JP2005530845A - 抗体を濃縮するための緩衝化処方物およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、濃縮抗体調製物を生成するための方法を提供し、この方法は、(a)抗体水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液である、最初の抗体調製物を得る工程;ならびに(b)抗体調製物から水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かないような膜濾過に抗体調製物を供し、それによって、最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程を包含する。この方法によって生成された濃縮抗体調製物は、他の処方物より低い粘度を有し、より安定である。本発明は、この方法により生成された濃縮抗体調製物、このような調製物を用いて作製された薬学的組成物、および、このような薬学的組成物が疾患を処置するために投与される治療方法を、さらに包含する。
Description
(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願番号60/390,191(2002年6月21日出願、発明の名称「Buffered Formulations For Concentrating Antibodies」、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される)に関連し、この出願の優先権を主張する。
本出願は、米国仮特許出願番号60/390,191(2002年6月21日出願、発明の名称「Buffered Formulations For Concentrating Antibodies」、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される)に関連し、この出願の優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、膜濾過プロセスにより効率的に濃縮され得る緩衝化抗体調製物;抗体を濃縮するためのプロセスであって、ここで、このような調製物が膜濾過プロセスに供される、プロセス;このプロセスにより生成された濃縮抗体調製物;およびこのプロセスにより生成された濃縮抗体調製物を用いて、ヒト治療に有用な薬学的抗体処方物を調製する方法、に関する。
本発明は、膜濾過プロセスにより効率的に濃縮され得る緩衝化抗体調製物;抗体を濃縮するためのプロセスであって、ここで、このような調製物が膜濾過プロセスに供される、プロセス;このプロセスにより生成された濃縮抗体調製物;およびこのプロセスにより生成された濃縮抗体調製物を用いて、ヒト治療に有用な薬学的抗体処方物を調製する方法、に関する。
(背景)
1940年代から、免疫グロブリンG(IgG)調製物が、ヒト治療において使用するために精製されている。現在では、ヒト治療用免疫グロブリン製品が、例えば、A型肝炎の予防のための、筋肉内投与用の16%(w/v)(160mg/ml)溶液として、そして、例えば、原発性免疫不全、感染および自己免疫疾患の処置のための、静脈内投与用の5%(w/v)(50mg/ml)溶液として、市販されている。米国特許第6,252,055号(その内容は、全体が本明細書中で援用される)の第1欄を参照のこと。
1940年代から、免疫グロブリンG(IgG)調製物が、ヒト治療において使用するために精製されている。現在では、ヒト治療用免疫グロブリン製品が、例えば、A型肝炎の予防のための、筋肉内投与用の16%(w/v)(160mg/ml)溶液として、そして、例えば、原発性免疫不全、感染および自己免疫疾患の処置のための、静脈内投与用の5%(w/v)(50mg/ml)溶液として、市販されている。米国特許第6,252,055号(その内容は、全体が本明細書中で援用される)の第1欄を参照のこと。
疾患の原因となる抗原に対して標的化した治療用モノクローナル抗体(MAb)を開発する努力が、1990年代後半に成功を収めた。1997年に、FDAは、非ホジキンリンパ腫の処置のための、IDEC Pharmaceuticals Corp.およびGenentech,Inc.製のキメラ抗CD20抗体である、RITUXAN(登録商標)(また、リツキシマブとも呼ばれる)を認可した。これは、FDAにより認可された最初のMAbであった。それ以降、種々の適応症のための他の治療用抗体(例えば、乳癌の処置のためのHerceptin(Genentech,Inc.)、小児におけるRSウイルス感染の処置のためのSynagis(Medimmune,Inc.)およびクローン病の処置のためのRemicade(Centocor,Inc.))がFDAにより認可されている(H.Iyerら、BioPharm,January,2002,14頁を参照のこと)。
多くの治療用MAbが現在、FDAの認可のために臨床試験を行っている。1つの例は、米国特許第6,113,898号(その内容は、全体が本明細書中に援用される)に記載される、自己免疫疾患を処置し、臓器移植拒絶を予防するための抗CD80 MAbである、IDEC−114である。別の例は、米国特許第6,001,358号(その内容は、全体が本明細書中に援用される)に記載されるような、また自己免疫疾患を処置するために有用な抗gp39 MAbである、IDEC−131である。第3の例は、米国特許第6,136,310号(その内容は、全体が本明細書中に援用される)に記載されるような、例えば、免疫抑制を提供するための、T細胞欠乏療法に有用な抗CD4 MAbである、IDEC−151である。治療用途について評価されている別の治療用MAbは、米国特許第6,011,138号(その内容は、全体が本明細書中に援用される)に記載されるような、B細胞によるIL−4誘導性のIgE産生を阻害する抗CD23抗体であり、IgE媒介性の病態(例えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎および喘息)の処置に有用である、IDEC−152である。
治療用MAbでの効果的な処置は、代表的には、100mg/ml以上まで濃縮されるMAbの治療用調製物の用量の反復投与を必要とする。治療用MAbは、通常、静脈内、筋肉内または腹腔内送達によって、非経口的に投与される。投与されなければならない大量のMAb溶液に起因して、そして、処置に対する患者の応答の観察を可能にするために、患者は、投与の間頻繁に入院する。必要とされる投薬量を含む溶液の容量を減らし、従って、投与に必要とされる注入時間を減らすために、高度に濃縮された治療用MAb調製物を調製するための効率のよい方法を開発することに、かなりの関心がある。
また、自分で投与し得るという利点を有する、皮下投与に適する高度に濃縮された治療用MAb調製物を調製するための効率のよい方法を開発することにもかなりの関心がある。皮下経路により投与され得る容量は比較的小さい(約1ml)ため、皮下経路により効率的に投与される治療用MAb調製物におけるMAbの濃度は、100mg/ml〜200mg/mlの範囲であるべきである。一般に、治療用MAb調製物におけるMAbの濃度は、100mg/mlと300mg/mlとの間であることが望ましい(米国特許第6,252,055号の第4欄を参照のこと)。
高度に濃縮されたMAb溶液は、抗体を凍結乾燥して、次いで、所望の濃度まで水中に溶解させることによって調製され得る。米国特許第5,608,038号(その内容は、全体が本明細書中に援用される)を参照のこと。あるいは、高度に濃縮されたMAb溶液は、限外濾過により生成され得、この技術において、MAb溶液は、抗体溶液を圧力下にて、MAbを保持する一方で、溶媒および低分子の溶質を通過させる孔を有する膜フィルターで濾過することによって濃縮される。限外濾過に一般に用いられる方法は以下に記載される。
薬学的処方物のための高度に濃縮された抗体調製物の調製において、濾過速度を増加させるため、(チューブ、プラスチック容器(plasticware)などへの物質の固着を減らすことによって)回収を最大にするため、そして、操作の容易さおよび濃度決定の精度を改善するために、抗体調製物の粘度を減らすことが望ましい。減少した粘度を有する薬学的処方物がまた望ましい。なぜならば、これは、小児のような狭い血管を有する人へより迅速に投与され得るためである。米国特許第5,608,038号(第2欄)を参照のこと。調製の間の抗体凝集体の形成、および治療用抗体の濃縮を阻害すること、そして、薬学的処方物を調製するのに用いられる、液体中に形成される任意の凝集した抗体を取り除くことがまた望ましい。なぜならば、抗体凝集体は、生物学的に活性な抗体の収量を減らし、そして、患者に投与される薬学的処方物中に抗体凝集体が存在する場合に、多数の有害な副作用を生じ得るためである。
限外濾過により高度に濃縮されたMAb溶液を生成する際に、凝集および生物学的活性の損失を阻害するために、代表的には、安定化添加剤(例えば、ポリオール)および/または粘性減少剤(例えば、塩)または界面活性剤が、抗体含有組成物に添加される(米国特許第6,171,586号および米国特許出願番号2002/0045571(この両方の内容は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。例えば、米国特許出願番号2002/0045571は、濾過の間に、抗体溶液の粘度を低下させるために、少なくとも50mMの量の塩および/または緩衝液を添加する工程を記載する。米国特許第5,608,038号(その内容は、全体が本明細書中に参考として援用される)は、所望の浸透圧を得、抗体を安定化させるために、30〜50mg/mlの範囲の濃度で、糖類(例えば、グルコースまたはスクロース)を抗体調製物中に添加する工程を記載する(第2欄を参照のこと)。グリシンおよび/またはマルトースがまた、高度に濃縮された抗体溶液において抗体を安定化させるのに使用される(米国特許第6,252,055号(その内容は、全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。
凝集体は、精密濾過によって濃縮抗体溶液から効率的に取り除かれ、この手順はまた、抗体溶液を滅菌する。このような方法により得られる高度に濃縮した抗体調製物は、次いで、患者への投与に適した薬学的調製物へと処方され得る。
以前にどんな内容が記載されているかに関わらず、低い粘度を有し、凝集体が減少し、かつ添加剤を比較的含まず、薬学的処方物における使用に適した、高度に濃縮した抗体調製物を調製するための改善された方法に対する必要性が、当該分野において依然として存在する。
(発明の要旨および目的)
本発明は、緩衝化抗体調製物に関し、この抗体調製物は、この抗体のさらなる濃縮のための膜濾過プロセス;このような調製物を膜濾過に供する工程を包含する、抗体を濃縮するためのプロセス;このような膜濾過プロセスにより得られた濃縮抗体調製物;および、このプロセスによって得られた濃縮抗体調製物の、治療に有用な薬学的抗体処方物を調製する際の使用に供されることに特に適する。
本発明は、緩衝化抗体調製物に関し、この抗体調製物は、この抗体のさらなる濃縮のための膜濾過プロセス;このような調製物を膜濾過に供する工程を包含する、抗体を濃縮するためのプロセス;このような膜濾過プロセスにより得られた濃縮抗体調製物;および、このプロセスによって得られた濃縮抗体調製物の、治療に有用な薬学的抗体処方物を調製する際の使用に供されることに特に適する。
抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる抗体組成物を提供することが、本発明の目的である。本発明はまた、抗体水溶液、および、約3mM〜約48mMの範囲、または、約4mM〜約45mMの範囲、または、約5mM〜約40mMの範囲の濃度のヒスチジンン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる抗体組成物を提供する。本発明は、抗体水溶液、および、20mM〜25mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる抗体の組成物をさらに提供する。本発明により提供される抗体組成物は、膜濾過によるさらなる濃縮に供するのに適するものであり得る。本発明により提供される抗体組成物はまた、膜濾過により濃縮された抗体調製物を含むものであり得る。本発明により提供される両方の型の組成物が、抗体水溶液、および、上記の範囲と同じ濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる。
本発明の別の目的は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、上記の抗体組成物を提供することであり、この組成物は、約4.0〜約7.5の範囲のpHを有する。本出願において用いられる場合、pHに関しての用語「約」とは、示されるpH±0.2pH単位を意味する。例えば、本発明により提供される抗体組成物は、4.5〜7.0の範囲、または、5.0〜6.5の範囲、または5.5〜6.0の範囲のpHを有し得る。
抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、上記の抗体組成物であって、ここで、この抗体がモノクローナル抗体である抗体組成物を提供することがまた、本発明の目的である。本発明の抗体組成物は、非ヒト種の可変領域とヒトの定常領域とを含むキメラモノクローナル抗体(例えば、旧世界ザルの可変領域とヒトの定常領域とを含むPRIMATIZED(登録商標)抗体)を含み得る。本発明の抗体組成物はまた、非ヒト種の超可変領域と、ヒトの定常領域とを含むヒト化モノクローナル抗体を含み得る。
本発明のさらなる目的は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、上記の抗体組成物であって、ここで、この抗体が、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1つ以上のアイソタイプである、抗体組成物を提供することである。例えば、この組成物は、IgG抗体である抗体(例えば、IgG1抗体またはIgG4抗体)を含み得る。
本発明の別の目的は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、上記の抗体組成物であって、ここで、抗体の濃度が、少なくとも50mg/mlであるか、または、少なくとも100mg/mlである、抗体組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、上記の抗体組成物であって、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む、抗体組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、上記の抗体組成物であって、ここで、この抗体が、CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152および抗CD20抗体RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ)からなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含む、抗体組成物を提供することである。
濃縮抗体調製物を生成するための方法であって、a)抗体水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、最初の抗体調製物を提供する工程;ならびにb)この最初の抗体調製物を、抗体調製物から水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過に供し、それによって、この最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程、を包含する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
濃縮抗体調製物を生成するための改善された方法であって、a)抗体水溶液および緩衝液から本質的になる最初の抗体調製物を提供する工程;ならびにb)この抗体調製物から、水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過に、この最初の抗体調製物を供し、それによって、この最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程;を包含する方法であって、ここで、改善が、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジンまたは酢酸から選択される緩衝液を使用する工程からなる、方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
本発明に従う膜濾過によって、抗体を濃縮するための好ましい方法は、接線方向の流動濾過による限外濾過である。抗体調製物から溶媒および低分子の水は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過のプロセスに供することによって、抗体調製物において抗体を濃縮するために、種々の方法が開発されている。このような方法は、垂直な流動濾過および接線方向の流動濾過の両方を用いて実施される。本発明は、膜濾過によって抗体の緩衝化溶液を濃縮するための以前に記載された方法に対する改善を提供し、この改善は、膜濾過に供される抗体調製物が、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になるものである、というものである。
活性成分として抗体を含む薬学的組成物を生成するための方法であって、a)抗体水溶液、および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から実質的になる、最初の抗体調製物を提供する工程;ならびにb)抗体調製物から、水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過に、この最初の抗体調製物を供し、それによって、この最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程;ならびにc)工程b)の濃縮抗体調製物の抗体を、1種以上の薬学的に受容可能なキャリアと合わせて、薬学的組成物を生成する工程、を包含する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
抗体を含む薬学的組成物の投与を包含する、改善された治療方法であって、改善が、a)少なくとも1種の治療有効用量の抗体を含む水溶液、および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、膜濾過により濃縮された抗体調製物;ならびにb)1種以上の薬学的に受容可能なキャリアを合わせて、薬学的組成物を生成することにより作製される薬学的組成物を投与する工程を包含する、改善された方法を提供することがまた、本発明の目的である。
障害に罹患しているか、または、障害にかかりやすい哺乳動物の処置に有用なキットであって、a)少なくとも1種の治療有効用量の抗体を含む水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、膜濾過により濃縮された抗体調製物、ならびにb)1種以上の薬学的に受容可能なキャリア、を組み合せた製品である、薬学的組成物を含む少なくとも1つの容器を含み、そしてさらに、上記薬学的組成物が上記障害を処置するために使用され得ることを表示するラベルまたは挿入物を含む、キットを提供することが、本発明のさらなる目的である。
本発明の上記の方法およびキットの各々に関して、濃縮抗体調製物は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲(例えば、約3mM〜約48mMの範囲、または、約4mM〜約45mMの範囲、約5mM〜約40mMの範囲、または20mM〜25mMの範囲)の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる。膜濾過によるさらなる濃縮に供される抗体組成物についても、同じことが当てはまり得る。いずれの抗体調製物もまた、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になり得、この組成物は、約4.0〜約7.5の範囲のpHを有する。例えば、いずれかの抗体組成物は、4.5〜7.0の範囲、または、5.0〜6.5の範囲、または、5.5〜6.0の範囲のpHを有し得る。上記の方法およびキットの各抗体は、非ヒト種の可変領域とヒトの定常領域とを含むキメラモノクローナル抗体(例えば、旧世界ザルの可変領域とヒトの定常領域とを含むPRIMATIZED(登録商標)抗体)であり得る。抗体組成物はまた、非ヒト種の超可変領域と、ヒトの定常領域とを含むヒト化モノクローナル抗体を含み得、さらに、上記の方法およびキットの各抗体は、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1種以上のアイソタイプであり得る。例えば、これらは、IgG1抗体またはIgG4抗体のようなIgG抗体であり得る。上記の方法およびキットの各々の濃縮抗体調製物における抗体の濃度は、少なくとも50mg/mlまたは少なくとも100mg/mlであり得る。抗体組成物は、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含み得る。例えば、抗体組成物は、抗CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152、および抗CD20抗体RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ)からなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含み得る。上記の方法およびキットの抗体組成物は、治療有効用量の治療用抗体を、癌、アレルギー性障害、自己免疫疾患およびリンパ腫からなる群から選択される疾患を罹患している患者に投与する工程を包含する、改善された治療方法において使用され得る。
(発明の詳細な説明)
抗体療法は、多数の癌関連の症状および免疫系関連の症状を処置するために、首尾よく使用され得るが、薬物が治療的に有効である場合には、抗体薬物の多い投薬量が、しばしば必要とされる。治療有効投薬量の抗体を、静脈内経路または皮下経路によって患者に送達するために、抗体調製物の濃度は、通常、高い必要があり、この必要性は、しばしば、薬物の調製と、安定な形態への薬物の維持の両方において困難さを生じる。
抗体療法は、多数の癌関連の症状および免疫系関連の症状を処置するために、首尾よく使用され得るが、薬物が治療的に有効である場合には、抗体薬物の多い投薬量が、しばしば必要とされる。治療有効投薬量の抗体を、静脈内経路または皮下経路によって患者に送達するために、抗体調製物の濃度は、通常、高い必要があり、この必要性は、しばしば、薬物の調製と、安定な形態への薬物の維持の両方において困難さを生じる。
本発明は、生成物、本質的に凝集体を含まず、薬学的処方物における使用に適する、比較的低粘度の高度に濃縮された安定な抗体調製物の生成を可能にする、組成物および方法を提供することに関する。
1つの実施形態において、本発明は、濃縮抗体調製物を生成するための方法を提供する。この方法の工程は、以下を包含する:
(a)抗体水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる最初の抗体調製物を提供する工程;ならびに
(b)抗体調製物から水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過に、最初の抗体調製物を供し、それによって、最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程。
(a)抗体水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる最初の抗体調製物を提供する工程;ならびに
(b)抗体調製物から水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過に、最初の抗体調製物を供し、それによって、最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程。
本願において使用される場合、ヒスチジンまたは酢酸の濃度に関しての用語「約」は、示される濃度の±3%を意味する。本発明の抗体組成物は、抗体水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の任意の濃度におけるヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる。例えば、ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度は、約3mM〜約48mMの範囲、約4mM〜約45mMの範囲、または約5mM〜約40mMの範囲であり得る。抗体組成物におけるヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度はまた、20mM〜25mMの範囲であり得る。
本発明の抗体組成物は、膜濾過によるさらなる濃縮に供するのに適した、最初の抗体調製物を含み、これらはまた、膜濾過により濃縮された抗体調製物を含む。抗体組成物が、最初の抗体調製物であるか、または、膜濾過により濃縮された抗体調製物であるかに関わらず、本発明により提供される抗体組成物は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる。
本発明は、上記の方法を実施することにより調製される濃縮抗体の組成物、ならびに、本発明の方法により生成された濃縮抗体を用いて作製される濃縮抗体調製物を含有する薬学的処方物を提供し、これらを含む。
本発明は、低濃度の酢酸緩衝液またはヒスチジン緩衝液(約2mM〜約48mM)が、当該分野で記載されている、他のより複雑な処方物を用いて達成されている安定化作用と同等かまたはそれを上回る程度に、膜濾過による濃縮の間に抗体調製物を安定化し得、抗体溶液の粘度を低下し得、そして、凝集を抑制し得るという予期せぬ観察に起因する。本発明は、限外濾過を用いて、比較的低レベルの凝集体を含む、高度に濃縮された安定な抗体調製物を生成する方法を提供する。得られた濃縮抗体調製物は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になり、濃縮抗体調製物を安定化し、その粘度を減らすために当該分野で現在用いられている添加物(例えば、ポリオール、糖類、グリセリン、塩および高い緩衝液濃度(50mMを超える))を含まない。
本明細書中で使用される場合、「安定な」抗体調製物は、その中のタンパク質が、保存の際に、その物理的安定性および/または化学的安定性および/または生物学的活性を本質的に保持するものである。タンパク質の安定性を測定するための種々の分析技術は、当該分野で利用可能であり、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery,247−301,Vincent Lee編、Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Pubs.(1991)およびJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29−90(1993)に総説される。安定性は、選択された温度において、選択された時間、測定され得る。かなり安定な抗体調製物は、室温(約30℃)または40℃において、少なくとも1ヶ月安定であるか、および/または約2〜8℃において少なくとも1年間、そして、その後の処方物の凍結(例えば、−70℃まで)および解凍に安定であるものである。色および/または透明度の視覚的試験において、または、UV光散乱もしくはサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される場合に、凝集、沈殿および/または変性の徴候を示さない場合、タンパク質は、薬学的処方物において「その物理的安定性を保持する」。示される時間における化学的安定性が、タンパク質が、以下に規定されるような、その生物学的活性をなお保持すると考えられるようなものである場合、タンパク質は、薬学的処方物において「その化学的安定性を保持する」。化学的安定性は、タンパク質の化学的に変更された形態を検出および定量することによって評価され得る。化学的変更は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、SDS−PAGEおよび/またはマトリクス支援レーザー脱離イオン化/飛行時間質量分析(MALDI/TOF MS)を用いて評価され得る、サイズの改変(例えば、クリッピング(clipping))を含み得る。他の型の化学的変更としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィーにより評価され得る、電荷の変更(例えば、アミド分解の結果として生じる)が挙げられる。薬学的処方物が調製されたときに示される、有意な量(例えば、約90%)の生物学的活性の抗体を有する場合、抗体は、薬学的処方物において「その生物学的活性を保持する」。例えば、生物学的活性は、抗原結合アッセイにおいて決定され得る。米国特許第6,171,586号を参照のこと。任意の特定の抗体について関連する「生物学的活性」アッセイの型は、一般に、抗体により標的化される特定の分子の生物学的役割、および、その標的に対する抗体の結合の生物学的な重要性に依存する。当業者は、多くのこのようなアッセイに一般に精通している。
本発明の方法により生成される、抗体水溶液および約3mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる抗体調製物は、一般に、約4.0〜約7.5の範囲のpHを有する。例えば、この抗体調製物は、4.5〜7.0の範囲、または、5.0〜6.5の範囲、または、5.5〜6.0の範囲のpHを有し得る。このような溶液は、当業者に周知の一般的な方法によって作製され得る。好ましくは、酢酸緩衝液は、Na−アセテートであり、ヒスチジン緩衝液はヒスチジンHClであるが、本発明はまた、pHが上記の値に調整される場合、ヒスチジンまたは酢酸が、Na+およびCl−以外の対イオン/酸−塩基成分と結合体化されている、任意の利用可能な緩衝液を用いることによっても、首尾よく実施され得る。
本発明の抗体は、任意のアイソタイプであり得る。例えば、本発明の抗体は、主要なアイソタイプのクラス(IgM、IgG、IgA、IgEおよびIgD)のいずれかであり得る。各アイソタイプの種々のサブクラスの抗体は、本発明により効率的に濃縮される。例えば、IgGアイソタイプのサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)の活性な、凝集していない抗体の高度に濃縮された調製物が、本発明により生成され得る。本発明を用いて首尾よく濃縮され得る抗体調製物は、単一の型の抗体を含み得るか、または、2つ以上の異なる型の抗体を含み得る。
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、目的の特異的な結合活性を有する抗体フラグメントを含むことが意図される。本発明は、任意の抗体アイソタイプのこのようなフラグメント(Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fvフラグメント、ならびにFcフラグメントまたはpFc’フラグメントのような抗体フラグメントを含む)を濃縮するために用いられ得る。抗体は、フラグメント化され得、当該分野で公知の従来技術を用いて、目的の特異的な結合活性を有するフラグメントを同定するために、これらのフラグメントがスクリーニングされ得る。例えば、F(ab’)2フラグメントは、抗体をペプシンで処理することによって作製され、このF(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋の還元によりFabフラグメントが生じる。
活性な、凝集していない二特異性または多特異性の抗体の高度に濃縮された調製物がまた、本発明を用いて生成され得る。二特異性抗体および多特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有し、ここで、このエピトープは、通常、別の抗原由来である。このような分子が、通常、2つの別のエピトープに結合するのみ(すなわち、二特性抗体)である一方、本発明はまた、さらなる特異性を有する抗体(例えば、三特異性抗体)を用いても実施され得る。本発明での使用に適した治療用多特異性抗体の例は、例えば、米国特許第6,171,586号に記載される。
本発明は、25〜350mg/mlの範囲の抗体濃度を有する、活性な凝集していないモノクローナル抗体の濃縮調製物を効率的に生成する。例えば、50〜150mg/mlの範囲の抗体濃度を有する(例えば、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/mlまたは150mg/mlの抗体濃度を有する)モノクローナル抗体の濃縮調製物が、本発明により効率的に生成される。50〜250mg/mlの範囲の抗体濃度を有する(例えば、50mg/ml、75mg/ml、100mg/ml、125mg/ml、150mg/ml、175mg/ml、200mg/ml、225mg/mlまたは250mg/mlの抗体濃度を有する)モノクローナル抗体の濃縮調製物がまた、本発明により効率的に生成される。
本発明はまた、組換え抗体(特に、キメラ抗体および、キメラ抗体の特別な型であるヒト化抗体)の高度に濃縮された調製物を生成するために使用され得る。一般に、キメラ抗体は、1種の動物種の軽鎖可変領域と重鎖可変領域、および、別の種の定常領域を有する抗体である。例えば、ヒトにおいて免疫原性をほとんど有さないか、全く有さないキメラ抗体は、ヒト抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を、非ヒト霊長類(例えば、旧世界ザル)の可変領域と置き換えることによって得られ得る。このような抗体は、「PRIMATIZED(登録商標)」抗体と呼ばれ、米国特許第6,136,310号および米国特許第5,658,570号(その内容は、全体が本明細書中に援用される)に記載される。
非ヒト抗体の「ヒト化」形態は、非ヒトの免疫グロブリン由来の最小限のポリペプチド配列を含むキメラ抗体である。抗原に対する特異性を保持するのに必要とされる非ヒト免疫グロブリンの最小限のポリペプチド配列は、代表的には、超可変領域(すなわち、相補性決定領域、CDR1〜3)であり、ヒト化抗体は、レシピエントのヒト免疫グロブリンの3つの超可変領域の残基を、非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類)の(ドナー)抗体由来の、所望の特異性、親和性および能力を有する超可変領域由来の残基で置き換えることによって作製され得る。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンの1種以上のフレームワーク残基のいくらかまたは全てが、対応する非ヒトの残基で置き換えられる。ヒト化抗体はまた、レシピエントの抗体またはドナーの抗体においては見出されない残基を含み得る;このような改変は、通常、抗体の性能をさらに洗練または最適化するためになされる。ヒト化抗体は、少なくとも1種、代表的には2種の可変ドメインの実質的全てを含み得、ここで、非ヒト免疫グロブリンの可変ドメインに対応する超可変領域の全てまたは実質的に全て、および、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリン配列のものである。Jonesら、Nature 321:522−525(1986);Riechmannら、Nature 332:323−329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992)(これらの内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
本発明の有用な実施形態において、膜濾過により濃縮されるモノクローナル抗体組成物は、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む。このような抗体は、科学文献に記載されており、慣用的な方法により調製され得る。例えば、膜濾過により濃縮されるモノクローナル抗体組成物は、RITUXAN(登録商標)、IDEC−114抗体、IDEC−131抗体、IDEC−151抗体およびIDEC−152抗体からなる群から選択される1種以上の治療用モノクローナル抗体の少なくとも1回の治療有効量を含み得る。
RITUXAN(登録商標)(「リツキシマブ」とも呼ばれる)は、IDEC Pharmaceuticals Corp.およびGenentech,Inc.製の、非ホジキンリンパ腫の処置のための、キメラ抗CD20抗体であり、米国特許第6,399,061号(その内容は、全体が本明細書中に援用される)に記載される。
IDEC−114は、自己免疫疾患の処置および、臓器移植拒絶の予防のための抗CD80 MAbであり、米国特許第6,113,898号に記載される。IDEC−131がまた、米国特許第6,001,358号に記載されるように、自己免疫疾患を処置するのに有用な抗gp39 MAbである。
IDEC−151は、米国特許第6,136,310号に記載されるように、T細胞欠乏の処置に有用な抗CD4 MAbである。
IDEC−152は、米国特許第6,011,138号に記載されるように、B細胞によるIL−4誘導性のIgE産生を阻害し、IgE媒介性の病態(例えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎および喘息)の処置に有用な、抗CD23抗体である。これらの治療用MAbの作製および使用を記載する米国特許の内容は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。
(膜限外濾過による濃縮)
本発明は、膜限外濾過による濃縮に供される抗体調製物の安定性および粘度が、調製物中に存在する緩衝液の型に感受性であり、特定の緩衝液(特に、ヒスチジン緩衝液および酢酸緩衝液)が、予期せず、抗体調製物の粘度を低下させ、抗体の凝集を減らし、そして、膜濾過による抗体調製物の濃縮速度を増加させるという発見に端を発する。結果として、抗体、および、約3mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる調製物が、安定化添加剤または粘度減少添加剤(例えば、界面活性剤、ポリオール、糖類、塩、高い緩衝液濃度(50mMを上回る))の非存在下においてでさえも、生物学的活性を保持し、比較的凝集が少ないままで、限外濾過によって効率的に高濃度まで濃縮され得る。本発明は、抗体が前もって凍結乾燥された場合、また、抗体が凍結乾燥されたことがない場合に、効率的に機能する。
本発明は、膜限外濾過による濃縮に供される抗体調製物の安定性および粘度が、調製物中に存在する緩衝液の型に感受性であり、特定の緩衝液(特に、ヒスチジン緩衝液および酢酸緩衝液)が、予期せず、抗体調製物の粘度を低下させ、抗体の凝集を減らし、そして、膜濾過による抗体調製物の濃縮速度を増加させるという発見に端を発する。結果として、抗体、および、約3mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる調製物が、安定化添加剤または粘度減少添加剤(例えば、界面活性剤、ポリオール、糖類、塩、高い緩衝液濃度(50mMを上回る))の非存在下においてでさえも、生物学的活性を保持し、比較的凝集が少ないままで、限外濾過によって効率的に高濃度まで濃縮され得る。本発明は、抗体が前もって凍結乾燥された場合、また、抗体が凍結乾燥されたことがない場合に、効率的に機能する。
治療用MAbを調製および精製するための多様な方法が開発されているが、これらは、代表的には、共通して、最終生成物(投与される薬学的調製物)の処方に先行して、限外濾過による濃縮の最終工程を有する。MAbの限外濾過は、一般に、圧力下で、抗体溶液を、50〜200kDaのポリペプチドを保持する一方で、低分子を通過させる孔を有する膜フィルターを通して、濾過することによって実施される。30〜50kDaのポリペプチドを保持する孔を有する膜フィルターを用いて、限外濾過によりMAbを濃縮して、良好な結果を得る;そして、抗体フラグメントが濃縮される場合は、10kDa程度のポリペプチドを保持する孔を有する膜がまた、使用され得る。限外濾過操作の効率は、溶液の粘度、溶解度、およびタンパク質の凝集体の量により影響され得る。
ダイアフィルトレーションは、低分子を膜を通して洗浄し、目的の大きな分子を保持液(膜の他の側に保持される溶液)中に残す、画分プロセスである。
限外濾過には、一般に、2つの膜濾過法が使用される。直接流動濾過(DFF)において、図1に示されるように、供給(濾過される溶液)は、直接膜に向けて強制的に通される。結果として、図2に示されるように、孔よりも大きい分子は、膜表面で凝集し、孔を通る低分子の流れをブロックするゲルを形成し、その結果、濾過が進むにつれて、流速が急速に減少する。DFFはまた、「通常流動濾過」とも呼ばれる。これは、流体の流れが、膜表面に対して通常の方向で生じるためである。保持されたタンパク質が凝集して、膜の孔をブロックしないように保つために、タンパク質溶液は、DFFの間頻繁に攪拌される。驚くべきことに、条件(例えば、圧力および流速)に依存して、TFFシステム(以下に説明する)を通して保持液を循環させることによって生じるせん断力は、DFFの間にタンパク質溶液を攪拌することによって生じる凝集および沈殿をより多く生じ得る(米国特許第6,252,055号、実施例3、第10〜11欄を参照のこと)。
他の主要な限外濾過プロセスは、接線方向の流動濾過(TFF)であり、ここでは、図3に示されるように、サンプルは、溶液に対する圧力が、溶液中の低分子を膜の孔を通して外側に押し出すように、サンプルが膜表面を通って流れる。TFFの間に膜を通る溶液の流れは、孔をブロックし、低分子がそこを通過するのを妨げる、凝集した低分子のゲルが膜の表面上に形成されるのを防ぐのに役立つ。結果として、図4に示されるように、TFFに対する流速は、濾過が進むにつれて、DFFの間に生じるよりも、かなりゆっくりと減少する。
本発明は、抗体の高度に濃縮された溶液を調製するための任意の膜限外濾過法と共に機能する。例えば、本発明は、薬学的なMAb調製物の処方において有用な、MAbの高度に濃縮された溶液を調製するために、TFFの使用と組み合せて、効率的に機能する。MAb溶液の限外濾過を実施するためのTFFシステムは、例えば、Millipore Corp.(Bedford,MA)、Pall Corp.(East Hills,NY)またはMarcon Wines and Filters(Oakville,Ontario)から市販される。濃縮抗体溶液を調製するためのTFFの使用はまた、米国特許第6,252,055号(その内容は、全体が本明細書中に参考として援用される)に記載される。
濃縮することに加えて、TFFシステムを用いて、調製の際に、緩衝液を交換するか、または、所望でない種の濃度を(例えば、塩を低濃度まで)減らすことができる。このことは、圧力下で濾過して、フィルターによって保持されない最初の溶媒および他の低分子を取り除く間に、新しい緩衝液を導入することによってなされる。溶液をその半分の体積まで濃縮し、新しい緩衝液を4回添加することによって、調製物の96%を超える塩を取り除くことが可能である。溶液中の最初の緩衝液の99%以上が、連続的なダイアフィルトレーションの間に7容量の新しい緩衝液まで添加することによって、置き換えられ得る。
本発明は、TFFによる限外濾過を用いて実施されるのに、十分に適している。最初の抗体調製物すなわち「供給(feed)」は、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる抗体組成物であり得る。「供給」はまた、本発明の効率的な操作を干渉することなく、抗体およびヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液に加えて、塩または他の低分子の溶質を含み得る。これは、このような低分子成分が、膜を通過し、ダイアフィルトレーションにより取り除かれ得るためである。従って、最終的に精製される濃縮抗体調製物は、供給が、このような組成物を有さない場合でさえも、抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる。
(薬学的処方物)
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的処方物」および「薬学的組成物」は、活性成分の生物学的活性が、はっきりと有効にし、治療効果が毒性効果を上回るような形態の調製物をいう。「薬学的に受容可能な」キャリア(ビヒクル、添加物)は、被験体の哺乳動物に合理的に投与されて、使用される活性成分の有効量を提供し得るものである。
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的処方物」および「薬学的組成物」は、活性成分の生物学的活性が、はっきりと有効にし、治療効果が毒性効果を上回るような形態の調製物をいう。「薬学的に受容可能な」キャリア(ビヒクル、添加物)は、被験体の哺乳動物に合理的に投与されて、使用される活性成分の有効量を提供し得るものである。
本発明に従って調製された濃縮抗体調製物を用いて薬学的処方物を調製し、開示された本発明に従って生成された抗体水溶液、および、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる濃縮抗体調製物を、1種以上の薬学的に受容可能なキャリアと合わせることによって、薬学的組成物を生成し得る。
このような薬学的組成物は、必要に応じて、1種以上のさらなる治療成分を含むように調製され得る。このキャリアは、処方物の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに対して有害でないという意味で、「受容可能」でなければならない。
本発明の抗体および薬学的組成物は、非経口投与(すなわち、皮下、筋肉内または静脈内)に特に有用である。非経口投与用の組成物は、一般に、本発明の抗体もしくはそのフラグメントの溶液、または受容可能なキャリア(好ましくは、水溶性キャリア)に溶解されたそのカクテルを含む。種々の水溶性キャリア(例えば、水、緩衝化水、0.4% 生理食塩水、0.3% グリシン、エタノールなど)が用いられ得る。これらの溶液は、滅菌されており、一般に、粒子状物質を含まない。これらの溶液は、従来の周知の滅菌技術(例えば、精密濾過)によって滅菌され得る。この組成物は、生理学的条件に近づけるのに必要とされる、薬学的に受容可能な補助物質(例えば、pH調整剤および緩衝化剤など)を含み得る。このような薬学的処方物における本発明の抗体またはそのフラグメントの濃度は、広範に変化し得(すなわち、約0.5重量%未満から、通常は、少なくとも約1重量%、15重量%または20重量%まで)、かつ、選択される特定の投与様式に従って、流体の体積、粘度などに主に基づいて選択される。
従って、筋肉内注射用の本発明の薬学的組成物は、1ml 滅菌緩衝化水と50mgの本発明の抗体またはそのフラグメントとを含むように調製され得る。同様に、静脈内注入用の本発明の薬学的組成物は、250mlの滅菌リンガー溶液と、150mgの本発明の抗体またはそのフラグメントを含むように作製され得る。
非経口投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、周知であるか、または、当業者に明らかであり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science,第15版、Mack Publishing Company,Easton,Pa.(本明細書中に参考として援用される)により詳細に記載される。
(治療用途)
本発明は、抗体を含む薬学的組成物の投与を包含する治療方法に対する改善を提供する。この改善は、a)少なくとも1種の治療有効量の抗体を含む水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になり、膜濾過により濃縮された、抗体調製物と、b)1種以上の薬学的に受容可能なキャリアとを合わせることによって作製される薬学的組成物を投与する工程を包含する。本明細書中に開示されるように、本発明に従うヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液を含む濃縮抗体調製物は、薬学的組成物における使用に適し、一般に、他の調製物により提供される粘度および安定性と比べて好ましい粘度および安定性を有する。上記のように、濃縮抗体調製物のpHは、一般に、4.5〜7.0の範囲である。
本発明は、抗体を含む薬学的組成物の投与を包含する治療方法に対する改善を提供する。この改善は、a)少なくとも1種の治療有効量の抗体を含む水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になり、膜濾過により濃縮された、抗体調製物と、b)1種以上の薬学的に受容可能なキャリアとを合わせることによって作製される薬学的組成物を投与する工程を包含する。本明細書中に開示されるように、本発明に従うヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液を含む濃縮抗体調製物は、薬学的組成物における使用に適し、一般に、他の調製物により提供される粘度および安定性と比べて好ましい粘度および安定性を有する。上記のように、濃縮抗体調製物のpHは、一般に、4.5〜7.0の範囲である。
改善された治療法のために用いられる濃縮抗体調製物は、治療有効量の治療用キメラモノクローナル抗体(PRIMATIZED(登録商標)または他のヒト化抗体である、抗体を含む)を含み得る。5mM〜40mMの範囲の濃度でヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液を含む濃縮抗体調製物を含む、開示される薬学的組成物は、治療有効量の先行技術の治療用抗体を含む薬学的組成物と同じ様式で用いられて投与される。
RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ)、IDEC−114抗体、IDEC−131抗体、IDEC−151抗体、およびIDEC−152抗体からなる群から選択される治療用モノクローナル抗体を投与することによる疾患の処置がまた有用である。
上記の改善された治療法は、例えば、癌、アレルギー性障害および自己免疫疾患からなる群から選択される疾患に罹患している患者に、治療有効量の治療用抗体を投与する工程を包含する。例えば、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体の投与は、このような投与を必要とする患者に治療的な恩恵を提供することが知られている。
本発明の有用な実施形態は、疾患を処置するため、すなわち、疾患を抑制もしくは予防することによってか、または、疾患の病理学的症状を緩和することによって、治療的な恩恵を提供するために、癌、アレルギー性障害、自己免疫疾患およびリンパ腫からなる群から選択される疾患に罹患している患者に、治療有効量の治療用抗体を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
(治療用抗体の濃縮調製物を含む「キット」)
本発明は、障害に罹患しているか、または障害の素因のある哺乳動物の処置に有用なキットをさらに提供する。本明細書中で使用される「処置」は、進行中の疾患に罹患している患者に治療的な恩恵を提供すること、および、予防的な(prophylactic or preventative)処置の両方をいう。キットの内側には、(a)少なくとも1種の治療有効量の抗体を含む水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、膜濾過によって濃縮された抗体調製物と、(b)少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアとを合わせた生成物である、薬学的組成物を含む少なくとも1つの容器がある。このキットは、この薬学的組成物が障害を処置するために使用され得ることを示すラベルまたは挿入物をさらに含む。このキットは、治療用のモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の治療有効量を含み得る。1つの有用な実施形態において、治療用抗体は、IgG抗体である。別の有用な実施形態において、治療用抗体はモノクローナル抗体(例えば、霊長類化(primatized)モノクローナル抗体)である。
本発明は、障害に罹患しているか、または障害の素因のある哺乳動物の処置に有用なキットをさらに提供する。本明細書中で使用される「処置」は、進行中の疾患に罹患している患者に治療的な恩恵を提供すること、および、予防的な(prophylactic or preventative)処置の両方をいう。キットの内側には、(a)少なくとも1種の治療有効量の抗体を含む水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、膜濾過によって濃縮された抗体調製物と、(b)少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアとを合わせた生成物である、薬学的組成物を含む少なくとも1つの容器がある。このキットは、この薬学的組成物が障害を処置するために使用され得ることを示すラベルまたは挿入物をさらに含む。このキットは、治療用のモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の治療有効量を含み得る。1つの有用な実施形態において、治療用抗体は、IgG抗体である。別の有用な実施形態において、治療用抗体はモノクローナル抗体(例えば、霊長類化(primatized)モノクローナル抗体)である。
特に好ましい実施形態において、キットは、癌、アレルギー性障害、自己免疫疾患およびリンパ腫からなる群から選択される障害を処置するのに有用な、治療有効量の治療用抗体を含む。好ましい実施形態において、治療用抗体は、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体および抗CD20抗体からなる群から選択される。特に好ましい実施形態において、治療用抗体は、Rituxan、IDEC−114抗体、IDEC−131抗体、IDEC−151抗体およびIDEC−152抗体からなる群から選択される。
接線方向の流動濾過は、タンパク質を濃縮して、物質を最終処方物にダイアフィルトレーションするための処理抗体において、最も一般的に使用される技術の1つである。その作動の成功は、生成物の収率および安定性にかなり影響を及ぼし得る。従って、このことは、この操作の効率を改善し得る因子を探索するために重要である。この目的のために、以前の研究において、本発明者らは、接線方向の流動濾過の性能に対する緩衝液の種類およびpHの影響、ならびに、生成物の安定性に対するその影響を調べる。この実施例は、比較的低い濃度の酢酸緩衝液またはヒスチジン緩衝液(5〜40mM)で処方されたMAb調製物が、異なる他の緩衝液(例えば、クエン酸緩衝液)で処方された同じMAbの調製物により得られた結果と比較して、低い粘度および低い凝集を有することを示す。
接線方向の流動濾過(TFF)は、一般に、薬学的処方物としての使用に適した、高度に濃縮されたMAb水溶液を調製する最終工程における、MAb調製物のダイアフィルトレーションおよび濃縮のために、一般に用いられる。TFFの性能は、溶液の粘度、タンパク質の溶解度、および、この溶液中の、タンパク質が形成する凝集体の程度により影響を受け得る。
(材料および方法)
10mM クエン酸(pH6.5)および150mM NaCl中、または、25mM 酢酸ナトリウム(pH6.0)および220mM グリシン中、10mg/mlの濃度にてIDEC−114 MAbのストック溶液(無菌的に2〜8℃にて保存)を得た。IDEC−114 MAbは、霊長類化抗体−CD80に結合し、ヒトの定常領域と、マカクザルの可変領域とを有する、キメラ組換えIgG1 MAbである。IDEC−114 MAbのストック溶液を、Pellicon XL(PLCTK 30)膜カセット(Millipore Corp.,Bedford,MA)を備える、LabScale Tangential Flow Filtration(TFF)Systemを用いて、室温でのダイアフィルトレーションにより、25mg/mlまで濃縮した。25mg/mlのIDEC−114 MAbと、所望のpHの選択された緩衝液から本質的になる6水溶液を、ついで、以下の試験緩衝液の各々の8容量につき1容量の抗体緩衝液でエクスハング(exhang)することによって、室温でダイアフィルトレーションすることによって調製した:20mM 酢酸ナトリウム、pH5.5および6.0;20 mM クエン酸ナトリウム、pH5.5および6.0;ならびに20 mM ヒスチジン/HCl、pH5.5および6.0。緩衝溶液を調製するのに用いた化学物質は以下の通りであった:酢酸ナトリウム(Sigma,S1304);クエン酸ナトリウム(Fisher,S279−500)およびヒスチジン(JT Baker,製品#2080.06)。
10mM クエン酸(pH6.5)および150mM NaCl中、または、25mM 酢酸ナトリウム(pH6.0)および220mM グリシン中、10mg/mlの濃度にてIDEC−114 MAbのストック溶液(無菌的に2〜8℃にて保存)を得た。IDEC−114 MAbは、霊長類化抗体−CD80に結合し、ヒトの定常領域と、マカクザルの可変領域とを有する、キメラ組換えIgG1 MAbである。IDEC−114 MAbのストック溶液を、Pellicon XL(PLCTK 30)膜カセット(Millipore Corp.,Bedford,MA)を備える、LabScale Tangential Flow Filtration(TFF)Systemを用いて、室温でのダイアフィルトレーションにより、25mg/mlまで濃縮した。25mg/mlのIDEC−114 MAbと、所望のpHの選択された緩衝液から本質的になる6水溶液を、ついで、以下の試験緩衝液の各々の8容量につき1容量の抗体緩衝液でエクスハング(exhang)することによって、室温でダイアフィルトレーションすることによって調製した:20mM 酢酸ナトリウム、pH5.5および6.0;20 mM クエン酸ナトリウム、pH5.5および6.0;ならびに20 mM ヒスチジン/HCl、pH5.5および6.0。緩衝溶液を調製するのに用いた化学物質は以下の通りであった:酢酸ナトリウム(Sigma,S1304);クエン酸ナトリウム(Fisher,S279−500)およびヒスチジン(JT Baker,製品#2080.06)。
次いで、サンプルを、浸透する流速が1ml/分に達するまで、Labscale TFF Systemでさらに濃縮し、その時点で、抗体溶液を150mg/mlを上回るまで濃縮した。150mg/mlの濃度を達成するのに要した時間を記録した。全ての操作の均一性を維持するために、全工程の間、システムの流速を、最適な保持圧下、80ml/分に固定した。
TFFによる濃縮の間に、定期的に、少量のMAb溶液を、タンパク質濃度の測定、ならびに粘度および濁度の測定にかけ、この時点で、浸透する流速をまた記録した。TFFの後、サンプルをシステムから取り除き、Acrodisc PF Syringe Filter 0.8/0.2μm Supor膜(Gelman Laboratory)を通して可溶性の凝集体を取り除いた。
(TFFの作動効率に対する緩衝液の種類およびpHの影響)
TFFの全工程にわたるUV分光光度スキャンによりタンパク質濃度を決定した。サンプルを、濃度により、水中に正確に100×または200×で希釈し、280nmにおける吸光度を、ブランクとして水に対して、Shimadzu Multispec 1501光ダイオードアレイ分光光度計を用いて測定した。図5は、TFFプロセスの間に、別の濃度の抗体における浸透流速を示す。ここから、浸透流速が以下の傾向:ヒスチジン>酢酸>クエン酸に従ったことがはっきりと分かる。流速に対する、pHの影響に関しては、傾向がなかった。80mg/mlより上の濃度において、浸透流速は減少し、本発明者らは、ヒスチジンで処方したサンプルと酢酸で処方したサンプルの流速の間に有意差を認めなかったが、これらの両方についての浸透流速は、試験した2つのpH値における、クエン酸で処方した物質についての流速よりも有意に高かった。25mg/mlのIDEC−114 240mlを150mg/mlまで濃縮するのに要した時間を表Iに列挙する。平均して、クエン酸で処方した抗体溶液は、濃縮するのに、酢酸で処方したものよりも約30%長い時間がかかり、ヒスチジンで処方したものよりも約50%長い時間がかかった。
TFFの全工程にわたるUV分光光度スキャンによりタンパク質濃度を決定した。サンプルを、濃度により、水中に正確に100×または200×で希釈し、280nmにおける吸光度を、ブランクとして水に対して、Shimadzu Multispec 1501光ダイオードアレイ分光光度計を用いて測定した。図5は、TFFプロセスの間に、別の濃度の抗体における浸透流速を示す。ここから、浸透流速が以下の傾向:ヒスチジン>酢酸>クエン酸に従ったことがはっきりと分かる。流速に対する、pHの影響に関しては、傾向がなかった。80mg/mlより上の濃度において、浸透流速は減少し、本発明者らは、ヒスチジンで処方したサンプルと酢酸で処方したサンプルの流速の間に有意差を認めなかったが、これらの両方についての浸透流速は、試験した2つのpH値における、クエン酸で処方した物質についての流速よりも有意に高かった。25mg/mlのIDEC−114 240mlを150mg/mlまで濃縮するのに要した時間を表Iに列挙する。平均して、クエン酸で処方した抗体溶液は、濃縮するのに、酢酸で処方したものよりも約30%長い時間がかかり、ヒスチジンで処方したものよりも約50%長い時間がかかった。
(表I)
(濁度)
TFFの作動中、抗体分子を、多数のサイクルにわたってシステムを通して連続的にポンピングし、これを、凝集を生じ、溶液の濁度を増加させる可能性がある、強力なせん断力に供する。図6は、濃縮プロセスの全工程にわたって、OD320で測定した、処方した抗体の濁度プロフィールを示す。両方のpH値において、クエン酸で処方したMAb溶液が、酢酸およびヒスチジンで処方した溶液よりもはるかに高い濁度を有したことが明らかである。pH6.0の酢酸処方物を除いて、後者の2つの緩衝液は非常に類似したプロフィールを有した。この結果は、ヒスチジン緩衝液および酢酸緩衝液が、クエン酸緩衝液と比べて、抗体分子の凝集に対して、有意に良好な保護を提供することを示唆する。
TFFの作動中、抗体分子を、多数のサイクルにわたってシステムを通して連続的にポンピングし、これを、凝集を生じ、溶液の濁度を増加させる可能性がある、強力なせん断力に供する。図6は、濃縮プロセスの全工程にわたって、OD320で測定した、処方した抗体の濁度プロフィールを示す。両方のpH値において、クエン酸で処方したMAb溶液が、酢酸およびヒスチジンで処方した溶液よりもはるかに高い濁度を有したことが明らかである。pH6.0の酢酸処方物を除いて、後者の2つの緩衝液は非常に類似したプロフィールを有した。この結果は、ヒスチジン緩衝液および酢酸緩衝液が、クエン酸緩衝液と比べて、抗体分子の凝集に対して、有意に良好な保護を提供することを示唆する。
(撹拌アッセイ)
濃縮MAbの安定性をさらに測定するために、加速凝集研究を行った。TFFプロセスからの各濾過処方物3mlを、滅菌の5ccI型ガラスバイアルに入れた。このガラスバイアルを、テフロン(登録商標)で表面加工した、灰色のブチルラバーストッパーで栓をし、圧着シールでキャップした。次いで、このバイアルを、700rpmに設定したシェーカーに置き、室温にて72時間撹拌した。各濃縮抗体処方物を0.2μ膜を通して濾過し、その濃度を、150mg/mlに調整した。撹拌の前後のOD320およびOD580の読みを表IIに示す。最初のOD320の読みは、全て比較的低く、互いに非常に類似していたが、撹拌後は、両方のクエン酸で処方した抗体が最も高い濁度を有し、ヒスチジンおよび酢酸がこれに続いた。同様の傾向が、OD580の測定においても反映される。本発明者らは、濁度についての任意の特定のpHの傾向を見出さなかったが、同じ緩衝液内において、異なるpH値は、異なるレベルの凝集を生じた。
濃縮MAbの安定性をさらに測定するために、加速凝集研究を行った。TFFプロセスからの各濾過処方物3mlを、滅菌の5ccI型ガラスバイアルに入れた。このガラスバイアルを、テフロン(登録商標)で表面加工した、灰色のブチルラバーストッパーで栓をし、圧着シールでキャップした。次いで、このバイアルを、700rpmに設定したシェーカーに置き、室温にて72時間撹拌した。各濃縮抗体処方物を0.2μ膜を通して濾過し、その濃度を、150mg/mlに調整した。撹拌の前後のOD320およびOD580の読みを表IIに示す。最初のOD320の読みは、全て比較的低く、互いに非常に類似していたが、撹拌後は、両方のクエン酸で処方した抗体が最も高い濁度を有し、ヒスチジンおよび酢酸がこれに続いた。同様の傾向が、OD580の測定においても反映される。本発明者らは、濁度についての任意の特定のpHの傾向を見出さなかったが、同じ緩衝液内において、異なるpH値は、異なるレベルの凝集を生じた。
(表II)
(別のIDEC−114処方物の粘度)
150mg/mlまで濃縮されたサンプルの運動力学的粘度を、較正したサイズ2のCross Arm Viscometer(VWR)により測定した。全ての測定を、3mlの溶液を用いて、室温(23±3℃)にて行った。図7は、測定された、IDEC−114の6つの異なる処方物の動粘度を示す棒グラフである。予想された通りに、クエン酸で処方した溶液が最も高い粘度を有し、酢酸溶液がこれに続き、ヒスチジン緩衝化溶液は最も低い粘度を有した。再度、同じ緩衝液種内において、pHは粘度に影響を有するようであるが、緩衝液種を越えて、特定のpH傾向は見出され得なかった。
150mg/mlまで濃縮されたサンプルの運動力学的粘度を、較正したサイズ2のCross Arm Viscometer(VWR)により測定した。全ての測定を、3mlの溶液を用いて、室温(23±3℃)にて行った。図7は、測定された、IDEC−114の6つの異なる処方物の動粘度を示す棒グラフである。予想された通りに、クエン酸で処方した溶液が最も高い粘度を有し、酢酸溶液がこれに続き、ヒスチジン緩衝化溶液は最も低い粘度を有した。再度、同じ緩衝液種内において、pHは粘度に影響を有するようであるが、緩衝液種を越えて、特定のpH傾向は見出され得なかった。
Claims (121)
- 抗体水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、濃縮抗体組成物。
- 前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約3mM〜約48mMの範囲である、請求項1に記載の組成物。
- 前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約4mM〜約45mMの範囲である、請求項1に記載の組成物。
- 前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約5mM〜約40mMの範囲である、請求項1に記載の組成物。
- 前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、20mM〜25mMの範囲である、請求項1に記載の組成物。
- pHが約4.0〜約7.5の範囲である、請求項1に記載の組成物。
- pHが4.5〜7.0の範囲である、請求項1に記載の組成物。
- pHが5.0〜6.5の範囲である、請求項1に記載の組成物。
- 5.5〜6.0の範囲のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体が、1種の可変領域と、別の種の定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項10に記載の組成物。
- 前記抗体が、非ヒト種の可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項11に記載の組成物。
- 前記抗体が、旧世界ザルの可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項12に記載の組成物。
- 前記抗体が、非ヒト種の超可変領域と、ヒトの定常領域とを含むヒト化抗体である、請求項10に記載の組成物。
- 前記抗体が、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1種以上のアイソタイプである抗体である、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体がIgG抗体である、請求項15に記載の組成物。
- 前記抗体がIgG1抗体またはIgG4抗体である、請求項16に記載の組成物。
- 前記抗体の濃度が少なくとも50mg/mlである、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体の濃度が少なくとも100mg/mlである、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体が、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体、および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体が、抗CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152および抗CD20抗体RITUXAN(登録商標)からなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含む、請求項20に記載の組成物。
- 濃縮抗体調製物を生成するための方法であって、該方法は、
a)抗体水溶液および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、最初の抗体調製物を提供する工程;ならびに
b)該最初の抗体調製物を、該抗体調製物から水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過に供し、それによって、該最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程
を包含する、方法。 - 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約3mM〜約48mMの範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約4mM〜約45mMの範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約5mM〜約40mMの範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記最初に抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、20mM〜25mMの範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが約4.0〜7.5の範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが4.5〜7.0の範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが5.0〜6.5の範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが5.5〜6.0の範囲である、請求項22に記載の方法。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項22に記載の方法。
- 前記抗体が、非ヒト種の可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項31に記載の方法。
- 前記抗体が、旧世界ザルの可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項32に記載の方法。
- 前記抗体が、非ヒト種の超可変領域と、少なくとも1つのヒトフレームワーク領域と、ヒトの定常領域とを含む、ヒト化抗体である、請求項31に記載の方法。
- 前記抗体が、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1種以上のアイソタイプである抗体である、請求項22に記載の方法。
- 前記抗体がIgG抗体である、請求項35に記載の方法。
- 前記抗体がIgG1抗体またはIgG4抗体である、請求項36に記載の方法。
- 前記工程b)により生成された抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも50mg/mlである、請求項22に記載の方法。
- 前記工程b)により生成された抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも100mg/mlである、請求項22に記載の方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体、および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む、請求項22に記載の方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152および抗CD20抗体リツキシマブからなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含む、請求項22に記載の方法。
- 濃縮抗体調製物を生成するための改善された方法であって、該方法は
a)抗体水溶液および緩衝液から本質的になる最初の抗体調製物を提供する工程;ならびに
b)該抗体調製物から、水および緩衝液は取り除くが、該抗体は取り除かない膜濾過に、該最初の抗体調製物を供し、それによって、該最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程;
を包含する方法であって、ここで、該改善が、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジンまたは酢酸から選択される緩衝液を使用する工程からなる、方法。 - 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約3mM〜約48mMの範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約4mM〜約45mMの範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約5mM〜約40mMの範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、20mM〜25mMの範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが約4.0〜7.5の範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが4.5〜7.0の範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが5.0〜6.5の範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが5.5〜6.0の範囲である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、非ヒト種の可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項51に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、旧世界ザルの可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項52に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、非ヒト種の超可変領域と、少なくとも1つのヒトフレームワーク領域と、ヒトの定常領域とを含むヒト化抗体である、請求項51に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1種以上のアイソタイプである抗体である、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記抗体がIgG抗体である、請求項55に記載の改善された方法。
- 前記抗体がIgG1抗体またはIgG4抗体である、請求項56に記載の改善された方法。
- 前記工程b)により生成された抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも50mg/mlである、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記工程b)により生成された抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも100mg/mlである、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体、および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む、請求項42に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152および抗CD20抗体リツキシマブからなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含む、請求項42に記載の改善された方法。
- 活性成分として抗体を含む薬学的組成物を生成するための方法であって、該方法は、
a)抗体水溶液、および約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、最初の抗体調製物を提供する工程;ならびに
b)該抗体調製物から、水および緩衝液は取り除くが、抗体は取り除かない膜濾過に、該最初の抗体調製物を供し、それによって、該最初の抗体調製物よりも高い濃度の抗体を有する抗体調製物を生成する工程;ならびに
c)工程b)の該濃縮抗体調製物を、1種以上の薬学的に受容可能なキャリアと合わせて、薬学的組成物を生成する工程
を包含する、方法。 - 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約3mM〜約48mMの範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約4mM〜約45mMの範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約5mM〜約40mMの範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、20mM〜25mMの範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが約4.0〜7.5の範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが4.5〜7.0の範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが5.0〜6.5の範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記最初の抗体調製物のpHが5.5〜6.0の範囲である、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体が、非ヒト種の可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項71に記載の方法。
- 前記抗体が、旧世界ザルの可変領域と、ヒトの定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項72に記載の方法。
- 前記抗体が、非ヒト種の超可変領域と、少なくとも1つのヒトフレームワーク領域と、ヒトの定常領域とを含むヒト化抗体である、請求項71に記載の方法。
- 前記抗体が、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1種以上のアイソタイプである抗体である、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体がIgG抗体である、請求項75に記載の方法。
- 前記抗体がIgG1抗体またはIgG4抗体である、請求項76に記載の方法。
- 前記工程b)により生成された抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも50mg/mlである、請求項62に記載の方法。
- 前記工程b)により生成された抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも100mg/mlである、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体、および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152および抗CD20抗体リツキシマブからなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含む、請求項62に記載の方法。
- 抗体を含む薬学的組成物の投与を包含する、改善された治療方法であって、該改善は、薬学的組成物を生成するために、
a)少なくとも1種の治療有効量の抗体を含む水溶液、および膜濾過により濃縮された、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる抗体調製物;ならびに
b)1種以上の薬学的に受容可能なキャリア;
を合わせることにより作製される薬学的組成物を投与する工程を包含する、改善された方法。 - 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約3mM〜約48mMの範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約4mM〜約45mMの範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約5mM〜約40mMの範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、20mM〜25mMの範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、約4.0〜7.5の範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、4.5〜7.0の範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、5.0〜6.5の範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、5.5〜6.0の範囲である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記抗体がキメラ抗体である、請求項91に記載の改善された方法。
- 前記抗体がヒト化抗体である、請求項91に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1種以上のアイソタイプである抗体を含む、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記抗体がIgG抗体である、請求項94に記載の改善された方法。
- 前記抗体がIgG1抗体またはIgG4抗体である、請求項95に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも50mg/mlである、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも100mg/mlである、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体、および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む、請求項82に記載の改善された方法。
- 前記抗体が、抗CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152および抗CD20抗体リツキシマブからなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含む、請求項82に記載の改善された方法。
- 治療有効用量の治療抗体を、癌、アレルギー性障害、自己免疫疾患およびリンパ腫からなる群から選択される疾患を罹患している患者に投与する工程を包含する、請求項82に記載の改善された方法。
- 障害に罹患しているか、または、障害にかかりやすい哺乳動物の処置に有用なキットであって、該キットは、
a)少なくとも1種の治療有効用量の抗体を含む水溶液、および、膜濾過により濃縮された、約2mM〜約48mMの範囲の濃度のヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液から本質的になる、抗体調製物、ならびに
b)1種以上の薬学的に受容可能なキャリア
を組み合せた製品である、薬学的組成物を含む少なくとも1つの容器を備え、そしてさらに、該薬学的組成物が該障害を処置するために使用され得ることを表示するラベルまたは挿入物を備える、キット。 - 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約3mM〜約48mMの範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約4mM〜約45mMの範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、約5mM〜約40mMの範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物における前記ヒスチジン緩衝液または酢酸緩衝液の濃度が、20mM〜25mMの範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、約4.0〜7.5の範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、4.5〜7.0の範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、5.0〜6.5の範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物のpHが、5.5〜6.0の範囲である、請求項102に記載のキット。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項102に記載のキット。
- 前記抗体がキメラ抗体である、請求項111に記載のキット。
- 前記抗体がヒト化抗体である、請求項111に記載のキット。
- 前記工程a)の抗体調製物が、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEから選択される1種以上のアイソタイプである抗体を含む、請求項102に記載のキット。
- 前記抗体がIgG抗体である、請求項114に記載のキット。
- 前記抗体がIgG1抗体またはIgG4抗体である、請求項115に記載のキット。
- 前記工程a)の濃縮抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも50mg/mlである、請求項102に記載のキット。
- 前記工程a)の濃縮抗体調製物における前記抗体の濃度が、少なくとも100mg/mlである、請求項102に記載のキット。
- 前記抗体が、抗CD80抗体、抗gp39抗体、抗CD4抗体、抗CD23抗体、および抗CD20抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体を含む、請求項102に記載のキット。
- 前記抗体が、抗CD80抗体IDEC−114、抗gp39抗体IDEC−131、抗CD4抗体IDEC−151、抗CD23抗体IDEC−152および抗CD20抗体リツキシマブからなる群から選択される少なくとも1種のモノクローナル抗体を含む、請求項102に記載のキット。
- 癌、アレルギー性障害、自己免疫疾患およびリンパ腫からなる群から選択される障害を処置するのに有用な、請求項102に記載のキット。
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