JP2005340124A - 金属水酸化物分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大気中における分散安定性が高く、低温での加熱処理によって、基材の上に金属薄膜の形成が可能な金属水酸化物分散体、および金属薄膜製造方法の提供。
【解決手段】 一次粒子径が100nm以下の金属水酸化物微粒子および分散媒を含む金属水酸化物分散体であって、該分散媒が多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する該金属水酸化物分散体を、基板上に塗布し加熱処理する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属薄膜を形成するのに適した金属水酸化物分散体およびこの分散体を用いる金属薄膜の製造方法に関する。本発明によって、電極、配線、回路等の導電性薄膜を容易に作成することが可能となる。
従来、基板上に金属薄膜を形成する方法には、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、メッキ法、金属ペースト法等が知られている。真空蒸着法、スパッタ法、CVD法は、いずれも高価な真空装置を必要とし、いずれも成膜速度が遅いという問題がある。
メッキ法によると、導電性を有する基材の上に、比較的容易に金属膜を形成することが可能であるが、絶縁基材の上に形成する場合には、導電層をはじめに形成する必要があるため、そのプロセスは煩雑なものになるという問題がある。また、メッキ法は溶液中での反応を利用するため、大量の廃液が副生し、この廃液処理に多大な手間とコストがかかるという問題がある。
金属ペースト法は、金属フィラーを分散させた溶液を基材上に塗布し、加熱処理して金属薄膜を得る方法である。この方法によると、真空装置等の特別な装置を必要とせずプロセスが簡易であるという利点を有するが、金属フィラーを溶融するには、通常、1000℃以上の高温を必要とする。したがって、基材はセラミック基材等の耐熱性を有する基材に限られ、また、基材が熱で損傷したり、加熱により生じた残留応力により基材が損傷を受けやすいという問題もある。
一方、金属フィラーの粒径を低減することによって、金属ペーストの焼成温度を低減させる技術は公知であり、例えば、特許文献1には、粒径100nm以下の金属微粒子を分散した分散液を用いて金属薄膜を形成する方法が開示されている。しかしながら、ここで必要となる100nm以下の金属粒子の製造方法は、低圧雰囲気で揮発した金属蒸気を急速冷却する方法であるために、大量生産が難しく、したがって、金属フィラーのコストが高くなるという問題を有している。
一方、金属酸化物フィラーを分散させた金属酸化物ペーストを用いて金属薄膜を形成する方法も知られている。特許文献2には、結晶性高分子を含み、粒径300nm以下の金属酸化物を分散させた金属酸化物ペーストを加熱し、結晶性高分子を分解させて金属薄膜を得る方法が開示されている。しかしながら、この方法では、300nm以下の金属酸化物を結晶性高分子中にあらかじめ分散させる必要があり、非常な手間を必要とするのに加えて、結晶性高分子を分解するのに400℃〜900℃の高温を必要とする。したがって、使用可能な基材は、その温度以上の耐熱性を必要とし、使用可能な基材に制限があるという問題がある。
以上のような状況に鑑みて、大気中においても分散安定性が高く、加熱処理によって抵抗値の低い金属薄膜を得ることができる金属含有微粒子分散体が望まれている。
特許第2561537号明細書 特開平5−98195号公報 国際公開03/51562号パンフレット
本発明の課題は、基材上に塗布・加熱処理して金属薄膜を得ることができる微粒子分散体に関し、大気中においても分散安定性が高く、かつ、加熱処理によって、金属薄膜の形成が可能な金属含有微粒子組成物を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有するものである。
(1) 一次粒子径が100nm以下の金属水酸化物微粒子および分散媒を含む金属水酸化物分散体であって、該分散媒が多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する金属水酸化物分散体。
(2) 分散媒中に水を5重量%以上含有する(1)に記載の金属水酸化物分散体。
(3) 直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が、分子量150以上600以下のポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールである(1)または(2)に記載の金属水酸化物分散体。
(4) 直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の少なくとも一方の末端に、炭素数1〜4のアルキル基を有する(1)または(2)に記載の金属水酸化物分散体。
(5) 金属水酸化物が、水酸化銅、水酸化ニッケルまたは水酸化コバルトである(1)〜(4)のいずれか1つに記載の金属水酸化物分散体。
(6) (1)〜(5)のいずれか1つに記載の金属水酸化物分散体を基板に塗布した後、加熱処理して金属薄膜を形成させることからなる金属薄膜の製造方法。
(7) 加熱処理温度が80℃以上400℃未満である(6)に記載の金属薄膜の製造方法。
本発明の金属水酸化物分散体は、金属水酸化物を原料として、かつ低温において、基板上に金属薄膜を形成することが可能である。本発明の金属水酸化物分散体は、大気中において極めて安定であり、保存安定性が極めて高いという特徴がある。これらの金属水酸化物分散体は金属配線材料、導電材料等の用途に好適に用いられる。また、低粘度の金属水酸化物分散体を調整することで、インクジェット法等を用いた配線直描用途に本発明の金属水酸化物分散体を用いることも可能であり、必要な場所のみに本分散体を塗布・焼成することで省資源で低コストな配線形成が可能になる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の金属水酸化物分散体は、1次粒子径が100nm以下の金属水酸化物微粒子と、多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有することによって、大気中において優れた保存安定性を有する。
本発明の分散体が、大気中における保存安定性に優れる理由は必ずしも明確ではないが、金属水酸化物微粒子は粒子表面に水酸基に由来する電荷を有するため、金属水酸化物粒子間の静電反発により分散体の安定性が増している効果に加え、金属水酸化物微粒子と多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物間の相互作用によって金属水酸化物微粒子が表面保護されている効果があるためと考えられる。また、分散体中に含まれる多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物は、加熱処理して得られる金属薄膜の成膜性を向上させる効果がある。
多価アルコールは、分子中に複数の水酸基を有する化合物である。多価アルコールの中で好ましいのは、炭素数が10以下の多価アルコ−ルであり、その中でも粘度の低い、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が特に好ましく用いられる。これらの多価アルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
多価アルコールが金属薄膜の成膜性を向上させる理由は、多価アルコールが金属水酸化物微粒子表面の水酸基と相互作用して粒子表面を保護し、粒子間の凝集を抑制する働きがあるものと推定される。
多価アルコールには、更に、金属水酸化物粒子を還元する効果もある。
本発明の金属水酸化物分散体に直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が含有されていると、金属薄膜の成膜性を向上させる効果に加えて、加熱処理して得られる金属薄膜の抵抗値が低減するので好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が金属薄膜の成膜性を向上させ、かつ抵抗値を低減させる理由は、直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が易分解・易焼失性バインダーとして加熱処理中の金属水酸化物微粒子の局所的な造粒を防ぐためと推定される。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の好ましい平均分子量は150〜600であって、少なくとも一つの末端がアルキル基である。直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物は繰り返し単位が炭素数2〜6のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物、2元以上のポリエ−テルコポリマ−やポリエ−テルブロックコポリマ−であってもよい。
具体的には、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ルのようなポリエ−テルホモポリマ−のほかに、エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル、エチレングリコ−ル/ブチレングリコ−ルの2元コポリマ−、エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル/エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル/エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル、エチレングリコ−ル/ブチレングリコ−ル/エチレングリコ−ルなどの直鎖状の3元コポリマ−が挙げられるがこれらに限定されるものではない。ブロックコポリマ−としては、ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルポリブチレングリコ−ルのような2元ブロックコポリマ−、さらにポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ルポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルポリブチレングリコ−ルポリエチレングリコ−ルなどの直鎖状の3元ブロックコポリマ−のようなポリエ−テルブロックコポリマ−が挙げられる。
直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物の末端の構造は、金属水酸化物超微粒子の分散性や分散媒への溶解性に悪影響を与えない限り制限は無いが、少なくとも一つの末端がアルキル基であると、焼成時におけるポリエーテル化合物の分解・焼失性が向上し、得られる金属薄膜の体積抵抗値が下がるので好ましい。アルキル基の長さが長すぎると金属水酸化物微粒子の分散性を阻害して分散体の粘度が増大する傾向があるので、アルキル基の長さとしては、炭素数1〜4が好ましい。少なくとも一つの末端がアルキル基であることによって焼成時の分解・焼失性が向上する理由は定かではないが、金属水酸化物微粒子とポリエーテル化合物の間、またはポリエーテル化合物とポリエーテル化合物間の水素結合等に基づく相互作用の力が弱まることが寄与しているものと推察される。
直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物の特に好ましい構造は、一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である構造であり、例えば、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
本発明で用いられる直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物は、平均分子量が150〜600であることが好ましい。分子量がこの範囲にあると、金属薄膜の成膜性が極めて高く、一方、金属水酸化物微粒子を還元したのち容易に分解・焼失する。分子量が150より小さいと、焼成して得られる金属薄膜の成膜性が低下する傾向があり、分子量が600を超えると、焼成して得られる金属薄膜の体積抵抗値が高くなる傾向がある。
本発明に用いられる金属水酸化物微粒子の一次粒子径は100nm以下であり、好ましくは50nm以下である。粒子径が100nmより大きいと、得られる金属薄膜の緻密性が低下する。
金属水酸化物微粒子は、加熱処理によって還元されるものであれば、いかなるものも使用可能である。例えば、水酸化銅、水酸化ニッケル、水酸化コバルト等を例示できる。これらの金属水酸化物微粒子は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成することも可能である。
金属水酸化物微粒子を分散させる分散媒としては、粒子径が100nm以下の金属水酸化物を均一に分散させることが可能なものであれば制限はなく、有機化合物であっても水であってもよい。有機分散媒の例として、アルコール、エーテル、エステル、アミド、スルホキシド等が例示できる。これらの分散媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。液状の多価アルコールまたは直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を分散媒として使用することも可能である。分散媒中に水を好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上含有すると、金属水酸化物微粒子の分散性が一層向上する。
次に、分散体の製造方法について述べる。
本発明の金属水酸化物微粒子分散体は、多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物からなる混合物が液体状である、いわゆる分散液の状態と、ずり応力や熱を加えることによって流動可能な固体状態のものがある。固体状態のものには、金属水酸化物微粒子と多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物が相互作用によってネットワークを形成したゲル状態のものも含まれる。
金属水酸化物微粒子と上記構成物を分散させる方法としては、粉体を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、金属水酸化物微粒子と、多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物からなる混合物の液体とを混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法で分散を施す。これらの分散手段を複数、組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物が室温で固体である場合には、液状になる温度に加熱しながら上記操作を行うことが好ましい。分散体が流動可能な固体となる場合には、ずり応力を加えながら分散を行うことが好ましく、3本ロール法、ミキサー法等が好ましい。
分散体中の金属水酸化物微粒子の割合に制限はないが、分散体総量に対して、質量%で、好ましくは5%以上90%未満、より好ましくは20%以上80%未満である。金属水酸化物微粒子の質量がこれらの範囲にある場合には、分散体中の金属水酸化物微粒子の分散状態が良好であり、例えば、1回の塗布・加熱処理によって適度な厚さの金属薄層が得られるので好ましい。
分散体中の多価アルコールの割合は、分散体総量に対して、質量%で、好ましくは5〜70%、より好ましくは10〜50%である。
分散体中のポリエ−テル化合物の割合は、分散体総量に対して、質量%で、好ましくは0.1〜70%、より好ましくは1〜50%である。ポリエ−テル化合物の添加量が0.1%未満である場合には、金属水酸化物からの還元によって得られる金属の、金属粒子間の緻密性が低くなり、また基材との密着性が低下する場合があり、一方、ポリエ−テル化合物の添加量が70%を越えると、分散体の粘度が増加する場合がある。
金属水酸化物微粒子に対する多価アルコールの好ましい質量比は、用いる微粒子の種類と多価アルコールの種類により異なるが、通常は0.5〜10の範囲が好ましい。この範囲にあると金属水酸化物微粒子の分散体中における分散性が良く、局所的な凝集に起因するピンホール等の発生がさらに抑制される。
金属水酸化物微粒子に対するポリエーテル化合物の好ましい質量比は、用いる微粒子の種類とポリエーテル化合物の種類により異なるが、通常は0.01〜10の範囲が好ましい。この範囲にあると金属水酸化物からの還元によって得られる金属粒子間の緻密性が向上し、また、得られる金属薄層の体積抵抗値がさらに低下する。
次に、本発明の金属水酸化物分散体を用いて、基板上に金属薄膜を形成する方法を説明する。
液状の金属水酸化物分散体を用いて、基板上に金属薄膜を形成するには、分散体を基板に塗布する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えば、スクリーン印刷方法、ディップコーティング方法、スプレー塗布方法、スピンコーティング方法、インクジェット方法、コンタクトプリンティング方法等が挙げられる。分散体の粘度が高い場合には、スクリーン印刷法等が好ましく、分散体の粘度が低い場合には、インクジェット法等が好ましい。
金属水酸化物分散体が流動可能な固体である場合には、分散体を別のキャリアフィルム上に塗布し、これを基板上に転写するという方法も用いることができる。
基板としては、無機および有機基板いずれも使用可能である。無機基板としては、金属板、ガラス板、ITO(インジウム錫オキサイド)等のセラミック基板等を例示できる。有機基板としては、金属水酸化物分散体の加熱処理温度において熱的な損傷を受けない限りにおいて制限はなく、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、エポキシ、等の基板を使用可能である。
分散体を基板上に塗布あるいは張り合わせした後に、基板を、金属水酸化物微粒子を金属に還元するに充分な温度で加熱処理することによって基板上に金属薄膜を形成させる。得られる金属薄膜が酸化されやすい場合には、非酸化性雰囲気中において加熱処理することが好ましい。
非酸化性雰囲気とは、酸素等の酸化性ガスを含まない雰囲気であり、不活性雰囲気と還元性雰囲気がある。不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオンや窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気である。還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素、アンモニア等の還元性ガスが存在する雰囲気をいう。これらのガス中には、得られる金属の酸化に寄与しない程度ならば酸素を含んでいてよい。その際の酸素濃度は、好ましくは2000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。
これらのガスは焼成炉中に充填して密閉系として焼成してもよいし、焼成炉を流通系にしてこれらのガスを流しながらしてもよい。非酸化性雰囲気で焼成する場合には、焼成炉中を一旦真空に引いて焼成炉中の酸素を除去し、非酸化性ガスで置換するすることが好ましい。
これらの加熱処理における、好ましい加熱処理温度は50℃以上400℃以下、より好ましくは100℃以上300℃以下である。50℃未満の温度で金属水酸化物微粒子を還元する場合には、金属水酸化物微粒子分散体の保存安定性が悪くなる傾向がある。また400℃より高い場合には、多くの有機基材の耐熱性を超えてしまい有機基材上に使用が不可能となる場合が多い。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例中で用いている測定方法は次のとおりである。
(1)金属水酸化物微粒子の一次粒径
カーボン蒸着された銅メッシュ上に、溶解・希釈した分散液を1滴たらし、減圧乾燥したサンプルを作成する。このサンプルを(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡(JEM-4000FX)を用いて観察し、視野の中から、一次粒径が比較的そろっている個所を3ヶ所選択し、被測定物の粒径測定に最も適した倍率で撮影する。おのおのの写真から、一番多数存在すると思われる一次粒子を3点選択し、その直径をものさしで測り、一次粒径を算出する。これらの値の平均値を一次粒径とする。
(2)金属薄膜の体積抵抗率
低抵抗率計「ロレスタ−(登録商標)」GP(三菱化学株式会社製)を用いて測定する。
[実施例1]
硝酸銅3水和物(和光純薬工業製)と水酸化ナトリウム(和光純薬工業製)をそれぞれ精製水に溶解し、それぞれ0.1mol/Lの溶液を調整した。エチレングリコール100mlをガラス製200mLフラスコにとり、オイルバスで40℃に加熱した。ここに、上記硝酸銅水溶液と水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ20mlずつ添加し、20分間加熱して、平均1次粒径20nmの水酸化銅超微粒子を得た。作成した水酸化銅微粒子0.30gに、水0.2g、ジエチレングリコール0.30gおよびポリエチレングリコールメチルエーテル(平均分子量550、日本油脂(株)製)0.10gを加え、超音波分散を施して、水酸化銅分散体を調整した。
得られた水酸化銅分散体を、大気中室温で1ヶ月放置した後、同分散体を、スライドガラス上に、長さ5cm、幅1cm、厚み20μmになるように塗布した。焼成炉に上記スライドガラスを入れ、炉内を真空ポンプで脱気した後、水素ガスを0.1リットル/分の流量で流した。焼成炉の温度を室温から350℃まで1時間かけて昇温し、350℃に到達後、この温度でさらに1時間加熱処理した。冷却後、厚み6μm、体積抵抗率は、1.0×10−5Ωcmの銅薄膜を得た。
[実施例2]
塩化ニッケル(和光純薬工業製)3.6gを精製水150mLに溶解させた塩化ニッケル水溶液をガラスビーカー中に用意し、マグネチックスタラーで激しく攪拌しながら、アンモニア水6mLをゆっくり滴下して、平均1次粒径15nm水酸化ニッケル超微粒子を得た。この水酸化ニッケル超微粒子0.3gに水0.2g、ジエチレングリコール0.1g、ポリエチレングリコールメチルエーテル(平均分子量350、アルドリッチ社製)0.25gを加え、超音波分散を施して、水酸化ニッケル分散体を調整した。
得られた水酸化ニッケル分散体を、大気中室温で1ヶ月放置した後、同分散体を、スライドガラス上に、長さ5cm、幅1cm、厚み20μmになるように塗布した。焼成炉に上記スライドガラスを入れ、炉内を真空ポンプで脱気した後、アンモニアガスを0.1リットル/分の流量で流した。焼成炉の温度を室温から350℃まで1時間かけて昇温し、350℃に到達後、この温度でさらに1時間加熱処理した。冷却後、厚み6μm、体積抵抗率は、2.0×10−5Ωcmのニッケル薄膜を得た。
本発明により、特に微細回路を形成する際に必要となる極薄の金属層を容易に形成できる。得られた基板−金属薄膜積層体は、実装分野における樹脂付き金属箔等の用途に好適に用いられる。
本発明の金属水酸化物分散体が好適に用いられるのは配線直描用途である。これはあらかじめ電気回路の形態に金属酸化物分散体を印刷・塗布し焼成することにより、基板上に電気配線を直描することが可能であり、微細配線基板を安価に作れる。配線直描の例としては、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル等のフラットパネルディスプレイ製造におけるガラス基板上へのバス電極、アドレス電極の形成、ポリイミド基板等の樹脂基板への配線回路形成等が挙げられる。

Claims (7)

  1. 一次粒子径が100nm以下の金属水酸化物微粒子および分散媒を含む金属水酸化物分散体であって、該分散媒が多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する金属水酸化物分散体。
  2. 分散媒中に水を5重量%以上含有する請求項1記載の金属水酸化物分散体。
  3. 直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が、分子量150以上600以下のポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールである請求項1または2記載の金属水酸化物分散体。
  4. 直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の少なくとも一方の末端に、炭素数1〜4のアルキル基を有する請求項1または2記載の金属水酸化物分散体。
  5. 金属水酸化物が、水酸化銅、水酸化ニッケルまたは水酸化コバルトである請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属水酸化物分散体。
  6. 請求項1〜5記載のいずれか1項に記載の金属水酸化物分散体を基板に塗布した後、加熱処理して金属薄膜を形成させることからなる金属薄膜の製造方法。
  7. 加熱処理温度が80℃以上400℃未満である請求項6記載の金属薄膜の製造方法。
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