1を求める算術演算手段と、
前記異なる時点t1,t2 の時間軸上の差τ(=t2−t1)と、前記複数pのシンボルの伝送に供された搬送波の波長λとに依存する前記第一および第二のシンボルの間における第一の時間相関値に、前記位相の偏差の補正が施された内積が相当する値として、フェージング周波数の概算値を求める概算推定手段と、
前記異なる時点t3〜tp と前記時点t1との時間軸上の差τ1(=t3−t1),…,τp-2(=tp−t1) のそれぞれと、前記波長λとに依存する前記第一のシンボルと第三ないし第pのシンボルのそれぞれの間における第二ないし第p-1の時間相関値に対応する値として、前記フェージング周波数が所望の精度で得られる帯域が予め登録された記憶手段と、
前記第二ないし第p-1の時間相関値の内、前記記憶手段に登録され、かつ前記概算値が属する特定の帯域に対応した第i(2≦i≦p-1)の時間相関値の絶対値に大きさmi(2≦i≦p−1)が相当する値として、前記フェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記13) 付記6ないし付記12の何れか1項に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記算術演算手段は、
マルチパスを介して到来した複数の受信波の合成波から個々のシンボルの複素領域における積の大きさを求める
ことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記14) 付記1に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の実数部の平均化および虚数部の平均化を行う平均化手段を備え、
前記演算手段は、
前記平均化された複素積の大きさを算出する
ことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記15) 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定装置において、
第1の遅延量を有し異なる2つのシンボルの第1の複素積の大きさを算出する第1の演算手段と、
第2の遅延量を有し異なる2つのシンボルの第2の複素積の大きさを算出する第2の演算手段と、
前記第1の複素積の大きさで前記第2の複素積の大きさを正規化する正規化手段と、
前記正規化された複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
(付記16) 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定装置において、
異なる遅延量を有し異なる2つのシンボルの複素積の大きさを算出する複数の演算手段であって、1つは基準とする複素積の大きさを算出し、他方は非基準の複素積の大きさを算出する複数の演算手段と、
前記基準となる複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する第1の推定手段と、
前記第1の推定手段により推定されたフェージング周波数に基づいて前記非基準の複素積の大きさのうち1つを選択し、前記選択された非基準の複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する第2の推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。
11 複素積算出部
12 大きさ算出部
13,95 判定部
13T,31T,32T,33T 二乗値テーブル
21,32 正規化部
22 周波数偏差算出部
23 周波数偏差平均化部
31 一次判定部
33 二次判定部
33PBT 部分帯域テーブル
41,93 内積算出部
42 周波数偏差補正部
51 位相偏差除去部
81 周波数変換部
82 局部発振部
83 A/D変換器
85 チャネル推定部
86 同期検波部
91 パイロットシンボル平均化部
92 遅延部
94 平均化部
Claims (5)
- 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定装置において、
異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の大きさを算出する演算手段と、
前記算出した複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたフェージング周波数推定装置。 - 請求項1に記載のフェージング周波数推定装置において、
前記異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の実数部の平均化および虚数部の平均化を行う平均化手段を備え、
前記演算手段は、
前記平均化された複素積の大きさを算出する
ことを特徴とするフェージング周波数推定装置。 - 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定装置において、
第1の遅延量を有し異なる2つのシンボルの第1の複素積の大きさを算出する第1の演算手段と、
第2の遅延量を有し異なる2つのシンボルの第2の複素積の大きさを算出する第2の演算手段と、
前記第1の複素積の大きさで前記第2の複素積の大きさを正規化する正規化手段と、
前記正規化された複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。 - 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定装置において、
異なる遅延量を有し異なる2つのシンボルの複素積の大きさを算出する複数の演算手段であって、1つは基準とする複素積の大きさを算出し、他方は非基準の複素積の大きさを算出する複数の演算手段と、
前記基準となる複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する第1の推定手段と、
前記第1の推定手段により推定されたフェージング周波数に基づいて前記非基準の複素積の大きさのうち1つを選択し、前記選択された非基準の複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する第2の推定手段と
を備えたことを特徴とするフェージング周波数推定装置。 - 受信信号内のパイロット信号からフェージング周波数を推定するフェージング周波数推定方法において、
異なる時点に受信された2つのシンボルの複素積の大きさを算出し、前記算出した複素積の大きさに基づいてフェージング周波数を推定する
ことを特徴とするフェージング周波数推定方法。
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