JP2006199116A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】テンションリデューサの機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保する。
【解決手段】乗員がウエビングを引き出すと、制御手段はモータを駆動する。巻取軸にはウエビング引出方向へ向いた所定のトルクが付与されることにより、ウエビングの引出しがアシストされるので、ウエビングを軽い力で引き出すことができる。乗員がウエビングを装着後は、制御手段はモータを停止させると共にテンションリデューサをオン状態にし、巻取軸に作用する付勢部材の付勢力を低減させる。これにより、ウエビングに作用する巻取力が低減され、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与えることが防止される。乗員がウエビングの装着状態を解除した際には、制御手段はテンションリデューサをオフ状態にする。このため、巻取軸には付勢部材の付勢力が作用し、当該付勢力によってウエビング巻取方向へ回転され、ウエビングは巻取軸に巻き取られて格納される。
【選択図】図10

Description

本発明は、乗員拘束用のシートベルト装置を構成するウエビング巻取装置に関する。
乗員拘束用のシートベルト装置は、ウエビング巻取装置を備えている。このウエビング巻取装置には、ウエビング装着時の過度な圧迫感を軽減又は解消するためのテンションリデューサを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献に示されているウエビング巻取装置(テンションリデューサ)では、強弱(大小)二種類のゼンマイバネを備えている。弱ゼンマイバネの一端は巻取軸に連結されており、他端はギヤスプリングを介して強ゼンマイバネに連結されている。強ゼンマイバネの他端はケース(カバー)に係止されている。すなわち、巻取軸、弱ゼンマイバネ、ギヤスプリング及び強ゼンマイバネは直列に連結されており、巻取軸はこれらのゼンマイバネによってウエビング巻取方向へ付勢されている。また、ギヤスプリングの近傍にはパウルレバーが配置されており、ギヤスプリングに係合してその回転を阻止できるようになっている。このパウルレバーはソレノイドの作動あるいは車両のドアの開閉に連動して作動する。
上記構成のウエビング巻取装置では、乗員がウエビングを装着した際には、前述の作動機構によってパウルレバーが作動してギヤスプリングの回転が阻止される。このため、強ゼンマイバネによるウエビング巻取方向への付勢力が巻取軸へ作用しなくなり、ウエビングは弱ゼンマイバネによってのみ引っ張られる。したがって、乗員は圧迫感の無いウエビング装着状態となる。一方、乗員がウエビングの装着を解除する際には、パウルレバーによるギヤスプリングの回転阻止が解除される。このため、強ゼンマイバネによるウエビング巻取方向への付勢力が巻取軸に作用し、ウエビングは強ゼンマイバネによって迅速に巻き取られる。
このように、上記構成のウエビング巻取装置では、ウエビング装着状態における乗員の快適性を確保できると共に、ウエビングを最後まで良好に巻き取って格納できる。
しかしながら、上記構成のウエビング巻取装置では、乗員がウエビングを装着するために格納状態のウエビングを引き出す際には、巻取軸には強ゼンマイバネによるウエビング巻取方向への付勢力が作用する。このため、格納状態からのウエビングの引き出しが重いという問題があり、更なる改良が求められていた。
実開平05−071067号公報
本発明は上記事実を考慮し、テンションリデューサの機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保できるウエビング巻取装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のウエビング巻取装置は、乗員拘束用のウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取軸と、前記巻取軸を所定の付勢力で前記ウエビング巻取方向へ付勢する付勢部材と、オン状態になることで前記付勢部材の前記所定の付勢力を低減して前記巻取軸に付与すると共に、オフ状態になることで前記低減状態を解除するテンションリデューサと、前記巻取軸に接続され、駆動力で前記巻取軸に前記ウエビング引出方向へ向いた所定のトルクを付与するモータと、乗員が前記ウエビングを引出した際には前記モータを駆動し、かつ、乗員が前記ウエビングを装着した際には前記モータを停止させると共に前記テンションリデューサを前記オン状態にし、かつ、乗員が前記ウエビングの装着状態を解除した際には前記テンションリデューサを前記オフ状態にする制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1記載のウエビング巻取装置では、乗員がこのウエビング巻取装置に格納されたウエビングを引き出すと、制御手段はモータを駆動する。このため、巻取軸にはウエビング引出方向へ向いた所定のトルクが付与される(付勢部材の所定の付勢力に抗するトルクが巻取軸に付与される)。これにより、ウエビングの引出しがアシストされるので、乗員はウエビングを軽い力で引き出すことができる。
一方、乗員がウエビングを装着した際には、制御手段はモータを停止させると共にテンションリデューサをオン状態にする。すなわち、モータの停止により装着状態におけるウエビングには付勢部材の所定の付勢力に起因した巻取軸の巻取力が作用するが、このとき、テンションリデューサがオン状態になることで、巻取軸に作用する付勢部材の所定の付勢力が低減される。これにより、ウエビングに作用する巻取力が低減され、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与えることが防止される。
また一方、乗員がウエビングの装着状態を解除した際には、制御手段はテンションリデューサをオフ状態にする。このため、巻取軸には付勢部材の所定の付勢力が作用し、巻取軸は当該付勢力によってウエビング巻取方向へ回転され、これにより、ウエビングは巻取軸に巻き取られて格納される。
このように請求項1記載のウエビング巻取装置では、テンションリデューサの機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保できる。
請求項2に係る発明のウエビング巻取装置は、請求項1記載のウエビング巻取装置において、前記テンションリデューサは、前記巻取軸に接続され、前記巻取軸が前記ウエビング引出方向へ回転した際には一方向へ回転すると共に、前記巻取軸が前記ウエビング巻取方向へ回転した際には他方向へ回転する回転体と、一端が前記回転体に連結され前記回転体と一体的に回転すると共に、他端の前記他方向への回転が規制された状態で前記回転体が前記他方向へ回転した際には前記回転体に前記一方向への付勢力を付与する引出方向付勢部材と、前記オン状態になることで前記引出方向付勢部材の前記他端の前記他方向への回転を規制すると共に、前記オフ状態になることで前記回転規制を解除する規制手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項2記載のウエビング巻取装置では、乗員がこのウエビング巻取装置に格納されたウエビングを引き出すと、制御手段はモータを駆動する。このため、巻取軸にはウエビング引出方向へ向いた所定のトルクが付与される(付勢部材の所定の付勢力に抗するトルクが巻取軸に付与される)。これにより、ウエビングの引出しがアシストされるので、乗員はウエビングを軽い力で引き出すことができる。
また、上述の如く乗員がウエビングを引き出すことで巻取軸がウエビング引出方向へ回転すると、巻取軸に接続された回転体が一方向へ回転し、回転体に一端が連結された引出方向付勢部材が回転体と一体的に一方向へ回転する。
一方、乗員がウエビングを装着した際には、制御手段はモータを停止させると共にテンションリデューサをオン状態にする。テンションリデューサがオン状態になると、引出方向付勢部材の他端の他方向への回転が規制手段によって規制される。また、上述の如く乗員がウエビングを装着した際(乗員によるウエビングの引出しが解除された際)には、巻取軸は付勢部材の所定の付勢力によってウエビング巻取方向へ回転し、ウエビングの弛みが除去される。このとき、巻取軸のウエビング巻取方向への回転に伴って回転体及び引出方向付勢部材の一端が他方向へ回転するが、引出方向付勢部材の他端は規制手段によって他方向への回転を規制されている。このため、引出方向付勢部材の一端すなわち回転体には一方向への付勢力が付与され、巻取軸には回転体からウエビング引出方向の付勢力が付与される。
したがって、ウエビング巻取方向の付勢力である付勢部材の所定の付勢力は上記引出方向の付勢力により相殺され、巻取軸には付勢部材の所定の付勢力が低減して付与される。これにより、付勢部材の所定の付勢力に起因した巻取軸のウエビング巻取力が低減され、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与えることが防止される。またこの状態では、上述の如く付勢部材の所定の付勢力に起因した巻取軸のウエビング巻取力が低減されているので、装着状態におけるウエビングの引き出しが軽くなる。
また一方、乗員がウエビングの装着状態を解除した際には、制御手段はテンションリデューサをオフ状態にする。テンションリデューサがオフ状態になると、規制手段による引出方向付勢部材の他端の他方向への回転規制が解除される。これにより、引出方向付勢部材の他端は他方向へ回転し、前記引出方向の付勢力が消滅するので、巻取軸は付勢部材の所定の付勢力によってウエビング巻取方向へ回転され、これにより、ウエビングは巻取軸に巻き取られて格納される。
このように請求項2記載のウエビング巻取装置では、テンションリデューサの機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保できる。
請求項3に係る発明のウエビング巻取装置は、請求項2記載のウエビング巻取装置において、前記制御手段は、前記乗員が前記ウエビングを装着した後で前記ウエビングが最初に引出された際には前記モータを駆動すると共に、当該引出しが解除された時点で前記モータを停止させる、ことを特徴としている。
請求項3記載のウエビング巻取装置では、例えば、乗員がウエビングを装着した際のウエビングの弛みが少なく、巻取軸が充分にウエビング巻取方向へ回転できない場合(引出方向付勢部材の一端に一方向への付勢力を充分に付与できず、テンションリデューサが機能しない場合)でも、乗員が前屈みの姿勢をとるなどして装着状態のウエビングが最初に引き出された際には、制御手段は当該引出しに対応してモータを駆動する。これにより、巻取軸にはウエビング引出方向へ向いた所定のトルクが付与され、ウエビングの引き出しがアシストされるので、前屈みの姿勢をとろうとする乗員に圧迫感を与えることを防止できる。
また、上記ウエビングの引き出しが解除されると、巻取軸は付勢部材の所定の付勢力によってウエビング巻取方向へ回転し、ウエビングの弛みが除去される。そして、このときの巻取軸のウエビング巻取方向への回転によって、引出方向付勢部材の一端すなわち回転体には一方向への付勢力が付与され、テンションリデューサが機能する。これにより、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与えることが防止されると共に、装着状態におけるウエビングの2回目以降の引き出しが軽くなる。
請求項4に係る発明のウエビング巻取装置は、請求項1記載のウエビング巻取装置において、前記テンションリデューサは、前記巻取軸に接続され、前記巻取軸が前記ウエビング引出方向へ回転した際には一方向へ回転すると共に、前記巻取軸が前記ウエビング巻取方向へ回転した際には他方向へ回転する回転体と、前記回転体に支持され、自らの回転が規制された状態で前記回転体が回転した際には前記回転体と摺動して前記回転体の回転に所定の抗力を付与する抗力付与部材と、前記オン状態でかつ前記回転体が前記他方向へ回転した場合にのみ前記抗力付与部材の回転を規制する規制手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項4記載のウエビング巻取装置では、乗員がこのウエビング巻取装置に格納されたウエビングを引き出すと、制御手段はモータを駆動する。このため、巻取軸にはウエビング引出方向へ向いた所定のトルクが付与される(付勢部材の所定の付勢力に抗するトルクが巻取軸に付与される)。これにより、ウエビングの引出しがアシストされるので、乗員はウエビングを軽い力で引き出すことができる。
また、上述の如く乗員がウエビングを引き出すことで巻取軸がウエビング引出方向へ回転すると、巻取軸に接続された回転体が一方向へ回転し、回転体に支持された抗力付与部材が回転体と一体的に一方向へ回転する。
一方、乗員がウエビングを装着した際には、制御手段はモータを停止させると共にテンションリデューサをオン状態にする。この状態で、付勢部材の所定の付勢力により巻取軸がウエビング巻取方向へ回転して回転体が他方向へ回転すると、抗力付与部材の回転が規制手段によって規制される。このように抗力付与部材の回転が規制された状態で、更に巻取軸がウエビング巻取方向へ回転して回転体が他方向へ回転すると、抗力付与部材が回転体と摺動して回転体の他方向への回転に所定の抗力が付与される。このため、回転体に接続された巻取軸のウエビング巻取方向への回転にも上記所定の抗力が付与され、結果として、巻取軸には付勢部材の所定の付勢力が上記所定の抗力の分だけ低減(相殺)されて付与される。したがって、付勢部材の所定の付勢力に起因した巻取軸のウエビング巻取力が低減され、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与えることが防止される。
また一方、乗員がウエビングの装着状態を解除した際には、制御手段はテンションリデューサをオフ状態にする。この状態では、抗力付与部材の回転が規制手段によって規制されることはないため、回転体の他方向への回転に対する上記所定の抗力の付与が解除され、巻取軸のウエビング巻取方向への回転に対する上記所定の抗力の付与も解除される。したがって、巻取軸は付勢部材の所定の付勢力によってウエビング巻取方向へ回転され、これにより、ウエビングは巻取軸に巻き取られて格納される。
このように請求項4記載のウエビング巻取装置では、テンションリデューサの機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保できる。
請求項5に係る発明のウエビング巻取装置は、請求項4記載のウエビング巻取装置において、前記制御手段は、前記乗員の前記ウエビング装着状態で前記ウエビングが引出された際には前記モータを駆動すると共に、当該引出しが解除された時点で前記モータを停止させる、ことを特徴としている。
請求項5記載のウエビング巻取装置では、乗員がウエビングを装着した状態で、例えば、乗員が前屈みの姿勢をとるなどしてウエビングが引き出された際には、制御手段は当該引出しに対応してモータを駆動する。これにより、巻取軸にはウエビング引出方向へ向いた所定のトルクが付与され、ウエビングの引き出しがアシストされるので、前屈みの姿勢をとろうとする乗員に圧迫感を与えることを防止できる。
請求項6に係る発明のウエビング巻取装置は、請求項2乃至請求項5の何れか1項記載のウエビング巻取装置において、前記モータは、前記テンションリデューサの前記回転体に接続され、前記回転体は、前記モータの前記駆動力が伝達されて前記他方向へ回転し前記巻取軸を前記ウエビング引出方向へ回転させる、ことを特徴としている。
請求項6記載のウエビング巻取装置では、モータの駆動力がテンションリデューサの回転体を介して巻取軸に伝達される構成であるため、装置の構成を簡素化できる。
請求項7に係る発明のウエビング巻取装置は、請求項1乃至請求項6の何れか1項記載のウエビング巻取装置において、前記制御手段は、前記乗員の前記ウエビング装着状態解除直後に前記モータを駆動する、ことを特徴としている。
請求項7記載のウエビング巻取装置では、制御手段は、乗員のウエビング装着状態解除直後にモータを駆動する。これにより、巻取軸にはウエビング引出方向へ向いた所定のトルクが付与される。すなわち、モータの駆動力は付勢部材の所定の付勢力を打ち消す方向に作用するため、巻取軸のウエビング巻取力が低減され、ウエビングが急激に巻き取られることが防止される。なお、モータは、所定の機会(例えば、駆動してから所定時間経過後、又はウエビングが所定量巻き取られた時点、若しくはウエビングが全格納された時点など)に停止される。
以上説明した如く、本発明に係るウエビング巻取装置では、テンションリデューサの機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保できる。
<第1の実施の形態>
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10の主要部構成が正面断面図にて示されている。また、図2には、ウエビング巻取装置10の主要部の構成が分解斜視図にて示されている。さらに、図3には、ウエビング巻取装置10の主要部の構成が側面断面図にて示されており、図4には、図3の3−3線に沿った断面図が示されている。
ウエビング巻取装置10は、巻取軸12を備えている。巻取軸12は、フレーム14に回転可能に支持されると共に、乗員拘束用のウエビング16の基端部が係止されている。巻取軸12をその軸周り一方(以下、この方向を「巻取方向」と称する)へ回転させると、ウエビング16がその基端側から巻取軸12の外周部に巻き取られる。一方、ウエビング16をその先端側から引っ張れば、これに伴い巻取軸12が回転しながらウエビング16が引き出される(以下、ウエビング16を引き出す際の巻取軸12の回転方向を「引出方向」と称する)。
巻取軸12の下方には、モータ18が配置されている。モータ18は、その出力軸20が巻取軸12と直交する状態で図示しないステーによりフレーム14に固定されている。
また、巻取軸12の一端部には、フレーム14の外側において連結スクリュー22が連結されており、さらに、当該フレーム14の側方にはボックス状のクラッチケース24が取り付けられている。連結スクリュー22は、クラッチケース24内を貫通しており、常に巻取軸12と一体回転する。
クラッチケース24内には、ウォームギヤ26が配置されている。ウォームギヤ26は、モータ18の出力軸20と平行な状態(巻取軸12と直交する状態)で自身の軸が配置され、その端部がブッシュ28、30を介してクラッチケース24に支持されている。また、ウォームギヤ26の先端部を支持するクラッチケース24の軸受け部分には、鋼球32が収容されてウォームギヤ26の先端部に接触しており、さらに、アジャストスクリュー34が螺入している。アジャストスクリュー34は、その先端部で鋼球32を押圧することで鋼球32をウォームギヤ26の先端に圧接させている。これにより、ウォームギヤ26の軸方向の変位が規制されている(スラスト調整されている)。
また、ウォームギヤ26の基端側は、クラッチケース24から外方へ突出して設けられており、この突出部分には平歯ギヤ36が同軸的かつ一体的に取り付けられている。この平歯ギヤ36は、モータ18の出力軸20に同軸的かつ一体的に固定された平歯ギヤ38に噛合している。
一方、クラッチケース24内には、第1クラッチ40が配置されている。第1クラッチ40は、ウォームギヤ26の上方に配置されており、リング状に形成されたウォームホイール42を備えている。ウォームホイール42の内側には円盤状部材44が一体的に設けられており、ウォームホイール42は、この円盤状部材44を介してクラッチケース24に回転可能に支持されている。また、この円盤状部材44には、図示しない伝達部材が支持されている。
この第1クラッチ40では、ウォームホイール42が巻取方向に回転した際には、前記伝達部材がウォームホイール42と巻取軸12とを回転伝達可能に結合するようになっている。一方、この第1クラッチ40では、ウォームホイール42が引出方向に回転した際、またはウォームホイール42が停止した際には、前記伝達部材による機械的結合が解除された状態に復帰するようになっている。
以上構成の第1クラッチ40は、モータ18の出力軸20の回転が平歯ギヤ38、平歯ギヤ36、及びウォームギヤ26を介してウォームホイール42に伝達される構成となっている。この場合、モータ18の出力軸20が正方向(図2の矢印C方向)へ回転(正転)すると、ウォームホイール42が引出方向(図2の矢印A方向)へ回転され、モータ18の出力軸20が逆方向(図2の矢印D方向)へ回転(逆転)するとウォームホイール42が巻取方向(図2の矢印B方向)へ回転される構成である。
なお、この第1クラッチ40としては、本件出願人が既に出願した「特願2004−109314号」に記載されているウエビング巻取装置の構成部材であるクラッチを適用することができる。
一方、クラッチケース24を介してフレーム14と反対側には、ボックス状のハウジング46が取り付けられている。ハウジング46は、フレーム14側へ向けて開口しており、開口部分にはカバー48(図4参照)が取り付けられている。
ハウジング46の内部には、第1スプリングケース50が収容されている。第1スプリングケース50は、フレーム14と反対側に向けて開口した浅底な有底円筒形に形成されており、外周部には外歯52が形成されている。外歯52は、平歯車とされている。
また、第1スプリングケース50の底壁は、カバー48に形成された円孔を介して連結スクリュー22に同軸的かつ一体的に連結されており、第1スプリングケース50は、常に巻取軸12と一体回転する。
さらに、第1スプリングケース50の底壁には、円形の貫通孔が形成されており、連結スクリュー22の先端に同軸的かつ一体的に突設された円柱状の支軸54がこの貫通孔を貫通して、ハウジング46の底壁に突設された軸受部56に回転可能に嵌入している。これにより、巻取軸12及び第1スプリングケース50は、連結スクリュー22を介してハウジング46に回転可能に支持されている。
第1スプリングケース50の内部には、付勢部材としての第1ゼンマイバネ58が収容されている。第1ゼンマイバネ58は、その巻き方向一端である内側端がハウジング46の軸受部56に係止されると共に、その巻き方向他端である外側端が第1スプリングケース50に係止されている。この第1ゼンマイバネ58は、その内側端に対して外側端が引出方向(図2の矢印A方向)に回転することで巻き締められるように渦巻き方向が設定されており、外側端が内側端に対して引出方向に回転して巻き締められることで、外側端を巻取方向へ付勢する所定の付勢力が生じる構造となっている。
一方、ハウジング46の内部には、第1スプリングケース50の下方において出力分岐ギヤ60が収容されている。この出力分岐ギヤ60は、平歯車である歯車部62と、歯車部62の軸線方向一端側に同軸的かつ一体的に設けられ、外周部にウォームホイール歯が形成されたウォームホイール部64とを有している。歯車部62及びウォームホイール部64の軸心部には、円形の貫通孔が形成されており、ハウジング46の底壁に突設された円柱状のシャフト66がこの貫通孔に挿入されることで、出力分岐ギヤ60は、シャフト66周りに回転可能にハウジング46に支持されている。
また、出力分岐ギヤ60のウォームホイール部64は、歯車部62よりも小径とされており、カバー48に形成された円孔を貫通してクラッチケース24内に挿入され、前述したウォームギヤ26に噛合している。これにより、ウォームギヤ26が回転すると、第1クラッチ40のウォームホイール42と出力分岐ギヤ60とが共に回転するようになっている。
また一方、ハウジング46の内部には、出力分岐ギヤ60の下方において第2クラッチ68が収容されている。
ここで、図5及び図6には、第2クラッチ68の構成が分解斜視図にて示されている。
第2クラッチ68は、ベース70を備えている。ベース70は、円盤状に形成された本体部72と、本体部72の軸心部において本体部72の軸線方向一側へ向けて突設された円筒状の支軸部74と、支軸部74の周囲に同軸的に形成された略C字状の側壁部76とを一体に備えている。このベース70は、ハウジング46の底壁に突設されたシャフト78が、支軸部74の筒内に挿入されることで、シャフト78周りに回転可能にハウジング46に支持されている。
ベース70の軸線方向一端側(図5及び図6では右側)には、浅底な有底円筒形に形成されたロータ80が同軸的に設けられている。このロータ80は、筒内にベース70の側壁部76が嵌り込んだ状態で、その周方向に対してはベース70に一体的に連結されている。ロータ80の底壁の外周部には、平歯の外歯82が形成されており、この外歯82は、前述した出力分岐ギヤ60の歯車部62に噛合している。
ロータ80の側壁部84の径方向外側には、円筒状に形成されたクラッチギヤ86がロータ80に対して同軸的でかつ相対回転可能に設けられている。クラッチギヤ86の外周部には平歯の外歯88が形成されており、この外歯88は、後述するテンションリデューサ114に対応している。
また、クラッチギヤ86の内周面と側壁部84の外周面との間には環状の隙間が形成されており、この環状の隙間には、捩りコイルスプリングであるクラッチスプリング90が同軸的に配置されている。
クラッチスプリング90は、自然状態における内径寸法がロータ80の側壁部84の外径寸法と略同じ寸法に設定されると共に、自然状態における外径寸法がクラッチギヤ86の内径寸法よりも僅かに小さく設定されており、通常はクラッチギヤ86に対して相対回転可能とされている。
また、クラッチスプリング90の巻き方向一端部(図5及び図6では矢印F方向側の端部)には、径方向内側に向けて係止部92が延設されており、この係止部92は、ロータ80の側壁部84に係止されている。
さらに、クラッチスプリング90の巻き方向他端部(図5及び図6では矢印E方向側の端部)には、径方向内側へ向けて移動部94が延設されている。この移動部94は、ロータ80の筒内(側壁部84の内側)に配置されたレバー96に対応している。
レバー96は、ベース70の支軸部74に回転可能に支持されており、ベース70の本体部72側へ向けて突出する一対の連結突起98を備えている。これらの連結突起98は、それぞれベース70の本体部72に形成された一対の長孔100を貫通している。
また、このレバー96は、ベース70の側壁部76の内側に配置されたリターンスプリング102によって常にベース70の軸線周り一方向(図5及び図6では矢印E方向)へ付勢されており、通常は一対の連結突起98が、一対の長孔100の各湾曲方向一端部(図5及び図6では矢印E方向側の端部)に当接した状態に保持されている。
さらに、このレバー96には、前述したクラッチスプリング90の移動部94が係止されており、レバー96がリターンスプリング102の弾性力に抗してベース70(ロータ80)に対して軸線周り他方向(図5及び図6では矢印F方向)へ回動すると、クラッチスプリング90の移動部94が、クラッチスプリング90の巻き方向一方(図5及び図6では矢印F方向)へ移動され、クラッチスプリング90の外径寸法が拡大するようになっている。
しかも、このようにクラッチスプリング90の外径寸法が拡大すると、クラッチスプリング90は、自らの外周部をクラッチギヤ86の内周面に圧着させるようになっている。この状態では、クラッチスプリング90の外周部とクラッチギヤ86の内周面との間には所定の摩擦力が生じるため、クラッチスプリング90とクラッチギヤ86とは、この摩擦力によって連結されるようになっている。
一方、ベース70の軸線方向他側(ロータ80とは反対側)には、それぞれ略半円形の板状に形成された一対のウエイト104が配置されている。これら一対のウエイト104の各周方向一端側には、それぞれ円形の軸受孔106が形成されている。これらの軸受孔106には、ベース70の本体部72に突設された円柱状の支軸108が回転自在に嵌合している。これにより、各ウエイト104は、それぞれ支軸108周りにベース70の径方向へ回動可能にベース70に支持されている。
また、これらのウエイト104は、前述したレバー96の連結突起98に係合する係合爪110を備えている。これにより、一対のウエイト104は、レバー96を介して同期(連動)するようになっており、通常は、レバー96に作用するリターンスプリング102の付勢力によって、ベース70の径方向内側に保持されている。
さらに、一対のウエイト104を介してベース70とは反対側には、円盤状のスペーサ112が配置されている。このスペーサ112は、一対のウエイト104のベース70からの脱落を防止すると共に、一対のウエイト104が、ハウジング46の底壁に干渉することを防止している。
ここで、この第2クラッチ68では、ロータ80がその軸線周り一方向(図5及び図6の矢印E方向)へ回転すると、ロータ80に一体的に連結されたベース70が、ロータ80と供にその軸線周り一方向へ回転するようになっている。このため、ベース70に支持された一対のウエイト104が、ベース70に追従してベース70の軸線周りに回転する。このとき、一対のウエイト104には遠心力が作用し、各ウエイト104には各支軸108(各軸受孔106)周りの回転トルクが作用する。
したがって、これらの回転トルクの大きさが所定値以上の場合、すなわち、一対のウエイト104の回転速度が所定値以上の場合には、一対のウエイト104は、レバー96に作用するリターンスプリング102の付勢力に抗してベース70の径方向外側へ支軸108周りに回動するようになっている。これにより、各ウェイト104の各係止爪110に連結突起98が係合したレバー96は、ベース70に対して軸線周り他方向(図5及び図6では矢印F方向)へ回動される構成である。
以上の構成の第2クラッチ68では、モータ18の出力軸20の回転力が平歯ギヤ38、平歯ギヤ36、ウォームギヤ26、及び出力分岐ギヤ60を介してロータ80に伝達される構成となっている。この場合、モータ18の出力軸20が正方向(図2の矢印C方向)へ回転すると、ロータ80はベース70と共にその軸線周り他方向(図2の矢印E方向)へ回転され、モータ18の出力軸20が逆方向(図2の矢印D方向)へ回転すると、ロータ80はベース70と共にその軸線周り一方向(図2の矢印F方向)へ回転される構成である。
一方、ハウジング46の内部には、テンションリデューサ114が設けられている。
ここで、図7及び図8には、テンションリデューサ114の構成が分解斜視図にて示されている。
テンションリデューサ114は、回転体としての第2スプリングケース116を備えている。第2スプリングケース116はフレーム14側へ開口した浅底の有底円筒形に形成されている。第2スプリングケース116の底壁には、円筒状の軸受部118が同軸的かつ一体的に形成されている。この軸受部118には、ハウジング46の底壁に突設されたシャフト120が回転可能に挿入されており、これにより、第2スプリングケース116はシャフト120周りに回転可能にハウジング46に支持されている。
また、第2スプリングケース116の外周部には、平歯の外歯122が形成されている。この外歯122は、前述した第1スプリングケース50の外歯52と、第2クラッチ68のクラッチギヤ86の外歯88とに共に噛合っており、クラッチギヤ86がその軸線周り一方向(図2の矢印E方向)へ回転すると、第2スプリングケース116がその軸線周り一方向(図2の矢印G方向)へ回転し、第1スプリングケース50が引出方向(図2の矢印A方向)へ回転するようになっている。一方、クラッチギヤ86がその軸線周り他方向(図2の矢印F方向)へ回転すると、第2スプリングケース116がその軸線周り他方向(図2の矢印H方向)へ回転し、第1スプリングケース50が巻取方向(図2の矢印B方向)へ回転するようになっている。
なお、ウォームギヤ26、出力分岐ギヤ60のウォームホイール部64、出力分岐ギヤ60の歯車部62、ロータ80の外歯82、クラッチギヤ86の外歯88、第2スプリングケース116の外歯112、及び第1スプリングケース50の外歯52によるトータルの減速比は、ウォームギヤ26及びウォームホイール42の減速比に比べて充分に低く設定されている。
第2スプリングケース116の内側には、規制手段を構成するアダプタ124が設けられている。アダプタ124は円筒状に形成されており、その筒内にはシャフト120が挿入されている。これにより、アダプタ124はシャフト120周りに回転可能にハウジング46に支持されており、第2スプリングケース116に対しては相対回転可能とされている。
アダプタ124の軸線方向一端側(図7及び図8では右側)の外周部には、外歯のラチェット歯126が形成されており、さらに、ラチェット歯126の軸線方向一端側には、円筒状のボス部128が同軸的かつ一体的に突設されている。これらのラチェット歯126及びボス部128は、後述するクッションスプリング144に対応している。
また、アダプタ124の外周面と第2スプリングケース116の内周面との間には環状の隙間が形成されており、この環状の隙間には、引出方向付勢部材としての第2ゼンマイバネ130が配置されている。第2ゼンマイバネ130は、その巻き方向一端である外側端が第2スプリングケース116に係止され、その巻き方向他端である内側端がアダプタ124に係止されている。この第2ゼンマイバネ130は、その内側端(アダプタ124)に対して外側端(第2スプリングケース116)が軸線周り他方向(図7及び図8の矢印H方向)に回転することで巻き締められるように渦巻き方向が設定されており、外側端が内側端に対して軸線周り他方向に回転して巻き締められることで、外側端を軸線周り一方向(図7及び図8の矢印G方向)へ付勢する付勢力が生じる構造になっている。
また、第2スプリングケース116の軸線方向一端側(図7及び図8では右側)には、規制手段を構成するラチェット盤132が配置されている。ラチェット盤132は、円盤部134と該円盤部134の軸線方向一端側に同軸的に形成されたラチェット部136とを備えている。円盤部134の軸心部には円筒状のボス138が形成されており、このボス138の筒内にアダプタ124が相対回転可能に嵌合することで、円盤部134(ラチェット盤132)はアダプタ124を介してシャフト120に支持されている。また、ラチェット部136の外周部には外歯のラチェット歯140が形成されている。このラチェット歯140は、後述するパウル158に対応している。
ラチェット部136の内側には、スプリング収容部142が形成されており、このスプリング収容部142には、規制手段を構成するクッションスプリング144が収容されている。クッションスプリング144は、中間部がコイル状に形成されており、コイル状とされた中間部よりも一端側には、V字状に形成された挟持部146がボス138側(アダプタ124側)へ向けて延出されている。この挟持部146は、自らの弾性力によってアダプタ124のボス部128を挟持している。
また、クッションスプリング144のコイル状とされた中間部よりも他端側には、L字状に形成された連結部148がボス138側(アダプタ124側)へ向けて延出されている。連結部148は、アダプタ124のラチェット歯126に対向して配置されている。
ここで、アダプタ124がラチェット盤132に対して相対的に軸線周り一方向(図7及び図8の矢印G方向)へ回転した際には、クッションスプリング144の連結部148がアダプタ124のラチェット歯126の傾斜面に押圧されてアダプタ124の径方向外側へ移動することで、図9(A)に示す如く、クッションスプリング144の連結部148はアダプタ124のラチェット歯126から離間した状態を維持されるようになっている。
これに対し、アダプタ124がラチェット盤132に対して相対的に軸線周り他方向(図7及び図8の矢印H方向)へ回転した際には、クッションスプリング144は、挟持部146とアダプタ124のボス部128との間に生じる摩擦力によりアダプタ124に追従して回動し、図9(B)に示す如く、クッションスプリング144の連結部148がアダプタ124のラチェット歯126に係合するようになっている。この状態では、アダプタ124とラチェット盤132とは、クッションスプリング144を介して機械的に結合され、アダプタ124のラチェット盤132に対する軸線周り他方向への相対回転が規制されるようになっている。
一方、テンションリデューサ114は、規制手段を構成するソレノイド150を備えている。ソレノイド150は、ラチェット盤132の下方に配置されており、ハウジング46の底壁に固定されたソレノイド本体152と、ソレノイド本体152の一側壁に形成された孔部に挿入されたプランジャ154とを備えている。このソレノイド150は所謂「プル方式」のものであり、ソレノイド本体152に通電されていないときはプランジャ154はリターンスプリング156の付勢力によってソレノイド本体152から引き出され、ソレノイド本体152に通電されているときはプランジャ154がソレノイド本体152側へ引き込まれる構成となっている。
また、ソレノイド150とラチェット盤132との間には、規制手段を構成するパウル158が配置されており、パウル158は略L時状に形成された本体部160を備えている。本体部160の屈曲部分には円孔162が形成されており、ハウジング46の底壁に突設されたシャフト164がこの円孔に挿入されることで、本体部160はシャフト164周りに回動可能にハウジング46に支持されている。
本体部160の一端部には、スリット状の連結溝166が形成されており、この連結溝166にはプランジャ154の先端部が嵌り込んで連結されている。また、本体部166の他端部には、ラチェット盤132のラチェット歯140側へ向けて突出する係止爪168が形成されている。
このパウル158は、ソレノイド150のプランジャ154がソレノイド本体152側へ引き込まれた状態では、係止爪168がラチェット盤132に接近することで係止爪168の先端部がラチェット歯140に係合するようになっている。この状態では、ラチェット盤132はその軸線周り一方向(図7及び図8の矢印G方向)への回転は可能であるが、軸線周り他方向(図7及び図8の矢印H方向)への回転は係止爪168により規制される構成となっている。一方、このパウル158は、ソレノイド150のプランジャ154がソレノイド本体152から引き出された状態では、係止爪168がラチェット盤132から離間し、係止爪168とラチェット歯140との上記係合状態が解除されるようになっている。
以上構成のテンションリデューサ114は、ソレノイド150のソレノイド本体152に通電されることでオン状態になり、ソレノイド本体152への通電が遮断されることでオフ状態になる構成である。
また一方、本ウエビング巻取装置10では、制御手段を構成するECU170及びドライバ172を備えている。ECU170には、本発明の第1の実施の形態に係る駆動制御プログラムが記憶されている。また、ドライバ172には、モータ18、及び車両に搭載されたバッテリー174が電気的に接続されており、バッテリー174からの電流がドライバ172を介してモータ18に流れることで、モータ18は駆動力で出力軸20を回転させるようになっている。ドライバ172は、ECU170に接続されており、このドライバ172を介したモータ18への給電の有無、供給電流の方向、及び大きさがECU170によって制御される構成である。また、ドライバ172には、ソレノイド150のソレノイド本体152が電気的に接続されており、バッテリー174からの電流がドライバ172を介してソレノイド本体152に供給されることで、プランジャ154がソレノイド本体152側へ引き込まれるようになっている。
また、ECU170には、制御手段を構成する巻取軸回転検知センサ176(本第1の実施の形態では、磁気センサ)が接続されている。この巻取軸回転検知センサ176は、巻取軸12の一端部外周に設けられた磁石178に対応しており、巻取軸12の回転によって、磁石178が巻取軸回転検知センサ176の近傍を繰り返し通過すると、磁石178によって生じる磁気を検知して所定の電気信号(以下、この信号を「検知信号」と称する)をECU170に出力するようになっている。
この場合、ECU170は、巻取軸回転検知センサ176から出力された検知信号に基づいて巻取軸12の状態(巻取軸12が回転しているか否か、特に、巻取軸12の引出方向への回転状態)などを検出し、当該検出結果に基づいてウエビング16が乗員により引き出されたか否かを判断するようになっている。
さらに、ECU170には、ウエビング16に設けられたタングプレートがバックル装置(共に図示省略)と連結しているか否かを検出する制御手段としてのバックルスイッチ180が接続されている。このバックルスイッチ180は、タングプレートがバックル装置と連結しているときには、スイッチのオン状態を示すHレベルの信号をECU170に出力し、タングプレートがバックル装置から解除されているときには、スイッチのオフ状態を示すLレベルの信号をECU170に出力する。
次に、本第1の実施の形態の作用を図10に示す駆動制御プログラムの流れ図に従って説明する。
車両に乗車した乗員が本ウエビング巻取装置10に格納されたウエビング16を引き出すと、巻取軸12と第1スプリングケース50が引出方向(図2の矢印A方向)へ回転すると共に、第2スプリングケース116がその軸線周り一方向(図2の矢印G方向)へ回転し、クラッチギヤ86がその軸線周り一方向(図2の矢印E方向)へ回転する。
第1スプリングケース50が引出方向へ回転することで、第1ゼンマイバネ58の外側端が引出方向へ回転されるが、第1ゼンマイバネ58の内側端はハウジング46の軸受部56に固定されているので、第1ゼンマイバネ58には、外側端すなわち第1スプリングケース50を巻取方向(図2の矢印B方向)へ付勢する所定の付勢力が生じる(以下、この第1ゼンマイバネ58に生じる所定の付勢力を「第1付勢力」という)。
また、上述の如く巻取軸12が引出方向へ回転することで、巻取軸回転検知センサ176がECU170に検知信号を入力する(ステップ182)。これにより、ステップ184において、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を正転(図2の矢印C方向へ回転)させる。
モータ18の出力軸20の正転は、平歯ギヤ38及び平歯ギヤ36を介してウォームギヤ26に伝達され、ウォームギヤ26が回転する。ウォームギヤ26の回転は、第1クラッチ40のウォームホイール42に伝達され、ウォームホイール42が所定値以上の回転速度で引出方向(図2の矢印A方向)へ回転される。この場合、ウォームホイール42と巻取軸12とは、図示しない伝達部材による機械的結合を解除された状態を維持され、したがって、ウォームホイール42と巻取軸12とは相対的に空転する。
また、ウォームギヤ26の回転は、出力分岐ギヤ60を介して第2クラッチ68のロータ80に伝達され、ロータ80がその軸線周り一方向(図2の矢印E方向)へ所定値以上の回転速度で回転される。このため、ロータ80に一体的に連結されたベース70がその軸線周り一方向(図2の矢印E方向)へ所定値以上の回転速度で回転される。
ベース70の回転は、支軸108を介して一対のウエイト104に伝達され、一対のウエイト104がベース70に追従して該ベース70の軸線周りに所定値以上の回転速度で回転される。これにより、一対のウエイト104には、遠心力が作用し、一対のウエイト104は、レバー96に作用するリターンスプリング102の付勢力に抗してベース70の径方向外側へ支軸108周りに回動する。
このため、ウエイト104の係止爪110に連結突起98が係合したレバー96が、ベース70に対して軸線周り他方向(図2の矢印F方向)へ回動される。レバー96がベース70に対して軸線周り他方向へ回動されると、クラッチスプリング90の移動部94は、レバー96によってクラッチスプリング90の巻き方向一方(図2の矢印F方向)へ移動される。これにより、クラッチスプリング90の外径寸法が拡大し、クラッチスプリング90の外周部が、クラッチギヤ86の内周面に圧着される。これにより、クラッチスプリング90の回転がクラッチギヤ86に伝達され、クラッチギヤ86にはその軸線周り一方向(図2の矢印E方向)へ向いた所定のトルクが付与される。このクラッチギヤ86の外歯88には、第2スプリングケース116の外歯122が噛合っているため、第2スプリングケース116には、その軸線周り一方向(図2の矢印G方向)へ向いた所定のトルクが付与される。
さらに、第2スプリングケース116の外歯122には、第1スプリングケース50の外歯52が噛合っているため、第2スプリングケース116に軸線周り一方向へ向いたトルクが付与されると、第1スプリングケース50(巻取軸12)には引出方向(図2の矢印A方向)へ向いた所定のトルクが付与される。すなわち、巻取軸12には、上述した第1ゼンマイバネ58の第1付勢力(巻取方向へ向いた付勢力)に抗する所定のトルクが付与される。これにより、乗員によるウエビング16の引き出しがアシストされるので、乗員は軽い力でウエビング16を引き出すことができる。
なお、第2スプリングケース116には、第2ゼンマイバネ130の外側端が連結されているため、第2ゼンマイバネ130の外側端は第2スプリングケース116と一体的にその軸線周り一方向(図2の矢印G方向)へ回転する。このため、第2ゼンマイバネ130の内側端も外側端に追従して回転しようとし、第2ゼンマイバネ130の内側端が連結されたアダプタ124がその軸線周り一方向へ回転され、アダプタ124に支持されたラチェット盤132がその軸線周り一方向へ回転する。
このステップ184での処理が終了すると、次のステップ186に移行する。
ステップ186では、バックルスイッチ180がオン状態になったか否か、すなわち、ウエビング16を引き出した乗員がタングプレートをバックル装置に連結してウエビング16を装着したか否かがECU170で判断される。このステップ186での判断が肯定された場合にのみ次のステップ188に進む。
ステップ188では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を停止させる。これにより、モータ18の駆動力による巻取軸12への前記所定のトルクの付与が解除される。またこのとき、ロータ80の回転が停止されるので、ロータ80に一体的に連結されたベース70の回転が停止される。ベース70の回転が停止されると、一対のウエイト104は、レバー96に作用するクラッチスプリング90の弾性力及びリターンスプリング102の付勢力によってベース70の径方向内側へ回動される。このため、クラッチスプリング90は再び自然状態に戻り、その外周部がクラッチギヤ86の内周面から離間し、上述したクラッチスプリング90とクラッチギヤ86との連結が直ちに解除される(第2クラッチ68の連結状態が解除される)。このステップ188での処理が終了すると、次のステップ190に移行する。
ステップ190では、ECU170及びドライバ172がテンションリデューサ114のソレノイド本体152への通電を開始してテンションリデューサ114をオン状態にする。ソレノイド本体152への通電が開始されると、プランジャ154がソレノイド本体152側へ引き込まれ、プランジャ154の先端部に連結されたパウル158がシャフト164周りに回動し、パウル158の係止爪168がラチェット盤132のラチェット歯140に係合する。このステップ190での処理が終了すると、次のステップ192に移行する。
ステップ192では、ECU170は、例えば、ウエビング16を装着した乗員が前屈みの姿勢をとるなどして装着状態のウエビング16が引き出されたか否かを、巻取軸回転検知センサ176からの検知信号に基づいて判断する。このステップ192での判断が肯定された場合にのみ次のステップ194に進む。
ステップ194では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を正転させる。このため、前述したステップ184と同様に、第2クラッチ68が連結状態となり、第1スプリングケース50(巻取軸12)には、引出方向(図2の矢印A方向)へ向いた所定のトルクが付与される。これにより、ウエビング16の引き出しがアシストされるので、上記前屈みの姿勢をとろうとする乗員に圧迫感を与えることを防止できる。
またこのとき、第1スプリングケース50の引出方向への回転に伴って第2スプリングケース116がその軸線周り一方向(図2の矢印G方向)へ回転し、第2ゼンマイバネ130の外側端が第2スプリングケース116と一体的にその軸線周り一方向へ回転する。このため、第2ゼンマイバネ130の内側端も外側端に追従して回転しようとし、第2ゼンマイバネ130の内側端が連結されたアダプタ124がラチェット盤132に対して相対的に軸線周り一方向(図2の矢印G方向)へ回転される。この場合、クッションスプリング144によるアダプタ124とラチェット盤132との機械的な結合が解除されるので、アダプタ124の軸線周り一方向への回転が許容され、第2ゼンマイバネ130の内側端は外側端に追従して軸線回り一方へ回転される。
このステップ194での処理が終了すると、次のステップ196に移行する。
ステップ196では、ECU170は、例えば、乗員が前屈みの姿勢から通常の姿勢に戻ることで前述の如き装着状態におけるウエビング16の引き出しが解除されたか否を、巻取軸回転検知センサ176からの検知信号に基づいて判断する。この判断が肯定された場合にのみ次のステップ198に進む。
ステップ198では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を停止させる。このため、前述したステップ188と同様に、第2クラッチ68の連結状態が解除され、モータ18の駆動力による巻取軸12への前記所定のトルクの付与が解除される。このため、巻取軸12は、第1ゼンマイバネ58の前述した第1付勢力によって巻取方向(図2の矢印B方向)へ回転され、これにより、ウエビング16の弛みが除去される。
またこのとき、巻取軸12と一体的に第1スプリングケース50が巻取方向へ回転することで、第2スプリングケース116がその軸線周り他方向(図2の矢印H方向)へ回転される。このため、第2スプリングケース116に連結された第2ゼンマイバネ130の外側端が第2スプリングケース116の軸線周り他方向へ回転され、第2ゼンマイバネ130の内側端も外側端に追従して第2スプリングケース116の軸線周り他方向(図2の矢印H方向)へ回転しようとする。このため、第2ゼンマイバネ130の内側端が連結されたアダプタ124がラチェット盤132に対して相対的に軸線周り他方向(図2の矢印H方向)へ回転される。アダプタ124がラチェット盤132に対して相対的に軸線周り他方向へ回転されると、クッションスプリング144の連結部148がアダプタ124のラチェット歯126に係合し、アダプタ124のラチェット盤132に対する軸線周り他方向への相対回転が規制される。したがって、アダプタ124に連結された第2ゼンマイバネ130の内側端は軸線周り他方向へ回転することができなくなる。この状態で、更に巻取軸12が巻取方向へ回転すると、第2ゼンマイバネ130の外側端が第2スプリングケース116と共に軸線周り他方向へ回転され、第2ゼンマイバネ130には外側端すなわち第2スプリングケース116を軸線周り一方向(図2の矢印G方向)へ付勢する付勢力が生じる(以下、この第2ゼンマイバネ130に生じる付勢力を「第2付勢力」という)。
この第2付勢力は、第1スプリングケース50(巻取軸12)に対しては、これを引出方向へ回転させる方向に作用するため、第1ゼンマイバネ58の前記第1付勢力(巻取方向の付勢力)は第2付勢力に相殺される(第1付勢力が第2付勢力の分だけ減少して巻取軸12に付与される)。
このように、乗員がウエビング16を装着した状態で、第1ゼンマイバネ58の第1付勢力に抗する第2ゼンマイバネ130の第2付勢力を巻取軸12に作用させることで、ウエビング16による拘束力を弱めることができ、乗員に圧迫感を与えることを防止又は効果的に軽減できる。またこの状態では、上述の如く第1ゼンマイバネ58の第1付勢力に起因した巻取軸12のウエビング巻取力が第2ゼンマイバネ130の第2付勢力の分だけ低減されているので、装着状態におけるウエビング16の2回目以降の引き出しが軽くなる。
このステップ198での処理が終了すると、次のステップ200に移行する。
ステップ200では、バックルスイッチ180がオフ状態になったか否か、すなわち、乗員がタングプレートとバックル装置の連結を解除してウエビング16の装着状態を解除したか否かがECU170で判断される。この判断が肯定された場合にのみ次のステップ202に進む。
ステップ202では、ECU170及びドライバ172がテンションリデューサ114のソレノイド本体152への通電を遮断してテンションリデューサ114をオフ状態にする。このため、ソレノイド150のプランジャ154がリターンスプリング156の付勢力によってソレノイド本体152から引き出され、プランジャ154に連結されたパウル158がシャフト164周りに回動して、パウル158の係止爪168がラチェット盤132のラチェット歯140から離間する。これにより、ラチェット盤132の軸線周り他方向(図2の矢印H方向)への回転が可能になり、ラチェット盤132は、第2ゼンマイバネ130の第2付勢力によってクッションスプリング144及びアダプタ124と一体で軸線周り他方向へ回転される。これにより、第2ゼンマイバネ130の第2付勢力が消滅する。したがって、巻取軸12は、第1ゼンマイバネ58の第1付勢力によって巻取方向へ回転され、これにより、ウエビング16は巻取軸12に巻き取られる。このステップ202での処理が終了すると、次のステップ204に移行する。
ステップ204では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を正転させる。このため、モータ18の駆動力が第2クラッチ68のクラッチギヤ86及びテンションリデューサ114の第2スプリングケース116を介して第1スプリングケース50に伝達され、第1スプリングケース50(巻取軸12)には引出方向へ向いた所定のトルクが付与される。このトルクは、第1ゼンマイバネ58の第1付勢力を打ち消す方向に作用するため、巻取軸12の巻取力が低減され、ウエビング16が急激に巻き取られることが防止される。これにより、例えば、急激なウエビング16の巻き取りによるタングプレートとドアトリムとの衝突や、所謂エンドロックの発生などを回避できる。なお、モータ18は、所定の機会(例えば、正転されてから所定時間経過後、又はウエビング16が所定量巻き取られた時点、若しくはウエビング16が全格納された時点など)に停止される。
このステップ204での処理が終了すると、本第1の実施の形態に係る駆動制御プログラムが終了される。
なお、本ウエビング巻取装置10では、乗員がウエビング16を装着して車両を走行させている状態で、例えば、車両の前方に障害物が存在ししかも車両と障害物との間隔が所定範囲内に達したことを図示しない前方監視装置が検知すると、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を逆転させる。モータ18の出力軸20が逆転は、平歯ギヤ38、平歯ギヤ36及びウォームギヤ26を介して第1クラッチ40のウォームホイール42に伝達され、ウォームホイール42が所定値以上の回転速度で巻取方向へ回転される。これにより、図示しない伝達部材によってウォームホイール42と巻取軸12とが結合され、巻取軸12がウォームホイール42と一体的に巻取方向へ回転される。この巻取軸12の巻取方向への回転によりウエビング16が強制的に巻取軸12に巻き取られ、これにより、ウエビング16の弛み、所謂「スラック」が解消されて、ウエビング16による乗員の拘束力が向上する(所謂「プリテンショナ機構」)。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10では、テンションリデューサ114の機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保できる。
また、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10では、モータ18の駆動力がテンションリデューサ114の第2スプリングケース116を介して巻取軸12に伝達される構成であるため、装置の構成が簡単である。
しかも、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10では、モータ18の駆動力は、第2クラッチ68を介して第2スプリングケース116及び第1スプリングケース50に伝達されるが、第2クラッチ68による伝達トルクは、クラッチスプリング90とクラッチギヤ86との圧着力に比例する。この圧着力は一対のウエイト104に作用する遠心力すなわちモータ18の回転速度に比例するので、モータ18の正転時(引出アシスト時)におけるモータ18への供給電流の大きさをECU170及びドライバ172によって変化させることで、任意の伝達トルク(引出アシスト力)を得ることができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10では、
(1)乗員が格納状態のウエビング16を引き出した時(ステップ184)
(2)装着状態のウエビング16が引き出された時(ステップ194)
(3)乗員がバックルとタングプレートとの連結状態を解除した時(ステップ204)
(4)上記以外でウエビング16の引き出しを積極的にアシストする必要がある時
の各々において最適な伝達トルクを与えることが可能である。なお、上記(1)乃至(4)における伝達トルクの大小は、(4)>(2)>(1)>(3) の関係に設定することが好ましい。
すなわち、上記(4)の場合には、ウエビング16の引き出しを積極的にアシストする必要があるため、モータ18の回転速度(モータ18への供給電流の大きさ)を積極的に増加させて第2クラッチ68の伝達トルクを最大限に増加させることが好ましい。
上記(2)の場合には、第1ゼンマイバネ58の巻取り付勢力が増加しているため、モータ18の回転速度をある程度増加させて第2クラッチ68の伝達トルクを第1ゼンマイバネ58の巻取り付勢力に対抗できる程度に増加させることが好ましい。
上記(1)の場合には、第1ゼンマイバネ58の巻取り付勢力が減少しているため、モータ18の回転速度を上記(2)の場合よりも低めに設定し第2クラッチ68の伝達トルクを低減させることが好ましい。
上記(3)場合には、第1ゼンマイバネ58によるウエビング16の巻取力を多少低減してウエビング16の急激な巻き取りを防止できる程度にモータ18の回転速度を設定することが好ましい。
さらに、ウエビング16の巻取り時及び引出し時において、ウエビング16の引出量の変化(第1ゼンマイバネ58の付勢力の変化)に対応して、モータ18の回転速度(伝達トルクの大きさ)を変化させることも可能である。
以上の点については、以下の実施の形態についても同様である。
なお、上記第1の実施の形態に係る駆動制御プログラムにおいて、ステップ186とステップ188の間に、モータ18の正転を所定時間だけ継続させる処理を設ける構成としてもよい。すなわち、乗員がウエビングを装着した際にウエビングの弛みを積極的に発生させる構成とすれば、巻取軸12のウエビング巻取方向回転を充分に確保できるので、ステップ190においてテンションリデューサ114を確実に機能させることができる。したがって、この場合、ステップ192乃至ステップ198の処理を省略することができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の構成・作用については前記第1の実施の形態と同符号を付してその説明を省略する。
図11には、本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置220の主要部構成が分解斜視図にて示されている。さらに、図12には、ウエビング巻取装置220の主要部の構成が側面断面図にて示されており、図13には、図12の5−5線に沿った断面図が示されている。
ウエビング巻取装置220は、前記第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10と基本的に同様の構成とされているが、以下の点で異なる。
ウエビング巻取装置220は、ハウジング222を備えている。ハウジング222は、前記第1の実施の形態に係るハウジング46と基本的に同様の構成とされており、クラッチケース24を介してフレーム14と反対側に取り付けられている。但し、このハウジング222は、前記第1の実施の形態に係るハウジング222よりも厚さ寸法と幅寸法が小さく形成されている。また、ハウジング222の開口部分にはカバー224が取り付けられている。
さらに、ウエビング巻取装置220は、前記第1の実施の形態に係るテンションリデューサ114の代わりに、テンションリデューサ226を備えている。
ここで、図14及び図15には、テンションリデューサ226の構成が分解斜視図にて示されている。
テンションリデューサ226は、回転体としてのアダプタ228を備えている。アダプタ228はフレーム14側へ向けて開口した浅底な有底円筒状に形成されている。アダプタ228の底壁の軸心部には、円孔230が形成されており、この円孔230には、ハウジング222の底壁に突設された円柱状のシャフト232が回転可能に挿入されている。これにより、アダプタ228はシャフト232周りに回転可能にハウジング222に支持されている。
また、アダプタ228の底壁の軸線方向一側(図14及び図15では右側)には、円筒状のボス部234が同軸的かつ一体的に形成されている。このボス部234は、後述するクラッチスプリング252に対応している。
さらに、アダプタ228の外周部には、平歯の外歯236が形成されている。この外歯236は、第1スプリングケース50の外歯52と、第2クラッチ68のクラッチギヤ86の外歯88とに共に噛合っており、クラッチギヤ86がその軸線周り一方向(図11の矢印E方向)へ回転すると、アダプタ228がその軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ回転し、第1スプリングケース50が引出方向(図11の矢印A方向)へ回転するようになっている。一方、クラッチギヤ86がその軸線周り他方向(図11の矢印F方向)へ回転すると、アダプタ228がその軸線周り他方向(図11の矢印H方向)へ回転し、第1スプリングケース50が巻取方向(図11の矢印B方向)へ回転するようになっている。
なお、ウォームギヤ26、出力分岐ギヤ60のウォームホイール部64、出力分岐ギヤ60の歯車部62、ロータ80の外歯82、クラッチギヤ86の外歯88、アダプタ228の外歯236、及び第1スプリングケース50の外歯52によるトータルの減速比は、ウォームギヤ26及びウォームホイール42の減速比に比べて充分に低く設定されている。
一方、アダプタ228の軸線方向一側(図14及び図15では右側)には、規制手段を構成するラチェット盤238が配置されている。ラチェット盤238はフレーム14と反対側へ向けて開口した浅底な有底円筒状に形成されている。ラチェット盤238の底壁の軸線方向一端側には、円筒状の軸受部240が同軸的かつ一体的に形成されており、この軸受部240の筒内には前述したシャフト232が回転可能に挿入されている。これにより、ラチェット盤238は、シャフト232周りに回転可能にハウジング222に支持されており、アダプタ228に対して同軸的でかつ相対回転可能とされている。
ラチェット盤238の側壁の外周部には、前記第1の実施の形態に係るラチェット歯140と同様の外歯のラチェット歯242が形成されている。このラチェット歯242には、前記第1の実施の形態に係るラチェット盤132のラチェット歯140と同様に、ソレノイド150のプランジャ154がソレノイド本体152側へ引き込まれた際に、パウル158の係止爪168が係合するようになっている。
また、ラチェット盤238の側壁の内周部には、内歯のラチェット歯244が形成されている。ラチェット歯244の向きはラチェット歯242の向きとは反対に形成されている。
一方、ラチェット盤238の内側には、規制手段を構成するホルダ246が設けられている。ホルダ246は、全体としてリング状に形成されており、アダプタ228及びラチェット盤238に対して同軸的に配置されている。
ホルダ246は、円筒状に形成された本体部248と該本体部248の軸線方向一端側(図14及び図15では左側)の外周から径方向外側に突出して形成されたリング状のフランジ部250とを有している。フランジ部250は、その外周がラチェット盤238の側壁の内側に回転可能に嵌合しており、これにより、ホルダ246がラチェット盤238に対して相対回転可能に支持されている。また、本体部248は、フランジ部250を介してアダプタ228と反対側の形状がC字状に形成されており、このC字状に形成された部分はラチェット盤238の内側に収容されている。
さらに、本体部248の内周面とボス部234の外周面との間には環状の隙間が形成されており、この環状の隙間には、抗力付与部材としてのクラッチスプリング252が配置されている。クラッチスプリング252は、捩りコイルスプリングであり、その内側には前述したアダプタ228のボス部234が嵌合している。これにより、クラッチスプリング252はアダプタ228に支持されている。このクラッチスプリング252の自然状態での内径寸法は、ボス部234の外径寸法よりも僅かに小さく形成されており、クラッチスプリング252は、基本的にアダプタ228と一体回転する。
また、クラッチスプリング252の巻き方向一端(図14及び図15では矢印H方向の端部)には、径方向外側へ突出する係止部254が形成されている。この係止部254は、ホルダ246の本体部250に形成された係止溝256に係止されている。
ここで、このクラッチスプリング252は、係止部254(ホルダ246)の回転が規制された状態でアダプタ228がクラッチスプリング252に対して軸線周り他方向(図14及び図15の矢印H方向)へ相対回転した際には、クラッチスプリング252の内周部分とボス部234の外周面との摺接によりクラッチスプリング252が巻き締められて縮径するようになっている。この状態では、アダプタ228のクラッチスプリング252に対する軸線周り他方への回転に所定の抗力(摩擦力)が付与されるようになっている。
一方、ラチェット盤238の側壁とホルダ246の本体部248との間には、環状の隙間が形成されており、この隙間内には、規制手段を構成するロックスプリング258が配置されている。ロックスプリング258は、帯状のバネ材をC字状に湾曲して形成されたものであり、その外周がラチェット盤238のラチェット歯244の先端に密着している。
ロックスプリング258の湾曲方向一端部(図14及び図15の矢印G方向の端部)には、略L字状に屈曲形成された係合部260が設けられている。係合部260の先端側は、ホルダ246の本体部248の周方向一端部に形成された押圧部261と、ホルダ246のフランジ部250に突設された押圧突起262との間に配置されており、通常はラチェット歯244から離間して配置されている。
ここで、このロックスプリング258は、ホルダ246がラチェット盤238に対して軸線周り一方向(図14及び図15の矢印G方向)へ相対回転した際には、係合部260の先端側が押圧突起262により軸線周り一方向へ押圧されることで、ホルダ246に追従して軸線周り一方向へ回転しようとする。この場合、図16(A)に示す如く、係止部260はラチェット歯244と離間した状態を維持され、ロックスプリング258及びホルダ246のラチェット盤238に対する軸線周り一方向への相対回転が許容される構成となっている。
これに対し、このロックスプリング258は、ホルダ246がラチェット盤238に対して軸線周り他方向(図14及び図15の矢印H方向)へ相対回転した際には、ホルダ246の押圧部261が係合部260の先端側を軸線周り他方向へ押圧することで、図16(B)に示す如く、係合部260の先端がラチェット盤238のラチェット歯244に接近して係合するようになっている。この状態では、ホルダ246とラチェット盤238とはロックスプリング258を介して一体的に連結される構成となっている(すなわち、ホルダ246とクラッチスプリング258とラチェット盤238とは、ワンウェイクラッチを構成している)。
以上構成のテンションリデューサ226では、前記第1の実施の形態に係るテンションリデューサ226と同様に、ソレノイド150のソレノイド本体152に通電されることでオン状態になり、ソレノイド本体152への通電が遮断されることでオフ状態になる構成である。
なお、本第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置220では、他の部品構成は前記第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10と同様の構成となっている。但し、ウエビング巻取装置220のECU170には、本発明の第2の実施の形態に係る駆動制御プログラムが記憶されている。また、ウエビング巻取装置220の第2クラッチ68では、クラッチギヤ80の軸線方向に沿った長さ寸法が、前記第1の実施の形態に比べて短く形成されている。
次に、本第2の実施の形態の作用を図17に示す駆動制御プログラムの流れ図に従って説明する。
車両に乗車した乗員が本ウエビング巻取装置10に格納されたウエビング16を引き出すと、巻取軸12と第1スプリングケース50が引出方向(図11の矢印A方向)へ回転すると共に、アダプタ228がその軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ回転し、クラッチギヤ86がその軸線周り一方向(図2の矢印E方向)へ回転する。
第1スプリングケース50が引出方向へ回転することで、第1ゼンマイバネ58の外側端が引出方向へ回転されるが、第1ゼンマイバネ58の内側端はハウジング46の軸受部56に固定されているので、第1ゼンマイバネ58には、外側端すなわち第1スプリングケース50を巻取方向(図11の矢印B方向)へ付勢する所定の付勢力が生じる(以下、この第1ゼンマイバネ58に生じる所定の付勢力を「第1付勢力」という)。
また、上述の如く巻取軸12が引出方向へ回転することで、巻取軸回転検知センサ176がECU170に検知信号を入力する(ステップ264)。これにより、ステップ266において、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を正転(図11の矢印C方向へ回転)させる。
このため、前記第1の実施の形態に係るステップ184と同様に、第2クラッチ68が連結状態となり、クラッチギヤ86にはその軸線周り一方向(図11の矢印E方向)へ向いた所定のトルクが付与される。このクラッチギヤ86の外歯88には、アダプタ228の外歯236が噛合っているため、アダプタ228には、その軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ向いた所定のトルクが付与される。
さらに、アダプタ228の外歯236には、第1スプリングケース50の外歯52が噛合っているため、アダプタ228に軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ向いた所定のトルクが付与されると、第1スプリングケース50(巻取軸12)には引出方向(図11の矢印A方向)へ向いた所定のトルクが付与される。すなわち、巻取軸12には、上述した第1ゼンマイバネ58の第1付勢力(巻取方向へ向いた付勢力)に抗する所定のトルクが付与される。これにより、乗員によるウエビング16の引き出しがアシストされるので、乗員は軽い力でウエビング16を引き出すことができる。
なお、アダプタ228のボス部234には、クラッチスプリング252が支持されているので、上述の如くアダプタ228が軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ回転すると、クラッチスプリング252がアダプタ228と一体で軸線周り一方向へ回転されると共に、クラッチスプリング252の係止部254を係止溝256に係止したホルダ246がクラッチスプリング252に追従して回転し、ホルダ246の押圧突起262がロックスプリング258の係合部260を軸線周り一方(図11の矢印G方向)へ押圧する。これにより、ロックスプリング258がその軸線周り一方向へ回転され、ロックスプリング258の外周がラチェット歯244の先端に密着したラチェット盤238がその軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ回転される。
このステップ266での処理が終了すると、次のステップ268に移行する。
ステップ268では、バックルスイッチ180がオン状態になったか否か、すなわち、ウエビング16を引き出した乗員がタングプレートをバックル装置に連結してウエビング16を装着したか否かがECU170で判断される。このステップ268での判断が肯定された場合にのみ次のステップ270に進む。
ステップ270では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を停止させる。このため、前記第1の実施の形態に係るステップ188と同様に、第2クラッチ68の連結状態が解除され、モータ18の駆動力による巻取軸12への前記所定のトルクの付与が解除される。このステップ270での処理が終了すると、次のステップ272に移行する。
ステップ272では、ECU170及びドライバ172がテンションリデューサ226のソレノイド本体152への通電を開始してテンションリデューサ226をオン状態にする。ソレノイド本体152への通電が開始されると、プランジャ154がソレノイド本体152側へ引き込まれ、プランジャ154の先端部に連結されたパウル158がシャフト164周りに回動し、パウル158の係止爪168がラチェット盤238のラチェット歯242に係合する。これにより、ラチェット盤238の軸線周り他方(図11の矢印H方向)への回転がパウル158によって規制される。
この状態で、巻取軸12が第1スプリングケース50と共に巻取方向(図11の矢印B方向)へ回転すると、アダプタ228がその軸線周り他方向(図11の矢印H方向)へ回転される。このため、アダプタ228のボス部234に支持されたクラッチスプリング252がアダプタ228と一体で軸線周り他方向(図11の矢印H方向)へ回転し、クラッチスプリング252の係止部254を係止溝256に係止したホルダ246がその軸線周り他方向(図11の矢印H方向)へ回転される。このため、ホルダ246の押圧部261がクラッチスプリング252の係合部260の先端側を軸線周り他方向(図11の矢印H方向)へ押圧し、係合部260の先端がラチェット盤238のラチェット歯244に接近して係合する。これにより、ホルダ246とラチェット盤238とはロックスプリング258を介して一体的に連結され、ホルダ246の軸線周り他方向への回転が規制されると共に、クラッチスプリング252の係止部254の軸線周り他方向への回転が規制される。
この状態で、更に巻取軸12が第1スプリングケース50と共に巻取方向へ回転し、アダプタ228がその軸線周り他方向へ回転されると、クラッチスプリング252の内周部分とボス部234の外周面との摺接によりクラッチスプリング252が巻き締められて縮径し、アダプタ228のクラッチスプリング252に対する軸線周り他方向への回転に所定の抗力(摩擦力)が付与される(クラッチスプリング252によってアダプタ228の軸線周り他方向への回転にブレーキトルクが付与される)。このため、アダプタ228に接続された第1スプリングケース50にも上記所定の抗力が作用し、結果として、巻取軸12には、第1ゼンマイバネ58の前記第1付勢力が上記所定の抗力の分だけ低減(相殺)されて作用する。したがって、第1ゼンマイバネ58の第1付勢力に起因した巻取軸12のウエビング巻取力が低減され、ウエビング16を装着している乗員に圧迫感を与えることが防止される。
このステップ272での処理が終了すると、次のステップ274に移行する。
ステップ274では、ECU170は、例えば、ウエビング16を装着した乗員が前屈みの姿勢をとるなどして装着状態のウエビング16が引き出されたか否かを、巻取軸回転検知センサ176からの検知信号に基づいて判断する。このステップ274での判断が肯定された場合にはステップ276に進む。一方、このステップ274での判断が否定された場合にはステップ282に進む。
ステップ274での判断が肯定されてステップ276に進んだ場合、このステップ276では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を正転させる。このため、前述したステップ266と同様に、第2クラッチ68が連結状態となり、第1スプリングケース50(巻取軸12)には、引出方向(図11の矢印B方向)へ向いた所定のトルクが付与される。これにより、ウエビング16の引き出しがアシストされるので、前屈みの姿勢をとろうとする乗員に圧迫感を与えることを防止できる。
またこのとき、アダプタ228のボス部234に支持されたクラッチスプリング252がアダプタ228と一体で軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ回転されると共に、クラッチスプリング252の係止部254を係止溝256に係止したホルダ246がクラッチスプリング252に追従して回転し、ホルダ246の押圧突起262がロックスプリング258の係合部260を軸線周り一方向(図11の矢印G方向)へ押圧する。これにより、ロックスプリング258の係合部260がラチェット盤238のラチェット歯244から離間され、ロックスプリング258によるホルダ246とラチェット盤238との連結状態が解除される。これにより、アダプタ228、クラッチスプリング252、ホルダ246、及びロックスプリング258のラチェット盤238に対する軸線周り一方向(図11の矢印G方向)への自在な相対回転が可能となる。しかもこの場合、ロックスプリング258の外周がラチェット盤238のラチェット歯244の先端と摺動しながら、アダプタ228、クラッチスプリング258、ホルダ246、及びロックスプリング258は、ラチェット盤238に対して消音状態で相対回転する。
このステップ276での処理が終了すると、次のステップ278に移行する。
ステップ278では、ECU170は、例えば、乗員が前屈みの姿勢から通常の姿勢に戻ることでウエビング16の引き出しが解除されたか否を、巻取軸回転検知センサ176からの検知信号に基づいて判断する。この判断が肯定された場合にのみ次のステップ280に進む。
ステップ280では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を停止させる。このため、前述したステップ270と同様に、第2クラッチ68の連結状態が解除され、モータ18の駆動力による巻取軸12への前記所定のトルクの付与が解除される。このため、巻取軸12は、前記低減された第1ゼンマイバネ58の付勢力によって巻取方向へ回転され、ウエビング16の弛みが除去される。
このステップ280での処理が終了すると、前述したステップ274に戻って前述の如き処理を繰り返す。
一方、前述したステップ274での判断が否定されてステップ282に進んだ場合、このステップ282では、バックルスイッチ180がオフ状態になったか否か、すなわち、乗員がタングプレートとバックル装置の連結を解除してウエビング16の装着状態を解除したか否かがECU170で判断される。この判断が肯定された場合にのみ次のステップ284に進む。
ステップ284では、ECU170及びドライバ172がテンションリデューサ114のソレノイド本体152への通電を遮断してテンションリデューサ114をオフ状態にする。このため、ソレノイド150のプランジャ154がリターンスプリング156の付勢力によってソレノイド本体152から引き出され、プランジャ154に連結されたパウル158がシャフト164周りに回動して、パウル158の係止爪168がラチェット盤238のラチェット歯242から離間する。これにより、ラチェット盤238の軸線周り他方向(図11の矢印H方向)への回転が可能になる。この状態では、ロックスプリング258の係止部254がラチェット盤238のラチェット歯244に係合したとしても、ホルダ246(クラッチスプリング252の係止部254)の軸線周り他方(図11の矢印H方向)への回転が規制されることはないため、アダプタ228の軸線周り他方向(図11の矢印H方向)への回転に対する前記所定の抗力の付与も解除される。したがって、巻取軸12は第1ゼンマイバネ58の第1付勢力によって巻取方向へ回転され、これにより、ウエビング16は巻取軸12に巻き取られる。このステップ284での処理が終了すると、次のステップ286に移行する。
ステップ286では、ECU170及びドライバ172がモータ18の出力軸20を正転させる。このため、前記第1の実施の形態に係るステップ204と同様に、第1スプリングケース50(巻取軸12)には引出方向へ向いた所定のトルクが付与され、第1ゼンマイバネ58の第1付勢力に基づく巻取軸12の巻取力が低減される。これにより、ウエビング16が急激に巻き取られることが防止される。したがって、例えば、急激なウエビング16の巻き取りによるタングプレートとドアトリムとの衝突や、所謂エンドロックの発生などを回避できる。なお、モータ18は、前記第1の実施の形態に係るステップ204と同様に、所定の機会(例えば、正転されてから所定時間経過後、又はウエビング16が所定量巻き取られた時点、若しくはウエビング16が全格納された時点など)に停止される。
このステップ286での処理が終了すると、本第2の実施の形態に係る駆動制御プログラムが終了される。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置220では、前記第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10と基本的に同様の作用効果を奏するものであり、テンションリデューサ226の機能を阻害することなく、快適なウエビング引出性を確保できる。
しかも、本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置220では、モータ18の駆動力がテンションリデューサ226のアダプタ228を介して巻取軸12に伝達される構成であるため、装置の構成が簡単である。
さらに、本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取軸220のテンションリデューサ226では、クラッチスプリング252によってアダプタ228の回転に所定の抗力を付与することで巻取軸12のウエビング巻取力を低減させる構成であるため、機構がシンプルであり、装置の小型化を図ることが可能である。
なお、上記第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置220において、乗員のウエビング装着状態で巻取軸回転検知センサ176がウエビング16の引き出しを検出した際には、ECU170及びドライバ172がソレノイド本体152への通電を遮断する構成としてもよい。すなわち、ウエビング16の引き出しに連動して、パウル158の係合爪168とラチェット盤238のラチェット歯242との係合状態を解除する構成としてもよい。この場合、ホルダ246、ロックスプリング258、及びラチェット盤238によるワンウェイクラッチの機構を廃止する(ロックスプリング258を廃止して、ホルダ246とラチェット盤238とを一体に構成する)ことができ、装置を一層シンプルにできる。
また、上記第2の実施の形態に係る駆動制御プログラムにおいて、ステップ286の代わりに、テンションリデューサ226をオン状態にする処理を設ける構成としてもよい。この場合でも、巻取軸12の巻取方向回転に抗力を付与することができ、ウエビング16が急激に巻き取られることを防止できる。
本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の主要部の構成を示す正面断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の主要部の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の主要部の構成を示す側面断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の主要部の構成を示す図3の3−3線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材である第2クラッチの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材である第2クラッチの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材であるテンションリデューサの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材であるテンションリデューサの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材であるテンションリデューサの構成を示し、(A)は規制手段による引出方向付勢部材の他端(アダプタ120)の他方向への変位規制が解除された状態を示す平面図であり、(B)は規制手段により引出方向付勢部材の他端(アダプタ120)の他方向への変位が規制された状態を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材である制御手段の制御手順を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の主要部の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の主要部の構成を示す側面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の主要部の構成を示す図12の5−5線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材であるテンションリデューサの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材であるテンションリデューサの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材であるテンションリデューサの構成を示し、(A)は規制手段による抗力付与部材の巻き方向一端の変位規制が解除された状態を示す平面図であり、(B)は規制手段により抗力付与部材の変位が規制された状態を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成部材である制御手段の制御手順を示す流れ図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
12 巻取軸
16 ウエビング
18 モータ
58 第1ゼンマイバネ(付勢部材)
68 テンションリデューサ
122 第2スプリングケース(回転体)
130 第2ゼンマイバネ(引出方向付勢部材)
124 アダプタ(規制手段)
132 ラチェット盤(規制手段)
144 クッションスプリング(規制手段)
158 パウル(規制手段)
150 ソレノイド(規制手段)
170 ECU(制御手段)
172 ドライバ(制御手段)
176 巻取軸回転検出センサ(制御手段)
178 磁石(制御手段)
180 バックルスイッチ(制御手段)
220 ウエビング巻取装置
226 テンションリデューサ
228 アダプタ(回転体)
238 ラチェット盤(規制手段)
246 ホルダ(規制手段)
252 クラッチスプリング(抗力付与部材)
258 ロックスプリング(規制手段)

Claims (7)

  1. 乗員拘束用のウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取軸と、
    前記巻取軸を所定の付勢力で前記ウエビング巻取方向へ付勢する付勢部材と、
    オン状態になることで前記付勢部材の前記所定の付勢力を低減して前記巻取軸に付与すると共に、オフ状態になることで前記低減状態を解除するテンションリデューサと、
    前記巻取軸に接続され、駆動力で前記巻取軸に前記ウエビング引出方向へ向いた所定のトルクを付与するモータと、
    乗員が前記ウエビングを引出した際には前記モータを駆動し、かつ、乗員が前記ウエビングを装着した際には前記モータを停止させると共に前記テンションリデューサを前記オン状態にし、かつ、乗員が前記ウエビングの装着状態を解除した際には前記テンションリデューサを前記オフ状態にする制御手段と、
    を備えたウエビング巻取装置。
  2. 前記テンションリデューサは、
    前記巻取軸に接続され、前記巻取軸が前記ウエビング引出方向へ回転した際には一方向へ回転すると共に、前記巻取軸が前記ウエビング巻取方向へ回転した際には他方向へ回転する回転体と、
    一端が前記回転体に連結され前記回転体と一体的に回転すると共に、他端の前記他方向への回転が規制された状態で前記回転体が前記他方向へ回転した際には前記回転体に前記一方向への付勢力を付与する引出方向付勢部材と、
    前記オン状態になることで前記引出方向付勢部材の前記他端の前記他方向への回転を規制すると共に、前記オフ状態になることで前記回転規制を解除する規制手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記制御手段は、前記乗員が前記ウエビングを装着した後で前記ウエビングが最初に引出された際には前記モータを駆動すると共に、当該引出しが解除された時点で前記モータを停止させる、ことを特徴とする請求項2記載のウエビング巻取装置。
  4. 前記テンションリデューサは、
    前記巻取軸に接続され、前記巻取軸が前記ウエビング引出方向へ回転した際には一方向へ回転すると共に、前記巻取軸が前記ウエビング巻取方向へ回転した際には他方向へ回転する回転体と、
    前記回転体に支持され、自らの回転が規制された状態で前記回転体が回転した際には前記回転体と摺動して前記回転体の回転に所定の抗力を付与する抗力付与部材と、
    前記オン状態でかつ前記回転体が前記他方向へ回転した場合にのみ前記抗力付与部材の回転を規制する規制手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のウエビング巻取装置。
  5. 前記制御手段は、前記乗員の前記ウエビング装着状態で前記ウエビングが引出された際には前記モータを駆動すると共に、当該引出しが解除された時点で前記モータを停止させる、ことを特徴とする請求項4記載のウエビング巻取装置。
  6. 前記モータは、前記テンションリデューサの前記回転体に接続され、前記回転体は、前記モータの前記駆動力が伝達されて前記他方向へ回転し前記巻取軸を前記ウエビング引出方向へ回転させる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項記載のウエビング巻取装置。
  7. 前記制御手段は、前記乗員の前記ウエビング装着状態解除直後に前記モータを駆動する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載のウエビング巻取装置。
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