JP2005507450A - ロジンエステルを含んで成る塗料組成物およびその製造法 - Google Patents

ロジンエステルを含んで成る塗料組成物およびその製造法 Download PDF

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Abstract

ロジンのシリルエステルを含んで成る塗料組成物。ロジンのシリルエステルは単独で或いは他の接合剤成分と組み合わせて自己研磨性をもった防汚塗料として使用される。また、塗料組成物にシリルエステルを加える方法が定義されている。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は塗料組成物、特に自己研磨性をもった防汚塗料における接合剤としてのシリルエステルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
金属の化合物を徐々に海中に浸出させることによりフジツボ類および他の海洋生物が船体建造物に付着するのを防ぐために、現存の多くの防汚塗料が使用されている。しかしこれらの化合物は水中に残存し、海洋生物を殺し、環境に害を与え、恐らくは食物連鎖の中に入り込むことが研究により示されている。1960年代に開発された最も効果的な種類の防汚塗料の一つは有機錫化合物であるトリブチル錫(TBT)を含んでいるが、これは牡蛎類の奇形およびエゾバイの性転換の原因になることが証明されている。
【0003】
米国の一機関である国際海洋機構(The International Maritime Organization(IMO))は、ロンドンで開催された5日間の外交協議会の終りにおいて、2001年10月5日に有害な防汚塗料系の抑制に関する国際条約を採用した。
【0004】
ここで提案された防汚塗料の条約は1999年11月にIMOによって採択された船舶に使用される集会決議A.895(21)に応えたものである。この会議は、船舶に使用されている防汚塗料系の有害な影響を訴えるために全世界に亙って法的に拘束する協定書をつくることをIMOの海洋環境保護委員会(Marin Environment Protection Cpmmittee(MEPC))に要請した。
【0005】
この決議は、殺生物剤として作用する有機錫化合物を船舶の防汚塗料系に対して適用することを2003年1月1日までに包括的に禁止すること、および殺生物剤として作用する有機錫化合物を船舶の防汚塗料系に対して適用することを2008年1月1日までに完全に禁止することを求めている。
【0006】
有機錫化合物の環境に対する有害な影響は1990年にIMOにおいて認められており、この時MEPCは、25mより短い非アルミニウム製の船体をもった船舶に対しTBTを含む防汚塗料を使用することを排除し、またTBTの浸出速度が1日当り4μgより多い割合で防汚塗料を使用することを排除する手段を政府が講じることを推奨する決議を採択した。例えば日本のような幾つかの国では既に大部分の船舶に対し防汚塗料中においてTBTを既に禁止している。
【0007】
従って当業界においては、有機錫化合物を含まず、しかも従来法の錫含有防汚塗料がもつ良好な防汚特性および自己研磨(self−polishing)性を保持した改善された侵食性の(erodable)防汚塗料が必要とされている。
【0008】
錫を含まないシステムは当業界においては公知である:
− ロジンおよびその同様な可溶性の塩を含む防汚塗料は既に長年に亙って存在している。ロジンは海水に僅かに溶解する(pH=8.1において8.6×10−5モル/L)。ロジンは分子量が低いので、適切なフィルム生成性能を与えるためには、ロジンは他の接合剤と配合される。
【0009】
− 木材ロジンを銅−または亜鉛−ピリチオンと組み合わせた塗料は数日で許容できない程度に濃化またはゲル化することが見出だされている。特許文献1には、所望のゲル化抑制性を賦与するためにアミン化合物またはエステル化された木材ロジンを含ませた塗料が記載されている。
【0010】
− 特許文献2および特許文献3、並びに特許文献4には、フィルム生成性接合剤と組み合わせたロジンをベースにした塗料系が記載されている。しかしこれらの明細書に従ってつくられた被膜はこれらの被膜が現在「削摩型(ablative)」と分類される技術的な問題を抱えている。何故ならば、侵食は真の化学的な加水分解によるものではなく、溶解と侵食とが組み合わされその後摩擦的な摩耗力によって表面層が弱くなることに基づくものであり、その結果表面の粗さが増大し(ミクロン的な尺度における削摩・パターン),被膜の侵食速度が不規則になるからである。
【0011】
− 特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8にはアクリル酸銅(または亜鉛)をベースにした系が記載されている。廉価な原料を使用しているためこれらの錫を含まない系は幾つかの欠点をもっている。実際その製造には専用の装置が必要であり、それらの組成物は化学分析によって同定することは極めて困難である。さらに防汚塗料系に銅を使用することは将来確実に制限されるであろう。このような傾向の一つの例として、オランダでは25mよりも小さいヨットに対し銅を含む防汚塗料の使用が禁止されている。
【0012】
− アクリル酸シリルをベースにした系はM&Tによって開示されており(特許文献9、特許文献10)、さらにChugoku(特許文献11)、Nippon Oils & Fats(特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15)およびSigma Coatings(特許文献16および特許文献17)によっても開発されている。
【0013】
幾つかの性質を改善するためにロジンまたはロジン誘導体を加水分解可能なアクリレートと組み合わせて使用することができることは当業界において公知である。
【0014】
特許文献18にはロジンアミンDをアクリル酸銅と組み合わせて使用することが記載されている。特許文献19にはロジン(およびその誘導体)とアクリル酸亜鉛/銅との配合物を使用することに関する幾つかの利点が記載されている。特許文献20には、ロジン(およびその誘導体)とトリアルキルシリル(メタ)アクリレート共重合体とを配合すると、静止条件下(例えば新しい船舶の建造における艤装期間中)における侵食の能力を改善し、これによって優れた防汚性能が得られることが記載されている。この配合によって再被覆性および亀裂および剥離に対する抵抗性も改善されると主張されている。
【0015】
特許文献21には、自己研磨性をもつ防汚塗料の接合剤としてロジン、ロジン誘導体およびロジンの金属塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と有機シリルエステル基を含む或る種の重合体との配合物が記載されており、それによって長期間浸漬を行った後における性質が改善されることが述べられている。現在、船舶の所有者は、船を乾ドックに入れて船体に新しい塗装を行う回数を減らすために、一層長い期間に亙って優れた性能が得られることを求めている。従って当業界においては代替となる改善された自己研磨性の防汚塗料がなお継続して求められている。
【特許文献1】
US 5,112,397号(Olin Corp.)。
【特許文献2】
EP 289481号。
【特許文献3】
EP 526441号(Sigma Coatings)。
【特許文献4】
WO 9744401号(Hempel)。
【特許文献5】
EP 342276号(Nippon Paint)。
【特許文献6】
GB 2 311 070号(Kansai Paint).
【特許文献7】
US 5 545 823号。
【特許文献8】
US 5 382 281号(Yung Chi Paint)。
【特許文献9】
WO 8402915号。
【特許文献10】
EP 00131621号。
【特許文献11】
EP 775733号。
【特許文献12】
EP 297505号。
【特許文献13】
EP 646630号。
【特許文献14】
EP 714957号。
【特許文献15】
EP 802243号。
【特許文献16】
WO 0162811号。
【特許文献17】
WO 0162858号。
【特許文献18】
EP 530205号(Courtaulds)。
【特許文献19】
WO 0043460号(Akzo Nobel)。
【特許文献20】
EP 1016681号(Chugoku)。
【特許文献21】
EP 802243号(Nippon Oils & Fats)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
驚くべきことに本発明においては、ロジンのシリルエステル(以下の説明においてはまたシリル化された樹脂酸エステルまたはアビエチン酸シリルとも呼ぶ)を用いることにより、塗料、特にロジンまたはロジン金属塩をベースにした防汚塗料の「削摩」の影響は大部分克服されることが見出だされた。
【0017】
従って本発明によれば、接合剤系においてロジンのシリルエステルを含んで成る塗料組成物が提供される。さらに本発明によれば、自己研磨性をもった防汚塗料における接合剤系の成分としてのロジンのシリルエステルの使用が提供される。
【0018】
本明細書の目的に対し「接合剤系」という言葉は、ロジンのシリルエステルから実質的に成り当業界の専門家に公知の他の接合剤成分を随時含む組成物を意味する。
【0019】
また本発明によれば、防汚塗料の製造法において該方法の一段階が接合剤系の接合剤成分としてロジンのシリルエステルを添加する段階であることを特徴とする方法が提供される。
【0020】
本発明は、ロジンの上に遊離のカルボキシル基が存在するためにロジンを含む防汚塗料の性質が不十分であって脆さの大きい樹脂酸Zn/Cuを生成するが、ロジンの遊離のカルボキシル基をシリル基、好ましくはヒドロカルビル基で置換されたシリル基、特にヒドロカルビル基で完全に置換されたシリル基と反応させた後では、予想外にもこの性質は著しく改善されるという認識に基づいている。
【0021】
ロジンという言葉は漠然と使用されている言葉であり、或る種の樹木の表面につくられた切り口からゴム状の浸出物を採取した結果得られる生成物を意味している。或る場合にはロジンはマツ属の植物から得られる生成物として限定的に定義される。ここで使用される総称的な言葉である「ロジン」の中に包含される同様な生成物にはコンゴ・コーパル(Congo copal)、カウリ・コーパル(Kauri copal)、ダマー・ゴム(Damar gum)およびマニラ・ゴム(Manilla gum)が含まれる。ロジンを得る他の方法には、森林を伐採した後マツ属植物の切り株から木材ロジンを溶出させるか、或いはクラフト紙の製造工程の副成物を精製してトール油のロジンを得る方法が含まれる。
【0022】
マツに由来するロジンを選ぶことが好ましい。ロジンの主成分(約80%)はアビエチン酸であり、シルビン酸(sylvic acid)とも呼ばれる(CASの登録番号=514−10−03)。これをロジンの代わりに使用することもできる。
【0023】
本発明におけるロジンのシリルエステルはロジン誘導体のシリルエステルであることもできる。
【0024】
この点に関連して、「ロジン」という言葉はゴム・ロジン;B、C、D、E、F、FF、G、H、I、J、K、L、M、N、W−G、W−W級(ASTM D509規格に定義)の木材ロジン;未加工ロジン;ハード・ロジン(hard rosin);黄色ディップ・ロジン(yellow dip rosin);NF木材ロジン;トール油ロジン;或いはコロフォニーまたはコロフォニウム;並びに天然ロジンの品質をもつ任意の単一成分、例えばアビエチン酸、アビエチニン酸、シルビン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、レボピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、パルストル酸、デクストロピマル酸、イソデクストロピマル酸、デクストロピマリナール、イソデクストロピマリナール、キサントペロール、タタロール、ポドカルピン酸、フィロクラデン、スギオール、フェルギノール、ヒモキオール、マノオール、マノイルオキシド、ケトマノイルオキシド、カチビニン酸、エペルアニン酸、およびアビエチン酸のジテルペン骨格をベースにしたすべての他のロジン成分;並びに、シリル化(必要に応じ酸化を経て)のために少なくとも1個のカルボキシル基をもっているこれらの混合物を含むものとする。「ロジン」という言葉は上記化学種の任意の混合物および任意の化学種自身を指すことができることを了解されたい。
【0025】
この点に関連して「ロジン誘導体」という言葉はシリル化のために1分子当たり少なくとも1個のカルボキシル基が残るような種々の化学反応または化学過程に従って変性または誘導されたすべての型のロジン(上記に定義したような)を意味するものとする。機械的性質および/または自己研磨性の制御の改善に関連して優れた塗料成分の性質をもつロジン誘導体を得るには幾つかの方法が期待される。
【0026】
次のものを例として挙げることができる:
A.不飽和酸(例えばアクリル酸、マレイン酸またはフマル酸)およびジ酸のモノエステルとロジンとの付加物。
【0027】
B.ロジン自身の付加物(二量体化されたロジン、オリゴマー化されたまたは重合したロジン)。
【0028】
C.水素化されたまたは部分的に水素化されたロジン。
【0029】
D.不均化した(dismutation)または不均化反応したロジン。
【0030】
ロジンおよびロジン誘導体に関するもっと広範な説明は特許文献4に記載されている。この特許はシリル化のために1分子当たり少なくとも1個のカルボキシル基が得られるロジンまたはロジン誘導体の定義に関連する限り、引用により本明細書に包含される。
【0031】
若干のロジンまたはロジン誘導体の市販品の例を表1に掲げる。これらの例の大部分は高い軟化点をもち、従って接着性をもっていない。
【0032】
【表1】
Figure 2005507450
【0033】
カルボン酸基と置換基をもったシリル基との反応は当業界において公知である。例えば
・ The Analyst誌、第103巻、n1224、193〜222頁(1978年3月)のJ.D.Nicholsonの論文、
・ Synthesis誌、817〜845頁(1985年9月)のM.Lalonde、T.H.Chanの論文参照。これらの文献はカルボン酸基のシリル化に関連する限り引用により本明細書に包含される。
【0034】
ロジンのトリメチルシリルエステル(CASの登録番号=21414−50−6)の製造法およびガスクロマトグラフは報告されている(J.Gas Chromatogr.誌、1968年、第6巻(3)、158〜160頁)。
【0035】
シリル化剤の例は下記のような塩化トリ有機シリルおよび水素化トリ有機シリル、並びにヘキサ有機ジシロキサンおよびジシラザンである:
Si−X、 ここでX=HまたはCl
Si−X−SiR、 ここでX=OまたはNH
本発明に従えば、シリル基は置換基をもっていることももっていないこともできる。適当なシリルの置換基は1個またはそれ以上のアルキル、アラルキルまたはアリール基であり、これらは同一または相異なることができ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルおよびフェニルを含んでいる。異なった置換基をもつシリル化剤の例は塩化ジメチルt−ブチルシリルである。好適な置換基はメチルおよびエチルであり、さらに好適な置換基はメチルである。
【0036】
本明細書において使用される「アルキル」という言葉は、直鎖の、分岐したまたは環式の部分またはそれらの組み合わせを含む炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜8、もっと好ましくは1〜6、それ以上に好ましくは1〜4の飽和炭化水素基に関連している。このような基の例にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、オクチル等が含まれる。
【0037】
本明細書において使用される「アリール」という言葉は、芳香族炭化水素から1個の水素を取り去って誘導される有機基に関する言葉であり、各環の原子数が最高7の任意の単環式または二環式炭素環を含み、ここで少なくとも1個の環は芳香環である。このような基は随時アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノ基から独立に選ばれる1個またはそれ以上の置換基で置換されていることができる。アリール基の例にはフェニル、p−トリル、4−メトキシフェニル、4−(t−ブトキシ)フェニル、3−メチル−4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−ニトロフェニル、3−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メチル−3−アセトアミドフェニル、2−メチル−3−アミノフェニル、3−メチル−4−アミノフェニル、2−アミノ−3−メチルフェニル、2,4−ジメチル−3−アミノフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−アミノ−1−ナフチル、2−メチル−3−アミノ−1−ナフチル、6−アミノ−2−ナフチル、4,6−ジメトキシ−2−ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル、またはアセナフチル等が含まれる。
【0038】
本明細書において使用される「アラルキル」という言葉は式アルキルアリールの基に関した言葉であり、ここでアルキルおよびアリールは上記に定義したのと同じ意味をもっている。アラルキル基の例にはベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3−(2−ナフチル)−ブチル等が含まれる。
【0039】
他の好適な具体化例に従えば、ジ−、トリ−、テトラ官能性をもったシリル化剤およびその混合物、例えば二塩化ジメチルシリル、三塩化エチルシリルおよびテトラクロロシランを用いてそれぞれ二樹脂酸ジアルキルシリル、三樹脂酸アルキルシリル、四樹脂酸シリルおよびそれらの混合物をつくることもできる。
【0040】
本発明の一つの目的は、塗料組成物又は塗料、好ましくは防汚塗料の中で接合剤系の接合剤成分としてロジンのシリルエステルを使用することであり、この際ロジンのシリルエステルは接合剤系組成物の全重量に関して5〜100重量%の量で存在している。
【0041】
一具体化例に従えば、ロジンのシリルエステルは接合剤系組成物の全重量に関し5〜25重量%の量である。
【0042】
他の具体化例に従えば、ロジンのシリルエステルは接合剤系組成物の全重量に関し35〜65重量%の量である。
【0043】
さらに他の具体化例に従えば、ロジンのシリルエステルは接合剤系組成物の全重量に関し100重量%の量である。
【0044】
驚くべきことに本発明においては、ロジン化合物の酸官能基が完全にシリルエステルに変わると、該シリルエステルによって得られる塗料の調合物、製造法および安定性に対し多くの利点が得られることが見出だされた。即ち:
・ 酸化亜鉛および酸化第一銅のような反応性顔料に対して不活性である。ロジン化合物を含む自己研磨性をもった防汚塗料は、その遊離の酸官能基を介して実際には防汚塗料の中に常に存在する反応性の顔料、例えば酸化亜鉛または酸化第一銅と反応し、対応する塩、例えば樹脂酸亜鉛または樹脂酸第一銅を生じることは良く知られている。樹脂酸の金属塩は海水中に殆ど溶解せず、接着性およびフィルム生成性が悪いという欠点をもっている。
【0045】
・ 殺生物剤に対して不活性である。ロジンをベースにした組成物の中に例えば亜鉛/銅ピリチオンを使用した場合通常起こるゲル化の危険はもはや存在しない。亜鉛ピリチオンは防汚塗料に使用されている近代的な殺生物剤の一つであるが、カルボン酸基および/またはカルボン酸基の金属塩の存在下においては不安定であるという欠点をもっていることは良く知られている。従ってロジンをベースにした塗料の中ではこの殺生物剤は例えば特別な注意をせずに使用することはできない。何故ならば、これらの塗料は常に或る程度カルボン酸基を含み、それによって塗料の不可逆的なゲル化を生じるからである。
【0046】
・ 水(新鮮な水または海水)の中における溶解および侵食の過程に対して感度が高い。
【0047】
・ 脆さが少ない:換言すれば、関与する樹脂酸種の対応する金属塩よりもガラス転移温度(Tg)および軟化点が低い。
【0048】
実際に、ロジン化合物と酸化亜鉛または酸化第一銅との反応は軟化点並びにTgを上昇させる効果があり、例えば軟化点はロジンに対する70℃から樹脂酸亜鉛に対する160℃に上昇する。これとは対照的に、ロジン化合物の酸官能基を本発明に従ってシリル基と反応させた場合、このような上昇は殆ど起こらない(例えば実施例1においてTgの値はロジンに対する52℃から樹脂酸トリメチルシリルに対する62℃に上昇するだけである)。
【0049】
加水分解可能なロジンのシリルエステルは単独で、或いは好ましくは防汚塗料配合物の中に通常存在する他の接合剤と組み合わせて使用して接合剤系をつくることができる。他の接合剤が存在する場合、それらの量は接合剤系組成物の全重量に関して0ないし最高95重量%の量である。
【0050】
しかし、本発明のロジンのシリルエステルは非防塗料組成物において使用することができる。その自己研磨効果を例えば「落書き防止用」塗料組成物のような他の組成物に使用することができる。
【0051】
他の接合剤の例は次の通り
・ Ca、CuまたはZnの樹脂酸塩
・ Ca、CuまたはZnのナフテン酸塩
・ Laroflex MP(BASF製の市販品)のようなビニル製品
・ Neocryl B725(Avecia製の市販品)のようなアクリレート
・ アクリル酸Cu/Zn/Ca、例えば特許文献5、EP 982324号(Kansai)記載のもの、またはポリエステル、例えばEP 1033392号(Kansai)記載のもの。
【0052】
・ トリ有機シリル(メタ)アクリレート共重合体、例えばEP 131626号(M&T)、US 4593055号( M&T)、EP 775773号(Chugoku)、特許文献13(NOF)、US 5436284号(NOF)、特許文献16および特許文献17( SIGMA COATINGS)記載のもの。
【0053】
・ 親水性の(メタ)アクリレート、例えばFR 2 557 585号(Jotun)、特許文献3およびEP 289441号(SIGMA COATINGS)記載のもの。例えば特許文献3およびEP 289441号記載のような親水性のアクリル樹脂とロジンのシリルエステルとの配合物は樹脂酸亜鉛との配合物に比べて改善された性質をもっていることが観測されている。このフィルムは可撓性が高く、良好な接着性をもち、pH12において加水分解で誘起される侵食過程を示すが、新鮮な水および海水の条件(それぞれpH7および8)で浸漬した場合は欠陥を示さない。
【0054】
また本発明によれば成分として1種またはそれ以上の防汚剤を含む防汚塗料が提供される。
【0055】
本発明に対して本質的なことではないが、防汚剤は本発明の被覆組成物の中で一成分として使用することができ、1種またはそれ以上の任意の一般に公知の防汚剤であることができる。公知の防汚剤は無機化合物、金属含有有機化合物、および金属を含まない有機化合物に大別される。
【0056】
無機化合物の例には銅化合物(例えば硫酸銅、銅粉末、チオシアン酸第一銅、炭酸銅、塩化銅、および伝統的に好適な酸化第一銅)、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸ニッケル、および銅ニッケル合金が含まれる。
【0057】
金属含有有機化合物の例には、有機銅化合物、有機ニッケル化合物および有機亜鉛化合物が含まれる。マンガンエチレンビスジチオカルバメート(maneb),プロピネブ(propineb)等も使用できる。有機銅化合物の例には銅ノニルフェノール−スルフォネート、銅ビス(エチレンジアミン)ビス(ドデシルベンゼンスルフォネート)、酢酸銅、ナフテン酸銅、銅ピリチオンおよび銅ビス(ペンタクロロフェノレート)が含まれる。有機ニッケル化合物の例には酢酸ニッケルおよびジメチルジチオカルバミン酸ニッケルが含まれる。有機亜鉛化合物の例には酢酸亜鉛、カルバミン酸亜鉛、ビス(ジメチルカルバモイル)亜鉛エチレン−ビス(ジチオカルバメート)、ジメチルジジチオカルバミン酸亜鉛、亜鉛ピリチオンおよび亜鉛エチレンビス(ジチオカルバメート)が含まれる。混合金属含有有機化合物の例としては、亜鉛塩と錯化した(重合)マンガンエチレンビスジチオカルバメート(mancozeb)を挙げることができる。
【0058】
金属を含まない有機化合物の例にはN−トリハロメチルチオフタルイミド、トリハロメチルチオスルファミド、ジチオカルバミン酸、N−アリールマレイミド、3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、ジチオシアノ化合物、トリアジン化合物、オキサチアジンおよびその他が含まれる。
【0059】
N−トリハロメチルチオフタルイミドの例にはN−トリクロロメチルチオフタルイミドおよびN−フルオロジクロロメチルチオフタルイミドが含まれる。
【0060】
ジチオカルバミン酸の例にはビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウムおよびアンモニウムエチレンビス(ジチオカルバメート)が含まれる。
【0061】
トリハロメチルチオスルファミドの例にはN−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミドおよびN−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’,N’−ジメチル−N−(4−メチルフェニル)スルファミドが含まれる。
【0062】
N−アリールマレイミドの例にはN−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−4−トリルマレイミド、N−3−クロロフェニルマレイミド、N−(4−n−ブチルフェニル)マレイミド、N−(アニリノフェニル)マレイミドおよびN−(2,3−キシリル)マレイミドが含まれる。
【0063】
3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンの例には2−(チオシアノメチルチオ)−ベンゾチアゾール、3−ベンジリデンアミノ−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−メチルベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(2−ヒドロキシベンリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−ジメチルアミノベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンおよび3−(2,4−ジクロロベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン2,4−ジオンが含まれる。
【0064】
ジチオシアノ化合物の例にはジチオシアノメタン、ジチオシアノエタン、および2,5−ジチオシアノチオフェンが含まれる。
【0065】
トリアジン化合物の例には2−メチルチオ−4−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンが含まれる。
【0066】
オキサチアジンの例には1,4,2−オキサチアジンおよびそのモノ−およびジ−オキシド、例えばPCT特許国際公開第98/05719号パンフレット記載のもの;(a)フェニル;ヒドロキシル、ハロ、C1〜12アルキル、C5〜6シクロアルキル、トリハロメチル、フェニル、C1〜C5アルコキシ、C1〜5アルキルチオ、テトラヒドロピラニロキシ、フェノキシ、C1〜4アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、C1〜C4〜アルキルスルフィニル、カルボキシまたはそのアルカリ金属塩、C1〜C4アルコキシカルボニル、C1〜C4アルキルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、トリルアミノカルボニル、モルフォリノカルボニル、アミノ、ニトロ、シアノ、ジオキソラニルまたはC1〜C4−アルコキシイミノメチルから独立に選ばれる置換基を1〜3個置換したフェニル;ナフチル;ピリジニル;チエニル;フラニル;またはC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、ハロ、シアノ、フォルミル、アセチル、ベンゾイル、ニトロ、C1〜4アルキルオキシカルボニル、フェニル、フェニルアミノカルボニル、およびC1〜4アルキルオキシイミノメチルから独立に選ばれる置換基を1〜3個置換したチエニルまたはフラニル;或いは(b)一般式
【0067】
【化1】
Figure 2005507450
【0068】
但し式中Xは酸素または硫黄;Yは窒素、CHまたはC(C1〜4アルコキシ)であり、該C6環は1個のC1〜4アルキル置換基をもつことができ、C1〜4アルキルまたはベンジルから選ばれる第2の置換基が随時5−または6−位に存在することができる、
で表わされる1個の置換基を3−位に有する1,4,2−オキサチアジンのモノ−およびジ−オキシドが含まれる。
【0069】
金属を含まない有機化合物の他の例には、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチル−ジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)−スルファミド、テトラメチルチウラムジスルフィド、カルバミン酸3−ヨード−2−プロピニルブチル、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンズイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、ジヨードメチル−p−トリルスルフォン、フェニル(ビスピリジン)ビスマスジクロリド、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、ジヒドロアビエチルアミン、N−メチロールフォルムアミド、およびピリジントリフェニルボランが含まれる。
【0070】
一好適具体化例に従えば、WO−A−9505739号記載のオキサチアジンを防汚剤として使用すると、塗料の自己研磨性が増加するという付加的な利点(EP−A−823462号に記載)が得られる。
【0071】
汚れを生じる生物の中で、フジツボは大部分の殺生物剤に対して抵抗性をもっているから最も厄介である。従って塗料組成物は好ましくは少なくとも1種の殺フジツボ剤、例えば酸化第一銅またはチオシアン酸第一銅を少なくとも効果的な量で含んでいなければならない。好適な殺フジツボ剤はEP−A−831134号に記載されている。EP−A−831134号には、5−位に、また随時1−位に置換基をもち、2−および3−位にはフッ素、塩素および臭素から成る群から独立に選ばれるハロゲンが置換され、5−位における置換基はC1〜8アルキル、C1〜8モノハロゲノアルキル、C5〜6シクロアルキル、C5〜6モノハロゲノシクロアルキル、ベンジル、フェニル、モノーおよびジーハロゲノベンジル、モノ、およびジーハロゲノフェニル、モノ−およびジ−C1〜4アルキルベンジル、モノ−およびジ−C1〜4アルキルフェニル、モノハロゲノモノ−C1〜4アルキルベンジル、およびモノハロゲノモノ−C1〜4−アルキルフェニルから成る群から選ばれ、5−位の置換基上のハロゲンは塩素および臭素から成る群から選ばれ、1−位に随時存在する置換基はC1〜4アルキル、およびC1〜4アルコキシ−C1〜4アルキルから選ばれる、少なくとも1種の2−トリハロゲノメチル−3−ハロゲノ−4−シアノピロール誘導体を乾燥組成物の全量に関して0.5〜9.9重量%の量で用いることが記載されている。
【0072】
このような防汚剤から選ばれた1種またはそれ以上の防汚剤が本発明において使用される。防汚剤は、被覆組成物の固体分含量の中での割合が通常0.1〜90重量%、好ましくは0.1〜80重量%、さらに好ましくは1〜60重量%になるような量で使用される。防汚剤の量が少なすぎると防汚効果を生じない。他方多すぎると亀裂および剥離のような欠陥ができ易く従って結果として防汚効果が少ない被覆フィルムが生じる。
【0073】
塗料はさらに顔料(または充填剤)、溶媒および添加剤を含んでいることができる。
【0074】
塗料組成物は、「活性」な顔料、即ち僅かに海水に溶解する顔料を1種またはそれ以上含むことができる。これらの顔料は、顔料粒子が塗料の表面に留まらない程度の溶解度を海水に対してもっている。これらの顔料は、塗料フィルムに対して相対的に動く海水によって全体的な滑らかさが誘起され、局所的な侵食を最低限度に抑制し、塗料を塗布する際に生じる異常な突起(excrescence)を選択的に除去する効果をもっている。僅かな可溶性をもった顔料は従来から長期間に亙って自己研磨性の防汚塗料に使用されてきた。典型的な例はチオシアン酸第一銅、酸化第一銅、酸化亜鉛、酢酸メタ砒酸第二銅、クロム酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛、およびジエチルジチオカルバミン酸亜鉛である。僅かな溶解度をもった好適な顔料は酸化亜鉛、酸化第一銅、およびチオシアン酸第一銅である。僅かな溶解度をもった顔料の混合物、例えば塗料の緩慢な溶解を誘起するのに最も効果がある酸化亜鉛を、効果の大きい殺海洋生物剤である酸化第一銅、チオシアン酸第一銅、ジメチルまたはジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、或いはエチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛と混合することができる。最も好適なものは酸化亜鉛と酸化第一銅またはチオシアン酸第一銅との混合物である。
【0075】
塗料組成物は、海水に対する溶解度が極めて少ない顔料、例えば二酸化チタン、タルクまたは酸化第二鉄を1種またはそれ以上含んでいることができる。このような溶解度が極めて小さい顔料は塗料の全顔料成分の最高40重量%で使用することができる。溶解度が極めて小さい顔料は塗料の侵食を遅延させる効果をもっている。
【0076】
塗料組成物は、塗料に色を賦与する顔料または染料、例えば二酸化チタン、酸化第一銅または酸化第鉄を1種またはそれ以上含んでいることができる。
【0077】
重合体に対する顔料の割合は、乾燥した塗膜の中で好ましくは顔料の容積濃度が少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも35%になるような割合である。顔料の濃度の上限は臨界的な顔料容積濃度である。顔料の容積濃度が最高約50%の塗料は海洋における用途に非常に効果的であることが見出だされた。
【0078】
有機溶媒の例には芳香族炭化水素、例えばキシレンおよびトルエン;脂肪族炭化水素、例えばヘキサンおよびヘプタン;エステル、例えば酢酸エチルおよび酢酸ブチル;アミド、例えばN−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルフォルムアミド;アルコール、例えばイソプロピルアルコールおよびブチルアルコール;エーテル、例えばジオキサン、THFおよびジエチルエーテル;およびケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびメチルイソアミルケトンが含まれる。これらの溶媒は単独で或いは組み合わせて使用することができる。
【0079】
溶媒は所望の粘度を得るために使用される。海での用途では、粘度は船体に塗布する場合に期待される操作温度において好ましくは5〜50dPa.s、さらに好ましくは10〜20dPa.s、最も好ましくは約15dPa.sになるように選ばれる。海での用途(新鮮な水または海水)においては、溶媒の種類は明らかに、所望の乾燥時間を考慮して、船体に塗布する際に期待される操作温度に合わせて選ばれる。
【0080】
このようにしてつくられた本発明の被覆組成物に随時添加剤成分を混入することができる。添加剤成分の例には脱湿剤、および被覆組成物中において垂れ防止剤、フラッディング防止剤(anti−flooding agent)、チキソトロピー剤および沈降防止剤、安定剤および発泡防止剤として通常用いられる添加剤がある。
【実施例】
【0081】
以下の本発明を限定しない実施例により本発明を例示する。さらにこれらの実施例に使用した測定法を説明する。
実施例1
樹脂酸トリメチルシリルの合成
420gのポルトガル・ゴム・ロジンを2Lの四ッ首フラスコの中に入れ、窒素下に保持する。このフラスコの4個の首に撹拌装置、還流冷却器、反応温度制御用の温度計、および反応原料添加装置を取り付ける。ゴム・ロジンをキシレン218gおよびトルエン850gの溶媒混合物中に溶解した。次に128gのトリエチルアミンを激しく撹拌しながら5分間に亙って注意して加えた。その結果フラスコの内容物の温度は10℃だけ上昇した。トリエチルアミンを添加した後、138gの塩化トリメチルシリルを激しく撹拌しながらゆっくりと加えた。
【0082】
瞬間的に白色の塩が生じ、発熱反応の結果内容物の温度は50℃に上昇した。この反応混合物を温度50℃に5時間保持した。次いで加熱および撹拌を止めた。翌日濾過してトルエン溶媒を蒸発させることにより生じた樹脂酸トリメチルシリルを精製した。収率は褐色の溶液530g(約78%)であり、これは固体分が75重量%、粘度は3dPa.sであった。この接合剤は非常に可撓性があり、ガラスおよびエポキシ下塗剤の上で良好な接着性をもち、pH12のアルカリ性溶液に浸漬すると数分以内で加水分解を示した。このことは、かたく脆いフィルムを生じ、ガラス上での接着性は中程度であり、pHが最高13に至るまで加水分解の挙動を示さない樹脂酸亜鉛の場合とは対照的であった。この接合剤のTgは62℃であった。
実施例2
二樹脂酸ジメチルシリルの合成
実施例1の合成の場合と同じ装置および方法を使用したが、次の点が異なっていた。335gのポルトガル・ゴム・ロジンを121gのキシレンと500gのトルエンに溶解した。これに101gのトリエチルアミンおよび64.5gのジメチルジクロロシランを順次加えた。収率は褐色の溶液300gであり、これは固体分が70重量%、粘度が10dPa.sであった。この接合剤はガラスおよびエポキシ下塗り剤の上で良好な接着性を示した。この接合剤はアルカリによる加水分解に非常に敏感であった。接合剤フィルムは15分以内でpH12の水の中に完全に溶解した。この接合剤のTgは52℃であった。
【0083】
樹脂酸トリメチルシリルおよび二樹脂酸ジメチルシリルの若干の性質を表2に示す。
【0084】
実施例1および2は、樹脂酸のシリルエステルが例えば樹脂酸亜鉛に比べて迅速にアルカリ性溶液に溶解し、樹脂酸亜鉛よりも脆さが少ないことを示している。
【0085】
【表2】
Figure 2005507450
【0086】
実施例3〜6、および対照例A
塗料調合物
表3に組成を重量%で示す幾つかの塗料をつくった。
【0087】
【表3】
Figure 2005507450
【0088】
実施例5および対照例Aにおいては、単量体の重量%がアクリル酸メチル50%、ビニルピロリドン25%、アクリル酸ブチル25%のEP−A−526 441号実施例1による樹脂50MA/25VP/25BAの溶液(キシレン中50重量%)を用いた。対照例Aにおいては樹脂酸亜鉛を用いた。
【0089】
幾つかの塗料組成物中に使用された接合剤系の全重量に関するロジンのシリルエステルの重量割合を表4に示す。
【0090】
【表4】
Figure 2005507450
【0091】
塗料の性質を表5に示す。
【0092】
【表5】
Figure 2005507450
【0093】
どの塗料調合物も20℃で3ヶ月貯蔵した後に著しい粘度の上昇を示さなかった。防汚活性および侵食速度に関して塗料を試験した。本発明による塗料は優れた防汚活性および自己研磨性を示した。本発明の塗料を被覆したパネルには雑草または動物による著しい汚れは観察されず、藻類によるヘドロも実際的に存在しなかった。
【0094】
上記実施例に使用した測定方法は次の通りである:
固体分含量の決定
固体分含量は120℃で1時間試料を加熱する前および加熱した後において秤量することによって決定した。[標準試験法ISO 3233/ASTM 2697/DIN 53219]。
【0095】
粘度の測定
接合剤溶液および塗料の粘度は25℃においてBrookfield法[ASTM試験法D2196−86]を用いて決定した。塗料の粘度はキシレンを用いて10〜20dPa.sの範囲に調節した。Haake VT 181(本体E30または100)の粘度計を用い標準条件で粘度を測定した。
【0096】
接合剤の加水分解性の評価
ドローダウン(draw−down、垂れ下がり)をアルカリ溶液(NaOH,pH 12.0〜13.4)中に浸漬することによって加水分解性の評価を行った。フィルム(50〜100μm)が1時間以内に加水分解または完全に溶解できた場合、当該pH値において「可」と報告される。
【0097】
軟化点の測定
ASTM−E28によるリングとボールの方法を使用した。
【0098】
接合剤のTgの決定
実際に決定を行うための試料は、ガラス上に樹脂のドローダウンをつくり120℃において16時間乾燥させることによって得た。その後でASTM 3418に従いTA instruments社の示差熱走査装置、DSC10を用いて測定を行った。
【0099】
塗料の研磨性の評価
侵食速度は全試験期間に亙って得られる1ヶ月当たりのフィルムの厚さの平均的な減少値である(μm/月で表わす)。直径20cmのステンレス鋼の円板を標準的な耐食系(300μmの厚さの乾燥フィルム)で保護した。試験すべき自己研磨性の塗料の二つの層を被覆し、全体の厚さが200〜300μmの乾燥フィルムをつくった。20℃の一定温度において絶えず天然の海水を入れ替えながら試験を行った。円板を1000rpmで回転させた。これは中心から9cmの所における速度が約34km/時間(18ノット)に相当する。1ヶ月の間隔で2回、塗料を1日乾燥した後に乾燥したフィルムの全体の厚さを決定した。厚さは円板の中心からそれぞれ9cmの所にある幾つかの固定点で測定を行った。
【0100】
塗料の防汚活性の評価
防汚活性は、調合した塗料をビニル樹脂/タール耐食性塗料の上で板に被覆し、この板をパネルの上に取り付け、活性季節の間(3月→10月)筏からこのパネルを南オランダのはずれの河口の中に浸漬することによって試験した。また各試験には無毒の対照品で被覆した板に対する試験も含まれていた(これは4週間以内で海藻および或る種の動物性の生物によって著しく汚された)。汚れ速度は汚れで覆われた区域を示すことによって報告される。
【0101】
本明細書の読者は、本出願と関連して本明細書と共に或いは本明細書以前に提出され、本明細書と共に公的な審査のために公開されたたすべての論文および文書に注目されたい。このような論文および文書のすべての内容は引用により本明細書に含まれるものとする。
【0102】
本明細書(添付された特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示されたすべての特徴および/またはここで開示された任意の方法または工程のすべての段階は、このような特徴および/または段階の少なくとも幾つかが互いに排他的な組み合わせである場合を除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0103】
本明細書(添付された特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された各特徴は、特記しない限り同一の、均等な或いは類似した目的のために使用される代替的な特徴によって置き換えることができる。即ち、特記しない限り、これらの記述された各特徴は一連の総括的な均等なまたは類似した特徴の一例に過ぎない。本発明は上記の具体化例の詳細点に制限されるものではない。本発明は本明細書(添付された特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された任意の新規の特徴或いは新規の組み合わせに対して、或いは上記の方法または工程の段階の新規のものまたは新規の組み合わせに対しても拡張される。

Claims (11)

  1. ロジンのシリルエステルを含んで成ることを特徴とする塗料組成物。
  2. 接合剤成分としてロジンのシリルエステルを含む接合剤系を含んで成ることを特徴とする塗料組成物。
  3. 塗料における接合剤系の接合剤成分としてのロジンのシリルエステルの使用。
  4. ロジンのシリルエステルは接合剤系の全重量に関し5〜100重量%の量で存在していることを特徴とする請求項2または3記載の組成物または使用。
  5. ロジンのシリルエステルは一樹脂酸トリアルキルシリル、二樹脂酸ジアルキルシリル、三樹脂酸アルキルシリル、四樹脂酸シリルおよびそれらの混合物から成る群から選ばれる請求項1〜4のいずれか一つに記載された組成物または使用。
  6. シリルのアルキル置換基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルおよびフェニル置換基、およびそれらの混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項5記載の組成物または使用。
  7. シリルのアルキル置換基はメチルおよびエチル置換基およびそれらの混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項6記載の組成物または使用。
  8. シリルのアルキル置換基はメチル置換基であることを特徴とする請求項7記載の組成物または使用。
  9. ロジンのシリルエステルは他の接合剤成分と組み合わされて使用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載された組成物または使用。
  10. 該組成物は1種またはそれ以上の防汚剤を含んで成る請求項1〜9のいずれか一つに記載された組成物または使用。
  11. 塗料を製造する方法において、該製造法の一つの段階は接合剤系の接合剤成分としてロジンのシリルエステルを加える段階であることを特徴とする方法。
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