JP2006001448A - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 空気の流路22を形成するケーシング11と、流路22内に流入した空気を冷却するエバポレータ12と、冷却された空気を加熱するヒータコア13と、加熱された空気の一部を更に加熱する補助ヒータ14とを備え、補助ヒータ14が流路22における流路抵抗の小さい領域に配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
この冷凍サイクルは、通常の車両用空調装置において、冷房および除湿を行うための冷却装置として使用されている。また、暖房装置としては、車両走行用エンジン(内燃機関)の廃熱を利用した熱交換器(ヒータコア)が一般的に使用されている。この場合の廃熱は、エンジンを冷却することで加熱され、温水となったエンジン冷却水の熱を利用するものであり、温水ヒータとも呼ばれている。
このような、内燃機関の廃熱を利用した暖房装置では、近年におけるエンジンの高効率化に伴い廃熱量が減る傾向にあるため、十分な暖房能力を得ることが難しくなってきた。そのため、不足する暖房能力を補うために電気ヒータなどの補助ヒータを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ヒータコアで加熱された空気の一部を、補助ヒータによりさらに加熱し、後流側においてミックスする方法が提案されている(例えば、特許文献2および3参照。)。
そのため、ヒータコアを流れる空気流量の分布が不均一になり、ヒータコアの加熱能力を十分に用いることができず、暖房能力が不足しやすいという問題があった。
さらに、補助ヒータは流れ抵抗を有するため、補助ヒータを流れる空気の流量が更に減少し、補助ヒータの加熱能力が更に発揮されにくくなるという問題があった。
請求項1に記載の車輌用空気調和装置は、空気の流路を形成するケーシングと、前記流路内に流入した空気を冷却するエバポレータと、冷却された空気を加熱するヒータコアと、加熱された空気の一部を加熱する補助ヒータと、を備え、前記補助ヒータが、前記流路における流路抵抗の小さい領域に配置されていることを特徴とする。
また、補助ヒータを空気流量の多い領域に配置することにより、補助ヒータを流量の少ない領域に配置している場合と比較して、多くの空気を補助ヒータに当てることができ、補助ヒータの能力をより有効に用いることができる。補助ヒータとしては、PTCヒータが好適である。
本発明によれば、エバポレータとヒータコアとの間に設けた壁部により、流路の上方に偏る空気の流れに当たるように、補助ヒータが流路の上方に配置されている。そのため、補助ヒータを他の領域に配置した場合と比較して、ヒータコア近傍領域の空気の流量分布を均一化することができる。これにより、ヒータコアの略全面から均一に熱を空気に伝えることができ、ヒータコアの加熱能力を十分に用いることができる。
また、補助ヒータは、偏った空気の流れに当たるように配置されているため、他の領域に配置した場合と比較して、多くの空気を補助ヒータに当てることができ、補助ヒータの能力を十分に用いることができる。補助ヒータとしては、PTCヒータが好適である。
また、補助ヒータを配置することにより、ヒータコアに当たる空気の流量分布を均一化することができるため、ヒータコアの加熱能力をより有効に用いることができ、暖房能力の向上を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係る車両用空気調和装置が車両のフロントに配置された状態を示す斜視図である。
車両用空気調和装置1は、図1に示すように、冷暖房などの空気調和を行う車両用空気調和ユニット10と、冷房運転時に空気調和ユニット10へ冷媒を供給する冷媒系50と、暖房運転時に空気調和ユニット10へ熱源となるエンジン冷却水を供給する加熱源系60と、から概略構成されている。
空気調和ユニット10は、ケーシング11と、ケーシング11内に空気を送り込むブロアファン(図示せず)と、空気を冷却および除湿するエバポレータ12と、冷却および除湿された空気を加熱するヒータコア13と、加熱された空気をさらに加熱するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ(補助ヒータ)14と、から概略構成されている。以下、この空気調和ユニット10を空気の流れの順に説明する。
エバポレータ12とヒータコア13との間には、流路22の内面から高さ方向略中央部にまで立ち上がる仕切り部(壁部)23が形成されている。仕切り部23は、エバポレータ12により除湿された水および外部からケーシング11内に侵入した雨などの水を、その下方角部で、さらに下流に侵入しないように堰き止めている。仕切り部23に堰き止められた水は、仕切り部23とエバポレータ12との間に形成されたドレイン24から排出される。
エアミックスダンパ25と仕切り部23とが接触した状態にあっては、エアミックスダンパ25と仕切り部23とによって空気がヒータコア13に流入することが阻止される。阻止された空気は、上方に流れて、後述するデフロスト吹出口26、フェイス吹出口27またはフット吹出口28に流入する。エアミックスダンパ25は、回動させて仕切り部23から離間させるにつれてヒータコア13への流入量が上昇するようになっている。
暖房運転時には、エアミックスダンパ25が上方にまで回動し、エバポレータ12を通過した空気の全てがヒータコア13に流入する。
PTCヒータ14は、図3に示すように、ヒータ筐体15と、熱を発生するPTC素子16と、PTC素子16から発生した熱を空気に伝えるフィン17と、PTC素子16に電力を供給する配線18とから概略構成されている。空気は紙面に対して垂直方向に流れ、PTC素子16の表面およびフィン17の間を流れることにより、PTCヒータ14から熱を受け取り加熱される。
デフロスト・フェイスダンパ30は回動軸30aを中心に回動するように支持され、回動することで、デフロスト吹出口26またはフェイス吹出口27を塞ぐように配置されている。フットダンパ31は回動軸31aを中心に回動するように支持され、回動することでフット吹出口28を塞ぐように配置されている。また、フットダンパ31はその回動位置を変えることにより、フット吹出口28に流れる空気の流量と、デフロスト吹出口26またはフェイス吹出口27に流れる空気の流量を調節することができる。
冷媒系50は、図1および図2に示すように、エバポレータ12に低温低圧の液冷媒を供給するものであって、エバポレータ12の他に、コンプレッサ51と、コンデンサ52と、膨張弁53とから概略構成されている。
コンプレッサ51は、エバポレータ12で車室内または車外の空気の熱を奪って気化した低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒としてコンデンサ52へ送り出すものである。自動車用空気調和装置の場合、コンプレッサ51は、通常エンジン61よりベルト及びクラッチを介してガス冷媒を圧縮するための駆動力を受ける。
加熱源系60は、図1および図2に示すように、ヒータコア13に熱源となる高温のエンジン冷却水を供給するもので、エンジン61とラジエタ62との間を循環するエンジン冷却水系から、その一部を空気調和装置に導入するものである。
仕切り部23が形成された領域を通過した空気は、次にヒータコア13に流入する。ヒータコア13の後流側の上方にはPTCヒータ14が配置されているため、ヒータコア13の近傍領域においては、流路22の上方の流路抵抗が高くなる。その結果、ヒータコア13の下方にも空気が流れ込むようになり、流路22の上方に偏った空気の流れが均一化されて、空気がヒータコア13に対して均一に流入するようになる。
ヒータコア13の上方を通過した空気は、PTCヒータ14に流入し、PTC素子16およびフィン17の間を通過する際に加熱される。
ヒータコア13およびPTCヒータ14に加熱された空気は、各吹出口26,27,28に分配されて車室内に吹き出される。
PTCヒータ14に偏った空気の流れが当たるため、PTCヒータ14に多量の空気を通過させることができ、PTCヒータに少量の空気を通過させる場合と比較して、PTCヒータ14の加熱能力をより有効に用いることができる。
つまり、空気流量が多く、かつヒータコア13内のエンジン冷却水温度が低下する領域である流路22の上方に、PTCヒータ14を配置することにより、PTCヒータ14の加熱能力をさらに有効に用いることができる。
例えば、上記の実施の形態においては、PTC素子16を用いたPTCヒータ14をヒータコア13の補助ヒータとして用いる構成にとして説明したが、このPTCヒータ14を用いる構成に限られることなく、電熱線を用いた補助ヒータや、エンジンの冷却水を用いた補助ヒータなど、その他各種の熱源を用いた補助ヒータに変更することができるものである。
11 ケーシング
12 エバポレータ
13 ヒータコア
14 PTCヒータ(補助ヒータ)
22 流路
23 仕切り部(壁部)
Claims (2)
- 空気の流路を形成するケーシングと、前記流路内に流入した空気を冷却するエバポレータと、冷却された空気を加熱するヒータコアと、加熱された空気の一部を加熱する補助ヒータと、を備え、
前記補助ヒータが、前記流路における流路抵抗の小さい領域に配置されていることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 前記エバポレータと前記ヒータコアとの間の前記流路には、前記流路の下面から上方に向けて前記空気の流れを遮るように延びる壁部が設けられ、
前記補助ヒータが、前記流路の上方に配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両用空気調和装置。
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