JP2005508314A - 副鼻腔炎の治療のためのエアゾール状鬱血除去薬 - Google Patents

副鼻腔炎の治療のためのエアゾール状鬱血除去薬 Download PDF

Info

Publication number
JP2005508314A
JP2005508314A JP2003524533A JP2003524533A JP2005508314A JP 2005508314 A JP2005508314 A JP 2005508314A JP 2003524533 A JP2003524533 A JP 2003524533A JP 2003524533 A JP2003524533 A JP 2003524533A JP 2005508314 A JP2005508314 A JP 2005508314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
sinusitis
nasal
agent
surface tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003524533A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005508314A5 (ja
Inventor
ロバート・エス・オズバッケン
メアリー・アン・ヘイル
フレデリック・ティ・レイボ
ジェイムズ・ディ・ムンク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Naryx Pharma Inc
Original Assignee
Naryx Pharma Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Naryx Pharma Inc filed Critical Naryx Pharma Inc
Publication of JP2005508314A publication Critical patent/JP2005508314A/ja
Publication of JP2005508314A5 publication Critical patent/JP2005508314A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M11/00Sprayers or atomisers specially adapted for therapeutic purposes
    • A61M11/06Sprayers or atomisers specially adapted for therapeutic purposes of the injector type
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0043Nose
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/007Pulmonary tract; Aromatherapy
    • A61K9/0073Sprays or powders for inhalation; Aerolised or nebulised preparations generated by other means than thermal energy
    • A61K9/0078Sprays or powders for inhalation; Aerolised or nebulised preparations generated by other means than thermal energy for inhalation via a nebulizer such as a jet nebulizer, ultrasonic nebulizer, e.g. in the form of aqueous drug solutions or dispersions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/02Nasal agents, e.g. decongestants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/16Otologicals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/10Antimycotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

医薬組成物は界面活性剤ならびに、抗感染薬、抗炎症薬、粘液溶解薬、抗ヒスタミン薬、殺菌薬、抗生物質の組合せ、およびこれら薬剤の組合せから選択される1以上の有効成分を含む。これらの薬剤は慢性副鼻腔炎または鼻ポリープを治療するためにエアゾール投与用に調剤される。

Description

【0001】
「副鼻腔炎の治療のためのエアゾール状抗感染薬、抗炎症薬および鬱血除去薬」と題された2001年8月31日出願の米国出願番号09/942,959の優先権に利益を主張するものである。認められた場合には、本願の主題は出典明示によりその全開示内容が本明細書の一部とされる。
【0002】
本発明は、抗感染薬、抗炎症薬、粘液溶解薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鬱血除去薬、抗コリン作用薬、および殺菌薬からなる群から選択される1以上の有効成分を含む医薬組成物、特に慢性副鼻腔炎を治療するためのエアゾール投与用の単位用量または複数用量バイアル中に、例えば溶液、懸濁液またはエマルションなどの液体に調剤した組成物に関する。
【0003】
頭蓋には洞と呼ばれる空気で満たされた腔がいくつかある(Stedman's Medical Dictionary, 27th Edition, page 1644, (1999), Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, Maryland)。副鼻腔と呼ばれる四対の洞は外鼻孔から鼻にかけての空間(鼻道として知られている)とつながっている。これら四対の副鼻腔は前頭洞、上顎洞、篩骨洞、および蝶形洞である。これらはそれぞれ前頭、頬骨の後ろ側、眼の間、および眼の後ろ側に位置している。これらの洞の内膜は粘液を分泌し、各洞の小さなチャネルから鼻道へ排出される。健康な洞は無菌状態であって細菌は含まれていない。これに対し、鼻道は通常人間の呼気として鼻孔に入ってくる細菌を多く含む。
【0004】
健康な洞を維持する上で多くの因子および/またはプロセスが関与している。内膜により分泌される粘液は、流動性があってなお汚染物質を吸着したり細菌を捕捉したりするために粘着性があるが流体でなければならない。この粘液はまた抗体など、細菌に対抗する十分な量の物質を含んでいなければならない。さらに、鼻孔に存在する絨毛と呼ばれる、毛のような小さな突起は、細菌およびその他の粒子を排出するために粘液を外側へ送り出すように同調して波打たなければならない。また、粘膜自体も無傷な状態でなければならず、鼻道を通る空気の排出および循環が可能なように洞の通路が開放されていなければならない。これらのプロセスまたは因子の1以上が不適当であって洞の通路に閉塞が起こると、副鼻腔炎と呼ばれる感染症が起こる。
【0005】
副鼻腔炎とは、1以上の副鼻腔の内膜の炎症である。副鼻腔炎には、急性、再発急性および慢性の3つの異なるタイプがある。例として、急性細菌性副鼻腔炎は3週間未満の持続、または年に4回未満の発症を特徴とし、抗生物質を用いて問題なく治療でき、副鼻腔組織の内面には傷害が残らない。再発急性副鼻腔炎はもっと頻繁に起こるが、それほど傷害は残らない。慢性副鼻腔炎は3週間を超えて持続し、何ヶ月か続くことが多い。慢性副鼻腔炎の場合には通常、組織傷害がある。米国疾病管理センター(CDC)によれば、年間3千7百万件の慢性副鼻腔炎が報告されている。
【0006】
副鼻腔炎の原因
副鼻腔炎の最も多い原因は上気道に感染して閉塞を起こすウイルス性の風邪またはインフルエンザである。閉塞は急性副鼻腔炎の主因である細菌にとって格好の環境を作り出す(Etkins et al., 1999 Nidus Information Services, Inc. Well-Connected Report: Sinusitis. June 1999. (Online) www.well-connected.com.)。急性副鼻腔炎で最もよく見られる細菌は肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌(pneumococcal pneumonia)または肺炎双球菌(pneumococci)とも呼ばれる)、インフルエンザ菌(H. influenzae)(幼児の多くの呼吸器感染症に関連する一般的な細菌)、およびモラクセラ菌(またはカタル球菌(Branhamella catarrhalis)である。あまり一般的ではない細菌病原体として、シュードモナス属、および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)をはじめとするその他の連鎖球菌が挙げられる。
【0007】
糸状菌もまれではあるが副鼻腔炎の原因となるが、その罹患率はふえつつある。アスペルギルス属(Aspergillus)が真菌性副鼻腔炎の一般的な原因となる。他にはCurvularia、Bipolaris、Exserohilum、およびMucormycosisがある。真菌感染は極めて重篤となる場合があり、糖尿病、白血病、エイズまたはその他免疫系を損なう症状も有する副鼻腔炎患者を疑ってみるべきである。また、真菌感染症は免疫系が健康な患者でも起こりうる。生物的害虫防除に用いられるMetarrhizium anisopliaeによって起こる真菌性副鼻腔炎について数件の報告がある。
【0008】
慢性または再発急性副鼻腔炎は終生の症状となる場合があり、粘膜に傷害を起こす未処置の急性副鼻腔炎、慢性的な肥厚鬱血性粘膜をもたらす医学的疾患、あるいはポリープ、肥大アデノイド、口蓋裂または腫瘍などの鼻道の異常を原因としうる。急性副鼻腔炎を起こすものと同じ生物が慢性副鼻腔炎でも存在する場合が多い。さらに、慢性副鼻腔炎の症例の約20%(Etkins et al., 1999, 同書)が黄色ブドウ球菌により起こる(一般にStaph感染と呼ばれる)。慢性副鼻腔炎症例の培養物の88%で、これらの細菌とともに、ある嫌気性菌、特にペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、フゾバクテリウム属(Fusobacterium)、およびプレボテラ属(Prevotella)が見られる(Etkins et al., 1999, 同書)。真菌類もまた慢性および再発性副鼻腔炎の原因となりうる。非一般型の慢性および高再発性副鼻腔炎は副鼻腔内で増殖する真菌、通常にはアスペルギルスに対するアレルギー反応によって引き起こされる。真菌性副鼻腔炎は通常、免疫系が健康な若年層で起こり、温暖な気候で見られることが多い。
【0009】
副鼻腔炎の症候
急性副鼻腔炎においてほぼ常に存在する症候として、鼻の鬱血と、通常濃度の高い、黄色から黄緑の膿を含む鼻汁がある。重度の頭痛を伴い、顔面痛がある。特に一日中、持続性の咳がある。その他の上気道症候や発熱もある場合がある。まれではあるがくしゃみ、喉の痛み、筋肉痛や疲労が副鼻腔炎自体から起こることもあるが、これらは発熱からくる筋肉痛、後鼻漏からくる喉の痛み、また、アレルギーからくるくしゃみといったように症候または原因によるものでありうる。
【0010】
再発急性および慢性副鼻腔炎の症候ははっきりとせず、全身性で、8週間を超えて持続し、アレルギーの季節でなくとも年中起こる傾向がある。鼻の鬱血と鼻づまりが一般的である。黄色がかった鼻汁、慢性の咳、口臭および後鼻漏が起こることがある。前頭洞の感染(感覚が鈍くなり、痛みが持続する)がなければ、感染者は通常顔面痛を受けない。しかし、顔面の圧痛(tenderness or pressure)を伴うことがある。
【0011】
部位特異的な症候は感染の場所によって異なる。前頭洞副鼻腔炎は前頭下部の痛みを生じる。上顎洞副鼻腔炎は頬の痛みを生じ、歯に移ることもあり、口腔の硬口蓋が腫れることもある。篩骨洞副鼻腔炎は眼の奥の痛みを生じ、鼻の頂部の領域の赤味や圧痛が起こることがある。蝶形洞副鼻腔炎はまれではあるがそれ自体で起こる。これが起これば、眼の奥、前頭または顔面が痛くなることがある。まれではあるが副鼻腔炎の合併症がさらなる症候を起こし、重篤となったり、命を脅かしさえする場合がある。
【0012】
副鼻腔炎の治療
副鼻腔炎の治療の主目的は腫れの軽減、感染の根絶、副鼻腔の排出、副鼻腔の開放の確保である。副鼻腔炎の症候をうったえている患者で積極的な治療が必要なのは半数に満たず、家庭療法や鬱血除去薬だけで治癒できる。不快感を緩和するには、蒸気吸入や温湿布を副鼻腔に当てることで十分な場合が多い。多くの市販の鬱血除去薬が、薬剤を鼻の組織に直接接触させる錠剤、スプレー剤、点鼻剤または吸入剤として利用できる。
【0013】
鬱血除去薬で症候の緩和ができない場合、または感染の徴候(黄色がかった鼻汁など)をはじめとする他の問題がある場合には抗生物質を処方する。それらは合併症を予防し、症候を緩和し、慢性副鼻腔炎のリスクを軽減する。細菌によって引き起こされた副鼻腔炎を有する患者のほとんどは鼻腔または口腔鬱血除去薬と抗生物質を併用して首尾よく治療できる。
【0014】
抗生物質の長期投与の後でもいくつかの症候は持続するので、慢性副鼻腔炎の治療の成功は難しい場合が多い。慢性副鼻腔炎の治療における抗生物質の有効性は疑わしい。慢性副鼻腔炎の炎症を治療するには一般にステロイド系鼻用スプレーが用いられる。重篤な慢性副鼻腔炎を有する患者では、医師はプレドニソンなどのステロイドを処方する場合がある。経口ステロイドには重大な副作用がある可能性があり、他の薬剤が効果的でない場合にもみ処方される。
【0015】
医学的治療でうまくいかない場合には、外科術が慢性副鼻腔炎の治療における唯一の選択肢となる。研究では、外科術を受けたほとんどの患者の症候が少なくなり、生活が向上した。現在のところ行われている最も一般的な外科術は機能的副鼻腔内視鏡術であり、罹患組織および肥厚組織を副鼻腔から取り除いて排出させる。この種の外科術は従来の副鼻腔術よりも侵襲性が少なく、重大な合併症が起こりにくい。
【0016】
治療の懸念点および問題点
スプレー剤、点鼻剤または吸入剤は即効性があるが、何回も投与する必要がある場合が多い。鼻用鬱血除去薬は患部や傷害組織を乾燥させる。長期使用すると、鼻用鬱血除去薬は効果が無くなる。その後は1時間に1回といったように使用頻度が増える傾向にある。3〜5日多用した後に薬剤を断つと、それ自体で副鼻腔炎の症候が現れ、リバウンド作用として知られる鼻の鬱血現象のぶり返しが起こる。短時間作用の鼻用鬱血除去薬でも、わずか8時間後リバウンド作用が起こることもある。リバウンド作用は、患者がそのリバウンド作用を治療するために鬱血除去薬を用いると依存性をもたらし、その薬剤は効果が無くなり、患者には禁断症状が現れ、症状が再びリバウンドし、鼻道は腫れ、炎症が起きてくる。結局、症状は薬剤投与前よりも悪くなることがある。こういったリスクのため、鼻用鬱血除去薬は一般に奨励されるのはせいぜい1〜3日の使用である。
【0017】
いくつかの経口鬱血除去薬は身体の他の臓器の収縮を引き起こすことがあり、高血圧症の人では一時的に血圧が上昇する。経口鬱血除去薬のその他の副作用としては、不眠症、興奮、異常心拍(特に、心臓に問題がある人)、および前立腺肥大の男性の尿閉が挙げられる。鬱血除去薬スプレーや滴剤でも身体に吸収され、これらの副作用を引き起こすことがある。
【0018】
ほぼ全ての抗生物質についての最も多い副作用は胃腸障害である。また、抗生物質は女性の膣感染のリスクを倍増させる。いくつかの市販薬を含む特定の薬剤は抗生物質と相互作用し、全ての抗生物質が、いくつかの症例で重篤となりうるアレルギー反応のリスクを有する。従って、患者は主治医に服用している全薬剤および薬物アレルギーに関する情報を伝えなければならない。
【0019】
経口抗生物質は通常7〜10日間処方される。患者は処方された全ての錠剤を服用しなければならず、そうしないと再感染、また、抗生物質耐性菌の発達のリスクが高くなる。しかし、抗生物質の処置後であっても、10%〜25%の患者がなお症候を訴えるということに留意しなければならない。
【0020】
医師や一般の主な懸案点は、頻繁にそれに曝されることによる汎用抗生物質に耐性となった細菌株の出現である。平均的な人はこの問題の危険にまだ曝されていないということに留意すべきである。このリスクは病院や診療所において最も大きいが、まだ高いものではない。そうはいってもやはり、このような抗生物質耐性菌の罹患率は世界的に劇的に高まってきており、注意しなければならない。
【0021】
噴霧療法
噴霧法は嚢胞性繊維症に関連する肺感染の常用療法であるが、これは感染部位に局所的に抗生物質を送達し、抗生物質の全身吸収がほとんどないため、比較的容易かつ安全に使用できるからである。噴霧法は副鼻腔感染や、気管支拡張症に関連する肺感染にも用いられていることが知られている。よって、全身性の副作用は少ない。
【0022】
副鼻腔炎の治療のためのエアゾール小粒子
Yokota et al., Japanese Journal of Antibiotics 609(15):48 (1995)は、副鼻腔炎患者の治療のための、ネブライザーを用いたセフメノキシムの投与を報告している。これらの筆者らは副鼻腔炎患者からの臨床単離物に対してセフメノキシムを評価し、ネブライザーとともに1%溶液を用いた際に最小阻害濃度が小さくなることを見出した。この論文では、セフメノキシムネブライザー療法により、このような最小阻害濃度を超える十分な濃度が得られるものと推測している。
【0023】
Guevara et al., Anales O.R.L. Iber.-Amer. XVIII, 3:231-238 (1991)は、慢性副鼻腔炎に罹患している患者を治療するためのエアゾール療法を記載している。開示されているエアゾール療法は、全部で15日間、8時間おきに15〜20間、エアジェットネブライザーを用いて、500mgのセフォタキシム、5mgのメチルプレドニソロン、および1.5mlのN-アセチルシステインを含む治療組成物を送達することを含む。エアジェットネブライザーは平均4ミクロンの空気動力学的粒径を生じる。Guevara et al.は96%という成功率を報告している。しかし、Guevara et al.は副鼻腔における抗生物質の定着、浸透および保持を助けるための界面活性剤の添加は開示していない。
【0024】
Kondo et al., Acta Otolaryngol. Suppl. 525:64-67 (1996)は、ホスホマイシン(FOM)エアゾールを用いた副鼻腔炎の治療を報告している。Kondo et al.はジェット型ネブライザーまたは超音波ネブライザーのいずれかを用いた3% FOM溶液4mlの送達を記載している。ジェット型ネブライザーは直径約0.5〜0.7μmのエアゾール粒子を生じるが、超音波型ネブライザーは直径約2〜4μmの粒子を生じる。Kondo et al.の結果は、超音波型ネブライザーは上顎洞の表面に高濃度のFOMを送達することから、副鼻腔炎の治療においてジェット型ネブライザーよりも効果的であることを示している。Kondo et al.は上顎洞により高いレベルの抗生物質を定着させるのに好ましいエアゾール粒径は直径約2〜4μmであることを示唆しているが、Kondo et al.は副鼻腔におけるFOMの定着をさらに高めることを目的とした投与計画またはFOM溶液への界面活性剤の添加は開示していない。
【0025】
肺治療のためのエアゾール小粒子
Smith et al., 米国特許第5,508,269号は、気管支内感染に苦しむ患者を治療することを目的としたアミノグリコシドエアゾール製剤の使用を開示している。Smith et al.は、粒径1〜5μmのエアゾール粒子を生じるジェット型または超音波ネブライザーを用いたアミノグリコシド製剤の送達を記載している。この製剤は0.225%塩化ナトリウムを含有する約5mlの溶液に溶解させた200〜400mgのアミノグリコシドを含み、pHは5.5〜6.5の間である。Smithは気管支内感染の治療を目的とした、ネブライザーを用いた気管支内空間へのアミノグリコシドの送達を教示しているが、Smithは副鼻腔炎の治療を目的としたエアゾール製剤は教示しておらず、治療計画も開示していない。また、Smith et al.に開示されているエアゾール粒径は広範囲であることにも注意を要する。1〜5μmのエアゾール粒子の画分が副鼻腔に定着し、そのエアゾール粒子画分の直径が全て1μm、2μmなどであるとは考えがたい。
【0026】
Rubin et al., 米国特許第5,925,334号は肺気道洗浄を促進するためのエアゾール界面活性剤の使用を記載している。Rubin et al.の方法は気管支炎または嚢胞性繊維症に罹患している患者に、連続14日間、1日3回、15分間、PARI LC Jet ネブライザーを用いて、界面活性剤を含む製剤を投与することを含んでいる。しかし、Rubinは副鼻腔炎を治療するためのエアゾール抗生物質またはエアゾール抗生物質と界面活性剤との組合せの使用は教示していない。
【0027】
Schmitt et al., 米国特許第4,950,477号は、エアゾールポリエンを用いて真菌類による肺感染を予防および治療する方法を教示している。この方法はアスペルギルスによる肺感染に苦しむ患者に、約0.01mg/kg〜6.0mg/kgのポリエンを空気動力学的径が約0.5μm〜約8μmの粒子のエアゾール状で投与することを含む。Schmitt et al.は特にアムホテリシンBの投与を開示している。Schmitt et al.は肺感染の治療のためのエアゾールポリエンを開示しているが、Schmitt et al.は副鼻腔炎を治療するためにエアゾールポリエンを用いる指針は示していない。
【0028】
O'Riordan et al., Journal of Aerosol Medicine, 20(1):13-23 (1997)は、肺に対するエアゾールトブラマイシンの送達におけるネブライザー構造の効果を報告している。O'Riordan et al.は、1.45〜4.3μmのエアゾール粒子を送り出す超音波ネブライザーまたは約1.25μmのエアゾール粒子を送り出すジェットネブライザーのいずれかを用いたトブラマイシンの送達を開示している。O'Riordan et al.の結果はネブライザーの構造が吸入されるエアゾールトブラマイシンの量ならびに粒径の双方に影響を及ぼすことを示している。特に、大きな粒子を生じるネブライザーは配管や接続部にかなり沈着しやすい。O'Riordan et al.は、ネブライザーの構造は治療プロトコールにおいて特定することを奨励している。
【0029】
大粒子のエアゾール化
上記に述べた参照文献に対し、Negley et al., ENT Jounal, 78(8):550-554 (1999)およびDesrosiers et al., (ENT Academy Meeting, May 1999にて発表)は副鼻腔炎の治療のための大粒子噴霧療法を教示している。Negleyは、副鼻腔への薬剤の定着は、エアゾール粒子が16〜25μmの大きさであるときに最良となるとの所見を得ている。Desrosiers et al.は、難治性副鼻腔炎の治療において大粒子生理食塩水エアゾール療法のみで効果があり、この生理食塩水にトブラマイシンを添加しても最小限の利益しかなかったことを報告している。
【0030】
上記に述べた雑誌論文および特許は副鼻腔炎の治療のための種々のエアゾール療法を教示している。しかし、エアゾール粒子の最適粒径または粒径分布、あるいは副鼻腔炎の治療において抗生物質が有効かどうかさえも、種々の筆者の間で一致をみていない。必要とされているのは、臨床上有効な副鼻腔炎の抗感染治療プロトコール、より適切な治療計画、そして慢性副鼻腔炎の良好かつ一貫した治療のために副鼻腔にエアゾール抗感染粒子を定着させることを目的とした適切なネブライザー構造である。
【0031】
抗ロイコトリエン薬
ロイコトリエンは炎症応答において重要な役割を果たし、多くの異なる炎症性病態の発生に関与している。ロイコトリエンは好酸球およびマスト細胞をはじめとする炎症性細胞から産生および放出される。炎症性細胞からのロイコトリエンの放出は気管支収縮、粘液分泌、および血管透過性を誘導する(Dahlen et al., Nature, 288:484-486 (1980); Smith et al., Am Rev Respir Dis, 131:368-372 (1985); Adelroth et al., N Engl J Med., 315:480-484 (1986))。
【0032】
ロイコトリエン類は共通の前駆体ロイコトリエンA4(LTA4)から誘導される。これは、アラキドン酸(AA)に対する5-リポキシゲナーゼ(5-LO)の作用によりヒドロキシペルオキシエイコサトリエン酸(5-HPETE)が合成される中間ステップの後にのみ生じる。よって、5-LO経路を遮断するための抗ロイコトリエン薬の使用は、炎症プロセスに関与するロイコトリエンの産生を阻害する1つの可能性のある方法である(Bell et al., Journal of Lipid Mediators, 6:259-264 (1993); R. M. McMillan et al., Trends Pharmacy. Sci., 13:323-330 (1992))。ロイコトリエンを阻害するもう1つの方法として、ロイコトリエンレセプターアンタゴニストである抗ロイコトリエン薬の使用がある。
【0033】
レセプターレベルでロイコトリエンを遮断する抗ロイコトリエン薬は、慢性軽度〜中度喘息の治療では比較的安全かつ効果的であることが示されている。モンテルカストナトリウム(Singulair(登録商標))はこのような抗ロイコトリエン薬の一例である。これは強力で特異的な経口ロイコトリエンD4-レセプターアゴニスト(システイニルロイコトリエン[CysLT1]-レセプターアンタゴニスト)であり、最近、6歳以上の患者の慢性喘息の治療のために認可されたものである(Reiss et al., Arch Intern Med., 158: 1213-1220 (1998); Reiss et al., Am J Respir Crit Care Med., 15 5:A662 (1997); Reiss et al., Am J Respir Crit Care Med., 151:A378 (1995); Reiss et al., Eur Respir J., 19(suppl):289S (1995))。
【0034】
Lane, S.J. (Respiratory Medicine, 92:795 (1998))は、喘息および副鼻腔炎におけるロイコトリエンの拮抗作用を総説している。Laneによれば、ロイコトリエンは気管支喘息の病因に関与しており、アレルギー性鼻炎の炎症に寄与していることが示されている。さらに、ロイコトリエンの阻害は、これらの病態の改善に関連していることも示されている。Laneは、ジロートン(5-リポキシゲナーゼ阻害剤)、ザフィルルカスト、モンテルカスト、およびプランルカスト(3つは全てレセプターレベルでのロイコトリエンの阻害剤)など、5-LO経路に活性のある薬剤は、これら薬剤の効力が確立されていることから、喘息および副鼻腔炎の双方の治療の代替法となる可能性があるとしている。しかし、Laneは副鼻腔炎の治療のためのエアゾールロイコトリエン組成物は教示していない。
【0035】
抗ヒスタミン薬
ロイコトリエンとは対照的に、 ヒスタミン(His)は炎症メディエーターではないが、炎症プロセスの確立の際の生理学的変化に関与する。ヒスタミンはマスト細胞および好塩基球に貯蔵され、血管拡張を起こす特定の刺激に応答してこれらの細胞により放出される。この拡張には血圧の低下と血管壁の透過性の上昇を伴うことから、体液が周辺組織へ漏出する。この反応は血液の全般的な枯渇をもたらすことがあり、ヒスタミン中毒またはヒスタミンショックとして知られる症状が起こる。ヒスタミンが放出され、身体組織の腫脹を招くアレルギー反応はヒスタミン中毒と類似性を示す。このヒスタミンの放出はまた、喘息発作の際の呼吸困難の原因の一部である可能性がある。
【0036】
1930年代、パリで研究活動を行っていたイタリアの薬理学者Daniel Bovet (1907-1992)は、モルモットにおいて、特定の化学物質がヒスタミンの作用を打ち消すことを発見した。しかし、最初の抗ヒスタミン薬は毒性が強すぎてヒトに使用することができなかった。1942年までにそれらはアレルギーの治療に用いられるよう改良された。
【0037】
現在、25種を超える抗ヒスタミン薬が利用できる("Histamine," Microsoft(登録商標) Encarta(登録商標) Online Encyclopedia 2000 http://encarta.msn.com(登録商標) 1997-2000 Microsoft Corporation. 全ての権利が保有されている)。それらは次のようなクラスに分類される。
1. エタノールアミン類:塩酸ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、カルビノキサミン、蟻酸クレマスチン、塩酸ブロモジフェンヒドラミン
2. エチレンジアミン類:塩酸トリペレナミン、マレイン酸ピリラミン、酢酸アンタゾリン、メタピリリン
3. アルキルアミン類:マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、マレイン酸デクスクロルフェニラミン、マレイン酸ジメチンデン、塩酸トリプロリジン、マレイン酸フェニラミン
4. ピペラジン類:塩酸または乳酸シクリジン、塩酸メクリジン、塩酸ヒドロキシジン、パモ酸ヒドロキシジン、ブクリジン、クロルシクリジン
5. フェノチアジン類:塩酸プロメタジン、メトジラジン、酒石酸トリメプラジン
6.その他:シプロヘプタジン、ケトチフェン、マレイン酸アザタジン、テルフェナジン、フェキソフェナジン、アステミゾール
【0038】
抗ヒスタミン薬は鬱血、痒みおよび鼻汁などの鼻のアレルギー症状;痒み、炎症、涙、透明な排出物などの眼の症状;発疹、湿疹、痒みおよびいくらかの皮疹などの皮膚の症状;およびその他のアレルギー症状を治癒するわけではないが、緩和を助ける。抗ヒスタミン薬は風邪に付随するアレルギー症状を緩和し、風邪の分泌物を乾燥させる抗コリン作用を有しうるが、風邪の原因であるウイルス感染に対して何ら影響を持たない("Antihistamnine," Microsoft(登録商標) Encarta(登録商標) Online Encyclopedia 2000 http://encarta.msn.com(登録商標) 1997-2000 Microsoft Corporation. 全ての権利が保有されている)。
【0039】
治療用としての抗ヒスタミン薬の医薬組成物は当業者に周知である。Wenig et al., 米国特許第4,749,700号は、必要な患者に液体スプレー剤または点鼻剤によって鼻へ投与するための、抗ヒスタミン薬、制吐薬および鎮吐剤を含む組成物を開示している。鼻への送達は、経口、皮下、筋肉内、または坐剤による方法などの投与に比べ、高いバイオアベラビリティーを提供し、血管間の変動を最小にし、作用の発現がより迅速であり、用量を少なくする。Wenig et al.は副鼻腔炎をはじめとする種々の症状を治療するための抗ヒスタミン薬の使用を述べているが、Wenig et al.は鼻用スプレー剤に効果的な粒径や送達のために界面活性剤を含めることには触れていない。
【0040】
Gordziel et al., 米国特許第6,037,358号は、風邪、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、および上気道症状に関連した鼻感冒の対症的緩和のための抗ヒスタミン薬であるタンニン酸組成物を開示している。しかし、Gordziel et al.は鼻への送達用のタンニン酸組成物のエアゾール化については教示していない。また、Gordziel et al.は副鼻腔へ効果的に送達するための、界面活性剤を含んだ具体的な製剤やエアゾール粒子の大きさについても教示していない。
【0041】
ヒスタミン1型(H1)-レセプターアンタゴニストは鼻炎などのアレルギー疾患の治療に幅広く用いられている。ロラチジン(クラリチン(登録商標))は著しい鎮静または抗コリン作用性のない選択的H1-レセプターアンタゴニストである。in vitroにおいて、ロラチジンはロイコトリエンC4の合成を阻害する。in vivoにおいては、ヒスタミンの放出を阻害し、血液や痰の好酸球数を減らすことが示されている(Reicin et al., Arch Intern Med., 160:2481 (2000))。
【0042】
Braun et al. (Allergy, 52(6):650 (1997)は、急性副鼻腔炎の標準的な治療に通常H1遮断薬が加えられていることを示し、急性副鼻腔炎の治療のためのロラチジンを用いた研究を記載している。Braun et al.はロラチジンを施した患者がプラシーボを施した患者に比べて著しく改善されたこと、また、標準的な治療に加えてロラチジンを用いると副鼻腔炎のいくつかの症候の管理が改善されたことを報告している。この先行技術はロラチジンを用いた副鼻腔炎の治療を開示しているが、Braun et al.は副鼻腔炎に罹患している患者に送達するための具体的な粒径のエアゾールロラチジンを示していない。
【0043】
殺菌薬
殺菌薬の例としては、限定されるものではないが、ヨウ素、酢酸クロルヘキシジン、次亜塩素酸ナトリウム、および水酸化カルシウムが挙げられる。
【0044】
ヨウ素は感染を阻害するために殺菌薬として局所的に用いられている。ヨウ素は殺菌性、殺真菌性および殺ウイルス性を有する広域抗菌剤である。
【0045】
米国特許第4,355,021号は、実質的に乾燥した、ヨウ素およびヨウ素を保持する手段を含む含浸ワイプを開示している。ヨウ素はこのワイプにワイプの約1重量%〜約15重量%の量、殺ウイルス活性を示すに十分な量で存在する。ヨウ素はフェイシャルティッシュ中、約2%〜約5%の量で存在するのが好ましい。
【0046】
米国特許第5,897,872号は、ヨウ素を含有する鼻用モイスチュアライジング溶液を開示している。ヨウ素含有鼻用モイスチュアライザー溶液は副鼻腔炎、副鼻腔鬱血、急性または慢性副鼻腔炎、ウイルス鼻咽頭炎、アレルギー性鼻炎、吸入性アレルギー、および鼻の鬱血に伴う関連症状の予防および/または治療に有用である。このヨウ素含有鼻用モイスチャライジング生理食塩水は点鼻剤または鼻用スプレー剤を用いることで鼻の粘膜に適用することができる。この特許は鼻用スプレー剤によってヨウ素を含有する鼻用モイスチュアライジング溶液を送達することによる副鼻腔炎の治療を開示しているが、この特許は溶液の表面張力を例えば10〜70ダイン/cmの間に調節することは教示していない。さらに、この特許は50%空気動力学的粒径が約1.0〜4.0ミクロンであるエアゾール粒子を教示するものではない。
【0047】
Waltimo et al. Int Endod J., 32:421 (1999)は、in vitroにおいてカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)を死滅させるためのヨウ素ヨウ化カリウムの使用を記載している。カンジダ・アルビカンスは副鼻腔炎を生じることが知られている真菌類生物である。Waltimo et al.は、ヨウ素ヨウ化カリウムはカンジダ・アルビカンスに対して水酸化カルシウムよりも効果が高いと報告している。しかし、この参照文献は副鼻腔炎と診断された患者のヨウ素ヨウ化カリウムを用いた治療を教示するものではない。
【0048】
抗生物質の組合せ
βラクタム系抗生物質、マクロライド系、キノロン系およびバンコマイシンなどの多くの抗微生物薬に対する耐性菌の出現が主要な世界的衛生問題となりつつある(Cohen, M. L., Trends Microbiol., 2:422-425 (1994))。実際の臨床上で最も大きな問題は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)株の単離が増えていることである。米国では、1990年代のはじめまでに、the National Nosocomial Infections Surveillance (NNIS)制度に報告された全黄色ブドウ球院内単離物の20〜40%にMRSAが検出され、これはまた長期介護施設における主要な問題でもある。βラクタム系抗生物質耐性の他、多剤耐性MRSAはマクロライド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系、およびフルオロキノロン系に対しても耐性がある。現時点では、多剤耐性MRSA感染に対する唯一の有効な治療薬がバンコマイシンである。しかし、最近、いくつかのMRSA単離物に対するバンコマイシンの最小阻害濃度(MIC)が高まってきており、標準量のバンコマシンが重篤な感染症に有効ではないかもしれないという状況に至っている(Major Unmet Needs in Bacterial Infection Therapy. Infectious Disease, A Pharmacor Service, August, 1992.)。
【0049】
当然のことながら、多くの研究で同時投与した抗生物質の、互いに対して発揮される、また、種々の病原微生物に対して発揮される相互作用が検討されてきた。研究者らが行った研究は、同時投与した抗生物質の作用が相乗作用または拮抗作用のいずれかであることを示している。相乗作用の場合、抗生物質の組合せは、2以上の薬剤の組合せの純粋な相加作用の結果として推定できるものよりも、著しい活性の高まりを示す。量的相乗作用と質的相乗作用の双方が認められている。
【0050】
この複数の抗生物質耐性生物による感染の治療は、まさに多くの臨床医がこれまでに相乗作用的抗生物質の組合せの利用によって求めていた試みに相当する。相乗作用的抗生物質の組合せの使用は、そうでない場合に可能なものよりも低い用量レベルで、より難しい感染症の治療を可能とし、それにより毒性合併症の確率、治療期間、そしておそらくは治療コストを引き下げる。
【0051】
副鼻腔炎の治療のために医師によりアモキシシリンとクラブラン酸カリウムの組合せが用いられている。Seggev et al., Arch Otolaryngol Head Neck Surg, 124:921 (1998)は、急性細菌性上顎洞副鼻腔炎患者の治療のためにアモキシシリンとクラブラン酸カリウムの組合せを12時間毎に経口投与した場合と8時間毎に(経口)投与した場合の安全性と効力を比較している。この研究では、急性細菌性上顎洞副鼻腔炎の治療に関して、12時間毎に投与したアモキシシリンとクラブラン酸が8時間毎に投与した場合と同等の有効性および安全性であることが示されている。しかし、Seggev et al.は副鼻腔炎患者に対する抗生物質の組合せのエアゾール送達を教示してはいない。
【0052】
セフロキシムおよびゲンタマイシンは単独または別の薬剤と組み合わせて副鼻腔炎患者の治療に用いられている(Gurses et al. J Antimicrob Chemother, 38:547 (1996); Boner et al., Int J., Clin Pharmacol Ther Toxicol, 22:511 (1984); Koltai et al., Laryngoscope, 95:34 (1985))。Gurses et al. (1996)は、急性副鼻腔炎を罹患している5〜14歳の間の子供に対するセフロキシムの経口投与を報告している。Boner et al. (1984)は、子供の上顎洞副鼻腔炎の治療のためのセフロキシムとN-アセチル-システインの組合せの筋肉内投与を開示している。Koltai et al. (1985)は、慢性上顎洞副鼻腔炎患者の治療のためのコードウェル・リュク(Caldwell-Luc)手術と術後のゲンタマイシンの鼻内点滴注入の組合せを記載している。しかし、副鼻腔炎の治療のためのセフロキシムとゲンタマイシンの組合せのエアゾール送達は報告されていない。
【0053】
発明の概要
抗感染薬、抗炎症薬、粘液溶解薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鬱血除去薬、抗コリン作用薬、抗真菌薬、およびこれらの種の薬剤の組合せなどの1以上の有効成分を含む医薬組成物が提供される。一例としての医薬組成物は、抗ヒスタミン薬、マスト細胞安定剤、非抗生物質系抗菌薬、抗ロイコトリエン薬、抗ウイルス薬、殺菌薬、 非ステロイド系抗炎症薬、少なくとも2種の抗生物質の組合せ、鼻ポリープ治療薬、抗コリン作用薬およびそれらの組合せから選択される薬剤を含む。本明細書に開示される医薬組成物はまた界面活性剤を含んでもよい。これらの組成物は鼻投与用に調剤することができ、鼻腔における組成物の定着、浸透または保持に有効な表面張力を有するものでありうる。
【0054】
さらに、これらの医薬組成物は鼻腔を治療するための方法で使用できる。例えば、これらの組成物は副鼻腔炎、鼻ポリープまたは両者を有すると診断または予測される哺乳類において副鼻腔炎、鼻ポリープまたは両者を治療するために使用できる。これらの組成物は、例えば抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、またはアレルギーの治療のための当技術分野で公知の薬剤を含むアレルギーの治療のための薬剤を含みうる。
【0055】
本発明により意図される抗感染薬としては、限定されるものではないが、抗生物質、抗ウイルス薬、非抗生物質系抗微生物薬、および殺菌薬が挙げられる。
【0056】
本発明により意図される抗炎症薬としては、限定されるものではないが、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症薬、およびマスト細胞安定剤が挙げられる。本発明により意図される抗真菌薬としては、限定されるものではないが、アムホテリシンおよびアゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾール、およびフルコナゾールなど)が挙げられる。本発明によれば、抗生物質の組合せも意図される。
【0057】
このような組成物は、鼻腔へのエアゾール投与のための単位用量または複数用量バイアル中に、液体(溶液、懸濁液またはエマルションなど)、または希釈剤と混合して液体とすることができる粉末として調剤することが好ましい。このような製剤は、副鼻腔炎の治療におけるそれらの治療に関するラベルまたは挿入物またはその他の形態の説明書を添えてパッケージングされると考えられる。
【0058】
ある好ましい実施形態では、約1.0〜5.0ミクロンの範囲内の好ましい50%空気動力学的径を有するエアゾールを生じるためには、溶液または懸濁液の表面張力が約70ダイン/cm未満である。このようなエアゾールスプレーを使用すれば、最小限の全身性副作用しか示さない。約5.0ミクロンを超える粒子の最大数が約20%未満であるのが好ましい。
【0059】
ある製剤の表面張力は、それを好ましい範囲内とするために、有効成分の他に界面活性剤を加えることにより調節してもよい。より好ましくは、表面張力は約55ダイン/cm未満であり、いっそう好ましくは、表面張力は約50ダイン/cm未満であり、最も好ましくは、表面張力は約45ダイン/cm未満である。本発明によればさらに低い表面張力も考えられる。ある実施形態では、表面張力の好ましい範囲は約10〜40ダイン/cmの間である。もう1つの実施形態では、好ましい範囲は20〜40ダイン/cmの間である。最も好ましくは、表面張力は約30〜40ダイン/cmの間である。
【0060】
一般に、本発明の製剤は、pHが約3.0〜8.5の範囲であり、溶液または懸濁液の浸透圧が約150 mOsm/kg〜880 mOsm/kgの間であり、溶液または懸濁液に対するNaCl当量が約0.2% NaCl〜3.0% NaClの間であることが好ましい。
【0061】
好ましい抗感染薬としては、ペニシリン系、セファロスポリン系、マクロライド系、ケトライド系、スルホンアミド系、キノロン系、アミノグリコシド系、βラクタム系抗生物質、およびリネゾリドが挙げられる。好ましい非抗生物質系抗微生物薬としては、タウロリジンが挙げられる。好ましいステロイド系抗炎症薬としては、糖質コルチコイド類が挙げられる。好ましい非ステロイド系抗炎症薬としては、ジクロロフェナクが挙げられる。好ましいマスト細胞安定剤としては、クロモリンおよびネドクロミルナトリウムが挙げられる。好ましい粘液溶解薬としては、アセチルシステインおよびドルナーゼαが挙げられる。好ましい鬱血除去薬としては、フェニレフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン(oxyrnetazoline)、テトラヒドロゾリンおよびキシロメトアゾリンが挙げられる。好ましい抗ロイコトリエン薬としては、モンテルカストが挙げられる。好ましい抗ヒスタミン薬としては、ロラチジンが挙げられる。好ましい抗生物質の組合せとしては、セフロキシムとゲンタマイシンが挙げられる。好ましい殺菌薬としては、ヨウ素が挙げられる。好ましい抗コリン作用薬としては、イプラトロピウム、アトロピン、およびスコポラミンが挙げられる。好ましい抗真菌薬としては、アムホテリシンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、およびミコナゾールが挙げられる。
【0062】
好ましい薬剤の組合せとしては、限定されるものではないが、セフォペラゾン、オキシメタゾリンと鬱血除去薬、および臭化イプラトロピウム(ipratropiurn)とβメタゾンが挙げられる。
【0063】
本発明のある好ましい実施形態では、開示されたネブライザーディバイスを用いることで本発明の製剤の投与に有用な種々の装置および付属部品を備えたキットが記載される。
【0064】
本発明はまた、副鼻腔炎を有すると予測または診断される哺乳類を治療するために開示された医薬組成物を用いる方法も意図する。ある好ましい実施形態では、哺乳類はヒトである。
【0065】
好ましい投与プロトコールも記載する。
【0066】
図面の簡単な説明
図1は、医薬溶液または懸濁液のエアゾール送達のための好ましい装置を開示する。このPari Respiratory Equipment, Inc.製のこのネブライザーは副鼻腔用の本発明の溶液または懸濁液の効果的な投与のために望ましい粒径を作り出す。このネブライザーを使用するには、好ましくは、薬剤をネブライザーのAの位置に入れる。次に付属のチューブを用いてネブライザーをコンプレッサーまたはその他の動力源のBの位置に接続する。気流を開栓し、患者は鼻孔下にノーズピースCを当て、通常はネブライザーの中の薬剤溶液または懸濁液が放出し始めて、Cからミストが出てこなくなるまで息をする。
【0067】
発明の詳細な説明
I.概説
本発明は、鼻腔および副鼻腔へ薬剤を、これら薬剤の水溶液をエアゾール化することにより局所送達することに関する。本発明は、一つには、エアゾール化した抗感染粒子が、好ましい粒径で副鼻腔への定着するためには約1.0〜5.0ミクロンの50%空気動力学的粒径(MMAD)を有する場合に治療上驚くほど効果的であるという驚くべき知見に基づいている。本発明はこのような最適な大きさの抗感染薬またはその他の有効剤を副鼻腔へ送達するための装置を提供する。また本発明は、一つには、製剤への界面活性剤の添加が、抗感染約またはその他の有効成分の副鼻腔における定着、保持および浸透を高めるという知見に基づいている。本発明は、以下に詳細に述べるように治療計画および用量に関する指針を提供する。
【0068】
以下にさらに詳細に記載するように、患者による経鼻吸入のためのエアゾール雲を形成するために医薬製剤をエアゾール化/霧化する。このエアゾール雲は希釈剤と薬剤からなり、好ましくはMMADが約0.5〜10ミクロンの間、より好ましくは約1.0〜5.0ミクロンの間、最も好ましくは約2.0〜4.0ミクロンの間の液体エアゾール粒子を有する。許容される希釈剤としては例えば、水、生理食塩水、または水とアルコールの混合物が挙げられる。また、約5.0ミクロンを超える粒子の最大数が全粒子の約20%未満であるものも好ましい。
【0069】
粒子の大きさはレーザー回折、カスケードインパクション、または当業者に公知のその他の方法によって測定することができる。好ましくは本発明のエアゾール粒子はレーザー回折により測定される。
【0070】
本発明によりなされた驚くべき発見は、最適な結果を得るためには吸入用に調製される溶液または懸濁液の表面張力を調節する必要があったということである。副鼻腔内での薬剤の効果的な定着を得るには、界面活性剤によって調節されるエアゾール化のための溶液または懸濁液の表面張力が約70ダイン/cm未満、より好ましくは約55ダイン/cm未満、いっそう好ましくは約50ダイン/cm未満、最も好ましくは約45ダイン/cm未満であることが好ましい。これより低い表面張力も考えられる。ある実施形態では、好ましい表面張力は約10〜40ダイン/cmの間である。もう1つの実施形態では、好ましい表面張力は約20〜40ダイン/cmの間である。より好ましくは、表面張力は約30〜40ダイン/cmの間である。
【0071】
意図される医薬組成物は、抗感染薬、抗炎症薬、粘液溶解薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鬱血除去薬、抗コリン作用薬、抗真菌薬、およびこれらの種の薬剤の組合せなどの1以上の有効成分を含む。本発明により意図される抗感染薬としては、限定されるものではないが、抗生物質、抗ウイルス薬、非抗生物質系抗菌薬、および菌薬薬が挙げられる。本発明により意図される抗炎症薬としては、限定されるものではないが、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症薬、およびマスト細胞阻害剤が挙げられる。本発明により意図される抗真菌薬としては、限定されるものではないが、アムホテリシンB、およびアゾール系抗真菌薬が挙げられる。意図される抗生物質の例としては、限定されるものではないが、セフロキシム、シプロフロキサシン、トブラマイシン、セフォペラゾン、エリスロマイシン、およびゲンタマイシンが挙げられる。本発明の方法で用いられる適当な薬剤は表1に挙げられている。これらの薬剤は、鼻腔または副鼻腔内における感染の消散、炎症の軽減、または鬱血の軽減により副鼻腔炎、特に慢性副鼻腔炎を治療するために投与することができる。
【0072】
これらの組成物は鼻腔および副鼻腔へエアゾールを投与するための単位用量または複数用量バイアル中の液体(溶液、懸濁液、エマルションなど)へと調剤し、副鼻腔炎の治療におけるその使用の説明書を添えてパッケージングするのが理想的である。これらの組成物には希釈剤と混合して液体としうる粉末も含まれる。この目的に適当な組成物は、界面活性剤、NaClまたはその他の化学物質を用い、次のような特性を持つように投与用液体を調整することにより調剤する。
・表面張力は好ましくは約70ダイン/cm未満、より好ましくは約55ダイン/cm未満、いっそう好ましくは約50ダイン/cm未満、最も好ましくは約45ダイン/cm未満である。本発明ではそれより低い表面張力も考えられる。ある実施形態では、好ましい表面張力は約10〜40ダイン/cmの間である。もう1つの実施形態では、好ましい表面張力は約20〜40ダイン/cmの間である。より好ましくは、表面張力は約30〜40ダイン/cmの間である。
・浸透圧は約200 mOsm/kg〜880 mOsm/kgの間、より好ましくは約300 mOsm/kg〜700 mOsm/kgの間、最も好ましくは約400 mOsm/kg〜550 mOsm/kgの間である。
・溶液または懸濁液のNaCl当量は好ましくは約0.2% NaCl〜3.0% NaClの間、より好ましくは約0.45% NaCl〜1.8% NaClの間、最も好ましくは約0.9% NaCl〜1.7% NaClの間である。
・pHは好ましくは約3.0〜8.5の間であるが、用いる薬剤の特性に応じて変えられる。
【0073】
表1
【表1−1】
Figure 2005508314
【表1−2】
Figure 2005508314
【表1−3】
Figure 2005508314
【表1−4】
Figure 2005508314
【表1−5】
Figure 2005508314
【0074】
A. 表面張力:
本発明者らは、鼻腔および副鼻腔における製剤の最適な定着を得る上で表面張力、および、それより程度は低いが粒径が重要な要素であることを見出した。例えば、粒子が大きすぎると鼻腔内に定着はするが、副鼻腔には入りにくい。表面張力を低下させるとエアゾール化した粒子が接触面、すなわち鼻腔および洞腔に定着する機会が増える。これに対して、水と類似の範囲またはそれよりも高い表面張力を有する液体は、肺に定着するか大気中に吐き戻される可能性が高くなる。
【0075】
本発明の製剤を調整するためには、表面張力は環式張力計または既知の直径の毛細管を液体内に設置し、表面張力による毛細管上昇を測定することからなる毛細管上昇測定法を用いて測定できる。表面張力はまたスピニングドロップ法、ペンダントドロップ法、バブルプレッシャー法、ドロップボリューム法およびウィルヘルミープレート法で測定してもよい。次いで界面活性剤または表面張力を低下させることのできる薬剤を用いて好ましい範囲のダイン/cmに収まるように表面張力を調整する。
【0076】
B. 浸透圧:
最適な浸透圧は副鼻腔の繊毛上皮および粘膜への損傷を減らすのに役立つ。慢性副鼻腔炎患者には存在しない場合が多いが、繊毛上皮は粘液を副鼻腔から送出することによって副鼻腔内で有用な働きをする。
【0077】
本発明の製剤を調整するためには、浸透圧は浸透圧計を用いて測定できる。必要であれば、その後NaClデキストロース、またはその他の塩をこの液体に添加することにより浸透圧を上昇させて好ましい範囲内に収めてもよい。
【0078】
C. 塩化ナトリウム当量:
最適なNaCl当量(張力)は鼻腔・副鼻腔上皮から水分を排出することにより副鼻腔および鼻腔内の腫脹を軽減する働きをする。0.9%未満のNaCl当量(低張)は鼻腔および副鼻腔の上皮に腫脹を生じることがある。3.0%を超えるNaCl当量は張力および浸透圧を望ましいレベルより引き上げ、焼け付くような感覚を生じることがある。
【0079】
本発明の製剤を調整するためには、NaCl当量を浸透圧付近に合わせ、上記のB節に記載した方法を用いて測定することができる。
【0080】
D. pH:
一般に、pHは所定の薬剤が特定のpHでより安定するかまたはより有効となる場合に調整する。出典明示により本明細書の一部とされる、American Hospital Formulary Service (AFHS)(毎年刊行)またはLawrence A. TrisselによるHand Book of Injectable Drugs(登録商標)、1994 American Society of Hospital Pharmacists, Inc.は特定のpHでの薬剤の安定性または有効性に関する情報を掲載している。
【0081】
本発明の製剤を調整するためには、安定性の達成または有効性の向上のために種々の液体のpHを調整する必要があろう。プローブを溶液または懸濁液に入れると装置がpHを示すpHメーターを用いてpHを測定してもよいし、pH試験紙を用いてテープ上に液体を滴下した後、予め作成したpH発色表と比較することによりpHを評価してもよい。必要な場合は、その後バッファー剤を加えることによって、鼻用エアゾール化に必要な最も好ましいpH範囲となるようpHを調整する。
【0082】
E. 一般的な単位用量の調整および最適な粒径のエアゾールの製造:
製剤中に用いる薬剤を決定した後は、各成分を個々に秤量/測定し、一緒に合わせ、希釈液、例えば滅菌水と混合し、粗いフィルターで濾過した後、細かいフィルターで濾過する(5ミクロン、2ミクロン、1ミクロン、0.45ミクロン、または0.22ミクロン)。次にこの製剤を試験して表面張力、浸透圧、pH、および塩化ナトリウム当量が確定したパラメーターの範囲内にあるかどうか確認する。これは上記A〜D節で言及したように各試験に適した器具を用いて行う。単位用量を製造するには、このような製剤の成分を一般に水または生理食塩水などの溶媒に約0.5〜6.0mlの間、より好ましくは約2〜4mlの間、最も好ましくは約2.5〜3.5mlの間で溶解する。
【0083】
F. 界面活性剤:
流体の表面張力とは、液体と蒸気相との間に面(界面として知られている)がある場合にその流体がそれ自体に「密着する」傾向である。空気中を落下する水滴が良い例である。この水滴は表面張力のために球状となり、その表面積を最小にする。液体の表面では分子は周囲のその他の分子に強い引力を発揮する。この表面で直線上の単位長に対し垂直に働く合力は表面張力として知られており、通例ダイン/センチメートルで測定される。
【0084】
界面活性剤は分散剤、可溶化剤、および展着剤として用いることができる。界面活性剤の例としては、PEG 400、ラウリル硫酸ナトリウム、span系(20-40-60など)、tween系(ポリソルベート類、20-40-60など)、チロキサポール、プロピレングリコール、および塩化ベンザルコニウムがある。意図される界面活性剤には組成物の表面張力を低下させるいずれの化合物または薬剤も含まれる。
【0085】
本発明の好ましい製剤において界面活性剤を用いる目的は、最大量の薬剤を洞腔内に定着させるようにエアゾール粒子の表面張力を調整することである。もしこの表面張力が低下しすぎると、大部分の粒子は鼻腔に定着し、逆に表面張力が高すぎると粒子は鼻腔に定着せずに直接肺まで届く。
【0086】
界面活性剤の特徴を表すにはHLB値(hydrophile-lipophile-balance)が用いられる。この系はHLB値が実験的に決定・指定される任意の比率からなる。もしHLB値が低ければ、界面活性剤の親水基の数は少なくなり、親油性が高くなる(脂溶性である)ことを意味する。
【0087】
界面活性剤はミセルを形成することによって可溶化剤として作用し得る。例えば、HLB値の高い界面活性剤は、水性溶媒中で油の溶解度を高めるために用いられる。界面活性剤の親油性部分はミセルの親油性部分(内部)に油を捕捉する。そして、この油の小球を取り囲む界面活性剤の親水性部分は、水相に曝される。
【0088】
HLB値が10以上であれば、その薬剤は主に親水性であることを表し、HLB値が10未満であれば親油性であることを表す。例えば、span系のHLB値は1.8〜8.6の範囲であり、油性の分散分子に溶解できる油であることを示す。従って、油相が優位となって、水/油エマルションが形成される。Tween系のHLB値は9.6〜16.7の範囲であり、これは水溶性または水性分散分子の特性である。従って、水相が優位となって、油/水エマルションが形成される。
【0089】
乳化剤は油と水との間の界面張力を減少させる界面活性剤であり、それによって小球の形成を通じて界面エネルギーを最小にする。一方、湿潤剤は固体粒子と液体との間の緊密な接触を得るのに役立つ。
【0090】
洗浄剤も液体の表面張力を減少させて固体表面を濡らすまたは固体表面上に拡散させる界面活性剤である。洗浄剤を用いると、液体中の微粒子が乳化され、発泡が起こる。
【0091】
界面活性剤を本製剤に添加する効果の一つは、粒径が小さくなることである。1ミクロンほどの小さい粒径が効果的であると考えられる。粒径を測定するには多くの方法がある。粒径はレーザー回折を用いて測定できる。レーザー回折は湿ったエアゾール(液体飛沫)を測定する最も正確な方法である。カスケードインパクションは乾燥したエアゾール(エアゾール化した粉末固体)を測定する一般的な方法である。カスケードインパクションでは、測定過程で粒子から水分を蒸発させる。結果として、値はレーザー回折よりも小さくなる。従って、本発明で意図されるエアゾール中の粒径を測定する好ましい方法はレーザー回折によるものである。
【0092】
本発明はまた液体の表面張力を減少させる化合物または薬剤の使用も意図する。
【0093】
界面活性剤のように働き、組成物の表面張力を減少させる好ましい化合物としてはパイナップル人工フレーバー(Meridian Pharmaceuticals, Inc., カタログ番号FLA-218)がある。この化合物はいくつかの抗生物質の匂いおよび風味を隠すだけでなく、優れた界面活性特性を有する。さらに、これは他の界面活性剤よりも乾燥および刺激が少ない。
【0094】
G. 急性および慢性副鼻腔感染症を引き起こすことが知られている病原体:
鼻腔内視鏡術(ESS)を受けた患者から連続的に4年間にわたり得た鼻腔培養物の遡及的検討が1999年10月Niel Bhattacharyya M.D. et al., Archives of Otolaryngology -Head and Neck Surgery Vol. 125 No. 10によりなされた。シュードモナス種をはじめとする相当数のグラム陰性菌を含む、広範囲の細菌がESS術後の感染鼻腔に存在する可能性がある。副鼻腔の真菌感染は非特異的な臨床症状を示し、標準的な医学的治療に対して難治性であり、副鼻腔壁の腫脹および浸潤をもたらしうる。洞口鼻道系(osteomeatal complex)における解剖学的要因、組織の低酸素症、外傷性要因、大量の真菌胞子への暴露、アレルギーおよび免疫抑制などの種々の因子が真菌性副鼻腔炎の発症に関連づけられている。
【0095】
発見された最も一般的な細菌生物は、α溶血連鎖球菌(Alpha Hemolytic Streptococci)、β溶血連鎖球菌(Beta Hemolytic Streptococci)、ブランハメラ・カタラーリス(Branhamella catarrhalis)、ジフテロイド菌(Diptheroids)、インフルエンザ菌(Haemophilis influenzae)(βラクタマーゼ陽性および陰性)、モラクセラ種(Moraxella species)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・マルトフィリア(Pseudomonas maltophilia)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)である。
【0096】
発見された最も一般的な真菌生物は、アスペルギルス属(Aspergilis)、ケカビ(Mucor)およびカンジダ・アルビカンス(Candida Albicans)、フザリウム属(Fusarium)、カーブラリア属(Curvularia)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、およびヒストプラズマ(Histoplasma)である。
【0097】
医師にとって最適な治療様式は、吸引装置またはスワブを備えた内視鏡により洞腔から細菌/真菌株を得ることである。この株を研究室に送り、そこでいくつかの抗生物質に関して最小阻害濃度を試験し、次いでその研究室から得られた感受性に基づいて適正な抗生物質が選択される。ほとんどの耳鼻咽喉科医による現行の治療は、副鼻腔感染症の治療においては医師の臨床経験を用いて最適な抗生物質を決定することである。これは経験療法と呼ばれる。
【0098】
抗真菌治療も、培養し、最も有効な薬剤を処方する同定のために研究室へ送ることができるという点で、また医師が経験療法を行うという点では同様になされる。
【0099】
死滅率は抗生物質または抗真菌剤に対するその生物の感受性により求められる。死滅数は(必要に応じて)細菌または真菌の増殖を示さない反復培養および感受性検査により決定/測定される。有効な抗感染薬を用いれば、感染は通常10日〜3週間のうちに緩解する。
【0100】
H. 抗ロイコトリエン薬
炎症は鼻ポリープの発症に重要な役割を果たす。ロイコトリエンB4、C4、D4、およびE4 はアレルギー性の炎症に重要な、強力な化学メディエーターである。ロイコトリエンレセプターアンタゴニスト(抗ロイコトリエン薬)はこれらのメディエーターの作用を標的として阻害する新規な薬剤種である。
【0101】
ロイコトリエンレセプターアンタゴニストの例としては、限定されるものではないが、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカストおよびポビルカストが挙げられる。
【0102】
その効力のため、本発明に従って局所適用されるこれらの薬剤は鼻腔内の炎症を軽減し、それによりポリープの発症の予防およびまた既存のポリープの退縮に役立つと考えられる。
【0103】
1. 抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬は即時型の超過敏反応の徴候の軽減に用いられる。抗ヒスタミン作用としては、呼吸器、血管およびGI平滑筋の収縮の阻害;膨疹、発赤、および痒み応答を抑える毛細管透過性の減少;およびヒスタミンにより活性化された外分泌物(例えば、唾液、涙)の減少が挙げられる。強力な抗コリン作用(アトロピン様)特性を持つ抗ヒスタミン薬もコリン作用的により刺激された外分泌線を抑制することにより乾燥作用を促進することができる。
【0104】
抗ヒスタミン薬の例としては、限定されるものではないが、ジフェニルヒドラミン、カルビノキサミン、クレマスチン、フェニトロキサミン、ドキシルアミン、ジメンヒドリナート、および塩酸ブロモジフェンヒドラミンなどのエタノールアミン類;トリペレナミン、ピリラミン、アンタゾリン、およびメタピリリンなどのエチレンジアミン類;フェニラミン、クロルフェニラミン、ブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジメチンデン、およびトリプロリジンなどのアルキルアミン類;プロメタジン、トリメプラジン、プロピルナジンおよびメトジラジンなどのフェノチアジン類;(塩酸およびパモ酸)ヒドロキシジン、シクリジン、クロルシクリジン、ブクリジンおよびメクリジンなどのピペラジン類;およびその他、シプロヘプチジン、アザタジン、ジフェニルピラリン、ケトチフェン、テルフェナジン、フェキソフェナジン、アステミゾール(asternizole)、およびフェニンダミンなどの抗ヒスタミン薬が挙げられる。
【0105】
本発明の抗ヒスタミン薬の提供が即時型の超過敏反応の徴候の軽減を必要とする患者に役立つ。
【0106】
J. 殺菌薬
殺菌薬の例としては、限定されるものではないが、ヨウ素、酢酸クロルヘキシジン、次亜塩素酸ナトリウム、および水酸化カルシウムが挙げられる。ヨウ素または、ヨウ化ポピドン、ヨウ化カリウム、およびヨウ化ナトリウムなどその塩が好ましいヨウ素である。
【0107】
ヨウ素製剤は、細菌、真菌、ウイルス、胞子、原虫および酵母に対する広域殺菌性のため外用に用いられる。
【0108】
本発明のヨウ化カリウムの提供は、細菌、真菌、ウイルス、胞子、原虫および酵母感染の軽減をもたらす洞内のより広い領域へ薬剤を提供する、より効果的な方法であると考えられる。
【0109】
K. 抗生物質の組合せ
活性域の異なる2以上の抗生物質からなる本発明の抗菌剤の組合せの提供により、医師が慢性副鼻腔炎に見られる、より広範囲の原因細菌を包含できるようになる。適当な抗生物質の例をいくつか表1に示す。
【0110】
L. ステロイド系抗炎症薬
ステロイド系抗炎症薬の例としては、限定されるものではないが、βメタゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、プレドニゾン、モメタゾン、フルチカゾン、ベクロメタゾン、フルニソリド、およびブデソニドが挙げられる。
【0111】
これらの薬剤は強力な糖質コルチコイド活性を有し、弱い鉱質コルチコイド活性を有する。鼻粘膜における副腎皮質ステロイド抗炎症作用の原因となるメカニズムは未だ知られていない。しかし、糖質コルチコイドはアレルギー性および非アレルギー性/刺激を介する炎症に関与する複数の細胞種に対して広域の阻害活性を有する(例えば、ヒスタミン、エイコサノイド、ロイコトリエン、サイトカイン)。これらの薬剤は、推奨される用量で局所投与した場合、視床下部-下垂体副腎皮質(HPA)の機能抑制をはじめとする直接の局所的抗炎症作用を示す。
【0112】
本発明のステロイド系抗炎症薬の提供は、仲介因子の放出の減少および炎症の軽減をもたらす、鼻腔内のより広い領域へ薬剤を投与するためのより効果的な方法となると考えられる。
【0113】
M. 非ステロイド系抗炎症薬
非ステロイド系抗炎症薬の例としては、限定されるものではないが、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ジクロロフェナク、エトドラック、インドメタシン、ケトロラック、ナブメトン、スリンダックトルメチンメクロフェナメート、メフェナム酸、ピロキシカムおよびスプロフェンが挙げられる。
【0114】
非ステロイド系抗炎症薬には鎮痛作用および解熱作用がある。作用の正確な形態は分かっていない。主なメカニズムはシクロオキシゲナーゼ活性の阻害およびプロスタグランジンの合成であると考えられている。リポキシゲナーゼの阻害、ロイコトリエンの合成、リソソーム酵素の放出、好中球の凝集および種々の細胞膜の働きなど、その他のメカニズムも存在する可能性がある。
【0115】
本発明の非ステロイド系抗炎症薬の提供は、鼻の炎症の軽減を必要としている患者に役立つ。
【0116】
N. 鬱血除去薬
鬱血除去薬の例としては、限定されるものではないが、フェニルプロパノールアミン、偽エフェドリン、フェニレフリン、エピネフリン、エフェドリン、デスオキシエフェドリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、テトラヒドロゾリン、キシロメタゾリンおよびプロピルヘキセドリンが挙げられる。
【0117】
鬱血除去薬は血管平滑筋のαアドレナリン作動性受容体(血管収縮、昇圧作用、鼻の鬱血除去)を刺激するが、βアドレナリン作動性を保持するものもある(例えば、エフェドリン、偽エフェドリン)。その他のα作用としては、G.I. および尿路括約筋の収縮、散瞳および膵臓のβ細胞分泌の低下が挙げられる。αアドレナリン作用は粘膜へ直接適用すると強い血管収縮を引き起こし、この産物は全身的には同様の緩やかな作用を有し、血圧、血管の再分布または心臓への刺激に劇的な変化なく鬱血除去が生じる。粘膜の収縮の結果、縮化が起こり、これが排出を促進し、ひいては通気および鼻づまりの感覚を改善する。
【0118】
鬱血除去薬の交感神経様作用アミンは直接腫脹した粘膜へ投与するか(例えば、スプレー、点鼻剤、ネブライザーによって)または経口より全身に投与する。これらは膜の鬱血を軽減するために、枯草熱、アレルギー性鼻炎、血管運動神経性鼻炎、副鼻腔炎および風邪などの急性症状に用いられる。
【0119】
本発明の鬱血除去薬の提供は粘膜の鬱血の軽減を必要とする患者に役立つ。
【0120】
O. 粘液溶解薬
粘液溶解薬の例としては、限定されるものではないが、アセチルシステイン、およびドルナーゼαが挙げられる。
【0121】
アセチルシステイン:粘液分泌物の粘度は分泌液中のムコタンパク質の濃度、このような高分子間のジスルフィド結合の存在、および程度は低いがDNAの存在によって異なる。アセチルシステインの粘液溶解作用は、ムコタンパク質分子複合体間のジスルフィド結合を直接分割して脱重合および粘液粘度の低下を生じる分子中のスルフヒドリル基に関与している。この作用はDNAの存在により影響されることはない。アセチルシステインの粘液溶解作用はpHの上昇に伴って増加する。有意な粘液溶解はpH7〜9の間で生じる。
【0122】
ドルナーゼα:選択的にDNAを切断する酵素である、rhDNアーゼ(組換えヒトデオキシヌクレアーゼI)の高純度溶液。in vitroでは、ドルナーゼは痰のDNAを加水分解し、痰の粘弾性を低下させる。
【0123】
本発明のこれら薬剤の提供は、粘液の粘度および粘弾性を低下させて、副鼻腔内に蓄積された粘液のより良い排出および通気をもたらすのに役立つ。
【0124】
P. 抗コリン作用薬
抗コリン作用薬の例としては、限定されるものではないが、イプラトロピウム、アトロピン、およびスコポラミンが挙げられる。
【0125】
抗コリン作用薬は、アセチルコリンといくつかの平滑筋のムスカリン性レセプターとの相互作用によって引き起こされる環状グアノシン一リン酸の細胞内濃度の上昇を抑える。特にイプラトロピウムはアレルギー性または非アレルギー性の周年鼻炎の患者に有効であることが分かっており、複数の研究で鼻漏の重症度および持続性において統計上有意な低下があったことが示されている。
【0126】
本発明の抗コリン作用薬の提供は、周年鼻炎に苦しむ患者数を減少させる助けとなる。
【0127】
Q. 非抗生物質系抗菌薬
非抗生物質系抗菌薬の例としては、限定されるものではないが、タウロリジンが挙げられる。
【0128】
非抗生物質系抗菌薬は、細胞壁合成の妨害、細胞の粘膜壁への粘着の減少、およびエンドトキシンの中和によってその活性を示す。特にアミノ酸タウリンへ分解されるタウロリジンは、殺菌活性だけでなく抗リポ多糖活性も有し、抗菌活性を向上させるために多形核白血球の内径をプライム(primes)する。
【0129】
本発明のこれらの薬剤の提供は、細菌の細胞壁合成を妨害し、細菌および真菌の粘膜壁への接着を減少させ、また黄色ブドウ球菌などの細菌により放出されるエンドトキシンを中和する非抗生物質系抗菌薬を使用することにより、細菌および真菌感染の治療に役立つ。
【0130】
R. マスト細胞安定剤
マスト細胞安定剤の例としては、限定されるものではないが、クロモリンおよびネドクロミルナトリウムが挙げられる。
【0131】
マスト細胞安定剤は抗喘息薬であり、抗アレルギー薬でもある。マスト細胞安定剤は、特定の抗原に曝された後に生じる感作および非感作マスト細胞の脱顆粒を阻害する。この薬剤はマスト細胞からのヒスタミンおよびSRS-A(アナフィラキシーの低反応性物質、ロイコトリエンの1種)の放出を阻害する。
【0132】
本発明のマスト細胞阻害剤の提供は、鼻漏、鼻づまり、くしゃみおよび後鼻漏の軽減が必要な患者に役立つ。
【0133】
II. 特定の実施形態
A. 医薬組成物および製剤
好ましい抗感染薬としては、ペニシリン系、セファロスポリン系、マクロライド系、ケトライド系、スルホンアミド系、キノロン系、アミノグリコシド系、βラクタム系抗生物質、およびリネゾリドが挙げられる。好ましい抗炎症薬としては、糖質コルチコイド、クロモグリシン酸二ナトリウム、およびネドクロミルナトリウムが挙げられる。好ましい粘液溶解薬としては、アセチルシステインおよびドルナーゼαが挙げられる。好ましい鬱血除去薬としては、フェニレフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、テトラヒドロゾリン、およびキシロメトアゾリンが挙げられる。好ましい抗ロイコトリエン薬としては、モンテルカストが挙げられる。好ましくは抗ヒスタミン薬としては、ロラチジンが挙げられる。好ましい抗コリン作用薬としては、イプラトロピウム、アトロピン、およびスコポラミンが挙げられる。好ましい殺菌薬としては、ヨウ素が挙げられる。好ましい抗真菌薬としては、アムホテリシンBおよびアゾール系(azoie)抗真菌薬が挙げられる。好ましい非抗生物質系抗菌薬としては、タウロリジンが挙げられる。好ましい非ステロイド系抗炎症薬としては、ジクロロフェナクが挙げられる。これらの薬剤は、参照により本明細書の一部とされる、American Society of Hospital Pharmacists, Inc.刊行のAmerican Hospital Formulary Serviceに見出すことができる。
【0134】
意図される製剤の一例として、エアゾール投与用抗生物質の製造のために、セフロキシムは、1用量当たり3mlの注射水中に285mgの投与形として調剤する。この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)各285mgの21用量(5985mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のセフロキシムを秤量し、2)調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌水で63mlとし、3)液体100ml当たり0.1mlのポリソルベート20を加える。最終的に調合された液体混合物を0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、単位使用(単位用量)容器に入れる。
【0135】
製剤の表面張力は環式張力計を用いて測定する。あるいは、表面張力は製剤の毛細管上昇を測定することにより求めてもよい。本発明の製剤の好ましい表面張力の範囲は10〜70ダイン/cmである。製剤は好ましい表面張力を得るために必要であれば、例えばポリソルベート20を用い、界面活性剤で調整してもよい。
【0136】
pHメーターを用いて製剤が望ましいpHかどうかを調べるが、好ましくは約3.0〜8.5の範囲である。pHは調合の常法に従って必要に応じて適当な酸、塩基および適当なバッファーで調整する。
【0137】
好ましくは製剤はまた、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、または0.2%〜1.5%の好ましい範囲を確保するための塩化ナトリウム当量を計算するための他の適切な製薬テキストなど、製薬業の熟練者に知られている情報源からEタブレットを用いて評価することもできる。同様に、浸透圧も300〜880 mOsm/kgの好ましい範囲を確保しているかどうか確認する。浸透圧がこの範囲外にある場合には、好ましい条件が見つかるまでポリソルベート20の成分を引き下げればよい。
【0138】
第2の例としては、シプロフロキサシンを、1用量当たり3mlの滅菌注射水中に単位用量90mgの投与形として調剤する。
【0139】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)28用量(2520mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のシプロフロキサシン粉末を秤量し、2)滅菌水で74mlとし(調合時のロスを考慮して5%増しで加える)、3)液体100ml当たり0.25mlのポリソルベート20を加える。最終的に調合された液体混合物を0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、単位使用(単位用量)容器に入れる。
【0140】
製剤を上記のように試験し、表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0141】
第3の例としては、抗真菌薬を抗炎症薬とともに提供するため、滅菌水3ml中、単位用量10mgのアムホテリシンBを、単位用量50mgのヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウムとともに調剤する。
【0142】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)各10mgの28用量(280mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のアムホテリシンB粉末を秤量し、2)各50mgの28用量(1400mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム粉末を秤量し、3)これらの粉末を混合し、4)調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌水で84mlとする。最終的に調合された液体混合物を0.45ミクロンまたは1ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、単位使用(単位用量)容器に入れる。アンホテリシンを濾過するには大きめの孔径のフィルターが必要である。
【0143】
製剤を上記のように試験し、表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0144】
第4の例としては、抗生物質を粘液溶解薬とともに提供するため、滅菌水3ml中、単位用量90mgのオフロキサシンを、単位用量100mgのアセチルシステインとともに調剤する。
【0145】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)各90mgの28用量(2520mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のオフロキサシン粉末を秤量し、2)各100mgの28用量(2800mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のアセチルシステイン粉末を秤量し、3)これらの粉末を混合し、調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌水で84mlとする。最終的に調合された液体混合物を0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、単位使用(単位用量)容器に入れる。
【0146】
製剤を上記のように試験し、表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0147】
第5の例としては、別の抗生物質製剤を提供するため、2.5mlの生理食塩水中、単位用量100mgでトブラマイシンを調剤する。この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)1用量当たり100mgの42用量(4200mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のトブラマイシン粉末を秤量し、2)調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌注射水で105mlとし、3)0.15mlのポリソルベート20を加えて表面張力を調整する。最終的に調合された液体混合物を0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、単位使用(単位用量)容器に入れる。
【0148】
製剤を上記のように試験し、表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0149】
第6の例としては、鬱血除去薬とともに調剤された抗生物質を提供するため、3mlの滅菌注射水中にセフォペラゾンおよびオキシメタゾリンを調剤する。この製剤は層流式フード下で次のようなステップにより調製する:1)各600mgの28用量(16.8g)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のセフォペラゾン粉末を秤量し、2)各0.5mgの28用量(14mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のオキシメタゾリジン粉末を秤量し、3)これらの粉末を混合し、4)調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌水で84mlとし、5)塩化ベンザルコニウム0.02%(0.02gm/液体100ml)を加える。最終的に調合された液体混合物を0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、単位使用(単位用量)容器に入れる。
【0150】
製剤を上記のように試験し、表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0151】
第7の例としては、モンテルカストを、1用量当たり3moの滅菌水中3.5mgの投与形として調剤する。
【0152】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)乳鉢と乳棒を用いてモンテルカスト錠剤5つを砕く、2)この粉末を滅菌注射水で可溶化し、3)この溶液または懸濁液を濾紙で粗濾過し、4)得られた混合物を0.22ミクロンのフィルターで濾過除菌し、5)調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌注射水で42mlとする。
【0153】
製剤の表面張力は環式張力計を用いて測定する。好ましい範囲は10〜70ダイン/cmである。製剤は例えばポリソルベート20などの界面活性剤を用いて調整してもよい。pHメーターを用いて製剤が望ましいpHかどうかを調べるが、好ましくは約3.0〜8.5の範囲である。pHは調合の常法に従って必要に応じて適当な酸、塩基および適当なバッファーで調整する。さらにまた、製剤は、Remington: Science and Practice of Pharmacy、または0.9%〜3.0%の好ましい範囲を確保するための塩化ナトリウム当量を計算するための他の適切な製薬テキストなど、製薬業の熟練者に知られている情報源からEタブレットを用いて評価することもできる。同様に、浸透圧も300〜880 mOsm/kgの好ましい範囲を確保しているかどうか確認する。浸透圧がこの範囲外にある場合には、好ましい条件が見つかるまでポリソルベート20の成分を引き下げればよい。
【0154】
第8の例としては、ロラチジンを、1用量当たり3mlの滅菌注射水中2mgの投与形として調剤する。
【0155】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)乳鉢と乳棒を用いて錠剤3つ(各10mg)を砕く、2)この粉末に0.125%のポリソルベート20を0.5ml加え、粉末が湿るまでトリチュレートし、3)滅菌注射水30mlを加え、よく混合し、4)濾紙で粗濾過し、5)0.22ミクロンのフィルターで濾過除菌し、6)滅菌注射水で最終量45mlとする(調合時のロスを考慮して5%増し)。
【0156】
製剤の表面張力は環式張力計を用いて測定する。好ましい範囲は10〜70ダイン/cmである。製剤は必要であれば、例えばポリソルベート20を用い、界面活性剤で調整してもよい。pHメーターを用いて製剤が望ましいpHかどうかを調べるが、好ましくは約3.0〜8.5の範囲である。pHは調合の常法に従って必要に応じて適当な酸、塩基および適当なバッファーで調整する。さらにまた、製剤は、Remington: Science and Practice of Pharmacy、または0.9%〜3.0%の好ましい範囲を確保するための塩化ナトリウム当量を計算するための他の適切な製薬テキストなど、製薬業の熟練者に知られている情報源からEタブレットを用いて評価することもできる。同様に、浸透圧も300〜880 mOsm/kgの好ましい範囲を確保しているかどうか確認する。浸透圧がこの範囲外にある場合には、好ましい条件が見つかるまでポリソルベート20の成分を引き下げればよい。
【0157】
第9の例としては、滅菌注射水4.5ml中、単位用量95mgのゲンタマイシンおよび285mgのセフロキシムからなる組合せ抗生物質調製物である。以下では、ゲンタマイシンおよびセフロキシムは薬剤の活性として示される。
【0158】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)42用量(3990mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のゲンタマイシン粉末を秤量し、2)42用量(11,970mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のセフロキシム粉末を秤量し、3)これらの粉末を混合し、滅菌水で252mlとし、4)上記のように物性を試験し、必要があれば調整し、5)0.22ミクロンのフィルターで濾過除菌する。
【0159】
第10の例としては、2%ヨウ化カリウムを、1用量当たり3mlの滅菌注射水中、単位用量60mgの投与形として調剤する。
【0160】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)42用量(2520mg)となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のヨウ化カリウムを秤量し、2)調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌注射水で126mlとし、3)この液体を上記のように試験し、pHを7.5〜4.5の間に確保し、4)最終的な液体を0.22ミクロンのフィルターで濾過除菌する。
【0161】
第11の例としては、抗炎症薬とともに調剤された抗コリン作用薬を提供するため、3mlの注射用滅菌水/標準生理食塩水中に臭化イプラトロピウムおよびβメタゾンを調剤する。
【0162】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップより調製される:1)1用量当たり0.075mgとして必要な用量数となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量の臭化イプラトロピウム粉末を秤量し、2)作製する液体総量の2分の1を用い、標準生理食塩水に臭化イプラトロピウムを溶かし(調合時のロスを考慮して5%増し使用)、3)1用量当たりβメタゾン活性0.4mgとして必要な用量数となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のリン酸βメタゾンの粉末を秤量し(なお、この活性は製造業者の容器ラベルに表示してあり、あるいは供給者から得ることもできる)、4)作製する液体総量の2分の1を用い、調合時のロスを考慮して5%増しで滅菌水にβメタゾンを溶かし、5)この2種の溶液または懸濁液を合わせる。最終的に調合された液体混合物を0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、3mlずつ単位使用(単位用量)容器に分注する。この製剤を上記のように試験し、表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0163】
第12の例としては、霧化のために非抗生物質系抗菌薬を提供するため、タウロリジンを、3mlの注射用滅菌水/標準生理食塩水中に調剤することができる。
【0164】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップにより調製される:1)1用量当たり80mgとなるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のタウロリジン粉末を秤量し、2)この粉末を、調合時のロスを考慮して5%増しで適当な希釈剤(滅菌水、標準生理食塩水、ポビドン)を用いて溶かし、3)得られた溶液を単位使用容器に3mlずつ分注する。この製剤を上記のように試験する。表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0165】
第13の例としては、ジクロフェナクを、1用量当たり3mlの滅菌水中に1,0mgの投与形として調剤する。
【0166】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)25mgの錠剤から腸溶コーティングを除く、2)乳鉢と乳棒を用いてこの錠剤を砕く、3)この粉末を滅菌水に溶かし、4)この溶液を濾紙で粗濾過し、5)得られた混合物を0.22ミクロンのフィルターで濾過除菌し、6)調合時のロスを考慮して5%増しで、滅菌水で75mlとする。次にこの製剤を上記のように試験する。表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0167】
第14の例としては、マスト細胞安定剤を粘液溶解剤とともに提供するため、3mlの滅菌水中、単位用量5mgのクロモリンを、単位用量100mgのアセチルシステインとともに調剤する。
【0168】
この製剤は層流式フード下で次のようなステップを行うことにより調合すればよい:1)必要な用量数となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のクロモリン粉末を秤量し、2)必要な用量数となるよう、調合時のロスを考慮して5%増しで十分量のアセチルシステイン粉末を秤量し、3)これらの粉末を混合し、滅菌水で、この処方に必要な3ml用量数となるよう十分な量とする。最終的な溶液を0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過した後、単位使用(単位用量)容器に入れる。
【0169】
製剤を上記のように試験する。表面張力、pH、塩化ナトリウム当量、および浸透圧が好ましい範囲内、または好ましいレベルとなるように調整する。
【0170】
B. 治療経過の判定
一般に、ある任意の患者の治療経過はその患者の担当医によって判定される。よって、患者の副鼻腔に見られる生物を公知の技術により培養し、それらの感受性を判定すれば、最適な抗生物質および/または抗真菌薬を指示することができる。しかし、培養も感受性の判定もしなくとも、患者は、どの細菌または真菌が予測されるかということをもとに経験により医師が選択した抗生物質または抗真菌薬で経験的に治療することもできる。鼻腔内の解剖学的構造がアレルギーまたはインフルエンザの症候により腫脹または炎症を起こしている場合、患者がそれ以外に別に鼻用スプレー剤または経口薬を用いていなければ、抗炎症薬および/または鬱血除去薬を投与してもよい。
【0171】
副鼻腔感染に関する患者の治療シナリオの例
1. 患者が副鼻腔炎を患ったことを自覚し、診断のため耳鼻咽喉科医のところへ行く。副鼻腔炎の診断の後、内視鏡を用いて株を得、研究室へ送る。
2. 研究室では薬剤による細菌/真菌感受性を判定し、その知見を医師に報告する。
3. 医師はその報告書にその感染症に最適な抗生物質の指示を添えて薬局にファックスを送る。上記のように調剤を行い、2.5mlの容器に分注する。通常、この容器には「冷蔵庫で保存」のラベルを貼る。
4. 薬剤師が患者を呼んで、治療結果を良くするために必要な処置および付属のデータを話す。
【0172】
ポリープ患者に関する治療シナリオの例
1. 患者が非アトピー性副鼻腔炎またはアレルギー性副鼻腔炎により鼻づまり症状が行ったことを耳鼻咽喉科医に話す。
2. 医師は副鼻腔領域のCTスキャンをとり、患者の症状を評価する。
3. 診断が鼻ポリープであれば、医師は霧状コルチコステロイドを用いて非侵襲的に、ほとんど副作用もなく治療できる。(現在用いられている療法は外科術および/または高用量のコルチコステロイドの経鼻または経口投与からなっている。外科術は侵襲的であり、コルチコステロイドは多くの望ましくない副作用を含みうる。)
4. 医師は、この患者の治療に最適な量で霧化させるコルチコステロイドを求める処方指示を薬局へファックスする。
5. 免許を持った薬剤師の監督の下、その患者用に、3mlの単位使用容器に製剤が調製され、ラベルが貼られ、パッケージングされる。
【0173】
C. 意図される、また好ましい治療計画
好ましい治療は、培養物および感受性により判定された細菌または真菌を最も効果的に死滅させる抗生物質(適した表面張力、pH、塩化ナトリウム当量および浸透圧に調整)を1日1回から1回の処置につき5〜10分間投与することである(表1参照)。
【0174】
感染の除去に必要な全日数は増殖が見られなくなるまで繰り返し培養することにより決定するのが好ましい。しかし、医師が培養しなくとも、標準的な常法では、患者が一般に無症候となると予測される2週間の治療に、さらに7日間の治療を加える。
【0175】
D. 効果のモニタリング
通常の耳鼻咽喉科医は慢性副鼻腔炎を治療する場合、身体検査により患者に症状がなくなってからさらに7日間抗生物質を指示する。副鼻腔感染に関して問題となるのは、感染が完全に消散していなければ、患者は再発を起こし、次に患者の免疫系が攻撃を起こし、すなわち隣接する上気道感染が起こり、これにより洞口鼻道系の閉塞、粘膜繊毛のクリアランス障害、および分泌物の過剰生産が起こる。よって、感染の消散を判定する好ましい方法は、内視鏡により副鼻腔から再培養を行い、検査報告書が陰性に戻る、すなわち、病原性微生物の増殖がないという報告を得ることである。本発明者らは、エアゾール化では抗生物質に曝される回数が少なくなり、このような暴露が起こるのは低用量であり、エアゾール投与の期間(通常1〜3週間)は経口処置(通常3週間〜数ヶ月)および静脈処置(通常3〜6週間)に比べて短いことにより細菌が耐性を示しにくくなるはずであることを見出した。
【0176】
E. 医薬組成物のエアゾール送達のための装置
医薬組成物のエアゾール送達のための装置は当業者に周知である。O'Riordan et al., Journal of Aerosol Medicine, 20(1): 13-23 (1997)は、ジェットネブライザーおよび超音波ネブライザーによるエアゾールトブラマイシンの送達を報告している。1996年4月16日発行の米国特許第5,508,269号では、3つの異なるネブライザー:Ultraneb 99 (DeVilbiss)超音波ネブライザー、Medicaid Sidestrearnジェットネブライザー、およびPari LCジェットネブライザーの特徴を比較している。
【0177】
医薬液のエアゾール送達のための好ましい装置は図1に示されている。このPari Respiratory Equipment, Inc.製のネブライザーは副鼻腔への本発明の液体の効果的な投与に望ましい粒径を作り出す。このネブライザーを用いるため、好ましくは0.5ml〜8mlの液体薬剤、より好ましくは2ml〜4ml、最も好ましくは2.5ml〜3.5mlの液体薬剤をネブライザーのAに入れる。次にこのネブライザーを付属のチューブを用いてコンプレッサーまたはその他の動力源のBの位置に接続し、4リットル/分の気流を生じさせる。気流を開栓し、患者は鼻孔下にノーズピースCを当て、通常はネブライザーの中の液体薬剤が放出し始めて、Cからミストが出てこなくなるまで息をする。これは通常8〜12分である。
【0178】
以上の概説からすれば、以下に示される特定の実施形態は単に例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。その他の一般的および特定の構成も当業者には明らかである。
【実施例】
【0179】
実施例1:患者A
ある40代女性は成人してからの人生の大半の期間、副鼻腔炎を患ってきた。このような副鼻腔炎の発症はアレルギーに誘発されるものと思われた。この女性は以前から副鼻腔炎を毎年3〜4回発症しており、その発症のたびに4〜8週間、経口抗生物質で治療してきた。このような経口抗生物質の投与は酵母菌感染症を引き起こし、それをダイフルカン(登録商標)(フルコナゾール)で治療した。頭痛、倦怠感、顔面の圧痛、黄緑色の鼻汁、咳および発熱の軽減には最大6週間かかり、麻薬性および非麻薬性の鎮痛薬、鬱血除去薬の鼻用スプレー、咳抑制薬、および鼻洗浄剤を用いて治療した。この女性のアレルギーは抗ヒスタミン薬および抗炎症薬で治療した。
【0180】
この女性の副鼻腔炎発症の持続期間を短縮するため、トブラマイシン80/mlの点鼻薬を投与した。この治療はうまくいかないように思われた。この薬剤には刺激性があり、点鼻薬を投与してそれを洞腔へ到達させるためには、患者は頭を倒した状態を保持しなければならなかった。このことが耐え難い痛みをもたらし、結果として治療を中断することになった。バクトロバン(Bactroban)(登録商標) の点鼻薬を試した。これはあまり効果がなく、粘度が高かった。この点鼻薬の投与も投与時に同様の痛みをもたらし、この治療も中断した。
【0181】
点鼻薬の投与時に頭を倒した状態を保持することによって生じる痛みを除去するために、患者が経口抗生物質を一定の期間服用後に、トブラマイシンの点鼻薬を投与した。これもうまくいかなかったようである。点鼻薬は洞腔へ浸透しなかったものと思われる。
【0182】
その後、トブラマイシン製剤80/mlを3ml用い、付属の成人用マスクおよびPari Proneb(登録商標)コンプレッサーを取り付けたPari LC Star(登録商標)ネブライザーカップにて投与した。この薬剤を1日3回噴霧した。治療4日後、この女性は緑色の化膿した鼻汁が「取り除かれた」と感じた。この治療を合計7日間継続した。この時点では副鼻腔感染症が除去されたように思われたが、1ヶ月以内に再発した。もう一度7日間のトブラマイシン噴霧投与をこの患者に行った。再び副鼻腔感染症が除去されたように思われたが、2ヶ月以内に再発した。
【0183】
滅菌注射水2.5 ml中のセフロキシム製剤285mgを、付属の成人用マスクおよびPari Proneb(登録商標)コンプレッサーを取り付けたPari LC Star(登録商標)ネブライザーカップを用いて毎日3回投与した。噴霧時間は十分であったが、薬剤は完全に霧状にならなかったと思われる。この治療の1日後、Pari Turbo(登録商標)コンプレッサーをPari Proneb(登録商標)コンプレッサーに換えた。この患者は治療3日後に緑色の化膿した鼻汁が「取り除かれた」と感じた。この治療を合計7日間継続したが、患者は再び酵母菌に感染し、Diflucangを投与した。
【0184】
Pari Turbo(登録商標)コンプレッサーおよびマスク付のPari LC Star(登録商標)ネブライザーカップを用いる7日間のセフロキシム噴霧治療の後、この患者は9ヶ月間副鼻腔感染症にかからなかった。この女性は長年アレルギー問題を抱えていたが、過去にはこのようなアレルギーが副鼻腔感染症を誘発したが、今回はそのような感染は再発しなかった。
【0185】
実施例2:患者B
ある40代男性は成人してから断続的に副鼻腔感染症を経験している。この男性を、付属マスクおよびPari Turbo(登録商標)コンプレッサーを取り付けたPari LC Star(登録商標)ネブライザーカップを用い、毎日3回の滅菌注射水2.5 ml中のセフロキシム285mgで治療した。この患者は治療8日後に緑色の化膿した鼻汁が「取り除かれた」と感じた。この治療を合計7日間継続した。その他の抗生物質は投与しなかった。この患者は6ヶ月間副鼻腔感染症にかからなかった。
【0186】
実施例3:患者C
ある50代半ばの女性は成人してから断続的に副鼻腔炎を患ってきた。このような副鼻腔炎の発症はアレルギーに誘発されるものと思われた。この患者はアレルギーによって起こる頭痛および/または透明な鼻汁があった場合には抗ヒスタミン薬および鬱血除去薬を服用した。この女性は以前から年に1回以上、20日以上の経口抗生物質の服用が必要な副鼻腔感染症にかかっていた。
【0187】
この女性を、付属の成人用マスクおよびPari Turbo(登録商標)コンプレッサーを取り付けたPari LC Star(登録商標)ネブライザーカップを用い、毎日3回の滅菌水2.5 ml中のセフロキシム285mgで治療した。この患者は治療8日後に緑色の化膿した鼻汁が「取り除かれた」と感じた。この治療を合計7日間継続した。その他の抗生物質は投与しなかった。この患者は6ヶ月間副鼻腔感染症にかからなかった。
【0188】
上記の考察および実験は単に特定の好ましい実施形態を詳細に説明したにすぎないことが理解されよう。よって、当業者にならば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の改変および等価物をなしうることが明らかであろう。認められた場合、本特許出願中に特定したすべての学術文献、その他の参照文献、特許および特許出願は出典明示によりその全開示内容が本明細書の一部とされる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】医薬溶液または懸濁液のエアゾール送達のための好ましい装置を開示する。

Claims (73)

  1. 抗ヒスタミン薬、マスト細胞安定剤、非抗生物質系抗菌薬、抗ロイコトリエン薬、抗ウイルス薬、殺菌薬、非ステロイド系抗炎症薬、少なくとも2種の抗生物質の組合せ、鼻ポリープ治療薬、抗コリン作用薬およびそれらの組合せから選択される薬剤、および
    界面活性剤
    を含み、経鼻投与用に調剤され、かつ、鼻腔における組成物の定着、浸透または保持に有効な表面張力を有する医薬組成物。
  2. 薬剤が副鼻腔炎の治療のためのものである、請求項1に記載の組成物。
  3. 第二の薬剤をさらに含み、その第二の薬剤がアレルギーを治療するためのものである、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 抗ヒスタミン薬がエタノールアミン、エチレンジアミン、アルキルアミン、フェノチアジン、ピペラジン、シプロヘプチジン、アザタジン、ジフェニルピラリン、ケトチフェン、テルフェナジン、フェキソフェナジン、アステルニゾール、およびフェニンダミンから選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
  5. エタノールアミンがジフェニルヒドラミン、カルビノキサミン、クレマスチン、フェニトロキサミン、ドキシルアミン、ジメンヒドリナート、および塩酸ブロモジフェンヒドラミンから選択される、請求項4に記載の組成物。
  6. エチレンジアミンがトリペレナミン、ピリラミン、アンタゾリンおよびメタピリリンから選択される、請求項4に記載の組成物。
  7. アルキルアミンがフェニラミン、クロルフェニラミン、ブロムフェニラミン、デキサクロルフェニラミン、ジメチンデンおよびトリプロリジンから選択される、請求項4に記載の組成物。
  8. フェノチアジンがプロメタジン、トリメプラジン、プロピルナジンおよびメトジラジンから選択される、請求項4に記載の組成物。
  9. ピペラジンが塩酸ヒドロキシジン、パモ酸ヒドロキシジン、シクリジン、クロルシクリジン、ブクリジンおよびメクリジンから選択される、請求項4に記載の組成物。
  10. マスト細胞安定剤がクロモリンまたはネドクロミルナトリウムである、請求項1〜3に記載の組成物。
  11. 非抗生物質系抗菌薬がタウロリジンである、請求項1〜3に記載の組成物。
  12. 抗ロイコトリエン薬がザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカストおよびポビルカストから選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
  13. 殺菌薬がヨウ素、酢酸クロルヘキシジン、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化カルシウム、ならびにその塩および組合せから選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
  14. 非ステロイド系抗炎症薬がフェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ジクロロフェナク、エトドラック、インドメタシン、ケトロラック、ナブメトン、スリンダックトルメチンメクロフェナメート、メフェナム酸、ピロキシカムおよびスプロフェンから選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
  15. 少なくとも2種の抗生物質がペニシリン系、セファロスポリン系、マクロライド系、ケトライド系、スルホンアミド系、キノロン系、アミノグリコシド系、βラクタム系抗生物質およびリネゾリドから選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
  16. 少なくとも2種の抗生物質がセフロキシムおよびゲンタマイシンである、請求項1〜3に記載の組成物。
  17. 鼻ポリープ治療薬が抗菌薬である、請求項1〜3に記載の組成物。
  18. 抗コリン作用薬がイプラトロピウム、アトロピンおよびスコポラミンから選択される、請求項1〜3に記載の組成物。
  19. 界面活性剤がポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル類、ポリソルベート類、チロキサポール、および塩化ベンザルコニウムから選択される、請求項1〜18に記載の組成物。
  20. 界面活性剤のHLB値(hydrophile-lipophile-balance)が約1.8〜約8.6の間である、請求項1〜19に記載の組成物。
  21. 界面活性剤のHLB値(hydrophile-lipophile-balance)が約9.6〜約16.7の間である、請求項1〜19に記載の組成物。
  22. ステロイド系抗炎症薬、抗真菌薬、粘液溶解薬または鬱血除去薬をさらに含む、請求項1〜21に記載の組成物。
  23. 抗炎症薬が糖質コルチコイド、クロモグリシン酸二ナトリウムおよびネドクロミルナトリウムから選択される、請求項22に記載の組成物。
  24. 粘液溶解薬がアセチルシステインまたはドルナーゼαである、請求項22に記載の組成物。
  25. 鬱血除去薬がフェニレフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、テトラヒドロゾリンおよびキシロメトアゾリンから選択される、請求項22に記載の組成物。
  26. 抗真菌薬がアムホテリシン、アゾール、イトラコナゾール、ミコナゾールおよびフルコナゾールから選択される、請求項22に記載の組成物。
  27. 表面張力が約10〜約70ダイン/cmである、請求項1〜26に記載の組成物。
  28. 表面張力が約20〜約60ダイン/cmである、請求項1〜26に記載の組成物。
  29. 表面張力が約30〜約50ダイン/cmである、請求項1〜26に記載の組成物。
  30. 組成物がネブライザーからの投与用に調剤されている、請求項1〜29に記載の組成物。
  31. 組成物のpHが約3.0〜約8.5である、請求項1〜30に記載の組成物。
  32. 組成物の浸透圧が約150 mOsm/kg〜約880 mOsm/kgである、請求項1〜31に記載の組成物。
  33. 組成物の浸透圧が約300 mOsm/kg〜約880 mOsm/kgである、請求項1〜31に記載の組成物。
  34. 組成物の浸透圧が約400 mOsm/kg〜約700 mOsm/kgである、請求項1〜31に記載の組成物。
  35. 組成物の浸透圧が約500 mOsm/kg〜約600 mOsm/kgである、請求項1〜31に記載の組成物。
  36. 組成物が粒径範囲約1.0〜約4.0μm(直径)の粒子を含む、請求項1〜35に記載の組成物。
  37. 組成物が粒径範囲約0.5〜約5.0μm(直径)の粒子を含む、請求項1〜35に記載の組成物。
  38. 組成物が粒径範囲約2.0〜約3.5μm(直径)の粒子を含む、請求項1〜35に記載の組成物。
  39. 組成物が直径約5μmの粒子を全体で約20%未満含む、請求項1〜38に記載の組成物。
  40. 組成物のNaCl当量が約1.1% NaCl〜約1.8% NaClである、請求項1〜39に記載の組成物。
  41. 組成物のNaCl当量が約1.3% NaCl〜約1.7% NaClである、請求項1〜39に記載の組成物。
  42. 請求項1〜41のいずれかに記載の組成物を、副鼻腔炎を有すると診断または予測される哺乳類に経鼻投与するステップを含み、該組成物が副鼻腔炎の治療のための薬剤を含んでいる、副鼻腔炎の治療方法。
  43. 請求項1〜41のいずれかに記載の組成物を、鼻ポリープを有すると診断または予測される哺乳類に経鼻投与するステップを含み、該組成物が鼻ポリープの治療のための薬剤を含んでいる、鼻ポリープの治療方法。
  44. 医薬組成物が全部で14〜21日間、1日1〜3回患者に投与される、請求項42または43に記載の方法。
  45. 医薬組成物を、副鼻腔炎を有すると診断または予測される哺乳類に経鼻投与することを含み、
    該組成物がβメタゾンおよび界面活性剤を含み、
    該組成物が経鼻投与用に調剤され、鼻腔における組成物の定着、浸透または保持に効果的な表面張力を有する、
    副鼻腔炎の治療方法。
  46. 界面活性剤がポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル類、ポリソルベート類、チロキサポール、および塩化ベンザルコニウムからなる群から選択される、請求項42〜45に記載の組方法。
  47. 医薬組成物がさらに、抗ヒスタミン薬、マスト細胞安定剤、非抗生物質系抗菌薬、抗ロイコトリエン薬、抗ウイルス薬、殺菌薬、非ステロイド系抗炎症薬、少なくとも2種の抗生物質の組合せ、アレルギー治療薬、鼻ポリープ治療薬、抗コリン作用薬およびそれらの組合せからなる群から選択される付加的な薬剤を含む、請求項42〜46に記載の方法。
  48. 付加的な薬剤が抗ヒスタミン薬である、請求項47に記載の方法。
  49. 抗ヒスタミン薬がエタノールアミン、エチレンジアミン、アルキルアミン、フェノチアジン、ピペラジン、シプロヘプチジン、アザタジン、ジフェニルピラリン、ケトチフェン、テルフェナジン、フェキソフェナジン、アステルニゾール、およびフェニンダミンからなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
  50. エタノールアミンがジフェニルヒドラミン、カルビノキサミン、クレマスチン、フェニトロキサミン、ドキシルアミン、ジメンヒドリナート、および塩酸ブロモジフェンヒドラミンからなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
  51. 付加的な薬剤がマスト細胞安定剤である、請求項47に記載の方法。
  52. マスト細胞安定剤がクロモリンまたはネドクロミルナトリウムからなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
  53. 付加的な薬剤が非抗生物質系抗菌薬である、請求項47に記載の方法。
  54. 非抗生物質系抗菌薬がタウロリジンである、請求項53に記載の方法。
  55. 付加的な薬剤が抗ロイコトリエン薬である、請求項47に記載の方法。
  56. 抗ロイコトリエン薬がザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカストおよびポビルカストからなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
  57. 付加的な薬剤が非ステロイド系抗炎症薬である、請求項47に記載の方法。
  58. 非ステロイド系抗炎症薬がフェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ジクロロフェナク、エトドラック、インドメタシン、ケトロラック、ナブメトン、スリンダックトルメチンメクロフェナメート、メフェナム酸、ピロキシカムおよびスプロフェンからなる群から選択される、請求項57に記載の方法。
  59. 付加的な薬剤が少なくとも2種以上の抗生物質の組合せである、請求項47に記載の方法。
  60. 少なくとも2種の抗生物質の組合せがペニシリン系、セファロスポリン系、マクロライド系、ケトライド系、スルホンアミド系、キノロン系、アミノグリコシド系、βラクタム系抗生物質およびリネゾリドからなる群から選択される少なくとも2種の抗生物質である、請求項59に記載の方法。
  61. 界面活性剤がポリソルベートである、請求項42〜60に記載の方法。
  62. 表面張力が約10〜約70ダイン/cmである、請求項42〜61に記載の方法。
  63. 表面張力が約20〜約60ダイン/cmである、請求項42〜61に記載の方法。
  64. 表面張力が約30〜約50ダイン/cmである、請求項42〜61に記載の組成物。
  65. 組成物がネブライザーから投与される、請求項42〜64に記載の方法。
  66. ネブライザーがコンプレッサーに接続されている、請求項65に記載の方法。
  67. ネブライザーが粒径範囲約3.0〜約3.5μm(直径)の、多数のエアゾール粒子を送り出す、請求項65または66に記載の方法。
  68. ネブライザーが粒径範囲約1.0〜約4.0μm(直径)の、多数のエアゾール粒子を送り出す、請求項65または66に記載の方法。
  69. ネブライザーが粒径範囲約0.5〜約5.0μm(直径)の、多数のエアゾール粒子を送り出す、請求項65または66に記載の方法。
  70. ネブライザーが粒径範囲約2.0〜約3.5μm(直径)の、多数のエアゾール粒子を送り出す、請求項65または66に記載の方法。
  71. ネブライザーにより送り出される約5.0μを超える粒子の最大数が全粒子の20%未満である、請求項65〜70に記載の方法。
  72. 組成物の浸透圧が約150 mOsm/kg〜約880 mOsm/kgである、請求項42〜71に記載の方法。
  73. 組成物が鼻腔アダプタを備えたネブライザーから投与される、請求項65〜71に記載の方法。
JP2003524533A 2001-08-31 2002-08-28 副鼻腔炎の治療のためのエアゾール状鬱血除去薬 Pending JP2005508314A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/942,959 US20020061281A1 (en) 1999-07-06 2001-08-31 Aerosolized anti-infectives, anti-inflammatories, and decongestants for the treatment of sinusitis
PCT/US2002/027868 WO2003020219A2 (en) 2001-08-31 2002-08-28 Aerosolized decongestants for the treatment of sinusitis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005508314A true JP2005508314A (ja) 2005-03-31
JP2005508314A5 JP2005508314A5 (ja) 2005-11-17

Family

ID=25478882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003524533A Pending JP2005508314A (ja) 2001-08-31 2002-08-28 副鼻腔炎の治療のためのエアゾール状鬱血除去薬

Country Status (10)

Country Link
US (2) US20020061281A1 (ja)
EP (1) EP1420760A2 (ja)
JP (1) JP2005508314A (ja)
AU (1) AU2002361918B2 (ja)
CA (1) CA2456904A1 (ja)
HU (1) HUP0600332A2 (ja)
IL (1) IL160187A0 (ja)
MX (1) MXPA04001763A (ja)
WO (1) WO2003020219A2 (ja)
ZA (1) ZA200401593B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016520582A (ja) * 2013-05-07 2016-07-14 マクマスター ユニバーシティー メタロβラクタマーゼの阻害剤
JP2020534372A (ja) * 2017-09-20 2020-11-26 アトピック・メディカル・エル・エル・シー 呼吸器状態及び粘膜の炎症を治療及び改善するための組成物及び方法

Families Citing this family (89)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020061281A1 (en) * 1999-07-06 2002-05-23 Osbakken Robert S. Aerosolized anti-infectives, anti-inflammatories, and decongestants for the treatment of sinusitis
US6576224B1 (en) * 1999-07-06 2003-06-10 Sinuspharma, Inc. Aerosolized anti-infectives, anti-inflammatories, and decongestants for the treatment of sinusitis
US20030051728A1 (en) 2001-06-05 2003-03-20 Lloyd Peter M. Method and device for delivering a physiologically active compound
US7645442B2 (en) 2001-05-24 2010-01-12 Alexza Pharmaceuticals, Inc. Rapid-heating drug delivery article and method of use
AU2002303868B2 (en) * 2001-05-24 2008-09-04 Alexza Pharmaceuticals, Inc. Delivery of antihistamines through an inhalation route
US20070122353A1 (en) 2001-05-24 2007-05-31 Hale Ron L Drug condensation aerosols and kits
CA2446904A1 (en) * 2001-05-24 2003-04-03 Alexza Molecular Delivery Corporation Delivery of drug esters through an inhalation route
US7458374B2 (en) 2002-05-13 2008-12-02 Alexza Pharmaceuticals, Inc. Method and apparatus for vaporizing a compound
WO2003006030A1 (en) 2001-07-11 2003-01-23 Smith C Steven Novel composition and method for altering allergenic protein in the environment
US20030064040A1 (en) * 2001-09-26 2003-04-03 Lukacsko Alison B. Compositions and methods for inhibiting eccrine perspiration in humans
US20030133925A1 (en) * 2001-09-28 2003-07-17 Shawar Ribhi M. Monobactam compositions and methods of use thereof
US20040022873A1 (en) * 2001-11-09 2004-02-05 Guilford F. Timothy Systemic administration of NAC as an adjunct in the treatment of bioterror exposures such as anthrax, smallpox or radiation and for vaccination prophylaxis, and use in combination with DHEA for the treatment of smallpox and other viruses
WO2003101434A2 (en) * 2001-12-21 2003-12-11 Sampad Bhattacharya Intranasal pharmaceutical compositions comprising an antihistamine and a leukotriene inhibitor
US20030129242A1 (en) * 2002-01-04 2003-07-10 Bosch H. William Sterile filtered nanoparticulate formulations of budesonide and beclomethasone having tyloxapol as a surface stabilizer
GB2389530B (en) 2002-06-14 2007-01-10 Cipla Ltd Pharmaceutical compositions
IL150907A (en) * 2002-07-25 2007-07-04 Stephan Cherkez Process for the preparation of stable amorphous calcium pseudomonate
EP2295062B1 (en) * 2002-08-30 2012-08-29 Nycomed GmbH The use of the combination of ciclesonide and antihistamines for the treatment of allergic rhinitis
US20040053902A1 (en) * 2002-09-13 2004-03-18 Smith C. Steven Novel composition and method for treatment of upper respiratory conditions
US20040105818A1 (en) 2002-11-26 2004-06-03 Alexza Molecular Delivery Corporation Diuretic aerosols and methods of making and using them
US7913688B2 (en) 2002-11-27 2011-03-29 Alexza Pharmaceuticals, Inc. Inhalation device for producing a drug aerosol
US20040208833A1 (en) * 2003-02-04 2004-10-21 Elan Pharma International Ltd. Novel fluticasone formulations
CA2514061A1 (en) * 2003-02-14 2004-09-02 Combinatorx, Incorporated Combination therapy for the treatment of immunoinflammatory disorders
US8912174B2 (en) * 2003-04-16 2014-12-16 Mylan Pharmaceuticals Inc. Formulations and methods for treating rhinosinusitis
US7811606B2 (en) * 2003-04-16 2010-10-12 Dey, L.P. Nasal pharmaceutical formulations and methods of using the same
US9808471B2 (en) * 2003-04-16 2017-11-07 Mylan Specialty Lp Nasal pharmaceutical formulations and methods of using the same
EP1617833A4 (en) * 2003-04-18 2006-05-24 Lighthouse Innovations Llc COMPOSITIONS AND METHODS FOR TREATING BODY ODOR AND MUSHROOM GROWTH IN MAMMALS
US20040234916A1 (en) 2003-05-21 2004-11-25 Alexza Molecular Delivery Corporation Optically ignited or electrically ignited self-contained heating unit and drug-supply unit employing same
US20050192261A1 (en) * 2003-09-15 2005-09-01 Jost-Price Edward R. Methods and reagents for the treatment of immunoinflammatory disorders
US20050222101A1 (en) * 2004-03-30 2005-10-06 Jeffrey Hutterer Method and composition for treatment of skin conditions
DK2266534T3 (da) * 2004-05-17 2013-01-14 Gilead Sciences Inc Aerosoliseret fosfomycin/tobramycin-kombination til behandling af cystisk fibrose
US7540286B2 (en) 2004-06-03 2009-06-02 Alexza Pharmaceuticals, Inc. Multiple dose condensation aerosol devices and methods of forming condensation aerosols
US20060024239A1 (en) * 2004-07-28 2006-02-02 Eidelman Michael H Persistent post-viral cough drug and treatment method
US20060073173A1 (en) * 2004-10-04 2006-04-06 Maria Banach Large-scale manufacturing process for the production of pharmaceutical compositions
US7731678B2 (en) 2004-10-13 2010-06-08 Hyprotek, Inc. Syringe devices and methods for mixing and administering medication
US8758816B2 (en) * 2004-11-24 2014-06-24 Meda Pharmaceuticals Inc. Compositions comprising azelastine and methods of use thereof
EP2486942B1 (en) 2004-11-24 2018-10-10 Meda Pharmaceuticals Inc. Compositions comprising azelastine and methods of use thereof
US20070020330A1 (en) 2004-11-24 2007-01-25 Medpointe Healthcare Inc. Compositions comprising azelastine and methods of use thereof
US20060205682A1 (en) * 2005-02-25 2006-09-14 Roberts Richard H Antibiotic and combinations of antibiotic and symptomatic relief agent formulations
US7902177B2 (en) 2005-05-02 2011-03-08 Wandzel Richard A Treatment of congestion using steroids and adrenergics
US20090170769A1 (en) * 2005-05-13 2009-07-02 Pei Jin Cell surface receptor isoforms and methods of identifying and using the same
US8524734B2 (en) * 2005-05-18 2013-09-03 Mpex Pharmaceuticals, Inc. Aerosolized fluoroquinolones and uses thereof
US7838532B2 (en) * 2005-05-18 2010-11-23 Mpex Pharmaceuticals, Inc. Aerosolized fluoroquinolones and uses thereof
CA2626864C (en) 2005-11-09 2015-06-02 Hyprotek, Inc. Syringe devices, components of syringe devices, and methods of forming components and syringe devices
US8337814B2 (en) * 2005-12-15 2012-12-25 Topical Sinus Therapeutics, Inc. Treatment of active infections, sinusitis, rhinitis, and related neurological disorders and related compositions
US20070178051A1 (en) * 2006-01-27 2007-08-02 Elan Pharma International, Ltd. Sterilized nanoparticulate glucocorticosteroid formulations
MX2008010222A (es) * 2006-02-10 2008-10-17 Pari Pharma Gmbh Antibioticos nebulizados para terapia de inhalacion.
US20070231396A1 (en) * 2006-03-29 2007-10-04 Ray Charles D Medication spray formulation
WO2007126865A2 (en) * 2006-03-30 2007-11-08 Patrin Pharma Leukotriene antagonists via nasal drug delivery
US7959943B2 (en) 2006-05-10 2011-06-14 Medtronics Xomed, Inc. Solvating system and sealant for medical use in the middle or inner ear
US7993675B2 (en) 2006-05-10 2011-08-09 Medtronic Xomed, Inc. Solvating system and sealant for medical use in the sinuses and nasal passages
US20070264296A1 (en) * 2006-05-10 2007-11-15 Myntti Matthew F Biofilm extracellular polysachharide solvating system
US7976873B2 (en) 2006-05-10 2011-07-12 Medtronic Xomed, Inc. Extracellular polysaccharide solvating system for treatment of bacterial ear conditions
WO2008070264A2 (en) * 2006-10-10 2008-06-12 Case Western Reserve University Nasal spray composition and method for treating rhinitis, sinusitis or both
US8088095B2 (en) 2007-02-08 2012-01-03 Medtronic Xomed, Inc. Polymeric sealant for medical use
US20080216828A1 (en) 2007-03-09 2008-09-11 Alexza Pharmaceuticals, Inc. Heating unit for use in a drug delivery device
US9522097B2 (en) 2007-10-04 2016-12-20 Hyprotek, Inc. Mixing/administration syringe devices, protective packaging and methods of protecting syringe handlers
US8002737B2 (en) 2007-10-04 2011-08-23 Hyprotek, Inc. Mixing/administration syringe devices, protective packaging and methods of protecting syringe handlers
RU2513142C2 (ru) 2008-06-12 2014-04-20 Медтроник Ксомед Инк. Способ лечения хронических ран
KR20110091510A (ko) 2008-10-07 2011-08-11 엠펙스 파마슈티컬즈, 인코포레이티드 약동학 개선을 위한 에어로졸 플루오로퀴놀론 제형
CA2739893C (en) 2008-10-07 2016-10-04 Mpex Pharmaceuticals, Inc. Inhalation of levofloxacin for reducing lung inflammation
US8551454B2 (en) * 2009-03-13 2013-10-08 Luitpold Pharmaceuticals, Inc. Device for intranasal administration
US8277781B2 (en) * 2009-03-13 2012-10-02 Luitpold Pharmaceuticals, Inc. Device for intranasal administration
RU2015130524A (ru) 2009-09-04 2018-12-21 Раптор Фармасьютикалз Инк. Применение левофлоксацина в форме аэрозоля для лечения муковисцидоза
CN102859288B (zh) * 2010-03-16 2016-09-28 阿桑尼特有限责任公司 适用于减少暴露于个人呼吸区内过敏原和其它空气传播的微细颗粒以及改善睡眠质量的温控型层状气流
EP2502616A1 (fr) * 2011-03-21 2012-09-26 Matthew Krayenbuhl Composition pharmaceutique nasale
WO2012177251A1 (en) * 2011-06-22 2012-12-27 Adeda Therapeutics Company Limited Pharmaceutical compositions comprising iodine and steroid and uses thereof for sinus diseases
CN102429862B (zh) 2011-11-29 2013-05-01 江苏德达医药科技有限公司 一种聚维酮碘眼用缓释滴眼液
HUE049323T2 (hu) 2014-02-10 2020-09-28 Respivant Sciences Gmbh Hízósejt-stabilizálók tüdõbetegség kezelésére
CN106456595A (zh) * 2014-02-10 2017-02-22 帕塔拉制药有限责任公司 用于***性病症的肥大细胞稳定剂治疗
US10617703B2 (en) 2014-12-10 2020-04-14 Cmpd Licensing, Llc Compositions and methods for treating an infection
US11684567B2 (en) 2015-08-05 2023-06-27 Cmpd Licensing, Llc Compositions and methods for treating an infection
US11278590B2 (en) 2015-08-05 2022-03-22 Cmpd Licensing, Llc Compositions and methods for treating nail infections
US11690815B2 (en) 2015-08-05 2023-07-04 Cmpd Licensing Llc Hyperkeratotic skin condition treatments and compositions
US10898455B2 (en) 2016-01-07 2021-01-26 Cmpd Licensing, Llc Urea cream formulations
US10898491B2 (en) 2015-12-18 2021-01-26 Cmpd Licensing, Llc Compositions and methods for treating an infection
US11793783B2 (en) 2015-08-05 2023-10-24 Cmpd Licensing, Llc Compositions and methods for treating an infection
US10238625B2 (en) 2015-08-07 2019-03-26 Respivant Sciences Gmbh Methods for the treatment of mast cell related disorders with mast cell stabilizers
US10265296B2 (en) 2015-08-07 2019-04-23 Respivant Sciences Gmbh Methods for the treatment of systemic disorders treatable with mast cell stabilizers, including mast cell related disorders
JP2019528320A (ja) 2016-08-31 2019-10-10 レシュピファント サイエンシス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥングRespivant Sciences Gmbh 特発性肺線維症による慢性咳の治療のためのクロモリン組成物
JP2019531308A (ja) 2016-10-07 2019-10-31 レシュピファント サイエンシス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥングRespivant Sciences Gmbh 肺線維症の治療のためのクロモリン組成物
US10525025B2 (en) 2016-11-17 2020-01-07 Cmpd Licensing, Llc Compounded compositions and methods for treating pain
US9999604B2 (en) 2016-11-17 2018-06-19 Cmpd Licensing, Llc Compounded solutions of diclofenac and lidocaine and methods
US11737975B2 (en) 2016-11-17 2023-08-29 Cmpd Licensing, Llc Compounded compositions and methods for treating pain
US10966946B2 (en) 2016-11-17 2021-04-06 Cmpd Licensing, Llc Compounded compositions and methods for treating pain
US20190125825A1 (en) * 2017-10-12 2019-05-02 High Point University Small-molecule adjuvants for antibiotics to address antibiotic resistance
TW202042813A (zh) * 2019-01-10 2020-12-01 大陸商江陰貝瑞森製藥有限公司 含有白三烯受體拮抗劑的新穎調配物
EP3941450A4 (en) * 2019-03-22 2022-12-21 Dbbh, Llc INTRANASAL ANTIHISTAMINES AND ASSOCIATED USES
CN113018443B (zh) * 2019-12-27 2022-09-13 海南斯达制药有限公司 治疗呼吸***疾病的药物组合物及其制备方法
BE1030314B1 (fr) * 2022-03-03 2023-10-02 Philippe Dumont Composition antivirale à base de solution d'hydroxyde de calcium

Family Cites Families (81)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US103157A (en) * 1870-05-17 Improvement in spoke-tenoning and hub-boring machines
US62338A (en) * 1867-02-26 William e
US66244A (en) * 1867-07-02 Improved band-coupling
US4424216A (en) * 1979-07-31 1984-01-03 The Rockefeller University Method for the reduction of mucin viscosity
WO1981002977A1 (en) * 1980-04-25 1981-10-29 Orthana Kemisk Fab As Sterilized,preserved,stable mucine-containing solutions and sterilization method
US4593089A (en) * 1980-07-30 1986-06-03 Abbott Laboratories Fluorescent polarization immunoassay utilizing substituted triazinylaminofluorescein aminoglycosides
US4468513A (en) * 1980-09-22 1984-08-28 Eli Lilly And Company 2'-N-Acylated and 2'-N-alkylated derivatives of 4-O-substituted-2-deoxystreptamine aminoglycosides
US4312860A (en) * 1980-10-24 1982-01-26 Regents Of The University Of California Lung surfactant compositions
US4355021A (en) * 1980-10-29 1982-10-19 S. C. Johnson & Son, Inc. Virucidal wipe and method
JPS5795920A (en) * 1980-12-04 1982-06-15 Teijin Ltd Remedy for respiratory disease
DE3206725A1 (de) * 1981-05-13 1982-12-02 Merck Patent Gmbh, 6100 Darmstadt Schwer loesliche salze von aminoglykosidantibiotika
JPS58213774A (ja) * 1982-06-04 1983-12-12 Kowa Co 新規アミノ配糖体
US4493831A (en) * 1982-10-25 1985-01-15 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Aminoglycoside derivatives
AU575038B2 (en) * 1983-01-28 1988-07-21 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Aminoglycoside derivatives, eg 2'n-palmitoyl-kasugamycin
US5169637A (en) * 1983-03-24 1992-12-08 The Liposome Company, Inc. Stable plurilamellar vesicles
US4478822A (en) * 1983-05-16 1984-10-23 Merck & Co., Inc. Drug delivery system utilizing thermosetting gels
JPS6042394A (ja) * 1983-08-18 1985-03-06 Kowa Co 新規なアミノグリコシド及びその製法
US4684643A (en) * 1983-08-22 1987-08-04 Eli Lilly And Company Pharmaceutical compositions for storage in plastic containers and process therefor
EP0158441B2 (en) * 1984-03-08 2001-04-04 Phares Pharmaceutical Research N.V. Liposome-forming composition
US5141674A (en) * 1984-03-08 1992-08-25 Phares Pharmaceutical Research N.V. Methods of preparing pro-liposome dispersions and aerosols
SE8403905D0 (sv) * 1984-07-30 1984-07-30 Draco Ab Liposomes and steroid esters
US4749700A (en) * 1984-10-23 1988-06-07 Nastech Pharmaceutical Co, Inc. Novel methods of administering antihistamines, antinausea and antiemetic pharmaceutical agents and novel dosage forms containing same
US4656160A (en) * 1984-11-29 1987-04-07 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Aminoglycoside derivatives
US5110806A (en) * 1985-06-26 1992-05-05 The Regents Of The University Of California Lung surfactant compositions
JPS6253997A (ja) * 1985-09-03 1987-03-09 Kowa Co 新規なアミノ配糖体及びこれを含有する製剤
US5049388A (en) * 1986-11-06 1991-09-17 Research Development Foundation Small particle aerosol liposome and liposome-drug combinations for medical use
GB8630273D0 (en) * 1986-12-18 1987-01-28 Til Medical Ltd Pharmaceutical delivery systems
US4767612A (en) * 1987-01-23 1988-08-30 Rorer Pharmaceutical Corporation Triamcinolone acetonide for the treatment of allergic rhinitis
US4917951A (en) * 1987-07-28 1990-04-17 Micro-Pak, Inc. Lipid vesicles formed of surfactants and steroids
US5112804A (en) * 1987-04-01 1992-05-12 Temple University Of The Commonwealth System Of Higher Education Pharmaceutical composition and method of intranasal administration
US4950477A (en) * 1988-08-23 1990-08-21 Memorial Hospital For Cancer And Allied Dieseas Method of preventing and treating pulmonary infection by fungi using aerosolized polyenes
US4906476A (en) * 1988-12-14 1990-03-06 Liposome Technology, Inc. Novel liposome composition for sustained release of steroidal drugs in lungs
US5006343A (en) * 1988-12-29 1991-04-09 Benson Bradley J Pulmonary administration of pharmaceutically active substances
WO1990013327A1 (en) * 1989-04-28 1990-11-15 Riker Laboratories, Inc. Dry powder inhalation device
US5397771A (en) * 1990-05-10 1995-03-14 Bechgaard International Research And Development A/S Pharmaceutical preparation
AU7880991A (en) * 1990-05-10 1991-11-27 Novo Nordisk A/S A pharmaceutical preparation containing n-glycofurols and n-ethylene glycols
US5614216A (en) * 1990-10-17 1997-03-25 The Liposome Company, Inc. Synthetic lung surfactant
US5039666A (en) * 1990-10-30 1991-08-13 Hoechst-Roussel Pharmaceuticals Inc. Aminoglycoside composition having substantially reduced nephrotoxicity induced by the aminoglycoside
US5900406A (en) * 1991-07-09 1999-05-04 Nzym, Inc. Use of antibiotics of the type 2-deoxystreptamine substituted with aminosugars to inhibit growth of microorganisms containing group I introns
GB9120005D0 (en) * 1991-09-19 1991-11-06 Wellcome Found Method of administering phospholipid dispersions
US5167506A (en) * 1991-10-24 1992-12-01 Minnesota Mining And Manufacturing Company Inhalation device training system
US5525329A (en) * 1992-05-21 1996-06-11 The Johns Hopkins University Inhibition of phosphodiesterase in olfactory mucosa
IT1256111B (it) * 1992-11-23 1995-11-28 Lifegroup Spa Sali dell'acido traumatico ad attivita' cicatrizzante ed antibatterica
CA2153234C (en) * 1993-04-16 1999-02-16 Masanobu Takeuchi Aqueous drug composition having property of reversible thermosetting gelation
US5512269A (en) * 1993-06-09 1996-04-30 Burroughs Wellcome, Co. Method of treating retained pulmonary secretions
US5595977A (en) * 1993-10-27 1997-01-21 Dumex-Alpharma A/S Salts of amino glycosides
US5631004A (en) * 1993-09-30 1997-05-20 Alcon Laboratories, Inc. Use of sustained release antibiotic compositions in ophthalmic surgical procedures
ES2079320B1 (es) * 1994-05-17 1996-10-16 Cusi Lab Disolucion oftalmica a base de un diclofenaco y tobramicina y sus aplicaciones.
US5522385A (en) * 1994-09-27 1996-06-04 Aradigm Corporation Dynamic particle size control for aerosolized drug delivery
US5508269A (en) * 1994-10-19 1996-04-16 Pathogenesis Corporation Aminoglycoside formulation for aerosolization
US5861275A (en) * 1995-09-28 1999-01-19 The University Of Maryland Lantibiotic mutants and chimeras of enhanced stability and activity, leader sequences therefor, genes encoding the same, and methods of producing and using the same
US6423694B1 (en) * 1996-02-21 2002-07-23 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method of treating otitis media with uridine triphosphates and related compounds
US6420347B1 (en) * 1997-03-27 2002-07-16 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method of treating ciliary dyskinesia with uridine triphosphates and related compounds
US5900407A (en) * 1997-02-06 1999-05-04 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method of treating dry eye disease with uridine triphosphates and related compounds
US6083922A (en) * 1996-04-02 2000-07-04 Pathogenesis, Corp. Method and a tobramycin aerosol formulation for treatment prevention and containment of tuberculosis
US5976573A (en) * 1996-07-03 1999-11-02 Rorer Pharmaceutical Products Inc. Aqueous-based pharmaceutical composition
US5789391A (en) * 1996-07-03 1998-08-04 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method of treating sinusitis with uridine triphosphates and related compounds
US5906198A (en) * 1996-07-16 1999-05-25 Flickinger; William J. Nasal nebulizer
US5685291A (en) * 1996-11-15 1997-11-11 Marsh; Jean Ann Nebulizer adapter system for premature babies
US6921755B2 (en) * 1998-02-06 2005-07-26 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method of treating dry eye disease with purinergic receptor agonists
US5843881A (en) * 1997-02-13 1998-12-01 The Procter & Gamble Company Spray compositions
US6126930A (en) * 1997-02-13 2000-10-03 The Procter & Gamble Company Spray compositions
AUPO536797A0 (en) * 1997-02-28 1997-03-20 Alchemia Pty Ltd Protected aminosugars
DE69837664T2 (de) * 1997-05-14 2008-01-03 Senju Pharmaceutical Co., Ltd. Wässrige suspensionspräparationen mit exzellenter redispersibilität
US5925334A (en) * 1997-08-27 1999-07-20 Rubin; Bruce K. Use of surface active agents to promote mucus clearance
BR9814615A (pt) * 1997-10-22 2001-10-16 Jens Ponikau Métodos e materiais para o tratamento e prevenção de inflamação do tecido da mucosa
US5897872A (en) * 1997-11-12 1999-04-27 Picciano; Dante J. Iodine-containing nasal moisturizing saline solution
US5883084A (en) * 1998-06-08 1999-03-16 Clarion Pharmaceuticals Inc. Treatment of respiratory diseases utilizing α-tocopheryl-phosphocholine
GB2338649A (en) * 1998-06-25 1999-12-29 Brian Francis Hawtin Nasal antiseptic compositions
US6241969B1 (en) * 1998-06-26 2001-06-05 Elan Corporation Plc Aqueous compositions containing corticosteroids for nasal and pulmonary delivery
US6319513B1 (en) * 1998-08-24 2001-11-20 The Procter & Gamble Company Oral liquid mucoadhesive compounds
US6395746B1 (en) * 1998-09-30 2002-05-28 Alcon Manufacturing, Ltd. Methods of treating ophthalmic, otic and nasal infections and attendant inflammation
US7521068B2 (en) * 1998-11-12 2009-04-21 Elan Pharma International Ltd. Dry powder aerosols of nanoparticulate drugs
HUP0105226A3 (en) * 1998-12-17 2003-03-28 Pathogenesis Corp Seattle Method for the treatment of severe chronic bronchitis (bronchiectasis) with an aerosolized antibiotic
CA2359891A1 (en) * 1999-02-26 2000-08-31 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method of promoting mucosal hydration with certain uridine, adenine and cytidine diphosphates and analogs thereof
US6037358A (en) * 1999-03-24 2000-03-14 Carter-Wallace, Inc. Decongestant/antihistaminic compositions
US6395300B1 (en) * 1999-05-27 2002-05-28 Acusphere, Inc. Porous drug matrices and methods of manufacture thereof
US20020061281A1 (en) * 1999-07-06 2002-05-23 Osbakken Robert S. Aerosolized anti-infectives, anti-inflammatories, and decongestants for the treatment of sinusitis
US6576224B1 (en) * 1999-07-06 2003-06-10 Sinuspharma, Inc. Aerosolized anti-infectives, anti-inflammatories, and decongestants for the treatment of sinusitis
US6277855B1 (en) * 2000-04-21 2001-08-21 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method of treating dry eye disease with nicotinic acetylcholine receptor agonists
US6448276B1 (en) * 2000-05-17 2002-09-10 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Method for treating vaginal dryness with nicotinic acetylcholine receptor agonists

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016520582A (ja) * 2013-05-07 2016-07-14 マクマスター ユニバーシティー メタロβラクタマーゼの阻害剤
US10016383B2 (en) 2013-05-07 2018-07-10 Mcmaster University Inhibitors of metallo-β-lactamase-enzymes
JP2018154654A (ja) * 2013-05-07 2018-10-04 マクマスター ユニバーシティー メタロβラクタマーゼの阻害剤
JP2020534372A (ja) * 2017-09-20 2020-11-26 アトピック・メディカル・エル・エル・シー 呼吸器状態及び粘膜の炎症を治療及び改善するための組成物及び方法
JP7285261B2 (ja) 2017-09-20 2023-06-01 アトピック・メディカル・インコーポレイテッド 呼吸器状態及び粘膜の炎症を治療及び改善するための組成物及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
ZA200401593B (en) 2005-05-25
IL160187A0 (en) 2004-07-25
US20020061281A1 (en) 2002-05-23
MXPA04001763A (es) 2004-05-31
WO2003020219B1 (en) 2004-05-06
HUP0600332A2 (en) 2007-02-28
WO2003020219A3 (en) 2003-09-25
US20040204399A1 (en) 2004-10-14
CA2456904A1 (en) 2003-03-13
EP1420760A2 (en) 2004-05-26
AU2002361918B2 (en) 2007-03-01
WO2003020219A2 (en) 2003-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2002361918B2 (en) Aerosolized decongestants for the treatment of sinusitis
AU2002361918A1 (en) Aerosolized decongestants for the treatment of sinusitis
AU779077B2 (en) Aerosolized anti-infectives, anti-inflammatories, and decongestants for the treatment of sinusitis
US9844580B2 (en) Recombinant human CC10 and compositions thereof for use in the treatment of nasal rhinitis
MX2007001561A (es) Formulacion farmaceutica que comprende pleconaril para tratamiento de enfermedades de vias aereas.
MX2008010351A (es) Formulaciones farmaceuticas.
US20180050033A1 (en) Antifungal treatment of rheumatoid arthritis
WO2023144614A1 (en) Nasal compositions and methods thereof
US20210353851A1 (en) Treatment of Paranasal Sinus Disease
Friedlander Medical Management of Chronic Rhinosinusitis in Children and Adults
AU2015204387A1 (en) Recombinant human cc10 and compositions thereof for use in the treatment of nasal rhinitis

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080317

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080325

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080819