JP2006002259A - キャスト塗工シートの製造方法及びキャスト塗工シート - Google Patents

キャスト塗工シートの製造方法及びキャスト塗工シート Download PDF

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Abstract

【課題】 光沢性とインクジェット印刷適性の双方に優れ、インクジェット記録用として好適なキャスト塗工シートを安定的に提供する。
【解決手段】 本発明の第1のキャスト塗工シートの製造方法は、透気性支持体上に、水分量12〜40質量%の塗被層を形成し、該層の表面に湿潤液を付与した後、加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とする。本発明の第2のキャスト塗工シートの製造方法は、透気性支持体上に、光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後、該層を増粘又はゲル化させ、さらに該層の水分量が12質量%以上の状態で、その表面に湿潤液を付与し、これを加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、キャスト塗工シートの製造方法及びキャスト塗工シートに関する。
キャスト塗工法は、透気性支持体(原紙等)上に光沢層を形成する手法の一つで、概略、表面が鏡面加工されたキャストドラム(加熱ドラム)を用い、湿潤状態(再湿潤状態を含む)にある塗被層にその鏡面を写し取る方法である。
従来、キャスト塗工法には、
(1)支持体上に光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、該層が湿潤状態のままキャストドラムに圧接するウエットキャスト法、
(2)支持体上に光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、該層をゲル化させた後、キャストドラムに圧接するゲル化キャスト法、
(3)支持体上に光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、該層を充分に乾燥した後、水又は湿潤液にて再湿潤させ、その後キャストドラムに圧接して仕上げるリウエットキャスト法、
(4)リウエットキャスト法(3)と同様の工程を経るが、塗被層を充分に乾燥した後、再湿潤せずキャストドラムに圧接して仕上げるドライキャスト法、
(5)キャストドラム側に光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、該層を乾燥させた後、これを支持体に圧接・転写させるプレキャスト法がある(非特許文献1)。
一方、インクジェット記録シートでは、印刷の高速化や多色化等に対応するため、高いインク吸収性が求められる。そのため、従来は、インク吸収性に富むよう工夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が主流であった。しかしながら、かかる従来のインクジェット記録シートはいずれも、表面光沢性が低くマット調を呈するものであり、印刷外観が良好ではない。そこで、より美麗な印刷を可能とするべく、キャスト塗工法の適用が提案されている。
インクジェット記録用のキャスト塗工シートとしては、例えば、(1)ウエットキャスト法(特許文献1)、(2)ゲル化キャスト法(特許文献2)、(3)リウエットキャスト法(特許文献3)を適用して光沢層を設けたものが提案されている。なお、特許文献2では、支持体上に、顔料及び接着剤を含む光沢層用塗工液を塗工し、前記接着剤を凝固し得る凝固剤(ゲル化剤)を更に塗布してゲル化させている。
記録シートの光沢性付与技術としては、上記キャスト塗工法の他、カレンダ装置を用い、圧力や温度をかけたロール間を通過させることで、塗被層の表面を平滑化する技術がある。
特開平7−89220号公報 特開2002−166644号公報 特公平7−96331号公報 紙パルプ技術協会編、「紙パルプ製造技術シリーズ8 コーティング」、紙パルプ技術協会発行、1993年8月17日、p.269−282
キャスト塗工法では、キャストドラムに圧接する際に塗被層から抜ける蒸気を逃がすため、支持体として、透気性支持体を用いる必要がある。そのため、印画紙等の非透気性支持体を用いるフォト光沢紙等と比較すると、支持体表面の平滑性が悪く、その上に形成する光沢層がその影響を少なからず受けてしまう。したがって、従来のキャスト塗工技術では得られる光沢性に限界があり、より高度な光沢性が求められている。
さらに、インクジェット記録用のキャスト塗工シートでは、光沢性の向上の他、インクジェット印刷適性が良好であることも重要である。しかしながら、先行技術では、これらを両立することは困難となっている。
すなわち、(1)ウエットキャスト法を適用したもの(特許文献1)では、インク吸収性は充分であるものの、光沢層表面に対する支持体の表面形状の影響が大きく、表面平滑性に優れた光沢層を得ることが難しい。その結果、光沢性やインクドットの真円性等の印刷適性が劣る傾向にある。
(2)ゲル化キャスト法を適用したもの(特許文献2)では、ゲル化反応のために、はじめに塗工する塗工液の固形分濃度を5質量%以下としている。そのため、塗被層の水分量が多く乾燥効率が悪く、乾燥時の塗被層のひび割れ、及びこれに繋がる光沢性の低下を招きやすい。また、ゲル化の制御も難しく均一な光沢層形成が難しく、光沢性の低下や、ベタ印刷時の印刷ムラ等を招きやすい。したがって、光沢性や印刷適性が良好なインクジェット記録用のキャスト塗工シートを安定的に得ることが難しい。
(3)リウエットキャスト法を適用したもの(特許文献3)では、塗被層を一旦乾燥するため、他のキャスト法(ウエットキャスト法やゲル化キャスト法等)に比して、再湿潤後の塗被層の可塑化の度合いが著しく低く、また、可塑化が不均一になりやすく、均一な光沢層形成が難しい。そのため、光沢性や印刷適性が良好なインクジェット記録用のキャスト塗工シートを安定的に得ることが難しい。
また、カレンダ装置を用い、加熱下で加圧処理する平滑化技術では、加圧力の増加に伴って塗被層の空隙が減少し、インク吸収性(インク吸収速度や吸収容量)が低下してしまう。そのため、良好なインク吸収性と光沢性を両立することは難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、光沢性が向上されたキャスト塗工シートを安定的に提供することを目的とする。また、光沢性とインクジェット印刷適性の双方に優れ、インクジェット記録用として好適なキャスト塗工シートを安定的に提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討し、以下のキャスト塗工シートの製造方法、及びキャスト塗工シートを発明した。
本発明の第1のキャスト塗工シートの製造方法は、透気性支持体上に、水分量12〜40質量%の塗被層を形成し、該層の表面に湿潤液を付与した後、加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とする。
本発明の第2のキャスト塗工シートの製造方法は、透気性支持体上に、光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後、該層を増粘又はゲル化させ、さらに該層の水分量が12質量%以上の状態で、その表面に湿潤液を付与し、これを加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とする。
なお、本明細書では、「増粘」は架橋なく粘度が増加すること、「ゲル化」は架橋して粘度が大幅に増加することを意味するものとする。
これらの製造方法はいずれも、透気性支持体上に塗被層を形成し、該層が湿潤状態にある間に再湿潤させ、これを加熱鏡面に圧接して、光沢層を形成するもので、
従来のキャスト塗工法、すなわち、(1)再湿潤させないウエットキャスト法、(2)ゲル化させた後、再湿潤させないゲル化キャスト法、(3)塗被層を充分に乾燥させてから(乾燥後の水分量は12質量%を大きく下回る)、再湿潤させるリウエットキャスト法、(4)塗被層を乾燥させ、再湿潤させないドライキャスト法、(5)キャストドラム側に塗被層を形成するプレキャスト法のいずれとも異なる全く新規な方法である。
本明細書において、「塗被層の水分量」は、赤外線水分計KJT−100((株)ケット科学研究所製)を使用し測定するものとする。なお、測定面の反対側にペーパロール等が接していると、その影響で測定値に誤差が生じることがあるので、測定面の反対側に他の部材が接していない箇所で測定を実施するものとする。
赤外線水分計は、近赤外線域にある水の吸収波長(具体的には1.2μm、1.45μm、1.94μm)の光を塗被層に照射すると、層の水分量に応じて光が吸収されるので、これを利用し、その減衰量から水分量を測定するものである。厳密には、吸収波長のみの計測では、層の表面状態や色等の影響を受け、安定した測定が難しいため、水の影響を受けにくい近赤外線(参照波長)を別に設定し、吸収波長と参照波長の光を交互に照射し、反射してくる両波長光のエネルギーの比から、水分量を算出する。
本発明の第2のキャスト塗工シートの製造方法においては、特定の温度域では親水性、それと異なる温度域では疎水性を呈し、親水性を呈する温度域ではこれを含む液が増粘又はゲル化する感温性高分子化合物を含有する光沢層用塗工液を用い、前記感温性高分子化合物が疎水性を呈する温度域で、前記光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後、前記感温性高分子化合物が親水性を呈する温度域に温度変化させることで、該層を増粘又はゲル化させることが好ましい。
また、前記感温性高分子化合物としては、感温点未満で親水性、感温点以上で疎水性を呈するものであり、かつ感温点が0〜30℃であるものが好適である。
なお、かかる感温性高分子化合物を用いた記録媒体は、特開2003−40916号公報等に開示されており、公知であるが、該文献には光沢層への適用については言及されていない。
本明細書において、「親水性」とは、感温性高分子化合物と水とが共存する系において、感温性高分子化合物は水と相溶した状態の方が、相分離した状態よりも安定であることを意味し、「疎水性」とは、同様の系において、感温性高分子化合物は水と相分離した状態の方が、相溶した状態よりも安定であることを意味する。
本発明の第1、第2のキャスト塗工シートの製造方法は、インクジェット記録用のキャスト塗工シートに好ましく適用できる。
本発明のキャスト塗工シートは、本発明の第1又は第2のキャスト塗工シートの製造方法により製造されるものであることを特徴とする。
本発明の技術によれば、従来のキャスト塗工法では為し得ない高度な光沢性を有するキャスト塗工シートを安定的に提供することができる。このキャスト塗工シートはインクジェット印刷適性(印刷濃度、印刷にじみ抑制、ベタ印刷の均一性等)も良好であり、本発明によれば、光沢性とインクジェット印刷適性の双方に優れ、インクジェット記録用として好適なキャスト塗工シートを安定的に提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
「キャスト塗工シートの製造方法」
キャスト塗工シートは透気性支持体上に光沢層を有するもので、本発明では光沢層の形成工程が特徴的なものとなっている。透気性支持体と光沢層との間には必要に応じて下塗り層を設けることができる。
以下、透気性支持体、下塗り層、光沢層の順に説明する。本発明はインクジェット記録用のキャスト塗工シートに好ましく適用できるため、層の組成等は、インクジェット記録用を基本として説明するが、本発明は他の用途にも勿論適用可能である。
「透気性支持体」
透気性支持体は、透気性を備えたものであれば特に限定されるものではなく、一般の塗工紙に使用される酸性紙や中性紙等の透気性原紙、透気性樹脂シート等が挙げられる。
光沢層のキャスト仕上げ時(塗被層の加熱鏡面への圧接時)の操業性(蒸気の抜けやすさ)と、塗工液の支持体への浸透抑制を考慮すれば、支持体の王研式透気度は10〜350秒/cc、さらには10〜200秒/100cc、特に20〜100秒/100ccであることが好ましい。
透気性原紙を用いる場合、表面平滑性とキャスト仕上げ時の水分の影響を考慮すれば、用いるパルプの叩解度(フリーネス)は250〜550ml(CSF:JIS−P−8121)程度、特に300〜500ml程度が好ましい。
また、透気性原紙に紙力増強剤を添加すると、湿潤状態でキャスト仕上げされる際の原紙の寸法安定性や強度を高めることができる。紙力増強剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、N−ビニルホルムアミド・ビニルアミン共重合体等が挙げられる。中でも、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂は、湿潤時の紙の寸法安定性の向上効果が大きく、好ましい。紙力増強剤は、透気性原紙に内添、塗布、又は含浸して用いることができる。
「下塗り層」
透気性支持体上には、必要に応じて単層又は複数層の下塗り層を設けることができる。下塗り層を介して光沢層を形成することで、光沢性を向上させることができる。これは、支持体よりも柔軟な下塗り層の存在によって、キャスト仕上げ時の塗被層の加熱鏡面への密着性が向上するためと推定される。
また、インクジェット記録用等では、下塗り層を設けることで全体のインク吸収性が高まるため、印刷濃度や印刷にじみ抑制、ベタ印刷の均一性等の印刷適性が向上する傾向にあり、好適である。
下塗り層の組成は特に制限はないが、インクジェット記録用等では、インク吸収を担う顔料、及びこれを支持体に固定する接着剤を含むものが好ましい。
下塗り層に用いる顔料としては特に制限はなく、光沢層と同様のものが用いられる(段落[0046]参照)。特に、非晶質シリカ、アルミナ、ゼオライト等は、インク吸収性に優れるため、下塗り層の主成分顔料として用いることが好ましい。また、酸化亜鉛、酸化チタン、プラスチックピグメント類等は、非印刷部の黄変を防ぐ機能を有するため、用いて好適である。
顔料の平均粒子径(凝集顔料の場合は凝集粒子径)は特に制限はないが、インク吸収性や、後から形成する光沢層の表面平滑性や光沢性の観点から、1〜12μm程度、さらには2〜10μm、特に2〜7μmが好ましく、かかる範囲内の異なる平均粒子径の顔料を複数併用することもできる。
また、インク吸収性の調整や、光沢層用塗工液の下塗り層内への浸透の抑制等を目的として、平均粒子径の小さい、例えば平均粒子径が1μm未満の顔料を併用することができる。かかる顔料としては、コロイダルシリカ、アルミナゾル等が挙げられ、特にコロイダルシリカが好ましく用いられる。
副成分として必要に応じて配合されるコロイダルシリカ(S)は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体(P)と組み合わせて配合されることが好ましい。すなわち、下塗り層には、コロイダルシリカ(S)と、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体(P)とを含有させるか、あるいは、これらの複合体を含有させることが好ましい。
かかる構成により、光沢性がより向上する。理由は必ずしも明らかではないが、コロイダルシリカ(S)及び重合体(P)、あるいはこれらの複合体の存在が、下塗り層のインク吸収性を維持したまま、光沢層用塗工液の下塗り層への浸透を抑制するためと推定される。さらに、理由は不明であるが、光沢層のキャスト仕上げ時の加熱鏡面からの離型性も向上する傾向がある。
コロイダルシリカ(S)はアルカリ性タイプと酸性タイプがあり、下塗り層用塗工液のpH等の物性に合わせて適宜選定する。コロイダルシリカ(S)としては、球状、非球状のいずれも使用可能である。光沢の出やすさは、どちらかといえば球状コロイダルシリカの方が優れ、インク吸収性については非球状コロイダルシリカの方が優れているので、かかる特性を考慮し、いずれかを選定もしくは両者を混合して用いる。
コロイダルシリカ(S)の平均粒子径は特に制限はないが、4〜200nm、特に10〜60nmが好ましい。
コロイダルシリカ(S)の配合量は特に制限はないが、それ以外の顔料100質量部に対し、1〜30質量部、特に1〜10質量部が好ましい。
重合体(P)のエチレン性モノマーとしては特に制限はないが、各種(メタ)アクリル酸エステルや、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等が挙げられる。
重合体(P)は単独重合体でも共重合体でも良く、さらには、これら重合体の置換誘導体でも良い。置換誘導体としては、例えば、カルボキシ基を導入したものや、導入したカルボキシ基をアルカリ反応性に変性したもの等が挙げられる。
重合体(P)の配合量は特に制限はないが、コロイダルシリカ(S)以外の顔料100質量部に対し、1〜20質量部、特に1〜5質量部が好ましい。
コロイダルシリカ(S)と重合体(P)の複合体は、例えば、
(1)重合体(P)の原料である上記エチレン性モノマーをシランカップリング剤等とコロイダルシリカ(S)の存在下で重合させることで、Si−O−P結合(P:重合体成分)を生成させ、重合体(P)の生成と同時に複合化する、
(2)必要に応じてシラノール基等で変性した重合体(P)とコロイダルシリカ(S)とを反応させて、Si−O−P結合(P:重合体成分)を生成させ、複合化する等の方法で得られる。
下塗り層に用いる接着剤としては特に制限はなく、光沢層と同様のものが用いられる(段落[0049]参照)。顔料と接着剤の配合比はこれらの組み合わせに応じて設定され、特に制限はないが、顔料100質量部に対し、接着剤を1〜100質量部、特に2〜50質量部とすることが好ましい。
下塗り層には必要に応じて、各種カチオン性化合物等のインク定着剤を配合することができる。但し、光沢層にのみインク定着剤を配合し、下塗り層には該成分が実質的に存在しない方が、印刷濃度が高くなる傾向にあり、好ましい。但し、助剤的に、カチオン性界面活性剤等を微量添加することは構わない。
その他、下塗り層には光沢層と同様、必要に応じて、一般の塗工紙の製造において使用される添加剤を添加することができる(段落[0056]参照)。
下塗り層は、上記成分を含む塗工液を調製し、これを支持体上に塗工して塗被層を形成し、乾燥することで形成できる。下塗り層を複数層設ける場合はこれらの工程を繰り返し実施する。
下塗り層用塗工液は、通常固形分濃度が5〜50質量%程度に調整される。
塗工液の塗工量は特に制限はないが、インク吸収性、光沢性、印刷濃度、層強度等の観点から、絶乾質量で2〜60g/m程度、さらには2〜30g/m程度、特に4〜10g/m程度が好ましい。塗工液の塗工法は、光沢層と同様である。
塗被層を乾燥後、さらに必要に応じてスーパーカレンダ、ブラシ掛け等の平滑化処理を施しても良い。
下塗り層には、光沢層に用いて好適な後記感温性高分子化合物を配合することができる。この場合、感温性高分子化合物が疎水性を呈する温度域で、塗工液を塗工して塗被層を形成した後、感温性高分子化合物が親水性を呈する温度域に温度変化させることで、該層を増粘又はゲル化させ、その後乾燥させることで、下塗り層を形成することができる。この方法で下塗り層を形成すると、インクジェット印刷時の画質がより鮮明なものとなる傾向がある。これは、層内に骨格が形成された状態で乾燥を行うため、熱風の風圧に対する耐性が高くなり、微小なぼこつき等の生成が抑制されるためと推察される。
「光沢層」
本発明では、光沢層の形成方法が特徴的なものとなっている。
本発明の第1のキャスト塗工シートの製造方法では、透気性支持体上、あるいはその上に必要に応じて設けられる下塗り層上に、水分量12〜40質量%の塗被層を形成し、該層の表面に湿潤液を付与した後、加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とする。なお、この製造方法では、湿潤液を付与する前に、必要に応じて塗被層を増粘又はゲル化させても良い。
本発明の第2のキャスト塗工シートの製造方法は、透気性支持体上、あるいはその上に必要に応じて設けられる下塗り層上に、光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後、該層を増粘又はゲル化させ、さらに該層の水分量が12質量%以上の状態で、その表面に湿潤液を付与し、これを加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とする。
これらの製造方法はいずれも、透気性支持体上に塗被層を形成し、該層が湿潤状態にある間に再湿潤させ、これを加熱鏡面に圧接するものである。これにより、従来のキャスト塗工法では為し得ない高度な光沢性を有するキャスト塗工シートを安定的に提供することを実現した。
この理由は定かではないが、以下のように推察される。
光沢層の骨格がある程度形成された状態で、ある程度の湿潤状態を維持したまま、表面に湿潤液を付与すると、湿潤液が層内部に深く浸透することがなく、層の表面、若しくは表面及びその近傍にのみ作用する。この結果、再湿潤時に不均一に膨潤することが抑制され、薄く均一な再湿潤層が形成され、高光沢なキャスト面が得られるものと推察される。
骨格形成を良好に制御できることから、特に第2の製造方法は好適である。さらには、第2の製造方法の中でも、塗被層をゲル化させてから再湿潤させる方法が好適である。本発明者は、ゲル化を経ることで、光沢層のひび割れが著しく抑制され、高画質な印刷が得られることを見出している。
なお、本発明の第2の製造方法では、第1の製造方法と異なり、湿潤液付与時の塗被層の水分量の上限は規定されない。水分量に関係なく、骨格が形成されるからである。したがって、第2の製造方法では、増粘又はゲル化に際して、水分量が低下しても良いし、略同レベルが維持されても良い。また、骨格が形成されれば良いので、増粘又はゲル化の度合いは、完全でなくても(いわば半増粘又は半ゲル化でも)良い。
いずれの方法でも、湿潤液付与時の塗被層の水分量が12質量%未満では(ゲル化しない場合は、従来のリウエットキャスト法に相当)、高光沢なキャスト塗工シートを安定的に得ることはできない。これは、乾燥による塗被層内の骨格形成が進みすぎ、再湿潤層の可塑化のレベルが不充分となるためと推察される。
また、湿潤液付与時の塗被層の水分量が著しく高いと、加熱鏡面に圧接する際の水分蒸発量が多くなり、塗被層表面にピンホール等の欠陥が生じ、これによって光沢性が低下する傾向にある。これは増粘又はゲル化を経ない場合に顕著である。したがって、増粘又はゲル化を必須としない第1の製造方法では、湿潤液付与時の塗被層の水分量の上限を40質量%とする。これによって、湿潤液付与前の塗被層に良好な骨格を形成すると共に、加熱鏡面に圧接する際の過剰の水分蒸発を抑え、高光沢性を有するキャスト塗工シートが得られる。第1の製造方法において、湿潤液付与時の塗被層の水分量は、好ましくは14〜35質量%、特に好ましくは18〜32質量%とする。
第2の製造方法では、増粘又はゲル化により強度の高い骨格が形成されるため、加熱鏡面に圧接する際の水分蒸発量の増加に伴うピンホールの形成は抑えられるものの、同様の傾向にあることには変わりない。したがって、第2の製造方法でも、湿潤液付与時の塗被層の水分量を12〜40質量%、さらには14〜35質量%、特に18〜32質量%とすることが好ましい。
以上、本発明の製造方法における光沢層形成の概略について説明した。いずれの方法を採用するにしても、基本的な成分は共通であるので、次に共通成分について説明する。光沢層の共通成分としては、インク吸収を担う顔料、及びこれを支持体に固定する接着剤、さらに必要に応じてインク定着剤等が用いられる。
光沢層に用いる顔料としては特に制限はないが、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカ)、合成非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
顔料の平均粒子径は特に制限はないが、平均粒子径10〜1000nmの微細顔料が好ましく用いられる。かかる平均粒子径の顔料を用いることで、良好なインク吸収性を発現させつつ、光沢層の透明性の低下や、これに起因する印刷時の発色性の低下(すなわち印刷濃度の低下)を抑制できる。
微細顔料としては、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物、アルミナ酸化物、及びアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種、特に気相法シリカ及び/又はアルミナ酸化物が好ましく用いられる。
なお、本明細書において、顔料の「平均粒子径」は、顔料の形態(粉体やスラリー状)に関係なく、3%の顔料水分散液を200g調整し、これを市販のホモミキサーで攪拌分散した後(分散条件は1000rpm、30分間とする。)、直ちに電子顕微鏡(SEM及び/又はTEM)にて観察し、1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮像し、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定し、これを平均して求めるものとする(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。
光沢層に用いる接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
なお、水性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタンエマルジョン、ポリウレタンラテックス等の形態で好適に用いられる。
本発明の第2の製造方法では、後記するように、感温性高分子化合物を上記一般の接着剤に代えて、あるいは上記一般の接着剤と組み合わせて用いることができる。
顔料と接着剤の配合比はこれらの組み合わせに応じて設定され、特に制限はないが、顔料100質量部に対し、接着剤を1〜100質量部、特に2〜50質量部とすることが好ましい。
インク定着剤は、インク中の着色剤(染料及び/又は着色顔料)成分を定着する成分で、印刷の発色性や保存性を向上するために必要に応じて用いられる、
インク定着剤としては、各種カチオン性化合物等が好ましく用いられ、その具体例としては、(1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、(2)第2級又は第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体や、これらのアクリルアミドとの共重合体、(3)ポリビニルアミン及びポリビニルアミジン類、(4)ジシアンジアミド・ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、(5)ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、(6)エピクロルヒドリン・ジメチルアミン共重合体、(7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO重縮合体、(8)ジアリルアミン塩・SO重縮合体、(9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、(10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、(11)アリルアミン塩の共重合体、(12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、(13)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体、(14)5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂、(15)ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの重合体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上用いることができる。
中でも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体、及び5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが、発色性に優れ、にじみが少なく、発色ムラのない優れた印刷が得られるので好ましい。
インク定着剤の配合量は特に制限はないが、顔料100質量部に対して1〜30質量部、特に3〜20質量部が好ましい。インク定着剤の配合量が1質量部未満では、印刷濃度向上等のインク定着剤の配合効果が充分に発現せず、30質量部超では、過剰なインク定着剤の存在によって空隙率が低下し、これによって、インク吸収性が低下する恐れがある。
なお、顔料として好適に用いられるシリカは一般にアニオン性を呈するため、カチオン性のインク定着剤と凝集体を生成する場合がある。これは特に微細シリカで顕著である。この場合、一般に市販されている非晶質シリカ(数μmの比較的大きな二次粒子径を有する)にインク定着剤の少なくとも一部を添加し分散させてから、粉砕微細化する、あるいは微細化したシリカ二次粒子分散体にインク定着剤を添加混合し、一旦凝集させた後、再度粉砕する等の手順を採ることが好ましい。これによって、粒径の大きい凝集体の生成を抑制し、顔料を所望の粒径に調整することができる。
このようにして処理した顔料は、インク定着剤が一部結合した構造を呈することで安定化しているのか、更にインク定着剤を追添しても凝集し難いという特性を有する。以下、かかる顔料を、カチオン性微細顔料と称す。
カチオン性微細顔料に用いられる顔料としては、シリカの他、アルミノシリケート等があるが、シリカ、特に気相法シリカが好ましい。
カチオン性微細顔料中における顔料とカチオン性化合物との質量比は特に制限はないが、顔料100質量部に対して、カチオン性化合物を1〜30質量部、特に3〜20質量部とすることが好ましい。また、光沢層を構成する全顔料中に占めるカチオン性微細顔料の比率を50質量%以上とすることが、光沢層の透明性が優れるので好ましい。
光沢層用塗工液には、一般の塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤、保存性改良剤、蛍光増白剤、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
第2の製造方法では、上記共通成分に加えて、必要に応じて増粘又はゲル化のための成分を配合する。これは、第1の製造方法で、増粘又はゲル化する場合も同様である。
光沢層用塗工液の固形分濃度は特に制限はないが、5〜50質量%、特に5〜20質量%が好ましい。固形分濃度を5質量%以上とすることで、キャスト仕上げ時の乾燥効率が良好となり、50質量%以下とすることで、湿潤液付与時の塗被層の水分調整が容易となる。
光沢層用塗工液の塗工量は特に制限はないが、絶乾質量で2〜15g/m、さらには2〜10g/m、特に3〜8g/mが好ましい。
塗工量を2g/m以上とすることで、優れた光沢性とインク吸収性が得られ、15g/m以下とすることで、光沢層のひび割れが抑制され、インクジェット印刷時のドット真円性等が良好なものとなる。
塗工液の塗工は、ブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、ブラシコータ、チャンプレックスコータ、バーコータ、リップコータ、グラビアコータ、カーテンコータ、スロットダイコータ、スライドコータ、スプレー装置等の各種公知の塗工装置を用いて実施できる。中でも、エアーナイフコータ、リップコータ、スライドコータ、カーテンコータ、スロットダイコータ等が好適に用いられる。これらの塗工装置を用いると、透気性支持体や下塗り層の微少な表面凹凸の影響を受けにくく、均一な厚さの塗被層を形成できるためか、光沢性がより良好になる傾向にある。
第1の製造方法では、以上のようにして光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、少なくとも湿潤液付与時の該層の水分量を12〜40質量%とする。
この方法としては特に制限はないが、
(i)水分量12〜40質量%の光沢層用塗工液を塗工し、水分量を略同レベルに維持したまま湿潤液を付与する(湿潤液を付与する前には、必要に応じて増粘やゲル化させても良い。)、
(ii)水分量12質量%超の光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、これを熱風乾燥機、赤外線ヒータ等の乾燥手段にて積極的に乾燥し、水分量を12〜40質量%に調整する、
(iii)水分量12質量%超の光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、湿潤液を付与するまでの間の自然乾燥により塗被層の水分量を12〜40質量%に調整する、
(iv)水分量12質量%超の光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成し、湿潤液を付与するまでの間に、透気性支持体やこの上に必要に応じて設けられる下塗り層に水分が浸透することを利用して、塗被層の水分量を12〜40質量%に調整する、
及び(v)(ii)〜(iv)の組み合わせ等が挙げられる。
第2の製造方法では、光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後、該層を増粘又はゲル化させ、さらに該層の水分量が12質量%以上の状態で、その表面に湿潤液を付与する。塗被層を増粘又はゲル化させる方法としては、凝固剤(ゲル化剤)を用いる方法や、これを用いない方法がある。
凝固剤(ゲル化剤)を用いる方法としては、従来のゲル化キャスト法で採用されている公知方法、具体的には、(1)光沢層用塗工液にアルミニウム、亜鉛等の金属キレート化合物を添加しておき、塗工後、さらにゲル化剤として蟻酸や酢酸等を重ねて塗工することで、キレート化合物を分解して金属イオンを遊離させ、塗被層中のタンパク質をゲル化する方法、(2)光沢層用塗工液を塗工後、さらにゲル化剤として金属塩水溶液を重ねて塗工することで、塗被層をゲル化する方法、(3)光沢層用塗工液を塗工後、さらにゲル化剤として架橋剤を重ねて塗工し、塗被層をゲル化させる方法、(4)光沢層用塗工液を塗工する前に、下地(透気性支持体又はその上に必要に応じて形成される下塗り層)に、あらかじめ(1)〜(3)で挙げたようなゲル化剤を付与しておき、光沢層用塗工液の塗工と同時にゲル化させる方法等が挙げられる。
(1)〜(4)の方法の中では、ゲル化の制御やゲル化後の層均一性の点で、(4)の方法が好ましい。
凝固剤(ゲル化剤)を用いない方法としては、(5)電子線等の活性エネルギー線を照射したり、加熱することで、塗被層を増粘又はゲル化させる方法、(6)温度によって親疎水性が変化する感温性高分子化合物を用い、その性質を利用して、増粘又はゲル化させる方法等が挙げられる。
塗被層を増粘又はゲル化させる方法の中でも、増粘又はゲル化の制御や、増粘又はゲル化後の層均一性の点で、凝固剤(ゲル化剤)を用いない方法が好ましく、特に、温度を変化させるだけで増粘又はゲル化させることが可能な感温性高分子化合物を用いる(6)の方法が好ましい。該法を採用することで、特に均一性、平滑性、光沢性、ベタ印刷の均一性等に優れた光沢層が得られる。
以下、該法について詳細に説明する。
感温性高分子化合物は、特定の温度域では親水性、それと異なる温度域では疎水性を呈し、親水性を呈する温度域ではこれを含む液が増粘又はゲル化するもので、これを接着剤として配合することができる。
かかる感温性高分子化合物を用いることで、感温性高分子化合物が疎水性を呈する温度域で、光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後(この際には増粘やゲル化等せず容易に塗工できる)、感温性高分子化合物が親水性を呈する温度域に温度変化させることで、該層を増粘又はゲル化させることができる。
感温性高分子化合物としては、(1)感温点(親疎水性が変化する温度)未満の温度域では親水性、感温点以上の温度で疎水性を呈するもの、逆に(2)感温点以下の温度域で疎水性、感温点より高い温度域で親水性を呈するものが挙げられる。
(1)のタイプでは、感温点以上の温度に調整した塗工液を塗工後、感温点未満に冷却することで、塗被層を増粘又はゲル化することができる。(2)のタイプでは、逆に、感温点以下の温度に調整した塗工液を塗工後、感温点より高い温度に加熱することで、塗被層を増粘又はゲル化することができる。
(2)のタイプでは、温度を上げて増粘又はゲル化する際に、水分が蒸発するので、湿潤液付与時の塗被層の水分量を制御することが相対的に難しい。したがって、本発明では、塗工後、温度を下げることで、塗被層を増粘又はゲル化できる(1)のタイプが特に好適である。以下、このタイプについて言及する。
感温性高分子化合物における親疎水性の変化は、例えば、感温性高分子化合物と水とが共存する系において、温度変化に伴う、粘度や透明性、感温性高分子化合物の水に対する溶解性等の急激な変化として現れる。
したがって、感温点未満の温度域では親水性、感温点以上の温度で疎水性を呈するタイプでは、感温性高分子化合物と水とが共存する系の温度を、感温性高分子化合物が疎水性を示す温度域(感温点以上の温度)から徐々に降下させたときの温度−粘度曲線において、粘度が急激に変化(増粘)する転移点を感温点として測定することができる。
その他、感温性高分子化合物が疎水性を示す温度域(感温点以上の温度)において得られる感温性高分子化合物の水分散液を徐々に冷却したときに、該分散液が透明化あるいはゲル化し始める温度を、感温点として測定することもできる。
感温性高分子化合物の感温点は特に限定しないが、0〜30℃、特に10〜25℃が好ましい。
感温点が0℃以上であれば、塗被層を比較的容易に感温点未満とすることができ、増粘又はゲル化の効率が良好となる。なお、感温点未満とするのに長時間を要すると、その間に塗工液が下塗り層や透気性支持体に浸透し、良好な光沢層が形成されず、光沢性が低下する恐れがある。また、感温点が30℃以上では、塗工時の温度管理が困難となり、塗工と同時に増粘又はゲル化するなど、均一塗工や、増粘又はゲル化の制御等が困難となる。
用いて好適な感温性高分子化合物としては、特開2003−40916号公報に開示されている、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下に重合して得られる感温性高分子化合物が挙げられる。
具体的には、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で、単独重合によって温度応答性(親疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(M))、及び必要に応じてこれと共重合可能で、単独重合によっては温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(N))を重合して得られる高分子化合物が挙げられる。
ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体、主モノマー(M)、副モノマー(N)は、各々1種あるいは2種以上用いることができる。
ポリビニルアルコールとしては、ケン化度96〜100%のポリビニルアルコール(完全ケン化型ポリビニルアルコール)、ケン化度76〜95%のポリビニルアルコール(部分ケン化型ポリビニルアルコール)等が挙げられる。ポリビニルアルコール誘導体としては、シラノール変性やカチオン変性等の変性ポリビニルアルコール、メルカプト基やケト基を導入したポリビニルアルコール等が挙げられる。これらの重合度は特に限定されないが、300〜4000のものが好ましく用いられる。
感温性高分子化合物中のポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の含有率は特に制限はないが、光沢層の耐水性の観点から、0.1〜50質量%、特に0.5〜20質量%が好ましい。
主モノマー(M)としては、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
具体的には、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
副モノマー(N)としては、親油性ビニル化合物、親水性ビニル化合物、イオン性ビニル化合物等が挙げられる。
ここで、親油性ビニル化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。
親水性ビニル化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−メチル−5−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルピロリジン等が挙げられる。
イオン性ビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
主モノマー(M)と必要に応じて用いられる副モノマー(N)の共重合割合は特に制限はないが、副モノマー(N)の割合が多すぎれば、温度応答性を示さなくなるので、感温性高分子化合物中における副モノマー(N)の割合は50質量%以下、特に30質量%以下が好ましい。
感温性高分子化合物は、高分子エマルジョンの形態で光沢層用塗工液に配合することが好ましい。かかる高分子エマルジョンは、例えば旭化成(株)社から、ALB−213、ALB−221等の商品名で市販されている。
また、調製して用いることもできる。上記高分子エマルジョンは、特開2003−040916号公報に記載の方法にて調製できる。すなわち、感温性高分子化合物の感温点以上の温度下で、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下、上述したモノマーを用いて重合反応を行うことで調製できる。より具体的には、水に乳化剤を溶解し、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体と主モノマー(M)、必要に応じて副モノマー(N)、ラジカル重合開始剤を加えて乳化重合する方法等が挙げられる。モノマーやラジカル重合開始剤は、一括添加、連続添加、あるいは分割添加することができる。
この高分子エマルジョンと、顔料等の他の成分を混合することで、第2の製造方法用の光沢層用塗工液が調製できる。
塗工液の溶媒としては水が好適に用いられるが、感温性高分子化合物の感温点の調整や、キャスト仕上げ時の乾燥を遅くして、印刷適性の良好な光沢層を得る等の理由から、水の代わりに有機溶媒を用いたり、水と有機溶媒を併用することもできる。
光沢層用塗工液は、調製後塗工するまでの間、感温点以上の温度に保持されていることが好ましい。
透気性支持体上、又は必要に応じて設けられる下塗り層上に、上記塗工液を塗工して、塗被層を形成した後、未乾燥、あるいは若干乾燥された状態で感温点未満の温度に冷却する。冷却方法としては特に制限はないが、冷風機、クーリングロール、低温ガス等を用いて冷却することができる。冷却によって、塗被層が増粘又はゲル化する。過度の冷却はゲル化の度合いが強固になりすぎ、かえって光沢性を損なう場合があるので、感温点より10℃低い温度〜感温点の範囲内で、冷却することが好ましい。
また、光沢層を形成する下地面(透気性支持体あるいは下塗り層の表面)は、冷風や感温点未満の温度の処理液等にて、あらかじめ感温点未満、特に感温点より10℃以上低い温度に冷却しておくことが好ましい。これによって、塗工後の冷却効率を高めることができる。特に、感温点未満の温度の処理液を下地面に直接塗布する方法が、下地面を速やかに冷却することができ、好ましい。また、塗被層の冷却効率の観点から、処理液が未乾燥のうちに光沢層用塗工液を塗工することが好ましい。
かかる手順を採用することで、塗工後、塗被層を速やかに増粘又はゲル化させることができ、その結果、インクジェット記録用等としての印刷適性に優れ、顔料インクに対しても良好な印刷適性を呈する光沢層が形成できる。
処理液としては、水や有機溶媒等が用いられ、使用の簡便性の点で水が好ましく用いられる。処理液に、カチオン性化合物や保存性改良剤を添加すると、該成分が支持体や下塗り層に浸透し、耐水性の向上や耐熱湿にじみの向上効果が見られ、好ましい。その他、硼素化合物やジルコニウム化合物等の架橋剤、pH調製剤、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等の助剤を添加することもできる。
以上、(1)感温点未満の温度域では親水性、感温点以上の温度で疎水性を呈する感温性高分子化合物を用いる場合について説明したが、(2)感温点以下の温度域で疎水性、感温点より高い温度域で親水性を呈する感温性高分子化合物でも、同様に適用可能である。このタイプの感温性高分子化合物としては、特開平8−244334号公報に開示されている化合物等が例示できる。
第1の製造方法では、塗被層の水分量が12〜40質量%の状態で、第2の製造方法では、塗被層を増粘又はゲル化後、水分量が12質量%以上の状態で、表面に湿潤液を付与する。
湿潤液としては塗被層の表面を湿潤し得るものであれば特に制限はないが、水等が好ましく用いられる。また、キャスト仕上げ時の加熱鏡面からの離型性を考慮すれば、離型剤を含む水が好ましく用いられる。
なお、離型剤は、湿潤液に含ませる他、光沢層用塗工液中に含ませたり、加熱鏡面に塗布することも可能であり、さらにはこれらを組み合わせることも可能であるが、より少ない使用量で良好な離型性が発現しやすいことから、湿潤液に含ませることが特に好ましい。
離型剤としては特に制限はないが、ステアリルリン酸カリウム等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸アンモミウム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、レシチン、シリコーンオイル、シリコーンワックス等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
中でも、離型性向上効果に優れ、且つ印刷にじみを抑制する効果をも有することから、高級脂肪酸アミドが好ましく用いられる。特に、光沢層及び/又は湿潤液にカチオン性化合物が含まれる場合、その効果は顕著である。
離型剤の使用量は特に制限はないが、湿潤液に含有させる場合は0.05〜20質量%、さらには0.1〜10質量%、特に0.1〜5質量%が好ましい。光沢層に含有させる場合は、顔料100質量部に対し0.1〜50質量部、さらには0.3〜30質量部、特に0.5〜20質量部が好ましい。配合量が少ないと、離型性向上効果が充分に発現せず、多いと光沢性の低下、インクのハジキや印刷濃度の低下等を招く場合がある。
湿潤液はさらに、カチオン性化合物や保存性改良剤等を含むものであっても良い。これらは各々1種又は2種以上を用いることができる。
湿潤液にカチオン性化合物を添加することで、印刷の耐水性や印刷濃度を向上することができる。カチオン性化合物としては、光沢層のインク定着剤で例示したものが用いられる。
湿潤液に保存性改良剤を添加することで、印刷の保存性を改良することができる。その具体例としては、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物や、炭酸ジルコニウムアンモニウム、酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物等の水溶性多価金属塩や、ビス[2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル]スルホン、2−(フェニルチオ)エタノール等の含イオウ化合物、ベンゾトリアゾール、酸化セリウム等の紫外線吸収剤、アスコルビン酸、ビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、ルチン等の酸化防止剤、ヒンダードアミン等のラジカル捕捉剤等が挙げられる。中でも、ビス[2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル]スルホンは、インクジェット印刷の耐ガス性が向上するため、好ましい。
湿潤液には、その他必要に応じて、スチレン−ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート─ブタジエン共重合体ラテックス等の合成樹脂ラテックス、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体類、ポリカルボン酸、ポリアクリル酸、アクリルエマルジョン、ポリアマイド、ポリエステル、アルカリ増粘型や非イオン界面活性剤等の各種増粘剤や流動変性剤、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、第一燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カルシルム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、モノクロル酢酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等の無機酸や有機酸のアンモニウム塩や金属塩類、更には、メチルアミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、リン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル塩、アルキルフェノールエーテルリン酸エステル塩等のリン酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン、アンモニア水、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル等の多官能性エポキシ化合物、尿素─ホルムアルデヒド系、ポリアミド─エピクロロヒドリン系、グリオキザール等の各種耐水化剤や印刷適正向上剤等の各種添加剤を、1種又は2種以上添加することができる。
これらの添加量は特に制限はないが、湿潤液中、0.05〜10質量%、特に0.1〜5質量%が好ましい。
湿潤液にはさらに必要に応じて、分散剤、消泡剤、着色剤、蛍光染料、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を添加することができる。また、助剤として、アルミナ、シリカ、クレー、炭酸カルシウム等の顔料を添加することもできる。
湿潤液は一度で全量を付与しても、複数回に分けて付与しても構わない。複数回に分けることで、例えば混合すると凝集してしまうような複数の添加物の組み合わせでも、湿潤液として塗布することができる。
湿潤液の付与量は特に制限はないが、5〜50ml/m程度が好ましい。湿潤液の付与量が少なすぎると、塗被層の可塑化が不充分となり、良好な光沢性が発現しなくなる恐れがある。湿潤液の付与量が多すぎると、加熱鏡面上での水分蒸発量が多くなりすぎて、良好な光沢性が発現しなくなる恐れがある。
湿潤液の付与方法は特に制限はなく、光沢層用塗工液の塗工と同様、各種コータ等の塗工装置を用いて実施できる(段落[0060]参照)が、より高度の光沢性が得られることから、キャスト仕上げ時、すなわち加熱鏡面とこれに対向配置されるプレスロールの間を通過する際に湿潤液を同時に付与することが好ましい。
第1、第2の製造方法では、いずれも塗被層の表面に湿潤液を付与した後、塗被層を加熱鏡面(通常はキャストドラム)に圧接し、キャスト仕上げを行う。塗被層は、加熱鏡面への圧接により表面に光沢性が付与されると同時に乾燥される。
加熱鏡面の温度は特に制限はないが、80〜120℃が好ましい。加熱鏡面の温度が80℃未満では、乾燥効果が悪く、生産性が低下する恐れがあり、120℃を超えると、塗工液が加熱鏡面上で突沸し、光沢性や印刷適性が低下する恐れがある。
また、光沢層に感温性高分子化合物を用いる場合、加熱鏡面の温度は、感温性高分子化合物のガラス転移温度の±20℃以内の温度に設定することが好ましい。感温性高分子化合物のガラス転移温度が、加熱鏡面の温度より20℃を超えて低い場合、乾燥時に光沢層の成膜が進み過ぎて表面の空隙が低下し、インク吸収性の低下を招く恐れがある。逆に、感温性高分子化合物のガラス転移温度が、加熱鏡面の温度より20℃を超えて高い場合、成膜が不充分となり、空隙の残量が多くなり、光沢性が不充分となる恐れがある。
なお、加熱鏡面に圧接するだけでは充分な乾燥が実施できないような場合には、キャスト仕上げ前に、塗被層の水分量が12質量%未満とならないように、予備乾燥を実施しても良い。また、近赤外線乾燥機等の補助乾燥手段による補助乾燥をキャスト仕上げ中又は仕上げ後に実施しても構わない。
キャスト塗工シートには、必要に応じて上記以外の層を設けることができる。
例えば、裏面側にカール等の防止や、摩擦性の調整、手触り・風合いの調整等を目的として、樹脂、及び必要に応じて顔料や染料を含む裏面層を設けることができる。樹脂としては、インクジェット印刷時のカール防止効果、及びプリンタ搬送性の向上効果に優れ、印刷の質感を写真用印画紙に近づけることができることから、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)等の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
かかる裏面層はコーティング法やラミネート法にて形成できる。裏面層の形成タイミングは特に制限はないが、キャスト仕上げ後が好ましい。
以上のようにして、光沢層を有するキャスト塗工シートが製造される。
本発明の第1、第2の製造方法によれば、光沢性とインクジェット印刷適性の双方に優れ、インクジェット記録用として好適なキャスト塗工シートを安定的に提供することができる。本発明で得られるキャスト塗工シートは、用いるインク(染料系、顔料系)の種類等に関係なく、写真調等の美麗なインクジェット印刷を施すことができるものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記例によって何ら限定されるものではない。例中、「部」及び「%」は特に断らない限り、質量基準とする。
(透気性支持体の調製)
はじめに、木材パルプ(LBKP:ろ水度440mlCSF)100部、填料(炭酸カルシウム3:タルク1の混合物)15部、市販サイズ剤(商品名:ファイブラン81K、日本エヌエスシー(株)製)0.05部、硫酸バンド0.45部、澱粉0.45部、紙力増強剤(ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂)0.4部、歩留向上剤少々を原料とし、長網抄紙機にて製紙した。坪量は192g/mとした。この紙に対して、150kg/cmの線圧でスーパーカレンダ処理を施し、透気性支持体(原紙)を得た。この支持体の厚さは205μm、王研式透気度は30秒/100ccであった。
(下塗り層用塗工液の調製)
顔料として合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、(株)トクヤマ製、平均二次粒子径6.2μm)100部、接着剤としてシリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ(株)製)25部、蛍光染料(商品名:WhitexBPS(H)、住友化学(株)製)2部、及び水を混合し、下塗り層用塗工液を調製した。固形分濃度は15%とした。
(カチオン性微細顔料の調製)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径9nm、比表面積300m/g、(株)トクヤマ製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmの10%シリカ分散液を調製した。
該分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績(株)製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径300nmの12%シリカ分散液を調製し、カチオン性微細顔料を得た。
(光沢層用塗工液の調製)
・光沢層用塗工液A
上記カチオン性微細顔料100部、接着剤としてポリビニルアルコール(商品名:PVA145、クラレ(株)製)20部、消泡剤0.1部、及び水を混合し、光沢層用塗工液Aを調製した。固形分濃度は10%とした。
・光沢層用塗工液B
40℃下で、上記カチオン性微細顔料100部、接着剤として感温性高分子化合物(商品名:ALB−221、旭化成(株)製、感温点24℃、感温点未満で親水性、感温点以上で疎水性)20部、消泡剤0.1部、及び水を混合し、光沢層用塗工液Bを調製した。固形分濃度は10%とした。
・光沢層用塗工液C
50℃下で、上記カチオン性微細顔料100部、接着剤として感温性高分子化合物(商品名:ALB−213、旭化成(株)製、感温点32℃、感温点未満で親水性、感温点以上で疎水性)20部、消泡剤0.1部、及び水を混合し、光沢層用塗工液Cを調製した。固形分濃度は10%とした。
(湿潤液の調製)
湿潤液として、ステアリン酸アミド系離型剤の1%水溶液を調製した。
(実施例、比較例)
いずれの例においても、上記透気性支持体上に、上記下塗り層用塗工液を絶乾質量が5g/mとなるようにエアーナイフコータで塗工し塗被層を形成し、該層を120℃で1分乾燥して、下塗り層を形成した。この上に、条件を変えて光沢層を形成した。以下、各例における光沢層の形成手順について説明する。
(実施例1)
下塗り層の表面温度を23℃に調整した後、該層上に、上記光沢層用塗工液A(23℃に調整)を絶乾質量で5g/m、ダイコータで塗工し、塗被層を形成した。塗工後、積極的な乾燥は実施しなかった。続いて、塗被層表面に上記湿潤液(23℃)を20ml/m塗布した。湿潤液付与時の塗被層の水分量は22%であった。湿潤液を付与後直ちに、塗被層を表面温度100℃のキャストドラムに圧接して、光沢性の付与と乾燥を実施し、本発明のキャスト塗工シートを得た。
(実施例2)
熱風乾燥機により、塗被層を水分量が14%になるまで乾燥してから湿潤液を付与した以外は、実施例1と同様として、本発明のキャスト塗工シートを得た。
(比較例1)
熱風乾燥機により、塗被層を水分量が5%になるまで乾燥してから湿潤液を付与した以外は、実施例1と同様として、比較用のキャスト塗工シートを得た。
(比較例2)
光沢層用塗工液Aの代わりに、光沢層用塗工液Aを固形分濃度5%に希釈した塗工液(23℃に調整)を用いた以外は、実施例1と同様として、比較用のキャスト塗工シートを得た。湿潤液付与時の塗被層の水分量は42%であった。
(実施例3)
湿潤液として純水(23℃)を用いた以外は、実施例1と同様として、本発明のキャスト塗工シートを得た。湿潤液付与時の塗被層の水分量は22%であった。
(実施例4)
下塗り層の表面温度を23℃に調整した後、該層上に、硼砂水溶液(固形分3%、23℃)を絶乾質量で1g/m塗工し、これを23℃で30秒乾燥した後、上記光沢層用塗工液A(23℃に調整)を絶乾質量で5g/m、ダイコータで塗工し、塗被層を形成した。塗被層は塗工後、直ちにゲル化した。ゲル化後の塗被層の水分量は23%であった。その後、実施例1と同様に、湿潤液の付与及びキャスト仕上げを実施し、本発明のキャスト塗工シートを得た。
(比較例3)
熱風乾燥機により、ゲル化後の塗被層を水分量が5%になるまで乾燥してから湿潤液を付与した以外は、実施例4と同様として、比較用のキャスト塗工シートを得た。
(実施例5)
下塗り層上に、上記光沢層用塗工液B(35℃に調整)を絶乾質量で5g/m、ダイコータで塗工し、塗被層を形成した。続いて、冷風機を用いて温度20℃まで冷却し、塗被層をゲル化させた。この時点の塗被層の水分量は20%であった。その後、実施例1と同様に、湿潤液の付与及びキャスト仕上げを実施し、本発明のキャスト塗工シートを得た。
(比較例4)
熱風乾燥機により、ゲル化後の塗被層を水分量が5%になるまで乾燥してから湿潤液を付与した以外は、実施例5と同様として、比較用のキャスト塗工シートを得た。
(実施例6)
下塗り層上に、上記光沢層用塗工液C(45℃に調整)を絶乾質量で5g/m、ダイコータで塗工し、塗被層を形成した。続いて、冷風機を用いて温度20℃まで冷却し、塗被層をゲル化させた。この時点の塗被層の水分量は21%であった。その後、実施例1と同様に、湿潤液の付与及びキャスト仕上げを実施し、本発明のキャスト塗工シートを得た。
(評価項目及び評価方法)
「光沢性」
得られたキャスト塗工シートの光沢層表面を横方向から目視し、下記基準にて評価した。
◎:極めて高い光沢性がある。
◎〜○:◎と○の中間。
○:高光沢性がある。
△:光沢性がある。
×:光沢性がやや劣る。
××:光沢性がなくマット調。
「印刷濃度」
市販の染料インクタイプのインクジェットプリンタ(商品名:PM−G800、セイコーエプソン(株)製)を用いて黒のベタ印刷を行い、その印刷濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth RD−914)で測定した。
「印刷にじみ」
印刷濃度の評価と同じプリンタを使用し、ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーの各色ベタを、互いに境界が接するようにマス目状に印刷し、各色間の境界部でのインクにじみを目視にて評価した。
◎:印刷にじみは全く認められず、極めて良好。
○:印刷にじみがわずかに認められるが、実用上問題なし。
△:印刷にじみがややあり、実用上やや問題。
×:印刷にじみが著しく、実用上極めて問題。
「ベタ印刷の均一性(ベタ均一性)」
印刷濃度の評価と同じプリンタを使用して印刷を行い、グリーンベタ印刷部の印刷ムラ(濃淡ムラ)を目視にて評価した。
◎:印刷ムラは全く認められず、極めて良好。
○:印刷ムラがわずかに認められるが、実用上問題なし。
△:印刷ムラがややあり、実用上やや問題。
×:印刷ムラがあり、実用上極めて問題。
(結果)
結果を表1に示す。同表には、光沢層の主な形成条件についても記載してある。
表に示すように、本発明の第1の製造方法を適用した実施例1〜3、及び本発明の第2の製造方法を適用した実施例4〜6ではいずれも、塗被層の水分量が14〜23%の状態で湿潤液を付与してから、キャスト仕上げを実施し、光沢層を形成した。
いずれの実施例においても、光沢性に優れたキャスト塗工シートが得られ、得られたキャスト塗工シートは、印刷にじみがないか、あっても問題のないレベルであり、印刷濃度やベタ印刷の均一性が良好で、インクジェット印刷適性が良好であった。
中でも、塗被層をゲル化させたもの(実施例4、5)、特に感温性高分子化合物を用いてゲル化させたもの(実施例5)では、そうでないもの(実施例1〜3)に比して、光沢性がより優れ、しかも染料インクで印刷した際のインクドットの真円性もより優れていた。但し、用いる感温性高分子化合物の感温点が30℃超では(実施例6)、0〜30℃のもの(実施例5)に比して、光沢性が相対的に劣る結果となった。
また、離型剤を含有しない湿潤液を用いると(実施例3)、離型剤を含有する湿潤液を用いる場合(実施例1)に比して、光沢性がやや劣る結果となった。
対して、湿潤液付与時の水分量を5質量%又は42質量%とした比較例1〜4では(比較例1はリウエットキャスト法に相当)、光沢性が著しく不良であり、実施例に比してベタ印刷の均一性も劣る傾向にあった。
Figure 2006002259
本発明の技術で得られるキャスト塗工シートは、インクジェット記録シート、感熱記録シート、感圧記録シート、熱転写記録シート、電子写真記録シート等の各種記録シートや、アート紙、コート紙、キャストコーテッド紙等の印刷用塗工シート等として好ましく利用できる。

Claims (6)

  1. 透気性支持体上に、水分量12〜40質量%の塗被層を形成し、該層の表面に湿潤液を付与した後、加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とするキャスト塗工シートの製造方法。
  2. 透気性支持体上に、光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後、該層を増粘又はゲル化させ、さらに該層の水分量が12質量%以上の状態で、その表面に湿潤液を付与し、これを加熱鏡面に圧接し乾燥することで、光沢層を形成することを特徴とするキャスト塗工シートの製造方法。
  3. 特定の温度域では親水性、それと異なる温度域では疎水性を呈し、親水性を呈する温度域ではこれを含む液が増粘又はゲル化する感温性高分子化合物を含有する光沢層用塗工液を用い、
    前記感温性高分子化合物が疎水性を呈する温度域で、前記光沢層用塗工液を塗工して塗被層を形成した後、前記感温性高分子化合物が親水性を呈する温度域に温度変化させることで、該層を増粘又はゲル化させることを特徴とする請求項2に記載のキャスト塗工シートの製造方法。
  4. 前記感温性高分子化合物は、感温点未満で親水性、感温点以上で疎水性を呈するものであり、かつ感温点が0〜30℃であることを特徴とする請求項3に記載のキャスト塗工シートの製造方法。
  5. キャスト塗工シートがインクジェット記録用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のキャスト塗工シートの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のキャスト塗工シートの製造方法により製造されるものであることを特徴とするキャスト塗工シート。
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