JP2005338001A - 穴ピッチ測定方法及び穴ピッチ測定器 - Google Patents

穴ピッチ測定方法及び穴ピッチ測定器 Download PDF

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Abstract

【課題】ワークに設けられた第1の穴と第2の穴の中心間ピッチが規定範囲内に保たれているか否かを簡単に短時間のうちに測定できる穴間ピッチの測定方法を提供することを課題としている。
【解決手段】三角形の2頂点に平行配置の2本のピン5、5を設け、さらに、三角形の他の1頂点にマスターゲージを使ってゼロ点調整を行ったダイヤルゲージ7の測定子7aを設けた穴ピッチ測定器1を使用する。この穴ピッチ測定器1の2本のピン5、5をワークWの第1の穴H1 の内径面に接触させ、測定子7aをワークの第2の穴H2 の内径面に接触させ、ピン5、5を基準にした第2の穴H2 の内面位置(寸法b)を測定して第1の穴H1 と第2の穴H2 の中心間ピッチaの良否判定をマスターゲージとの比較によって行う。
【選択図】図4

Description

この発明は、スプロケットホイールや歯車などのワークに設けられた第1の穴と第2の穴の中心間ピッチが規定範囲内にあるか否かを簡単に短時間で測定することを可能ならしめる穴ピッチ測定方法と、穴ピッチ測定器に関する。
例えば、周知のスプロケットホイールの中に、図5に示すようなものがある。図示のスプロケットホイール20は、第1の穴である軸穴21の周囲に第2の穴であるピン穴22を有している。そのピン穴22に図示しない連結ピンを係止させ、この連結ピンを備えたロータ(図示せず)をスプロケットホイール20と一緒に回転させる。また、連結ピンをピン穴22から外してロータとスプロケットホイール20の相対遊動回転を可能となす。
このスプロケットホイール20は、軸穴21とピン穴22の中心間ピッチが規定範囲内にあることを検査して出荷する必要があり、そのための穴ピッチ測定が行われる。
その穴ピッチ測定は、穴の中心間距離の絶対値を求める測定器具を使用して行われている。例えば、特許文献1が開示している丸穴ピッチ測定用ノギスは、円錐形の測定子を2つ有し、第1の測定子は本尺上を移動するスライダに設けられ、本尺の端部に設けられる第2の測定子は本尺に移動可能に取り付けられている。このノギスの2つの測定子を軸穴21とピン穴22の入口にそれぞれ当てて穴の中心間距離の絶対値を求める。
特許文献1の丸穴ピッチ測定用ノギスは、第1、第2の2つの測定子を両測定子の初期の中心間距離が表示される位置に予め動かすことができ、2つの測定子の中心間距離を計測値に加算するという手間のかかる方法を採らずに2つの穴の中心間ピッチを測定できるものになっている。
しかしながら、この特許文献1の丸穴ピッチ測定用ノギスやこれをアレンジしたような測定器具を使用すると、ワークを水平な保持面上に載置して第1、第2の測定子がワークの軸穴とピン穴に正確に当たるまでスライダを動かしながら測定子の接触状態を微調整し、2つの測定子が軸穴とピン穴に確実に当たったことを目視で確認してそのときの表示値を読む必要があり、測定に時間がかかる。
特開2000−131002号公報
そこで、この発明は、ワークに設けられた第1の穴と第2の穴の中心間ピッチが規定範囲内に保たれているか否かを簡単に短時間のうちに測定できるようにすることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、三角形の2頂点に互いに平行配置の2本のピンを設け、さらに、三角形の他の1頂点にゲージの測定子を設けた測定器の前記2本のピンをワークの第1の穴の内径面に、前記測定子を前記第1の穴の周囲に形成された第2の穴の内径面にそれぞれ接触させて前記ピンを基準にした前記第2の穴の内面位置を測定し、マスターゲージとの比較により前記第1の穴と第2の穴の中心間ピッチの良否判定を行う穴ピッチ測定方法を提供する。ゲージの測定子はマスターゲージを使って予めゼロ点調整を行っておく。
この発明は、第1の穴の内面に接触させた前記2本のピンでワークを支持し、この状態で前記測定子をワークの第2の穴の内面に接触させて測定を行う穴ピッチ測定方法と、互いに平行配置の2本のピンと、その2本のピンに対して変位量を測定するゲージと、前記2本のピンを平面の位置基準面上に突出させて三角形の2頂点に保持し、さらに、前記ゲージをそのゲージの測定子が前記三角形の残りの1頂点に配置される状態に保持する保持部材とを有し、上述した方法でワークに設けられた第2の穴の位置精度を測定する穴ピッチ測定器も提供する。
穴ピッチ測定器は、前記保持部材を起立させ、前記基準面にワークの一面を密着させ、さらにこの基準面に垂直に突出した前記2本のピンにワークを吊り下げて測定を行うようにしたものが好ましい。
平行配置の2本のピンをワークの第1の穴の内径面に、ゲージの測定子をワークに形成された第2の穴の内径面に各々接触させると、第2の穴の内面位置をピン基準で測定することができる。ゲージの測定子は、マスターゲージを使用してゼロ点調整を行っているので、ゲージの表示値が規定範囲内にあるか否かで第1の穴に対する第2の穴の位置精度の良否を知ることができる。また、2本のピンからゲージの測定子までの距離がわかっているので、必要があれば第1の穴と第2の穴の中心間距離も間接的に求めることができる。
この間の作業は、ワークの第2の穴の内径面にゲージの測定子を接触させ、この状態でワークの第1の穴の内径面を2本のピンに押しつけ、ワークを適度の角度で正逆回転させてゲージの針の振れが最小となったときの表示目盛りを読むだけでよく、従って、測定を簡単に迅速に行える。
また、この発明では三角測量の原理を応用した測定がなされるので、測定精度の信頼性も確保される。2本のピンでワークを支持して測定を行うもの、中でも、平面の位置基準面を有する保持部材を起立させて配置し、2本のピンを前記位置基準面に垂直に突出させたものは、ワークの一面を位置基準面に当てた状態で2本のピンにワークを吊り下げることができ、測定がし易くて測定誤差も発生しにくい。
以下、この発明の実施の形態を添付図面の図1〜図4に基づいて説明する。図1〜図3はこの発明の穴ピッチ測定器の具体例を表している。この穴ピッチ測定器1は、起立配置の保持部材2を有する。前面3を位置基準面として使用するその保持部材2には起立状態の安定性を高めるためのスタンド4を備えさせることができる。
この保持部材2の上部に、2本のピン5、5を、前面3の前方に基準面に対して垂直に突出させて、かつ、所定の間隔をあけて互いに平行に取り付けている。また、保持部材2の上部後方にゲージホルダ6を設け、そのゲージホルダ6にダイヤルゲージ7を取り付けている。
ダイヤルゲージ7は2本のピン5、5の中心を結ぶ線に対して垂直方向の変位量を測定する測定子7aを有する。この測定子7aは、下方に変位可能で、その測定子7aが2本のピン5、5間の中間点の上方に配置される。2本のピン5、5が三角形の2頂点部にあると考えると、測定子7aは三角形の他の一つの頂点部に配置された状態になっている。
このダイヤルゲージ7は、マスターゲージ(基準になる第1の穴と第2の穴を設けたゲージであり、マザーワークをマスターゲージにしてもよい)を使用してゼロ点調整を行っており、測定子7aが復帰終点に戻されているときにはゼロ点から復帰終点までの測定子移動量が表示されるようになっている。
このように構成した穴ピッチ測定器1は、次のようにして使用する。即ち、図4に示すように、ワークWに設けられた第2の穴H2 に測定子7aを入れ、ワークWの一面を図1に示すように保持部材2の前面3に当てて第1の穴H1 の内径面が2本のピン5、5に当たり、かつ、測定子7aが第2の穴H2 の内径面に接して下方に引き下げられるまでワークWを垂下させていく。そして、ワークWが図4に示すようにピン5、5に吊り下がったら、第1の穴H1 の内径面を2本のピン5、5に接触させた状態でワークWを僅かな角度右回り、左回りに回転させ、このときにダイヤルゲージ7に表示される数値の最小値を測定値として読み取る。その測定値はピン5基準での第2の穴H2 の穴面位置(寸法b)を表しており、第1、第2の穴H1 、H2 の中心間ピッチaが基準値と一致していればダイヤルゲージ7の表示値はゼロとなり、その中心間ピッチaが基準値からずれている場合にはずれ量に対応した数値が表示される。
従って、ダイヤルゲージ7に表示される数値を読み取るだけで穴の中心間ピッチaが規定範囲内にあるか否かがわかる。この測定方法は、ピン5の位置、すなわち第1の穴H1 の内面を基準にした測定となるので第1の穴H1 の寸法公差が穴ピッチの公差よりも高いことが正確な測定の前提となるが、その前提条件を満たしていれば、穴の中心間距離の絶対値を求める従来の方法とほぼ同一の結果を得ることができる。また、作業はワークWを手で持って上記の動作を実施すればよく、測定はいたって簡単であり、従来に比べて測定時間を大幅に短縮することができる。
なお、ピン5の硬度は、ワークよりも硬いことことが好ましい。ピンの摩耗を抑制できるからである。ピン5の表面粗さは0.8Z以下が好ましい。ワークの穴内周面に傷をつけることを防止するためである。また、ピン5は、図示の丸ピンが加工し易くて好ましいが、ワークの第1の穴の内径面に線接触するものであればよく、角ピンをコーナが上になる配置にして使用することもできる。
第1の穴H1 が多少異なる場合にも、その製品のマスターゲージを用いることで容易に使用可能である。また、図6に示すように、2本のピン5、5のピッチPを可変とすることや、ダイヤルゲージ7の高さ位置を変更できるように、例えば保持部材2とゲージホルダ6間に高さ調整用のプレート8(シム)を交換可能に挟み込んでダイヤルゲージ7の高さを可変にすることで、穴径が異なる製品、第1の穴と第2の穴のピッチが異なる製品にも使用可能である。
さらに、第2の穴H2 の内周面が図7に示すような円錐形状の一部分のテーパ面である場合には、第2の穴の軸方向で穴の内径が変化するため測定子の接触点が穴軸方向に僅かにずれただけでも測定誤差が大きくなる。このときには、外径を第2の穴の内周のテーパ面に嵌合する面、例えば、第2の穴H2 のテーパ面に相当するテーパ面にし、外径と同心の円形の穴を形成した図示の如きテーパ穴測定治具9を準備し、このテーパ穴測定治具9を内周がテーパ面になっている第2の穴に嵌合させ、この治具9の円形穴の内周面に測定子7aを接触させて第1の穴と第2の穴のピッチを測定することで測定誤差を小さくすることができる。
テーパ穴測定治具9には、第2の穴に嵌合させたこのテーパ穴測定治具9を用済み後に引きぬくことを容易にするために、例えば、操作用の鍔部9aや操作部の外周に滑りどめ効果を付与するローレット加工面などを形成するとよい。
なお、この発明の方法で穴ピッチを測定するワークWは、図5に例示したスプロケットホイールに限定されない。軸穴の周囲に軸穴中心からの距離を管理する必要があるピン穴などを有している歯車、タイミングベルト車なども考えられ、これらの部品の精度管理にこの発明の方法と測定器を有効に活用することができる。
この発明の穴ピッチ測定器の実施形態を示す側面図 図1の穴ピッチ測定器の正面図 図1の穴ピッチ測定器の平面図 穴間ピッチの測定原理をしめす正面図 (a)ワークの一例のスプロケットホイールを示す正面図、(b)その断面図 (a)穴ピッチ測定器の他の実施形態を示す側面図、(b)その測定器の正面図 第2の穴がテーパ穴である場合の好ましい測定法を示す図
符号の説明
1 穴ピッチ測定器
2 保持部材
3 前面
4 スタンド
5 ピン
6 ゲージホルダ
7 ダイヤルゲージ
7a 測定子
8 ゲージの高さ調整用プレート
9 テーパ穴測定治具
9a 鍔部
W ワーク
H1 第1の穴
H2 第2の穴

Claims (4)

  1. 三角形の2頂点に互いに平行配置の2本のピンを設け、さらに、三角形の他の1頂点にゲージの測定子を設けた測定器の前記2本のピンをワークの第1の穴の内径面に、前記測定子を前記第1の穴の周囲に形成された第2の穴の内径面にそれぞれ接触させて前記ピンを基準にした前記第2の穴の内面位置を測定し、マスターゲージとの比較により前記第1の穴と第2の穴の中心間ピッチの良否判定を行う穴ピッチ測定方法。
  2. 第1の穴の内面に接触させた前記2本のピンでワークを支持し、この状態で前記測定子をワークの第2の穴の内面に接触させて測定を行う請求項1に記載の穴ピッチ測定方法。
  3. 互いに平行配置の2本のピンと、その2本のピンに対して変位量を測定するゲージと、前記2本のピンを平面の位置基準面上に突出させて三角形の2頂点に保持し、さらに、前記ゲージをそのゲージの測定子が前記三角形の残りの1頂点に配置される状態に保持する保持部材とを有し、請求項1又は2に記載の方法でワークに設けられた第2の穴の位置精度を測定する穴ピッチ測定器。
  4. 前記保持部材を起立させ、前記位置基準面にワークの一面を密着させ、さらにこの位置基準面に垂直に突出した前記2本のピンにワークを吊り下げて測定を行うようにした請求項3に記載の穴ピッチ測定器。
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