JP2005518158A - ガンマ補正回路 - Google Patents
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Abstract
デジタルビデオ信号を補正するためのガンマ補正回路が開示される。この回路は、離散入力ビデオ信号強度の各々に対して、それぞれ、非線形伝達関数の離散出力強度データ及び関連する傾きデータを格納するための第一の検索テーブル(6)及び第二の検索テーブル(8)と、第一の検索テーブル(6)の出力に接続された第一の入力を有する加算器(10)と、第二の検索テーブル(8)の出力に接続された第一の入力を有する乗算器(12)とを備える。この回路は、さらに、第一及び第二の検索テーブル(6、8)にアドレスするために入力ビデオ信号の最上位ビットを供給し、対応する出力強度データを加算器(10)に送り、関連する傾きデータを前記乗算器(12)に送るための量子化器(4)を備える。この量子化器(4)は、入力ビデオ信号の残りの下位ビットを乗算器(12)の第二の入力に送り、乗算器(12)は、傾きデータと残りの下位ビットとを乗算し、乗算結果を加算器(10)の第二の入力に供給し、加算器(10)は、出力強度データと乗算結果とを加えることで補正されたビデオ信号を生成する。
Description
本発明はデジタルビデオ信号を補正するためのガンマ補正回路に係る。
ガンマ補正(gamma correction)は、当分野において、ビデオ強度値を補正することで、ビデオ強度値(video intensity values)の線形レンジを様々なディスプレイ上に表示するための技術として公知である。光電変換(photoelectric transfer)によって得られた、非線形特性を有するビデオデータは、その画像が強度の線形グラデーション(linear gradation)として表示されるように、ガンマ補正特性(gamma correction characeristic)と呼ばれる予め定められた補正曲線に従って補正される。
典型的なビデオディスプレイ、例えば、陰極線管(cathode ray tubes, CRT)は、非線形伝達関数を有するため、つまり、CRTスクリーン上に再生される輝度(brigtness)は、制御グリッドビデオドライブ(controlled-grid video drive )の非線形”ガンマ(gamma)”関数(例えば、ガンマ=2.2)となる。強度の線形グラデーションを達成するためには、TV送信側のビデオ信号は、事前に、標準のCRTディスプレイに対して(例えば、ガンマ=0.45を用いて)プレ補正(pre-corrected)される。表示されるグラフィックがワークステーションによって生成される場合、或いは画像がカメラ等によって録画される場合は、この非線形を補償することが必要となる。強度の線形グラデーションを生成する場合は、この補償は、ガンマプレ補正(gamma pre-correction)と呼ばれる。CRTディスプレイは、ガンマポスト補正(gamma post-correction)を遂行するが、これらプレ補正とポスト補正とが一体となって、概ね線形な伝達関数(ガンマ=1.0)を与える。
ディスプレイに受信機を加えたエレンクトロニクスが、スタディオ内の参照ディスプレイ(reference display)と大きく異なる場合は、ある追加のガンマ補正(extra gamma correction)を施すことが必要となる。追加のガンマ補正は、他の理由によっても必要とされる。例えば、総ガンマ(overall gamma)の最適レベルは、周囲の光の状態に依存し;線形伝達関数(ガンマ=1.0)が、常に最良であるとは限らない。本発明の目的は、この追加のガンマ補正に対する方法を提供することにある。
伝送標準によって、規定されるガンマプレ補正は異なり、ディスプレイのタイプも、ガンマポスト補正特性、とりわけ、ガンマ補正ファクタ(gamma correction factor)の値に強い影響を有する。CRTディスプレイのこの補正ファクタは、とりわけビデオ出力増幅器の出力インピーダンスに依存する。更に、ブロードキャスト画像は、スタジオモニタ上で良く見えるように生成され、このため、実際にガンマプレ補正ファクタのシステム値を定義するのはスタジオモニタのガンマ補正ファクタであることにも留意するべきである。更に、全く異なる伝達関数を有する他のディスプレイタイプ、例えば、PDP、DLP或いはLCDディスプレイも存在する。これら全てのケースにおいて、追加のガンマ補正関数は、ディスプレイの歪みを正しく補正するためには、これら伝達関数に適合する必要がある。
デジタル化された強度信号に関してガンマ補正を遂行するための単純な方法が知られているが、この方法においては、入力nビットの赤、緑及び青のカラー強度値の各々が、各カラーに対するカラー検索テーブル(color lookup table)を用いて、補償されたn−ビットカラー強度値に翻訳される。検索テーブルは典型的にはソリッドステートメモリ内に格納され、このテーブルは各々が対応するガンマ補正された強度値と関連するあるレンジのカラー強度値を含む。ガンマ補正された値は、ガンマ補正特性(gamma correction characteristic)から導かれ、これら検索テーブル内に格納される。このテーブルから読み出されたガンマ補正値は、アナログ強度値に変換された上で、表示される。ただし、公知の解決方法は、比較的精度が悪く、とりわけ、ディスプレイが、高ガンマ値によるガンマ補正を必要とする場合は、黒(のエリア)内に十分な解像度を得ることと一連の課題を有する。
欧州特許(EP) 0 457 522号は、要求されたガンマ補正特性を遂行するための線形補間器(linear interpolator)を含む回路を示す。この実装(回路)においては、ガンマ補正特性は多角形ラインのラインセグメントにて近似され、これらラインセグメントの各々は、入力強度における補正関数の傾きデータ(slope data)と、入力レベルX=0%においてその直線が出力レベル軸Yを横切る切片データ(intercept data)とによって定義される。この公知の回路により、第一の検索テーブルは傾きデータを格納し、第二の検索テーブルは切片データ(intercept data)を格納し、傾きデータと入力強度とを乗算した値を、切片データに加えることで、出力強度が表される(得られる)。この公知の回路は、更に、欧州特許(EP) 0 457 522号においては、1より小さなガンマに対しては、差分利得(differential gain)が1より非常に大きな(差分利得≧1)黒付近の領域内において、より多くのデータを格納することで、最適化される。ただし、ディスプレイが1より大きなガンマを用いての全ガンマ補正(full gamma correction)を必要とする場合に対して、黒(の領域)内に十分な解像度を得るという問題はいまだ未解決である。
従って、本発明の底辺に横たわる目的は、とりわけ、入力強度が小さく、かつ、1.0より大きなガンマが要求される状況において、より正確な近似を与える(保存する)ことができるガンマ補正回路(gamma correction circuit)を提供することにある。これを達成するために、本発明は、独立クレーム内に定義されるようなガンマ補正(回路)を提供する。従属クレームは好ましい実施例について定義する。
本発明によると、検索テーブルは入力ビデオ信号強度の各々に対して離散出力強度データ(discrete output intensity data)及び関連する傾きデータ(slope data)を格納する。量子化器は、これら検索テーブルに、デジタル化された入力ビデオ信号強度の最上位ビット(most siginificant bits)にてアドレスし、対応する出力強度データ及び関連する傾きデータを読み出す。出力強度データは加算器に供給され、傾きデータは乗算器に供給される。乗算器は、加えて入力ビデオ信号強度の残りのビットを受信し、傾きデータとこれら残りのビットとを乗算し、乗算結果を加算器に供給する。加算器は、出力強度データと乗算結果とを加算するが、この出力は、補正されたビデオ信号、つまり、これら2つの検索テーブル内に格納されているデータがガンマ補正特性に対応する場合は、ガンマ補正されたビデオ信号を表す。欧州特許0 457 522号による回路は、全入力ビデオ信号を傾きデータを与える第二の検索テーブルからの出力と乗算するが、本発明は、入力信号の下位ビット(least significant bits)、つまり、残りのビットのみを傾きデータと乗算する。これによって、回路のハードウェアコストを、近似の精度を損なうことなく、削減することができる。
本発明の一つの好ましい実施例においては、ガンマ補正特性は、Y=Xgammaなる形式を有し、Xは入力ビデオ信号を表し、Yは補正された出力ビデオ信号を表し、ガンマは補正ファクタを表す。線形光ディスプレイが存在し、この光出力は、入力信号と線形比例する。これらディスプレイのガンマ値は1.0である。異なる伝送標準は異なるガンマ値を想定し、これらは典型的には2.2から2.8のレンジ内である。このため、これら線形光ディスプレイは、伝送標準を補償するために強いガンマ補正を要求される。このような場合、黒近傍の差分利得は非常に低くなり、これら2つの検索テーブルは、2.2から2.8なるガンマ値の強い非線形ガンマ補正曲線を格納するようにプログラムすることを必要とされる。黒近傍の領域において、この近似には、大きな量子化誤差が発生する。
この対策として、本発明の一つの好ましい実施例においては、上述の2つのテーブル内の伝達関数(transfer function)は、変更(modified)された、つまり、低減されたガンマ補正特性を近似し、加算器の出力の所に生成される出力信号は追加の処理回路に送られ、この処理回路によってこの信号が全ガンマ補正されたビデオ信号(fully gamma-corrected video signal )の近似に変換される。この実施例によると、これら検索テーブル内の伝達関数の量子化による量子化誤差は、検索テーブル内に低減された非線形曲線をプログラミングすることで大幅に低減され、加算器の出力を全ガンマ補正されたビデオ信号に変換するための更なる処理は、量子化誤差をそれほど増加させることなく行なわれる。
本発明の一つの好ましい実施例においては、要求されるガンマ補正特性は、Y=Xgammaとして定義され、Xは回路の入力の所の補正されてないビデオ信号を表し、Yは回路の出力の所の補正されたビデオ信号を表し、ガンマは補正ファクタを表す。この実施例においては、検索テーブルは伝達関数Y=Xgammm/2を近似し、つまり、非線形性は減少され、この平坦化された伝達関数の量子化により、量子化誤差は低減される。加算器の出力は、その後、処理回路内、つまり、加算器から受信された信号を二乗する二乗器内で処理される。この二乗器は、ガンマの値を二倍し、ファクタガンマだけ補正された、全ガンマ補正ビデオ信号(fully gamma-corrected video signal )を出力する。例えば、2.2なるガンマ値を有するガンマ補正曲線を実現したい場合は、これら検索テーブルは1.1なるガンマ値を有する伝達関数に対して(が得られるように)プログラムされ、その後、二乗器によってこの値が二倍され、結果として、回路全体としては、2.2なるガンマ値が実現される。他方、量子化誤差は、1.1なるガンマ値に対応するのみであり、このため大幅に低減される。本発明によると、この追加の処理は、約1.4より大きなガンマ値に対して適用される。
本発明の一つの好ましい実施例においては、入力ビデオ路はnビット幅とされ、中間ビデオ路は(q+p)ビット幅とされ、出力ビデオ路はr(r≦q+p)ビット幅とされ、加算器の出力の所及び/或いは処理回路の出力の所には誤差伝播回路(error propagation circuit)が設けられ、この誤差伝播回路は、このガンマ補正されたビデオ信号のM個の下位ビット(least siginificant bits)を分離し、この信号の各サンプル(これら下位ビット)を1画素だけ遅延させ、これら分離・遅延された下位ビットを、好ましくは、M≧(q+p−r)個から成る次の画素を表すガンマ補正されたビデオ信号に加える。
入力ビデオ路はnビット幅(n=10)とされ;線形補間ファクタに対する数pは、p=4と選択される(これは16x補間を意味する)。入力信号の(n−p)個の最上位ビット(n−p=6)を用いて、2つの検索テーブルがアドレスされるが、各検索テーブルは2n-p(=64)個のエントリを有する。これらテーブル内の各エントリはqビット幅(q=10)として選択されるが、qはnとは独立である。線形補間の後、データは、左に、ビットの数p(p=4)と同数ビットだけシフトされる。この結果として、このデータは(q+p)ビット幅(q+p=14)となる。rビット幅(r=5から10)のビデオ出力しか許されず、このため、エラー伝播(回路)を用いて、(q+p−r)(=9から4)個の下位ビットが除去(量子化)され、結果としてrビットが残される。
本発明のもう一つの実施例においては、入力の所の入力ビデオ信号Xはnビット幅とされ、検索テーブル内に格納される伝達関数のデータはqビットデータとされる。第一の検索テーブルの出力はqビット幅となるが、これがpビットだけ左にシフトされ、結果として(q+p)ビットが加算器の第一の入力に供給される。乗算器は、(q+p)ビット信号を加算器の第二の入力に供給し、加算器は(q+p)ビット信号を生成及び出力する。この回路が処理回路を含む場合は、この処理回路は加算器からこの(q+p)ビット信号を受信し、変更された(q+p)ビット信号を出力する。ガンマ補正されたビデオ信号は、加算器の出力の所か、或いは処理回路の出力の所に出力され、このガンマ補正されたビデオ信号は(q+p)ビット幅を有する。
この回路設計に従って信号の量子化が遂行された場合、ほぼ(q+p)ビット解像度のガンマ補正ビデオ信号を実現することができるが、この解像度は、幾つかのタイプの伝送及びディスプレイに対して要求される精度要件を満たす。
ただし、ディスプレイへの出力路がたったrビット幅しかない場合は、解像度の追加(additional)の(q+p−r)ビットは保存(preserved)され、誤差伝播ユニット内で分離され、これら余剰(extra)の(q+p−r)ビット、つまり、ある画素を表す各信号のこれら下位ビットは、右に隣接する、つまり、次の画素に加えられる。こうして前の画素からの余剰(discarded)のビットを次の画素に加える(transfer)ことで、量子化誤差の目障りさ(visibility)が低減され、量子化雑音の低周波成分が小さく保たれる。
本発明のこの実施例は、ある種の雑音シェーピング(noise shaping)の形態を有し、誤差伝播(回路)による下位ビットの帰還により、量子化雑音のスペクトルの低周波部分が抑圧される。知覚的には、これはより重要な部分に当り、このため量子化(雑音)はあまり目立たなくなる。出力ビデオ路がたったrビット幅(r≦(q+p)しかない場合でも、このガンマ補正回路は、知覚的には、より良い品質を保存する。例えば、出力路が5から10ビットの幅を有する場合、この出力品質は、例えば、最高14ビットのそれに匹敵する品質となる。このため、より安価なインターリンク或いはより安価なD/A変換器、つまり、8ビット変換器を用いて、10ビット或いはそれ以上の精度を達成することが可能となる。
雑音シェーピング自体は新たな発明ではないが、我々は、ここでは、これを用いて、ガンマ検索テーブルの線形補間によって、及び/或いは余剰処理回路(二乗器)によって生成された余剰精度のほとんどを保存する(再利用する)。
本発明の一つの好ましい実施例においては、入力路はn=10ビット幅とされ、検索テーブルはq=10ビットタイプとされ、乗算器、加算器及び処理回路は、(q+p)=14ビットタイプとされる。出力路はr=8ビットのディスプレイ或いはD/A変換器とされ、こうして回路は、8個の最上位ビットのみを出力し、少なくとも(q+p−r)個の下位ビットは、誤差伝播回路内での誤差伝播(余剰精度の帰還)のために処理される。
こうして、本発明によると、ガンマ補正回路は、とりわけ、出力信号の滑らかさ(smoothness)を改善するが、典型的に線形光ディスプレイによって要求されるように、大きなガンマ値が要求される場合は、オプションとしての処理回路によって、黒近傍における量子化誤差が大幅に低減される。このオプションとしての誤差伝播は、平均量子化誤差をさらに低減させ、このため、出力の所に、いくらか高周波量子化雑音は生成されるが、より安価なインターリンク或いは安価なD/A変換器を用いることが可能となる。
欧州特許0 457 522号
図1、2及び3は、本発明によるガンマ補正回路の3つの異なる実施例を示すが、ただし、これら3つの実施例は全て同一の基本設計を含む。この回路は、ある非線形伝達関数(non-linear transfer function)の離散出力強度データ(discrete output intensity data)を格納するための第一の検索テーブル6、及びこの非線形伝達関数の、第一の検索テーブル内に格納されている各出力強度データと関連する傾きデータ(slope data)を格納するための第二の検索テーブル8を含む。これら各出力強度データ及び関連する傾きデータは、第一及び第二のテーブル6、8内に同一アドレスの下に格納され、このアドレスは入力信号の対応する入力ビデオ信号の強度によって定義される。
第一の検索テーブルの出力は、シフティングユニット7を介して、この動作については後に説明するが、加算器10の第一の入力に接続される。第二の検索テーブル8の出力は、乗算器12の第一の入力に接続され、この乗算器12の出力は加算器10の第二の入力に接続される。
入力ビデオ信号は入力2の所に入来し、量子化器4に供給されるが、量子化器4は、第一及び第二の検索テーブル6、8にアドレスするための、入力ビデオ信号の上位ビット(most significant bits)を提供する。残りの下位ビット(least significant bits )は量子化器4から乗算器12の第二の入力に供給され、この乗算器12は第二の検索テーブル8からのアドレスされた傾きデータと入力ビデオ信号からのこれら残りの下位ビットとを乗算する。この乗算結果は加算器10の第二の入力に送られる。この結果として、加算器10は、乗算器10からのこの乗算結果を第一の検索テーブル6から読み出されたアドレスされた出力強度データに加えることとなる。加算器10は、その出力20の所に補正されたビデオ信号を生成するが、この補正されたビデオ信号は、検索テーブル6及び8内に格納されている伝達関数に従って補正される。
例えば、この伝達関数は、例えば、Y=Xgamma(Xはビデオ信号を表し、Yは出力ビデオ信号を表す)として定義されるガンマ補正特性(gamma correction characteristic)から成るものとすると、このビデオ信号は、要求されるガンマ補正を受けることとなる。加算器10の出力の所では、このビデオ信号が20の所に出力される前に、14の所でクリッピング動作(clipping function)を施される。
図2は、ガンマ補正回路の第二の実施例を示すが、これは、入力2からクリッピング要素14の出力までは第一の実施例と同一である。ただし、この実施例においては、クリッピング要素14の出力は、処理回路32、34、36、40に供給される。具体的には、この出力は、最初に第二の量子化器32に供給され、次に二乗器(squarer)34に供給され、次に第三の量子化器36に供給され、こうして補正されたビデオ信号を出力40に供給される。
図2による回路は、補正ファクタ”ガンマ(gamma)”が比較的大きく、約1.4或いはこれより大きな値を有する場合に、ガンマ補正特性Y=Xgammaが得られるように実現される。図1による回路にてこのような大きなガンマを実現した場合は、黒のエリア内に大きな量子化誤差(quantization errors)誘発する結果となる。これら量子化誤差を回避するために、検索テーブル6、8内に実現される伝達関数は、ある変更(modified)された、つまり、低減されたガンマ補正のみ、例えば、特性Y=Xgamma /2のみを達成するようにされ、この場合は、加算器10の出力は二乗器34に通され、二乗器34は、この入力を二乗し、従って、ガンマの値を2倍にし、この結果としてビデオ出力信号40は完全に(fully)ガンマ補正される。二乗器34は、追加の量子化誤差を導入しないため、出力信号の量子化誤差は検索テーブル6、8による量子化のみに由来し、これら検索テーブルによって実現される伝達関数はかなり滑らかな非線形性を示すため、量子化誤差は小さくなる。
図3は、ガンマ補正回路の第三の実施例を示すが、これは図2の回路に対応する。ただし、この回路は、出力40に加えて、クリッピング要素14の出力側に出力20を含む。結果として、この回路は、1.4より大きなガンマを実現する必要があるか否かに依存して、図1による回路或いは図2による回路のいずれかを実現することとなる。1.4より大きなガンマを実現する必要がある場合は、検索テーブル6、8は、比較的滑らかな非線形伝達関数を実現するようにプログラムされ、ガンマ補正の一部分は処理セクション32−40内で行なわれ、ガンマ補正されたビデオ信号は出力40の所に供給される。ただし、1.4より小さなガンマしか実現する必要がない場合は、検索テーブルは、その伝達関数がフルガンマ補正特性(full gamma correction characteristic)をマッピングするようにプログラムされ、ガンマ補正されたビデオ信号は出力20の所に出力される。
図1、2及び3による回路において、入力信号はnビット信号から成り、検索テーブルはqビットタイプから成り、第一の検索テーブルの出力はpビットだけ左にシフトされ、結果として(q+p)ビットが加算器に供給される。乗算器12も(q+p)ビット信号を出力し、こうして、加算器10及びクリッピング要素14は(q+p)ビット信号を放出する。
この回路の入力の所の量子化器4は(n−p)個の最上位ビットをアドレスとして検索テーブル6、8に送り、p個の下位ビットが乗算器12に送られる。図2による実施例(回路)が実現される場合は、これら(q+p)ビットの信号は量子化器32に送られ、量子化器32はqビット信号を二乗器34に送る。二乗器は、(2・q)ビット信号を出力し、これらは、量子化器36を通過し、40の所に(q+p)ビット信号として出力される。例えば、q=10及びp=4とされた場合は、ほとんど14ビットソリューションの14ビットがガンマ補正された場合に得られるビデオ信号に相当する、例えば、線形光信号(linear-light signals)に対して必要とされるタイプの精度の、出力データの品質が確保される。より具体的には、1.4より大きなガンマに対しては、つまり、ビデオ信号が処理セクション32から40を通される場合は、検索テーブルは、滑らかな伝達関数に対してプログラムされ、量子化誤差は比較的小さくなり、しかも、14ビットに近い出力データの品質が得られる。唯一追加されるコストは処理セクションであるが、これは、14ビット出力の10×10ビット二乗器を含む。この処理セクションは、ガンマがある所定の値、例えば、1.4を超える場合に用いられる。
図4は、出力20の所のビデオ出力信号及び出力40の所に放出されるビデオ出力信号が、理想ガンマ伝達関数Y=Xgamma、ガンマ=2.2との程度ずれるかを示す。ここで、ガンマ=2.2の曲線Y=Xの下の部分は、詳細を示すために拡張されている。
図4の例における滑らかな細い実線は、理想ガンマ補正特性Y=X2.2に対するものである。太いダッシュの線は、64セグメント線形補間により検索テーブル6、8内の10ビット値を用いて達成可能な理想ガンマ特性に対する最良の近似を示し、太い実線は、検索テーブル6、8がY1=X1.1にプログラムされ、この信号が処理回路32、34、36に通され、二乗器34によって出力40の所にビデオ出力信号Y=Y12が生成された場合の、理想ガンマ特性に対する近似を表す。太い実線の誤差は、太い点線の誤差よりも著しく小さくなる。暗いエリアでは人の目の感度が高くなるために、知覚される改善はより顕著なものとなる。
図5は、図1、2或いは3に示されるガンマ補正回路の出力20及び/或いは40の所にオプションとして接続される、この回路の誤差伝播セクションを示す。この誤差伝播回路の入力60は、第二の加算器62に接続され、この第二の加算器62は量子化器64に接続される。量子化器64はガンマ補正されたビデオ信号のM個の下位ビットを分離し、これらM個のビットを画素遅延要素66を経て加算器62に戻す。
画素遅延要素66は、これらM個のビットを1画素だけ遅延させるために、これらM個のビットは次に続く画素(following up pixel)に加えられる。これらM個の下位ビットは、各画素からの量子化誤差を定義する。この量子化誤差は画像の隣接画素に加えられるが、これによって平均量子化誤差が低減され、量子化雑音が小さく保たれ、こうして1つの形態の雑音シェーピング(noise-shaping)を実現する。
図5に示すようにM個の下位画素の帰還されることで、知覚的にはより重要な部分である量子化雑音のスペクトルの低周波部分が抑圧され、量子化(雑音)があまり目立たなくなる。第二の量子化器64からのr個の最上位ビットは従来のクリッピングユニット68を通過し、その後、出力70の所に出力される。入力ビデオ路が、例えば、n=10ビット幅とされ、ビデオ出力路もr=10ビット幅とされる場合は、好ましくは、前の回路セクション内で生成された全てのM=4個の余剰ビット(extra bits)は第二の量子化器64によって分離され、1画素だけ遅延され、次の画素に加えられる。
より一般的には、入力ビデオ路はnビット幅とされ、検索テーブルのエントリはqビット幅とされ、線形補間器はpビットを加え、出力路はrビット幅(r≦(q+p))とされた場合、誤差伝播セクション60−70は、M≧(p+q−r)ビットを1画素だけ遅延させ、これを量子化誤差を伝播するために用いる。
上述の実施例は、本発明を解説することを目的とし、本発明を制限することを意図するものではなく、当業者においては添付のクレームの範囲から逸脱することなく、多くの代替の態様を設計することができることに注意する。クレーム中、括弧内の任意の参照符号はそのクレームを制限するものと解されるべきではない。”備える/含む(comprising)”なる語句は、あるクレーム内に列挙される以外の要素或いはステップの存在を排除するものではない。ある要素に先行する冠詞”a”或いは”an”は、複数のそれら要素の存在を排除するものではない。本発明は、複数の別個の要素から成るハードウェアによって実現することも、適切にプログラムされたコンピュータによって実現することもできる。数個の手段を列挙するデバイスクレームにおいては、これら手段の幾つかは、ハードウェアの一つの同一のアイテムによって実現することもできる。ある幾つかの手段(measures)が互いに異なる従属クレーム内において記載されているという単なる事実は、これら手段を、より良い結果を得るために、組合せて用いることができないことを示すものではない。
2 入力
4 第一の量子化器
6 第一の検索テーブル
8 第二の検索テーブル
7 シフティングユニット
10 第一の加算器
12 第一の乗算器
14 クリッピング要素
32 第二の量子化器
34 第二の二乗器
36 第三の量子化器
40 出力
60 誤差伝播回路の入力
62 第二の加算器
64 第三の量子化器
66 画素遅延要素
4 第一の量子化器
6 第一の検索テーブル
8 第二の検索テーブル
7 シフティングユニット
10 第一の加算器
12 第一の乗算器
14 クリッピング要素
32 第二の量子化器
34 第二の二乗器
36 第三の量子化器
40 出力
60 誤差伝播回路の入力
62 第二の加算器
64 第三の量子化器
66 画素遅延要素
Claims (11)
- 離散入力ビデオ信号強度の各々に対して、それぞれ、非線形伝達関数の離散出力強度データ及び関連する傾きデータを格納するための第一の検索テーブル及び第二の検索テーブルと、
前記第一の検索テーブルの出力に接続された第一の入力を有する加算器と、
前記第二の検索テーブルの出力に接続された第一の入力を有する乗算器とを備えるデジタルビデオ信号を補正するためのガンマ補正回路であって、
前記第一及び第二の検索テーブルにアドレスするために前記入力ビデオ信号の最上位ビットを供給し、前記対応する出力強度データを前記加算器に送り、前記関連する傾きデータを前記乗算器に送るための量子化器を備え、この量子化器は、前記入力ビデオ信号の残りの下位ビットを前記乗算器の第二の入力に送り、この乗算器は、前記傾きデータと前記残りの下位ビットとを乗算し、この乗算結果を前記加算器の第二の入力に供給し、前記加算器は、前記出力強度データと前記乗算結果とを加えることで補正されたビデオ信号を生成することを特徴とするガンマ補正回路。 - 前記第一の検索テーブル及び第二の検索テーブル内に格納されている前記伝達関数のデータは、前記ガンマ補正特性を近似することを特徴とする請求項1記載のガンマ補正回路。
- 前記第一の検索テーブル及び第二の検索テーブル内の前記伝達関数は、修飾されたガンマ補正特性を近似し、前記加算器によって生成された信号を処理手段内で、全ガンマ補正ビデオ信号の近似に変換されることを特徴とする請求項1記載のガンマ補正回路。
- 前記要求されるガンマ補正特性は、Y=Xgammaとして定義され、Xは補正されてないビデオ信号を表し、Yは補正されたビデオ信号を表し、ガンマは補正ファクタを表し、
前記検索テーブルは伝達関数Y=Xgammm/2を近似し、
前記処理手段は前記加算器から受信される信号を二乗し、補正ファクタガンマにて補正された、全ガンマ補正ビデオ信号を出力する、ことを特徴とする請求項3記載のガンマ補正回路。 - 前記検索テーブルは、伝達関数Y=Xgammmを近似し、
ガンマがある所定の値より低い場合は、前記加算器がガンマ補正されたビデオ信号を出力し、ガンマが前記所定の値より大きな場合は、前記検索テーブルは伝達関数Y=Xgammm/2を近似し、前記処理手段がガンマ補正されたビデオ信号を出力する、ことを特徴とする請求項1記載のガンマ補正回路。 - 前記ガンマの所定の値は、約1.4とされることを特徴とする請求項5記載のガンマ補正回路。
- 入力ビデオ路はnビット幅とされ、内部路は(q+p)ビット幅とされ、出力ビデオ路はr(r≦q+p)ビット幅とされ、前記回路は、前記加算器の出力の所及び/或いは前記処理手段の出力の所に誤差伝播回路を含み、各画素の前記ガンマ補正されたビデオ信号のM個の下位ビットは1画素だけ遅延され、次の画素のガンマ補正されたビデオ信号に加えられる、ことを特徴とする請求項1記載のガンマ補正回路。
- M≧(q+p−r)とされることを特徴とする請求項7記載のガンマ補正回路。
- 前記誤差伝播回路は直列に接続された第二の加算器と第二の量子化器を含み、この第二の量子化器は前記ガンマ補正されたビデオ信号のM個の下位ビットを分離し、これらM個のビットを画素遅延要素に通し、この画素遅延要素はこれらM個のビットを1画素だけ遅延し、これらを前記第二の加算器の第二の入力に帰還させる、ことを特徴とする請求項7記載のガンマ補正回路。
- 入力の所の前記ビデオ信号Xはnビット幅とされ、前記検索テーブル内に格納される前記伝達関数のデータはqビットデータとされ、前記第一の検索テーブルの出力はpビットだけ左にシフトされ、結果として(q+p)ビットが前記加算器の第一の入力に供給され、前記乗算器は(q+p)ビット信号を前記加算器の第二の入力に供給し、前記加算器が(q+p)ビット信号を出力し、或いは、前記処理手段が前記加算器からのこれら(q+p)ビット信号を受信し、(q+p)ビット信号を出力し、前記加算器の出力或いは前記処理手段の出力が前記ガンマ補正されたビデオ信号を形成し、こうしてガンマ補正されたビデオ信号は誤差伝播回路に送られ、この誤差伝播回路内において、各ビデオ画素の前記ガンマ補正されたビデオ信号のM個の下位ビットが次の画素のガンマ補正されたビデオ信号に加えられ、rビット信号が雑音成形されたガンマ補正ビデオ信号として出力される、ことを特徴とする請求項7記載のガンマ補正回路。
- 前記入力ビデオ路はnビット幅とされ、出力ビデオ路はrビット幅とされ、n=10、p=4、q=10、M=9から4、r=5から10、M≧(q+p−r)とされる、ことを特徴とする請求項10記載のガンマ補正回路。
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