JP2005335575A - 車体のフロアパネル構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車体のフレーム部材から伝わったフロアパネルの振動エネルギを低減させ、フロアパネルからの音響放射を低減することができるフロアパネル構造を提供する。
【解決手段】 本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材20,22,27-30,36,37に連結されたフロアパネル2,4,6により、自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルには、フレーム部材、又は、フレーム部材22,27-29,36,37及び振動領域を規制する振動規制部52,54,56,58により囲まれたパネル領域S2,S10,S13,S14が形成され、フロアパネルのパネル領域には、高剛性部60が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部62が形成され、高剛性部に補機類66が取り付けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車体のフロアパネル構造に係り、特に、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより、自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造に係る。
エンジンやサスペンションが連結されたフレーム部材からの振動がフロアパネルに伝達され、このフロアパネルが振動し、その結果、車室内の空気を大きく振動させることにより、不快な車室内振動や騒音が発生することが知られている。この場合、振動源として、エンジン自体の振動や、サスペンションから伝わるロードノイズが問題となり、このロードノイズには、一般に、タイヤの空洞共鳴によるものと、サスペンションの共振によるものとがある。
従来から、これらの振動騒音を抑制するためにフロアパネル及びその近傍の車体各部に、種々の防振及び防音対策として、制振材や防振材を貼付けることが一般的に行われている。これにより、振動及び騒音の低減が可能であるが、一方で非常に大量の制振材や防振材を必要とするため、車両重量が増加し、それにより、様々な悪影響やコストの面で大きな問題があった。
さらに、エンジンやサスペンションから伝達される不快な振動が自動車では主に400Hz以下であり、特にタイヤの空洞共鳴に起因したロードノイズである250Hz付近の周波数にピークを有していることから、フロアパネルにビードを多数形成したり、パネル厚を大きくすることでその剛性を高め、それにより、フロアパネルの固有振動数を400Hzよりも高い高帯域にずらすことも知られている。つまり、フロアパネルがサスペンションの共振周波数やタイヤの空洞共鳴周波数帯域等で共振しないようにして、不快な振動騒音を低減するようにしているのである。
この場合、低周波の領域における共振ピークを抑制できる利点があるが、一方で、高音域の振動が逆に多くなるため、高周波領域における振動騒音を抑制するための制振材や防振材が多く必要となり、上記と同様に、車両重量が増加し、それにより、様々な悪影響やコストの面で問題があり、この問題を解決することが要望されていた。
一方、特許文献1に記載の車体パネル構造では、パネルに、曲げ、圧縮、引張りに強い複数のシェル構造の凸部と、これらの凸部の間に縦横に延びる凹部とを形成し、凹部に振動を集中させ、この凹部に制振材を設けることにより振動を減衰させている。
特開平6−107235号公報
しかしながら、フロアパネルの車体下方及び上方には様々な補機類やシート等が配置され、さらに、車体強度上及び車体構造上から複数のフレーム部材が限られた位置しか配置出来ないので、フレーム部材に囲まれたパネル領域を所望の形状や大きさにすることが出来ず、そのため、特許文献1記載の車体パネル構造を適用して振動を低減させることが困難な場合がある。
また、上述したフロアパネルの全面に制振材や防振材を貼り付ける方法では、制振材等の多用により、材料コストが高くなるとともに、車体の重量が増大するという問題が生じる。また、パネル厚を大きくすると車体重量が増加してしまうという問題が生じる。
ここで、本発明者らは、フロアパネルの一部に振動を大きく集中させることが出来れば、フロアパネルを構成する材質の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて振動エネルギが低減されることを見出し、上述した従来技術の問題点を解決することを試みた。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、車体のフレーム部材から伝わったフロアパネルの振動エネルギを低減させ、フロアパネルからの音響放射を低減することができる車体のフロアパネル構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより、自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルには、フレーム部材、又は、フレーム部材及び振動領域を規制する振動規制部により囲まれたパネル領域が形成され、フロアパネルのパネル領域には、高剛性部が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部が形成され、高剛性部に補機類が取り付けられることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネルのパネル領域に、高剛性部が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部が形成されているので、高剛性部と低剛性部との剛性差により、低剛性部に振動エネルギが集中する。さらに、高剛性部に補機類が取り付けられるので、補機類により高剛性部の剛性がさらに高まり、より大きな剛性差が得られる。また、補機類により高剛性部の重量が増大し、高剛性部と低剛性部との重量差が得られる。このような重量差によっても、低剛性部に振動エネルギを集中させることが出来る。従って、例えば、パネル領域の面積が比較的小さくパネル領域自体の剛性がもともと比較的高い場合や、パネル領域の幅が小さく高剛性部を設けるとその周辺の低剛性部との剛性差を大きくとれない場合等においても、大きな剛性差及び重量差により、低剛性部に振動エネルギを確実に集中させることが出来る。そして、低剛性部に大きく集中した振動エネルギが、フロアパネルを構成する材質の減衰能により熱エネルギに変換される。その結果、パネル領域全体の振動エネルギが低減し、パネル領域からの音響放射を低減することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、高剛性部は、フレーム部材及び振動規制部と接しないようにパネル領域のほぼ中央部に形成されている。
このように構成された本発明においては、高剛性部は、フレーム部材及び振動規制部と接しないようにパネル領域のほぼ中央部に形成されているので、剛性が比較的低いほぼ中央部に高剛性部が設けられ、高剛性部と低剛性部との剛性差をより大きくすることが出来る。その結果、低剛性部で振動エネルギをより確実に低減させることが出来る。また、補機類によりパネル領域のほぼ中央部の重量が高められるので、低剛性部との重量差により、低剛性部により大きく振動エネルギを集中させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、高剛性部は、ほぼ矩形状に形成され、その1辺がフレーム部材又は振動規制部と接している。
このように構成された本発明においては、ほぼ矩形状に形成された高剛性部の1辺がフレーム部材又は振動規制部と接しているので、高剛性部の剛性を大きく高めることが出来、その結果、低剛性部との剛性差をより大きくすることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、高剛性部は、ほぼ矩形状に形成され、その隣り合う2辺がフレーム部材及び/又は振動規制部と接している。
このように構成された本発明においては、ほぼ矩形状に形成された高剛性部の隣り合う2辺がフレーム部材及び/又は振動規制部と接しているので、高剛性部の剛性を大きく高めることが出来、その結果、低剛性部との剛性差をより大きくすることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、高剛性部は、フレーム部材及び/又は振動規制部と接している部分からパネル領域のほぼ中央部まで延びている。
このように構成された本発明においては、高剛性部は、フレーム部材及び/又は振動規制部と接している部分からパネル領域のほぼ中央部まで延びているので、剛性が比較的低いほぼ中央部まで高剛性部が延びて、高剛性部と低剛性部との剛性差をより大きくすることが出来ると共に、高剛性部のフレーム部材又は振動規制部に接していない3辺又は2辺の周辺の低剛性部に振動エネルギをより確実に集中させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、高剛性部は、フロアパネル自身を上方向又は下方向に突出して形成され、この突出して形成された上方向又は下方向の空間内にブラケットが設けられ、このブラケットに補機類が取り付けられている。
このように構成された本発明においては、高剛性部の突出して形成された上方向又は下方向の空間内に、補機類が取り付けられるブラケットが設けられているので、高剛性部がブラケット自身の剛性によりその空間内で突っ張るように支持されて、高剛性部の剛性をさらに高めることが出来る。さらに、ブラケット自体の重量により、高剛性部と低剛性部との重量差が得られるので、低剛性部に振動エネルギをより効果的に集中させることが出来る。さらに、高剛性部の突出して形成された空間内にブラケットが設けられているので、ブラケットが低剛性部に当接して低剛性部の剛性が高まることを防止することが出来る。また、高剛性部は、フロアパネル自身を上方向又は下方向に突出して形成されているので、その剛性をプレス成形により容易に高めることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、ブラケットは、少なくとも高剛性部と低剛性部とにより形成される境界部に隣接して配置されている。
このように構成された本発明においては、ブラケットは、少なくとも高剛性部と低剛性部とにより形成される境界部に隣接して配置されているので、高剛性部の剛性を確実に高めることが出来ると共に、その境界部近傍の高剛性部の剛性を大きく高めて高剛性部と低剛性部との剛性差をより大きくすることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、高剛性部は、ほぼ矩形状に且つフロアパネル自身を上方向又は下方向に突出して形成され、その1辺がフレーム部材に接し、且つ、パネル領域のほぼ中央部まで延び、この高剛性部の突出して形成された上方向又は下方向の空間内にブラケットが設けられ、このブラケットは、高剛性部が接するフレーム部材に取り付けられると共にパネル領域のほぼ中央部まで延び、補機類が、このブラケットのパネル領域のほぼ中央部の近傍に取り付けられる。
このように構成された本発明においては、高剛性部は、ほぼ矩形状に形成され、その1辺がフレーム部材に接し、且つ、パネル領域のほぼ中央部まで延びているので、剛性が比較的低いほぼ中央部まで高剛性部が延びて、高剛性部と低剛性部との剛性差をより確実に大きくすることが出来る。また、高剛性部の突出して形成された上方向又は下方向の空間内に、補機類が取り付けられるブラケットが設けられているので、高剛性部の剛性をさらに高めることが出来ると共に高剛性部と低剛性部との重量差が得られ、さらに、ブラケットが低剛性部に当接して低剛性部の剛性が高まることを防止することが出来る。また、ブラケットは、高剛性部が接するフレーム部材に取り付けられるので、低剛性部の剛性を高めることなく、ブラケットの強度を確保することが出来る。また、ブラケットはパネル領域のほぼ中央部まで延び、補機類がこのブラケットのパネル領域のほぼ中央部の近傍に取り付けられるので、高剛性部と低剛性部との剛性差及び重量差をより大きくすることが出来る。これらの結果、低剛性部に振動エネルギをより効果的に集中させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、ブラケットのパネル領域のほぼ中央部の近傍の重量は、それ以外の部分の重量より大である。
このように構成された本発明においては、ブラケットのパネル領域のほぼ中央部の近傍の重量は、それ以外の部分の重量より大であるので、剛性が比較的低く振動し易いほぼ中央部において重量差を得ることが出来る。その結果、低剛性部により大きく振動エネルギを集中させることが出来る。
また、本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより、自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルには、フレーム部材により囲まれた、又は、フレーム部材及び振動領域を規制する振動規制部により囲まれたパネル領域が形成され、このパネル領域のほぼ中央部にフレーム部材及び振動規制部と接しないようにブラケットが設けられ、このブラケット及びパネル領域のブラケットが設けられた部分が高剛性部として構成されると共にパネル領域のブラケットの周りの部分が低剛性部として構成され、ブラケットに補機類が取り付けられることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、パネル領域にブラケットが設けられ、このブラケット及びパネル領域のブラケットが設けられた部分が高剛性部として構成されているので、パネル領域をプレス成形することなく高剛性部を設けることが出来る。また、パネル領域のそのブラケットの周りの部分が低剛性部として構成されので、高剛性部と低剛性部との剛性差を得ることが出来ると共にブラケット自体の重量により剛性部と低剛性部との重量差を得ることが出来る。また、ブラケットはパネル領域のほぼ中央部にフレーム部材及び振動規制部と接しないよう設けられているので、剛性が比較的低いほぼ中央部に高剛性部が設けられ、高剛性部と低剛性部との剛性差をより大きくすることが出来る。また、ブラケットによりフロアパネルに補機類が取り付けられるので、高剛性部と低剛性部との重量差をより大きくすることが出来る。
本発明によれば、車体のフレーム部材から伝わったフロアパネルの振動エネルギを低減させ、フロアパネルからの音響放射を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1乃至第3実施形態による車体のフロアパネル構造を備えた自動車のアンダボディを示す斜視図である。
図1に示すように、自動車のアンダボディ1は、複数のフレーム部材と、これらのフレーム部材に接続され車室の床部分(フロア部分)を構成する複数のフロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16とから構成されている。
先ず、図1により、フレーム部材を説明する。図1に示すように、フレーム部材は、車体前後方向に延びるフロントサイドフレーム18、サイドシル20、フロアサイドフレーム22、リアサイドフレーム24と、車幅方向に延びるNo.1乃至No.9クロスメンバ26〜34と、これらのフロスメンバ間に設けられた車体前後方向に設けられたNo.1乃至No.3トンネルサイドメンバ36〜38である。
自動車のアンダボディ1の車体前方部分には、エンジンルームを左右両側から囲むように車体前後方向に延びる閉断面構造の一対のフロントサイドフレーム18が設けられている。これらのフロントサイドフレーム18の車体前端部には、車幅方向の補強部材である閉断面構造のNo.1クロスメンバ26が接合され、さらに、これらのフロントサイドフレーム18には、エンジン40及びフロントサスペンションクロスメンバ42が取り付けられ、このフロントサスペンションクロスメンバ42には、フロントサスペンション44が取り付けられている。
一対のフロントサイドフレーム18の後端部は、フロア部分の車体前側の端縁部で車幅方向に延びるNo.2クロスメンバ27に接合されている。このNo.2クロスメンバ27は、車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネル(図示せず)の下方傾斜部に取り付けられ、各フロントサイドフレーム18の車体外側に設けられた閉断面構造の一対のトルクボックスメンバ27aと、各フロントサイドフレーム18の中間に挟まるように配置された閉断面構造のダッシュロアクロスメンバ27bとから構成されている。
このNo.2クロスメンバ27より車体後方のフロア部分には、車体前後方向の補強部材である一対のサイドシル20、一対のフロアサイドフレーム22及び一対のリアサイドフレーム24が設けられている。
一対のサイドシル20は、閉断面構造のものであり、その前端部がNo.2クロスメンバ27の車幅方向の両端部に接合されている。これらのサイドシル20は、No.3クロスメンバ28及びNo.4クロスメンバ29のほぼ中間位置からNo.4クロスメンバ29にかけて、その車幅方向内方の縁部が車幅方向内方に湾曲している。
これらのサイドシル20の間には、それぞれ車体前後方向に延びる一対の断面コ字状のフロアサイドフレーム22が設けられ、これらのフロアサイドフレーム22の前端部は、フロントサイドフレーム18の後端部に接合されると共にNo.2クロスメンバ27に接合されている。これらのフロアサイドフレーム22は、No.3クロスメンバ28とNo.4クロスメンバ29との間22aで車幅方向内方に張り出すように湾曲し、No.4クロスメンバ29との連結部29a及びNo.5クロスメンバ30との連結部30aにおいて車幅方向に折り曲げられ、その他の部分は直線状に延びている。
これらのフロアサイドフレーム22の後端部には、それぞれ断面コ字状の車体前後方向に延びるリアサイドフレーム24の前端部が接合されている。また、これらのリアサイドフレーム24の前端部は、車幅方向外方に向けて曲がり、サイドシル20の車幅方向内方の側面にも接合され、この前端部には、車幅方向に延びる補強部材24aが設けられている。
これらのリアサイドフレーム24は、フロア部分の車体後側の端縁部まで延び、そのNo.7クロスメンバ32とNo.8クロスメンバ33との間にリアサスペンションクロスメンバ46が取り付けられ、このリアサスペンションクロスメンバ46には、リアサスペンション48が取り付けられている。
車幅方向の補強部材としては、上述したNo.1クロスメンバ26及びNo.2クロスメンバ27に加えて、それぞれ車幅方向に延びる、断面コ字状のNo.3乃至No.8クロスメンバ28〜33及び閉断面構造のNo.9クロスメンバ34が配設されている。
No.3クロスメンバ28は、No.2クロスメンバ27の車体後方側に設けられ、No.2クロスメンバ27に平行に車幅方向に直線状に延びている。このNo.3クロスメンバ28は、その車幅方向の左右両端部がそれぞれサイドシル20に接合され、また、その車幅方向の左右両側においてフロアサイドフレーム22と交差すると共にフロアサイドフレーム22に接合されている。
このNo.3クロスメンバ28の車体後方側には、No.3クロスメンバ28に平行に車幅方向に直線状に延びるNo.4クロスメンバ29が設けられ、その車幅方向の左右両端部がそれぞれサイドシル20に接合され、また、その車幅方向の左右両側においてフロアサイドフレーム22と交差すると共にフロアサイドフレーム22に接合されている。これらのNo.3及びNo.4クロスメンバ28、29は、フロアトンネル部50が設けられる車幅方向のほぼ中央位置において上方に突出している。
No.4クロスメンバ29の車体後方側には、No.5クロスメンバ30、No.6クロスメンバ31、No.7クロスメンバ32が設けられ、各クロスメンバ30〜32は、互いに平行に車幅方向に直線状に延びている。このNo.5クロスメンバ30の車幅方向の左右両端部は、それぞれフロアサイドフレーム22に接合され、No.6及びNo.7クロスメンバ31、32の車幅方向の左右両端部は、それぞれリアサイドフレーム24に接合されている。
No.7クロスメンバ32の車体後方側には、その車幅方向のほぼ中央が前方側に湾曲したNo.8クロスメンバ33が車幅方向に延びるように設けられ、その車幅方向の左右両端部がそれぞれリアサイドフレーム24に接合されている。
このNo.8クロスメンバ33の車体後方側には、フロア部分の車体後側の端縁部に、車幅方向に直線状に延びる閉断面構造のNo.9クロスメンバ34が設けられ、その車幅方向の左右両端部がそれぞれリアサイドフレーム24の後端部に接合されている。
車体前後方向の補強部材としては、上述したフロントサイドフレーム18、サイドシル20、フロアサイドフレーム22及びリアサイドフレーム24に加えて、フロアトンネル部50の車幅方向の両側の縁部でそれぞれ車体前後方向に延びる断面コ字状のNo.1乃至No.3トンネルサイドメンバ36〜38が配設されている。
No.1トンネルサイドメンバ36は、No.2クロスメンバ27とNo.3クロスメンバ28との間にわたって直線状に延び、その車体前後方向の両端部は、それぞれ、No.2クロスメンバ27及びNo.3クロスメンバ28に接合されている。
No.2トンネルサイドメンバ37は、No.4クロスメンバ29とNo.5クロスメンバ30との間にわたって直線状に延び、その車体前後方向の両端部は、それぞれ、No.4クロスメンバ29及びNo.5クロスメンバ30に接合されている。
No.3トンネルサイドメンバ38は、No.6クロスメンバ31とNo.7クロスメンバ32との間にわたって直線状に延び、その車体前後方向の両端部は、それぞれ、No.6クロスメンバ31及びNo.7クロスメンバ32に接合されている。
上述した断面コ字状のフレーム部材、即ち、フロアサイドフレーム22、リアサイドフレーム24、No.3乃至No.8クロスメンバ28〜33、及び、No.1乃至No.3トンネルサイドメンバ36〜38は、いずれも、断面コ字状の開放部が車体上方に向くように形成され、各フロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16の下面が、これらの各フレーム部材のフランジ部に接合され、略矩形の閉断面が構成される。
次に、図1により、フロアパネルを説明する。図1に示すように、自動車のアンダボディ1には、それぞれ鋼板を一体でプレス成形した第1乃至第8フロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16が設けられている。
第1フロアパネル2は、No.2クロスメンバ27、一対のサイドシル20及びNo.3クロスメンバ28により囲まれた空間を覆うように設けられ、その車幅方向のほぼ中央位置で車体前後方向に延びるように上方に膨出するフロアトンネル部50が形成されている。第1フロアパネル2は、その前縁部がNo.2クロスメンバ27の車体後方側面に接合され、残りの3辺の縁部の下面が、一対のサイドシル20及びNo.3クロスメンバ28にそれぞれ接合され、さらに、その車幅方向の左右両側において、No.1トンネルサイドメンバ36及びフロアサイドフレーム22に、その下面が接合されている。
さらに、この第1フロアパネル2には、フロアトンネル部50の左右両側において、No.2クロスメンバ27及びNo.3クロスメンバ28に平行に車幅方向に直線状に延びる折れ部52が形成されている。この折れ部52は、第1フロアパネル2が車体前後方向にくの字状に延びるように一直線状に折り曲げられたものである。
第1フロアパネル2には、これらの各フレーム部材20、22、27、28、36及び折れ部52により囲まれた8つのパネル領域S1乃至S8が形成され、それらの領域のうち、パネル領域S5乃至S8が、パネル領域S1乃至S4に対して車体後方に向けて斜め上方に延びている。
第2フロアパネル4は、No.3クロスメンバ28、一対のサイドシル20及びNo.4クロスメンバ29により囲まれた空間を覆うように設けられ、その車幅方向のほぼ中央位置で車体前後方向に延びるように上方に膨出するフロアトンネル部50が形成されている。この第2フロアパネル4は、その4辺の縁部の下面が、No.3クロスメンバ28、一対のサイドシル20及びNo.4クロスメンバ29にそれぞれ接合され、さらに、その車幅方向の左右両側において、フロアサイドフレーム22にその下面が接合されている。
また、第2フロアパネル4のフロアトンネル部50の車幅方向の両縁部には、一直線状に折り曲げられた折れ部54が形成され、この折れ部54からフロアトンネル部50が立ち上がっている。さらに、第2フロアパネル4には、上述したフロアサイドフレーム22の湾曲した湾曲部22aに沿って、その両側に直線状のビード部56が形成されている。このビード部56は、No.3クロスメンバ28からNo.4クロスメンバ29まで延びている。
第2フロアパネル4には、各フレーム部材20、22、28、29、折れ部54及びビード部56により囲まれた4つのパネル領域S9乃至S12が形成されている。
第3フロアパネル6は、No.4クロスメンバ29、フロアサイドフレーム22及びNo.5クロスメンバ30により囲まれた空間を覆うように設けられ、その車幅方向のほぼ中央位置で車体前後方向に延びるように上方に膨出するフロアトンネル部50が形成されている。この第3フロアパネル6は、その4辺の縁部の下面が、No.4クロスメンバ29、各フロアサイドフレーム22及びNo.5クロスメンバ30にそれぞれ接合され、さらに、その車幅方向の左右両側において、No.2トンネルサイドメンバ37に、その下面が接合されている。
さらに、この第3フロアパネル6には、フロアトンネル部50の左右両側において、No.4クロスメンバ29及びNo.5クロスメンバ30に平行に車幅方向に直線状に延びるビード部58が形成されている。このビード部58は、第3フロアパネル6自身を車体上方に突出して形成したものである。
第3フロアパネル6には、各フレーム部材22、29、30、37及びビード部58により囲まれた4つのパネル領域S13乃至S16が形成されている。
第4フロアパネル8は、第3フロアパネル6の車幅方向外方にそれぞれ設けられ、No.4クロスメンバ29、サイドシル20、フロアサイドフレーム22及びリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように車体前後方向に延び、その後縁部がNo.8クロスメンバ33の近傍まで延びている。これらの第4フロアパネル8は、各フレーム部材20、22、24、29に接合されている。
第5フロアパネル10は、No.5クロスメンバ30、No.6クロスメンバ31、一対のフロアサイドフレーム22及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材22、24、30、31に接合されている。
第6フロアパネル12は、No.6クロスメンバ31、No.7クロスメンバ32及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材24、31、32にそれぞれ接合されている。
第7フロアパネル14は、No.7クロスメンバ32、No.8クロスメンバ33及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材24、32、33に接合されている。
第8フロアパネル16は、No.8クロスメンバ33、No.9クロスメンバ34及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材24、33、34に接合されている。
このような自動車のアンダボディ1において、エンジン40、フロントサスペンション44及びリアサスペンション48の振動は、それぞれ、フロントサスペンションクロスメンバ42、フロントサイドフレーム18、リアサスペンションクロスメンバ46を経由して、一対のフロアサイドフレーム22及びリアサイドフレーム24に大きく伝達され、さらに、各クロスメンバ26〜34、サイドシル20、各トンネルサイドメンバ36〜38に伝達され、これらの振動が第1乃至第8フロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16に伝達されて、音響放射が生じる。
本発明の実施形態は、第1乃至第3フロアパネル2、4、6の各パネル領域S1乃至S16に振動低減構造を設けることにより、フレーム部材から伝達された振動によりパネル領域S1乃至S16から放射される音響放射を抑制するようにしている。なお、第4乃至第8フロアパネル8、10、12、14、16は、従来のパネルで構成されている。
ここで、振動低減構造について説明する。本実施形態の車体のフロアパネル構造における振動低減構造は、フレーム部材などで囲まれたフロアパネルの所定の領域(S1〜S16)に、所定の剛性の高い部分(高剛性部)と所定の剛性の低い部分(低剛性部)とを設けたものである。この領域に伝達された振動の振動エネルギは、高剛性部と低剛性部との剛性差或いは重量差により低剛性部に集中し、この集中した振動エネルギにより生じる大きな振動ひずみとフロアパネルを構成する材質(鋼板)の減衰能により、振動が低減される(振動低減効果)。特に、本実施形態の振動低減構造では、高剛性部と低剛性部の剛性差が大きくなるように、或いは、重量差も大きくなるように、所定の高剛性部と所定の低剛性部を形成している。このようにして、振動低減構造により、各領域から放射される音響放射が低減される。さらに、より大きく振動が低減されるように低剛性部に制振材を設けている。
先ず、図2乃至図5により、第1実施形態の車体のフロアパネル構造を具体的に説明する。第1実施形態では、パネル領域S2、S10、S13、S14に振動低減構造として高剛性部及び低剛性部を設け、高剛性部に補機類、例えば、CDチェンジャー、ナビゲーションユニット、CPU装置、各種電源、コンソールボックス、ハーネス類、空調機器などを取り付けて、高剛性部の剛性や重量を高めるようにして、振動低減効果がより確実に得られるようにしたものである。
図2は、本発明の第1実施形態によるパネル領域S2を示す拡大平面図(a)及びそのII-II線に沿って見たパネル領域S2の車幅方向の断面構造を示す断面図(b)であり、同様に、図3は、パネル領域S10を示す拡大平面図(a)及びそのIII-III線に沿って見た断面図(b)であり、図4は、パネル領域S13を示す拡大平面図(a)及びそのIV-IV線に沿って見た断面図(b)であり、図5は、パネル領域S14を示す拡大平面図(a)及びそのV-V線に沿って見た断面図(b)である。
先ず、図2により、パネル領域S2に設けた振動低減構造について説明する。
図2(a)に示すように、パネル領域S2は、上述したようにフレーム部材であるNo.2クロスメンバ27、フロアサイドフレーム22及びNo.1トンネルサイドメンバ36と、折れ部52とに囲まれて形成されている。また、このパネル領域S2は、それらの各フレーム部材22、27、36及び折れ部52がそれぞれ直線状に延びると共に、No.2クロスメンバ27と折れ部52、及び、フロアサイドフレーム22とNo.1トンネルサイドメンバ36とがそれぞれ互いに平行に延びる矩形状に形成されている。ここで、折れ部52は、上述したように、第1フロアパネル2を一直線状に折り曲げて形成されており、隣り合うパネル領域S6に生じる振動とこのパネル領域S2に生じる振動とが互いに連成しないように振動を規制する振動規制部としての役割を果たしている。
このパネル領域S2には、矩形状の高剛性部60と、この高剛性部60の周りにL字状に延びる低剛性部62とが形成されている。高剛性部60は、低剛性部62との境界部aとなる各辺が直線状に延び、残りの2辺がそれぞれNo.2クロスメンバ27及びNo.1トンネルサイドメンバ36に接している。また、高剛性部60は、パネル領域S2のほぼ中央部まで延びている。
ここで、低剛性部62は、その幅、即ち、高剛性部60との境界部aと、フレーム部材22又は折れ部52との間の距離が、低剛性部62の剛性が高まらないような所定の大きさとなるように形成されている。
図2(b)に示すように、高剛性部60は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状はほぼ台形状になっている。図2(a)及び(b)に示すように、高剛性部60の突出して形成された空間内には、ロの字状に延びるブラケット64が設けられ、このブラケット64により高剛性部60の上面に補機類66が取り付けられるようになっている。
このブラケット64は、高剛性部60の各辺即ち低剛性部62との境界部aに隣接するような大きさに形成されており、その2辺がNo.2クロスメンバ27及びNo.1トンネルサイドメンバ36に固定されている。また、ブラケット64には、補機類66を取り付けるためのネジ孔(図示せず)が設けられている。
次に、図2(b)に示すように、低剛性部62は、ほぼ平らに形成され、その全域に制振材68が設けられている。なお、図2(a)の平面図では、制振材を図示せず、以下同様に、平面図には制振材68を図示しない。この制振材68は、制振材68及び低剛性部62の両者による剛性が高剛性部60の剛性より低くなるように設けられている。
ここで、制振材68は、比重が約1.7、硬度が鉛筆硬度で6B程度のアスファルト系制振材(製品名:ダンピングシート(株式会社ヒロタニ))であり、低剛性部62のL字状の外形に合わせた形状にシート状に形成され、低剛性部62に貼り付けられている。
次に、図3により、パネル領域S10に設けた振動低減構造について説明する。
図3(a)に示すように、パネル領域S10は、上述したようにフレーム部材であるNo.3クロスメンバ28及びNo.4クロスメンバ29と、フロアトンネル部50の縁部に形成された折れ部54と、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って形成されたビード部56とに囲まれて形成されている。
また、このパネル領域S10は、各フレーム部材28、29、折れ部54及びビード部56がそれぞれ直線状に延びると共にNo.3クロスメンバ28とNo.4クロスメンバ29とが互いに平行に延びるほぼ矩形状に形成されている。特に、本実施形態では、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って直線状のビード部56を形成して、このようなほぼ矩形状の領域を形成するようにしている。ここで、折れ部54及びビード部56は、いずれもパネル領域S10の振動領域を規制する振動規制部としての役割を果たしている。
このパネル領域S10には、矩形状の高剛性部60と、この高剛性部60の周りにコ字状に延びる低剛性部62とが形成されている。高剛性部60は、その3辺即ち低剛性部62との境界部aがそれぞれ直線状に延び、残りの1辺がNo.4クロスメンバ29に接している。また、高剛性部60は、パネル領域S10のほぼ中央部まで延び、低剛性部62は、上述したパネル領域S2と同様に所定の幅で延びるように形成されている。
ここで、高剛性部60が接しているNo.4クロスメンバ29は、そのフロアサイドフレーム22との連結部29aの連結剛性が他のクロスメンバより相対的に低くされている。即ち、本実施形態の場合は、No.4クロスメンバ29とフロアサイドフレーム22との接合面積が、他の例えばNo.3クロスメンバ28とフロアサイドフレーム22との接合面積より相対的に小さくとられている。このようにして、エンジン40や各サスペンション44、48からフロアサイドフレーム22を経由してNo.4クロスメンバ29に入力される振動の量が小さくなるようにされている。なお、ボルト締めによりNo.4クロスメンバ29とフロアサイドフレーム22とを連結し、連結剛性を他のクロスメンバより相対的に小さくしても良い。
図3(b)に示すように、高剛性部60は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状はほぼ台形状になっている。また、低剛性部62は、ほぼ平らに形成され、その全域に上述したパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
また、図3(a)及び(b)に示すように、高剛性部60の突出して形成された空間内にはブラケット64が設けられ、このブラケット64により高剛性部60の上面に補機類66が設けられるようになっている。このブラケット64は、高剛性部60の各辺即ち低剛性部62との境界部aに隣接するように矩形状に形成されており、その1辺がNo.4クロスメンバ29に固定されている。
このブラケット64は、高剛性部60と同様にパネル領域S10のほぼ中央部まで延び、そのほぼ中央部の近傍の重量がそれ以外の部分の重量より大きくなるように、そのほぼ中央部の近傍に、板厚が高められた部分64aを有する。この板厚が高められた部分64aには、補機類66を取り付けるためのネジ孔(図示せず)が形成され、補機類66がパネル領域のほぼ中央の近傍に取り付けられるようになっている。
次に、図4により、パネル領域S13に設けた振動低減構造について説明する。
図4(a)に示すように、パネル領域S13は、上述したように、フレーム部材であるNo.4クロスメンバ29、フロアサイドフレーム22及びNo.2トンネルサイドメンバ37と、ビード部58とに囲まれて形成されている。また、このパネル領域S13は、それらの各フレーム部材22、29、37及びビード部58がそれぞれ直線状に延びると共に、No.4クロスメンバ29とビード部58とが互いに平行に延びるほぼ矩形状に形成されている。特に、フロアサイドフレーム22は、No.4クロスメンバ29及びNo.5クロスメンバ30との連結部29a、30aにおいて折り曲げられ(折曲部22b、22c)(図1参照)、No.4クロスメンバ29とNo.5クロスメンバ30との間で直線状に延びるように形成されている。ここで、ビード部58は、隣り合うパネル領域S15に生じる振動とこのパネル領域S13に生じる振動とが互いに連成しないように振動を規制する振動規制部としての役割を果たしている。
このパネル領域S13には、そのほぼ中央部に、各フレーム部材22、29、37に接しないようにほぼ矩形状の高剛性部60が形成され、この高剛性部60の周りにロ字状に延びる低剛性部62が形成されている。高剛性部60は、その低剛性部62との境界部aのうち、車体前後方向に延びる2辺が直線状に延び、残りの車幅方向に延びる2辺が曲線状に延びるように形成されている。また、低剛性部62は、上述したパネル領域S2と同様に所定の幅で延びるように形成されている。
図4(b)に示すように、高剛性部60は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は、その中央部がほぼ平らであり、その周囲は、車幅方向に延びる2辺の部分が湾曲し、車体前後方向に延びる2辺の部分が、上述したパネル領域S10と同様に直線状に延びている。また、低剛性部62は、ほぼ平らに形成され、その全域に上述したパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
図4(a)及び(b)に示すように、高剛性部60の突出して形成された空間内には矩形状のブラケット64が設けられ、このブラケット64により高剛性部60の上面に補機類66が取り付けられるようになっている。このブラケット64は、高剛性部60の直線上に延びる2辺の境界部aに隣接するような大きさ及び配置になっている。
次に、図5により、パネル領域S14に設けた振動低減構造について説明する。
図5(a)に示すように、パネル領域S14は、上述したパネル領域S13と同様に、フレーム部材であるNo.4クロスメンバ29、フロアサイドフレーム22及びNo.2トンネルサイドメンバ37と、ビード部58とに囲まれたほぼ矩形状に形成されている。
図5(a)及び(b)に示すように、このパネル領域S14には、そのほぼ中央部の下面に、各フレーム部材22、29、37及びビード部58に接しないようにブラケット64が固定され、このブラケット64によりフロアパネルの上面に補機類66が取り付けられるようになっている。このブラケット64は、その4辺がそれぞれ直線状に延びる矩形状に形成されている。パネル領域S14では、このブラケット64及びブラケット64が固定された範囲が高剛性部60として構成されている。
一方、この高剛性部60の周りには、ロ字状に延びるほぼ平らな部分が形成され、この平らな部分が低剛性部62として構成されている。この低剛性部62は、上述したパネル領域S2と同様に所定の幅で延びるように形成され、その全域に上述したパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
なお、本実施形態のパネル領域S2、S10、S13、S14において、高剛性部60を下方に突出するように形成し、この突出した空間内に上述したようにブラケット64を設け、補機類66を各フロアパネルの下方の車外側に取り付けても良い。また、補機類66をブラケット64に直接取り付けても良い。
次に、第1実施形態のフロアパネル構造の作用効果を説明する。
本実施形態のフロアパネル構造のパネル領域S2、S10、S13及びS14においては、高剛性部60と、この高剛性部60の周りに形成された低剛性部62とが設けられているので、高剛性部60と低剛性部62との剛性差により、低剛性部62に振動エネルギが集中する。
さらに、高剛性部60に補機類66が取り付けられるようになっているので、補機類66により高剛性部60の剛性がさらに高まり、より大きな剛性差が得られる。また、補機類66により高剛性部60の重量が増大し、高剛性部60と低剛性部62との重量差が得られる。このような重量差によっても、低剛性部62に振動エネルギを集中させることが出来る。従って、振動エネルギが低剛性部62により大きく集中する。
従って、低剛性部62に振動エネルギが大きく集中し、フロアパネルを構成する鋼板の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて、パネル領域全体の振動エネルギが低減する。その結果、パネル領域からの音響放射が低減する。
さらに、低剛性部62に制振材68が設けられているので、低剛性部62に集中した振動エネルギがより大きく低減される。特に、制振材68は、制振材68及び低剛性部62の両者による剛性が高剛性部60の剛性より低くなるように設けられているので、低剛性部62への振動エネルギの集中を妨げることなく、振動エネルギを低減させることが出来る。
次に、高剛性部60の配置の作用効果を説明する。
先ず、本実施形態のパネル領域S2及びS10においては、高剛性部60が各パネル領域のほぼ中央部まで延びるように形成され、また、パネル領域S13及びS14においては、高剛性部60が、各パネル領域のほぼ中央部に形成されている。
ここで、フレーム部材22、27、28、29、36、37等、振動規制部である折れ部52、54及びビード部56、58は、その剛性が高く振動振幅自体は小さいので、各パネル領域S2、10、S13、S14において、これらのフレーム部材又は振動規制部に近接した部分の振動振幅はそれほど大きくならず、フレーム部材又は振動規制部から離れた中央部に近づくほど振動振幅が大きくなり易い。即ち、パネル領域では、その中央部ほど剛性が低く、フレーム部材に近づくほど剛性が高くなると言える。
本実施形態では、各パネル領域S2、10、S13、S14の中央部に高剛性部60が設けられ或いは中央部まで延びているので、高剛性部60と低剛性部62との剛性差を大きく得やすくなり、振動エネルギを低剛性部62により確実に集中させることが出来る。さらに、補機類66によりパネル領域のほぼ中央部の重量を高めることで、重量差により、振動エネルギを低剛性部62により大きく集中させることが出来る。また、低剛性部62は、その剛性が高まらないように所定の幅で延びるように形成されているので、振動エネルギを低剛性部62に確実に集中させることが出来る。
また、パネル領域S2、S10においては、高剛性部60がほぼ中央部まで延びているので、その2辺又は3辺の周辺の低剛性部62に、より確実に振動エネルギを集中させることが出来る。
次に、パネル領域S2においては、高剛性部60の2辺がフレーム部材27、36に接し、パネル領域S10においては、高剛性部60の1辺がフレーム部材29に接しているので、高剛性部60の剛性を大きく高めることが出来る。従って、高剛性部60と低剛性部62との剛性差をより大きくすることが出来、振動エネルギを低剛性部62により確実に集中させることが出来る。なお、高剛性部60を振動規制部である折れ部52、54やビード部56、58に接するように形成しても同様の効果が得られる。
ここで、上述したように、No.4クロスメンバ29は、フロアサイドフレーム22に連結される連結部29aの連結剛性が他のクロスメンバより相対的に低くされ、その振動伝達量が小さくなっている。パネル領域S10においては、このNo.4クロスメンバ29に高剛性部60を接するようにしているので、No.4クロスメンバ29から高剛性部60に直接伝わる振動及び高剛性部60を介して低剛性部62に伝わる振動による音響放射が大きくならないようにすることが出来る。
次に、高剛性部60の形状の作用効果を説明する。
先ず、パネル領域S2、S10、S14においては、高剛性部60の各辺の境界部aが直線状に延び、パネル領域S13においては、高剛性部60の2辺の境界部aが直線状に延びているので、それらの辺に隣接した低剛性部62の部分の剛性を高めずに、高剛性部60と低剛性部62との境界部aを含む低剛性部62に振動エネルギを集中させることが出来る。
ここで、振動エネルギが特に大きく集中する範囲を、図2(a)、図3(a)、図4(a)及び図5(a)においてそれぞれEで示す。各図中Eで示すように、振動エネルギは、低剛性部62のうち、高剛性部60に近い範囲に集中し易く、特に、高剛性部60の直線上に延びる辺の近傍では、高剛性部60と低剛性部62との境界部aを含む範囲に振動エネルギが特に大きく集中する。
一方、高剛性部と低剛性部との境界部が曲線状に延びるように、例えば、高剛性部を円状又は楕円状に形成すると、矩形状に形成するよりもその剛性をさらに高めることが出来る。本実施形態では、パネル領域S13において、高剛性部60の2辺を曲線状に形成しているので、その曲線状の2辺により高剛性部60の剛性をさらに高めることが出来る。即ち、
ここで、図4中Eで示すように、このような曲線状に延びる境界部aに隣接した低剛性部62の剛性が高まり、図中Xで示すような振動エネルギが集中しにくい部分が生じる。これに対し、本実施形態のパネル領域S13においては、残り2辺を直線状に形成して、振動エネルギが集中する図中Eの範囲をあまり狭めないようにしている。
また、高剛性部60を、その2辺が曲線状に延びるように形成すると、低剛性部62に制振材68を位置決めし易くなる。即ち、高剛性部60との境界部aの形状に合わせて予め制振材68を成形し低剛性部62に貼り付けるようにすれば、前後方向や車幅方向の位置決めがし易くなる。また、高剛性部60のプレス成形精度も高めることが出来る。
次に、補機類66を取り付けるためのブラケット64の作用効果を説明する。
先ず、パネル領域S2、S10及びS13においては、ブラケット64が、高剛性部60の突出して形成された空間内に設けられている。従って、ブラケット64が低剛性部62に当接して低剛性部62の剛性が高まることを防止することが出来ると共に、高剛性部60がブラケット64自身の剛性によりその空間内で突っ張るように支持されるので高剛性部60の剛性を高めることが出来る。さらに、ブラケット64自体の重量により、高剛性部60と低剛性部62との重量差が得られるので、低剛性部62に振動エネルギをより効果的に集中させることが出来る。
さらに、ブラケット64は高剛性部60と低剛性部62とにより形成される境界部aに隣接するように延びているので、高剛性部60の剛性を確実に高めることが出来ると共にその境界部a近傍の高剛性部60の剛性を大きく高めて、高剛性部60と低剛性部62との剛性差をより大きくすることが出来る。
また、パネル領域S2及びS10においては、ブラケット64は、高剛性部60が接するフレーム部材に取り付けられているので、低剛性部62の剛性を高めることなく、ブラケット64の強度を確保することが出来る。
また、パネル領域S10においては、ブラケット64がパネル領域のほぼ中央部まで延び、補機類66が、そのパネル領域のほぼ中央部に取り付けられるので、高剛性部60と低剛性部62との剛性差及び重量差をより大きくすることが出来、低剛性部62に振動エネルギを大きく集中させることが出来る。さらに、ブラケット64は、パネル領域のほぼ中央部の近傍の重量が、それ以外の部分の重量より大きくなるように板厚が高められている部分64aを有するので、低剛性部62に振動エネルギをさらに大きく集中させることが出来る。さらに、ブラケット64は、上述したように振動伝達量が比較的小さいNo.4クロスメンバ29取り付けられているので、このブラケット64を介してパネル領域S10に伝わる振動による音響放射が大きくならないようにすることが出来る。
次に、パネル領域S14においては、ブラケット64及びそのブラケット64が固定されたパネル部分が高剛性部60として構成されるので、パネル領域をプレス成形することなく高剛性部60を設けることが出来る。また、この高剛性部60の周りの平らな部分が低剛性部62として構成されるので、高剛性部60と低剛性部62との剛性差により、上述したように低剛性部62に振動エネルギを集中させることが出来る。
なお、下方に突出するように形成した高剛性部60の突出した空間内にブラケット64を設け、補機類66を各フロアパネルの下方の車外側に取り付けた場合、或いは、補機類66をブラケット64に直接取り付けた場合でも、上述したような効果が同様に得られる。
次に、各パネル領域を形成するフレーム部材及び振動規制部の作用効果を説明する。
本実施形態では、フレーム部材22、27〜30、36、37及び、振動規制部である折れ部52、54及びビード部56、58のパネル領域S2、S10、S13、S14を形成する部分が直線状に延びるように形成されているので、低剛性部62の剛性が高まることを防止し、高剛性部60と低剛性部62との剛性差がより確実に得られるようにすることが出来る。即ち、それらのフレーム部材22、27〜30、36、37及び、振動規制部である折れ部52、54及びビード部56、58が曲線状に形成されると、その近傍の部分の剛性が高まり、低剛性部62に振動エネルギが集中しにくくなるので、このようなことを防止するようにしている。
特に、パネル領域S10においては、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って振動規制部である直線状のビード部56が形成され、また、パネル領域S13、S14においては、フロアサイドフレーム22がNo.4クロスメンバ29との連結部29a及びNo.5クロスメンバ30との連結部30aにおいてそれぞれ折り曲げられて、その領域S13、S14を形成する部分が直線状になるようにされている。
さらに、パネル領域S2は矩形状に形成され、パネル領域S10、S13、S14は2辺が平行であるほぼ矩形状に形成されているので、各パネル領域の全体の剛性が高まって振動低減効果が小さくなることを防止することが出来る。
なお、図6(a)に示すように、パネル領域S10において、ビード部56をフロアトンネル部50の縁部に形成された折れ部54と平行になるように形成してもよく、また、図6(b)に示すように、フロアサイドフレーム22のフランジ22dの縁部22eが、この領域S10に接する部分にわたって直線状になるように形成し、この縁部22eによりパネル領域S10の振動領域を規制するようにしても良い。これらの場合でも、上述したような効果が得られる。
次に、図1、図7乃至図11により、第2実施形態の車体のフロアパネル構造を具体的に説明する。第2実施形態では、パネル領域S1及びS5、S3及びS7、S4及びS8、S6、S11、S15、S16にそれぞれ振動低減構造として高剛性部及び低剛性部を設け、高剛性部をフレーム部材に接するように形成してその剛性を高め、振動低減効果がより確実に得られるようにしたものである。
図7は、本発明の第2実施形態によるパネル領域S1及びS5を示す拡大平面図(a)及びそのVII-VII線に沿って見たパネル領域S1及びS5の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)であり、同様に、図8は、パネル領域S3及びS7を示す拡大平面図(a)及びそのVIII-VIII線に沿って見た断面図(b)であり、図9は、パネル領域S4及びS8を示す拡大平面図(a)及びそのIX-IX線に沿って見た断面図(b)であり、図10は、パネル領域S11を示す拡大平面図(a)及びそのX-X線に沿って見た断面図(b)であり、図11は、パネル領域S15を示す拡大平面図(a)及びそのXI-XI線に沿って見た断面図(b)である。
先ず、図7により、パネル領域S1及びS5に設けた振動低減構造について説明する。
図7(a)に示すように、パネル領域S1及びS5は折れ部52を共有し、パネル領域S1は、上述したように、この折れ部52と、フレーム部材であるNo.2クロスメンバ27、サイドシル20及びフロアサイドフレーム22とに囲まれて形成され、パネル領域S5は、上述したように、その折れ部52と、フレーム部材であるサイドシル20、フロアサイドフレーム22及びNo.3クロスメンバ28とに囲まれて形成されている。また、これらのパネル領域S1、S5は、それらの各フレーム部材20、22、27、28及び折れ部52がそれぞれ直線状に延びると共に、No.2クロスメンバ27と折れ部52、この折れ部52とNo.3クロスメンバ28、及び、サイドシル20とフロアサイドフレーム22とがそれぞれ互いに平行に延びる矩形状にそれぞれ形成されている。ここで、折れ部52は、上述したように、振動規制部としての役割を果たしている。
これらのパネル領域S1、S5には、各領域S1、S5にわたってほぼ矩形状の高剛性部70が形成され、この高剛性部70の4辺即ち後述する低剛性部62との境界部aが、それぞれ若干曲線状に延びるようなほぼ直線状に形成されている。また、この高剛性部70は、折れ部52の車幅方向の端部であるサイドシル20に隣接した位置に配置され、その車幅方向内方の1辺のほぼ中間部で折れ部に接し、その車幅方向の反対側の辺のほぼ中間部でサイドシル20に接している。なお、サイドシル20には、その1辺の全部が接するようにしても良い。
また、高剛性部70には、2つのパネル領域S1、S5にわたるように、高剛性部70の車体前方側の辺から車体後方側の辺まで車体前後方向に延びる複数の補強ビード73が形成されている。
図7(b)に示すように、高剛性部70は、くの字状に延びるパネル領域S1とS5とに挟まれるように、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。
次に、図7(a)及び(b)に示すように、パネル領域S1には、そのほぼ中央部に各フレーム部材及び折れ部と接しないように円形状の高剛性部74が形成されている。この高剛性部74は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。
また、パネル領域S5には、その4辺がそれぞれ直線状に形成された矩形状の高剛性部76が形成され、その2辺のそれぞれの全部がサイドシル20及びNo.3クロスメンバ28に接している。この高剛性部76は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は、その上面がほぼ水平に延びる台形状になっている。この高剛性部76の水平に延びる上面には、シートの脚部(図示せず)が取り付けられるようになっている。
一方、パネル領域S1、S5には、これらの高剛性部70、74、76の周りに延びるほぼ平らに形成された低剛性部62がそれぞれ形成されており、その全域に上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
これらの低剛性部62は、パネル領域S1においては、折れ部52に接する高剛性部70の周りでL字状に延びる部分と、円形状の高剛性部74の周りでロ字状に延びる部分とを含む形状に延び、パネル領域S5においては、折れ部52に接する高剛性部70の周りでL字状に延びる部分と、矩形状の高剛性部76の周りでL字状に延びる部分とを含むT字状に延びている。また、これらの低剛性部62は、上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に、その幅が、低剛性部62の剛性が高まらないような所定の大きさとなるように形成されている。
次に、図8により、パネル領域S3及びS7に設けた振動低減構造について説明する。
図8(a)に示すように、パネル領域S3及びS7は折れ部52を共有し、パネル領域S3は、上述したように、この折れ部52と、フレーム部材であるNo.2クロスメンバ27、フロアサイドフレーム22及びNo.1トンネルサイドメンバ36とに囲まれて形成され、パネル領域S7は、上述したように、その折れ部52と、フレーム部材であるフロアサイドフレーム22、No.1トンネルサイドメンバ36及びNo.3クロスメンバ28とに囲まれて形成されている。また、これらのパネル領域S3、S7は、それらの各フレーム部材22、27、28、36及び折れ部52がそれぞれ直線状に延びると共に、No.2クロスメンバ27と折れ部52、この折れ部52とNo.3クロスメンバ28、及び、フロアサイドフレーム22とNo.1トンネルサイドメンバ36とがそれぞれ互いに平行に延びる矩形状にそれぞれ形成されている。ここで、折れ部52は、上述したように、振動規制部としての役割を果たしている。
これらのパネル領域S3、S7には、2つの領域S3、S7にわたると共にパネル領域S3の車体前後方向のほぼ全域にわたって車体前後方向に延びるほぼ矩形状の高剛性部70が形成されている。この高剛性部70と後述する低剛性部62との境界部aは、車幅方向に対向する2辺がそれぞれ車体前後方向に直線状に延び、車体前後方向のそれぞれの端部は、円弧状に延びている。また、この高剛性部70は、折れ部52の車幅方向のほぼ中間部に配置され、車体前後方向に延びる2辺がそれぞれ折れ部に接している。さらに、この高剛性部70には、後述する左右両側の低剛性部62にわたるように車幅方向に延びる複数の補強ビード73が形成されている。
図8(b)に示すように、高剛性部70は、くの字状に延びるパネル領域S3とS7とに挟まれるように、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。
次に、図8(a)及び(b)に示すように、パネル領域S7には、その車幅方向のほぼ中間に、一端部がNo.3クロスメンバ28に接すると共に領域S7のほぼ中央部まで延びる高剛性部78が形成されている。この高剛性部78と低剛性部62との境界部aは、車幅方向に対向する2辺がそれぞれ車体前後方向に直線状に延び、車体前後方向のそれぞれの端部が、円弧状に延びている。この高剛性部78は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。
一方、パネル領域S3、S7には、これらの高剛性部70、78の周りに延びるほぼ平らに形成された低剛性部62がそれぞれ形成されており、その全域に上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
これらの低剛性部62は、パネル領域S3においては、折れ部52に接する高剛性部70の車幅方向の左右両側でそれぞれ直線状に延びる部分を含む形状に延び、パネル領域S7においては、折れ部52に接する高剛性部70の周りでコ字状に延びる部分と、No.3クロスメンバ28に接する高剛性部78の周りでコ字状に延びる部分とを含むH字状に延びている。また、これらの低剛性部62は、上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に所定の幅で延びるように形成されている。
次に、図1に示すように、パネル領域S6は、パネル領域S7と同様に矩形状に形成されている(図8参照)。このパネル領域S6には、上述したパネル領域S5に設けた矩形状の高剛性部76と同様の高剛性部79が、No.3クロスメンバ28及びNo.1トンネルサイドメンバ36にその2辺の全部が接するように形成され、その周囲には、L字状に延びる平らな低剛性部62が形成されている。また、その低剛性部は、第1実施形態のパネル領域S2と同様に、所定の幅で延びると共にその全域に制振材68が貼り付けられている。
次に、図9により、パネル領域S4及びS8に設けた振動低減構造について説明する。
図9(a)に示すように、パネル領域S4及びS8は、上述したパネル領域S1及びS5と同様に形成され、振動規制部である折れ部52を共有すると共に、各パネル領域S4、S8は、各フレーム部材20、22、27、28及び折れ部52に囲まれて矩形状に形成されている。
これらのパネル領域S4、S8には、各領域S4、S8にわたってほぼ矩形状の高剛性部70が形成され、この高剛性部70の4辺即ち低剛性部62との境界部aが、それぞれ若干曲線状に延びるようなほぼ直線状に形成されている。また、この高剛性部70は、折れ部52の車幅方向のほぼ中間部に配置され、その車体前後方向に延びる2辺の一部がそれぞれ折れ部52に接している。さらに、高剛性部70には、2つのパネル領域S4、S8にわたるように、高剛性部70の車体前方側の辺から車体後方側の辺まで車体前後方向に延びる複数の補強ビード73が形成されている。
図9(b)に示すように、高剛性部70は、くの字状に延びるパネル領域S4とS8とに挟まれるように、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。
次に、図9(a)及び(b)に示すように、パネル領域S4には、そのほぼ中央部に各フレーム部材20、22、27及び折れ部52と接しないように円形状の高剛性部74が形成されている。この高剛性部74は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。
また、パネル領域S8には、その4辺がそれぞれ直線状に形成された矩形状の高剛性部76が形成され、その1辺の全部がNo.3クロスメンバ28に接している。この高剛性部76は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は上面がほぼ水平に延びるほぼ台形状になっている。この高剛性部70の水平に延びる上面には、シートの脚部(図示せず)が取り付けられるようになっている。
一方、パネル領域S4、S8には、それぞれ、これらの高剛性部70、74、76の周りに延びるほぼ平らに形成された低剛性部62が形成されており、その全域に上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
これらの低剛性部62は、パネル領域S4においては、折れ部52に接する高剛性部70の周りでコ字状に延びる部分と、円形状の高剛性部74の周りでロ字状に延びる部分とを含むA字状に延び、パネル領域S8においては、折れ部52に接する高剛性部70の周りでコ字状に延びる部分と、矩形状の高剛性部76の周りでコ字状に延びる部分とを含むH字状に延びている。また、これらの低剛性部62は、上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に所定の幅で延びるように形成されている。
次に、図10により、パネル領域S11に設けた振動低減構造について説明する。
図10(a)に示すように、パネル領域S11は、上述した第1実施形態のパネル領域S10(図3参照)と同様に形成され、フレーム部材であるNo.3クロスメンバ28及びNo.4クロスメンバ29と、フロアトンネル部50の縁部に形成された直線状に延びる折れ部54と、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って形成された直線状のビード部56とに囲まれてほぼ矩形状に形成されている。折れ部54及びビード部56は、いずれもパネル領域S11の振動領域を規制する振動規制部としての役割を果たしている。
このパネル領域S11には、ほぼ矩形状の高剛性部70と、この高剛性部70の周りにL字状に延びる低剛性部62が形成され、この低剛性部62は、上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に所定の幅で延びている。高剛性部70は、それぞれの辺が、若干曲線状に延びるようなほぼ直線状に形成されている。また、この高剛性部70は、その車幅方向内方の1辺のほぼ中間部が折れ部54に接し且つ車体後方側の1辺のほぼ中間部がNo.4クロスメンバ29に接すると共にパネル領域S10のほぼ中央部まで延びている。ここで、No.4クロスメンバ29は、上述したように振動伝達量が小さくなるようになっている。
また、高剛性部70には、高剛性部70が接しているNo.4クロスメンバ29及び折れ部54の側から、低剛性部62の側に向けて放射状に延びる複数の補強ビード73が形成されている。
図10(b)に示すように、高剛性部70は、フロアパネル自身を車体下方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。なお、各高剛性部70を車体上方に突出するように形成しても良い。
一方、低剛性部62は、ほぼ平らに形成され、その全域に上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
次に、図1及び図11により、パネル領域S15及びS16に設けた振動低減構造について説明する。パネル領域S15及びS16の構成及び形状、また、振動低減構造の基本的な形状及び配置は同じであるので、主にパネル領域S15を説明する。
図1及び図11(a)に示すように、パネル領域S15(S16)は、上述したようにフレーム部材であるフロアサイドフレーム22、No.2トンネルサイドメンバ37及びNo.5クロスメンバ30と、ビード部58とに囲まれて形成されている。また、このパネル領域S15は、それらの各フレーム部材22、30、37及びビード部58がそれぞれ直線状に延びると共に、ビード部58とNo.5クロスメンバ30とが互いに平行に延びるほぼ矩形状に形成されている。特に、パネル領域S13、S14と同様に、フロアサイドフレーム22を、No.4クロスメンバ29及びNo.5クロスメンバ30との連結部29a、30aにおいて折り曲げるように形成して、この領域S15(S16)を形成する部分が直線状に延びるようにしている。ここで、ビード部58は、第1実施形態のパネル領域S13で上述したように、振動規制部としての役割を果たしている。
このパネル領域S15(S16)には、ほぼ矩形状の高剛性部70と、この高剛性部70の周りにコ字状に延びる低剛性部62とが形成されている。高剛性部70は、車幅方向に延びる2辺が、それぞれ車体前後方向に外方に向けて膨らみ且つ曲率が連続した曲線状に形成され、そのうちの1辺のほぼ中間部でNo.5クロスメンバ30に接している。また、車体前後方向に延びる2辺は若干曲線状に延びるようなほぼ直線状に延びている。また、低剛性部62は、上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に所定の幅で延びるように形成されている。
また、高剛性部70には、高剛性部70が接しているNo.5クロスメンバ30の側から、低剛性部62の側に向けて延びる複数の補強ビード73が形成されている。具体的には、パネル領域S15に形成された補強ビード73は、No.5クロスメンバ30に接する辺から対向する低剛性部62の側の辺まで車体前後方向に延び、パネル領域S16については、図1に示すように、No.5クロスメンバ30に接した中間部から、低剛性部62の側の残りの3辺に向けて放射状に延びる補強ビード73が形成されている。
ここで、高剛性部70が接しているNo.5クロスメンバ30は、上述したNo.4クロスメンバ29と同様に、そのフロアサイドフレーム22との連結部30aの連結剛性が他のクロスメンバより相対的に低くされ、エンジン40や各サスペンション44、48からフロアサイドフレーム22を経由してNo.5クロスメンバ30に入力される振動の量が小さくなるようにされている。また、その断面寸法がNo.3及びNo.4クロスメンバ28、29より小さくされ、No.5クロスメンバ30自体の振動伝達量も小さくなるようになっている。
図11(b)に示すように、高剛性部70は、フロアパネル自身を車体下方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。なお、高剛性部70を車体上方に突出するように形成しても良い。一方、低剛性部62は、ほぼ平らに形成され、その全域に、上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
次に、第2実施形態のフロアパネル構造の作用効果を説明する。
本実施形態のフロアパネル構造のパネル領域S1、S3乃至S8、S11、S15及びS16においては、第1実施形態と同様に、高剛性部70と、この高剛性部70の周りに形成された低剛性部62との剛性差により、低剛性部62に振動エネルギが集中する。
さらに、高剛性部70の一部又は全部が、剛性の高いフレーム部材20、22、27〜30、36、37及び/又は振動規制部である折れ部52、52に接するように形成されているので、高剛性部70の剛性を大きく高めることが出来る。従って、例えば、パネル領域の面積が比較的小さくパネル領域自体の剛性がもともと比較的高い場合等においても、高剛性部70をフレーム部材20、22、27〜30、36、37や振動規制部52、54、56、58に接するように形成することで、高剛性部70の剛性を大きく高めて、低剛性部62との剛性差を大きくとることが出来、振動エネルギを低剛性部62に大きく集中させることが出来る。
従って、低剛性部62に振動エネルギが大きく集中し、フロアパネルを構成する鋼板の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて、パネル領域全体の振動エネルギが低減する。その結果、パネル領域からの音響放射が低減する。
さらに、第1実施形態と同様に、低剛性部62に制振材68を設け、さらに、制振材68及び低剛性部62の両者による剛性が高剛性部70の剛性より低くなるように設けられているので、低剛性部62に集中した振動エネルギをより大きく低減させることが出来る。
次に、高剛性部70の配置及びその周りに設けた低剛性部62の作用効果を説明する。
先ず、パネル領域S1及びS5、S3及びS7、S4及びS8の作用効果について説明する。
本実施形態のパネル領域S1及びS5、S3及びS7、S4及びS8は、それぞれ、一直線状に折り曲げて形成された剛性の高い折れ部52を共有し、高剛性部70はこの折れ部52に接すると共にそれらの2つの領域にわたって形成されているので、高剛性部70の剛性を大きく高めて低剛性部62との剛性差を大きくとることが出来る。特に、高剛性部70は、くの字状に延びる各パネル領域S1及びS5、S3及びS7、S4及びS8に挟まれるように車体上方に突出して形成されているので、高剛性部70の剛性を大きく高めることが出来る。
さらに、高剛性部70は、パネル領域S1及びS5においては、1辺が折れ部52に接すると共に他の一辺がサイドシル20に接し、パネル領域S3及びS7、S4及びS8においては、2辺がそれぞれ折れ部52に接しているので、その剛性をより確実に高めることが出来、低剛性部62との剛性差をより確実に大きくすることが出来る。
また、パネル領域S1及びS5においては、高剛性部70が、ほぼ矩形状に形成されると共に共有している折れ部52の端部に配置されているので、パネル領域S1、S5の低剛性部62には、高剛性部70の周りにL字状に延びる部分がそれぞれ形成され、図7中E1で示すような範囲で振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
パネル領域S3及びS7においては、高剛性部70が、2つの領域S3、S7にわたって車体前後方向に延びると共に共有している折れ部52のほぼ中間部に配置され、さらに、パネル領域S3の車体前後方向のほぼ全域にわたって車体前後方向に延びている。従って、低剛性部62には、パネル領域S3において、この高剛性部70の両側でそれぞれ直線状に延びる部分が形成され、パネル領域S7において、この高剛性部70の端部の周りにコ字状に延びる部分が形成され、図8中E1で示すような範囲で振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
パネル領域S4及びS8においては、高剛性部70が、ほぼ矩形状に形成されると共に共有している折れ部52のほぼ中間部に配置されているので、パネル領域S4、S8のそれぞれにおいて、低剛性部には、高剛性部70の周りにコ字状に延びる部分が形成され、図9中E1で示すような範囲で振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
これらのパネル領域S1及びS4、S3及びS7、S4及びS8では、低剛性部62のL字状、コ字状或いは直線状に延びる部分は、その剛性が高まらないように所定の幅で延びるように形成されているので、上述したE1で示すような範囲に振動エネルギをより確実に集中させることが出来る。
次に、パネル領域S1及びS5には、さらに、円形状の高剛性部74及び矩形状の高剛性部76が形成され、これらの周りに延びる低剛性部62のロ字状或いはL字状の部分により、図7中E2で示すような範囲に振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
また、パネル領域S7には、さらに、高剛性部76が形成され、この周りに延びる低剛性部62のコ字状の部分により、図8中E2で示すような範囲に振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
また、パネル領域S4及びS8には、さらに、円形状の高剛性部74及び矩形状の高剛性部76が形成され、これらの周りに延びる低剛性部62のロ字状或いはコ字状に延びる部分により、図9中E2で示すような範囲に振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
次に、パネル領域S6、S11の作用効果について説明する。
本実施形態のパネル領域S6においては、矩形状の高剛性部76の2辺の全部がNo.3クロスメンバ28及びNo.1トンネルサイドメンバ36に接し、また、パネル領域S11においては、ほぼ矩形状の高剛性部70の1辺が折れ部54に接し、他の1辺がNo.4クロスメンバ29に接しているので、いずれも、高剛性部70の剛性を大きく高めて低剛性部62との剛性差を大きくすることが出来る。
また、パネル領域S6、S11において、高剛性部70はほぼ矩形状に形成され且つその隣り合う2辺がそれぞれフレーム部材28、29、36或いは振動規制部である折れ部54に接するように配置されているので、各領域S6、S11において、低剛性部62には、これらの高剛性部70の周りにL字状に延びる部分が形成され、図10中Eで示すような範囲に振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。さらに、パネル領域S1及びS5等と同様に、これらのL字状に延びる部分は所定の幅で延びているので、上述したEで示すような範囲に振動エネルギをより確実に集中させることが出来る。
また、パネル領域S11においては、高剛性部70がその領域S11のほぼ中央部まで延びるように形成されているので、第1実施形態で説明したように、高剛性部70とその周囲の低剛性部62との剛性差をより大きくすることが出来る。また、その周囲に低剛性部62のL字状に延びる部分を形成し易くなり、振動エネルギが集中する範囲をより確実に得ることが出来る。
ここで、上述したようにNo.4クロスメンバ29のフロアサイドフレーム22との連結部29aの連結剛性が他のクロスメンバより相対的に低くされ、また、フロアトンネル部50の縁部に設けられた折れ部54はフレーム部材ほど剛性は高められていないので、その振動伝達量は比較的小さい。本実施形態のパネル領域S11においては、これらのNo.4クロスメンバ29及び折れ部54に高剛性部70を接するようにしているので、高剛性部70に大きな振動が伝わらないようにすることが出来る。その結果、フレーム部材から高剛性部70に直接伝わる振動及び高剛性部70を介して低剛性部62に伝わる振動による音響放射が大きくならないようにすることが出来る。
次に、パネル領域S15、S16の作用効果について説明する。
本実施形態のパネル領域S15及びS16においては、それぞれ、高剛性部70の1辺がNo.5クロスメンバ30に接するので、高剛性部70の剛性を大きく高めて、低剛性部62との剛性差を大きくとることが出来る。
また、高剛性部70はほぼ矩形状に形成されると共に各領域S15、S16の車幅方向のほぼ中間部に配置されているので、パネル領域S15、S16の低剛性部62には、この高剛性部70の周りにコ字状に延びる部分が形成され、図11中Eで示すような範囲で振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。また、これらのコ字状に延びる部分は、その剛性を高めないように所定の幅で延びるように形成されているので、上述したEで示すような範囲に振動エネルギをより確実に集中させることが出来る。
また、パネル領域S15、S16においては、高剛性部70が領域S15、S16のほぼ中央部まで延びるように形成されているので、第1実施形態で説明したように、剛性が比較的低いパネル領域のほぼ中央部まで高剛性部70が延びて、高剛性部70とその周囲の低剛性部62との剛性差をより大きくすることが出来る。特に、高剛性部70の3辺の周辺に延びるコ字状の低剛性部62に、より確実に振動エネルギを集中させることが出来る。
ここで、上述したようにNo.5クロスメンバ30は、フロアサイドフレーム22との連結部30aの連結剛性が他のクロスメンバより相対的に低くされると共にその断面寸法がNo.3及びNo.4クロスメンバ28、29より小さくされ、振動伝達量が小さくなるようになっている。本実施形態のパネル領域S15、S16においては、このNo.5クロスメンバ30に高剛性部70を接するようにしているので、高剛性部70に大きな振動が伝わらないようにすることが出来る。その結果、フレーム部材30から高剛性部70に直接伝わる振動及び高剛性部70を介して低剛性部62に伝わる振動による音響放射が大きくならないようにすることが出来る。
次に、高剛性部70の形状の作用効果を説明する。
先ず、パネル領域S1及びS5、或いは、S4及びS8にそれぞれわたって設けられた高剛性部70、或いは、パネル領域S11に設けられた高剛性部70は、その周囲に延びる低剛性部62のとの境界部aがほぼ直線状に形成されているので、低剛性部62の剛性を高めないようにして、振動エネルギが特に大きく集中するEの範囲を大きく狭めないようにすることが出来る。その結果、振動低減効果を確実に発揮させるようにすることが出来る。
また、パネル領域S3、S7においては、高剛性部70は車幅方向に対向する2辺がそれぞれ直線状に延びるように形成されているので、高剛性部70の両側に形成された直線状に延びる低剛性部62の部分との境界部aを含む範囲Eにおいて振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。同様に、パネル領域S6においても、境界部aが直線状に延びているので、高剛性部70と低剛性部62との境界部aを含む範囲Eにおいて振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
また、パネル領域S15、S16においては、車幅方向に延びる2辺が、それぞれ曲線状に形成されているので、高剛性部70の剛性を高められる。一方、残り2辺が直線状に延びるように形成されているので、低剛性部62の剛性を高めないようにして、振動エネルギが集中するEの範囲をあまり狭めないようにすることが出来る。その結果、振動低減効果を確実に発揮させるようにすることが出来る。
また、高剛性部70は、その1辺のほぼ中間部でNo.5クロスメンバ30に接するように曲線状に形成されているので、その接する部分の両側とNo.5クロスメンバ30との間に図11中Gで示すような隙間が形成される。そして、この隙間Gにより、車体前後方向に延びる直線状の2辺の周囲に形成された低剛性部62の部分のうち、No.5クロスメンバ30に近い図11中Xで示すような部分の剛性が高まることを防止することが出来る。その結果、振動エネルギが集中する図中Eの範囲をあまり狭めないようにして、振動低減効果を確実に発揮させるようにすることが出来る。
また、高剛性部70の2辺を曲線状に延びるように形成することで、第1実施形態で上述したように、境界部aを含む低剛性部62に制振材68を位置決めし易くなり、さらに、高剛性部70のプレス成形精度も高めることが出来る。
次に、各パネル領域を形成するフレーム部材及び振動規制部の形状の作用効果を説明する。
本実施形態では、パネル領域S1、S3〜S8、S11、S15、S16において、フレーム部材20、22、27〜30、36、37及び、振動規制部である折れ部52、54及びビード部56、58のパネル領域を形成する部分が直線状に延びているので、低剛性部62の剛性が高まることを防止し、高剛性部70と低剛性部62との剛性差がより確実に得られるようにすることが出来る。また、パネル領域S1、S3乃至S8は矩形状に形成され、パネル領域S11、S15及びS16は2辺が平行であるほぼ矩形状に形成されているので、各パネル領域の全体の剛性が高まって振動低減効果が小さくなることを防止することが出来る。
特に、パネル領域S11においては、上述したパネル領域S10と同様に、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って振動規制部である直線状のビード部56が形成され、パネル領域S15、S16においては、フロアサイドフレーム22がNo.4クロスメンバ29との連結部29a及びNo.5クロスメンバ30との連結部30aにおいてそれぞれ折り曲げられて、その領域S15、S16を形成する部分が直線状になるようにされている。
次に、各高剛性部70に設けた補強ビード73の作用効果を説明する。
先ず、パネル領域S1及びS5、S4及びS8においては、各高剛性部70に、2つのパネル領域S1及びS5、S4及びS8にわたるように、車体前方側の辺から車体後方側の辺まで車体前後方向に延びる複数の補強ビード73が形成されているので、高剛性部70を折れ部52に接することにより剛性を高めることに加え、高剛性部70の車体前後方向の剛性を大きく高めることが出来る。その結果、車体前方側の辺及び車体高校方側の辺の周りに延びる低剛性部62の部分との剛性差をより大きくすることが出来る。従って、例えば、上述した図7及び図9におけるE1で示す範囲においても、特に図中Fで示すような範囲でさらに大きく振動エネルギを集中させることが出来る。
また、パネル領域S3、S7においては、高剛性部70に、直線状に延びる2つの低剛性部62の部分にわたるように車幅方向に延びる複数の補強ビード73が形成されているので、高剛性部70を折れ部52に接することにより剛性を高めることに加え、高剛性部70の車幅方向の剛性が大きく高まる。その結果、高剛性部70と直線状に延びる2つの低剛性部62の部分と剛性差をより大きくすることが出来る。
また、パネル領域S11においては、高剛性部70に、高剛性部70が接しているNo.4クロスメンバ29及び折れ部54の側から、低剛性部62の側に向けて放射状に延びる複数の補強ビード73が形成されているので、この補強ビード73が延びる方向の剛性が大きく高まる。これらの補強ビード73は、低剛性部62のL字状に延びる部分のほぼ全範囲に向けて延びているので、高剛性部70とその低剛性部62のL字状に延びる部分との剛性差をより大きくすることが出来る。
また、パネル領域S15、S16においては、高剛性部70に、高剛性部70が接しているNo.5クロスメンバ30の側から、低剛性部62の側に向けて延びる複数の補強ビード73が形成されている。具体的には、パネル領域S15に形成された補強ビード73は、No.5クロスメンバ30に接した辺から対向する低剛性部62の側の辺まで車体前後方向に延びているので、この高剛性部70の車体前後方向の剛性が大きく高まる。また、パネル領域S16に形成された補強ビード73は、No.5クロスメンバ30に接する辺の中間部から、低剛性部62の側の残りの3辺に向けて放射状に延びているので、これらの補強ビード73が延びる方向に高剛性部70の剛性が大きく高まる。
その結果、パネル領域S15においては、特に、No.5クロスメンバ30に接する辺に対向する車体後方側の辺の周りに延びる低剛性部62の部分との剛性差をより大きくすることが出来、例えば、上述した図11中Eで示す範囲においても、特に図中Fで示すような範囲でより大きく振動エネルギを集中させることが出来る。
また、パネル領域S16においては、複数の補強ビード73は、コ字状に延びる低剛性部62の部分のほぼ全範囲に向けて延びるようになっているので、高剛性部70とそのコ字状に延びる低剛性部62の部分との剛性差を大きくすることが出来る。
なお、図12(a)及び(b)に示すように、第1フロアパネル2に形成された折れ部52の位置に、フレーム部材53が設けられている場合にも、高剛性部70を、上述したようにそのフレーム部材53に接するように設けても良く、これらの場合においても、上述した作用と同様の作用が得られる。
また、図12に示すように、2つの領域にわたって形成された高剛性部70を各領域のほぼ中央部まで延びるように形成しても良い。この場合には、第1実施形態で説明したように、高剛性部70が、剛性が比較的低いパネル領域のほぼ中央部まで延びるので、その周囲の低剛性部62との剛性差をより大きくすることが出来る。なお、一方の領域だけ、高剛性部70をほぼ中央部まで延びるように形成しても良い。
次に、図1及び13により、第3実施形態の車体のフロアパネル構造を具体的に説明する。第3実施形態では、パネル領域S9及びS12にそれぞれ振動低減構造として高剛性部及び低剛性部を設け、それらのパネル領域の形状に対応した高剛性部の形状及び配置により、振動低減効果が確実に得られるようにしたものである。ここでは、パネル領域S9及びS12の構成及び形状、及び振動低減構造の基本的な形状及び配置は同じであるので、パネル領域S9を中心に説明する。
図13は、本発明の第3実施形態によるパネル領域S9を示す拡大平面図(a)及びそのXIII-XIII線に沿って見たパネル領域S9の車幅方向の断面構造を示す断面図(b)である。
図1及び図13(a)に示すように、パネル領域S9(S12)は、上述したようにフレーム部材であるサイドシル20、No.3クロスメンバ28及びNo.4クロスメンバ29と、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って形成されたビード部56とに囲まれて形成されている。
このパネル領域S9(S12)においては、No.3クロスメンバ28とNo.4クロスメンバ29とが、互いに平行に直線状に延び、振動規制部であるビード部56が直線状に延びている。また、サイドシル20は、上述したようにNo.3クロスメンバ28及びNo.4クロスメンバ29のほぼ中間位置からNo.4クロスメンバ29にかけて湾曲し、この湾曲した部分により、その領域S9(S12)の2辺がそれぞれ曲線部20aを含むほぼ矩形状の領域として形成されている。
パネル領域S9(S12)には、領域S9(S12)のほぼ中央部に配置された円形状の第1高剛性部80と、2つの円形状の第2高剛性部81と、これらの2つの第2高剛性部81の間に設けられた平らな部分83と、第1及び第2高剛性部80、81の周りに延びる低剛性部62とが形成されている。
ここで、曲線部20aは、図13中Kで示す2箇所で曲率半径が最も小さくなっており、2つの第2高剛性部81は、いずれも、これらの曲率半径が最も小さい箇所Kと第1高剛性部80との間に設けられている。また、2つの第2高剛性部81は、それぞれの面積が第1高剛性部80の面積よりも小さく、それぞれ、曲線部20aの近傍(接触する場合も含む)に形成されている。本実施形態では、これらの第2高剛性部81は、曲線部20aと接触し、また、第1高剛性部80とも接触している。なお、これらの第2高剛性部81は、曲線部20aの近傍にあれば曲線部20aと接触せずに少し離れていても良く、また、第1高剛性部80とは、互いに近傍に位置するように少し離れていても良い。
図13(b)に示すように、第1及び第2高剛性部80、81は、それぞれフロアパネル自身を車体上方に突出して形成され、その断面形状は曲面高さが連続的に変化するドーム形状となっている。一方、低剛性部62は、ほぼ平らに形成され、その全域に上述した第1実施形態のパネル領域S2と同様に制振材68が貼り付けられている。
次に、第3実施形態のフロアパネル構造の作用効果を説明する。
本実施形態のフロアパネル構造のパネル領域S9及びS12においては、第1実施形態と同様に、高剛性部80、81と、この高剛性部80、81の周りに形成された低剛性部62との剛性差により、低剛性部62に振動エネルギが集中する。
さらに、高剛性部80、81のうち、高剛性部81が少なくともパネル領域S9、S12の辺の曲線部20aの近傍(接触する場合も含む)に設けられているので、その剛性を大きく高め、低剛性部62との剛性差を大きくすることが出来る。即ち、パネル領域を形成するフレーム部材によりパネル領域S9、S12に曲線部20aが含まれる場合、その曲線部の近傍のパネル領域の部分の剛性はもともと高まっているので、その部分に設けられた高剛性部81の剛性を大きく高めることが出来る。
従って、低剛性部62に振動エネルギが大きく集中し、フロアパネルを構成する鋼板の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて、パネル領域全体の振動エネルギが低減する。その結果、パネル領域からの音響放射が低減する。
さらに、第1実施形態と同様に、低剛性部62に制振材68を設け、さらに、制振材68及び低剛性部62の両者による剛性が高剛性部80、81の剛性より低くなるように設けられているので、低剛性部62に集中した振動エネルギをより大きく低減させることが出来る。
次に、高剛性部80、81の形状及び配置とその周りに設けた低剛性部62の作用効果を説明する。
本実施形態のパネル領域S9及びS12においては、曲線部20aの近傍からほぼ中央部まで延びるように高剛性部80、81が形成されているので、第1実施形態で上述したように、剛性が比較的低いパネル領域のほぼ中央部まで高剛性部80、81が延びて、高剛性部80、81の周囲の低剛性部62に、より確実に振動を集中させることが出来ると共に剛性差をより大きくすることが出来る。その結果、高剛性部80、81の周囲に延びる低剛性部62の部分に振動エネルギを大きく集中させることが出来、図13中Eで示すような範囲で振動エネルギを特に大きく集中させることが出来る。
さらに、第2高剛性部81が円形状に形成されると共に曲線部20aの近傍に形成されているので、第2高剛性部81と曲線部20aとの間には、図13中G1で示すような隙間が形成される。そして、この隙間G1により、各高剛性部80、81の周囲に形成された低剛性部62のうち、その隙間G1の近傍の部分の剛性が高まることを防止することが出来る。具体的には、図13中Xで示すような範囲の剛性が高まることを防止することが出来る。その結果、振動エネルギが集中する図中Eの範囲をあまり狭めないようにして、振動低減効果を確実に発揮させるようにすることが出来る。
また、同様に、第1高剛性部80と第2高剛性部81とがそれぞれ円形状に形成されると共に接触しているので、第1高剛性部80と第2高剛性部81との間に隙間G2が形成される。そして、この隙間G2により、その近傍の部分の剛性が高まることを防止することが出来、隙間G1と共に、図中Xで示すような範囲の剛性が高まることをさらに防止することが出来る。その結果、振動エネルギが集中する図中Eの範囲をあまり狭めないようにして、振動低減効果を確実に発揮させるようにすることが出来る。
また、第2高剛性部81の面積は、第1高剛性部80の面積よりも小さいので、第2高剛性部81の周りの低剛性部62の面積を比較的大きくとることが出来る。具体的には、図13中G3で示すような範囲の面積の分、低剛性部62の範囲を広くとることが出来る。そして、この広くとった面積の分、第2高剛性部81の近傍の低剛性部62の部分の剛性が高まることを防止することが出来、隙間G1、G2と共に、図中Xで示すような範囲の剛性が高まることをさらに防止することが出来る。その結果、振動エネルギが集中する図中Eの範囲をあまり狭めないようにして、振動低減効果を確実に発揮させるようにすることが出来る。
さらに、第1及び第2高剛性部80、81は円形状に形成されているので、第2高剛性部81と曲線部20aの間、又、各高剛性部80、81間に上述した隙間G1、G2を形成し易く、また、各高剛性部80、81の剛性を大きく高めて低剛性部62との剛性差を大きくとることが出来る。
なお、各高剛性部80、81を楕円形状に形成しても良く、さらに、第1及び第2高剛性部80、81同士、或いは、第2高剛性部81と曲線部20aとの間に隙間を形成することが出来れば、円形状又は楕円形状以外の形状、例えば矩形状に形成しても良い。また、第2高剛性部81が、曲線部20aの近傍にあり且つ曲線部20aと接触せずに少し離れていても上述した作用効果が得られ、また、第1及び第2高剛性部80、81が、互いに近傍に位置するように少し離れて形成されても上述した作用効果が得られる。
次に、第2高剛性部81は2つ設けられ、これらの2つの第2高剛性部81の間には平らな部分83が形成されているので、パネル領域S9、S12全体が、この平らな部分83と領域S9、S12のほぼ中央部とを結ぶ線を境に対称な振動が生じ易くなる。その結果、低剛性部62に効果的に振動エネルギを集中させることが出来る。
また、2つの第2高剛性部81は、それぞれ、曲線部20aの曲率半径が最も小さい部分Kと第1高剛性部80との間に設けられているので、第2高剛性部81の剛性をより大きく高めることが出来、その結果、低剛性部62との剛性差をより大きく得ることが出来る。即ち、曲線部20aの曲率半径が小さい程、その近傍のパネル領域の部分の剛性が高くなるので、第2高剛性部81をこの部分に設けることで、第2高剛性部81の剛性を大きく高めることが出来る。
次に、各パネル領域を形成するフレーム部材及び振動規制部の形状の作用効果を説明する。
本実施形態では、パネル領域S9及びS12において、サイドシル20の曲線部20aを除き、フレーム部材20、28、29及び振動規制部であるビード部56のパネル領域を形成する部分が直線状に延びているので、低剛性部62の剛性が高まることを防止し、高剛性部80、81と低剛性部との剛性差がより確実に得られるようにすることが出来る。特に、上述したパネル領域S10と同様に、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って振動規制部である直線状のビード部56が形成されているので、パネル領域S9、S12の全体の剛性が高まって振動低減効果が小さくなることを防止することが出来る。
次に、図14乃至図17により、第3実施形態の変形例を説明する。
先ず、図14に示すように、例えば、パネル領域S9の曲線部20aの最も曲率半径が小さい部分Kが1カ所である場合に、上述した第3実施形態の2つの第2高剛性部81の間に設けられた平らな部分83が、この最も曲率半径が小さい部分と第1高剛性部80との間に形成されるようにしても良い。
この場合にも上述した作用と同様の作用が得られる。特に、2つの第2高剛性部81の間に設けられた平らな部分83が、この最も曲率半径が小さい部分Kと第1高剛性部80との間に形成されているので、この曲率半径が小さい部分Kと低剛性部62との間に第1及び第2高剛性部80、81及び平らな部分83が配置されることになり、低剛性部62の剛性が高まることを防止することが出来る。その結果、低剛性部62に効果的に振動エネルギをより確実に集中させることが出来る。
次に、図15に示すように、例えば、パネル領域S9の曲線部20aの最も曲率半径が小さい部分Kが1カ所である場合に、この曲線部20aの最も曲率半径が小さい部分Kと第1高剛性部80との間に、第1高剛性部80よりその面積が小さい第2高剛性部81を一つ設けても良い。
この場合にも上述した作用と同様の作用が得られる。特に、第2高剛性部81の面積が、第1高剛性部80の面積よりも小さいので、第2高剛性部81の両側まで低剛性部62の部分を広げ、低剛性部の部分の面積を比較的大きくとることが出来る。その結果、第2高剛性部81の近傍の低剛性部62の部分の剛性が高まることを防止することが出来る。本変形例では、図15中Xで示すような範囲の剛性が高まることを防止することが出来、振動エネルギが集中する図15中Eの範囲をあまり狭めないようにすることが出来る。
次に、図16に示すように、パネル領域S9に、曲線部20aの近傍からほぼ中央部にわたって延びる楕円形状の高剛性部85を一つ設けても良い。この場合には、この楕円形状の高剛性部85の長手方向の一端部が、第3実施形態で上述したように、曲線部20aの近傍(接触する場合も含む)に位置するように形成すると良い。また、その楕円形状の高剛性部85の長手方向の一端部が、曲線部20aの曲率半径が最も小さい部分の近傍に位置するように形成すると良い。
この場合にも、少なくともパネル領域S9、S12の辺の曲線部20aの近傍に楕円形状の高剛性部85が設けられているので、上述した作用と同様の作用が得られる。特に、高剛性部85が、曲線部20aの近傍からほぼ中央にわたって楕円形状に延びているので、この楕円形状の高剛性部85と曲線部20aとの間に、図16中Gで示すような隙間が形成され、上述したように、このような隙間により、この隙間の近傍の剛性が高まることを防止することが出来る。本変形例では、図16中Xで示すような範囲の剛性が高まることを防止することが出来、振動エネルギが集中する図16中Eの範囲をあまり狭めないようにすることが出来る。
次に、図17(a)及び(b)に示すように、例えば、パネル領域S9及び領域S10において、フロアサイドフレーム22の湾曲部22aに沿って直線状のビード部を形成しない場合には、これらのパネル領域S9、S10の1辺が曲線部22aを含むことになる。そこで、図17(a)に示すように、例えば、パネル領域S9に、上述したように楕円形状の高剛性部85を一つ設けても良い。また、図17(b)に示すように、例えば、パネル領域S10に、この曲線部22aの近傍からほぼ中央部にわたって、上述したように第1高剛性部80及び第2高剛性部81を設けても良い。これらの場合にも、上述した第3実施形態及び上述した変形例と同様の作用が得られる。
本発明の第1乃至第3実施形態による車体のフロアパネル構造を備えた自動車のアンダボディを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態によるパネル領域S2を示す拡大平面図(a)及びそのII-II線に沿って見たパネル領域S2の車幅方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第1実施形態によるパネル領域S10を示す拡大平面図(a)及びそのIII-III線に沿って見たパネル領域S10の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第1実施形態によるパネル領域S13を示す拡大平面図(a)及びそのIV-IV線に沿って見たパネル領域S13の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第1実施形態によるパネル領域S14を示す拡大平面図(a)及びそのV-V線に沿って見たパネル領域S14の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第1実施形態の変形例によるパネル領域S10を示す拡大平面図である。 本発明の第2実施形態によるパネル領域S1及びS5を示す拡大平面図(a)及びそのVII-VII線に沿って見たパネル領域S1及びS5の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第2実施形態によるパネル領域S3及びS7を示す拡大平面図(a)及びそのVIII-VIII線に沿って見たパネル領域S3及びS7の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第2実施形態によるパネル領域S4及びS8を示す拡大平面図(a)及びそのIX-IX線に沿って見たパネル領域S4及びS8の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第2実施形態によるパネル領域S11を示す拡大平面図(a)及びそのX-X線に沿って見たパネル領域S11の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第2実施形態によるパネル領域S15を示す拡大平面図(a)及びそのXI-XI線に沿って見たパネル領域S15の車体前後方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第2実施形態の変形例によるパネル領域S1及びS5を示す拡大平面図(a)及びパネル領域S4及びS8を示す拡大平面図(b)である。 本発明の第3実施形態によるパネル領域S9を示す拡大平面図(a)及びそのXIII-XIII線に沿って見たパネル領域S9の車幅方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本発明の第3実施形態の変形例によるパネル領域S9を示す拡大平面図である。 本発明の第3実施形態の変形例によるパネル領域S9を示す拡大平面図である。 本発明の第3実施形態の変形例によるパネル領域S9を示す拡大平面図である。 本発明の第3実施形態の変形例によるパネル領域S9を示す拡大平面図(a)及びパネル領域S10を示す拡大平面図(b)である。
符号の説明
1 自動車のアンダボディ
2 第1フロアパネル
4 第2フロアパネル
6 第3フロアパネル
18 フロントサイドフレーム
20 サイドシル
20a パネル領域S9、S12の曲線部
22 フロアサイドフレーム
22a 湾曲部
22b 折曲部
22c 折曲部
22d フランジ部
22e フランジ部の縁部
24 リアサイドフレーム
26 No.1クロスメンバ
27 No.2クロスメンバ
28 No.3クロスメンバ
29 No.4クロスメンバ
29a 連結部
30 No.5クロスメンバ
30a 連結部
36 No.1トンネルサイドメンバ
37 No.2トンネルサイドメンバ
40 エンジン
42 フロントサスペンションクロスメンバ
44 フロントサスペンション
46 リアサスペンションクロスメンバ
48 リアサスペンション
50 フロアトンネル部
52、54 折れ部(振動規制部)
56、58 ビード部(振動規制部)
60 高剛性部
62 低剛性部
64 ブラケット
66 補機類
68 制振材
70 高剛性部
73 高剛性部の補強ビード
74 円形状の高剛性部
76 矩形状の高剛性部
80 第1高剛性部
81 第2高剛性部
85 楕円形状の高剛性部
S1〜S16 パネル領域
a 高剛性部と低剛性部との境界部

Claims (10)

  1. 車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより、自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルには、上記フレーム部材、又は、上記フレーム部材及び振動領域を規制する振動規制部により囲まれたパネル領域が形成され、
    上記フロアパネルの上記パネル領域には、高剛性部が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部が形成され、
    上記高剛性部に補機類が取り付けられることを特徴とする車体のフロアパネル構造。
  2. 上記高剛性部は、上記フレーム部材及び上記振動規制部と接しないように上記パネル領域のほぼ中央部に形成されている請求項1記載の車体のフロアパネル構造。
  3. 上記高剛性部は、ほぼ矩形状に形成され、その1辺が上記フレーム部材又は上記振動規制部と接している請求項1記載の車体のフロアパネル構造。
  4. 上記高剛性部は、ほぼ矩形状に形成され、その隣り合う2辺が上記フレーム部材及び/又は上記振動規制部と接している請求項1記載の車体のフロアパネル構造。
  5. 上記高剛性部は、上記フレーム部材及び/又は上記振動規制部と接している部分から上記パネル領域のほぼ中央部まで延びている請求項3又は請求項4に記載の車体のフロアパネル構造。
  6. 上記高剛性部は、上記フロアパネル自身を上方向又は下方向に突出して形成され、この突出して形成された上方向又は下方向の空間内にブラケットが設けられ、このブラケットに上記補機類が取り付けられている請求項1乃至5の何れか1項記載の車体のフロアパネル構造。
  7. 上記ブラケットは、少なくとも上記高剛性部と上記低剛性部とにより形成される境界部に隣接して配置されている請求項6記載の車体のフロアパネル構造。
  8. 上記高剛性部は、ほぼ矩形状に且つ上記フロアパネル自身を上方向又は下方向に突出して形成され、その1辺が上記フレーム部材に接し、且つ、上記パネル領域のほぼ中央部まで延び、
    この高剛性部の突出して形成された上方向又は下方向の空間内にブラケットが設けられ、
    このブラケットは、上記高剛性部が接するフレーム部材に取り付けられると共に上記パネル領域のほぼ中央部まで延び、上記補機類が、このブラケットの上記パネル領域のほぼ中央部の近傍に取り付けられる請求項1記載の車体のフロアパネル構造。
  9. 上記ブラケットの上記パネル領域のほぼ中央部の近傍の重量は、それ以外の部分の重量より大である請求項8記載の車体のフロアパネル構造。
  10. 車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより、自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルには、上記フレーム部材により囲まれた、又は、上記フレーム部材及び振動領域を規制する振動規制部により囲まれたパネル領域が形成され、
    このパネル領域のほぼ中央部に上記フレーム部材及び上記振動規制部と接しないようにブラケットが設けられ、このブラケット及び上記パネル領域の上記ブラケットが設けられた部分が高剛性部として構成されると共に上記パネル領域の上記ブラケットの周りの部分が低剛性部として構成され、
    上記ブラケットに補機類が取り付けられることを特徴とする車体のフロアパネル構造。
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