JP2005514096A5 - - Google Patents

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EEGバイスペクトルを用いて神経学的症状を評価するシステムおよびその使用方法
発明の背景
本発明は、神経学的症状の評価に関し、より具体的には、痴呆症の進行の診断およびモニタリング、うつ病の評価およびうつ病処置の有効性の予測に関する。本発明のシステムはまた、てんかん、パーキンソン病、注意疾患(多動性)障害、脳卒中、譫妄、覚醒状態および睡眠状態の評価の診断およびモニタリングに適用することもできる。
痴呆症とは、精神衰退の状態に関する一般化された名称であり、この状態は認識機能不全、例えば記憶低下、思考障害および異常行動に現れる。痴呆症には多くの型および原因が存在し、これには血管性痴呆症、アルツハイマー型痴呆症(ATD)、HIV/AIDS関連痴呆症、アルコール性痴呆症、うつ病、ハンチントン病、腫瘍およびパーキンソン病が含まれる。ATDは最も一般的な型の痴呆症であり、これは脳の進行性神経学的障害である。ATDは、心臓病、癌および脳卒中に次ぐ成人の第四の死亡原因である。
種々の理由からATDの早期診断が望まれている。痴呆症がアルツハイマー病以外の原因によるならば、多くの場合治療可能である。またアルツハイマー病以外の原因を特定すれば、その予後に関する不安が取り除かれる。最後に、早期段階におけるATDの診断は患者およびその家族に医療および金銭上の計画を立てる機会を与える。さらに、ATDに関する現在の処置方法は短期間の症状緩和を提供するにすぎないが、劇的に極めて改善された水準の処置を見込む多数の処置および予防方法を開発中である。このような治療を幅広く適用するためには、諸症状が現れる前に、最も早期の段階でATDを診断する、従来よりずっと効率的な方法が必要とされるであろう。現在でさえも、症状が類似する諸疾患過程を特定するために早期診断は重要であり、これら諸疾患過程は容易に処置可能で回復可能であることが多い。
ATDに関する確定的な検定法はない。細胞診時に得られる脳切片を調査することによってのみ「確定ATD」の診断を決定することができる。疾患の経過中に得ることができる最も確定的な診断は「推定アルツハイマー型痴呆症」の診断である。この診断は典型的に消去法によって得られる。標準化された系図(一般的にはNINCDS−ADRDA診断基準)を用いて、類似する症状を発症しうる別の疾患過程が体系的に除外される。しかし、この「推定ATD」の診断は常に正確であるわけではない。細胞診の後に組織病理学的所見を臨床診断と比較すると、80−88%の臨床診断が正しいことがわかる。NINCDS−ADRDA診断基準の適用には時間がかかり、すべての通常の開業医、内科医および心理学者が有しているわけではない程度の専門性が必要とされる。さらにこれらの方法は、記憶の喪失および混濁のような症状の開始後にのみ適用可能である。
歳相応の正常な患者と比較して、多くの型の痴呆症(ATD、血管性等)の患者はEEGの変化を示す。典型的な変化には、デルタ(0−4Hz)およびシータ(4−8Hz)帯域のEEG活性増大およびベータ(12−30Hz)帯域のEEG活性減少が含まれる。これは、加齢に伴い、低周波活性の減少および高周波活性の増大を示す高齢の正常患者とは対照的である。正常患者と痴呆症患者間の相違に加え、脳機能の進行性悪化段階で観察されるEEGパワースペクトルには特徴的変化が見られ、この変化は、痴呆症の進行を段階分けするのに利用可能なEEGパラメータの進行性の変化を示すものである。トータルパワーに対するシータパワーの変化百分率により、軽度、中度および重度の痴呆症ならびにコントロール間の相違が識別できることが示された。
ATD患者において観察されるEEGは、認識が正常な高齢患者において観察されるEEGとは異なる特定の性質を示す。多数の公開されている研究では、ATD患者を特定するための目的を持って脳波記録法シグナル(EEG)の分析について報告されている。これらの研究および方法は一般に、正常被検者および/または類似の症状であるが、血管梗塞のような異なる病因を有する痴呆症患者からATD患者を識別するように設計されている。
これらの方法は一般に、種々のプロセッシングされたEEGパラメータに基づく判別分析またはニューラルネットワークを利用し、ATDで典型的に観察されるEEGの変化(例えばEEGパワースペクトルの8−14Hz帯域にて観察されるアルファパワーの変化)を定量するように設計されている。一連の16回のEEG試験において、認識が正常なコントロールからATD患者を識別するための種々の方法の精度は、その中央値が81%であり、範囲は54−100%であった。一般に、これらの方法は80%程度の感度および特異性を報告している。これは専門の臨床医が臨床面接および病歴から得る診断にて達成可能な感度および特異性とほぼ等しい。しかし、ほとんどすべての研究では、ATD患者から正常な人を識別するために利用される診断基準がその分析内部のデータを用いて定義されていることに留意しなければならない。診断基準を開発するために第一の集団を利用し、次いでこの診断基準を第二の集団に適用する前向きな研究はほとんどない。したがって、従来の方法の実際の精度を求めることは困難である。
いくつかの研究者らが痴呆症を評価するための薬物チャレンジの利用を提案している。Holschneiderは、チオペンタールボーラスを投与した後の正常被検者、ATD被検者および血管性痴呆症被検者に関して、20−28Hzスペクトル帯域のパワーの異なった変化を報告した。正常被検者および血管性痴呆症被検者は、ベースラインと比べて20−28Hz対数パワーの有意な増大を示したが、ATD被検者はベースラインからのいかなる変化も示さなかった。Neufeld は同様のプロトコルを用い、歳相応の正常被検者およびATD患者である被検者に関するスコポラミン投与の異なった効果を求めた。ベースラインでは、ATD患者は正常被検者と比べて小さい絶対および相対アルファ振幅(8−11.5Hz)および大きい相対シータ振幅(4−7.5Hz)を示した。0.5mgスコポラミンを静脈内投与した後では、プラセボとの比較では正常被検者はATD被検者よりも絶対および相対デルタ振幅(1−3.5Hz)の大きな増大を示した。Scintoは、神経伝達物質メディエータを標的眼に投与する前および投与した後に瞳孔の直径を継続してモニターすることができる自動装置を利用してアルツハイマー病を診断する方法を示した。投与された神経伝達物質メディエータに対する過感受性の存在はアルツハイマー病のマーカーとして利用できる。
うつ病は毎年1700万人の米国人に発症する気分障害であり、970万回の医師訪問の原因である。これは患者に種々の影響を及ぼし、気分の落胆、被刺激性、睡眠障害、不穏感、罪の意識および無力感、活力およびイニシアチブの低下、集中力喪失および自殺発生率の増大を引き起こす。合併性であることおよび大部分が自己申告性であるという事実から、診断は困難である。多数の抗うつ性薬理作用物質が存在し、適正な処置が決定されれば、その有効性は非常に高い。最も有効な物質および初期用量の選択は試行錯誤によるところが大きい。したがって、うつ病の客観的尺度ならびに抗うつ剤処置の有効性を予測する方法が必要とされる。Diego らは、うつ病のレベルが前頭部EEGアルファ非対称(asymmetry)および左前頭部EEGパワーと相関することを発見した。別の研究では、E
EGシータ活性がうつ病の前処置レベルと相関し、うつ病の、処置による改善レベルは前頭部記録部位における遅い(デルタおよびシータ)活性および速い(ベータ)活性と相関した。さらに別の研究では、処置開始48時間後には早くも抗うつ剤投薬治療に対する前頭前野EEG応答が見られ、この変化は臨床応答より早いことが示された。これらの変化は非応答者には見られなかった。以前の別の研究では、抗うつ剤投薬に対する応答者と非応答者間の前処置シータパワーに関し、小さいが、統計的に有意な差異が報告された。これらの方法はいずれも、臨床で有用な十分に高い感度および特異性を有する装置の中に表れていない。
EEGのバイスペクトル分析を利用する市販の装置は Bispectral Index(登録商標)(BIS(登録商標))である。BISは、前額部およびこめかみに設置された表面電極から得られる単変量のプロセッシングされたEEGパラメータである。Bispectral Indexは米国特許第4,907,597号;第5,010,891号;第5,320,109号および第5,458,117号に記載されており、これらはすべて引用により本明細書中に包含される。BISは、パワースペクトルおよび高次(バイスペクトル)成分ならびに時間領域成分を含む一組の成分からなる複合パラメータである。これらの成分は0から100にスケーリングされた単一の数字に結合されている。BISは覚醒時および麻酔時の個人の催眠状態を反映するように設計されている。麻酔薬の影響下にある患者では、再生の確率が催眠状態と密に関連する。このため麻酔薬および鎮静薬の影響下で、BISは自由再生および合図再生の確率と高度に相関する。新規記憶形成の減少および既存記憶の再生能障害は種々の痴呆症の特徴である。ATDのような特定の進行性痴呆症では、疾患の進行に伴って記憶障害の程度が増大する。痴呆症(ATDおよび多発脳梗塞性痴呆症)患者の未投薬、前外科的ベースラインでは、BISは歳相応のコントロール被検者に比較して低いことが観察された。歳相応の正常な認識機能を有する患者との比較では、ATD患者では脳グルコース代謝が減少することが周知である。ポジトロン放出断層撮影画像処理を用いて測定したところ、BISは麻酔薬によって生じる脳グルコース代謝の減少と相関することが示された。したがってBISの基本技術の1つである、バイスペクトル分析が神経学的機能の評価に包括的な意味で非常に有用であろうことは妥当な推測であり得る。
発明の要旨
本発明は、疾患もしくは症状の有無または疾患もしくは症状の進行の有無を示す特徴および指標を作成するシステムおよびその使用方法である。また本発明のシステムおよびその使用方法は、前投薬ベースラインから投薬に対する応答性を予測する特徴および指標も作成する。さらに本発明のシステムおよびその使用方法は、特徴または指標の性能特性を改良する検定方法論を包含する。このような特徴および指標を得るために、被検者より取得される生体電位シグナルから、パワースペクトル、時間領域、バイスペクトルおよび高次スペクトル値が導かれる。
好ましい態様の詳細な説明
図1に示す本発明の好ましい態様では、被検者(10)からEEGシグナルを取得するデータ取得装置(DAU)(20)が組み込まれており、このデータが以後プロセッシングされる。DAU(20)は典型的に、アナログ・デジタル(A−D)・コンバータ(25)が組み込まれているコンピュータシステムおよび一組の電極(被検者(10)の頭皮に設置して表示されている)からなる。単一の電極(15)のみが示されているが、EEGシグナルを得るために用いられる任意の構成(montage)の電極を本発明に利用しても良い。A−Dコンバータ(25)は、電極(15)から得られるアナログEEGシグナルを、サンプリングされた一組のシグナル値に変換するために用いられ、このシグナル値は次いでデータ演算処理装置(DCU)(30)のプロセッサ(processor)(35)によって分析することができる。DCU(30)はプロセッサ(35)および、DAU(20)からサンプリング値を受信する通信装置を組み込んでいる。記載されている態様では、DAU(20)およびDCU(30)のプロセッサは同一である。しかし別の態様では、DAU(20)はEEGシグナルを取得し、サンプリングされたEEGシグナルを通信リンクを介して遠隔のDCU(30)に送信することができる。このような通信リンクはシリアルまたはパラレルのデータライン、ローカルまたはワイドエリアネットワーク、電話線、インターネットまたは無線接続であってよい。評価を行う臨床医はキーボード(40)およびディスプレイ装置(50)を用いてDCU(30)と通信することができる。DAU(20)から遠隔のDCU(30)を利用する別の態様では、臨床医が使用する追加のキーボードおよびディスプレイ装置をDAU(20)に取り付けてもよい。
DCU(30)がDAU(20)からのサンプリング値を受信した後にDCU(30)はまず、患者の移動、まばたき、電気的ノイズ等から発生する人為的な結果に代わってサンプリングEEGシグナルを検査する。検出された不自然な結果はシグナルから取り除かれるか、あるいは不自然な結果を伴うシグナル部分が以後のプロセッシングから排除される。またEEGシグナルはフィルタリングされ、高周波および/または低周波ノイズ源、例えば筋電図およびラジオ周波数干渉および移動による人為的結果それぞれから人為的な結果を減じ、あるいは除去する。またハイパスフィルタリングが用いられ、不適切なサンプリング周波数のせいで、目的のシグナル帯域を超える周波数において、より低い周波数で発生することから(エイリアシング)パワーの傾向を減少させる。DCU(30)は次いで不自然な結果を含まないEEGデータから一組のバイスペクトルアレイ(array)ならびに別の非バイスペクトルパラメータを算出する。非バイスペクトルパラメータはパワースペクトルアレイ、高次スペクトルアレイ(トリスペクトル、等)、コーダンス(cordance)(例えば米国特許第5,269,315号および米国特許第5,309,923号に記載されているもの)、z変換変数、エントロピーパラメータおよび時間領域パラメータを含んでいても良く、例えばテンプレート照合、ピーク検出、閾値交差、ゼロ交差および Hjorth記述子に限定されないが、これらも含まれる。このようなパラメータ、バイスペクトルまたはその他は、データのいくつかの側面を定量するものであり、これらを特徴と称する。指標とは、1つまたはそれ以上の特徴を変数として含む関数である。指標関数は線形または非線形であってよく、あるいはニューラルネットワークのような別の形式を有しうる。DCU(30)はすべてのバイスペクトルアレイおよび非バイスペクトルパラメータから、被検者の神経学的機能障害レベル、神経学的症状の重篤度または薬理学的処置に対する応答性の見込みを示す一連の特徴および指標を算出する。これらの特徴および指標はディスプレイ装置(50)上でユーザーに表示することができる。DCU(30)がDAU(20)から遠隔である態様では、結果をDAU(20)上でディスプレイ装置に送信し戻すか、あるいは患者の担当医にeメールで送信するか、あるいは保護されているインターネット World Wide Web ページを介して利用可能とすることができる。
電極がすべて髪の生え際より下に設置される場合、電極はAspect Medical Systems, Inc. (Newton, MA) が製造している Zipprep(登録商標)型であるのが好ましい。電極が髪の中に設置される場合、金杯型電極を使用し、コロジオンまたは物理的な固定具、例えば種々の製造元が供給する電極キャップ設置装置によって位置を保持することができる。多数の種々の電極配置、または構成を用いることができる。
バイスペクトルアレイの計算
バイスペクトルアレイは周波数領域(フーリエ変換)法ならびに時間領域(自己回帰)法で計算することができる。用語バイスペクトルアレイまたはバイスペクトルには、自己および相互両形式に関して、すべてあるいは任意の以下のアレイが含まれる:複素三重積、実三重積、バイスペクトル密度、バイフェーズおよびバイコヒーレンスアレイ。さらにパワースペクトルアレイが中間工程として計算され、ある指標の特徴として用いられるパラメータを得るために利用可能である。両方法が以下に説明されているが、当業者であれば他の方法を導き出すことが同様に可能であることを理解するであろう。本発明はすべての演算処理方法を包含することを意図している。
さて図2を参照し、以下、自己バイスペクトルまたは相互バイスペクトルアレイを生ずるための周波数領域に基づく手法を記載する。工程802では、システムは、実行する演算処理が自己バイスペクトル演算処理であるか、あるいは相互バイスペクトル演算処理であるかをチェックする。自己バイスペクトル分析は相互バイスペクトル分析の特殊なケースであり、したがって対称式適用の異なる命令である。
工程804では、自己バイスペクトル演算処理を開始するために、システムは以下の対称式を設定する:
1+f2≦fs/2
0≦f2≦f1
[式中、fsはサンプリングレートであり(好ましい態様では128サンプル/秒であり、この態様では128の2−秒記録を用いる。これにより0.5Hz周波数分解能が得られる。)、f1およびf2(あるいはこれらは周波数1および周波数2と称される。)はバイスペクトル演算処理が行われる対象の周波数ペアを示す]。さらに、自己バイスペクトル演算処理に関しては、
i(t) =Yi(t) →Xi(f) =Yi(f)
である。Xi(t) およびYi(t) はバイスペクトル演算処理に用いられる個別の時系列記録を示す。Xi(f) およびYi(f) はそれぞれ時系列記録Xi(t) およびYi(t) のフーリエ変換を示し、iは記録番号を示す。
工程806では、相互バイスペクトル分析に関して以下の対称式に従う
1+f2≦fs/2
0≦f1≦fs/2
0≦f2≦fs/2
i(t) ≠Yi(t) → Xi(f) ≠Yi(f)
[式中、相互バイスペクトル分析に関してXi(t) およびYi(t) が個別の時系列記録の誘導値を示すことを除き、すべての変数は自己バイスペクトル分析に関する意義と同一の意義を有する]。
工程808では、標準IEEEライブラリソフトウェアルーチンまたは任意の別の市販のソフトウェアルーチンを用いて選択記録の高速フーリエ変換(FFT)Xi(f) およびYi(f) が計算される。
工程810では、それぞれフーリエ変換Xi(f) およびYi(f) の各成分の量を二乗することによって各選択記録のパワースペクトルPXi(f) およびPYi(f) が計算される。
工程812では、システムは、以下の方程式を利用して平均の複素三重積を計算する(式中、bci(f1,f2) は1記録から得られる個別の複素三重積であり、BC(f1,f2) は平均の複素三重積である):
Figure 2005514096
[式中、Yi *(f1+f2) はYi(f1+f2) の複素共役である]、および
Figure 2005514096
[式中、Mは記録数(好ましい態様では128)である]。
工程814では、以下の方程式を用いて平均の実三重積が計算される(式中、PXi(f) およびPYi(f) は1記録から得られるパワースペクトルであり、bri(f1,f2) は1記録から得られる個別の実三重積であり、BR(f1,f2) は平均の実三重積である):
Figure 2005514096
[PYiは実数値であり、したがってPYi=PYi *であることに注意]。
工程816では、BC(f1,f2) の量としてのバイスペクトル密度アレイBD(f1,f2) が以下の方程式を用いて計算される:
BD(f1,f2) =|BC(f1,f2)|
工程818では、システムは、以下の方程式を用いてバイフェーズアレイφ(f1,f2) を計算する:
Figure 2005514096
0≦φ≦2π(ラジアン)。
工程820では、システムは以下の方程式を用いてバイコヒーレンスアレイR(f1,f2) を計算する:
Figure 2005514096
0≦R≦1
工程822では、システムは要求される自己/相互バイスペクトルアレイをデータ演算処理装置(30)へ返す。
以下、図3を参照し、パラメータに基づいて自己/相互バイスペクトルアレイを計算する方法を記載する。工程902、904および906では、それぞれ工程802、804および806についての上の記載と同様に、システムは対称式および時系列記録を設定する。工程908、910および912では、Xi(t) およびYi(t) のパワースペクトルが評価される。この評価システムの使用方法には2つの主要段階:自己回帰(AR)モデル次数選択およびXi(t) およびYi(t) についてのパワースペクトル演算処理が含まれる。工程908では、システムは以下の方程式を用いて自己相関の2数列、{R2X(m)}および{R2Y(m)}を計算する:
Figure 2005514096
z=X,Y、およびm=0,1,...,L
[式中、Mは記録数であり、Nは記録当たりのサンプル数であり(好ましい態様では、それぞれ128および256)、Lは見込みのARフィルター次数よりずっと大きい(好ましい態様ではL=50)]。ARフィルターの次数を求めるため、工程910では、各自己相関数列に対してレビンソン(Levinson)再帰関数を実行することにより、全次数、m=0,1,2,...Lについて最終予測誤差、FPEX(m) およびFPEY(m) が計算される。それぞれFPEX(m) およびFPEY(m) の最小値の場所(location)、QXおよびQYが選択され、これがそれぞれXi(t) およびYi(t) のパワースペクトルのARフィルターの次数である。すなわち
FPEX(QX)=min[FPEX(m)]
FPEY(QY)=min[FPEY(m)]
である。
パワースペクトルに関するARフィルターの次数が選択された後、自己相関数列、{R2X(m)}および{R2Y(m)}が、Lの代わりにそれぞれ次数QXおよびQYを用いてレビンソン再帰に入力される。この再帰から得られる係数{ciX,i=0,1,... ,QX}および{ciY,i=0,1,... ,QY}はそれぞれXi(t) およびYi(t) のパワースペクトルに関するARフィルターの係数である。次いで工程912では、予測誤差(σZ 2)をこの係数のフーリエ変換の量の二乗で除算してパワースペクトルPX(f) およびPY(f) が計算される。すなわち
Figure 2005514096
z=X,Y
である。
工程914、916および918では、システムは自己/相互の実および複素三重積を評価する。評価工程には2つの主要段階:次数選択ならびに実および複素三重積演算処理が含まれる。工程914では、3次積率の2数列、{R3X(τ)}および{R3Y(τ)}が以下の方程式を用いて計算される。
Figure 2005514096
z=X,Y、およびτ=−L,...,L
[式中、s1=max(1,1−τ)、s2=min(N,N−τ) であり、Lは見込みのARフィルター次数よりずっと大きい(例えば50)]。
工程916では、2つのスーパー行列(super matrices)TXおよびTYが以下のように形成される。
Figure 2005514096
z=X,Y。
バイスペクトルアレイのARフィルターについて我々が作成した仮説により、Xi(t) およびYi(t) のバイスペクトルアレイに関するARフィルターの次数OXおよびOYはスーパー行列TXおよびTYの階数である。したがってOXおよびOYは特異値分解法を用いて選択される。次数を求めた後、以下の線形系の方程式を解くことによってバイスペクトルアレイのARフィルターの係数が得られる:
Figure 2005514096
z=X,Y
[式中、歪度(βz)および係数(b1z,...,bOzz)(z=X,Y)は線形系の方程式を解くことによって得ることができる]。
工程918では、歪度の三重積の三乗根(βXβYβY1/3をARフィルター係数のフーリエ変換(Hz(f))の三重積で除算してXi(t) およびYi(t) の平均の自己/相互複
素三重積が計算される。すなわち
BC(f1,f2)=(βXβYβY)1/3/(HX(f1)HY(f2)HY *(f1+f2))
Figure 2005514096
z=X,Y
である。またBR(f1,f2) は平均の自己/相互実三重積:
BR(f1,f2)=PX(f1)PY(f2)PY(f1+f2)
である。
平均の自己/相互の複素および実三重積を得た後、工程920では、工程816、818、820と同じように、システムはバイスペクトル密度アレイ、バイフェーズアレイ、およびバイコヒーレンスアレイを計算する。工程922では、システムは要求されるバイスペクトルアレイをデータ演算処理装置(30)へ返す。
診断/モニタリングのための指標の開発および利用
指標はバイスペクトルアレイおよび/または他の周波数領域および時間領域の特徴を用いて構築することができる。このような指標はある疾患状態の有無を予測するように設計することができる。指標は分類子として設計することができ、評価対象である個人がこの疾患を有するか否かが予測され、あるいは罹患の確率が疾患進行の尺度として利用される。また指標は、神経学的機能または疾患状態/進行の継続的予測因子として設計することができる。このような指標の開発には、種々の進行段階での特定病理学的症状を有する個体ならびにこの特定症状を有しないコントロールの個体から得られるEEGデータからなるデータセットが必要とされる。またデータセットは指標設計上の予測対象である疾患状態の、他に依存しない評価を含まなければならない。
好ましい態様では、指標は疾患状態の継続的予測因子として構築される。EEGは高齢の正常コントロールおよび、軽度から中度のアルツハイマー型痴呆症(ATD)患者または多発脳梗塞性痴呆症(MID)患者から記録される。EEGデータは被検者が覚醒安静状態であるときに記録される。疾患進行の、他に依存しない評価を行う必要性を満たすために、各被検者に対し、痴呆症の基準としてミニ精神状態試験(Mini-Mental State Exam(MMSE);Folstein, 1975)を実行する。EEG自己バイスペクトルアレイは、T3−Fp1(国際10/20電極モンタージュ系)から記録される高精度で人為的な結果を含まないEEGの、開始30秒についての2−秒記録を用い、1Hz分解能にて、(f1
,f2,f1+f2)形式のすべての周波数三つ組に関して計算される。統計的評価は、必要に応じてスピアマン階数相関およびマンホイットニーUノンパラメトリック検定を用いて計算される。統計的有意レベルP<0.05が統計的に有意とみなされる。
平均MMSEスコアによって測定される痴呆症のレベルは、コントロール群および各痴呆症群間で統計的に異なるが、痴呆症群間ではそうではない(表1)。
Figure 2005514096
すべての被検者に関する、自己バイスペクトル密度アレイの個別の周波数ペア(f1,f2)の値とMMSE間のスピアマン相関が図4に示される。対称式条件により、バイスペクトル密度アレイは0≦f2≦f1かつf1+f2≦fs/2に制限されることに注意。ここでは、周波数上限fs/2は64Hzに設定されている。低周波数[f1<6Hz,f2<6Hz]に関して、MMSEスコアとの相関は体系的に負であり、(f1=3Hz,f2=2Hz)で最小値−0.659に達する。同様に、高周波数[f1>34Hz,f2>10Hz]に関して、MMSEスコアとの相関は体系的に正であり、(f1=40Hz,f2=10Hz)で最大値0.529に達する。
診断またはモニタリングのための指標は線形予測因子の形式を有して特定されることが多い。当業者であれば、他の形式、例えば非線形予測因子、ニューラルネットワーク、フラクタルスペクトル分析から得られる測定値および情報理論の測定基準、例えばエントロピーおよび複雑さもまた同様に利用可能であることを理解するだろう。好ましい態様では、指標(Index)は以下の一般形式を有する:
Figure 2005514096
[式中、c0は定数であり、(Fi,i=1,2,...,p)は一連の特徴であり、(ci,i=1,2,...,p)は特徴に対応する一連の係数であり、pは特徴の数である]。好ましい態様では、上記ならびに図4に記載されているように、MMSEスコアと強い相関を示す単一EEGチャネルのEEGバイスペクトル密度アレイ内の領域の平均値から一連の特徴が構築される。好ましい態様では1チャネルのEEGデータを用いるが、別の態様では、多チャネルから得られるデータを含むことができる。MMSEスコアと最も相関しているバイスペクトル密度アレイから得られる特徴は、領域[0Hz≦f1≦5Hz,9Hz≦f2≦f1Hz]および[35Hz≦f1≦53Hz,11Hz≦f2≦上限]の平均値である。
Figure 2005514096
[式中、A1およびA2は、それぞれF1およびF2を計算する際の合計の周波数ペア数であり、0≦j≦1である]。MMSEとF1およびF2の相関はそれぞれ−0.59および0.49である。
また、特徴はバイスペクトルアレイから得られる値の割合として特定してもよい。好ましい態様では、第三の特徴F3はF2に対するF1の割合として特定される。
Figure 2005514096
MMSEスコアによって定量される痴呆症の進行に対する単一の指標は、以下のように構築することができる:
Figure 2005514096
Index(痴呆症_進行)=c0+c33
式中、c3は min および max の値(それぞれ最小値および最大値である)を用いて定義され、これによりIndex(痴呆症_進行) の範囲は0から100まで(両端を含む)となる。この実施例を得るために用いられるデータベースによれば、min(F3)=0.9、max(F3)=2.6であり、これによりc0=−52.9およびc3=58.8が得られる。MMSEと、F3の、すなわちIndex(痴呆症_進行) の相関は−0.64であり、これはIndex(痴呆症_進行) が痴呆症の程度についての高感度の尺度であることを示す。
また、疾患状態を診断するための指標を得ることができる。別の態様では、上記データセットを用いて、正常コントロールから痴呆症患者を識別可能な指標を得ている。痴呆症患者からコントロールを識別するのに最良であった、バイスペクトル密度アレイから得られる特徴は、領域[39Hz≦f1≦41Hz,9Hz≦f2≦11Hz]および[2Hz≦f1≦4Hz,1Hz≦f2≦3Hz]の平均値である。
Figure 2005514096
上と同様に、A4およびA5はF4およびF5を計算する際の合計の周波数ペア数である。
Figure 2005514096
Index(コントロール_痴呆症)=c0+c66
上と同様に、c0およびc6は、Index(コントロール_痴呆症) の範囲が0から100まで(両端を含む)となるように定義される。この実施例を得るために用いられるデータベースによれば、min(F6)=0.4、max(F6)=1.1であり、これによりc0=−57.1およびc6=142.9が得られる。閾値50を用いると、Index(コントロール_痴呆症) は、感度94%、特異性83%および受信者動作曲線下領域(AUC)95%で、正常コントロール被検者から痴呆症患者を識別した。
同様に、ATD患者をMID患者から識別するのに最良であった領域は、領域[5Hz≦f1≦7Hz,5Hz≦f2≦7Hz]の平均値であった。
Figure 2005514096
上と同様に、A7はF7を計算する際の合計の周波数ペア数である。
Figure 2005514096
Index(ATD_MID)=c0+c77
上と同様に、c0およびc7 は、Index(ATD_MID) の範囲が0から100まで(両端を含む)となるように定義される。この実施例を得るために用いられるデータベースによれば、min(F7)=0.5、max(F7)=6.5であり、これによりc0=−333.3およびc7=66.7が得られる。閾値50を用いると、Index(ATD_MID) は、感度82%、特異性86%およびAUC91%で、MID患者とATD患者を識別した。
本発明のさらに別の態様では、システムおよびその使用方法は薬物処置の有効性を予測する指標または疾患もしくは症状の状態を測定する指標を作成する。うつ病のレベルを評価するかあるいは前処置EEGデータを用いて薬理学的処置に対するうつ病患者の応答を予測する指標を以下に記載する。
主要な単極性うつ病の患者である成人50人を抗うつ剤投薬の有効性を評価する二重盲検検定に付し、EEGを記録した。この検定の患者はフルオキセチン(n=12)またはベンラファクシン(n=13)対プラセボ(n=25)で処置した。前処置(未投薬)ベースライン、薬物洗浄時ならびに処置開始48時間後、1、2、4および8週後の覚醒安静時の患者から連続EEGを記録した。各記録期間でハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton-D, Hamilton, 1960)を評価した。応答者は Hamilton-D スコア≦10(第8週時)を示すと定義した。T3−Fp1(国際10/20電極モンタージュ系 (International 10/20 Electrode Montage System))から記録される人為的な結果を含まないEEGの、開始20−32秒についての2−秒記録を用い、1Hz分解能にて、すべての周波数ペア(f1,f2)に関するEEGバイスペクトル密度アレイを計算した。必要に応じてスピアマン階数相関およびマンホイットニーUノンパラメトリック検定を用い、統計的評価を計算した。統計的有意レベルP<0.05を統計的に有意であるとみなした。
自己バイスペクトル密度アレイの個別の周波数ペア(f1,f2)の値とベンラファクシンを服用する被験者のベースラインでの Hamilton-D スコア間のスピアマン相関を図5に示す。ベースラインでの Hamilton-D スコアにより定量されるうつ病のベースラインは、抗うつ剤処置に応答した患者(応答者)および応答しなかった患者(非応答者)間で有意な差異が見られなかった(表2)。
Figure 2005514096
すべての周波数に関して、患者のうつ病が重度であるほど(すなわち Hamilton-D スコアが低いほど)EEGバイスペクトル密度アレイが大きかった。この結果は特に領域[12Hz<f1<24Hz,0Hz<f2<6Hz]に関して見られた。このデータから、以下のようにうつ病の重篤度を評価する指標を得ることができる。
Figure 2005514096
Index(うつ病_重篤度)=c0+c1010
上と同様に、c0およびc10は、Index(うつ病_重篤度) の範囲が0から100まで(両端を含む)となるように定義されている。この実施例を得るために用いられるデータベースによれば、min(F10)=3.9、max(F10)=6.1であり、これによりc0=−177.3およびc10=45.5が得られる。Hamilton-D スコアとF10の、すわなちIndex(うつ病_重篤度) の相関は0.31(p<0.001)である。Index(うつ病_重篤度) はうつ病のレベルを評価する客観的方法として、診断を作成する方法として、あるいは処置の有効性を評価する方法として用いることができる。
前処置ベースラインで測定されたEEGバイスペクトル密度は投薬に対する応答者および非応答者間の特徴的差異を示したが、プラセボでは見られない。最大の差異は特徴F11およびF12に含まれる領域で観察された。
Figure 2005514096
ベンラファクシンに応答した患者はF11値(この値は範囲[0<f1<10Hz,0<f2<10Hz]の低周波数平均バイスペクトル密度の定量化である)が低かった。また応答者はF12値(この値は範囲[24Hz<f1<38Hz,f2>24Hz]の高周波数平均バイスペクトル密度の定量化である)が高かった。新規特徴(F13)をこれら2領域の平均バイスペクトル密度の割合として定義した。
Figure 2005514096
Index(ベンラファクシン_応答)=c0+c1313
上と同様に、c0およびc13は、ベンラファクシン応答指標(Index(ベンラファクシン_応答))が0から100まで(両端を含む)となるように定義されている。この実施例を得るために用いられるデータベースによれば、min(F13)=0.4、max(F13)=0.9であり、これによりc0=−80.0およびc13=200.0が得られる。閾値50を用いると、Index(ベンラファクシン_応答) は、感度75%、特異性77%およびAUC81%で応答者を予測した。
ベンラファクシン処置に対する特定患者の応答性を予測するためにIndex(ベンラファクシン_応答) を用いることが出来る。別の抗うつ剤、例えばフルオキセチンで処置された患者に関するデータベースから別の指標を得ることができる。このような一連の指標を用いて、医師はどの抗うつ剤が最も大きな処置応答を有し得るかを決定することができ、これによりうつ病処置の試行錯誤側面が簡略化される。任意の特定の組み合わせの抗うつ剤を用いる処置の成功を予測するために、またこのような一連の指標を用いることが出来る。データベース開発に種々の初期用量の種々抗うつ剤を含めることにより、これらの指標をさらに精密化することができる。これにより、指標(群)が最も有効な物質を予測するだけでなく、最も有効な初期用量を予測することが可能になるであろう。
本発明はバイスペクトル密度アレイから得られる指標に関して記載されてきたが、これらの指標に限定されない。その特徴は種々のバイスペクトルアレイの別領域(すなわち、複素三重積、実三重積、バイフェーズおよびバイコヒーレンス(すべて自己および相互両形式に関する)から算出することもできる。中央値、標準偏差および分散、パーセンタイル値、特定周波数で制限される領域内の絶対パワー、相対パワー(特定周波数によって制限される領域内のトータルパワーの百分率としての絶対パワー)、ニューラルネットワーク、フラクタルスペクトル分析、情報理論から得られる尺度、例えばエントロピーおよび複雑さおよび当業者に既知の他の統計的尺度のような特徴を誘導するために、別の特徴を用いることができる。その特徴は、パワースペクトルからならびにパターンマッチングおよびフラクタル分析のような時間領域分析の種々の方法から得ることもできる。また特徴は、経時的な特定症状の有無または特定の期間に特定症状が発症する程度(例えば、最近の、パワーまたはバイスペクトルアレイの特定周波数帯域におけるパワーが閾値より小さい期間の百分率)を定量することができる。特定症状またはシグナルタイプの検出因子を二状態択一の特徴または指標として用いてもよい。
本発明のシステムおよびその使用方法のさらなる精密化では、EEGから得られる特徴を、試験下にある構造(例えば脳)のイメージを分析して得られる特徴と連携させる。このようなイメージはCAT(コンピュータ断層撮影法)、MRI(磁気共鳴映像法)、PET(ポジトロン放出断層撮影法)、X線および他の方法から得ることができる。さらに別の精密化では、EEGから得られるすべての特徴を、分析下にある構造の機能についてのイメージを分析して得られる特徴と連携させる。例えばグルコース代謝のような機能のイメージは、機能性PET画像処理のような技術を用いて得ることができる。脳全体または脳の特定小領域における瞬時または時間平均のグルコース代謝についての測定基準から得られる特徴をCNS機能の指標と組み合わせて、認識機能、疾患状態、疾患進行および他の目的のパラメータを定量することができる。
感度および特異性を改良する検定方法論
本発明の感度および特異性は比較検定方法論(differential testing methodologies)を利用して高めることができる。比較検定方法論では、2回またはそれ以上の連続評価を行い、各評価時の実際の値とともに検定の測定基準の値の変化を分析する。一般に評価は種々の条件下、例えば睡眠時または精神的作業のようなストレスの影響下で行われ、これらはベースライン評価と比較される。痴呆症、うつ病および他の神経学的障害の患者は、比較検定方法論にて、正常被検者と異なるEEG応答を示す。取得する指標の性能を高めるために、いくつかの比較検定方法論を用いることが出来る。検定の測定基準はEEGバイスペクトルアレイならびに他の非バイスペクトルパラメータから得られる指標であるのが好ましい。以下の記載ではこれをINDEXと示す。
第一の検定方法論では、被検者が眼を開いている状態で取得されたEEGより算出されるINDEXの第一の値と、被検者が眼を閉じている状態で取得されたEEGより算出されるINDEXの第二の値間の差異を利用する。まず電極(15)を被検者(10)に適用する。この被検者は眼を開いて安静に座るよう指示されている。DAU(20)によってEEGのセグメントが取得され、分析のためにDCU(30)へ送信される。一般に、INDEX値を算出するために、数分のセグメントを用いる。被検者(10)は次いで眼を閉じて安静に座るよう指示され、DAU(20)によってEEGの第二のセグメントが取得され、分析のためにDCU(30)へ送信される。DCUは第一期および第二期の両取得データに関してINDEX値を算出する。これらをそれぞれINDEX(眼_開) お
よびINDEX(眼_閉) と記載する。取得データを不自然な結果に関して検査し、検出された人為的結果を除去するか、あるいは取得データの人為的な部分を分析から排除することはINDEX値計算の重要な部分である。INDEX(眼_開) およびINDEX(眼_閉) 間の数的差異は、神経学的機能不全のレベル、症状の重篤度または処置の有効性の予測を示す測定基準である。
第二の検定方法論では、被検者がリラックスしている状態で取得されたEEGから算出されるINDEXの第一の値と、被検者が暗算作業を行っている間に取得されたEEGから算出されるINDEXの第二の値間の差異が利用される。被検者は両記録期間中に眼を開いておくよう指示されていてよい。また被検者は両記録期間中に眼を閉じておくよう指示されていることもあるが、これにより選択可能な暗算作業が制限されることもある。暗算作業は任意の単一作業または組み合わせの作業群であってよく、適度な難しさを提供するが、特別な訓練または被検者集団において一般的でないレベルの教育を必要としない程度に一般的であるよう選択される。例示的作業を2つ挙げれば、小切手帳の清算に必要とされるであろう足し算および引き算の暗算および2つの日付の間の日数計算である。まず電極を被検者に適用する。この被検者は眼を開いて安静に座るよう指示されている。DAU(20)によってEEGのセグメントが取得され、分析のためにDCU(30)へ送信される。再度、INDEX値を算出するために、数分のセグメントを用いる。被検者は次いで精神的作業の指示を与えられ、その後その完了を問われる。暗算中にDAU(20)によってEEGの第二のセグメントが取得される。取得データは次いで分析のためにDCU(30)へ送信される。DCU(30)は第一期および第二期の両取得データに関してINDEX値を算出する。これらをそれぞれINDEX(ベースライン) およびINDEX(作業) と記載する。INDEX(ベースライン) とINDEX(作業)間の数的差異は神経学的機能不全のレベル、症状の重篤度または処置の有効性の予測を示す第二の測定基準である。
正常コントロールからATD患者を識別するEEG法が、REM睡眠時において、覚醒時より高い感度および特異性を示すことが報告されている。したがって第三の検定方法論では、被検者が覚醒しリラックスしている状態で取得されたEEGから算出されるINDEXの第一の値と被検者が眠っている状態で取得されたEEGから算出されるINDEXの第二の値の差異を利用する。まず電極(15)を被検者(10)に適用する。この被検者は眼を開いてか、あるいは眼を閉じて安静に座るよう指示されている。DAU(20)によってEEGのセグメントが取得され、分析のためにDCU(30)へ送信される。再度、INDEX値を算出するために、数分のセグメントを用いる。被検者は次いで睡眠状態へ移行し、被検者が眠っている間継続してEEGデータが取得される。第二のINDEXの値は、被検者が眠っている間、好ましくはREM睡眠中に記録されたEEGから算出される。このためDCUソフトウェアは、REM睡眠の自動特定を実行する、当技術分野に既知の任意のアルゴリズムを実装しているのが好ましい。これらのアルゴリズムは一般にEEGデータならびに電気眼球図記録(EOG)データを利用する。別法では、記録されたEEGを眼で見て再調査し、REM睡眠の開始時間および終了時間をDAU(20)に入力する訓練された観察者がREM睡眠期間を手動で特定してもよい。この場合、DAU(20)はコンピュータキーボードのようなデータ入力装置を有していることが必要である。取得データは次いで分析のためにDCU(30)へ送信される。DCU(30)は第一期の取得データに関してINDEX値を算出する。これをINDEX(覚醒) と記載
する。次いでDCU(30)は第二期の取得データからINDEX値を算出する。これをINDEX(睡眠) と記載する。INDEX(睡眠) はREM睡眠期間中に算出されるのが好ましいので、INDEX(睡眠) 計算の対象であるREM睡眠の適切なセグメントを特定するために、自動REM睡眠特定アルゴリズムがまずデータをプロセッシングしなくてはならない。記録されたEEGデータがREM睡眠期間に関して手動で再調査される場合は、DCU(30)に送信された開始時間および終了時間が代用される。INDEX(覚醒) とINDEX(睡眠) の数的差異は、神経学的機能不全のレベル、症状の重篤度または処置の有効性の予測を示す測定基準である。このタイプのプロセッシングは、単にベースラインとの比較でなく、覚醒および睡眠状態間のまたは幅のINDEX変化に関する任意の観測に応用できる。
本発明のさらなる態様は被検者の安静覚醒時のEEGから算出されるINDEX値と催眠麻酔薬の投与後に得られたEEGから算出されるINDEX値間の差異を利用する。麻酔薬は注射器により手動で投与されるのが好ましい。図6に示されるように、このような麻酔薬を投与する手段がシステムに組み込まれていてもよい。一般にこの手段はコンピュータ制御注入ポンプ(70)であるか、あるいは吸入物質の場合には、揮発性物質投与用の麻酔機械装置である。注入ポンプは市販タイプ、例えば Graseby Model 3400/3500 であってよい。注入ポンプは標準RS−232通信リンクを介してDAU(20)により制御される。
まずEEG電極が被検者(10)に適用される。注入ポンプ(70)が使用される場合、この試験を管理している臨床医により静脈内線が被検者の前腕に設置され、このポンプに選択された催眠麻酔薬の注射器が装填され、静脈内線が注入ポンプに連結される。被検者は両記録期間中に眼を開いておくよう指示されているのが好ましい。また被検者は両記録期間中に眼を閉じているよう指示されていてもよい。DAU(20)によってEEGのセグメントが取得され、分析のためにDCU(30)へ送信される。INDEX値を算出するために、数分のセグメントを使用する。ベースライン記録期間の完了時に、臨床医は催眠薬ボーラス、好ましくは0.5mg/kgチオペンタールを投与する。注入ポンプが使用される場合には、DAU(20)は注入ポンプに麻酔薬ボーラスを与えるように指示する。麻酔薬ボーラスが最大効果に達した後(好ましい態様では一般に3−5分)、DAU(20)によってEEGの第二のセグメントが取得される。次いで取得データは分析のためにDCU(30)へ送信される。DCU(30)は、第一期および第二期の両取得データに関してINDEX値を算出する。これらをそれぞれINDEX(ベースライン) およびINDEX(薬) と記載する。前投薬ベースラインのINDEX(ベースライン) 値と投薬後のINDEX(薬) 値間の数的差異は、神経学的機能不全のレベル、症状の重篤度または処置の有効性の予測を示す測定基準である。例えば、非痴呆症コントロール被検者と比較して、ATD患者である被検者はベースラインとチオペンタール投与後の間の絶対ベータパワーの差異が小さかった。
DAU(20)は表示(ディスプレイ)装置およびデータ入力装置、例えばそれぞれコンピュータモニタおよびキーボードを装備していてよい。DAU(20)は、注入ポンプとDAU(20)間の通信を可能にするインターフェースプログラムを実行する。またDAU(20)は注入物(infusate)容量を算出することができる。臨床医には被検者の体重および麻酔薬の希釈率を入力することのみを要求している。注入ポンプが使用される場合には、臨床医はインターフェースプログラムを介して麻酔薬の注入速度を制御することができる。反対に、注入ポンプは、その運転状態および所望の麻酔薬ボーラスの投与を確認する情報をDAU(20)に提供することができる。
さらに別の態様では、少なくとも二段階からなる段階的投薬計画において麻酔薬を増量することができ、あるいは継続的に増量することができる。これは上記注入ポンプおよびインターフェースプログラムを用いて最も容易に行うことができ、インターフェースプログラムに前もってプログラムしておくことができる。この態様は薬物動態学(PK)モデルを使用する。これは時系列の不連続の麻酔薬用量から算出される血漿濃度を提供する。PKモデルは注入ポンプのインターフェースソフトウェアと統合されていてよく、算出された時系列の麻酔薬用量は、ポンプのインターフェースソフトウェアに伝達され、このソフトウェアによりポンプ注入速度の決定に使用される。PKソフトウェアはいくつかのパブリックドメインソースから容易に入手できる。好ましい態様ではRUGLOOPソフトウェア(Michel Struys, M.D., Department of Anaesthesia, University of Gent, De Pintelaan 185, B-9000 Gent, Belgium より無料で入手可能)を使用する。別法では、PKソフトウェアSTANPUMPを使用することもできる(著者Steven L. Shafer, M.D., Anesthesiology Service (112A), PAVAMC, 3801 Miranda Ave, Palo Alto, CA 94304より無料で入手可能)。
以上、本発明をその好ましい態様に関して説明してきたが、当業者であれば種々の変更および修飾に想到するであろう。このようなすべての変更および修飾は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
さらに別の態様では、少なくとも二段階からなる段階的投薬計画において麻酔薬を増量することができ、あるいは継続的に増量することができる。これは上記注入ポンプおよびインターフェースプログラムを用いて最も容易に行うことができ、インターフェースプログラムに前もってプログラムしておくことができる。この態様は薬物動態学(PK)モデルを使用する。これは時系列の不連続の麻酔薬用量から算出される血漿濃度を提供する。PKモデルは注入ポンプのインターフェースソフトウェアと統合されていてよく、算出された時系列の麻酔薬用量はポンプのインターフェースソフトウェアに伝達され、このソフトウェアによりポンプ注入速度の決定に使用される。PKソフトウェアはいくつかのパブリックドメインソースから容易に入手できる。好ましい態様ではRUGLOOPソフトウェア(Michel Struys, M.D., Department of Anaesthesia, University of Gent, De Pintelaan 185, B-9000 Gent, Belgium より無料で入手可能)を使用する。別法では、PKソフトウェアSTANPUMPを使用することもできる(著者Steven L. Shafer, M.D., Anesthesiology Service (112A), PAVAMC, 3801 Miranda Ave, Palo Alto, CA 94304より無料で入手可能)。
以上、本発明をその好ましい態様に関して説明してきたが、当業者であれば種々の変更および修飾に想到するであろう。このようなすべての変更および修飾は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
本発明のシステムのブロック図である。 本発明の自己/相互バイスペクトルアレイの演算処理方法についてのフローチャートである。 本発明の自己/相互バイスペクトルアレイの別の演算処理方法についてのフローチャートである。 EEG自己バイスペクトル密度およびミニ精神状態試験(Mini Mental State Exam)スコア間のスピアマン相関のグラフである。 EEG自己バイスペクトル密度および前投薬ベースラインハミルトンうつ病スコア間のスピアマン相関のグラフである。 注入ポンプを組み込んだ本発明のシステムの別態様のブロック図である。
符号の説明
10;被検者、15:電極、20:データ取得装置(DAU)、25:アナログ・デジタル(A−D)・コンバータ、30:データ演算処理装置(DCU)、35:プロセッサ、40:キーボード、50:ディスプレイ装置、70:コンピュータ制御注入ポンプ。

Claims (27)

  1. 神経学的症状を評価するシステムであって、
    生体電位信号を取得するための1つ、または複数の電極と、
    該生体電位信号からK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出し、該K次スペクトル値から神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴を導き出すためのプロセッサと、
    を含んで構成されていることを特徴とする評価システム。
  2. 神経学的症状を評価するシステムであって、
    生体電位信号を取得するための1つ、または複数の電極と、
    (a)該生体電位信号からK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出し、(b)該K次スペクトル値から神経学的症状を表す複数の特徴を導き出し、(c)それら特徴を神経学的症状を表す1つの指標に組み合わせるためのプロセッサと、
    を含んで構成されていることを特徴とする評価システム。
  3. 神経学的症状は治療的介入の有効性の予測であり、プロセッサは該治療的介入の開始に先立ってその予測を計算することを特徴とする請求項1記載の評価システム。
  4. 神経学的症状は薬剤治療の成功の予測であり、プロセッサは臨床治療効果が発現する前に該予測を計算することを特徴とする請求項1記載の評価システム。
  5. 神経学的症状を評価するシステムであって、
    生体電位信号を取得するための1つ、または複数の電極と、
    (a)検定精度を向上させ、(b)前記生体電位信号からK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出し、(c)該K次スペクトル値から神経学的症状を表す複数の特徴を導き出すためのプロセッサと、
    を含んで構成されていることを特徴とする評価システム。
  6. プロセッサは検定精度を向上させるために比較検定手法を活用することを特徴とする請求項5記載の評価システム。
  7. 制御された薬剤分量を投与するため、プロセッサに接続された注入装置をさらに含んでいることを特徴とする請求項5記載の評価システム。
  8. 神経学的症状の評価システムの使用方法であって、
    1つ、または複数の電極により被験者から得られた生体電位信号からプロセッサによってK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出すステップと、
    前記プロセッサによって該K次スペクトル値から少なくとも1つの神経学的症状の特徴を導き出すステップと、
    を含んで成ることを特徴とする評価システムの使用方法。
  9. 神経学的症状の評価システムの使用方法であって、
    1つ、または複数の電極により被験者から得られた生体電位信号からプロセッサによってK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出すステップと、
    前記プロセッサによって該K次スペクトル値から少なくとも1つの神経学的症状の特徴を導き出すステップと、
    前記プロセッサによってそれらの特徴を神経学的症状を表す指標に組み合わせるステップと、
    を含んで成ることを特徴とする評価システムの使用方法。
  10. 神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴はアルツハイマー性痴呆症の症状であることを特徴とする請求項8記載の評価システムの使用方法。
  11. 神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴は比較診断性痴呆症の症状であることを特徴とする請求項8記載の評価システムの使用方法。
  12. 神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴は痴呆症の程度の評価であることを特徴とする請求項8記載の評価システムの使用方法。
  13. 神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴はうつ症状の程度の評価であることを特徴とする請求項8記載の評価システムの使用方法。
  14. 神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴は抗うつ剤治療効果の評価であることを特徴とする請求項8記載の評価システムの使用方法。
  15. 神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴は特定治療的介入の効果の予測であることを特徴とする請求項8記載の評価システムの使用方法。
  16. 予測は治療的介入の開始前に計算されることを特徴とする請求項15記載の評価システムの使用方法。
  17. 予測は臨床治療効果の発現前に計算されることを特徴とする請求項15記載の評価システムの使用方法。
  18. 神経学的症状の評価は最も有効な抗うつ剤治療の予測であることを特徴とする請求項8記載の評価システムの使用方法。
  19. 神経学的症状の評価システムの使用方法であって、
    1つ、または複数の電極により得られた生体電位信号からプロセッサによってK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出すステップと、
    前記プロセッサによって該K次スペクトル値から少なくとも1つの神経学的症状の特徴を導き出すステップと、
    を含んで成ることを特徴とする評価システムの使用方法。
  20. 検定精度を向上させるために比較検定手法が活用されることを特徴とする請求項19記載の評価システムの使用方法。
  21. 制御された薬剤分量を投与するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項19記載の評価システムの使用方法。
  22. 神経学的症状の評価システムの使用方法であって、
    1つ、または複数の電極により被験者から得られた生体電位信号からプロセッサによってK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出すステップと、
    前記プロセッサによって該K次スペクトル値から特定の治療的介入効果の予測値を導き出すステップと、
    を含んで成ることを特徴とする評価システムの使用方法。
  23. 神経学的症状を評価するシステムであって、
    生体電位信号を取得するための1つ、または複数の電極と、
    該生体電位信号からK次スペクトル値(Kは2以上の整数)を導き出し、該K次スペクトル値から特定の治療的介入効果の予測値を導き出すプロセッサと、
    を含んで構成されていることを特徴とする評価システム。
  24. 神経学的症状の評価システムの使用方法であって、
    1つ、または複数の電極により被験者から得られた生体電位信号からプロセッサによってコーダンス値を導き出すステップと、
    前記プロセッサによって該コーダンス値から神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴を導き出すステップと、
    を含んで成ることを特徴とする評価システムの使用方法。
  25. 神経学的症状を評価するシステムであって、
    生体電位信号を取得するための1つ、または複数の電極と、
    該生体電位信号からコーダンス値を導き出し、該コーダンス値から神経学的症状を表す少なくとも1つの特徴を導き出すプロセッサと、
    を含んで構成されていることを特徴とする評価システム。
  26. 神経学的症状を評価するシステムであって、
    生体電位信号を取得するための1つ、または複数の電極と、
    該生体電位信号から特定の治療的介入効果の予測を表す少なくとも1つの特徴を導き出すプロセッサと、
    を含んで構成されていることを特徴とする評価システム。
  27. 神経学的症状の評価システムの使用方法であって、
    1つ、または複数の電極により被験者から得られた生体電位信号からプロセッサによって特定の治療的介入効果の予測を表す少なくとも1つの特徴を導き出すステップと、
    を含んで成ることを特徴とする評価システムの使用方法。
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