JP2005329797A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Takeaki Kato
武明 加藤
Takuya Nezaki
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Abstract

【課題】 ウエビングベルトをスプールに巻き取らせた状態における不用意なウエビングベルトの伸び出しを防止又は効果的に抑制できるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】 所謂「全格納」の状態までスプール20が巻取方向に回転すると、これに連動して、カムプレート128及びフレーム112が回転する。このカムプレート128及びフレーム112の回転でカム部134からの支持を失ったスライダ138はスライドし、これにより、捩じりコイルスプリング150が緩められ、捩じりコイルスプリング150と軸部116との間で生じる摩擦が軽減される。この状態では、渦巻きばねの本来の付勢力がスプール20に作用するため、不用意なスプール20の引出方向への回転を規制でき、不用意なウエビングベルトの伸び出しを防止又は効果的に抑制できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両等の座席に着座した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビング巻取装置に関する。
車両の座席に着座した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束するシートベルト装置は、座席の側方で車体に固定されたウエビング巻取装置を備えている。ウエビング巻取装置は、例えば、軸方向が略車両前後方向に沿ったスプールを備えており、このスプールにウエビングベルトの長手方向基端側が係止されている。スプールはその外周部にウエビングベルトを層状に巻き取ることができ、シートベルト装置を使用しない場合には、スプールの外周部にウエビングベルトを巻き取らせて収容できるようになっている。
また、ウエビング巻取装置には、ウエビングベルトを巻き取る巻取方向へスプールを付勢する渦巻きばね等の付勢部材が設けられており、この付勢部材の付勢力でウエビングベルトを巻き取って収容すると共に、乗員の身体にウエビングベルトを装着した状態では、付勢部材の付勢力でウエビングベルトの弛み等を除去している。
一方で、車両急減速状態等に一定量ウエビングベルトをスプールに巻き取らせることで、「スラック」等と称される僅かな緩みを解消すると共に、ウエビングベルトによる乗員の身体の拘束力を増加させ、より一層確実に乗員の身体を保持する機構も考えられている。この種の機構は、車両の急減速状態を加速度センサで検知し、加速度センサからの電気信号に基づいてスプールをモータ等の駆動手段の駆動力で強制的に巻取方向に回転させる構成が一般的である(このような所謂「モータリトラクタ」の一例としては特許文献1を参照)。
これに対して、前方の他の車両や障害物までの距離を距離センサ等の前方監視装置で検出し、前方の車両や障害物までの距離が一定値未満になると、モータを作動させ、モータの回転力でスプールを巻取方向に回転させる構成も考えられている。
特開2001−347923公報
ところで、上記のようなモータリトラクタでは、モータの回転力によってスプールを巻取方向に回転させることができる。したがって、ウエビングベルトの装着状態を解除してウエビングベルトをスプールに巻き取らせて収納する際に、モータの回転力を利用すれば、スプールを巻取方向に付勢する付勢手段の付勢力を小さくできる。このように、付勢手段の付勢力を小さくすることで、ウエビングベルトを装着した際に、乗員に与える圧迫感を少なくできると言うメリットがある。
しかしながら、付勢手段の付勢力を小さくすることで、スプールがウエビングベルトを収納した状態においてスプールに付与される巻取方向への付勢力も小さくなる。この状態での巻取方向の付勢力は、スプールにウエビングベルトを巻き取らせた状態で維持するための力になるため、付勢手段の付勢力が小さくなることで、ウエビングベルトの巻取状態を維持する力が小さくなる。
このため、助手席に乗員が着席していない場合に、車両が走行すると、走行中の振動で助手席側のウエビング巻取装置のスプールが巻取方向に少しずつ回転し、ウエビングベルトが伸び出してくる可能性があり、見栄え等が悪くなる可能性がある。
本発明は、上記事実を考慮して、ウエビングベルトをスプールに巻き取らせた状態における不用意なウエビングベルトの伸び出しを防止又は効果的に抑制できるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、車両乗員の身体に対する装着状態で、前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトと、前記ウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り方向一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを長手方向基端側から巻き取って収容するスプールと、前記スプールに直接又は間接的に係合し、前記巻取方向とは反対の引出方向への前記スプールの回転量の増加に伴い、前記スプールを前記巻取方向へ付勢する付勢力が増加する付勢手段と、前記スプールに連動して変位する連動部材と、前記連動部材に対して接触可能に設けられ、前記連動部材に圧接することで前記連動部材との間で摩擦を生じさせ、当該摩擦により前記連動部材の変位を妨げる摩擦部材と、前記スプールが前記巻取方向に回転した際に、前記連動部材に対する前記摩擦部材の圧接を軽減又は解消する解除手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、乗員が車両の座席に着席して、長尺帯状のウエビングベルトを先端側へ向けて引っ張ると、スプールに巻き取られた状態で収納されているウエビングベルトが引き出されつつ、スプールが自らの軸周りに引出方向に回転する。このようにして引き出されたウエビングベルトが乗員の身体に掛け回されて、例えば、ウエビングベルトに設けられたタングプレートをバックル装置に係合させると、ウエビングベルトの乗員身体に対する装着状態となる。
また、スプールには付勢手段が直接又は間接的に係合しており、上記のようにスプールが引出方向に回転させられると、その回転量に応じてスプールを引出方向とは反対の巻取方向に付勢する付勢力が増加する。したがって、上記のようにウエビングベルトを引き出して乗員の身体に装着した状態では、付勢手段の付勢力がスプールを巻取方向に付勢してウエビングベルトを巻き取ろうとする。これにより、ウエビングベルトの弛みが概ね除去され、ウエビングベルトが乗員の身体にフィットした状態で乗員の身体を拘束する。
一方、例えば、上記のタングプレートとバックル装置との係合を解除して、ウエビングベルトの装着状態を解除すると、付勢手段の付勢力に抗する力が解除されるため、スプールは付勢手段の付勢力によって巻取方向に回転させられる。このように、スプールが巻取方向に回転させられることでウエビングベルトが基端側からスプールに巻き取られる。
ここで、本発明に係るウエビング巻取装置では、スプールに連動して連動部材が変位する。この連動部材に対して摩擦部材が圧接していると、連動部材と摩擦部材との間で生じる摩擦によって連動部材の変位が妨げられる。
したがって、例えば、乗員の身体に装着できる程度の長さのウエビングベルトが引き出された際に、摩擦部材が連動部材に圧接し、連動部材と摩擦部材との間で生じる摩擦が連動部材の移動を妨げるように設定すると、付勢手段の付勢力による巻取方向へのスプールの回転に連動した連動部材の移動が妨げられる。
このため、乗員がウエビングベルトを装着した状態では、付勢手段の付勢力の少なくとも一部が上記の摩擦力よって打ち消される。これにより、スプールの巻取方向への回転力が軽減され、乗員の身体に対するウエビングベルトによる拘束力が軽減され、その結果、ウエビングベルトを装着することで乗員が感じる圧迫感(締付感)を軽減できる。
一方、スプールが巻取方向に回転すると、連動部材に対する摩擦部材の圧接が解除手段によって軽減又は解消される。したがって、例えば、全格納と称される状態までスプールが巻取方向に回転した状態で解除手段が連動部材に対する摩擦部材の圧接を軽減又は解消するように設定すると、全格納の状態では、上記の摩擦に起因したスプールの巻取方向への回転を妨げる力が軽減又は解消されることになる。
このように、スプールの巻取方向への回転を妨げる力が軽減又は解消されることで、付勢手段の付勢力の打ち消しの少なくとも一部が解消され、これにより、スプールに対して付勢手段が付与する巻取方向への回転力が実質的に増加する。このように全格納の状態で、付勢手段からスプールに付与される巻取方向への回転力が実質的に増加することで、全格納状態でのスプールの引出方向への回転を抑制できる。これにより、不用意にスプールが引出方向に回転することによるウエビングベルトの伸び出しを防止又は効果的に抑制できる。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、車両乗員の身体に対する装着状態で、前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトと、前記ウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り方向一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを長手方向基端側から巻き取って収容するスプールと、前記スプールの回転に連動して移動するカム部材と、前記巻取方向への前記スプールの回転に連動した前記カム部材の移動により前記カム部材に干渉されて移動すると共に、前記巻取方向へ前記スプールが所定角度回転した状態で、前記引出方向への前記スプールの回転に連動した前記カム部材の移動方向側から前記カム部材に係合し、前記引出方向への前記スプールの回転に連動した前記カム部材の移動を規制する規制部材と、を備えている。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、乗員が車両の座席に着席して、長尺帯状のウエビングベルトを先端側へ向けて引っ張ると、スプールに巻き取られた状態で収納されているウエビングベルトが引き出されつつ、スプールが自らの軸周りに引出方向に回転する。このようにして引き出されたウエビングベルトが乗員の身体に掛け回されて、例えば、ウエビングベルトに設けられたタングプレートをバックル装置に係合させると、ウエビングベルトの乗員身体に対する装着状態となる。
また、スプールには付勢手段が直接又は間接的に係合しており、上記のようにスプールが引出方向に回転させられると、その回転量に応じてスプールを引出方向とは反対の巻取方向に付勢する付勢力が増加する。したがって、上記のようにウエビングベルトを引き出して乗員の身体に装着した状態では、付勢手段の付勢力がスプールを巻取方向に付勢してウエビングベルトを巻き取ろうとする。これにより、ウエビングベルトの弛みが概ね除去され、ウエビングベルトが乗員の身体にフィットした状態で乗員の身体を拘束する。
一方、例えば、上記のタングプレートとバックル装置との係合を解除して、ウエビングベルトの装着状態を解除すると、付勢手段の付勢力に抗する力が解除されるため、スプールは付勢手段の付勢力によって巻取方向に回転させられる。このように、スプールが巻取方向に回転させられることでウエビングベルトが基端側からスプールに巻き取られる。
ここで、スプールにはカム部材が連結されており、スプールが巻取方向に回転すると、このスプールの回転に連動してカム部材が移動する。巻取方向へのスプールの回転に連動してカム部材が移動すると、カム部材は規制部材に干渉し、これにより規制部材が移動する。カム部材からの干渉を受けて移動した規制部材は、スプールが巻取方向へ所定角度回転した状態、例えば、全格納と称される状態までスプールが巻取方向に回転した状態で、スプールの引出方向への回転に連動したカム部材の移動方向側からカム部材に係合する。
このように、スプールの引出方向への回転に連動したカム部材の移動方向側からカム部材に規制部材が係合することで、引出方向へのスプールの回転に連動したカム部材の回転が規制される。
このように、カム部材の回転が規制されることで、例えば、全格納状態でのスプールの引出方向への回転が規制される。これにより、不用意にスプールが引出方向に回転することによるウエビングベルトの伸び出しを防止又は効果的に抑制できる。
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置では、ウエビングベルトをスプールに巻き取らせた状態における不用意なウエビングベルトの伸び出しを防止又は効果的に抑制できる。
<第1の実施の形態の構成>
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成の概略が正面断面図によって示されている。
この図に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、この背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、本ウエビング巻取装置10が車体に取り付けられる構成となっている。背板14の幅方向両端からは一対の脚板16、18が互いに平行に延出されており、これらの脚板16、18間にダイカスト等によって製作されたスプール20が回転可能に配置されている。
スプール20は略円筒形状のスプール本体22と、このスプール本体22の両端部に略円盤形状にそれぞれ形成された一対のフランジ部24、26とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。
スプール本体22はフランジ部24、26間には、長尺帯状に形成されたウエビングベルト28の基端部が固定されており、スプール20をその軸周り一方へ回転させると、ウエビングベルト28がその基端側からスプール本体22の外周部に層状に巻き取られる。また、ウエビングベルト28をその先端側から引っ張れば、スプール本体22の外周部に巻き取られたウエビングベルト28が引き出され、これに伴い、ウエビングベルト28を巻き取る際の回転方向(以下、この方向を便宜上「巻取方向」と称する)とは反対にスプール20が回転する(以下、ウエビングベルト28を引き出す際のスプール20の回転方向を便宜上「引出方向」と称する)。
フランジ部24のフランジ部26とは反対側でスプール20の一端側は、脚板16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板16側のフレーム12の外側には、ケース32が配置されている。ケース32は、スプール20の軸方向に沿って脚板16と対向して配置されて脚板16に固定されている。また、ケース32は全体的に脚板16側へ向けて開口しており、円孔30を貫通したスプール20の一端側はケース32の内側に入り込み、ケース32によって回転自在に軸支されている。
さらに、ケース32の内部には付勢手段としての渦巻きばね34が配置されている。渦巻きばね34は渦巻き方向外側の端部がケース32に係止されており、渦巻き方向内側の端部がスプール20に係止されている。渦巻きばね34は特別に負荷をかけない中立状態からスプール20を引出方向へ回転させると、巻取方向の付勢力が生じてスプール20を巻取方向へ付勢する。したがって、基本的には、スプール20から引き出すためにウエビングベルト28に付与した引っ張り力を解除すると、渦巻きばね34の付勢力がスプール20を巻取方向へ回転させ、スプール20にウエビングベルト28を巻き取らせる構造になっている。
一方、フランジ部26のフランジ部24とは反対側でスプール20の他端側は、脚板18に形成された内歯のラチェット孔36を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板18側のフレーム12の外側には、ロック機構38が配置されている。ロック機構38はケース40を備えている。ケース40はスプール20の軸方向に沿って脚板18と対向して配置されて脚板18に固定されている。
ケース40の内側には、ロック機構38を構成するラチェットギヤ42がスプール20に対して同軸的で且つ相対回転可能に収容されている。ラチェットギヤ42は、軸方向脚板18とは反対側が開口した浅底円筒状とされており、その外周部にはラチェット歯が形成されている。
ラチェットギヤ42の内側には、ロックベース44が収容されている。ロックベース44はスプール20に対して同軸的で且つ一体的に設けられており、したがって、スプール20の回転によりスプール20と一体的に回転する。ロックベース44には図示しない圧縮コイルスプリング等の付勢手段が設けられている。
この付勢手段は、一部が上述したラチェットギヤ42に係合しており、ロックベース44が回転すると、ロックベース44と共に回転して、その回転方向に沿った付勢力をラチェットギヤ42に付与する。このため、ラチェットギヤ42は、本来スプール20に対して相対回転可能であるが、スプール20と一体にロックベース44が回転することで付勢手段から付与される付勢力により、ラチェットギヤ42がスプール20の回転に追従して回転する構成となっている。
一方、上述したラチェット孔36の内側では、ロックベース44にロックプレート46が支持されている。ロックプレート46は、ロックベース44に支持された状態でラチェット孔36の内歯に対し接離移動可能とされている。また、ロックプレート46は、上述したラチェットギヤ42に係合しており、ラチェットギヤ42がロックベース44に対して上述した巻取方向へ相対回転した場合に、この回転に連動してラチェット孔36の内歯に接近してラチェット孔36の内歯に噛み合う構成となっている。
また、ケース40内のラチェットギヤ42の半径方向下方は、センサホルダ47とされており、その内側にはセンサフレーム48が組み付けられている。センサフレーム48は、所定の曲率で湾曲して上方へ向けて開口した図示しない載置部を有しており、この載置部にセンサボール50が載置されている。さらに、センサボール50の上方には係合板52が設けられている。
係合板52は、上下に回動可能にセンサフレーム48に取り付けられており、センサボール50が上述した載置部上を転動して上方へ変位した際には、センサボール50に上方から押圧されて回動する。
また、係合板52には係合爪54が形成されている。係合爪54は、その先端がラチェットギヤ42のラチェット歯に対向しており、係合板52が上方へ回動すると係合爪54がラチェットギヤ42のラチェット歯に噛み合い、ラチェットギヤ42の回転を規制する構成となっている。
一方、スプール20の下方で脚板16と脚板18との間には、駆動手段としてのモータ60が配置されている。モータ60の出力軸62にはギヤ64が同軸的且つ一体的に設けられている。
ギヤ64の半径方向上方には、ギヤ64よりも大径のギヤ66が配置されている。ギヤ66は脚板16、18間に設けられた支持板68と脚板16とによりスプール20と平行な軸周りに回転自在に軸支されて状態で、ギヤ64に噛み合っている。また、ギヤ66の軸方向側方にはギヤ66よりも小径のギヤ70がギヤ66に対して同軸的且つ一体的に設けられている。
さらに、ギヤ70の半径方向上側側方には、クラッチ72が設けられている。クラッチ72は、リング状に形成された外歯のギヤ74を備えている。ギヤ74はスプール20に対して同軸的で且つ相対回転可能に設けられており、その軸方向両端は図示しない円盤状部材により閉止されている。また、ギヤ74の内側には、筒状のアダプタ76がスプール20に対して同軸的に設けられている。
アダプタ76は、スプール20に同軸的且つ一体的に設けられていると共に、ギヤ74の両端を閉止する円盤状部材を貫通した状態で、円盤状部材、ひいてはギヤ74をスプール20周りに回転可能に軸支している。
ギヤ74の内側には、例えば、遠心力で揺動するパウル等の連結部材が収容されている。連結部材は、例えば、上記の円盤状部材に支持されており、ギヤ74と共に回転可能であると共に、遠心力で揺動することで、アダプタ76の外周部に係合してギヤ74とアダプタ76とを機械的に連結し、ギヤ74の回転力をアダプタ76、ひいてはスプール20に伝えることができる構造となっている。
すなわち、上記のクラッチ72は、ギヤ74側(モータ60の出力軸62側)の回転をスプール20に伝えることはできるが、スプール20の回転をギヤ74へ伝えることはできない構造となっている。
一方、図1に示されるように、上述したモータ60は、制御手段を構成するドライバ82を介して車両に搭載されたバッテリー84に電気的に接続されており、バッテリー84からの電流がドライバ82を介してモータ60に流れることで、モータ60は出力軸62を正方向又は逆方向へ回転させる構成となっている。ドライバ82は、マイコン等で構成されて制御手段を構成するECU86に接続されており、更に、ECU86は前方監視手段としての前方監視装置88に接続されている。
前方監視装置88は、車両前端部近傍に設けられた赤外線センサ90を備えている。赤外線センサ90は赤外線を車両前方に発すると共に、車両の前方で走行若しくは停止している他の車両や障害物(以下、走行若しくは停止している他の車両も含めて便宜上「障害物」と称する)で反射した赤外線センサ90を受ける。前方監視装置88は演算部92を備えている。
演算部92は赤外線センサ90から赤外線が発せられてから、障害物で反射して赤外線センサ90に戻るまでに要する時間に基づき障害物までの距離を演算する。また、演算部92は、この演算結果に基づき障害物検出信号OsをECU86に対して出力する。この障害物検出信号Osは、障害物までの距離が所定値以上であればLowレベルとされ、障害物までの距離が所定値未満であればHighレベルとされる。
また、ECU86は、車両の適宜位置に設けられた加速度検出手段として急減速状態検知手段を構成する加速度センサ94に接続されている。加速度センサ94は、車両が減速する際の加速度(言わば、減速度)を検出する。また、加速度センサ94は、基本的にLowレベルの加速度検出信号GsをECU86に対して出力するが、所定の変化率の加速度、すなわち、急制動時等による車両急減速状態に対応した加速度を検出した場合には、Highレベルの加速度検出信号GsをECU86に対して出力する。
さらに、ECU86は、ウエビングベルト28に取り付けられたタングプレートを保持するために、例えば、車両の座席の側方に設けられたバックル装置96のバックルスイッチ98に接続されている。バックルスイッチ98は、バックル装置96がタングプレートを保持しているか否か、すなわち、乗員がウエビングベルト28を装着しているか否かを検出する。また、バックルスイッチ98は、タングプレートがバックル装置96に保持されている状態では、基本的にLowレベルのタング検出信号BsをECU86に対して出力するが、タングプレートがバックル装置96から抜き取られたことをバックルスイッチ98が検出すると、Highレベルのタング検出信号BsをECU86に対して出力する。
一方、図1に示されるように、上述した ロック機構38を収容したケース40の内側には、付勢力軽減装置110が設けられている。図2に示されるように、付勢力軽減装置110は、フレーム112を備えている。フレーム112は、脚板16側へ向けて開口した浅底の有底円筒形状に形成されている。フレーム112の内側にはギヤ114が設けられている。
ギヤ114には、ラチェットギヤ42を貫通したスプール20がスプール20周りに回動不能に回り止めされた状態で同軸的に貫通している。このため、ギヤ114はスプール20と共に一体的に回転する。
ギヤ114の軸方向一端部(脚板16とは反対側の端部)には連動部材としての軸部116がギヤ114に対して同軸的且つ一体的に形成されており、スプール20は軸部116も同軸的に貫通している。この軸部116はフレーム112の底部118の中央に形成された円孔120を貫通しており、フレーム112を回転自在に軸支している。
また、フレーム112の内側にはギヤ122が設けられている。ギヤ122は、ギヤ114よりも大径で歯数もギヤ114より多く形成されており、ギヤ114に噛み合って。さらに、フレーム112の内周部は、内歯のギヤ124が形成されている。ギヤ124はギヤ122よりも歯数が多く形成されており、ギヤ122が噛み合っている。
一方、ギヤ122の軸方向一端部(脚板16とは反対側の端部)には、ギヤ122に対して同軸的且つ一体的にギヤ126が形成されている。ギヤ126は、ギヤ122よりも小径で歯数もギヤ122より少ない。
さらに、ギヤ126の回転半径方向側方には、解除手段としてのカムプレート128が設けられている。カムプレート128は、略円盤状の本体130を備えている。本体130の略中央には円孔132が形成されている。円孔132には上記の軸部116が貫通しており、本体130は軸部116により回転自在に軸支されている。
本体130の外周一部からはカム部134が延出されている。カム部134は、本体130と同心で且つ曲率半径が本体130の外周部よりも大きな略扇状に形成されている。
さらに、本体130の一方の端面(脚板16側の端面)には、外歯のギヤ136が本体130に対して同軸的に形成されており、上記のギヤ126に噛み合っている。
すなわち、カムプレート128は、スプール20と一体のギヤ114の回転がギヤ122、126を介して減速されつつギヤ136に伝えられることで、軸部116周り、すなわち、スプール20に対して同軸的に相対回転する構造になっている。
また、フレーム112の内側にはスライダ138が設けられている。スライダ138は、一対の脚部140を備えている。一対の脚部140は円孔120を介して互いに対抗していると共に、その間隔はカムプレート128のカム部134における外周部からカムプレート128の回転中心を介してカム部134とは反対側のカムプレート128の外周部までの寸法よりも僅かに大きい。これらの一対の脚部140はフレーム112の底部118側で連結板142にて一体的に連結されている。
連結板142には一対の脚部140の対向方向に沿って長手とされた長孔144が形成されている長孔144は幅寸法が軸部116よりも僅かに大きく軸部116が貫通している。さらに、連結板142の脚部140とは反対側の面には一対のガイド溝146が形成されている。
ガイド溝146は脚部140の対向方向に沿って長手方向とされ、その内側には底部118に形成されたガイドレール148が入り込んでいる。このため、スライダ138は、フレーム112の内側でガイドレール148に案内されて脚部140の対向方向にスライド可能とされている。
また、一対の脚部140の間には摩擦部材としての捩じりコイルスプリング150が配置されている。捩じりコイルスプリング150は、そのコイル部分が軸部116に嵌挿されている。ここで、捩じりコイルスプリング150のコイル部分の内径寸法は、捩じりコイルスプリング150を巻き締める方向への外力が作用していない状態で軸部116の外径寸法よりも僅かに大きく、巻き締められることで軸部116に圧接する。
また、捩じりコイルスプリング150の一端は連結板142に形成された係止部152に係止されていると共に、他端は底部118に形成された係止部154に係止され、スライダ138をガイドレール148の長手方向一端側へ向けて付勢している。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置10の動作の説明を通して、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウエビング巻取装置10では、スプール20にウエビングベルト28が層状に巻き取られた収納状態で、図示しないタングプレートを引っ張りつつウエビングベルト28を引っ張ると、スプール20を巻取方向に付勢する渦巻きばね34の付勢力に抗してスプール20を引出方向へ回転させながらウエビングベルト28が引き出される。このように、ウエビングベルト28が引き出された状態で、ウエビングベルト28を座席に着座した乗員の身体の前方に掛け回しつつタングプレートを図示しないバックル装置に差し込み、バックル装置にタングプレートを保持させることで乗員の身体に対するウエビングベルト28の装着状態(以下、単に「装着状態」と称する)となる。
また、ウエビングベルト28を装着するためにウエビングベルト28を引き出してスプール20を引出方向へ回転させると、渦巻きばね34が巻き締められてスプール20を巻取方向側へ付勢する渦巻きばね34の付勢力が増加する。したがって、上記装着状態では、渦巻きばね34の付勢力がウエビングベルト28をスプール20に巻き取らせるように作用するため、基本的には、この付勢力で乗員の身体にウエビングベルト28がフィットし、このときの付勢力に応じた力でウエビングベルト28が乗員の身体を拘束、保持する。
また、このように、ウエビングベルト28を引き出して、スプール20が引出方向に回転させられると、ギヤ114が回転する。ギヤ114の回転は、ギヤ122に伝わりギヤ122を回転させる。ギヤ122が回転することでギヤ124、すなわち、フレーム112が回転する。これにより、ギヤ122は自らの軸心周りに自転しつつギヤ114周りを公転する。さらに、ギヤ122が回転すると、ギヤ126、すなわち、カムプレート128が回転し、上記のように、ウエビングベルト28で乗員の身体を拘束できる程度までウエビングベルト28が引き出され、これに伴いスプール20が引出方向に回転すると、図3に示されるように、カムプレート128のカム部134がスライダ138の一方の脚部140の内側面(他方の脚部140と対向する側の面)に摺接し、捩じりコイルスプリング150の付勢力に抗してスライダ138を一方の脚部140側にスライドさせている。
この状態では、捩じりコイルスプリング150が巻き締められ、捩じりコイルスプリング150のコイル部分が軸部116に圧接している。このように、捩じりコイルスプリング150のコイル部分が軸部116に圧接することで、軸部116の回転に対して捩じりコイルスプリング150のコイル部分との間の摩擦が抵抗となる。
さらに、軸部116はスプール20に対して相対回転不能に回り止めされているため、捩じりコイルスプリング150のコイル部分の摩擦は、スプール20の回転の抵抗になる。上記のように、ウエビングベルト28が引き出されると、渦巻きばね34が巻き締められてスプール20を巻取方向へ回転させようとするが、捩じりコイルスプリング150のコイル部分の摩擦抵抗は、このスプール20の巻取方向への回転に対しての抵抗になる。
このため、ウエビングベルト28を装着した状態では、渦巻きばね34の付勢力によるスプール20の巻取方向への回転力が捩じりコイルスプリング150のコイル部分における摩擦抵抗で軽減され、ウエビングベルト28を巻き取る力が軽減される。これにより、乗員がウエビングベルト28を装着した状態でウエビングベルト28から受ける圧力が軽減される。
一方、バックル装置によるタングプレートの保持が解除され、バックル装置からタングプレートが抜け出ると、バックルスイッチ98から出力された信号BsがECU86に入力される。ECU86はバックルスイッチ98からの信号Bsが入力されると、ドライバ82に制御信号を出力し、これにより、モータ60が通電される。モータ60の駆動力は出力軸62からギヤ64、66、70を介してクラッチ72に伝わってクラッチ72を巻取方向に回転させる。クラッチ72が巻取方向に回転すること並びに渦巻きばね34の付勢力によりスプール20が巻取方向に回転し、これにより、ウエビングベルト28が基端側からスプール20に巻き取られて収納される。
一方、車両の走行状態では、前方監視装置88の赤外線センサ90での検出結果に基づき、演算部92が車両前方の障害物までの距離を演算している。車両から前方の障害物までの距離が所定値未満になり、この演算結果に基づく電気信号がECU86に入力されると、ECU86はドライバ82に対して所定の操作信号を出力する。この状態での操作信号が入力されたドライバ82は、モータ60に電流を流し、出力軸62を回転させる。
出力軸62の回転は、ギヤ64〜70を介してギヤ74に伝わる。さらに、ギヤ74が回転することで、連結部材がギヤ74とアダプタ76とを機械的に連結し、これにより、アダプタ76が巻取方向に回転する。アダプタ76が巻取方向に回転することでアダプタ76と一体のスプール20が巻取方向に回転してウエビングベルト28を巻き取る。
このように、ウエビングベルト28がスプール20に巻き取られることで、ウエビングベルト28の僅かな弛みである所謂「スラック」が除去され、ウエビングベルト28による拘束力が上昇する。
一方、バックル装置96によるタングプレートの保持が解除され、バックル装置96からタングプレートが抜け出たことをバックルスイッチ98が検出した際にも、ECU86がドライバ82を介してモータ60を駆動させる。このモータ60の駆動力と渦巻きばね34の付勢力とで巻取方向に回転したスプール20は、ウエビングベルト28を巻き取って収納する。
スプール20が巻取方向に回転すると、図4に示されるように、ギヤ114が回転し、これにより、フレーム112が回転して、ギヤ122が自らの軸心周りに自転しつつギヤ114周りを公転する。さらに、ギヤ122が回転すると、ギヤ126、すなわち、カムプレート128が回転する。全格納と称される状態までウエビングベルト28が巻き取られ、これに応じた量だけスプール20が巻取方向に回転すると、図5に示されるように、カムプレート128のカム部134はスライダ138の一方の脚部140の内側面(他方の脚部140と対向する側の面)に摺接位置から離脱して、他方の脚部140側まで回転する。カム部134がスライダ138の一方の脚部140の内側面に摺接することでスライダ138は支持されていたが、カム部134がスライダ138の一方の脚部140の内側面に摺接位置から離脱して、他方の脚部140側まで回転することで、スライダ138は支持を失う。
これにより、スライダ138は、捩じりコイルスプリング150の付勢力で他方の脚部140側にスライドする。さらに、カム部134が他方の脚部140側まで回転することで、他方の脚部140の内側面に摺接し、一方の脚部140側へのスライダ138のスライドが規制される。
このように、スライダ138が他方の脚部140側にスライドすることで、それまで巻き締められていた捩じりコイルスプリング150が緩められる。これにより、捩じりコイルスプリング150のコイル部分が拡径されて捩じりコイルスプリング150のコイル部分と軸部116との摩擦が概ね解消される。
上記のように、捩じりコイルスプリング150のコイル部分の摩擦はスプール20の回転を規制していたが、捩じりコイルスプリング150のコイル部分と軸部116との摩擦が概ね解消されることで、捩じりコイルスプリング150のコイル部分の摩擦によるスプール20の回転規制も解除される。これにより、渦巻きばね34の付勢力に抗する力が減少することで、渦巻きばね34が本来の付勢力でスプール20を巻取方向に付勢する。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、ウエビングベルト28の装着状態で捩じりコイルスプリング150のコイル部分での摩擦で実質的にスプール20が巻取方向に回転しようとする力の一部を打ち消し、ウエビングベルト28が乗員の身体を締め付ける拘束力を軽減できるため、比較的に付勢力が大きい仕様の渦巻きばね34を採用できる。
付勢力が大きい仕様の渦巻きばね34を採用することで、全格納状態であっても渦巻きばね34の付勢力に抗するだけの比較的大きな引出方向の回転力がスプール20に作用しなければ、スプール20が引出方向に回転することがない。
これにより、例えば、助手席に乗員が着席していない状態、すなわち、助手席側のウエビングベルト28が全格納の状態で、車両の振動等により不用意にスプール20が引出方向に回転して、ウエビングベルト28が伸び出すことを防止又は効果的に抑制できる。
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するうえで、前記第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
図6には、本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置170の付勢力軽減装置172の構成が分解斜視図によって示されている。この図に示されるように、付勢力軽減装置172はフレーム112及びカムプレート128を備えておらず、代わりに連動部材及び解除手段としてのカムプレート174を備えている。カムプレート174は、略円盤状の本体176を備えている。本体176の略中央には円孔178が形成されている。円孔178にはギヤ114に形成された軸部116がケース40の底部側から貫通しており、本体176は軸部116により回転自在に軸支されている。
本体176の外周一部からはカム部180が延出されている。カム部180は、本体176と同心で且つ曲率半径が本体176の外周部よりも大きな略扇状に形成されている。
さらに、本体176の一方の端面(脚板16側の端面)には、リング部182が本体176に対して同軸的且つ一体的に形成されている。リング部182の内周部には内歯のギヤ136が形成されている。
また、リング部182の内側には外歯のギヤ184が配置されている。ギヤ184はケース40の底部から突出形成された軸部186に回転自在に軸支されていると共に、リング部182のギヤ136と、ギヤ114の双方に噛み合い、ギヤ114の回転をギヤ136、すなわち、カムプレート174に伝えている。
また、図6に示されるように、ケース40のセンサホルダ47の上端側には、摩擦部材としての干渉部188が形成されている。干渉部188は、ケース40の周壁を部分的に厚肉にすることで形成されており、カムプレート174のカム部180以外の部位がカムプレート174の回転半径方向に沿って対向した場合には、カムプレート174の外周部が干渉部188から離間している。
しかしながら、カム部180が干渉部188に対してカムプレート174の回転半径方向に沿って対向した場合には、干渉部188がカム部180の外周部に摺接するように、干渉部188における肉厚が設定されている。
<第2の実施の形態の作用、効果>
本ウエビング巻取装置170では、ウエビングベルト28を引き出して、スプール20を引出方向に回転させると、このスプール20の回転はギヤ114、184を介して減速されつつカムプレート174のギヤ136に伝わり、カムプレート174を回転させる。乗員の身体にウエビングベルト28を装着できるまでウエビングベルト28を引き出すと、図7に示されるように、カムプレート174のカム部180は、カムプレート174の回転半径方向に沿って干渉部188と対向する位置まで回転する。
この状態では、カム部180に干渉部188が干渉しているため、カム部180と干渉部188との間の摩擦がカムプレート174の回転を妨げるように作用する。カムプレート174は、ギヤ136、184、114を介してスプール20に機械的に連結されているため、カム部180と干渉部188との間の摩擦によりカムプレート174の回転が妨げることで、スプール20の回転が妨げられる。
したがって、ウエビングベルト28を装着した状態では、渦巻きばね34の付勢力によるスプール20の巻取方向への回転が、カム部180と干渉部188との間の摩擦により妨げられ、ウエビングベルト28を巻き取る力が軽減される。これにより、乗員がウエビングベルト28を装着した状態でウエビングベルト28から受ける圧力が軽減される。
一方、前記第1の実施の形態と同様に、バックル装置96によるタングプレートの保持が解除されると、モータ60の駆動力と渦巻きばね34の付勢力とによりスプール20が巻取方向に回転させられ、全格納と称される状態までウエビングベルト28がスプール20に巻き取られて収納される。
このように、スプール20が巻取方向に回転することで、スプール20の回転力がギヤ114、184を介してギヤ136に伝わると、図8に示されるように、カムプレート174が回転する。さらに、全格納と称される状態までスプール20が巻取方向に回転して停止した状態では、カム部180が干渉部188に当接するよりも直前の状態でカムプレート174が停止する。このため、全格納と称される状態では、図9に示されるように、カムプレート174の回転周方向にカム部180が干渉部188から離間している。
この状態では、干渉部188がカム部180に干渉しないため、干渉部188とカム部180との間に摩擦が生じることがなく、したがって、このような摩擦によってスプール20の回転が妨げられることがない。これにより、渦巻きばね34が本来の付勢力でスプール20を巻取方向に付勢する。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、ウエビングベルト28の装着状態で干渉部188とカム部180との間に摩擦により実質的にスプール20が巻取方向に回転しようとする力の一部を打ち消し、ウエビングベルト28が乗員の身体を締め付ける拘束力を軽減できるため、比較的に付勢力が大きい仕様の渦巻きばね34を採用できる。
付勢力が大きい仕様の渦巻きばね34を採用することで、全格納状態であっても渦巻きばね34の付勢力に抗するだけの比較的大きな引出方向の回転力がスプール20に作用しなければ、スプール20が引出方向に回転することがない。
これにより、例えば、助手席に乗員が着席していない状態、すなわち、助手席側のウエビングベルト28が全格納の状態で、車両の振動等により不用意にスプール20が引出方向に回転して、ウエビングベルト28が伸び出すことを防止又は効果的に抑制できる。
<第3の実施の形態の構成>
次に、本発明の第3の実施の形態ついて説明する。
図10には、本実施の形態に係るウエビング巻取装置200の回転規制装置202の構成が分解斜視図によって示されている。この図に示されるように、回転規制装置202はフレーム112及びカムプレート128を備えておらず、代わりにカム部材としてのカムプレート204を備えている。
カムプレート204は、略円盤状の本体206を備えている。本体206はケース40の底部側へ向けて開口した浅底の有底円筒形状に形成されており、その底部の略中央には円孔208が形成されている。円孔208にはギヤ114に形成された軸部116がケース40の底部側から貫通しており、本体206は軸部116により回転自在に軸支されている。また、本体206の内周部にはギヤ210が形成されており、ギヤ184が噛み合っている。
さらに、本体206の外周一部からはカム部212が延出されている。カム部212は、本体206の外周部から突出形成されていると共に、その外周部は本体206の外周部に沿った周方向一方の側から連続した緩やかな曲線状とされている。
また、本体206には規制凹部214が形成されており、この規制凹部214が形成された部分では、カムプレート204の外径寸法が他の部分よりも小さい。規制凹部214は、カム部212に隣接して形成されており、カム部212の外周形状から緩やかな曲線状に連続する如く形成されている。
一方、カムプレート204の回転半径方向外側の側方には、規制部材としての規制レバー216が設けられている。規制レバー216の長手方向一端にはピン218が突出形成されており、ケース40の底部に形成されたガイド溝220に入り込んでいる。また、規制レバー216の長手方向他端にはピン222が突出形成されており、ケース40の底部に形成されたガイド溝224に入り込んでいる。
規制レバー216は、ピン218がガイド溝220内で移動することで、規制レバー216の長手方向一端がガイド溝220の長手方向一端近傍と他端近傍との間で往復移動でき、この往復移動に際して、ピン222がガイド溝224内で移動し、規制レバー216の向きが適宜に変化する。
さらに、規制レバー216には、付勢スプリング226の一端が係止されている。付勢スプリング226の他端はケース40に係止されており、付勢スプリング226は規制レバー216をガイド溝220の他端側(図11乃至図13の右側)に付勢している。
この付勢力に対して、規制レバー216は、その先端(一端)がガイド溝220の長手方向一端部近傍、及び、他端部近傍に位置した状態が安定位置となるように、ガイド溝220、224の向き及び長さが設定されている。
<第3の実施の形態の作用、効果>
本ウエビング巻取装置200では、ウエビングベルト28を引き出して、スプール20を引出方向に回転させると、このスプール20の回転はギヤ114、184を介して減速されつつカムプレート204のギヤ136に伝わり、カムプレート204を回転させる。乗員の身体にウエビングベルト28を装着できるまでウエビングベルト28を引き出すと、図11に示されるように、規制レバー216は、先端がガイド溝220の長手方向一端部近傍における安定位置に位置しており、しかも、カム部212を介して規制凹部214とは反対側でカムプレート204(本体206)の外周部に摺接している。
前記第1、第2の実施の形態とは異なり、この状態では規制レバー216がカムプレート204の本体206に摺接しているものの、この状態での規制レバー216とカムプレート204の本体206との間の摩擦がカムプレート204の回転、ひいてはスプール20の回転を格別妨げることはない。
一方、前記第1の実施の形態と同様に、バックル装置96によるタングプレートの保持が解除されると、モータ60の駆動力と渦巻きばね34の付勢力とによりスプール20が巻取方向に回転させられ、全格納と称される状態までウエビングベルト28がスプール20に巻き取られて収納される。
このように、スプール20が巻取方向に回転することで、スプール20の回転力がギヤ114、184を介してギヤ210に伝わると、カムプレート204が回転し、所定角度カムプレート204が回転すると、図12に示されるように、カムプレート204の回転半径方向に沿って規制凹部214と規制レバー216の先端(一端)とが対向する。
このように、規制凹部214と規制レバー216の先端とが対向すると、付勢スプリング226の付勢力で規制レバー216の先端が規制凹部214におけるカムプレート128の外周面(すなわち、規制凹部214の内面)に当接するまで規制レバー216の先端が移動する。但し、規制レバー216の先端側はピン218がガイド溝220に入り込んでいることで、移動方向が規制されている。
このため、図12に示されるように、規制レバー216は基端(他端)側に形成されたピン222をガイド溝224に沿って移動させつつ先端(一端)側がガイド溝220の他端側へ向けて移動する。これにより、規制レバー216はスプール20と平行な軸周りに回動して長手方向の向きの変える。
さらに、この状態から巻取方向へのスプール20の回転に連動してカムプレート204が回転すると、カム部212が規制レバー216の先端をガイド溝220の他端側へ押圧する。これにより、図13に示されるように、規制レバー216は更に長手方向の向きを変えつつ先端側をガイド溝220の他端側へ移動させる。
さらに、この状態から全格納と称される状態までウエビングベルト28が巻き取られると、規制レバー216の先端はガイド溝224の他端近傍まで先端が移動して規制凹部214の内面に係合する。この係合状態ではスプール20の引出方向への回転に連動したカムプレート204の回動方向側で規制レバー216の先端が規制凹部214の内面に干渉している。
このため、この状態では、付勢スプリング226の付勢力に抗して規制レバー216を移動させられるだけの力をカムプレート204に付与しない限り、スプール20の引出方向への回転に連動した回動方向側へカムプレート204の回動させることができない。このため、助手席側のウエビングベルト28が全格納の状態で、車両の振動等により不用意にスプール20が引出方向に回転して、ウエビングベルト28が伸び出すことを防止又は効果的に抑制できる。
本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の全体構成の概略を示す正面断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 ウエビンベルト装着状態でのウエビング巻取装置の要部の構成の状態を示す側面断面図である。 スプールが巻取方向に回転した状態での図3に対応した側面断面図である。 全格納状態での図3に対応した側面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 ウエビンベルト装着状態でのウエビング巻取装置の要部の構成の状態を示す側面断面図である。 スプールが巻取方向に回転した状態での図7に対応した側面断面図である。 全格納状態での図7に対応した側面断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 ウエビンベルト装着状態でのウエビング巻取装置の要部の構成の状態を示す側面断面図である。 スプールが巻取方向に回転した状態での図11に対応した側面断面図である。 全格納状態での図11に対応した側面断面図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
20 スプール
28 ウエビングベルト
34 渦巻きばね(付勢手段)
116 軸部(連動部材)
128 カムプレート(解除手段)
150 捩じりコイルスプリング(摩擦部材)
170 ウエビング巻取装置
174 カムプレート(連動部材、解除手段)
188 干渉部(摩擦部材)
200 ウエビング巻取装置
204 カムプレート(カム部材)
216 規制レバー(規制部材)

Claims (2)

  1. 車両乗員の身体に対する装着状態で、前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトと、
    前記ウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り方向一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを長手方向基端側から巻き取って収容するスプールと、
    前記スプールに直接又は間接的に係合し、前記巻取方向とは反対の引出方向への前記スプールの回転量の増加に伴い、前記スプールを前記巻取方向へ付勢する付勢力が増加する付勢手段と、
    前記スプールに連動して変位する連動部材と、
    前記連動部材に対して接触可能に設けられ、前記連動部材に圧接することで前記連動部材との間で摩擦を生じさせ、当該摩擦により前記連動部材の変位を妨げる摩擦部材と、
    前記スプールが前記巻取方向に回転した際に、前記連動部材に対する前記摩擦部材の圧接を軽減又は解消する解除手段と、
    を備えるウエビング巻取装置。
  2. 車両乗員の身体に対する装着状態で、前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトと、
    前記ウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り方向一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを長手方向基端側から巻き取って収容するスプールと、
    前記スプールの回転に連動して移動するカム部材と、
    前記巻取方向への前記スプールの回転に連動した前記カム部材の移動により前記カム部材に干渉されて移動すると共に、前記巻取方向へ前記スプールが所定角度回転した状態で、前記引出方向への前記スプールの回転に連動した前記カム部材の移動方向側から前記カム部材に係合し、前記引出方向への前記スプールの回転に連動した前記カム部材の移動を規制する規制部材と、
    を備えるウエビング巻取装置。
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