JP2005528354A - フェロセニル配位子及び触媒反応におけるその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)の配位子を含む二座の有機リン−フェロセニル配位子、その錯化合物並びに接触プロセスにおけるその使用に関する。

Description

本発明は、二座の有機リン−フェロセニル配位子、その錯化合物並びに接触プロセスにおけるその使用に関する。
三置換有機リン化合物は、均一系触媒反応における配位子として大きな重要性を有する。そのような化合物中のリン上での置換基の変化により、リン配位子の電子的及び立体化学的な性質は意図されて影響を受けうるので、均一系−接触プロセスの場合の選択率及び活性が制御されることができる。
これまで公知のリン配位子の重要性は、その構造多様性において反映される。配位子の区分は、例えば物質クラスに従って行われることができる。そのような物質クラスの例は、トリアルキル−及びトリアリールホスフィン、ホスフィット、ホスフィニット、ホスホニット、アミノホスファン等である。物質クラスによるこの区分は、特に配位子の電子的性質を記載するために有用である。
さらにまた、リン配位子の分類はそれらの対称性によるか又は配位子の座数(Zaehnigkeit)により可能である。この構造化は特に触媒前駆物質又は触媒としてのリン配位子を有する金属錯体の安定性、活性及び潜在的な立体選択性を考慮する。
広範囲に利用されるC−対称な二座の配位子系、例えばDUPHOS、DIOP、BINAP又はDEGUPHOSに加えて、非対称な二座の有機リン配位子はますます新規な不斉な触媒反応法の構想の際の焦点へ移動している。重要な例は、多方面に亘り使用可能なキラルなフェロセニルホスフィン配位子、例えばJOSIPHOSの大きなクラス、特にオレフィンの不斉水素化において成果をあげて使用される、アミノホスフィン−ホスフィニット配位子、例えばPINDOPHOS又はDPAMPP、又はオレフィンの不斉ヒドロホルミル化において使用されるホスフィン−ホスフィット−配位子、例えばBINAPHOS又はBIPHEMPHOSである。これらの化合物クラスの成果の重要な一態様は、これらの配位子系による金属中心の特に不斉な環境の形成の原因であるとみなされる。
このことは、接触プロセスを改善する際に、新規な配位子の開発が決定的な役割を果たすことを示している。この理由から、さらに新規の鏡像体豊富化したキラルな配位子の大きな需要が存在し、その電子的及び立体化学的な性質はそれぞれの触媒反応問題に最適に適合されることができる。
それゆえ、特定の不斉触媒反応に最適なテーラーメード配位子を提供することができるように、立体化学的及び電子的に変化させることができるキラルな配位子を提供するという課題が本発明の基礎となっていた。
本発明は、無比のように前述の最も重要な特徴を効果的な不斉誘導のために併せ持つ、新規の非対称で二座でかつキラルなリン配位子系を記載するものである。特別な一利点はこの場合に、これらが互いに独立して変性可能な有機リン供与体を有する高度に不斉な配位領域をつくることである。
故に本発明は、フェロセニル単位を介して互いに結合している2つの三価リン基を有する式(I)の非対称な二座の有機リン配位子に関する。
Figure 2005528354
[式中、
R、R′は双方の置換基R又はR′のそれぞれについて互いに独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜C14アリール、フェニル、ナフチル、フルオレニル、フルフリル、1−アダマンチル、C〜C13ヘテロアリール(ここでへテロ原子、特にN、O、Sの群からのへテロ原子の数は1〜4であってよい)の群から選択される基であってよく、その際に環状の脂肪族又は芳香族の基は好ましくは5〜7員の環であり、かつ
その場合に前記の置換基R及びR′はその都度一回又は複数回置換されていてよく、その際にこれらの置換基は互いに独立してC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C10ハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜C14アリール、フェニル、ナフチル、フルオレニル、C〜Cヘテロアリール(ここでへテロ原子、特にN、O、Sの群からのへテロ原子の数は1〜4であってよい)、C〜C10アルコキシ、C〜Cトリハロメチルアルキル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、モノ−、ジ−、トリ−C〜C−アルキルアミノ又はC〜Cアルケニルアミノ又はモノ−、ジ−、トリ−C〜Cアリールアミノの形のC〜C置換アミノ又はカルボキシル、COOR″″の形のカルボキシラト(ここでR″″は一価のカチオン又はC〜Cアルキルである)、C〜C−アシルオキシ、トリ−C〜Cアルキルシリルの群から選択されてよく、かつその際にこれらの置換基の2つは橋かけされていてもよく、並びに、
R″、R′″、R″″は置換基R″、R′″又はR″″のそれぞれについて互いに独立して水素、C〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜C10アルコキシ、C〜Cトリハロメチルアルキル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、モノ−、ジ−、トリ−C〜C−アルキルアミノ又はC〜Cアルケニルアミノ又はモノ−、ジ−、トリ−C〜Cアリールアミノの形のC〜C置換アミノ又はカルボキシル、COOR′″″の形のカルボキシラト(ここでR′″″は一価のカチオン又はC〜Cアルキルを表す)、C〜C−アシルオキシ、トリ−C〜Cアルキルシリルの群から選択される基であってよく、かつその際にこれらの置換基の2つは橋かけされていてもよい。
好ましい一実施態様において、この場合に、R又はR′は互いに独立してフェニル、フルフリル、3,5−ジメチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、シクロヘキシル、t−ブチル、n−ブチル、2−プロピル、エチル、メチル又は1−アダマンチルであってよい。
本発明はさらに、少なくとも1つの金属を有する式(I)のそのようなキラルな配位子系を含有する錯化合物に関する。
好ましくは、
R、R′、R′″及びR″″は互いに独立して1個ないし12個までの原子を有しているアルキル−、アルケニル−、ハロアルキル−、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、アリール−、ヘテロアリール基を表し、その際にこれらの基はその都度一回又は複数回置換されていてよい。好ましくは、その場合に基R、R′、R′″及びR″″はC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10ハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜C14アリール、C〜Cヘテロアリール、C〜C10アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシで置換されている。
アルキル置換基の群からは、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルが挙げられうる。
環状のアルキル置換基の中では、特に好ましくは置換及び非置換のシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルである。
アルケニル基として、好ましくはビニル、プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、2−メチル−l−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニル又は2−オクテニルが挙げられうる。環状のアルケニル置換基の中では、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル及びノルボルニルが特に好ましい。
R及びR′中のアリール置換基の中では、フェニル、フルフリル、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,6−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4,5−トリアルキルフェニル、2−アルコキシフェニル、3−アルコキシフェニル、4−アルコキシフェニル、2,6−ジアルコキシルフェニル、3,5−ジアルコキシフェニル、3,4,5−トリアルコキシフェニル、3,5−ジアルキル−4−アルコキシフェニル、3,5−ジアルキル−4−ジアルキルアミノフェニル、4−ジアルキルアミノ(ここで前記のアルキル−及びアルコキシ基はその都度好ましくは炭素原子1〜6個を有する)、3,5−トリフルオロメチル、4−トリフルオロメチル、2−スルホニル、3−スルホニル、4−スルホニル、一回ないし四回ハロゲン化されたフェニル及びナフチルが特に好ましい。好ましいハロゲン置換基はF、Cl、Br、Iであり、特に好ましくはF及びClである。
全てのハロアルキル−又は/及びハロアリール基は、好ましくは一般式CHal、CHCHal、CHalを有し、その際にHalは特にF及びClであってよい。式CFのハロアルキル−又は/及びハロアリール基が特に好ましい。
最後に、鏡像体が豊富化されている式(I)の配位子系が光学活性な配位子系として好ましい。鏡像体豊富化が90%、好ましくは99%を上回る場合の配位子系が特に好ましい。
本発明による配位子は、以下に与えられた一般的な合成の記載に基づいて製造されることができる。
第一の製造工程において、フェロセンはKagan他(J. Org. Chem. 1995, 60, 2502)の方法に従ってキラルなフェロセニル−スルホキシドAに変換される。芳香族基及び第一のリン含有基の導入のために、リチウム塩基の存在でフェロセニル環はリチオ化され、かつ金属交換される。パラジウム触媒の存在で相応する化合物Bへのカップリングが行われる。
Figure 2005528354
スルホキシド基は、強リチウム塩基の存在で第二のリン含有基により置換されうる。こうして本発明による配位子Cが得られる。
Figure 2005528354
この方法を用いて、本発明による二座の有機リン−フェロセニル配位子は良好な収率で得ることができる。前記方法の別の大きな利点は、フェニル環上又はフェロセニル基上で置換されている出発物質に対するその許容性である。配位子系のフレキシビリティーは、それゆえ簡単に変化されることができ、それにより不斉誘導が制御可能である。
特許の保護が請求された配位子の使用下に単純に、少なくとも1つの金属原子又は−イオン、好ましくはパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル又は/及び銅の群からの、好ましくは遷移金属原子又は−イオンを有する金属と反応して錯化合物に変換されることができる。
これらの金属−配位子−錯化合物の製造は、金属塩又は相応する前駆錯体(Vorkomplexe)と一般式(I)の配位子との反応によりその場で行われることができる。さらにまた、金属−配位子−錯化合物は、金属塩又は相応する前駆錯体と一般式(I)の配位子との反応及び引き続いて単離により取得されることができる。
金属塩の例は、特にパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、インジウム、コバルト、ニッケル又は/及び銅の、金属塩化物、−臭化物、−ヨウ化物、−シアン化物、−硝酸塩、−酢酸塩、−アセチルアセトネート、−ヘキサフルオロアセチルアセトネート、テトラフルオロホウ酸塩、−ペルフルオロ酢酸塩又は−トリフレートである。
適している前駆錯体の例は次のものである:
シクロオクタジエンパラジウム塩化物、シクロオクタジエンパラジウムヨウ化物、1,5−ヘキサジエンパラジウム塩化物、1,5−ヘキサジエンパラジウムヨウ化物、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)塩化物、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)臭化物、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)塩化物、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)臭化物、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ヨウ化物、ビス(アリル)パラジウム、ビス(メタリル)パラジウム、アリルパラジウム塩化物−二量体、メタリルパラジウム塩化物−二量体、テトラメチルエチレンジアミンパラジウム二塩化物、テトラメチルエチレンジアミンパラジウム二臭化物、テトラメチルエチレンジアミンパラジウム二ヨウ化物、テトラメチルエチレンジアミンパラジウムジメチル、シクロオクタジエン白金塩化物、シクロオクタジエン白金ヨウ化物、1,5−ヘキサジエン白金塩化物、1,5−ヘキサジエン白金ヨウ化物、ビス(シクロオクタジエン)白金、カリウム(エチレントリクロロ白金酸塩)、シクロオクタジエンロジウム(I)塩化物−二量体、ノルボルナジエンロジウム(I)塩化物−二量体、1,5−ヘキサジエンロジウム(I)塩化物−二量体、トリス(トリフェニルホスファン)ロジウム(I)塩化物、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスファン)ロジウム(I)塩化物、ビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ペルクロレート、ビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート、ビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフレート、ビス(アセトニトリルシクロオクタジエン)ロジウム(I)ペルクロレート、ビス(アセトニトリルシクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート、ビス(アセトニトリルシクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフレート、シクロペンタジエンロジウム(III)塩化物−二量体、ペンタメチルシクロペンタジエンロジウム(III)塩化物−二量体、(シクロオクタジエン)Ru(アリル)、((シクロオクタジエン)Ru)(アセテート)、((シクロオクタジエン)Ru)(トリフルオロアセテート)、RuCl(アレーン)−二量体、トリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)塩化物、シクロオクタジエンルテニウム(II)塩化物、OsCl(アレーン)−二量体、シクロオクタジエンイリジウム(I)塩化物−二量体、ビス(シクロオクテン)イリジウム(I)塩化物−二量体、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、(シクロドデカトリエン)ニッケル、トリス(ノルボルネン)ニッケル、ニッケルテトラカルボニル、ニッケル(II)アセチルアセトネート、(アレーン)銅トリフレート、(アレーン)銅ペルクロレート、(アレーン)銅トリフルオロアセテート、コバルトカルボニル。
金属元素、特にRu、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cuの群からの1つ又はそれ以上の金属を基礎とする錯化合物は、既に触媒であってよいか又は金属元素、特にRu、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cuの群からの1つ又はそれ以上の金属を基礎とする触媒の製造に使用されることができる。
変換すべき反応混合物中の式(I)の配位子を有する触媒のその場での製造に加えて、金属−配位子−錯化合物は金属塩又は相応する前駆錯体と一般式(I)の配位子との反応及び引き続く単離によっても取得されることができる。そのような錯化合物の製造は、好ましくはワンポット反応において高められた温度で撹拌しながら行われる。触媒活性な錯化合物はその際に、計画された接触反応の反応バッチ中で直接に製造されることもできる。
一般式(I)の配位子は、金属上の配位子として不斉な金属−接触反応、例えば水素化、ヒドロホルミル化において、転位、アリル位アルキル化(allylischen Alkylierungen)、シクロプロパン化、ヒドロシリル化において、ヒドリド移動(Hydriduebertragungen)において、ヒドロホウ素化(Hydroborierungen)において、ヒドロシアン化において、ヒドロカルボキシル化において、アルドール反応又はヘック(Heck)反応において並びに重合の際に使用されることができる。これらは特に不斉反応に好適である。
本発明による錯体は、高い活性及び選択率を有するC=C、C=O又はC=N−結合の不斉水素化の際に並びに不斉ヒドロホルミル化において特に適している。特にここでは一般式(I)の配位子がその単純で幅広い変形可能性により立体化学的及び電子的に極めて良好にそれぞれの基質及び触媒反応に適合されることができることが有利であると判明している。
全般
空気感受性化合物の反応を、アルゴン充填されたグローブボックス中又は標準シュレンク管中で実施した。溶剤テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル及びジクロロメタンを脱気し、溶剤乾燥装置(Innovative Technologies)を用いて活性酸化アルミニウムが充填されたカラムに通してろ過することにより脱水し、トルエン及びペンタンから、銅触媒が充填されたカラムで付加的に酸素を除去した。
次の例は、本発明を説明するのに役立つ。これらは如何なる手段において制限を意味するものではない。
例1:(SFc,SS)−(p−トリルスルフィニル)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−フェロセン
アルゴン取入口を有する100mL丸底フラスコ中で(S)−フェロセニル−p−トリルスルホキシド(793mg、2.45mmol)をTHF(15mL)中に溶解させ、溶液を−78℃に冷却した。引き続いて、リチウムジイソプロピルアミン溶液(1.35mL、2.70mmol;THF中2.0M)をゆっくりと添加した。−78℃で30分間撹拌した後、臭化亜鉛溶液(2.70mL、3.51mmol;THF中1.3M)を一滴ずつ添加し、反応溶液をRTで1h撹拌した。溶剤を真空(OEPV)中で除去し、残留物をTHF 10mL中に溶解させた。アルゴン取入口を有する50mL丸底フラスコ中で、Pd(dba)(61.2mg、5mol%)及びトリフリルホスフィン(49.2mg(10mol%)をTHF(2mL)中に溶解させ、10min撹拌した。引き続いて、THF(3mL)中に溶解させた1−ヨード−2−(ジフェニルホスフィノ)−ベンゼン(633mg、1.63mmol)を滴加し、新たに10min撹拌した。亜鉛化合物の溶液の添加後、反応混合物を65℃で14h撹拌した。引き続いて、飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した(50mL 3回)。一つにまとめた有機相を、塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ別し、溶剤をロータリーエバポレーターで留去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した(n−ペンタン/ジエチルエーテル1:2)。スルホキシド(707mg、1.21mmol、74%)が黄褐色の固体(融点:198℃)として得られた。
H-NMR(CDCl3, 300 MHz): 8.29-8.24 (m, 1 H), 7.37-7.06 (m, 14 H), 6.82-6.71 (m, 3 H), 4.40-4.38 (m, 1 H), 4.25-4.23 (m, 1 H), 4.20 (s, 5 H), 4.08-4.05 (m, 1 H), 2.29 (s, 3H).
13C-NMR(CDCl3, 75 MHz): 140.91, 140.22, 140.15, 139.84, 138.34-137.51 (m), 134.39 (d, J = 4.6 Hz), 133.94-133.28 (m), 128.96-127.52 (m), 124.74, 94.90, 90.51 (d, J = 10.0 Hz, 73.97 (d, J = 11.0 Hz), 70.84, 69.80, 67.68, 21.34.
31P-NMR(CDCl3, 81 MHz):-13.12.
例2:(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフェニル−ホスフィノフェロセン(配位子1)
アルゴン取入口を有する50mL丸底フラスコ中でスルホキシド(300mg、0.51mmol)をTHF(8mL)中に溶解させ、溶液を−78℃に冷却した。引き続いて、t−BuLi(0.64mL、1.03mmol、ヘキサン中1.6M)をゆっくりと滴加し、−78℃で5min撹拌した。クロロジフェニルホスファン(0.32mL、1.80mmol)を一滴ずつ添加し、冷浴を取り除き、反応混合物をRTで30min撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で急冷した後、有機相を分離し、水相をジエチルエーテル(50mL 2回)で抽出した。一つにまとめた有機相を、塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ別し、溶剤をロータリーエバポレーターで留去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した(n−ペンタン/ジエチルエーテル 50:1)。ジホスファン(260mg、0.41mmol、81%)が黄色の固体(融点:187℃)として得られた。
H-NMR(CDCl3, 300 MHz): 8.36-8.32 (m, 1 H), 7.56-7.50 (m, 2 H), 7.37-7.27 (m, 9 H), 7.18-7.12 (m, 2 H), 7.08-6.96 (m, 7 H), 6.81-6.77 (m, 1 H), 6.67-6.61 (m, 2 H), 4.28-4.26 (m, 1 H), 4.19-4.16 (m, 1 H), 3.95 (s, 5 H), 3.76-3.75 (m, 1 H).
13C-NMR(CDCl3, 75 MHz): 142.74 (d, J = 30.8 Hz), 139.36 (d, J = 4.1 Hz), 139.19 (d, J =6.7Hz), 138.39 (d, J = 9.4 Hz), 137.94 (d, J = 12.9 Hz), 137.39 (d, J = 14.3 Hz), 135.35-127.04 (m), 95.67 (dd, J = 24.5, 10.1 Hz), 77.95 (d, J = 8.7 Hz), 74.30 (dd, J = 12.3 Hz, 2.9 Hz), 71.31 (d, J = 4.1 Hz), 70.25, 68.80.
31P-NMR(CDCl3, 81 MHz): -14.35, -21.69.
例3:(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフリルホスフィノフェロセン(配位子2)
アルゴン取入口を有する50mL丸底フラスコ中でスルホキシド(500mg、0.86mmol)をTHF(12mL)中に溶解させ、溶液を−78℃に冷却した。引き続いて、t−BuLi(1.07mL、1.71mmol、ヘキサン中1.6M)をゆっくりと滴加し、−78℃で5min撹拌した。クロロジフリルホスファン(600mg、2.99mmol)を一滴ずつ添加し、冷浴を取り除き、反応混合物をRTで30min撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で急冷した後、有機相を分離し、水相をジエチルエーテル(50mL 2回)で抽出した。一つにまとめた有機相を、塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ別し、溶剤をロータリーエバポレーターで留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(n−ペンタン/ジエチルエーテル20:1)。ジホスファン(239mg、0.39mmol、46%)が黄色固体(融点:90℃)として得られた。
H-NMR(CDCl3, 300 MHz): 8.19-8.14 (m, 1 H), 7.67-7.65 (m, 1 H), 7.40-7.33 (m, 2 H), 7.27-6.99 (m, 9 H), 6.83-6.72 (m, 4 H), 6.42-6.40 (m, 1 H), 6.32-6.31 (m, 1 H), 6.15-6.13 (m, 1 H), 4.47-4.46 (m, 1 H), 4.29-4.28 (m, 1 H), 4.12-4.09 (m, 1 H), 3.98 (s, 5 H).
13C-NMR(CDCl3, 75 MHz): 152.40 (d, J = 11.6 Hz), 152.12 (d, J = 4.7 Hz), 146.64 (d, J = 2.4Hz), 146.27 (d, J = 3.0 Hz), 142.21 (d, J = 1.8 Hz), 141.81 (d, J = 1.2Hz), 138.66 (d, J = 13.4 Hz), 138.36 (d, J = 14.0 Hz), 137.85 (d, J = 12.8 Hz), 134.07-133.02 (m), 128.43-127.24 (m), 120.82 (d, J = 25.6 Hz), 118.83 (dd, J = 18.1, 4.1 Hz), 110.75 (d, J = 6.4 Hz), 110.29 (d, J = 4.1 Hz), 96.15 (dd, J = 30.3, 10.6 Hz), 74.51 (d, J = 3.5 Hz), 73.99 (dd, J = 11.6, 5.5 Hz), 72.37 (d, J = 5.3 Hz), 70.08, 69.08.
31P-NMR(CDCl3, 81 MHz): -14.01 (d, J = 2.3 Hz),-67.18 (d, J = 2.3 Hz).
3−アセトキシ−1,3−ジフェニル−プロペンの不斉アリル位アルキル化の例
例4:メチル (S,E)−2−カルボメトキシ−3,5−ジフェニルペント−4−エノエート
50mLシュレンク容器中でアルゴン下にアリルパラジウム塩化物(二量体、2.3mg、1.0mol%)及び(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフェニル−ホスフィノ−フェロセン(8.1mg、2.0mol%)もしくは(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフリルホスフィノフェロセン(7.8mg、2.0mol%)をジクロロメタン(5mL)中に溶解させた。15分間撹拌した後、3−アセトキシ−1,3−ジフェニル−プロペン(168mg、0.64mmol)、N,O−ビストリメチルシリル−アセトアミド(0.31mL、1.28mmol)、ジメチルマロネート(0.14mL、1.28mmol)及び酢酸カリウム(3.2mg、0.03mmol)を添加した。反応混合物を、記載された温度で記載された時間に亘り撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で反応混合物を急冷した後、ジクロロメタン(50mL 2回)で抽出し、一つにまとめた有機相を塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ別した後、溶剤をロータリーエバポレーターで留去し、得られる残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(n−ペンタン/ジエチルエーテル 5:1)。このマロネートは無色の油状物の形で得られた。達成された結果は第1表にまとめられている。
鏡像体過剰量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により算出した(自動試料添加装置及びUV-VIS-ダイオードアレー検出器を備えたDionex社のHPLC装置、カラム: Daicel Chemical Industries社のOD-H、溶離剤: n-ヘプタン/i-PrOH 97:3、流量: 0.4 mL/min、検出波長: 215nm):
HPLC (OD-H, 3% i-PrOH, 0.4 ml/min, 215 nm): tr/min = 23.63 (R), 25.22 (S).
H-NMR(CDCl3, 300 MHz): 7.27-7.06 (m, 10 H), 6.40 (d, J = 15.8 Hz, 1 H), 6.25 (dd, J = 8.4, 15.8 Hz, 1 H), 4.19 (dd, J = 8.4, 10.9 Hz,1 H), 3.88 (d, J = 10.9 Hz, 1 H), 3.61 (s, 3 H), 3.43 (s, 3 H).
13C-NMR(CDCl3, 75 MHz): 168.1, 167.7, 140.2, 136.8, 131.8, 129.1, 128.7, 128.4, 127.8, 127.5, 127.1, 126.3, 57.6, 52.5, 52.3, 49.1.
Figure 2005528354
例5:メチル (S,E−)−2-カルボメトキシ−3,5,5−トリフェニルペント−4−エノエート
シュレンク容器25mL中でアルゴン下に水素化ナトリウム(27.7mg、0.69mmol)をTHF(1.5mL)中に懸濁させ、ジメチルマロネート(91mg、0.69mmol)をゆっくりと添加し、反応混合物をRTで2.5h撹拌した。50mLシュレンク容器中でアルゴン下でアリルパラジウム塩化物(二量体、4.0mg、2.5mol%)及び(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフェニル−ホスフィノフェロセン(28.8mg、10.0mol%)をTHF(0.5mL)中に溶解させた。15分間撹拌した後に、3−アセトキシ−1,1,3−トリフェニル−プロペン(150mg、0.46mmol)を添加し、溶液を10min撹拌した。引き続いて、マロネートの懸濁液を添加し、反応混合物を記載された温度で記載された時間に亘り撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で反応混合物を急冷した後、ジクロロメタン(50mL 2回)で抽出し、一つにまとめた有機相を塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ別した後、溶剤をロータリーエバポレーターで留去し、得られる残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(n−ペンタン/ジエチルエーテル 8:1)。生成物は無色の固体の形で得られた。達成された結果は第2表にまとめられている。
鏡像体過剰量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により算出した(自動試料添加装置及びUV-VIS-ダイオードアレー検出器を備えたDionex社のHPLC装置、カラム: Daicel Chemical Industries社のOD、溶離剤: n-ヘプタン/i-PrOH 99:1、流量: 0.6 mL/min、検出波長: 215 nm):
HPLC (OD, 1%/i-PrOH, 0.6 ml/min, 215 nm): tr/min = 19.72 (S), 26.64 (R).
H-NMR(CDCl3, 300 MHz): 7.33-7.09 (m, 13 H), 7.01-6.99 (m, 2 H), 6.27 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 4.15 (t, J = 10.8 Hz, 1 H), 3.81 (d, J = 10.2 Hz, 1 H), 3.61 (s, 3 H), 3.38 (s, 3 H).
13C-NMR(CDCl3, 75 MHz): 168.07, 167.65, 143.71, 142.24, 141.21, 139.20, 129.70, 128.65, 128.15, 128.10, 127.80, 127.49, 127.45, 127.43, 126.90, 58.49, 52.48, 52.25, 45.20.
Figure 2005528354
例6:(−)−(E)−N−(1,3−ジフェニル−2−プロペニル)−4−トルエンスルホン酸アミド
25mLシュレンク容器中でアルゴン下で水素化カリウム(36.5mg、0.91mmol)をTHF(4mL)中に懸濁させ、p−トルエンスルホンアミド(200mg、1.17mmol)を少しずつ添加し、反応混合物をRTで2h撹拌した。50mLシュレンク容器中でアルゴン下でアリルパラジウム塩化物(二量体、2.3mg、1.0mol%)及び(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフェニル−ホスフィノ−フェロセン(8.1mg、2.0mol%)もしくは(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフリルホスフィノフェロセン(7.8mg、2mol%)をTHF(1mL)中に溶解させた。15分撹拌した後に、3−アセトキシ−1,3−ジフェニル−プロペン(168mg、0.64mmol)及びスルホンアミドの懸濁液を添加した。反応混合物を記載された温度で記載された時間に亘り撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で反応混合物を急冷した後、ジクロロメタン(50mL 2回)で抽出し、一つにまとめた有機相を塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ別した後に、溶剤をロータリーエバポレーターで留去し、得られる残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(n−ペンタン/ジエチルエーテル2:1)。生成物は無色の固体の形で得られた。達成された結果は第3表にまとめられている。
鏡像体過剰量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により算出した(自動試料添加装置及びUV-VIS-ダイオードアレー検出器を備えたDionex社のHPLC装置、カラム: Daicel Chemical Industries社のOD、溶離剤: n-ヘプタン/i-PrOH 90:10、流量: 0.5mL/min、検出波長: 254nm):
HPLC (OD, 10 % i-PrOH, 0.5 ml/min, 254 nm): tr/min = 33.01 (-)-鏡像体, 48.83 (+)-鏡像体.
H-NMR(CDCl3, 300 MHz): 7.59-7.56 (m, 2 H), 7.20-7.03 (m, 12 H), 6.25 (d, J = 15.9 Hz, 1 H), 5.99 (dd, J = 15.6 Hz, 6.6 Hz, 1 H), 5.15 (br, d, J = 7.5 Hz, 1 H), 5.03 (br, t, J = 7.8 Hz, 1 H), 2.22 (s, 3 H).
13C-NMR(CDCl3, 75 MHz): 143.18, 139.63, 137.71, 136.03, 132.03, 129.38, 128.65, 128.38, 128.15, 127.82, 127.77, 127.26, 127.01, 126.48, 59.72, 21.32.
Figure 2005528354
例7:(−)−(E)−N−(1,3−ジフェニル−2−プロペニル)−N′−ベンゾイルヒドラジン
25mLシュレンク容器中でアルゴン下で水素化カリウム(36.5mg、0.91mmol)をTHF(4mL)中に懸濁させ、ベンズヒドラジド(159mg、1.17mmol)を少しずつ添加し、反応混合物をRTで2h撹拌した。50mLシュレンク容器中でアルゴン下でアリルパラジウム塩化物(二量体、2.3mg、1.0mol%)及び(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフェニル−ホスフィノ−フェロセン(8.1mg、2.0mol%)もしくは(S)−2−[(o−ジフェニルホスフィノ)フェニル]−1−ジフリルホスフィノフェロセン(7.8mg、2mol%)をTHF(1mL)中に溶解させた。15分撹拌した後、3−アセトキシ−1,3−ジフェニル−プロペン(168mg、0.64mmol)及びスルホンアミドの懸濁液を添加した。反応混合物を、記載された温度で記載された時間に亘り撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で反応混合物を急冷した後、ジクロロメタン(50mL 2回)で抽出し、一つにまとめた有機相を塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ別した後、溶剤をロータリーエバポレーターで留去し、得られる残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(n-ペンタン/ジエチルエーテル2:1)。生成物は無色の固体の形で得られた。達成された結果は第4表にまとめられている。
鏡像体過剰量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により算出した(自動試料添加装置及びUV-VlS-ダイオードアレー検出器を備えたDionex社のHPLC装置、カラム: Daicel Chemical Industries社のOD、溶離剤: n-ヘプタン/i-PrOH 95:5、流量: 0.6 mL/min、検出波長: 254 nm):
HPLC (OD, 5% i-PrOH, 0.6 ml/min, 254 nm): tr/min = 91.70 (-)-鏡像体, 106.76 (+)-鏡像体.
H-NMR(CDCl3, 300 MHz): 7.64-7.11 (m, 17 H), 6.60 (d, J = 15.6 Hz, 1 H), 630 (dd, J = 15.6, 7.8 Hz, 1 H), 4.77 (d, J = 7.8 Hz, 1 H).
13C-NMR(CDCl3, 75 MHz): 167.39, 140.35, 136.53, 132.79, 132.61, 131.78, 129.40, 128.73. 128.60, 18.50, 127.88, 127.80, 127.74, 126.84, 126.52, 67.17.
Figure 2005528354
例8:アセトアミドケイ皮酸メチルエステル−誘導体の水素化のための一般的な作業規定
Rh(COD)OTf 0.6μmol及び配位子0.66μmolをメタノール0.5ml中で10min撹拌する。この溶液に、アセトアミドケイ皮酸メチルエステル300μmol(メタノール1ml中)を計量供給する。室温で及び水素雰囲気5bar下で反応混合物をオートクレーブ中で16h撹拌する。反応混合物を、シリカゲルを通してろ過し、粗生成物から鏡像体過剰量をHPLCを用いて決定する。
Figure 2005528354
Figure 2005528354
例9:β−エナミドの水素化のための一般的な作業規定
[Ru(C)Cl(0.5μmol)の0.05M DMF溶液100μl及び配位子1(1.0μmol)の0.01M CHCl溶液100μlを120℃で10min撹拌する。R.T.に冷却した後、この溶液に異なるβ−エナミドの0.25M MeOH溶液400μlを添加する。室温で及び水素雰囲気40bar下で、反応混合物をオートクレーブ中で16〜24h撹拌する。反応混合物を、シリカゲルを通してろ過し、溶剤を除去し、残留物をイソプロパノール/ヘキサン中に溶解させ、引き続いて、粗生成物から鏡像体過剰量をHPLCもしくはGCを用いて決定する(Chiralcel AD 0.5%ジエチルアミンを有するヘキサン/イソプロパノール 95/5)。
Figure 2005528354
Figure 2005528354
例10:ケトエステルの水素化のための一般的な作業規定
Figure 2005528354
a)[Ru(C)Clを用いる:
[Ru(C)Cl(0.25μmol)の0.005M DMF溶液50μl及び配位子1(1.1μmol)の0.01M CHCl溶液110μlを120℃で10min撹拌する。R.T.に冷却した後、この溶液に、エチル 2−オキソ−4−フェニルブチラートの0.25M溶液400μlを添加する。60℃で及び水素雰囲気50bar下で、反応混合物をオートクレーブ中で16〜20h撹拌する。溶剤を除去し、残留物をイソプロパノール/ヘキサン中に溶解させ、シリカゲルに通してろ過し、粗生成物から鏡像体過剰量をHPLCもしくはGCを用いて決定する。
b)[Rh(COD)]BFを用いる:
[Rh(COD)]BF(0.5μmol)の0.01M CHCl溶液50μl及び配位子1(1.1μmol)の0.01M CHCl溶液110μlを室温で15min撹拌する。この溶液に、エチル 2−オキソ−4−フェニルブチラートの0.25M溶液400μlを添加する。60℃で及び水素雰囲気50bar下で、反応混合物をオートクレーブ中で16〜20h撹拌する。溶剤を蒸発させ、残留物をイソプロパノール/ヘキサン中に溶解させ、シリカゲルに通してろ過し、粗生成物から鏡像体過剰量をHPLCもしくはGCを用いて決定した。
c)ビス−2−(メチルアリル)−シクロオクタ−1,5−ジエン−ルテニウム(II)[Ru(メタリル)COD]を用いる
ビス−2−(メチルアリル)−シクロオクタ−1,5−ジエン−ルテニウム(II)(0.2μmol)の0.002M CHCl溶液50μl及び配位子1(1.1μmol)の0.01M CHCl溶液110μlを室温で10min撹拌する。ついでHBF−OEtの0.04M CHCl溶液50μlを添加し、15min撹拌した。引き続いて、この溶液にケトンの0.25M CHCl溶液400μlを添加した。室温で及び水素雰囲気10bar下で、反応混合物をオートクレーブ中で16〜20h撹拌する。溶剤を蒸発させ、残留物をイソプロパノール/ヘキサン中に溶解させ、シリカゲルを通してろ過し、粗生成物から鏡像体過剰量をHPLCもしくはGCを用いて決定した。
Figure 2005528354

Claims (10)

  1. 式(I)
    Figure 2005528354
    [式中、
    R、R′は双方の置換基Rのそれぞれについて互いに独立して及び双方の置換基R′のそれぞれについて互いに独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜C14アリール、フェニル、ナフチル、フルオレニル、フルフリル、1−アダマンチル、C〜C13ヘテロアリール(ここでN、O、Sの群からのへテロ原子の数は1〜4であってよい)の群から選択される基であってよく、かつ
    その場合に前記の置換基R及びR′はその都度一回又は複数回置換されていてよく、その際にこれらの置換基は互いに独立してC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C10ハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜C14アリール、フェニル、ナフチル、フルオレニル、C〜Cヘテロアリール(ここでN、O、Sの群からのへテロ原子の数は1〜4であってよい)、C〜C10アルコキシ、C〜Cトリハロメチルアルキル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、モノ−、ジ−、トリ−C〜C−アルキルアミノ又はC〜Cアルケニルアミノ又はモノ−、ジ−、トリ−C〜Cアリールアミノの形のC〜C置換アミノ又はカルボキシル、COOR′″″の形のカルボキシラト(ここでR′″″は一価のカチオン又はC〜Cアルキルを表す)、C〜C−アシルオキシ、トリ−C〜Cアルキルシリルの群から選択されてよく、かつその際にこれらの置換基の2つが橋かけされていてもよく、並びに
    R″、R′″、R″″は置換基R″、R′″又はR″″のそれぞれについて互いに独立して水素、C〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜C10アルコキシ、C〜Cトリハロメチルアルキル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、モノ−、ジ−、トリ−C〜C−アルキルアミノ又はC〜Cアルケニルアミノ又はモノ−、ジ−、トリ−C〜Cアリールアミノの形のC〜C置換アミノ又はカルボキシル、COOR′″″の形のカルボキシラト(ここでR′″″は一価のカチオン又はC〜Cアルキルを表す)、C〜C−アシルオキシ、トリ−C〜Cアルキルシリルの群から選択される基であってよく、かつその際にこれらの置換基の2つが橋かけされていてもよい]で示される二座の有機リン配位子。
  2. R及びR′が互いに独立してフェニル、フルフリル、3,5−ジメチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、シクロヘキシル、t−ブチル、n−ブチル、2−プロピル、エチル、メチル又は1−アダマンチルであってよい、請求項1記載の二座の有機リン配位子。
  3. 式(I)の化合物が光学活性である、請求項1記載の化合物。
  4. 式(I)の化合物が鏡像体豊富化されている、請求項1記載の化合物。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項記載の少なくとも1つの配位子及び少なくとも1つの遷移金属を含有している、錯化合物。
  6. 錯化合物がパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル又は/及び銅の群から選択される少なくとも1つの遷移金属原子又は遷移金属イオンを含有している、請求項5記載の錯化合物。
  7. 金属塩又は相応する前駆錯体と一般式(I)の配位子との反応により得ることができる、請求項5又は6記載の錯化合物。
  8. 不斉な反応又は重合のための触媒としての、請求項5から7までのいずれか1項記載の錯化合物の使用。
  9. 不斉水素化、ヒドロホルミル化、転位、アリル位アルキル化、シクロプロパン化、ヒドロシリル化、ヒドリド移動反応、ヒドロホウ素化、ヒドロシアン化、ヒドロカルボキシル化、アルドール反応又はヘック反応のための触媒としての請求項5から7までのいずれか1項記載の錯化合物の使用。
  10. 次の合成工程:
    i.リチウム塩基の存在で及びZnBrの存在でのキラルなフェロセニル−スルホキシドのリチオ化及び金属交換反応
    ii.パラジウム触媒の存在でのフェロセニル−スルホキシドAと1−ヨード−ホスフィノベンゼンとの反応及び
    iii.強リチウム塩基の存在でのHalPR′によるスルホキシド基の置換、ここでHalはCl又はBrであってよい
    を含むことを特徴とする、式(I)の配位子の製造方法。
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