JP2005320549A - フリーラジカル重合方法 - Google Patents

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チャン、ハン、チン
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Abstract

【課題】リビングタイプのフリーラジカル重合におけるモノマーの重合を促進する新規物質の提供及びこれを用いた重合プロセスを提供する。
【解決手段】1以上のモノマーと、少なくとも1つのフリーラジカルソースと、チオカルボニル基を有する制御剤とからなる混合物を重合し、ポリマーからチオ部を分離する等の後処理を行なう。制御剤は
−D−C(=S)−N(R)−NR(式中Rは置換していてもよいアルキル、アリル等を、R、R、RはH、置換していてもよいヒドロカルビル等を、DはS、Se、Teのいずれかを表わす)で表わされる。これにより幅広い種類のモノマーのリビングタイプのフリーラジカル重合が可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リビングタイプの反応速度(living-type kinetics)を有するフリーラジカル重合におけるモノマーの重合を促進するのに有効な新規な化合物に関する。制御剤及び重合プロセスを用いて製造されたポリマーも、本発明に含まれる。さらに、化合物のうちでいくつかのものは、それ自体新規である。
フリーラジカル重合制御剤の使用及び機構は、現在では既知であり、例えば、特許文献1〜5がそれぞれ、ここで引用により参照される。既知であるにも拘わらず、これらの薬品を用いて成功した重合の商業化は未だない。このため、商業化プロセスに導く新規な薬品が必要とされる。
さらに、以前に知られた制御剤は、限られた用途しか有しない。普遍的に有効であると推奨されたけれども、当業者は、特定の制御剤が、特定のモノマー及びモノマー混合物の制御に対して有効であることを認識する。特定の制御剤が特に有効である重合条件は、通常、良く知られていない。このため、容易に合成可能で、モディファイ可能な関連する制御剤のファミリーに対する必要性が存在し、そうすれば、低温において最短の可能な反応時間で高い転化率を有する商業的に受け入れ可能な条件の下で、所望のモノマーを重合するために、制御剤が容易に使用されるであろう。
さらに、エマルジョンプロセスにおいてブロックコポリマーを製造する強いニーズが産業界に存在する。プロセス的な観点から、エマルジョンプロセスは、比較的容易な熱の除去と、液体搬送物として環境に優しい水の使用(有機溶媒と比較して)と、ポリマーの取り扱い性及び精製の容易さ(例えば、残留モノマーの除去)と、高分子量で高い固体含有量と、相対的に低い運転コストとを許容するするので、エマルジョンは、バルク若しくは溶液プロセスに対して有利である。応用的な観点から、エマルジョンポリマーは、現在、水を媒介とするフォーミュレーション(膜、接着剤及び織物のような)に広く使用されている。エマルジョン中でのブロックコポリマーの調製は、商業化可能な結果なしに、長く検討されてきた。樹脂のエマルジョン化手法は、熱可塑性エラストマ(ポリスチレン−b−ポリジエン−b−ポリスチレントリブロックコポリマーのような)のエマルジョンを形成するために使用されてきたが、高いコストと限定された化学的組成範囲とにより、商業的な重要性は存在しなかった。
米国特許第6153705号明細書 国際公開第98/001478号パンフレット 国際公開第99/035177号パンフレット 国際公開第99/031144号パンフレット 国際公開第98/058974号パンフレット
近時、リビングフリーラジカル重合(LFRP)(時には、制御されたフリーラジカル重合として参照される)が、種々のブロックコポリマーを調製するための実現性のある手法であることが示されてきている。しかしながら、多くの試みにも拘わらず、これらの手法のいずれも、これまでのところ、エマルジョン重合に適用されたときに、商業的なプロセスに導いてはいない。窒素酸化物で媒介されるLFRPは、エマルジョンプロセスには不適当な温度を要求する可能性があり、窒素酸化物のミニエマルジョンプロセスを使用した場合には、受け入れ可能な結果を提供するが、非常に限定された産業上の利用性を有する。ATRPは、最終的なエマルジョン中に重金属を導入する主たる障害を有し、それは環境上の懸念を引き起こし、さらに、ラテックス安定性に有害である。いくつかの文献が、RAFTエマルジョン重合におけるジチオエステルは、実質的な遅延を発生させ、高レベルのグリット(grit)を含有するラテックスと、制御されていないポリマー(例えば、1.8以上の多分散度(polydisperity))とを生成することを示している(例えば、Journal of Polymer Science: PartA:Polymer Chemistry, vol.38, 3864-3874, 2000参照)。ミニエマルジョンは、これらの問題をある程度緩和するために使用されてきたが、再度、このミニエマルジョンは、その産業上の利用性を非常に制限する。さらに、ジチオエステルは、最終的なエマルジョンに深紅色を付与する。ジチオカルボネート(キサントゲン酸塩)のような他のジチオ化合物は、グリットを形成し難いが、ジチオエステル、ジチオカルバメート及びジチオカラバゼートよりも、多分散度のような高分子特性に対して低い制御性を示す。例えば、ジチオカルボネートが使用されたときには、ブチルアクリレートとスチレンとのエマルジョン重合について、多分散度3が報告されている(例えば、Macromolecular Symposia, 2000, 150, 23及びJournal of Polymer Science: PartA: Polymer Chemistry, Vol.38, 4206-4217, 2000参照)。
本発明は、エマルジョンシステム中の特定のモノマー及びモノマー混合物に対して容易にモディファイ可能な制御剤を提供することにより、これらの問題を解決する。ある種のジチオカルバゼートは、良好なラテックス安定性と高い重合速度とを有し、ポリマー特性を良好に制御するのに優れた特性を有する。
この発明は、特定のモノマー及びモノマー混合物を容易にモディファイ可能な制御剤を提供する。本発明の制御剤は、既知の制御剤と比較して、制御剤の電子的及び立体的な性質のより簡単な改良を許容する、少なくとも1つの窒素−窒素結合を含有する。これらの改良された特性は、重合プロセスの改善された条件及び/又は該プロセスから得られるポリマーの改善された特性を許容する。
本発明は、商業的規模で、調製容易で経済的に有益な制御剤を提供する。特に、この発明の制御剤は、窒素−窒素結合を有し、この結合は、制御剤の良好な安定性と共に、前記制御剤の化学的改良についての大きな自由度を提供すると考えられ、一方で、フリーラジカルを含む重合反応の制御を可能とする。
通常、この発明の制御剤は、チオカルボニル部と共有するN−N結合を有する。所定の実施形態では、制御剤は、以下の一般式により、同定される。
Figure 2005320549

ここで、Dは硫黄S、テルルTe若しくはセレンSeであり、Rは、通常、フリーラジカル状態で放出されるのに十分に不安定な任意の基であり、R及びRは、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子を含むヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから、独立に選択され、Rは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子を含むヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから選択され、オプション的に(optionally)、RがRと結合して環状構造を形成し、3乃至50の非水素原子を有する。所定の実施形態では、Rは、ここで述べたように、Rと環状構造を形成可能である。
この発明の他の観点は、多機能制御剤に向けられ、その結果、当該制御剤は、ポリマー鎖の中央部及び/又はポリマーの2以上の端部のいずれかを占める可能性がある。制御剤がポリマーの主鎖の中央部を占める実施形態においては、N−N結合は、外部刺激(例えば、熱、化学反応、照射等)により、ポリマー主鎖を分解してより小さい部分にするユニークな機会を提供する。そのようなプロセスは、既知のフリーラジカル重合及び「リビング」フリーラジカル重合手法と比較して、ユニークである。加えて、所定の多機能制御剤は、ブロックコポリマーと比較して、プロセスステップを減少させるユニークな機会を提供する。さらに、所定の多機能制御剤は、フリーラジカル重合における商業的用途はこれまで見出されていない開環重合を許容する。
別の観点では、この発明は、エマルジョン中において、商業的規模で、調製容易で経済的に有益な制御剤を提供する。通常、この実施形態の制御剤は、チオカルボニル部と共有するN−N結合を有し、オプション的に、置換された二重結合アルケニル部を有する。該制御剤は、以下の一般式により同定される。
Figure 2005320549

ここで、Rは、通常、フリーラジカル状態で放出されるのに十分に不安定な任意の基であり、Rは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子を含むヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから選択され、R及びRは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子を含むヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから、独立に選択される。不均質な混合物を形成し、この混合物に重合条件を適用することにより、これらの制御剤は、エマルジョン重合プロセスで使用される。不均質な混合物は、制御剤、1以上のモノマー、水、開始剤及びオプション的に界面活性剤から構成される。重合条件は、圧力、温度、及び、重合方法(例えば、バッチ、セミバッチ、連続)のような他のプロセス条件を含む。
この発明の他の観点は、新規な化合物である所定の制御剤を含む。この発明の制御剤の全てとこの発明の制御剤を用いて製造されるポリマーとを使用する重合プロセスは、この発明の更なる観点である。特に、この発明の制御剤は、リビングタイプの反応速度を提供し、ブロックコポリマー、星型構造体、グラフトポリマー及びハイパー分岐ポリマーを含む所望の生成物の調製を許容する。
このため、リビングタイプのフリーラジカル重合プロセス用の新規な制御剤を提供することが、本発明の1つの目的である。
フリーラジカル重合プロセスにおいて制御剤として有効な新規な化合物を提供することが、本発明の別の目的である。
リビングタイプの反応速度を有するモノマーのフリーラジカル重合用の新規なシステムを提供することが、本発明の更なる目的である。
なお、制御剤のファミリーを用いて商業的に受け入れ可能な条件の下で種々のモノマーを重合することが、本発明のさらなる目的である。
また、制御剤を使用する重合プロセスを用いて制御された構造のポリマーを製造することが、本発明のさらなる目的である。
分解することを許容するポリマー鎖の中央部を占める可能性のある多機能制御剤を提供することが、本発明の他の目的である。
本発明のさらなる観点及び対象は、この明細書を検討するときに当業者に明らかになるであろう。
最も一般的な意味で、この発明の制御剤は、チオカルボニル基と共有して結合される少なくとも1つのN−N結合を有する。構造的な意味で、以下の構成部(モアティ、moiety)は、この発明の制御剤中に存在しなければならない。
Figure 2005320549

いくつかの実施形態では、硫黄原子がチオカルボニル基に結合し、ジチオカルボニル部を構成する。このことは、ここでは、「ジチオカルバゼート」基若しくはN−NC(=S)S部として示されることがあるが、そのような用語は、限定することを意図したものではない。また、所定の実施形態では、N(N以外のもの)を有する置換基は、Nを含むヘテロ環を形成すべきではない。
本発明を説明しクレームする際に、以下の用語が、以下に述べる定義に対応して使用されるであろう。名付けられたR基は、通常、その名称を有するR基に対応して、当該分野で認識されている構造を有する。図解目的のために、上記の代表的なR基は、ここで定義される。これらの定義は、補完的なものであり、図解を意図したもので、当業者に既知の定義を排除することを意図したものではない。
また、ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明するだけの目的のためであり、限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。この明細書及び添付のクレームで使用されるように、単数形「1つの」、「当該」は、文意から明確に指示されなければ、複数の部を含む。本発明を説明しクレームする際に、以下の用語が以下に述べる定義に対応して使用されるであろう。
以下の定義は、化学的構造、分子セグメント及び置換基に関連する。
ここで使用するように、「構造を有する」という語句は、限定することを意図したものではなく「備える」という用語が通常使用されるようにして使用される。「から構成されるグループから独立に選択される」という用語は、ここでは、列挙した要素、例えば、R基若しくは類似物が、同一であるか異なる可能性があるかを示すために使用される(例えば、式(I)の構造中のR及びRは全て、置換アルキル基であることもあり、若しくは、Rは、ハイドライドで、Rは、メチル等である可能性がある)。
「オプション」若しくは「オプション的に」とは、以下に述べる事象若しくは環境が発生することもあり発生しないこともあることを意味し、説明が、前記事象若しくは環境が発生する例と発生しない例とを含むことを意味する。例えば、「オプション的に置換されたヒドロカルビル」という語句は、ヒドロカルビル部が置換されていることもあるし置換されていないこともあるという意味であり、この説明は、置換されていないヒドロカルビルと置換されたヒドロカルビルの両者を含む。
ここで使用される用語「アルキル」は、必ずしも1乃至約24個の炭素原子を含むものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル、のような典型的には分岐した若しくは分岐していない飽和炭化水素基を、あるいは、シクロペンチル、シクロヘキシルのようなシクロアルキル基を意味する。再度必ずしもそうではないが、通常、ここで、アルキル基は、1乃至約12の炭素原子を含む。用語「低級アルキル」は、1乃至6の炭素原子を有するアルキル基を意味し、好ましくは、1乃至4の炭素原子を含むアルキル基である。「置換アルキル」は、1以上の置換基で置換されたアルキルを意味し、用語「ヘテロ原子を含むアルキル」及び「ヘテロアルキル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルキルを意味する。
ここで使用する用語「アルケニル」は、必ずしも必要ではないが2乃至24の炭素原子をと少なくとも1つの二重結合を含み、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニルのような、典型的には、分岐した若しくは分岐していない炭化水素基を意味する。再度必ずしもそうではないが、通常、ここでアルケニル基は、2乃至約12の炭素原子を含む。用語「低級アルケニル」は、2乃至6の炭素原子、好ましくは2乃至4の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。「置換アルケニル」は、1以上の置換基で置換されたアルケニルを意味し、用語「ヘテロ原子を含むアルケニル」及び「ヘテロアルケニル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルケニルを意味する。
ここで使用する用語「アルキニル」は、必ずしも必要ではないが2乃至24の炭素原子をと少なくとも1つの三重結合を含み、エチニル、n−プロピニル、イソプロピニル、n−ブチニル、イソブチニル、オクチニル、デシニルのような、典型的には、分岐した若しくは分岐していない炭化水素基を意味する。再度必ずしもそうではないが、通常、ここでアルキニル基は、2乃至約12の炭素原子を含む。用語「低級アルキニル」は、2乃至6の炭素原子、好ましくは2乃至4の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。「置換アルキニル」は、1以上の置換基で置換されたアルキニルを意味し、用語「ヘテロ原子を含むアルキニル」及び「ヘテロアルキニル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルキニルを意味する。
ここで使用する用語「アルコキシ」は、単一で末端のエーテル架橋を介したアルキル基結合を意味し、すなわち、「アルコキシ」基は、−O−アルキルとして表されることがあり、ここで、アルキルは上記の定義による。「低級アルコキシ」基は、1乃至6、より好ましくは1乃至4の炭素原子を含むアルコキシ基である。用語「アリロキシ」は、同様にして定義され、ここで、アリルは以下の定義に従う。
同様にして、ここで使用される用語「アルキルチオ」は、単一で末端のチオエーテル架橋を介したアルキル基結合を意味し、すなわち、「アルキルチオ」基は、−S−アルキルとして表されることがあり、ここで、アルキルは上記の定義による。「低級アルキルチオ」基は、1乃至6、より好ましくは1乃至4の炭素原子を含むアルキルチオ基である。
用語「アレニル」は、ここでは従来の意味で使用され、−CH=C=CH構造を有する分子セグメントを意味する。「アレニル」基は、1以上の非水素置換基で置換されてもよいし、置換されなくてもよい。
用語「アリル」は、他で特定されない限り、単一の芳香環若しくは融合した、若しくは電子共有的に架橋した、あるいは、メチレン若しくはエチレン部のような一般的な基と架橋した多数の芳香環を含む芳香族置換基を意味する。一般的な架橋基は、ベンゾフェノン中のカルボニル、ジフェニルエーテル中の酸素原子、若しくは、ジフェニルアミン中の窒素原子であってもよい。好ましくは、アリル基は、1つの芳香環若しくは2つの融合したあるいは架橋した芳香環を含み、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ヂフェニルアミン、ベンゾフェノン等である。特定の実施形態においては、アリル置換基は、1乃至約200の炭素原子を、典型的には1乃至約50の炭素原子を、好ましくは1乃至約20の炭素原子を有する。「置換アリル」は、1以上の置換基で置換された1つのアリル部(例えば、トリル、メシチル及びパーフルオロフェニル)を意味し、用語「ヘテロ原子を含むアリル」及び「ヘテロアリル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアリルを意味する。
用語「アラルキル」は、アリル置換基を有するアルキル基を意味し、用語「アラルキレン」は、アリル置換基を有するアルキレン基を意味し、用語「アルカリレン」は、アルキル置換基を有するアリル基を意味する。
用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、従来の意味で使用され、クロロ(塩素)、ブロモ(臭素)、フルオロ(弗素)若しくはアイオド(ヨウ素)置換基を意味する。用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」若しくは「ハロアルキニル」(若しくは「ハロゲン化アルキル」、「ハロゲン化アルケニル」若しくは「ハロゲン化アルキニル」)は、当該官能基中の水素原子の少なくとも1つが、ハロゲン原子で置換された、アルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基をそれぞれ意味する。
「ヘテロ原子を含むヒドロカルビル基」のように用語「ヘテロ原子を含む」は、1つ以上の炭素原子が炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、燐若しくは珪素で置換された分子若しくは分子フラグメントを意味する。同様に、用語「ヘテロアルキル」は、ヘテロ原子を含むアルキル置換基を意味し、用語「ヘテロサイクリック」は、ヘテロ原子を含む環状置換基を意味し、用語「ヘテロアリル」は、ヘテロ原子を含有するアリル置換基を意味する。用語「ヘテロ原子を含む」が、可能性のあるヘテロ原子を含む基のリストの前に出現するときには、当該用語をそのグループのそれぞれのメンバに適用することを意図している。すなわち、語句「ヘテロ原子を含むアルキル、アルケニル及びアルキニル」は、ヘテロ原子を含むアルキル、ヘテロ原子を含むアルケニル及びヘテロ原子を含むアルキニル」と解釈されるべきである。
「ヒドロカルビル」は、1乃至約30の炭素原子を、好ましくは1乃至約24の炭素原子を、最も好ましくは1乃至約12の炭素原子を含み、分岐した若しくは分岐しない、あるいは、飽和若しくは不飽和の化学種を含む、アルキル基、アルケニル基、アリル基等のような1価のヒドロカルビルラジカルを意味する。用語「低級ヒドロカルビル」は、1乃至6の炭素原子を、好ましくは1乃至4の炭素原子を含むヒドロカルビル基を意味する。「置換ヒドロカルビル」は、1以上の置換基で置換されたヒドロカルビルを意味し、用語「ヘテロ原子を含むヒドロカルビル」及び「ヘテロヒドロカルビル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたヒドロカルビルを意味する。
「置換ヒドロカルビル」、「置換アリル」、「置換アルキル」、「置換アルケニル」等のように「置換」により示される上記の定義では、ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン、アルキル、アルケニル若しくは他のモアティにおいて、炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル、アルコキシ、チオ、フォスフィノ、アミノ、ハロ、シリル等のような官能基である1つ以上の置換基で置換されていることを意味する。用語「置換」が可能性のある置換された基のリストの前に出現するときには、この用語はそのグループの各メンバに適用することを意図している。すなわち、語句「置換アルキル、アルケニル及びアルキニル」は、「置換アルキル、置換アルケニル及び置換アルキニル」と解釈されるべきである。同様に「オプション的に置換されたアルキル、アルケニル及びアルキニル」は、「オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアルキニル」と解釈されるべきである。
ここで使用されるように、用語「シリル」は、−SiZラジカルを意味し、ここで、Z、Z及びZのそれぞれは、ハイドライド、オプション的に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリル、アラルキル、アルカリル、ヘテロサイクリック、アルコキシ、アリロキシ及びアミノから構成される基から独立に選択される。
ここで使用されるように、用語「フォスフィノ」は、基−PZをいい、ここで、Z及びZは、ハイドライド、オプション的に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリル、アラルキル、アルカリル、ヘテロサイクリック及びアミノから構成される基から独立に選択される。
用語「アミノ」は、ここでは、基−NZをいい、ここで、Z及びZは、ハイドライド、オプション的に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリル、アラルキル、アルカリル及びヘテロサイクリックから構成される基から独立に選択される。
用語「チオ」は、ここでは、基−SZをいい、ここで、Zは、、ハイドライド、オプション的に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリル、アラルキル、アルカリル及びヘテロサイクリックから構成される基から独立に選択される。
ここで使用されるように、元素周期律表の要素及び群の全ての参照は、群の番号付けの新しいIUPACシステムを採用した、CRC出版により1995年に発行された化学及び物理ハンドブックの表に基づく。
本発明は、新規な化合物とフリーラジカル重合反応を制御するのに有効な制御剤とを提供する。通常、少なくとも1つの重合可能なモノマー、制御剤及びオプション的に少なくとも1つのフリーラジカルソース、例えば、開始剤とから混合物を形成することにより、フリーラジカル重合反応は、これらの制御剤を用いて実行される。所定のモノマーは加熱により自己開始的であるので、フリーラジカルソースは、追加的である。重合混合物の形成時若しくは形成後に、該混合物は、重合条件の適用を受ける。重合条件は、ここで議論する、温度、圧力、重合混合物に使用される出発成分の比率、反応時間若しくは重合混合物の外部刺激のように、少なくとも1つのモノマーを少なくとも1つのポリマーにさせる条件である。
(制御剤)
通常、この発明の制御剤は、上記の一般式(I’)により同定される。より詳細には、この発明の制御剤は、以下の一般式で同定される。
Figure 2005320549

ここで、Dは、S、Te若しくはSeである。好ましくは、Dは硫黄Sである。以下の反応式1(DをSとして示す)で描かれるように、Rは、通常、付加−分解反応時のフリーラジカル形態(R・)の下で容易に放出され得る任意の基である。
Figure 2005320549
反応式1
反応式1において、Pはフリーラジカルであり、典型的には、ポリマー鎖のようなマクロラジカルである。より詳細には、Rは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択される。さらに詳細には、Rはオプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアルコキシ、オプション的に置換されたヘテロシクリル、オプション的に置換されたアルキルチオ、オプション的に置換されたアミノ及びオプション的に置換されたポリマー鎖から構成されるグループから選択される。さらに具体的には、Rは、−CHPH、−CH(CH)COCHCH,−CH(COCHCH,−C(CHCN、−CH(Ph)CN及び−C(CHPhから構成されるグループから選択される。
また、R及びRは、それぞれ、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから独立に選択される。より詳細には、R及びRは、水素、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアシル、オプション的に置換されたアロイル、オプション的に置換されたアルコキシ、オプション的に置換されたヘテロアリル、オプション的に置換されたヘテロシクリル、オプション的に置換されたアルキルスルフォニル、オプション的に置換されたアルキルスルフィニル、オプション的に置換されたアルキルフォスフォニル、オプション的に置換されたアリルスルフィニル及びオプション的に置換されたアリルフォスフォニルから構成されるグループから、それぞれ独立に選択される。R及び/又はRの特定の実施形態は、上記の定義に掲げられており、さらに、パーフルオロフェニルのようなパーフルオロ化された芳香環を含む。また、オプション的に、R及びRは、窒素原子が脱離した二重結合アルケニル部を形成することが可能であり、その場合には、R及びRは、オプション的に置換されたアルケニル部である。
最後に、Rは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択される。オプション的には、Rは、R及び/又はRと結合して環構造を形成し、前記環構造は、3乃至50の非水素原子を有する。特に、Rは、水素、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアシル、オプション的に置換されたアロイル、アミノ、チオ、オプション的に置換されたアリロキシ、及びオプション的に置換されたアルコキシから構成されるグループから選択される。
より詳細な実施形態においては、バルキーなモアティがN窒素原子と結合し、所定の実施形態では以下の一般式で同定される。
Figure 2005320549

ここで、D及びR−Rは、上述したとおりであり、Qは、炭素、硫黄及び燐(C、S及びP)から構成されるグループから選択され、Q’は、酸素及び硫黄(O及びS)から構成されるグループから選択される。R4’は、典型的には、Rと同一のグループから選択され、n、m及びpは、それぞれ0,1若しくは2のいずれかであり、Qの結合価を満足する。このため、例えば、Qが炭素である場合には、n及びpは1であり、mは0である。Qが炭素である場合の別の例は、nが1で、mが1で、pが0である。また、例えば、Qが燐である場合には、nが1で、mが2である。また、例えば、Qが硫黄である場合には、nは1若しくは2であるが、典型的には2であり、mは典型的には0であり、pが1である。好ましい実施形態においては、Qは炭素若しくは硫黄であり、Q’は酸素である。これらの好ましい実施形態では、R及びR4’は、より好ましくは、オプション的に置換されたアルキル及びオプション的に置換されたアリルから構成されるグループから、それぞれ独立に選択される。
上記一般式(I)及び(II)中の実施形態では、R及び/又はRは、N原子が一般式(I’)のものと同一である一般式(II)中のN原子からのモアティである、−Q(=Q’)(R4’−Q’)(Rから選択されてもよい。これらの実施形態において、Q、Q’、R、R4’、n、m及びpは上記の定義に従う。
エマルジョンを含む実施形態では、R及びRは、好ましくは、窒素原子が脱離した二重結合アルケニルを形成し、その場合には、R及びRは、オプション的に置換されたアルケニルである。この実施形態では、この発明の制御剤は、以下の一般式で同定される。
Figure 2005320549

ここで、R及びRは上記の定義のとおりであり、R及びRは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから、それぞれ独立に選択される。より詳細には、R及びRは、水素、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアシル、オプション的に置換されたアロイル、オプション的に置換されたアルコキシ、オプション的に置換されたヘテロアリル、オプション的に置換されたヘテロシクリル、オプション的に置換されたアルキルスルフォニル、オプション的に置換されたアルキルスルフィニル、オプション的に置換されたアルキルフォスフォニル、オプション的に置換されたアリルスルフィニル及びオプション的に置換されたアリルフォスフォニルから構成されるグループから、それぞれ独立に選択される。R及び/又はRの特定の実施形態は、上記の定義に掲げられており、さらに、パーフルオロフェニルのようなパーフルオロ化された芳香環を含む。R及び/又はRの好ましい実施形態は、メチル及びフェニルを含む。
制御剤のうちいくつかは新規化合物である。いくつかの実施形態では、この新規化合物は、上記一般式(II)により同定される。より詳細には、新規化合物は以下の一般式により同定される。
Figure 2005320549

ここで、Rは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択され、Rはメチルではないことを条件とする。
及びRは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから、それぞれ独立に選択される。
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択され、オプション的にRはRと結合して環状構造を形成し、前記環状構造は、3乃至50の非水素原子を有する。さらに特定の実施形態においては、R−Rは上記のリストから選択される。
一般式(III)中の実施形態では、R及び/又はRは、−Q(=Q’)(R4’−Q’)(Rからそれぞれ独立に選択されてもよい。これらの実施形態において、Q、Q’、R、R4’、n、m及びpは上記の定義に従う。
さらに詳細には、新規化合物は、以下の一般式により同定される。
Figure 2005320549

ここで、Rは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択される。
及びRは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから、それぞれ独立に選択され、オプション的に、R2及びR3は、結合して3乃至50の非水素原子を有する環構造を形成する。
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択され、オプション的にRはRと結合して環状構造を形成し、前記環状構造は、3乃至50の非水素原子を有する。さらに特定の実施形態においては、R−Rは上記のリストから選択される。
一般式(IV)中の実施形態では、R及び/又はRは、−Q(=Q’)(R4’−Q’)(Rからそれぞれ独立に選択されてもよい。これらの実施形態において、Q、Q’、R、R4’、n、m及びpは上記の定義に従う。
他の実施形態においては、この新規化合物は、以下の一般式により同定される。
Figure 2005320549

ここで、Rは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択され、Rはメチルではないことを条件とする。
及びRは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから、それぞれ独立に選択される。
は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択される。より特定の実施形態においては、R,R,R及びRは、上記のリストから選択される。
さらに特定の実施形態では、新規化合物のグループは、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアルコキシ、オプション的に置換されたヘテロシクリル、オプション的に置換されたアルキルチオ、オプション的に置換されたアミノ及びオプション的に置換されたポリマー鎖から構成されるグループから選択される。さらに具体的には、Rは、−CHPH、−CH(CH)COCHCH,−CH(COCHCH,−C(CHCN、−CH(Ph)CN及び−C(CHPhから構成されるグループから選択される。また、R及びRは、水素、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアシル、オプション的に置換されたアロイル、オプション的に置換されたアルコキシ、オプション的に置換されたヘテロアリル、オプション的に置換されたヘテロシクリル、オプション的に置換されたアルキルスルフォニル、オプション的に置換されたアルキルスルフィニル、オプション的に置換されたアルキルフォスフォニル、オプション的に置換されたアリルスルフィニル及びオプション的に置換されたアリルフォスフォニルから構成されるグループから、それぞれ独立に選択される。さらに、Rは、上記に掲げられたグループから選択される。
これらの一般式の範囲にある特定の制御剤は、以下のものを含む。
Figure 2005320549
この発明は、また、多機能制御剤を含み、該多機能制御剤は、フリーラジカル重合において使用される。多機能制御剤は、2以上のポリマー鎖が1つの制御剤分子からポリマー化することを許容する分子である。いくつかの実施形態では、制御剤は、制御剤の一部が付加する多機能サイトを有するコア部に付加する。このため、いくつかの実施形態では、R,R及び/又はRは、コア分子の一部を形成し、若しくはコア分子に付加する。これらの多機能鎖転移剤は、以下の一般式のいずれかにより同定される。
Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

ここで、Coreは、コア分子であり、D、R,R,R及びRは上記の定義のとおりであり、cは1以上であり、dは2以上である。一般式(V)、(VI)及び(VII)は、フリーラジカル重合が制御され得る可能性のある多数のポイントを提供する多数のコア分子を含む。このことは、いくつかは以下に述べるが、ポリマーが異なる構造体を形成する能力を提供する。例えば、星型構造に対しては、3つのアームを有する星の場合には、cは1であり、dは3であり、4つのアームを有する星の場合には、cが1で、dが4であり、6つのアームを有する星の場合には、cが1で、dが6である。また、例えば、グラフトポリマーについては、2箇所のグラフトの場合には、cが1で、dが2である。ハイパー分岐ポリマーについては、cが2以上であり、dが2以上である。
多機能鎖転移剤は、以下のように、この発明のさらに特定の実施形態について描かれる。
Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

ここで、Core,Q,Q’,n,c,d,D,R,R,R,Rは上記の定義のとおりである。
エマルジョン実施形態の多機能制御剤は、以下の一般式のいずれかにより同定される。
Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

ここで、Coreはコア分子であり、R,R,R及びRは上記の定義のとおりであり、cは1以上であり、dは2以上である。
コア分子は、樹木状分子、小さい分子及び少なくとも2つの末端部を有するポリマーから構成されるグループから選択される。このため、コア分子は、オプション的に置換されたヒドロカルビル及びオプション的に置換されたヘテロ原子を有するヒドロカルビルであってもよい。コア部の特定の例は、以下のものを含む。
Figure 2005320549
他の実施形態では、コア部はポリマー鎖である場合がある。これらの実施形態は、ポリマー主鎖若しくは側鎖若しくはポリマー末端に沿って2以上のポイントに制御剤を付加させることにより、グラフトコポリマー若しくはブロックコポリマーの調製を許容する。
代替的な実施形態では、この発明の制御剤は、開環時に多機能制御剤を形成する環構造を有する。このため、いくつかの実施形態では、上記一般式(I)及び(II)は、Dが硫黄で、Rが除去され、Rが除去される窒素原子がRを有する環を形成し、以下の一般式を提供する。
Figure 2005320549
ここで、上記の変数はRを除いて同一の定義を有し、Rは上記の定義内である2つの官能基を有するモアティである。特に好ましい実施形態では、Rは,−CH(R)−C(O)−を備え、その結果、一般式(XI)及び(XII)は以下のように書き換え可能である。
Figure 2005320549

ここで、R,R,Q、Q’及びnは上記の定義のとおりである。Rは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せからなるグループから選択される。特に、Rは、水素、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアシル、オプション的に置換されたアロイル及びオプション的に置換されたアルコキシから構成されるグループから選択される。好ましくは、R基は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェノキシ及びフェニルを含む。上記のように、RとRとは結合して、4乃至50の非水素原子を有する環構造を形成可能である。
一般式(XIII)及び(XIV)中のいくつかの実施形態では、Rは、−Q(=Q’)(R4’−Q’)(Rから独立に選択される。これらの実施形態では、Q,Q’,R,R4’,n,m及びpは、上記の定義のとおりである。
他の代替的実施形態においては、この発明の多機能制御剤は、以下の一般式(上記の一般式の範囲内である)のいずれかにより同定される。
Figure 2005320549

ここで、R,R,R及びRは、上記の定義のとおりである。一般式(XVI)において、以下のモアティは、
Figure 2005320549

3乃至20の非水素原子を含む環構造をいい、単環、若しくは融合した、電子共有的に結合した、あるいはメチレン部若しくはエチレン部のような一般的な基と架橋した多環を含む。Rは、2つの図示する窒素原子以外の環の任意のメンバについての置換基である。2つの窒素原子に加えて、環メンバと同数のR置換基が存在してもよい。R置換基は、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから選択される。特に、Rは、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアシル、オプション的に置換されたアロイル及びオプション的に置換されたアルコキシから構成されるグループから選択される。
特定の環式/多機能制御剤は、以下のものを含む。
Figure 2005320549
この発明の制御剤は、通常、当業者に既知の方法により合成される。通常の合成アプローチは、以下の反応式2に示すように、二硫化炭素への窒素の求核的付加と、1ポット方法論におけるアルカリハライドを有するジチオカルバゼートを生成するアルキル化とを備える。
Figure 2005320549
反応式2
この方法は、例えば、ここで引用により参照されるCastroら、J. Org. Chem., 1984, 49, 863の科学誌で公開されたものと類似である。
これらの特定の求核剤−ヒドラジン及びその誘導体のために最適化された合成条件は、以下のものを含む。0℃乃至室温の範囲の温度、アルコール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、DMF、DMSOといった溶媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム水素化物といった塩基である。
通常の手順は、概ね0.5乃至1.0M濃度でDMSO中に溶解したヒドラジン若しくはその誘導体を用いて室温で開始される。次いで、この溶液は、概ね1当量のNaOHで処理され、続いて、概ね1当量の二硫化炭素が添加される。得られた溶液は、次いで、概ね1当量のアルキル化剤を添加する前に、撹拌される(例えば、室温で約1時間)。作業は、水の添加、有機溶媒を用いた抽出及び乾燥を含む。所望の制御剤は、クロマトグラフィ及び/又は再結晶化により精製され、H−NMR、13C−NMR及びGC/MSにより同定される。
ヒドラジン及びその誘導体は、既知の化学品ソースから商業的に入手可能である。しかし、制御剤の分岐度を増加させるために、以下に述べるいくつかの変換反応が適用される。
a)反応式3に示すようにヒドラゾンの生成
Figure 2005320549
反応式3

b)反応式4に示すようにヒドラジンの生成
Figure 2005320549
反応式4

c)反応式5に示すようにスルフォニルヒドラジンの生成
Figure 2005320549
反応式5

d)反応式6に示すようにフォスフォリルヒドラジンの生成
Figure 2005320549
反応式6

e)反応式7に示すように尿素及びウレタン誘導体の生成
Figure 2005320549
反応式7
反応式7において、Zは、上記一般式(II)に示す変数であることを示すために使用される。
反応式8に示すように、環式ヒドラジン誘導体が生成する。
Figure 2005320549
反応式8
反応式8において、R’は、ここで説明した種々のR基(例えば、R,R及び/又はR)を表すために使用される。
以下に示すように、例えば、環式制御剤は、反応式9に示すように、ヒドラジンの別の窒素と逐次反応することができる適当なアルキル化剤から調製される。
Figure 2005320549
反応式9
当業者は、反応式9が、上記一般式(XIII)及び(XIV)で通常示されるように、所望の置換基を得るために変更可能であることを認識する。
(重合プロセス)
使用可能な重合条件は、典型的には、約20℃乃至約110℃の範囲、より好ましくは、約50℃乃至90℃の範囲、さらに好ましくは約60℃乃至約80℃の範囲の重合温度を含む。窒素若しくはアルゴンのような好ましくは不活性雰囲気を用いて雰囲気は制御される。ポリマーの分子量は、モノマーの制御剤に対する比率を調整することにより制御される。通常、モノマーの制御剤に対するモル比は、約5乃至約5000の範囲であり、より好ましくは約10乃至約2000の範囲であり、最も好ましくは約10乃至約1500の範囲である。
フリーラジカルソースは、重合混合物中に提供され、このフリーラジカルソースは、加熱時の自発的なフリーラジカル生成から生成可能であり、好ましくはフリーラジカル開始剤から生成可能である。後者の場合には、開始剤は、受け入れ可能な重合速度(例えば、以下に掲げるように、所定の時間内で商業的に大きな転化率)を達成するために十分に高い濃度で、重合混合物に転化される。反対に、制御剤に対してフリーラジカル開始剤の比率が余りに高いと、制御されない特性を有するポリマー材料を生成するラジカル−ラジカル結合反応により、望まないデッドポリマーの形成が助長される。フリーラジカル開始剤の重合制御剤に対するモル比は、典型的には、約2:1乃至約0.02:1の範囲である。
重合条件は、また、反応時間を含み、約0.5時間乃至約72時間であり、好ましくは、約1時間乃至約24時間の範囲であり、より好ましくは約2時間乃至約12時間の範囲である。モノマーのポリマーへの転化率は、少なくとも約50%であり、より好ましくは少なくとも約75%であり、最も好ましくは少なくとも約85%である。
重合プロセスは、通常、「リビング」タイプの様式で進行する。このため、必要条件ではないが、通常、転化率と数平均分子量との間には概ね線形性が観測され得る。リビング特性は、ブロックコポリマーを調製する能力により、それ自体を明らかにし、それ故、ポリマー鎖は、最初にモノマーAと共に成長し、次いで、モノマーAが涸渇すると、モノマーBが添加され、ポリマーBから成る第2のブロックでポリマーAから成る第1のブロックを延伸する。このため、いくつかの例においては、特に、制御剤の鎖転移定数Ct(Ctは、増殖速度定数に対する転移速度係数の比として定義される)が低い場合には、例えば、Ctが2以下であるときには、転化率に対する分子量のプロットは、線形的な傾向を示さないが、このことは、ブロックコポリマーの形成が起こらなかったことを除外するものではない。リビングプロセスを介したブロックコポリマーの形成は、選択的溶媒(ポリマーA、ポリマーBそれぞれの)を用いたポリマー分別化、傾斜溶出クロマトグラフィ及び/又は2次元クロマトグラフィーのような分析手法を用いて、立証される。ブロックコポリマーは、ミクロフェーズの分離をする傾向があり、また、X線回折、動的機械試験等のような物理的手法により証明可能な種々のモルフォルジー(morphologies)を有する構造を形成する傾向がある。
上述したように、開始剤は、オプション的である。使用する場合には、重合混合物と創作的プロセスとに有効な開始剤が当該分野で既知であり、アルキル過酸化物、置換アルキル過酸化物、アリル過酸化物、置換アリル過酸化物、アシル過酸化物、アルキルハイドロパーオキサイド、置換アルキルハイドロパーオキサイド、アリルハイドロパーオキサイド、置換アリルハイドロパーオキサイド、ヘテロアルキル過酸化物、置換ヘテロアルキル過酸化物、ヘテロアルキルハイドロパーオキサイド、置換ヘテロアルキルハイドロパーオキサイド、ヘテロアリル過酸化物、置換ヘテロアリル過酸化物、ヘテロアリルハイドロパーオキサイド、置換ヘテロアリルハイドロパーオキサイド、アルキルペレスタ(alkyl peresters)、置換アルキルペレスタ、アリルペレスタ(aryl peresters)、置換アリルペレスタ及びアゾ化合物から構成されるグループから選択される。特定の開始剤は、過酸化ベンゾイル(BPO)及びAIBNを含む。重合混合物は、反応媒体を使用し、典型的には、有機溶媒若しくはバルクモノマー若しくはニートモノマーである。オプション的に、重合が終了した後(例えば、完了若しくは終止)に、ポリマーの硫黄含有量を低減し、臭い若しくは色の劣化のような制御剤の鎖の末端の存在に関連するいかなる問題も防止することを望む場合には、制御剤のチオ部(例えば、ジチオ部)は、化学的若しくは熱的方法により分離可能である。典型的な化学的処理は、触媒的若しくは化学量論的な、1級アミンのような塩基、酸若しくは無水物、ヒポクロライト塩(次亜塩素酸塩)のような酸化剤の添加を含む。
通常、この発明の方法を用いてポリマー化される(及び以下のMから得られる)モノマーは、スチレン、置換スチレン、アルキルアクリレート、置換アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、置換アルキルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、イソプレン、ブタジエン、エチレン、ビニルアセテート及びこれらの組合せから構成されるグループから選択される少なくとも1つのモノマーを含む。これらのモノマーの修飾されたものも使用可能である。この発明で使用可能な特定のモノマー若しくはコモノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート(全ての異性体)、ブチルメタクリレート(全ての異性体)、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボニルメタクリレート、メタクリル酸、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、メタクリロニトリル、α−メチルスチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート(全ての異性体)、ブチルアクリレート(全ての異性体)、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボニルアクリレート、アクリル酸、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、アクリロニトリル、スチレン、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(全ての異性体)、ヒドロキシブチルメタクリレート(全ての異性体)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ヂエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、イタコニック無水物、イタコン酸、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート(全ての異性体)、ヒドロキシブチルアクリレート(全ての異性体)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアモニエチルアクリレート、トリエチレングリコールアクリレート、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−タート−ブチルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチロールアクリルアミド、4−アクリルモルフォリン、ビニル安息香酸(全ての異性体)、ジエチルアミノスチレン(全ての異性体)、α−メチルビニル安息香酸(全ての異性体)、ジエチルアミノα−メチルスチレン(全ての異性体)、p−ビニルベンゼンスルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、トリエトキシシリルプロピルメタクリレート、トリブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジメトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジブトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジメトキシシリルプロピルメタクリレート、ヂエトキシシリルプロピルメタクリレート、ジブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシシリルプロピルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、トリエトキシシリルプロピルアクリレート、トリブトキシシリルプロピルアクリレート、ジイソプロポキシシリルプロピルアクリレート、マレイン無水物、N−フェニルマレイミド、N−ブチルマレイミド、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、エチレン、ビニルアセテート及びこれらの組合せを含む。
この発明のポリマーのいくつかの実施形態において、疎水性及び親水性のモノマーの組合せが、いずれかがランダムに、若しくは、コポリマー(例えば、熱可塑性エラストマー、グラフト物等)の分離したブロックに使用され得る。モノマーの疎水性/親水性の性質は、特定のモノマーのlogPに従って決定され、これは、オクタノール−水分離係数として参照されることがある。logP値は、公知であり、水/1−オクタノール分離混合物中のモノマー濃度を決定する標準試験に従って決定される。特に、コンピュータプログラムが商業的に及びインターネット上で利用可能であり、それは、特定のモノマーに対するlogP値を見積もる。この用途のlogP値のうちのいくつかは、ウェブサイトhttp://esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htmから見積もられ、このウェブサイトは、CAS登録番号若しくは化学品の参照番号を単純に挿入することにより、分子の予想logP値を提供する。ここに掲げられたlogP値は、上記のウェブサイト若しくは、HanschらのExploring QSAR: Hydrophobic, Electronic and Steric Constants (ACS Professional Reference Book, 1995)から得られ、後者は、ここで参照により引用される。
好適な親水性のモノマー(括弧内に記載された適当なlogPを有する)が上記のように掲げられ、アクリル酸(0.35)、メタクリル酸(0.93)、N,N−ジメチルアクリルアミド(−0.13)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(0.97)、クォータージメチルアミノエトキシメタクリレート、メタクリルアミド(−0.26)、N−t−ブチルアクリルアミド(1.02)、マレイン酸(−0.48)、マレイン無水物及びそのハーフエステル、クロトン酸(0.72)、イタコン酸(−0.34)、アクリルアミド(−0.67)、アクリレートアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアリルジメチルアンモニアウムクロライド、ビニルエステル(ビニルエーテルのような)、マレイミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール(0.96)、他の極性ビニルヘテロサイクリック、スチレンスルホン酸塩、アリルアルコール(0.17)、ビニルアルコール(重合後のビニルアセテートの加水分解により生成したようなもの)、上記の任意の酸及びアミンの塩、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。好ましい親水性モノマーは、アクリル酸、N,N−ジメチルアクリルアミド(−0.13)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(0.97)、クォータージメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、上記の酸及びアミンの塩、及びこれらの組合せを含む。
好適な疎水性のモノマーは上記に記載され、メタノール、エタノール、メトキシエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、t−ブタノール(2−メチル−2−プロパノール)、シクロヘキサノール、ネオデカノール、2−エチル−1−ブタノール、3−ヘプタノール、ベンジルアルコール、2−オクタノール、6−メチル−1−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,5−ジエチル−1−ヘキサノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール等の約1乃至約18の炭素原子、好ましくは約1乃至約12の炭素原子を有するアルコールのようなC乃至C18アルコールのアクリル酸若しくはメタクリル酸エステル、スチレン、ポリスチレンマクロマー、ビニルアセテート、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド、ビニルプロピオネート、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ブタジエン、シクロヘキサジエン、エチレン、プロピレン、ビニルトルエン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。好ましい疎水性モノマー(括弧内に記載された適当なlogPを有する)は、t−ブチルメタクリレート(2.36)、イソブチルメタクリレート(2.66)、t−ブチルアクリレート(2.09)、t−ブチルメタクリレート(2.54)、2−エチルヘキシルメタクリレート(4.09)、メチルメタクリレート(1.38)、ビニルアセテート(0.73)、ビニルアセトアミド、ビニルホルムアミド、及びこれらの組合せを含み、より好ましくは、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、若しくはこれらの組合せを含む。
さらに、閉環方法で重合するモノマーは、この発明で使用可能であり、以下の一般式のモノマーを含む。CH=CH−X’−CH=CH、ここで、X’は、1乃至20の非水素原子を含む。このようなモノマーは当該分野で公知である。特別の例は、{CH=CH−N(CH−CH=CH{Cl}である。
(エマルジョン重合プロセス)
最も広い意味で、エマルジョン重合は、水溶性の環境中における任意の不均質重合である。典型的には、これらのシステムは、生成物としてポリマーの粒子を生成する。当業者は、真正エマルジョン、ミクロエマルジョン、ミニエマルジョン、懸濁液及び分散液を含む、これらの不均質重合の多くのバリエーションを認識する。これらのプロセスは、通常、以下の特定の要因を有するプロセス、成分若しくは結果物の差異により識別され、必要な界面活性剤の存在、量及びタイプ、開始剤の存在、量及びタイプ、モノマー溶解性を含むモノマーの存在、タイプ及び量、重合速度論、温度、成分(例えば、モノマー)の添加のタイミングを含む成分添加のオーダー、重合生成物の溶解性、撹拌、共溶媒の存在、生成する粒子のサイズ、凝固若しくは沈降に対する重合システムにおける粒子安定性、及び当業者に既知の他の要因を含む。この発明のいくつかの実施形態では、小さい粒子を生成させるために剪断力を使用する若しくは剪断ステップを採用するシステムは除外される。
この発明の1つの特に好ましい実施形態は、20乃至1000nm、好ましくは30乃至600nm若しくは40乃至300nmの範囲の粒子サイズにより同定されるエマルジョン中の制御された不均質重合反応である。この実施形態の重合は、上記の「従来の」若しくは「真正」のエマルジョン重合について議論されたものと同様なプロセスパラメータを有する。これらのエマルジョンは、安定で(凝固や沈降の観察されない複数の月のオーダーで)あり、モノマーに対して3重量%より少ない量の界面活性剤を使用することにより、調製される。
エマルジョン条件下における制御剤の使用は、リビング速度論(例えば、転化率の関数として分子量に比例して増加する)に関連した他の利点を提供する。この発明の制御されたフリーラジカルエマルジョン重合は、分子量、特に高分子量(≧20、000若しくは≧100、000)に対して、非常に高度な制御を提供し、しばしば、狭い分子量分布(多分散度(M/M)が通常2より小さく好ましくは1.1乃至1.8である)をもたらす。
この発明の不均質重合プロセスにおいて、制御剤は、水と組み合わされ、オプション的には、界面活性剤、開始剤、及び少なくとも1つのモノマーと組み合わせられる。重合条件は、約25℃乃至約150℃の範囲、好ましくは、約35℃乃至約110℃の間で、より好ましくは約50℃乃至約100℃の間で、最も好ましくは、約60℃乃至約90℃の間である温度を含む。
重合条件は、また、常圧から約100気圧の間の圧力を含む。重合条件は、約0.5時間乃至約72時間、好ましくは、約1時間乃至約24時間の範囲、最も好ましくは約2時間乃至約12時間の範囲の反応時間を含む。
この発明のプロセスと組成とにおいて、界面活性剤は有効であり得る。好適な界面活性剤は、コロイド状エマルジョンを安定化させることができる任意の種類若しくはそれらの混合物を含む。通常、界面活性剤は、疎水性領域と親水性領域の両者を有する両親媒性であり、表面に吸着することができる。界面活性剤は、ミセル若しくは非ミセル形態の小さい分子若しくはポリマーであってもよいし、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性若しくは非イオン性であってもよい。いくつかの実施形態においては、例えば、粒子安定性を増加させ、若しくは粒子形成を制御するために、界面活性剤の混合物を使用することが望ましいことがある。界面活性剤は、粒子サイズ、粒子分布、粒子形成及び生成するポリマーエマルジョンの安定性を決定するのに重要な役割を果たすことが可能であり、これらは、特定の実施形態について界面活性剤を選択するときに当業者が考慮する要因である。界面活性剤の典型的な量は、モノマーに対して約0.01乃至約200重量%であり、より好ましくは約0.1乃至約5重量%であり、最も好ましくは約0.5%乃至3重量%の範囲である。
好適な界面活性剤は、1つの陽イオン性の官能基当たり6乃至30の炭素原子を有する、置換若しくは非置換ヒドロカルビル硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ホスホン酸塩、燐酸塩を含む、陽イオン性で、小さい分子の界面活性剤を含む。ヒドロカルビル基が置換される場合には、当該界面活性剤は、N,S,O,Si,F,Cl,Br及びIから構成されるグループから選択される別の原子で置換される1以上の水素若しくは炭素原子を有する。このヒドロカルビルは、また、ケト、エステル、アミド、エーテル、チオエーテルのような官能基で置換される1以上の水素若しくは炭素原子を有してもよい。陽イオン性で非ポリマーの界面活性剤の特別な例は、ナトリウムドデシル硫酸塩、ナトリウムドデシルベンゼンスルホン酸塩、C14乃至C16のα−オレフィンスルホン酸塩、オレオイルメチルタウリン、アルキルスルホサッシネート、ナトリウムステアリン酸塩、アルキル置換脱スルホン酸ジフェニルオキサイド及びノニルフェノキシオリゴ(エチレングリコール)硫酸塩を含む。イオン性ポリマーも使用可能であり、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等を含む。好適な陰イオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアニイモニウムブロマイド、N−メチル(4−ドデシルピリジニウムブロマイド)を含む。好適な非イオン性界面活性剤は、エトキシル化されたモノ−、ジ−、及びトリアルキルフェノール(エトキシル化の程度:3乃至100、アルキルラジカル:C乃至C16)、エトキシル化された脂肪アルコール(エトキシル化の程度:3乃至100、好ましくは6乃至50、アルキルラジカル:C乃至C20)及びアルキル硫酸塩(アルキルラジカルC乃至C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、エトキシル化されたアルカノールの硫黄ハーフエステル(エトキシル化の程度:1乃至70、特に2乃至10、アルキルラジカル:C10乃至C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、エトキシル化されたアルキルフェノール(エトキシル化の程度:3乃至100、好ましくは6乃至50、アルキルラジカル:C乃至C18)、アルカン硫酸(アルキルラジカル:C10乃至C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、及びアルキルアリル硫酸(アルキルラジカル:C乃至C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩を含む。スルホサッシネートのようなさらに好適な界面活性剤は、Houben-Weyl, Methoden der organische Chemie, Volume XIV/1, Makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme Verlag, Stuttgart, 1961, p192-208に記載されている。代替的な界面活性剤は、機能的モノマー、ポリマー化可能な界面活性剤、ポリエチレンオキサイド−b−ポリプロピレンオキサイド−b−ポリエチレンオキサイド(Pluronic(登録商標))のようなブロックコポリマーを含む水溶性界面活性ポリマーを含む。特別な例は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体若しくはビニルピロリドン含有コポリマーを含む。さらなる好適な保護コロイドの詳細な記述は、Houben-Weyl, Methoden der organische Chemie, Volume XIV/1, Makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme Verlag, Stuttgart, 1961, p411-420に与えられる。この発明において有効で現在商業的に利用可能な界面活性剤は、下記の表1に記載される。

Figure 2005320549
本発明のプロセスは、必ずしも界面活性剤を必要としない。例えば、過硫酸開始剤の硫酸基がラテックス安定性を付与する場合には、界面活性剤のないレシピが使用可能である。この場合、モノマーに対する開始剤の相対的に大きな比率が使用され(例えば、50:1乃至250:1)、大きい粒子が生成する(例えば、300乃至600nm)。重合混合物中の組成比(開始剤、界面活性剤、モノマー、制御剤)は重要であり、特定の用途に応じて幅広く変更可能である。制御剤に対するモノマー比率は、この発明の制御された不均質フリーラジカル重合プロセスを用いて製造されるポリマーの分子量を決定するために使用可能である。これらのプロセスによれば、生成するポリマーの数平均分子量は、重合中の制御剤の数とモノマー重量とに線形的に依存する。
いくつかの実施形態では、開始剤に対するモノマー比率は、約10:1乃至約10000:1の範囲、より好ましくは約50:1乃至約10000:1、最も好ましくは約100:1乃至約5000:1であり得る。制御可能な別の比率は、制御剤と等価な開始剤の比率(開始剤の量は、概ね生成されるラジカルの数と等価であるという仮定を使用する)であり、典型的には、約1:0.1乃至約1:10の範囲、より好ましくは約1:0.3乃至約1:5の範囲、最も好ましくは約1:0.4乃至約1:2の範囲である。レドックスシステムが使用される場合には、還元剤に対する開始剤の比率は、典型的には、約1:0.1乃至約1:4の範囲、より好ましくは約1:0.3乃至約1:2の範囲、最も好ましくは約1:0.4乃至約1:1.6の範囲に存在し得る。界面活性剤/モノマー比は、制御可能であり、典型的には、約0.0001乃至約2:1の範囲、より好ましくは約0.001:1乃至約0.05:1の範囲、最も好ましくは約0.001:1乃至約0.02:1の範囲である(いくつかのエマルジョンについては、他の反応成分がその機能を発揮する場合には、界面活性剤を全く添加しないこともあるが)。固体百分率は、0.001容積%乃至約90容積%の範囲である。いくつかの好ましい用途では、新規な水溶性ポリマーエマルジョンが、全水溶性ポリマーエマルジョンに基づいて、固体含有率40容積%、好ましくは固体含有率50容積%で製造される。他の用途についての有効な固体含有率は、0.5乃至75容積%である。新規な水溶性ポリマーエマルジョンの調製は、上記のように、本発明に従う主要部のプロダクトバイプロセスの定義に基づいて実行され、すなわち、界面活性物質とフリーラジカル重合開始剤とが存在する下で、フリーラジカル水溶性エマルジョン重合法により実行される。両方のステージで使用されるモノマーの全量に対する水溶性相の比率は、調製されるべき水溶性ポリマーエマルジョンの所望の固体含有率に従って選択される。
エマルジョンプロセスは、バッチ、セミバッチ若しくは連続モードで実施可能である。1つの実施形態では、反応は、プロセスの初期に、制御剤が遊んでいる鎖に転化するように操作される。例えば、制御剤の消費は、累積的なモノマー転化率(レシピ中に存在する全モノマーに対する時間tにおける転化されたモノマーの比率として定義される)が約30%よりも小さい、より特別には、約20%よりも小さい、さらに特別には約10%よりも小さい場合に、実質的に完了する。このことは、モノマー、制御剤、開始剤等を添加するシーケンス及び供給速度のような重合プロセス変数を調整することにより実行可能である。例えば、モノマーのフラクションが最初に反応器に導入され、時間に対してこの供給されたフラクションが維持されるセミバッチ重合プロセスにおいては、制御剤は、優先的に、初期のチャージにおいて全て添加される。連続重合プロセス(例えば、再循環ループ若しくは一連の連続撹拌槽反応器を使用して)においては、制御剤は、好ましくは、連続プロセスの上流部に供給される。好ましい重合プロセスは、制御剤全てを初期チャージに供給するセミバッチであり、モノマーストリームの供給速度は、「不足供給形態(starved feed regime)」に、すなわち、モノマー/ポリマー比が、制御剤が完全に消費されるまで(ガスクロマトグラフィー若しくは液体クロマトグラフィーにより測定される)、0.2より下、好ましくは0.05より下に維持されるように調整される。モノマー/ポリマー比を制御するのと符号するプロセス変数は、モノマー添加速度、開始剤/モノマー比、温度及び粒子サイズである。
フリーラジカルソースは、重合混合物中に提供され、加熱時に自発的なフリーラジカルの生成から、好ましくはフリーラジカル開始剤から発生可能である。後者の場合には、受け入れ可能な重合速度(例えば、以下に掲げるように、所定時間内での商業的に大きな転化率)に対して十分に高い濃度で、開始剤が重合混合物に添加される。反対に、制御剤に対してフリーラジカル開始剤の比率が余りに高いと、制御されない特性を有するポリマー材料を生成するラジカル−ラジカル結合反応により、望まないデッドポリマーの形成が助長される。フリーラジカル開始剤の重合制御剤に対するモル比は、典型的には、約2:1乃至約0.02:1の範囲である。
(ポリマー)
この発明の鎖転化剤を用いて形成されるポリマーは、変性転移機構を介して成長すると考えられる。このため、得られたポリマーの分析時には、モノマーは、R−S結合の間で出現するであろうし、上記一般式のうち任意のものは、ポリマー形態に書き直すことができる。例えば、この発明のポリマーは、以下の一般式により同定される。
Figure 2005320549

ここで、Mは、モノマー若しくはモノマー混合物若しくは異なるモノマー(上記のリストの任意のもの)の少なくとも2つのブロックであり、fは、重合度であり、D、R,R,R及びRは、上記の定義のとおりである。
より特別な実施形態については、この発明のポリマーは、以下の一般式により同定される。
Figure 2005320549

ここで、Mは、モノマー若しくはモノマー混合物若しくは異なるモノマー(上記のリストの任意のもの)の少なくとも2つのブロックであり、fは、重合度であり、Q、Q’,n,D、R,R,R及びRは、上記の定義のとおりである。
環状モノマーの開環機構によるフリーラジカル重合は既知である(例えば、The Chemistry Of Free Radical Polymerization, G.Moad, D.H.Solomon, Eds. (Pergamon Pub., 1995), p176-183)。しかし、これまで、商業的に実現性のあるプロセスは未だ開発されていない。このことは、少なくとも部分的には、これらのモノマー化合物の低い反応性(例えば、ケテンアセタール)とそれらの水に対する不安定性とに起因する。さらに、開環重合システムについての既知の重合機構は、それらのリビングタイプの速度論については知られていない。
驚くべきことに、多機能制御剤(一般式(XIII)及び(XIV)により記述されるような)環状構造が、重合条件下で、開環反応を導くことが発見された。このため、形成されるポリマーは、以下の一般式で同定される。
Figure 2005320549

ここで、R,R及びRは、上記と同一の定義を有し、Aは、モノマーAのブロックの繰り返し単位を表す(n”は、ブロックの重合度であり、m”は、付加した制御剤を有するブロックの繰り返し単位の数であり、*はポリマー末端を表す)。モノマーAから形成されるポリマーの分子量は、通常、上述したように、モノマー/制御剤比を制御することにより制御される。
一般式(XXI)に示されるように、この発明の多機能制御剤は、また、いくつかの実施形態では、エチレンモノマーのフリーラジカル重合により通常得られるような、炭素−炭素ポリマー鎖の主鎖中にジチオカルバゼート化合物(すなわち、N−NC(=S)S)を提供する。このことは、いくつかの用途に対しては望ましく、例えば、そのようなポリマーは、UV、光、熱、生物化学的若しくは化学的処理のような外部刺激を印加することにより、チオカルボニルチオ架橋を***させることが知られている低分子量材料に低減可能である。短いポリマー鎖は、容易に生物的に劣化可能であることが知られているので、そのようなポリマーは、日光に暴露することにより、若しくは酵素分解により劣化可能な熱可塑性プラスチックとして使用可能である。
さらに、マルチブロックコポリマー(ABは、(Aで記載される第1のマルチブロックホモポリマーを調製し、次いで以下の一般式により同定される(ABを得るためにモノマーBを添加することによる2段階プロセスで取得可能であり、ここで、xはジチオカルバゼートN−NC(=S)S部を表し、yはA若しくはABブロックの数を表し、yは2以上である。
Figure 2005320549

ここで、R,R及びR、n”及びm”は、上記と同一の定義を有し、AはモノマーAのブロックの繰り返し単位を表し、Bは、モノマーBのブロックの繰り返し単位を表し、o”は、モノマーBの重合度である。モノマーA及びBは、上記のリストの中の任意のものから選択される。(AB)コポリマーとして類似の構造を有するコポリマーが、通常、異なるモノマーの複数の逐次添加により調製され、ブロックの数が増加し、BモノマーによるAブロックの汚染が増大する限り、制御の喪失のような通常の落とし穴を伴う。この新しいプロセスがこれらの困難を軽減する。
多機能制御剤に対する一般式は、また、以下のようにポリマー形態に書き直すことができる。
Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

ここで、一般式(XXIII)乃至(XXXI)中の変数は上記の意味を有する。
この発明のポリマーは以下の一般式により同定される。
Figure 2005320549

ここで、Mは、モノマー若しくはモノマー混合物若しくは異なるモノマー(上記のリストの任意のもの)の少なくとも2つのブロックであり、fは、重合度であり、R,R,R及びRは、上記の定義のとおりである。
エマルジョン実施形態における多機能制御剤に対する一般式は、以下のように、ポリマー形式に書き直すことができる。
Figure 2005320549

Figure 2005320549

Figure 2005320549

ここで、一般式(XXXI’)乃至(XXXI'''')中の変数は上記の意味を有する。
この発明のいくつかの実施形態では、例えば、疎水性及び親水性モノマーの両者を有するブロックコポリマーを製造することが望ましく、これらのモノマーは上記のリストから選択される。この場合、上記一般式中のモノマーMは、A若しくはB若しくはさらなるブロックである。
ここで使用するように、「ブロックコポリマー」は、少なくとも2つの異なる組成を有するセグメントから成るポリマーをいい、多数の異なる構造のうちで任意の1つを有し、ここで、モノマーは、全く統計的な方法若しくは制御されない方法でポリマー構造中には含まれない。単一のブロックタイプのポリマー構造中には、3,4若しくはそれ以上のモノマーが存在する可能性があるが、ここでは、ブロックコポリマーとして参照される。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、A−B構造を有する(「A」及び「B」はモノマーを表す)。ブロックコポリマーに定義に含まれる他の構造は、A−B−A,A−B−A−B,A−B−C,A−B−C−A,A−B−C−A−B,A−B−C−B,A−B−A−C(Cは第3のモノマーを表す)、及び当業者に明らかになるであろう他の組合せを含む。ブロックコポリマーは、モノマーの逐次添加若しくは上述した多機能制御剤を使用することを含む数多くの方法で調製可能である。もちろん、多機能制御剤を使用する場合には、制御剤は、コポリマーの1以上のブロックの間に架橋基を形成する可能性がある。
別の実施形態においては、この発明のブロックコポリマーは、1以上のブロックの単一のモノマーを有する1以上のブロックのランダムコポリマーを含む。このため、A−R,A−R−B,A−B−R,A−R−B−R−C等のポリマー構造がここでは含まれ、ここで、Rは、モノマーA及びB若しくはモノマーB及びCのランダムブロックである。いくつかの実施形態では、例えば、ランダムブロックRは、ブロックコポリマーの5乃至80重量%の間にあると計算されるであろう。他の実施形態では、用途に応じて、ランダムブロックRは、ブロックコポリマーの重量より大きいと計算され若しくは小さいと計算されることもある。さらに、ランダムブロックは、アルゴリズム的にランダムブロックに沿って変化する、1つのモノマーから他のモノマーに至る組成勾配(例えば、A:B)を有することがあり、当該アルゴリズムは、所望の勾配を有する線形的、所望の指数(0.1乃至5の数のような)を有する指数関数的、若しくは対数的である。ランダムブロックは、組成ドリフトのような、他のラジカル共重合及びその組成において存在するであろう同一の速度論的効果を受け、サイズは、マルコフ速度論のような速度論により影響される。この明細書において他に掲げられた任意のモノマーは、この発明のブロックコポリマーにおいて使用可能である。
この発明のブロックコポリマーの範囲内にある「ブロック」は、典型的には、1つのタイプから成る(上述したように、組成若しくは重量%で定義されるランダムブロックを有する)約10以上のモノマーから構成される。好ましい実施形態においては、1つのブロック内のモノマーの数は、約15以上、若しくは約20以上、若しくは約50以上である。しかし、代替的な実施形態においては、この発明のブロックコポリマーは、コポリマー中のいずれにも表されない2以上のモノマーとして定義されるブロックを有する。この定義は、実質的にホモポリマー的なポリマーの一端若しくは両端に少量の第2のモノマーを添加することを含む意図である。この代替的な実施形態では、上述した同一のコポリマー構造が適用される。それ故、この定義は、他の分子と反応可能な1以上の官能末端基を含むテレケリック(telechelic)ポリマーを含む。このため、通常、テレケリックポリマーは、この発明の定義内のブロックコポリマーである。テレケリックポリマーの一端若しくは両端に存在する官能基は、当業者に既知であり、例えば、水酸基、アルデヒド、カルボン酸若しくはカルボン酸塩、ハロゲン、アミン等を含み、これらは、別の分子と結合する若しくは結合を形成する能力を有する。同様に、本発明のブロックコポリマーは、アリル基で終端する若しくはビニル基で終端するテレケリックのような2つの官能基を有するテレケリックポリマーを含むことを意図され、末端官能基を介した重合反応に関与する能力のために、マクロモノマー若しくはマクロマーとして参照されることもある。
上記の実施形態を組み合わせて、ブロックコポリマーを設計する特別に強力な方法が提供される。例えば、ブロックコポリマーは、F−A−B−Fの構造を有することが可能であり、ここで、Fは、1つのF−A−B−F構造内の同一若しくは異なる官能基を表す(それ故、これは、F−A−B−F’を含んでもよい)。この発明の範囲内にある他のブロックポリマー構造は、A−R−B−F及びF−A−R−B−Fを含む。他の構造は、この明細書を検討するときに当業者に明らかになるであろう。実際、任意の特定の理論と結合することを望むことなく、それが、これらの新規なブロックコポリマーを製造する能力を提供するこの発明のエマルジョンのリビング性である。
1つの実施形態では、ブロックコポリマーは、異なるモノマー若しくはモノマー混合物をリビング重合反応に逐次的に添加することにより組立られる。別の実施形態においては、予備組立された機能化ブロック(テレケリックオリゴマー若しくはポリマーのような)をリビングフリーラジカル重合混合物に添加して、ブロックコポリマーを生成する。理想的には、各ブロックの成長は、高い転化率を誘起する。転化率は、サイズ除外クロマトグラフィSEC(size exclusion chromatography)によるモノマーピークに対してポリマーピークを積分することにより決定される。UV検出については、ポリマー応答要因は、各ポリマー/モノマー重合混合物に対して決定されなければならない。典型的な転化率は、各ブロックについて50%乃至100%であり得る。中間の転化率は、重合の相対速度及びモノマー添加に応じて、2以上のホモポリマーブロックを分離するランダムコポリマーブロックを有するブロックコポリマーの形成に導くことができる。高い転化率では、ランダムブロックのサイズが十分小さく、その結果、相分離、熱挙動及び機械的弾性率のようなポリマー特性の影響を受けない。この事実は、生成するポリマーの特性に測定できるような影響を及ぼすことなく重合時間を改善するのに意図的に活用可能である。このことは、所望レベルの転化率(例えば>80%)が達成されたときに、例えば、酸、塩基、酸化剤、還元剤、ラジカルソース、不純物除去剤等を導入することにより制御剤をニュートラルにして、重合のリビング性を意図的に「殺す」若しくは終了させることにより達成される。制御剤が存在しない場合には、重合は残存モノマーが消費されるまで制御されずに継続する(典型的には、随分速い反応速度で)。ブロックコポリマーは、モノマー、モノマー混合物、オリゴマー、若しくは多数の利用可能な官能基を有するポリマーのグラフト化により形成可能である。
他の実施形態においては、ブロックコポリマーは、グラフト化プロセス、テレケリックポリマーの調製、マクロモノマーの調製等により調製可能である。これらの実施形態では、少なくとも1つのポリマーセグメントが、この発明のリビングプロセス若しくは制御されたプロセスから得られ、一方で、他のセグメントは、例えば、制御された若しくは制御されないラジカル重合、縮合重合、ツィーグラーナッタ及び関連プロセス、開環複分解重合、イオン重合、表面修飾若しくはグラフト化、若しくは、他の添加プロセス若しくは段階成長プロセスを含む、任意の重合プロセスから取得可能である。
ブロックコポリマーは、潜在的に異なったポリマー特性の組合せを(硬い/軟い及び/又は親水性/疎水性ブロックのような)、1つのポリマー鎖にすることを許容する。硬い/軟いブロックコポリマーは、大きく異なるガラス転移温度Tを有するセグメントを組み合わせる。典型的な硬い/軟いコポリマーは、相対的に「硬い」ブロック(例えば、スチレン)と相対的に「軟い」ブロック(例えば、ブチルアクリレート)との対である。生成する材料は、構成セグメントのいずれにも発見されなかった特性を所有することができる。ミクロフェーズの分離及びブロックコポリマーの種々の相モルホルジーの存在は、多数のブロックコポリマーのユニークな特性と関連する。例えば、硬い材料の剛性若しくは堅固さを軟い材料のコンプライアンスと組み合わせることにより、ブロックコポリマーは、モルホルジーに応じて溶融条件下での加工性、弾性、耐摩耗性及び耐破壊性、及び所望のクリープ特性(外部応力下での材料の形状保持能力に対応する)のような有利な特性を示し、押出可能なバルク材料、コーティング及び分離媒体としての用途に適当なものとする。硬い/軟いコポリマーの正確な特性は、構成ブロックのガラス転移温度の差異に大きく依存し、従って、特定の距離(温度)だけ離れたガラス転移温度を有するモノマーの選択により、特定の所望の特性を有する硬い/軟いコポリマーを形成することができる。このため、一方で、1つの用途については、例えば、用途に応じてTgを選択(それ故材料の選択)することにより、20℃だけ異なるガラス転移温度を有するブロックを組み合わせることが適当なことがある。
同様に、本発明により製造される疎水性ブロックコポリマーは、界面活性剤若しくは、分散剤、不純物除去剤、表面処理等の用途に適当な材料を形成する疎水性及び親水性特性の組合せを示す。モノマーの全ての比率及び分子量に対して異なるブロックサイズの使用により、例えば、熱可塑性プラスチック、エラストマー、接着剤、及びポリマーミセルのような新規化合物のファミリーを形成する。
複数アームのポリマー若しくは星型ポリマーは、本発明の制御された条件の下で複数のフリーラジカル重合を開始させることができる開始剤を使用して、生成可能である。そのような開始剤は、例えば、上述した多機能鎖転移剤を含む。開始に続いて、各アームの成長は、線形ポリマーに対して述べた同一のリビング速度論により制御され、そのアームが独立のホモポリマーと同様にジ、トリ、若しくは高次のブロックポリマーを含む、星型ポリマーを組み立てることを可能にする。その代わりに、エチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリアミド、トリメチルプロパントリアクリレート等のような架橋モノマーの添加に続いて、末端機能化されたオリゴマー若しくはポリマーを成長させることにより、複数アームのポリマーが形成される。これらの方法により製造される星形ポリマーの小さい流体力学的な容積は、低粘度、高いM、及び、レオロジー制御、熱硬化性材料、及び分離媒体のような用途に有効な高い機能性のような特性を提供する。同様に、分岐した若しくは複数のエチレンを有する不飽和モノマーの含有は、再度この発明のリビング速度論特性を示すグラフトポリマーの調製を可能にする。この発明によるブロックコポリマーの存在は、核磁気共鳴(NMR)、第1のモノマーのリビング重合の鎖成長のために第2のモノマーを添加する時に測定される分子量の増加、ミクロフェーズの分離(例えば、長いレンジオーダー、顕微鏡及び/又は複屈折測定)、機械特性測定(例えば、ハード/ソフトブロックコポリマーの弾性率)、熱分析及びクロマトグラフィー(例えば、ホモポリマーの欠如)を含む、当業者に既知の方法により決定される。
(実施例)
制御剤の合成は、窒素若しくはアルゴン雰囲気下で実行された。他の化学品は、モノマーを除いて、商業的ソースから購入し、そのまま使用し、モノマーは、基本的に酸化アルミニウムから成る短いカラムを介して濾過して阻害剤(inhibitor)を除去し、真空を印加して脱気した。全ての重合混合物は、窒素若しくはアルゴン雰囲気下で密閉されたグローブボックス内で調製され、重合は、60℃乃至70℃で実行された。初期的スクリーニング用に自動化迅速GPCシステム(ここで引用により参照されるWO99/51980)を使用して、サイズイクスクルージョンクロマトグラフィ(Size Exclusion Chromatography)が実行され、二次的スクリーニング用に自動化された従来のGPCシステムを使用した。従来のシステム及びポリスチレンベースのカラムに対してはTHFであるのに対して、この準備段階においては、トリフルオロ酢酸を0.1%含有するN,N−ジメチルホルムアルデヒドが迅速GPCシステム用の溶離剤として使用された。取得された全ての分子量の結果は、リニアポリスチレン標準物質に対して相対的なものである。溶媒としてCDCl(クロロホルム−d)を有するブルッカー分光計(300MHz)を使用して、NMRが実行された。
(実施例1)

Figure 2005320549

磁石撹拌棒を有し窒素雰囲気下に維持された50mLの丸底フラスコに、ヒドラジンA’−1(4.0g、20mmol)、水酸化ナトリウム(0.8g、20mmol)及びエタノール(20mL)を注入した。反応混合物は、水/氷浴中で冷たく保存した。得られた溶液に、二硫化炭素(1.21mL、20mmol)を滴下した。滴下終了後、この混合物を、さらに1時間撹拌した。次いで、エチル−2−ブロモプロピオネート(2.6mL、20mmol)を0℃で反応混合物に添加した。反応終了後に、薄膜クロマトグラフィー(thin layer chromatography、TLC)によりモニタしながら、反応混合物を、80mLの水に注ぎ、続いて、エチルアセテート(2×80mL)を用いて抽出した(2×80mL)。有機層を、さらに、水(2×80mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフ(flash chromatograph)により、さらに精製した。所望の制御剤A−1は、72%の収率(5.4g)で得られた。
(実施例2)

Figure 2005320549

磁石撹拌棒を有し窒素雰囲気下に維持された50mLの丸底フラスコに、ヒドラジンB’−1(1.6g、10mmol)、水酸化ナトリウム(0.4g、10mmol)及びDMSO(20mL)を注入した。反応混合物は、水/氷浴中で冷たく保存した。得られた溶液に、二硫化炭素(0.6mL、10mmol)を滴下した。滴下終了後、この混合物を、さらに1時間撹拌した。次いで、エチル−2−ブロモプロピオネート(1.81g、1.3mL)を0℃で反応混合物に添加した。反応終了後、TLCによってモニタしながら、反応混合物を、80mLの水に注ぎ、次いで、エチルエーテル(2×80mL)を用いて抽出した。有機層を、さらに、水(2×80mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフで精製した。所望の制御剤B−1は、67%の収率(1.6g)で得られた。
(実施例3)

Figure 2005320549
100mLの丸底フラスコに、外界温度でヒドラジンC’’−1(3mL、30mmol)及びアセトン(20mL)を注入した。ヒドラジンC’−1の定量的な収率を得るために、アセトンの過剰物を減圧下で除去した。磁石撹拌棒が備え付けられ、窒素雰囲気下に維持されたフラスコに、外界温度で水酸化ナトリウム(1.2g、30mmol)、ジメチルスルホキシド(DMSO)(60mL)が注入された。反応混合物は、水浴中で冷たく保存された。得られた溶液に、二硫化炭素(1.8mL、30mmol)を滴下した。滴下終了後、この混合物を、さらに1時間撹拌した。次いで、エチル−2−ブロモプロピオネート(3.9mL、30mmol)を反応混合物に添加した。反応終了後に、TLCでモニタしながら、反応混合物を120mLの水に注ぎ、続いて、エチルアセテート(2×80mL)で抽出した。有機層を、さらに、水(2×80mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフでさらに精製した。所望の制御剤C−1は、65%の収率(6.3g)で得られた。
(実施例4)

Figure 2005320549

磁石撹拌棒を有し窒素雰囲気下に維持された100mLの丸底フラスコに、ピラゾールD’−1(1.36g、20mmol)、水酸化ナトリウム(0.8g、20mmol)及びDMSO(40mL)を注入した。反応混合物は、水/氷浴中で冷たく保存した。得られた溶液に、二硫化炭素(1.2mL、20mmol)を滴下した。滴下終了後、この混合物を、さらに1時間撹拌した。次いで、エチル−2−ブロモプロピオネート(2.6mL、20mmol)を反応混合物に滴下した。反応終了後、TLCでモニタしながら、反応混合物を80mLの水に注ぎ、続いてエチルアセテート(2×80mL)で抽出した。有機層を、さらに、水(2×80mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフでさらに精製した。所望の制御剤D−1は、85%の収率(4.15g)で得られた。
(実施例5)

Figure 2005320549

磁石撹拌棒を有し窒素雰囲気下に維持された100mLの丸底フラスコに、ピラゾールE’−1(1.36g、20mmol)、水酸化ナトリウム(0.8g、20mmol)及びDMSO(40mL)を注入した。反応混合物は、水/氷浴中に冷たく保存した。得られた溶液に、二硫化炭素(1.2mL、20mmol)を滴下した。滴下終了後、この混合物を、さらに1時間撹拌した。次いで、ベンジルブロマイド(benzyl bromide)を反応混合物に滴下した。反応終了後、TLCでモニタしながら、反応混合物を80mLの水に注ぎ、続いてエチルアセテート(2×80mL)で抽出した。有機層を、さらに、水(2×80mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフでさらに精製した。所望の制御剤E−1は、91%の収率(4.3g)で得られた。
(実施例6)

Figure 2005320549

磁石撹拌棒を有し窒素雰囲気下に維持された100mLの丸底フラスコに、ヒドラジンF’−1(6mL、30mmol)、水酸化ナトリウム(1.2g、30mmol)及びDMSO(60mL)を注入した。反応混合物は、水/氷浴中で冷たく保存した。得られた溶液に、二硫化炭素(1.8mL、30mmol)を滴下した。滴下終了後、この混合物を、さらに1時間撹拌した。次いで、エチル−2−ブロモプロピオネート(3.9mL、30mmol)を反応混合物に滴下した。反応終了後、TLCでモニタしながら、反応混合物を120mLの水に注ぎ、続いて、エチルアセテート(2×80mL)で抽出した。有機層を、さらに、水(2×80mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した。粗原料(crude material)は、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(silica gel column chromatography)で精製された。所望の制御剤F−1は、55%の収率(3.93g)で得られた。
(実施例7−15)
これらの実施例は、本発明の制御剤、特に、上述した合成の制御剤A−1、B−1、C−2及びF−1を用いた種々のモノマーの重合を実証する。各重合を、通例と同様に、まずTHF中の各制御剤の0.6Mの原液を調製することによって行った。各重合において3mmolの単一モノマーを用いた。各重合において2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)を反応開始剤として用い、制御剤に対して10モル%の量で用いた。制御剤は、各重合においてモノマーの量に対して0.5モル%だった。各反応の重合混合物は、密封状態のガラスバイアル中で、常温で反応成分が自動的に析出することによって生成された。各重合反応を、60℃の温度で、1時間、4時間、12時間及び16時間行った。従って、例えば、重合は、4回、各期間で1回ずつ行われた。用いられたモノマーは、スチレン(Sty)、酢酸ビニル(VA)、及びメチルアクリレート(MA)であり、それぞれ、純結晶形(neat form)で用いられ、実施例の始めの段落で説明したようにして調製された。これらの重合の結果を以下の表2に示す。
また、同一の重合混合物が生成された一連の制御実験も実施した。ただし、これらの制御実験では、制御剤は添加しなかった。ゲルまたは非常に高い分子量のポリマーが得られたため、これらの制御実験の結果の詳細についてはレポートしない。
Figure 2005320549

Figure 2005320549
(実施例16)
この実施例は、制御剤B−1(上述のように調製されたもの)の存在および欠如したブチルアクリレートホモ重合を説明する。
新たに調製されたn−ブチルアクリレート(5727uL)及びCTA−3(68mg)を含む3つの反応容器に、それぞれ、50uL、150uL、300uLのAIBN原液(トルエン中で32.8mg/mL)を添加した。加えて、50uLのAIBN原液に準備し、制御剤が欠如したブランク反応とした。密封されたガラス容器内で重合が60℃で15時間行った。
表3に結果を示し、通常のGPCでサンプルを行った。
Figure 2005320549
(実施例17)
制御剤E−1の存在におけるブチルアクリレート及びスチレンホモ重合を以上に示す。
新たに調製されたn−ブチルアクリレート(5727uL)と、制御剤E−1(46.8mg)と、トルエン(50uL)中に32.8mg/mLの濃度のAIBN溶液との原液混合物を、5つの4mLの反応容器に分けた。スチレン(4577uL)と、制御剤E−1(46.8mg)と、トルエン(50uL)中の32.8mg/mLの濃度のAIBN溶液と、新たに調製された原液混合物を、5つの4mLの反応容器に分けた。60℃の温度と70℃の温度とで、重合が1時間乃至22時間行った。
結果を表4に示し、通常のGPCでサンプルを行った。
Figure 2005320549

Figure 2005320549
(実施例18)
この実施例に関して195のエマルジョン重合実験を行った。重合を、上端が離膜によって密閉されたガラス反応容器中で行った。ピペットまたは液体ハンドリングロボットを介して試薬を添加した。半連続的な重合プロセスは、概して、約3乃至約13μLのモノマー、反応開始剤及び界面活性剤の約4乃至約8分の間隔でモノマー及び他の試薬の定期的な添加を含み、約4乃至約5時間の間に各反応容器にトータルで約1乃至約2mL添加した。
ここで参照により引用される米国特許第6260407号、に記載されているように、溶離液及びポリスチレンベースのカラムとしてTHFを備える自動ゲル浸透クロマトグラフィシステムを用いてサイズイクスクルージョンクロマトグラフィを行った。得られた分子量及び多分散性指数(PDI)の全結果は、リニアポリスチレン基準に関連する。オートメーテッドHP5800ガスクロマトグラフィシステム(ヒューレットパッカードから入手可能)を用いることにより、モノマーの消費を測定した。例えば、ここで参照により引用される2000年10月11日に出願された米国特許第09/689553号、に記載されているパラレルダイナミックライトスキャッタリング装置等を用いることにより、ラテックス粒子サイズを検測した。固形分転化率(solid content conversion)は、Bodhan Balance Automator(登録商標)(Mettler-Toledo, Inc.,及びVernon Hillsより入手可能)を用いたサンプルの重さを物理的に量ることに基づいた。
これらの実施例は、上述した合成の制御剤C−1を用いたエマルジョンにおけるn−ブチルアクリレートの重合を実証する。各重合を、通例と同様に、半連続的なプロセスで行った。モノマーの一部と、反応開始剤と、界面活性剤と、水、安定化モノマー、炭酸水素ナトリウムを含む試薬とを、室内温度で反応容器に注入した。混合物を、5分間、80℃の反応温度にした。反応が反応温度に達したときに、反応容器中へ純モノマーの残りと反応開始剤及び水溶液としての界面活性剤の残りとの添加を開始し、この添加を、それぞれ、4時間、5時間半連続的に行った。最後の添加が終了後、さらに2時間おいて反応を進行させた。各重合では3gを総量とした。モノマーは33.3重量%の濃度である。各重合で、反応開始剤としてパーサルフェイトナトリウムを用いた。界面活性剤として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼンスルフォネイトナトリウム(Sodium dodecylbenzenesulfonate, SDBS)、商用調合ロダカル(commercial formulation Rhodacal)A−246/Lを用いた。緩衝剤として炭酸水素ナトリウムを用いた。メタリルサルフォネイト(MS)及びアクリル酸(AA)を含む2種類の安定化モノマーを検査した。目標とした280000g/molの分子量を完全なモノマー転化で得るために、各重合中の制御剤を、モノマーの量に対して0.5モル%で相対させた。反応成分の自動的な析出によって各反応の重合混合物が生成された。以下、上述した分析方法による化学量論的組成の詳細を表5に示し、これらの重合の結果を表6に示す。
また、同一の重合混合物が生成された一連の制御実験も実施した。ただし、これらの制御実験では、制御剤は添加しなかった。ゲルまたは非常に高い分子量のポリマーを持つ通常の安定したラテックスが概して得られたため、これらの制御実験の結果の詳細についてはレポートしない。
Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
表5:プロセスの種類(数値は全モノマーに対する相対的な重量%)

Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
Figure 2005320549
表6:結果
これらの実施例は、本発明の制御剤が、広範囲な重合条件にもかかわらず、良好なラテックス安定性、ポリマーの定量収率、制御された分子量及び低い多分散性を提供することを示す。
(比較例19)

Figure 2005320549
この構造を持つ制御剤を用いた以外、上述の実施例18と同様にして比較例を行った。この制御剤は、既存の手法、例えばWO99/31144の手法によって調製されたものである。表7は、この制御剤を用いるエマルジョン重合に適用された実験条件を示し、表8は、実験の結果を示す。
Figure 2005320549
Figure 2005320549
表7:プロセスの種類(数値は全モノマーに対する相対的な重量%)

Figure 2005320549
Figure 2005320549
表8:比較例の結果
これらの結果は、この比較用実施例の制御剤が、分子量に対する制御を提供せず、エマルジョン条件下で10以上の多分散性指数を持つ広範囲な分子量分散を導く、ということを示す。
(実施例20)
上記合成の制御剤C−1を用いることにより、エマルジョン中でn−ブチルアクリレート/スチレンのダイブロックコポリメリゼーション(diblock coporimerization)を達成することができる。この重合はワンポット(one-pot)手法によって行われ、第1のモノマーの重合が完了した後に第2のモノマーと追加の反応開始剤とが逐次的に導入される。上記実施例18に記載された条件でポリn−ブチルアクリレートの第1のブロックを調製する。813mgのスチレンと0.33重量%の濃度の1.5mLのパースルフェイトナトリウム水溶液とが6または7時間のそれぞれで半連続的に添加されることにより、80℃でポリn−ブチルアクリレートエマルジョンがもたらされる。最後の添加終了後、反応混合物を、さらに2時間撹拌する。安定したエマルジョンが形成され、この特性の詳細を表9に示す。
Figure 2005320549
表9:ポリ(n−ブチルアクリレート)ブロックポリスチレンの結果
上記の記載は、図解的であることを意図され、制限的ではないことが理解されるべきである。多数の実施形態が、上記記載を読んで当業者に明らかになるであろう。それ故、本発明の範囲は、上記記載を参照して決定されるべきではなく、添付のクレームを参照し、当該クレームに与えられる均等の全範囲に沿って決定されるべきである。特許出願及び刊行物を含む全ての論文及び文献の開示は、全ての目的について、ここで参照により組み込まれる。

Claims (11)

  1. (1)1以上のモノマーと、少なくとも1つのフリーラジカルソースと、チオカルボニル基を有する制御剤と、から成る混合物を形成し、
    (2)前記混合物がチオ部を含むポリマーとなる重合条件を適用し、
    (3)ポリマーからチオ部を分離する、
    ことを特徴とするフリーラジカル重合方法。
  2. 前記制御剤は、少なくとも1つのN−N結合を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のフリーラジカル重合方法。
  3. 前記制御剤は、以下の一般式で表され、
    Figure 2005320549

    は、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアルコキシ、オプション的に置換されたヘテロシクリル、オプション的に置換されたアルキルチオ、オプション的に置換されたアミノ、オプション的に置換されたポリマー鎖、−CHPh,−CH(CH)COCHCH,−CH(COCHCH,−C(CHCN,−CH(Ph)CN及び−C(CHPhから構成されるグループから選択され、
    及びRは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子を含むヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから、それぞれ独立に選択され、オプション的にR及びRは、一緒に二重結合を形成し、オプション的に置換されたアルケニル部を形成し、
    は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから選択され、オプション的に、RがR及び/又はRと結合して環状構造を形成し、当該環状構造は3乃至50の非水素原子を有し,
    Dは、硫黄、セレン若しくはテルルのいずれかである、
    ことを特徴とする請求項2に記載のフリーラジカル重合方法。
  4. 前記チオ部は、化学的または熱的方法により分離される、ことを特徴とする請求項1に記載のフリーラジカル重合方法。
  5. 前記分離では、ポリマーを塩基、酸、無水物、または、酸化剤と接触させる、ことを特徴とする請求項1に記載のフリーラジカル重合方法。
  6. (1)1以上のモノマーと、少なくとも1つのフリーラジカルソースと、チオカルボニル基を有する制御剤と、から成る混合物を形成し、
    (2)前記混合物がチオ部を含むポリマーとなる重合条件を適用し、
    (3)重合後に、酸、塩基、酸化剤、還元剤、ラジカルソース、不純物除去剤、及び、これらの組合わせから構成されるグループの少なくとも1つを導入する、
    ことを特徴とするフリーラジカル重合方法。
  7. 前記(3)の工程では、重合後に、ラジカルソースを導入する工程を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のフリーラジカル重合方法。
  8. 前記ラジカルソースは、開始剤である、ことを特徴とする請求項7に記載のフリーラジカル重合方法。
  9. 前記制御剤は、少なくとも1つのN−N結合を有する、ことを特徴とする請求項6に記載のフリーラジカル重合方法。
  10. 前記制御剤は、以下の一般式で表され、
    Figure 2005320549

    は、オプション的に置換されたアルキル、オプション的に置換されたアリル、オプション的に置換されたアルケニル、オプション的に置換されたアルコキシ、オプション的に置換されたヘテロシクリル、オプション的に置換されたアルキルチオ、オプション的に置換されたアミノ、オプション的に置換されたポリマー鎖、−CHPh,−CH(CH)COCHCH,−CH(COCHCH,−C(CHCN,−CH(Ph)CN及び−C(CHPhから構成されるグループから選択され、
    及びRは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子を含むヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから、それぞれ独立に選択され、オプション的にR及びRは、一緒に二重結合を形成し、オプション的に置換されたアルケニル部を形成し、
    は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子を含むヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビル及びこれらの組合せから構成されるグループから選択され、オプション的に、RがR及び/又はRと結合して環状構造を形成し、当該環状構造は3乃至50の非水素原子を有し,
    Dは、硫黄、セレン若しくはテルルのいずれかである、
    ことを特徴とする請求項6に記載のフリーラジカル重合方法。
  11. 前記Rは水素であり、前記R及びRは5つのメンバから形成されるオプション的に置換されたヘテロ環である、ことを特徴とする請求項10に記載のフリーラジカル重合方法。
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