JP2005536595A - 導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法 - Google Patents
導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005536595A JP2005536595A JP2004529847A JP2004529847A JP2005536595A JP 2005536595 A JP2005536595 A JP 2005536595A JP 2004529847 A JP2004529847 A JP 2004529847A JP 2004529847 A JP2004529847 A JP 2004529847A JP 2005536595 A JP2005536595 A JP 2005536595A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exchange resin
- aqueous dispersion
- acid
- conductive polyaniline
- polyaniline
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/06—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
- H01B1/12—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances organic substances
- H01B1/124—Intrinsically conductive polymers
- H01B1/128—Intrinsically conductive polymers comprising six-membered aromatic rings in the main chain, e.g. polyanilines, polyphenylenes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G73/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J39/00—Cation exchange; Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
- B01J39/04—Processes using organic exchangers
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J47/00—Ion-exchange processes in general; Apparatus therefor
- B01J47/14—Controlling or regulating
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J47/00—Ion-exchange processes in general; Apparatus therefor
- B01J47/14—Controlling or regulating
- B01J47/15—Controlling or regulating for obtaining a solution having a fixed pH
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G73/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
- C08G73/02—Polyamines
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G73/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
- C08G73/02—Polyamines
- C08G73/026—Wholly aromatic polyamines
- C08G73/0266—Polyanilines or derivatives thereof
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
導電性ポリアニリンを水溶液中でポリマー酸の存在下で合成し、それによって、前記導電性ポリアニリンと前記ポリマー酸とを含む合成されたままの水性分散系を形成する工程と、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系を製造するのに適した条件下で前記合成されたままの水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程と、を含む、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法が提供される。本発明の前記方法によって製造された水性分散系が、エレクトロルミネセンス(EL)デバイスにおいて使用するためのバッファ層の作製に有用である。
Description
本発明は、例えば、ポリマー発光ダイオードなどのエレクトロルミネセンスデバイスの製造における導電性ポリアニリンの水性分散系の使用に関する。
導電性ポリマーは、発光型ディスプレイにおいて使用するためのエレクトロルミネセンス(EL)デバイスの開発に使用されている。導電性ポリマーを含有する有機発光ダイオード(OLED)などのELデバイスは概して、以下の構成を有する。
アノード/バッファ層/ELポリマー/カソード
アノードは典型的に、例えば、インジウム/スズ酸化物(ITO)などの半導性ELポリマーの、ほかの場合なら充填πバンドに正孔を注入する能力を有する任意の材料である。アノードは場合により、ガラスまたはプラスチック基板上に支持される。ELポリマーは典型的に、ポリ(パラフェニレンビニレン)またはポリフルオレンなどの共役半導電性ポリマーである。カソードは典型的に、半導性ELポリマーの、ほかの場合なら空π*バンドに電子を注入する能力を有する任意の材料(例えば、CaまたはBaなど)である。
アノード/バッファ層/ELポリマー/カソード
アノードは典型的に、例えば、インジウム/スズ酸化物(ITO)などの半導性ELポリマーの、ほかの場合なら充填πバンドに正孔を注入する能力を有する任意の材料である。アノードは場合により、ガラスまたはプラスチック基板上に支持される。ELポリマーは典型的に、ポリ(パラフェニレンビニレン)またはポリフルオレンなどの共役半導電性ポリマーである。カソードは典型的に、半導性ELポリマーの、ほかの場合なら空π*バンドに電子を注入する能力を有する任意の材料(例えば、CaまたはBaなど)である。
バッファ層は典型的に導電性ポリマーであり、アノードからELポリマー層中への正孔の注入を容易にする。バッファ層はまた、正孔注入層、正孔輸送層と呼ばれることもあり、または二層アノードの一部として特徴づけられる場合がある。バッファ層として使用される代表的な導電性ポリマーには、ポリアニリン(Pani)およびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)などのポリジオキシチオフェンがある。これらの材料は典型的に、アニリンまたはジオキシチオフェンモノマーをポリ(スチレンスルホン酸)(PSSA)などのポリマー酸の存在下、水溶液中で重合させることによって調製される。周知のPEDT/PSSA材料は、H・C・スタルク(H.C.Starck)(ドイツ、レーフェルクーゼン(Leverkusen,Germany))から市販されているベイトロン(Baytron)(登録商標)−Pである。
ELデバイスにおいて用いられるバッファ層は典型的に、導電性ポリマーおよびポリマー酸の水性分散系からキャストされる。水性PAni分散系が周知であり、通常、最初に、導電性PAni/ポリマー酸材料(例えば、PAni/PSSA)を水性重合媒体から単離することによって調製される。単離は典型的に、導電性ポリマーのための豊富な量の非溶媒(または沈殿溶媒、例えば、アセトン)を水性重合媒体に添加し、それによって導電性ポリマーを沈殿させることによって行われる。次に、沈殿した導電性ポリマーを付加的な沈殿溶媒で洗浄し、乾燥させる。最後に、乾燥された導電性ポリマーを水中に再分散させ、それによってバッファ層をキャストするために用いられる水性分散系を形成する。
しかしながら、導電性PAniの単離および再分散は、使用される多量の沈殿溶媒およびそれに必要とされる時間の長さのために、費用がかかる。さらに、この方法は、単離されたポリマーを水中に再分散させるのを難しくすることが多く、かかる分散系の粘度は、分散系が長時間貯蔵されるときに変化する傾向がある。
したがって、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系を重合媒体から直接に、すなわち、導電性ポリマー材料の単離および再分散を必要とせずに製造する必要がある。本発明は、この必要に取り組み、又、さらに利点を提供する。
a)導電性ポリアニリンを水溶液中でポリマー酸の存在下で合成し、それによって、前記導電性ポリアニリンと前記ポリマー酸とを含む合成されたままの水性分散系を形成する工程と、
b)導電性ポリアニリンの安定な水性分散系を製造するのに適した条件下で前記合成されたままの水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程と、を含む、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法が提供される。
b)導電性ポリアニリンの安定な水性分散系を製造するのに適した条件下で前記合成されたままの水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程と、を含む、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法が提供される。
本発明の別の実施態様において、グラビアコーティング、スタンピング、スクリーン印刷、押出し、スリットダイコーティング、印刷、インクジェット、インク分配、浸漬、スピンコーティング、ローリング、およびカーテンコーティングおよび他の従来の技術など、連続的および不連続な技術を含めるがそれらに限定されない任意の数の堆積技術によって堆積またはキャストされたポリアニリン/ポリマー酸バッファ層の導電率を低減させるのに適した条件下で水溶液を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程を含む、水溶液から基板上にキャストされたポリアニリン/ポリマー酸バッファ層の導電率を約1×10−4S/cm未満の値に低減させる方法が提供される。
本発明の別の実施態様において、ポリアニリン/ポリマー酸分散系が1.5より大きいpHを有する。別の実施態様において、ポリアニリン/ポリマー酸分散系が3.0より大きいpHを有する。
本発明の別の実施態様において、水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程を含み、接触が、水性分散系の室温における粘度を安定化するのに適した条件下で行われる、導電性ポリアニリンの合成されたままの水性分散系の室温における粘度の安定化方法が提供される。
本発明のさらに別の実施態様において、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系が提供され、形成された14日(336時間)後の分散系の粘度が初期粘度の少なくとも80%である。
本発明のさらに別の実施態様において、本発明の方法によって製造された導電性ポリアニリンの安定な水性分散系が提供される。
本発明のさらに別の実施態様において、本発明の方法によって製造されたバッファ層が提供される。
本発明のさらに別の実施態様において、本発明の方法によって製造されたバッファ層を含むエレクトロルミネセンス(EL)デバイスが提供される。
導電性ポリアニリンを水溶液中でポリマー酸の存在下で合成し、それによって、導電性ポリマーとポリマー酸とを含む合成されたままの水性分散系を形成する工程と、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系を製造するのに適した条件下で前記合成されたままの水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程と、を含む、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法が提供される。
本明細書中で用いた用語「直接に」は、安定な水性分散系が導電性ポリマーを水性重合溶液から単離(例えば、沈殿による)することを必要とせずに製造されることを意味する。
本明細書中で用いた用語「分散系」は、微細粒子の懸濁液を含有する連続した媒体を指す。本発明に従って、「連続した媒体」は典型的に、水性液体、例えば、水であり、微細粒子は導電性ポリアニリンおよびポリマー酸を含む。
本明細書中で用いた用語「安定な」は、水性分散系に対して用いられるとき、水性分散系の粘度が、室温において一定期間にわたって、例えば、少なくとも約1ヶ月間貯蔵されるときに実質的に一定したままであることを意味する。
本明細書中で用いた用語「合成されたままの(as−synthesized)」は、水性分散系に対して用いられるとき、イオン交換樹脂と接触する前の導電性ポリアニリンの水性分散系を指す。かかる合成されたままの水性分散系の例は水性重合溶液であり、例えば、重合が(例えば、完了まで)行われたがイオン交換樹脂と接触されていない溶液である。
本明細書中に記載した用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含める(includes)」、「含める(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの他の何れかの変形は、非限定的な包含を扱うものとする。例えば、一連の要素を含む方法(process、method)、物品、または装置はそれらの要素だけに必ずしも制限されず、特に記載されていないかまたはかる方法(process、method)、物品、または装置に固有の他の要素を含めてもよい。さらに、特に異なって記載しない限り、「または(or)」は包括的な「または」を指し、限定的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下の何れか1つによって満足させられる。Aが真であり(または存在する)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、AおよびBの両方が真である(か、または存在する)。
又、単数形(「a」または「an」)の使用は、本発明の要素または成分を記載するために使用される。これは、単に便宜上のために、および本発明の一般的な意味を提供するために使用される。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含めるように読まれるべきであり、又、他の意味であることが明白でない限り、単数は複数を含める。
イオン交換は、流体媒体(水性分散系など)中のイオンが流体媒体中に不溶性である不動固体粒子に結合した同様に電荷をもつイオンと交換される、可逆的な化学反応である。用語「イオン交換樹脂」は、かかる全ての物質を指すために本明細書中で用いられる。樹脂は、イオン交換基が結合されるポリマー支持体の架橋性質のために不溶性にされる。イオン交換樹脂は、交換のために利用可能な正の電荷をもつ可動イオンを有する、酸性カチオン交換体、交換可能なイオンが負の電荷をもつ塩基性アニオン交換体として分類される。
酸性カチオン交換樹脂と塩基性アニオン交換樹脂との両方が、本発明の実施において使用が考えられる。1つの実施態様において、酸性カチオン交換樹脂は、スルホン酸カチオン交換樹脂などの無機酸カチオン交換樹脂である。本発明の実施において使用が考えられるスルホン酸カチオン交換樹脂には、例えば、スルホン化スチレンジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレンポリマー、フェノールホルムアルデヒドスルホン酸樹脂、ベンゼンホルムアルデヒドスルホン酸樹脂などがある。別の実施態様において、酸性カチオン交換樹脂は、カルボン酸カチオン交換樹脂などの有機酸カチオン交換樹脂である。
別の実施態様において、塩基性アニオン交換樹脂が第三級アミンアニオン交換樹脂である。本発明の実施において使用が考えられる第三級アミンアニオン交換樹脂には、例えば、第三級アミノ化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、第三級アミノ化架橋スチレンポリマー、第三級アミノ化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、第三級アミノ化ベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂などがある。さらに別の実施態様において、塩基性アニオン交換樹脂が第四級アミンアニオン交換樹脂である。
本発明に従って、安定な水性分散系は、最初に導電性ポリアニリンを水溶液中でポリマー酸の存在下で合成し、それによって前記導電性ポリアニリンと前記ポリマー酸とを含む合成されたままの水性分散系を形成することによって調製される。本発明の方法において使用される導電性ポリアニリンは典型的に、アニリンまたは置換アニリンモノマーを水溶液中で過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の酸化剤の存在下で酸化重合させることによって調製される。前記水溶液は、ポリアニリンのエメラルジン塩基との酸/塩基塩を形成するために適したポリマー酸(例えば、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(PAAMPSA)、PSSA等)の少なくとも十分な量を含有し、そこにおいて酸/塩基塩の形成がポリアニリンを導電性にする。このように、例えば、ポリアニリンのエメラルジン塩基を典型的にPAAMPSAによって形成してPAni/PAAMPSAをもたらす。又、水溶液が、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等の重合触媒を含有してもよく、それらは典型的に、例えば、APSより高い酸化電位を有する。重合は典型的に、低温、例えば、−10℃〜30℃の温度において行われる。
重合反応の完了後、合成されたままの水性分散系が、安定な水性分散系を製造するのに適した条件下で少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触される。1つの実施態様において、合成されたままの水性分散系が、第1のイオン交換樹脂および第2のイオン交換樹脂と接触される。別の実施態様において、第1のイオン交換樹脂が、上記のようなスルホン酸カチオン交換樹脂などの酸性カチオン交換樹脂であり、第2のイオン交換樹脂が、上記のような第三級アミンまたは第四級アミン交換樹脂などの塩基性アニオン交換樹脂である。
第1および第2のイオン交換樹脂が、合成されたままの水性分散系と同時にかまたは連続的にかのどちらかで接触してもよい。例えば、1つの実施態様において両方の樹脂が、導電性ポリマーの合成されたままの水性分散系に同時に添加され、少なくとも約1時間、例えば、約2時間〜約20時間、前記分散系と接触したままにされる。次いで、イオン交換樹脂を濾過によって分散系から除去することができる。フィルターの寸法は、より小さな分散系粒子が通過する間に比較的大きなイオン交換樹脂粒子が除去されるように選択される。理論に縛られることを望まないが、イオン交換樹脂は、イオン性および非イオン性不純物を合成されたままの水性分散系から有効に除去すると考えられる。さらに、塩基性アニオン交換樹脂は、ポリマー酸の一部を合成されたままの分散系から除去するか、または酸性部位をより塩基性にし、分散系のpHの増加、およびそれからキャストされたバッファ層の導電率の低下をもたらす。概して、少なくとも約1グラムのイオン交換樹脂を1グラムのポリアニリン/ポリマー酸に対して使用する。代表的な1〜3グラムのイオン交換樹脂を1グラムのポリアニリン(polyanline)/ポリマー酸に対して使用する。
本発明の水性分散系は、時間によって顕著に変化しない粘度を有する。1つの実施態様において、336時間後の水性分散系の粘度は、10s−1の剪断速度において測定したとき、初期粘度の少なくとも80%である。別の実施態様において、336時間後の水性分散系の粘度は、10s−1の剪断速度において測定したとき、初期粘度の少なくとも90%である。別の実施態様において、504時間後の水性分散系の粘度は、10s−1の剪断速度において測定したとき、初期粘度の少なくとも75%である。
本発明の実施において使用が考えられる導電性ポリマーは、トルイジンまたはアニシジンなどのアニリンモノマーまたは置換アニリンモノマーから合成された、ポリアニリンである。
本発明の実施において使用が考えられるポリマー酸は典型的に、ポリマースルホン酸、ポリマーカルボン酸、ポリマーリン酸、等である。1つの実施態様において、ポリマー酸は、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(PAAMPSA)、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(2−メチルスチレンスルホン酸)、ポリ(4−フェニルスチレンスルホン酸)、スルホン化ポリ(α−ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスルホン酸)、スルホン化ポリ(ビニルベンゾエート)、スルホン化ポリ(ベンジルアクリレート)、スルホン化ポリ(ベンジルメタクリレート)、等のポリマースルホン酸である。別の実施態様において、ポリマースルホン酸は、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(PAAMPSA)である。
本発明のさらに別の実施態様において、水溶液から基板上にキャストされたPANI/PAAMPSAバッファ層の導電率の低減方法が提供される。本発明の方法において、水溶液が、それからキャストされたPANI/PAAMPSAバッファ層の導電率を例えば約1×10−4S/cm(シーメンス/センチメートル)より小さい値に低減させるのに適した条件下で酸性カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂と接触される。ピクセル化エレクトロルミネセンスデバイスにおいて、高い抵抗(すなわち、低い導電率)を有するバッファ層が、隣接するピクセル間のクロストークを除くかまたは最小にするのが望ましい。ピクセル間の電流の漏れが電力効率を著しく低減し、エレクトロルミネセンスデバイスの解像度と透明度との両方を制限する。
さらに別の実施態様において、1.5より大きいpHを有する水性ポリアニリン/ポリマー酸分散系が提供される。本発明の方法において、水溶液が、得られた分散系のpHを1.5より大きい値に増加させるために適した条件下で酸性カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂と接触される。1つの実施態様においてpHが3より大きい。より酸性の弱いまたは高pHの材料が、デバイスを製造する間、インジウム/スズ酸化物層の腐蝕をかなり低減することにつながり、従って、OLEDのポリマー層中に拡散するインジウムおよびスズイオンの濃度をずっと低くする。InおよびSnイオンが動作寿命の低下に寄与すると思われるので、これはかなりの利点である。
本発明によって作製されたPANI/PAAMPSA層を、当業者に周知の様々な技術を用いて基板上にキャストしてもよい。キャスティングは典型的に室温において行われるが、キャスティングはまた、当技術分野に周知であるような、より高温またはより低温において行われてもよい。バッファ層は典型的に、水、水と水溶性アルコールとの混合物、水とテトラヒドロフラン(THF)との混合物、水とジメチルスルホキシド(DMSO)との混合物、水とジメチルホルムアミド(DMF)との混合物、または水と他の水溶性溶媒との混合物などの様々な水溶液からキャストされる。
さらに別の実施態様において、本発明の方法によって製造されたバッファ層を含むエレクトロルミネセンス(EL)デバイスが提供される。図1に示されるように、代表的なデバイスが、アノード層110、バッファ層120、エレクトロルミネセンス層130、およびカソード層150を有する。カソード層150に隣接して任意選択の電子注入/輸送層140がある。バッファ層120とカソード層150(または任意選択の電子注入/輸送層140)との間にエレクトロルミネセンス層130がある。
前記デバイスが、アノード層110またはカソード層150に隣接することができる支持体または基板(図示せず)を備えてもよい。支持体がアノード層110に隣接していることが非常に多い。支持体が可撓性または硬質、有機または無機系であってもよい。概して、ガラスまたは可撓性有機フィルムが、支持体として用いられる。アノード層110は、カソード層150に比較して正孔を注入するためにより効率的である電極である。アノードは、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合酸化物を含有する材料を含有することができる。適した材料には、第2族元素(すなわち、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、第11族元素、第4、第5、および第6族元素、および第8〜10族の遷移元素の混合酸化物がある。アノード層110が光透過性である場合、インジウムスズ酸化物などの12、13および14族元素の混合酸化物を用いてもよい。本明細書中で用いる語句「混合酸化物」は、第2族元素または第12、第13、または第14族元素から選択された、2つ以上の異なったカチオンを有する酸化物を指す。アノード層110のための材料のいくつかの非限定的な特定の例には、インジウムスズ酸化物(「ITO」)、アルミニウムスズ酸化物、金、銀、銅、およびニッケルなどがある。又、アノードが、ポリアニリンなどの有機材料を含んでもよい。
アノード層110が、化学蒸着法または物理蒸着法またはスピンキャスト法によって形成されてもよい。化学蒸着法が、プラズマ強化化学蒸着法(「PECVD」)または金属有機化学蒸着法(「MOCVD」)として行われてもよい。物理蒸着法には、イオンビームスパッタリング、ならびに電子ビーム蒸発および抵抗蒸発など、スパッタリングの全ての形を含めることができる。物理蒸着法の特定の形には、rfマグネトロンスパッタリングおよび誘導結合プラズマ物理蒸着法(「IMP−PVD」)などがある。これらの堆積技術は、半導体製造技術には周知である。
通常、アノード層110は、リソグラフィ操作の間にパターン化される。パターンは、必要に応じて変化してもよい。前記層は、例えば、第1の電気的接触層材料を適用する前にパターン化マスクまたはレジストを第1の可撓性複合バリア構造体を配置することによってパターンに形成されてもよい。あるいは、前記層を全層(ブランケット堆積とも呼ばれる)として適用し、引き続いて、例えば、パターン化レジスト層および湿式化学または乾燥エッチング技術を用いてパターン化することができる。当技術分野に周知である他のパターン化方法もまた、用いることができる。電子デバイスがアレイ内に配置されるとき、アノード層110は典型的に、実質的に同じ方向に延びる長さを有する実質的に平行なストリップに形成される。
バッファ層120は通常、当業者に周知の様々な技術を用いて基板上にキャストされる。代表的なキャスティング技術には、例えば、溶液キャスティング、ドロップキャスティング、カーテンキャスティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷などがある。あるいは、バッファ層が、インクジェット印刷など、多数のかかる方法を用いてパターン化されてもよい。
エレクトロルミネセンス(EL)層130は典型的に、ポリ(パラフェニレンビニレン)またはポリフルオレンなどの共役ポリマーであってもよい。選択される特定の材料が、特定の用途、動作中に用いられる電位、または他の因子に依存する場合がある。スピンコーティング、キャスティング、および印刷など、任意の従来の技術によっても、エレクトロルミネセンス有機材料を含有するEL層130を溶液から適用することができる。材料の性質に応じて、EL有機材料を蒸着法によって直接に適用することができる。別の実施態様において、典型的に熱または他の外部エネルギー源(例えば、可視光線または紫外線)によってELポリマー前駆物質を適用し、次いでポリマーに変換することができる。
任意選択の層140が、電子注入/輸送を共に容易にするように機能することができ、又、層の境界面における急冷反応を防ぐ閉じ込め層として役立つことができる。より具体的には、層140が、それがなければ層130と150とが直接接触している場合、電子移動度を促進し、急冷反応の可能性を低減する場合がある。任意選択の層140のための材料の例には、金属キレート化オキシノイド化合物(例えば、Alq3等)、フェナントロリンベースの化合物(例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DDPA」)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DPA」)等)、アゾール化合物(例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(「PBD」等)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(「TAZ」等)、他の同様な化合物、またはそれらの任意の1つ以上の組み合わせなどがある。あるいは、任意選択の層140が無機系であってもよく、BaO、LiF、Li2O等を含んでもよい。
カソード層150が、電子または反対の電荷担体を注入するために特に効率的である電極である。カソード層150が、第1の電気的接触層(この場合、アノード層110)よりも低い仕事関数を有する任意の金属または非金属であってもよい。本明細書中で用いた用語「より低い仕事関数」は、約4.4eV以下の仕事関数を有する材料を意味することを意図する。本明細書中で用いた用語「より高い仕事関数」は、少なくとも約4.4eVの仕事関数を有する材料を意味することを意図する。
カソード層のための材料が、第1族のアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs)、第2族の金属(例えば、Mg、Ca、Ba、等)、第12族の金属、ランタニド(例えば、Ce、Sm、Eu、等)、およびアクチニド(例えば、Th、U、等)から選択され得る。アルミニウム、インジウム、イットリウム、およびそれらの組み合わせなどの材料を用いてもよい。カソード層150のための材料の特定の非限定的な例には、バリウム、リチウム、セリウム、セシウム、ユウロピウム、ルビジウム、イットリウム、マグネシウム、およびサマリウムなどがある。
カソード層150が通常、化学蒸着法または物理蒸着法によって形成される。概して、カソード層が、アノード層110に対して上に記載したようにパターン化される。デバイスがアレイ内にある場合、カソード層150を実質的に平行なストリップにパターン化してもよく、そこにおいて、カソード層ストリップの長さが、実質的に同じ方向に且つアノード層ストリップの長さに実質的に垂直に延びる。ピクセルと呼ばれる電子的要素が、交点に形成される(アレイが平面図または上面図から見られるとき、アノード層ストリップがカソード層ストリップと交わる)。
他の実施態様において、付加的な層が有機電子デバイス内に存在していてもよい。例えば、バッファ層120とEL層130との間の層(図示せず)が、正の電荷輸送、層のバンドギャップ整合、保護層としての機能、等を容易にする場合がある。同様に、EL層130とカソード層150との間の付加的な層(図示せず)が、負の電荷輸送、層間のバンドギャップ整合、保護層としての機能、等を容易にする場合がある。当技術分野において周知である層を用いることができる。さらに、上記の層のいずれも、2つ以上の層から形成することができる。あるいは、無機アノード層110、バッファ層120、EL層130、およびカソード層150のいくつか、または全てを表面処理して電荷キャリア輸送効率を増大させてもよい。成分層の各々のための材料の選択は、高いデバイス効率を有するデバイスを提供する目標と製造コスト、製造の複雑さ、または場合によっては他の因子とのバランスをとることによって決定されてもよい。
異なった層が、任意の適した厚さを有してもよい。無機アノード層110は通常、約500nm以下、例えば、約10〜200nmであり、バッファ層120は通常、約250nm以下、例えば、約50〜200nmであり、EL層130は通常、約1000nm以下、例えば、約50〜80nmであり、任意選択の層140は通常、約100nm以下、例えば、約20〜80nmであり、カソード層150は通常、約100nm以下、例えば、約1〜50nmである。アノード層110またはカソード層150が少なくとも若干の光を透過する必要があるなら、かかる層の厚さは約100nmを超えない場合がある。
電子デバイスの用途に依存して、EL層130が、信号によって活性化される発光層であるか(発光ダイオードの場合など)または輻射エネルギーに応答して印加ポテンシャルを用いてまたは用いずに信号を生成する材料の層である(検出器またはボルタ電池など)。輻射エネルギーに応答することができる電子デバイスの例は、光電池、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタおよび光電管、および光起電力電池から選択される。この明細書を読んだ後、当業者は、それらの特定の用途に適した材料を選択することができる。添加剤を用いてまたは用いずに発光材料が別の材料の母材中に分散されてもよいが、好ましくは層を単独で形成する。EL層130は概して、約50〜500nmの範囲の厚さを有する。
有機発光ダイオード(OLED)において、カソード150およびアノード110層からそれぞれEL層130中に注入された電子および正孔が、負および正の電荷をもつポーラロンをポリマー中に形成する。これらのポーラロンは、電場印加の影響下で移動し、反対電荷をもつ種を有するポーラロン励起子を形成し、および引き続いて放射再結合をする。通常約12ボルト未満、多くの場合約5ボルト以下の、アノードとカソードとの間の十分な電位差がデバイスに印加されてもよい。実際の電位差は、より大きな電子部品におけるデバイスの使用に依存する場合がある。多くの実施態様において、アノード層110が正の電圧にバイアスをかけられ、カソード層150が、電子デバイスの動作中、実質的に地電位またはゼロボルトにある。バッテリーまたは他の電源が、回路の一部として電子デバイスに電気接続されてもよいが、図1には示さない。
本発明のさらに別の実施態様において、水性分散系の室温における粘度を安定化するのに適した条件下で前記水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程を含む、導電性ポリマーの水性分散系の室温における粘度の安定化方法が提供される。
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して、より詳細に記載される。
(測定方法)
粘度
試料の粘度は、TAインストルメンツ(TA Instruments)から入手可能なAR1000−Nレオメーターによって得られた。液体試料が2つの平行なプレート間に置かれる間隙は、50マイクロメータに設定された。各実験を2度行い、両方の試験結果を記録する。
発光の測定
電流対電圧、発光強度対電圧、および効率を、ケースレー(Keithley)236電源−測定装置(オハイオ州、クリーブランドのケースレーインストルメント社(Keithley Instrument Inc.,Cleveland, OH))および較正シリコンフォトダイオードを有するS370オプトメータ(カリフォルニア州、ホーソーンのUDTセンサ社(UDT Sensor,Inc.,Hawthorne,CA))で測定した。
応力半減時間(Stress half−life)
約3mA/cm2の固定電流を高温において、典型的に80℃においてデバイスに連続的に印加した。応力半減時間は、明度が初期値の2分の1に低減されるために必要とされる、時間単位の時間であった。
粘度
試料の粘度は、TAインストルメンツ(TA Instruments)から入手可能なAR1000−Nレオメーターによって得られた。液体試料が2つの平行なプレート間に置かれる間隙は、50マイクロメータに設定された。各実験を2度行い、両方の試験結果を記録する。
発光の測定
電流対電圧、発光強度対電圧、および効率を、ケースレー(Keithley)236電源−測定装置(オハイオ州、クリーブランドのケースレーインストルメント社(Keithley Instrument Inc.,Cleveland, OH))および較正シリコンフォトダイオードを有するS370オプトメータ(カリフォルニア州、ホーソーンのUDTセンサ社(UDT Sensor,Inc.,Hawthorne,CA))で測定した。
応力半減時間(Stress half−life)
約3mA/cm2の固定電流を高温において、典型的に80℃においてデバイスに連続的に印加した。応力半減時間は、明度が初期値の2分の1に低減されるために必要とされる、時間単位の時間であった。
(比較例1)
この実施例は、アセトン沈殿によって単離されたポリマー粉末から製造された1.0w.%のPAni/PAAMPSA水性分散系の粘度の不安定性を示す。
この実施例は、アセトン沈殿によって単離されたポリマー粉末から製造された1.0w.%のPAni/PAAMPSA水性分散系の粘度の不安定性を示す。
60.70g(酸モノマー単位43.93ミリモル)のPAAMPSA(アルドリッチ(Aldrich)、Cat#19、197−3、ロット#07623EO、Mw約2ミリオン、固形分15%水溶液)をジャケット付き1リットル3首フラスコに入れ、その後、334.84gの脱イオン水を入れた。フラスコは、空気駆動オーバーヘッド攪拌機によって作動される攪拌用パドルおよび過硫酸アンモニウムを添加するための小さな管を備えた。小さな管を先端を除去してガラスピペット内に置き、管の端部が反応混合物よりも約1/2インチ上にピペットから出るようにピペットを29サイズ隔壁に挿入した。ジャケット付きフラスコ内の重合液体の温度をモニタするための入口を有する熱電対を用いて、22℃に流体の循環を維持した。PAAMPSA/水混合物の攪拌が始まった後、蒸留したばかりのアニリン(4.0mL、43.9ミリモル)をトランスファーピペットによってフラスコに添加した。混合物を約1時間、攪拌しながら反応させた。攪拌が続けられる間、過硫酸アンモニウム(4.01g、17.572ミリモル、アルドリッチから入手可能な99.999+%の高純度)をシンチレーションバイアル中に集め、塊を16.38gの脱イオン水と混合した。17−ゲージシリンジニードルを用いてフラスコ内の管に接続された、ノーム−ジェクト(Norm−Ject)30mlシリンジ内にこの混合物を置いた。30分にわたって過硫酸アンモニウム(APS)を添加するようにプログラムされたハーバード装置44シリンジ・ポンプ(Harvard Apparatus 44 Syringe Pump)にシリンジを接続した。APSを添加する間、混合物の温度は約23℃であった。APSの添加が始まった1分後、反応混合物が青くなり、そして暗くなり始めた。APS溶液の添加が終わると、絶え間なく攪拌しながら反応を24時間、続行させた。
24時間後、反応混合物を4Lプラスチックナルゲン(Nalgen)(登録商標)ビーカー中に注ぎ、オーバーヘッド撹拌機からの攪拌を開始し、アセトン(2000L)を4Lビーカー中に注いだ。アセトン混合物の混合を37分間、続けた。混合を止めると、混合物を2層に沈降させた。赤味がかった黄色の液相の大部分を傾瀉し、タール状固体生成物を後に残し、次いでそれをワットマン(Whatman)#54濾紙を備えたブフナー漏斗で濾過した。集められた固体を1Lのエルレンマイヤー(Erlenmeyer)フラスコ内に置き、フラスコを、オーバーヘッド空気駆動モーターを用いて攪拌するために配置した。次いで、500mlのアセトンをフラスコ内に入れ、生成物をアセトンでさらに洗浄した。アセトン混合物を約40分間、攪拌し、次いで放置して固体生成物をフラスコの底に沈降させた。液体を傾瀉すると、500mlの新たなアセトンをフラスコに添加し、混合物をさらに約30分間、攪拌した。スラリーをワットマン#54濾紙を備えたブフナー(Buchner)漏斗を通して吸引濾過し、緑味の固体生成物を濾紙に集めた。濾液は透明かつ無色であった。漏斗およびその内容物を真空炉内に置き、一晩乾燥させた(約20インチの水銀、窒素放出、周囲温度)。収量は6.2gであった。
上に合成されたPAni/PAAMPSAポリマーから1重量%の水性分散系を粘度の測定用に調製するために、0.1038gのPAni/PAAMPSAを9.9154gの脱イオン水と混合した。調製すると、分散系の粘度を10、100、1000、および9000S−1の剪断速度において室温でただちに確認し、その粘度の測定値を表Iにおいてゼロ日における粘度として示す。表Iはまた、7日および14日間、室温で貯蔵後の水性分散系の粘度を示す。表Iにまとめたデータは明らかに、分散系の粘度が時間とともに低下し、分散系が不安定であることを示す。粘度が、14日で元の粘度の7分の1に低下した。
(発明の実施例1)
この実施例は、アセトン沈殿をイオン交換樹脂による処理と取り替え、1.0重量%のPAni/PAAMPSA水性分散系がELデバイスにおいて用いられるとき、増強された粘度安定性および発光性質を有することを示す。
この実施例は、アセトン沈殿をイオン交換樹脂による処理と取り替え、1.0重量%のPAni/PAAMPSA水性分散系がELデバイスにおいて用いられるとき、増強された粘度安定性および発光性質を有することを示す。
60.64g(酸モノマー単位43.89ミリモル)PAAMPSA(アルドリッチCat#19、197−3、ロット#07623EO、Mw約2ミリオン、固形分15%水溶液)を比較例1に記載したようにジャケット付き1リットル3首フラスコに入れ、その後、335.21gの脱イオン水を入れた。PAAMPSA/水の混合物の攪拌を開始し、比較例1と同様にして重合を実施した。蒸留されたアニリン(4.0ml、43.9ミリモル)をトランスファーピペットによってフラスコに添加し、混合物を約1時間、攪拌した。攪拌される間、5.01g(21.954ミリモル)の過硫酸アンモニウム(アルドリッチから入手可能な99.999+%高純度)をシンチレーションバイアル中に集め、塊を15.24gの脱イオン水と混合し、17−ゲージシリンジニードルを用いてフラスコ内の管に接続されたノーム−ジェクト30mlシリンジ内に混合物を置いた。60分にわたって過硫酸アンモニウム(APS)を添加するようにプログラムされたハーバード装置44シリンジ・ポンプにシリンジを接続した。APSを添加する間、混合物の温度は約23℃であった。APSの添加の2分以内に、反応混合物が青くなり、そして暗くなり始めた。APS溶液の添加後、絶え間なく攪拌しながら反応を24時間、続行させた。
24時間経ったとき、40.0%の希釈のために630.27gの脱イオン水が反応混合物に添加され、1.25wt%のPAni/PAAMPSAとなり、PAAMPSAの低下はなく、アニリンの全変換があった。希釈された混合物を2つのイオン交換樹脂で処理した。使用された2つの樹脂の1つは、架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムの、米国、ペンシルベニア州、ピッツバーグのバイエル(Bayer,Pittsburgh,PA,USA)から入手可能な商品名ルーアティット(Lewatit)(登録商標)S100である。他方のイオン交換樹脂は、架橋ポリスチレンの第三級アミンのフリーベース/クロリドの、米国、ペンシルベニア州、ピッツバーグのバイエルから入手可能な商品名ルーアティット(登録商標)MP62WSである。水が無色になるまで2つの樹脂を使用前に脱イオン水で別々に洗浄した。38.71gのルーアティット(登録商標)S100および38.96gのルーアティット(登録商標)MP62(登録商標)WSを反応フラスコに添加し、スラリーを20時間、攪拌した。次いで得られたスラリーをワットマン#54濾紙を備えたブフナー漏斗を通して吸引濾過した。収量は954gであった。濾過された分散系を、ジェンコ・エレクトロニクス社(Jenco Electronics,Inc.)によって製造されたpH計モデル63で測定すると、6.0であった。高いpHであるにもかかわらず、分散系はまだ緑色であり、導電性エメラルジン塩の形を示している。
粘度の測定のために、樹脂処理されたPAni/PAAMPSA分散系5.9737gを2.3704gの脱イオン水に添加して分散系を1.25%(w/w)〜0.9%(w/w)のPAni/PAAMPSA水性分散系に希釈した。PAni/PAAMPSA分散系の粘度を10、100、1,000、および9,000S−1の剪断速度において室温でただちに確認し、その粘度の測定値を表IIにおいてゼロ日における粘度として示す。表IIはまた、分散系を室温において7、14および21日間、手を触れないままにした後の粘度を示す。これらのデータは明らかに、イオン交換樹脂を用いて調製された分散系が少なくとも21日間、安定していることを示す。
水でさらに希釈することなく上記の樹脂処理された水性PAni/PAAMPSA(1.25%w/w)分散系を以下の通り電気導電率および発光性質について試験した。100〜150nm(ナノメーター)のITO厚さを有するガラス/ITO基板(30mm×30mm)を清浄にし、引き続いて酸素プラズマで処理した。電気抵抗の測定のためにITOの平行なエッチングされたラインを有する、電気導電率の試験のために用いられるITO基板を作製した。発光のために15mm×20mmの面積を有する、発光の測定用のITO基板を作製した。
水性PAni/PAAMPSA分散系を1000rpmのスピン速度においてITO/ガラス基板上にスピンコートして126nmの厚さをもたらした。PAni/PAAMPSAのコートされたITO/ガラス基板を、30分間、90℃において窒素中で乾燥させた。PAni/PAAMPSAフィルムの電気導電率を確認すると1.1×10−3S/cmであった。
発光の測定のために、次に、PAni/PAAMPSA層をポリ(置換−フェニレンビニレン)であるスーパーイエロー発光体(PDY131)(ドイツ、フランクフルトのコビオンカンパニー(Covion Company,Frankfurt,Germany))でトップコートした。エレクトロルミネセンス(EL)層の厚さは約70nmであった。全てのフィルムの厚さをテンコル(TENCOR)500表面形状測定装置で測定した。カソードのために、BaおよびAl層を1×10−6トールの真空下でEL層の上に蒸着した。Ba層の最終厚さは30Åであり、Al層の厚さは3000Åであった。デバイスの性能を以下のように試験した。電流対電圧、発光強度対電圧、および効率を、236電源−測定装置(ケースレー)および較正シリコンフォトダイオードを有するS370オプトメータ(UDTセンサ社)で測定した。5つの試験された発光デバイスが、3.8ボルト〜4.0ボルトの範囲の動作電圧および6.5Cd/A〜8.8Cd/Aの範囲の発光効率(Cd:カンデラ、A:アンペア数)200Cd/m2の発光効率を示した。80℃の平均応力半減時間は83時間であった。
(比較例2)
この実施例は、PAni/PAAMPSAを単離せず、イオン交換樹脂の処理なしに調製された水性PAni/PAAMPSA分散系およびそれから作製された発光デバイスの性質について記載する。
この実施例は、PAni/PAAMPSAを単離せず、イオン交換樹脂の処理なしに調製された水性PAni/PAAMPSA分散系およびそれから作製された発光デバイスの性質について記載する。
45.45g(酸モノマー単位32.90ミリモル)のPAAMPSA(アルドリッチ(Cat#19、197−3、ロット#07623EO、Mw約2ミリオン、固形分15%水溶液)を、500mlのナルゲン(登録商標)プラスチックビン中の合計296.66gのナノ高純度水に添加した。次いで、PAAMPSA/水混合物をローラー上に置き、ジャケット付き1リットル3首フラスコ中に移す前に2時間、混合した。PAAMPSA/水の混合物の攪拌を開始し、本発明の実施例1と同様にして重合を実施した。蒸留されたアニリン(3.0ml、8.23ミリモル)をトランスファーピペットによって添加した。混合物を約1時間、攪拌した。攪拌される間、3.03g(13.278ミリモル)の過硫酸アンモニウム(アルドリッチから入手可能な99.999+%の高純度)をシンチレーションバイアル中に集め、塊を12.17gの脱イオン水と混合し、17−ゲージシリンジニードルを用いてフラスコ内の管に接続されたノーム−ジェクト30mlシリンジ内に混合物を置いた。30分で過硫酸アンモニウム(APS)を添加するようにプログラムされたハーバード装置44シリンジ・ポンプにシリンジを接続した。APSを添加する間、温度は約23℃であった。反応混合物が2分で青くなり、そして暗くなり始めた。APS溶液の添加後、絶え間なく攪拌しながら反応混合物を24時間、続行させた。
24時間経ったとき、約40.0%の希釈のために472.389gの脱イオン水が反応混合物に添加され、1.25wt%のPAni/PAAMPSAとなり、PAAMPSAの低下はなく、アニリンの全変換があった。約30分間攪拌された希釈された混合物は、742.87gの重さがあった。希釈された混合物をジェンコ・エレクトロニクス社によって製造されたpH計モデル63で測定すると、1.7であり、非常に酸性である。希釈された混合物を3つの部分に分けた。3つの部分の2つを、本発明の実施例2Aおよび本発明の実施例2Bに記載されたような樹脂処理のために用いた。残りの部分を電気導電率およびデバイス性質の試験のためにこの比較例2においてすぐに用いた。試料のデバイスを実施例1に記載したように作製および試験した。試験の結果を表IIIにまとめる。PAni/PAAMPSAフィルムの電気導電率を確認すると1.1×10−2S/cmであった。80℃における平均応力寿命は1.6時間にすぎなかった。
(本発明の実施例2A)
この実施例は、比較例2におけるように調製されてルーアティット樹脂で処理された1.0重量%PAni/PAAMPSA水性分散系、およびそれから作製されたデバイスの性質について記載する。
この実施例は、比較例2におけるように調製されてルーアティット樹脂で処理された1.0重量%PAni/PAAMPSA水性分散系、およびそれから作製されたデバイスの性質について記載する。
256.97gの重さがある、比較例2に記載された1.25%(w/w)PAni/PAAMPSA水性分散系の一部を、500mlのナルゲン(Nalgen)(登録商標)プラスチックビン内で8.23gのルーアティット(登録商標)S100および8.05gのルーアティット(登録商標)MP62WSと混合した。ビン内の得られたスラリーを約8時間、二本ローラー上に置いた。両方の樹脂は本発明の実施例1に記載され、使用前に水が無色になるまで脱イオン水で別々に洗浄された。次に、樹脂処理されたスラリーをワットマン#54濾紙を備えたブフナー漏斗を通して吸引濾過した。収量は213.67gであった。
樹脂処理された水性分散系を電気導電率およびデバイス性質の試験のためにすぐに用いた。試料デバイスの作製および試験を本発明の実施例1に記載したように行い、試験の結果を表IIIにまとめる。PAni/PAAMPSAフィルムの電気導電率を確認すると3.9×10−4S/cmであった。平均応力寿命が42時間である。この実施例は、試料のデバイスの作製のために用いた水性分散系がイオン交換樹脂で処理されなかった比較例2と比較した時に導電率の低下および応力寿命の改良において樹脂処理が有効であることを示す。
(本発明の実施例2B)
この実施例は、比較例2におけるように調製されるがダウエックス(Dowex)樹脂で処理された1.0重量%のPAni/PAAMPSA水性分散系およびそれから作製されたデバイスの性質について記載する。
この実施例は、比較例2におけるように調製されるがダウエックス(Dowex)樹脂で処理された1.0重量%のPAni/PAAMPSA水性分散系およびそれから作製されたデバイスの性質について記載する。
比較例2に記載された1.25重量%のPAni/PAAMPSA水性分散系の第2の部分(262.55g)を30.6のダウエックス(登録商標)550Aアニオン交換樹脂および30.66gのダウエックス(登録商標)66交換樹脂と500mlナルゲン(登録商標)プラスチックビン内で混合した。ダウエックス550Aは第四級アミンアニオン交換樹脂であり、ダウエックス(登録商標)66は第三級アミンイオン交換樹脂(ミシガン州のダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company,MI))である。樹脂を、使用前に水洗して色または臭気がなくなるまで繰り返し脱イオン水で洗浄した。ビン内の得られたスラリーを約8時間、二本ローラー上に置いた。次いで、樹脂処理されたスラリーをワットマン#54濾紙を備えたブフナー漏斗を通して吸引濾過した。収量は220.76gであった。濾過された分散系をジェンコ・エレクトロニクス社によって製造されたpH計モデル63で測定すると、5.0であった。高いpHであるにもかかわらず、分散系はまだ緑色であり、導電性エメラルジン塩の形を示している。
樹脂処理された水性分散系を電気導電率およびデバイスの性質の試験のためにすぐに用いた。試料のデバイスの作製および試験は本発明の実施例1に記載した通りであり、上記の試験の結果を表IIIにまとめる。PAni/PAAMPSAフィルムの電気導電率を確認すると、9.7×10−5S/cmであった。平均応力寿命は128時間であった。
この実施例は、試料のデバイスの作製のために用いた水性分散系がイオン交換樹脂で処理されなかった比較例2と比較した時に導電率の低下および応力寿命の改良において樹脂処理が有効であることを示す。
本発明は、その特定の好ましい実施態様を参照して詳細に記載されたが、改良および変形が、記載および特許請求される本発明の精神および範囲の内にあることは、理解されよう。
Claims (35)
- a)導電性ポリアニリンを水溶液中でポリマー酸の存在下で合成し、それによって、前記導電性ポリアニリンと前記ポリマー酸とを含む合成されたままの水性分散系を形成する工程と、
b)導電性ポリアニリンの安定な水性分散系を製造するのに適した条件下で前記合成されたままの水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程と、を含むことを特徴とする、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法。 - 前記合成されたままの水性分散系を第1のイオン交換樹脂および第2のイオン交換樹脂と接触させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記合成されたままの水性分散系と前記第1のイオン交換樹脂および前記第2のイオン交換樹脂との接触が同時であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記合成されたままの水性分散系と前記第1のイオン交換樹脂および前記第2のイオン交換樹脂との接触が連続的であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記第1のイオン交換樹脂が酸性カチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 導電性ポリアニリンの前記安定な水性分散系が1.5より大きいpHを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記pHが3より大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記酸性カチオン交換樹脂がスルホン酸カチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記第2のイオン交換樹脂が塩基性アニオン交換樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記塩基性アニオン交換樹脂が、第三級アミンアニオン交換樹脂または第四級アミンアニオン交換樹脂から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記安定な水性分散系が、少なくとも約1ヶ月間、実質的に一定した粘度のままであるであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記条件が室温において少なくとも約1時間、前記合成されたままの水性分散系を前記イオン交換樹脂と接触させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- イオン交換樹脂の、導電性ポリアニリン/ポリマー酸に対する重量比が約1:1であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ポリマー酸がポリマースルホン酸、ポリマーカルボン酸、およびポリマーリン酸から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ポリマー酸がポリマースルホン酸であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記ポリマースルホン酸がポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(PAAMPSA)、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(2−メチルスチレンスルホン酸)、ポリ(4−フェニルスチレンスルホン酸)、スルホン化ポリ(α−ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスルホン酸)、スルホン化ポリ(ビニルベンゾエート)、スルホン化ポリ(ベンジルアクリレート)、およびスルホン化ポリ(ベンジルメタクリレート)から選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
- 前記ポリマースルホン酸がポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(PAAMPSA)であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- a)アニリンモノマーを水溶液中でポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(PAAMPSA)の存在下で重合させ、それによってポリアニリンと前記PAAMPSAとを含む合成されたままの水性分散系を形成する工程と、
b)導電性ポリアニリンの安定な水性分散系を製造するのに適した条件下で前記合成されたままの水性分散系を酸性カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂と接触させる工程と、を含むことを特徴とする導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法。 - 前記酸性カチオン交換樹脂がスルホン酸カチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
- 前記塩基性アニオン交換樹脂が第三級アミンアニオン交換樹脂であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
- 水溶液からキャストされたポリアニリン/ポリマー酸バッファ層の導電率を低減させるのに適した条件下で水溶液を酸性カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂と接触させる工程を含むことを特徴とする、水溶液から基板上にキャストされたポリアニリン/ポリマー酸バッファ層の導電率を約1×10−4S/cm未満の値に低減させる方法。
- 請求項21に記載の方法によって製造されるバッファ層。
- 請求項22に記載のバッファ層を含むことを特徴とするエレクトロルミネセンスデバイス。
- 水性分散系の室温における粘度を安定化するのに適した条件下で前記水性分散系を少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させる工程を含むことを特徴とする、導電性ポリアニリンの水性分散系の室温における粘度の安定化方法。
- 336時間後に測定された粘度が初期粘度の少なくとも80%であり、全ての粘度が10s−1の剪断速度において測定されることを特徴とする、初期粘度および336時間後に測定された粘度を有する導電性ポリアニリンの安定な水性分散系。
- 前記導電性ポリアニリンがポリアニリンのエメラルジン塩基とポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸との酸/塩基塩を含むことを特徴とする請求項25に記載の分散系。
- 336時間後に測定された前記粘度が前記初期粘度の少なくとも90%であることを特徴とする請求項25に記載の分散系。
- 504時間後に測定された前記粘度が前記初期粘度の少なくとも75%であることを特徴とする請求項25に記載の分散系。
- 前記導電性ポリアニリン分散系が、504時間後に測定された粘度を有し、さらに、504時間後に測定された前記粘度が前記初期粘度の少なくとも75%であることを特徴とする、請求項25に記載の分散系。
- 請求項1に記載の方法によって製造される、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系。
- 請求項18に記載の方法によって製造される、導電性ポリアニリンの安定な水性分散系。
- pHを増加させるために適した条件下で前記水性分散系を酸性カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂と接触させる工程を含むことを特徴とする、ポリアニリン/ポリマー酸の水性分散系のpHを1.5より大きい値に増加させる方法。
- 請求項32に記載の方法によって製造され、かつデバイスのアノード上に堆積される(deposited)バッファ層を含むことを特徴とするエレクトロルミネセンスデバイス。
- 導電性ポリアニリンの前記安定な水性分散系が、1.5より大きいpHを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記pHが3より大きいことを特徴とする請求項34に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US40555602P | 2002-08-23 | 2002-08-23 | |
PCT/US2003/026332 WO2004018544A1 (en) | 2002-08-23 | 2003-08-21 | Methods for directly producing stable aqueous dispersions of electrically conducting polyanilines |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005536595A true JP2005536595A (ja) | 2005-12-02 |
Family
ID=31946895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004529847A Pending JP2005536595A (ja) | 2002-08-23 | 2003-08-21 | 導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法 |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20040092700A1 (ja) |
EP (1) | EP1546238A1 (ja) |
JP (1) | JP2005536595A (ja) |
KR (1) | KR20050038628A (ja) |
CN (1) | CN1675287A (ja) |
AU (1) | AU2003265596A1 (ja) |
CA (1) | CA2496406A1 (ja) |
TW (1) | TW200415181A (ja) |
WO (1) | WO2004018544A1 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006500461A (ja) * | 2002-09-24 | 2006-01-05 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 電子工学用途のための、ポリマー酸コロイドを用いて製造された水分散性ポリアニリン |
JP2006249128A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性高分子溶液および導電性塗膜 |
WO2009119806A1 (ja) | 2008-03-28 | 2009-10-01 | 旭化成ファインケム株式会社 | ビニルスルホン酸、その重合体及びその製造方法 |
JP2011111521A (ja) * | 2009-11-26 | 2011-06-09 | Nec Tokin Corp | 導電性高分子懸濁液およびその製造方法、導電性高分子材料、電解コンデンサ、ならびに固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
WO2011118611A1 (ja) * | 2010-03-24 | 2011-09-29 | 三菱レイヨン株式会社 | 導電性高分子、導電性高分子の品質管理方法、および導電性高分子の精製方法 |
US8153029B2 (en) | 2006-12-28 | 2012-04-10 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Laser (230NM) ablatable compositions of electrically conducting polymers made with a perfluoropolymeric acid applications thereof |
US8409476B2 (en) | 2005-06-28 | 2013-04-02 | E I Du Pont De Nemours And Company | High work function transparent conductors |
US8491819B2 (en) | 2006-12-29 | 2013-07-23 | E I Du Pont De Nemours And Company | High work-function and high conductivity compositions of electrically conducting polymers |
US8765022B2 (en) | 2004-03-17 | 2014-07-01 | E I Du Pont De Nemours And Company | Water dispersible polypyrroles made with polymeric acid colloids for electronics applications |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100540628C (zh) * | 2002-09-24 | 2009-09-16 | E.I.内穆尔杜邦公司 | 导电有机聚合物/纳米微粒组合物及其应用方法 |
JP4509787B2 (ja) * | 2002-09-24 | 2010-07-21 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ポリマー酸コロイドを伴って製造される水分散性ポリチオフェン |
US7317047B2 (en) * | 2002-09-24 | 2008-01-08 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Electrically conducting organic polymer/nanoparticle composites and methods for use thereof |
US7390438B2 (en) * | 2003-04-22 | 2008-06-24 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Water dispersible substituted polydioxythiophenes made with fluorinated polymeric sulfonic acid colloids |
WO2005018808A1 (en) * | 2003-08-15 | 2005-03-03 | Konarka Technologies, Inc. | Polymer catalyst for photovoltaic cell |
US7842196B2 (en) * | 2004-10-08 | 2010-11-30 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | Conductive composition and production method thereof, antistatic coating material, antistatic coating, antistatic film, optical filter, and optical information recording medium, and capacitors and production method thereof |
JP5283818B2 (ja) * | 2004-10-08 | 2013-09-04 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性組成物及びその製造方法 |
WO2006087969A1 (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-24 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | 固有導電性高分子の有機溶媒分散液の製造方法 |
WO2007002740A2 (en) | 2005-06-28 | 2007-01-04 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Buffer compositions |
KR20080059201A (ko) * | 2005-09-15 | 2008-06-26 | 코닌클리즈케 필립스 일렉트로닉스 엔.브이. | 발광소자 및 발광소자의 제조 방법 |
US20070170401A1 (en) * | 2005-12-28 | 2007-07-26 | Che-Hsiung Hsu | Cationic compositions of electrically conducting polymers doped with fully-fluorinated acid polymers |
US20080097009A1 (en) * | 2006-02-10 | 2008-04-24 | Tadayuki Isaji | Method for production of organic solvent dispersion of intrinsically conductive polymer |
KR100793319B1 (ko) * | 2006-08-07 | 2008-01-11 | 재단법인서울대학교산학협력재단 | 분산 중합을 이용한 수분산 폴리아닐린 나노 입자의제조방법 |
US8062553B2 (en) * | 2006-12-28 | 2011-11-22 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Compositions of polyaniline made with perfuoropolymeric acid which are heat-enhanced and electronic devices made therewith |
US8241526B2 (en) * | 2007-05-18 | 2012-08-14 | E I Du Pont De Nemours And Company | Aqueous dispersions of electrically conducting polymers containing high boiling solvent and additives |
KR101643780B1 (ko) * | 2008-03-19 | 2016-07-28 | 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 | 전기 전도성 중합체 조성물 및 그로부터 제조된 필름 |
WO2010123962A2 (en) | 2009-04-21 | 2010-10-28 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Electrically conductive polymer compositions and films made therefrom |
JP2012524834A (ja) | 2009-04-24 | 2012-10-18 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 導電性ポリマー組成物およびそれから作製されたフィルム |
US20110008525A1 (en) * | 2009-07-10 | 2011-01-13 | General Electric Company | Condensation and curing of materials within a coating system |
CN102924716B (zh) * | 2012-11-26 | 2014-07-02 | 广西大学 | 聚磷酸掺杂聚苯胺的制备方法 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5378402A (en) * | 1982-08-02 | 1995-01-03 | Raychem Limited | Polymer compositions |
US4552927A (en) * | 1983-09-09 | 1985-11-12 | Rockwell International Corporation | Conducting organic polymer based on polypyrrole |
DE3843412A1 (de) * | 1988-04-22 | 1990-06-28 | Bayer Ag | Neue polythiophene, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung |
GB8909011D0 (en) * | 1989-04-20 | 1989-06-07 | Friend Richard H | Electroluminescent devices |
EP0440957B1 (de) * | 1990-02-08 | 1996-03-27 | Bayer Ag | Neue Polythiophen-Dispersionen, ihre Herstellung und ihre Verwendung |
DE69110922T2 (de) * | 1990-02-23 | 1995-12-07 | Sumitomo Chemical Co | Organisch elektrolumineszente Vorrichtung. |
BE1008036A3 (fr) * | 1990-08-30 | 1996-01-03 | Solvay | Melanges de polymeres polaires et de polymeres conducteurs dedopes, procedes d'obtention de ces melanges et utilisation de ces melanges pour fabriquer des dispositifs electroniques optoelectriques, electrotechniques et electromecaniques. |
US5489400A (en) * | 1993-04-22 | 1996-02-06 | Industrial Technology Research Institute | Molecular complex of conductive polymer and polyelectrolyte; and a process of producing same |
EP0727100B1 (en) * | 1994-09-06 | 2003-01-29 | Philips Electronics N.V. | Electroluminescent device comprising a poly-3,4-dioxythiophene layer |
US5821344A (en) * | 1995-07-12 | 1998-10-13 | National Science Council | Preparation of self-acid-doped sulfonic acid ring-substituted polyaniline in its aqueous form, and polymer blends made therefrom |
US5641859A (en) * | 1995-07-12 | 1997-06-24 | National Science Council Of Taiwan | Water-soluble self-acid-doped polyaniline, method of preparation thereof, and polymer blends made therefrom |
CN1276086A (zh) * | 1997-10-15 | 2000-12-06 | 陶氏化学公司 | 电导性聚合物 |
JP2001508121A (ja) * | 1997-11-05 | 2001-06-19 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 酸化状態にある共役重合体 |
US5891970A (en) * | 1998-07-02 | 1999-04-06 | National Science Council Of Republic Of China | Water-soluble self-acid-doped polyaniline derivatives and process for preparing the same |
DE19841803A1 (de) * | 1998-09-12 | 2000-03-16 | Bayer Ag | Hilfsschichten für elektrolumineszierende Anordnungen |
AU2003279014A1 (en) * | 2002-09-24 | 2004-04-19 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Water dispersible polyanilines made with polymeric acid colloids for electronics applications |
-
2003
- 2003-08-14 US US10/641,992 patent/US20040092700A1/en not_active Abandoned
- 2003-08-21 KR KR1020057002996A patent/KR20050038628A/ko not_active Application Discontinuation
- 2003-08-21 CA CA002496406A patent/CA2496406A1/en not_active Abandoned
- 2003-08-21 WO PCT/US2003/026332 patent/WO2004018544A1/en not_active Application Discontinuation
- 2003-08-21 JP JP2004529847A patent/JP2005536595A/ja active Pending
- 2003-08-21 CN CNA038197227A patent/CN1675287A/zh active Pending
- 2003-08-21 EP EP03793286A patent/EP1546238A1/en not_active Withdrawn
- 2003-08-21 AU AU2003265596A patent/AU2003265596A1/en not_active Abandoned
- 2003-08-22 TW TW092123174A patent/TW200415181A/zh unknown
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8318046B2 (en) | 2002-09-24 | 2012-11-27 | E I Du Pont De Nemours And Company | Water dispersible polyanilines made with polymeric acid colloids for electronics applications |
JP2006500461A (ja) * | 2002-09-24 | 2006-01-05 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 電子工学用途のための、ポリマー酸コロイドを用いて製造された水分散性ポリアニリン |
JP2011190452A (ja) * | 2002-09-24 | 2011-09-29 | E I Du Pont De Nemours & Co | 電子工学用途のための、ポリマー酸コロイドを用いて製造された水分散性ポリアニリン |
US8765022B2 (en) | 2004-03-17 | 2014-07-01 | E I Du Pont De Nemours And Company | Water dispersible polypyrroles made with polymeric acid colloids for electronics applications |
JP2006249128A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性高分子溶液および導電性塗膜 |
US8409476B2 (en) | 2005-06-28 | 2013-04-02 | E I Du Pont De Nemours And Company | High work function transparent conductors |
US8153029B2 (en) | 2006-12-28 | 2012-04-10 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Laser (230NM) ablatable compositions of electrically conducting polymers made with a perfluoropolymeric acid applications thereof |
US8491819B2 (en) | 2006-12-29 | 2013-07-23 | E I Du Pont De Nemours And Company | High work-function and high conductivity compositions of electrically conducting polymers |
WO2009119806A1 (ja) | 2008-03-28 | 2009-10-01 | 旭化成ファインケム株式会社 | ビニルスルホン酸、その重合体及びその製造方法 |
US9072983B2 (en) | 2008-03-28 | 2015-07-07 | Asahi Kasei Finechem Co., Ltd. | Vinyl sulfonic acid, polymer thereof, and production method thereof |
JP2011111521A (ja) * | 2009-11-26 | 2011-06-09 | Nec Tokin Corp | 導電性高分子懸濁液およびその製造方法、導電性高分子材料、電解コンデンサ、ならびに固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
WO2011118611A1 (ja) * | 2010-03-24 | 2011-09-29 | 三菱レイヨン株式会社 | 導電性高分子、導電性高分子の品質管理方法、および導電性高分子の精製方法 |
JP5790500B2 (ja) * | 2010-03-24 | 2015-10-07 | 三菱レイヨン株式会社 | 導電性高分子、導電性高分子の品質管理方法、および導電性高分子の精製方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2496406A1 (en) | 2004-03-04 |
WO2004018544A1 (en) | 2004-03-04 |
AU2003265596A1 (en) | 2004-03-11 |
KR20050038628A (ko) | 2005-04-27 |
EP1546238A1 (en) | 2005-06-29 |
TW200415181A (en) | 2004-08-16 |
CN1675287A (zh) | 2005-09-28 |
US20040092700A1 (en) | 2004-05-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005536595A (ja) | 導電性ポリアニリンの安定な水性分散系の直接製造方法 | |
JP5562899B2 (ja) | 電子工学用途のための、ポリマー酸コロイドを用いて製造された水分散性ポリアニリン | |
JP4509787B2 (ja) | ポリマー酸コロイドを伴って製造される水分散性ポリチオフェン | |
JP4464277B2 (ja) | 導電性有機ポリマー/ナノ粒子複合材料およびその使用方法 | |
CN1972999B (zh) | 包含电掺杂的导电性聚合物和形成胶体的聚合酸的非水性分散体 | |
CN1934725B (zh) | 导电有机聚合物/纳米颗粒复合物及其使用方法 | |
US7371336B2 (en) | Water dispersible polyanilines made with polymeric acid colloids for electronics applications | |
JP2005508418A (ja) | ポリ(ジオキシチオフェン)/ポリ(アクリルアミドアルキルスルホン酸)複合体 | |
JP2005537348A (ja) | 高効率の画素化高分子エレクトロルミネセンス・デバイス用の高抵抗ポリアニリン・ブレンド | |
US20060243952A1 (en) | Methods for directly producing stable aqueous dispersions of electrically conducting polyanilines | |
TWI330652B (en) | Water dispersible polyanilines made with polymeric acid colloids for electronics applications |