JP2005317544A - 電子放出素子用カソード基板,電子放出素子及びその製造方法 - Google Patents

電子放出素子用カソード基板,電子放出素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子放出部から放出された電子を集束させて画面の色純度を高め,さらに電子放出部に対する電子加速電極電圧の影響力を遮断することができるとともに,製造効率を高めることができる,電子放出素子用カソード基板,これを備えた電子放出素子,及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に形成された電子放出部12からの電子放出を制御する少なくとも一つの駆動電極10を有する電子放出素子用カソード基板において,少なくとも一つの駆動電極10が表面に形成される第1絶縁層8と,電子放出部12から放出された電子を集束させるためのフォーカシング電極18と,少なくとも一つの駆動電極10とフォーカシング電極18との間に位置する第2絶縁層16と,を備え,第1絶縁層8及び第2絶縁層16は,異種物質からなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は冷陰極を用いる電子放出素子に係り,電子放出部を備える電子放出素子用カソード基板,電子放出素子及びその製造方法に関するものである。
一般に,電子放出素子は,電子源の種類によって,熱陰極(hot cathode)を用いる方式と,冷陰極(cold cathode)を用いる方式とに分類できる。ここで,冷陰極を用いる方式の電子放出素子としては,電界放出アレイ(field emitter array:FEA)型,表面伝導エミッション(surface−conduction emission:SCE)型,金属−絶縁層−金属(metal−insulation−metal:MIM)型,及び金属−絶縁層−半導体(metal−insulation−semiconductor:MIS)型などが知られている。
前記MIM型とMIS型の電子放出素子は,それぞれ金属/絶縁層/金属(MIM)と金属/絶縁層/半導体(MIS)構造になった電子放出部を形成し,絶縁層を介在して位置する両金属間に,または金属及び半導体間に電圧を印加するとき,高い電子電位を有する金属または半導体から低い電子電位を有する金属側に電子が移動及び加速されながら放出される原理を用いる。
前記SCE型電子放出素子は,一側基板上に対向して配置された第1電極と第2電極との間に導電薄膜を形成し,この導電薄膜に微細亀裂を提供することにより,電子放出部を形成し,両電極に電圧を印加して導電薄膜の表面に電流が流れるとき,電子放出部から電子が放出される原理を用いる。
そして,前記FEA型電子放出素子は,仕事関数(work function)が低いか,または縦横比(aspect ratio)の高い物質を電子源として使用する場合,真空中で電界により容易に電子が放出される原理を用いるものであって,モリブデン(Mo)またはシリコン(Si)などを主材質とする先端の尖っているチップ構造物,あるいはカーボンナノチューブ,黒鉛,ダイアモンド状カーボンのようなカーボン系物質を電子源として適用した例が開発されている。
このように,冷陰極を用いる電子放出素子は,真空容器を構成する両基板のうち,第1基板上に,電子放出部と,電子放出部の電子放出を制御する駆動電極とを備え,第2基板上に,蛍光層と,第1基板側から放出された電子が蛍光層に向かって効率よく加速されるようにするアノード電極とを備えることにより,所定の発光または表示作用をする。
ところが,幾つかの電子放出素子においては,電子放出部から放出された電子が第2基板に向かう時,所定の傾斜角に広がりながら進行するので,外面の色純度を低める結果をもたらすことがあった。また,第2基板に設けられたアノード電極に高電圧を印加する時,この高電圧が電子放出部に影響を及ぼして,予期せぬ電子放出を引き起こす不具合があった。
したがって,このような問題が予想される電子放出素子において,これを解決するための方案の1つとして,第1基板と第2基板との間にグリッド基板を配置する構造が提案された。グリッド基板は複数のビーム通過孔が形成された金属簿板であって,第1基板と第2基板との間で両基板と一定間隔を置いて位置し,電子放出素子の駆動時,数十〜数百ボルトの(+)直流電圧を受ける。グリッド基板は,電子放出部から広がりながら進行する電子を遮断するとともに,アノード電極の高電圧による予期せぬ電子放出を遮断する役割をする。
しかしながら,電子放出素子がグリッド基板を備える場合,従来のグリッド基板は,薄い金属板からなり,複数の下部スペーサによって第1基板状構造物と一定の間隔を維持し,複数の上部スペーサによって第2基板状構造物と一定の間隔を維持しながら二枚の基板の間に配置されるので,組立過程でその取扱い及び整列が非常に難しいため,製造収率が低下し,製造原価が上昇するなどの問題が発生する。
そこで,本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,電子放出部から放出された電子を集束させて画面の色純度を高め,さらに電子放出部に対する電子加速電極電圧の影響力を遮断することができるとともに,製造効率を高めることができる,電子放出素子用カソード基板,これを備えた電子放出素子,及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,基板上部に形成された電子放出部からの電子放出を制御する少なくとも一つの駆動電極を有する電子放出素子用カソード基板において;少なくとも一つの駆動電極が接触して形成されている第1絶縁層と,電子放出部から放出された電子を集束させるためのフォーカシング電極と,少なくとも一つの駆動電極とフォーカシング電極との間に位置する第2絶縁層と,を備え,第1絶縁層及び第2絶縁層は,異種物質からなることを特徴とする,電子放出素子用カソード基板が提供される。
電子放出素子用カソード基板において,第2絶縁層上にフォーカシング電極を備えることにより,第2絶縁層が駆動電極とフォーカシング電極とを絶縁し,電子放出素子の駆動時には,電子放出部から放出された電子を集束させて画面の色純度を高めることができ,また,電子放出素子用カソード基板に対向して設けられるアノード基板に印加された高電圧が電子放出部に及ぼす影響を遮断することができる。また,フォーカシング電極は,組立過程が難しい従来のグリッド基板と異なり,第2絶縁層上に容易に形成できるので,製造原価を低減することができる。
第1絶縁層と第2絶縁層とは,所定の食刻液(エッチング液)に対して相違した食刻率(エッチングレート)を有するとよい。例えば,第2絶縁層の食刻液に対する第1絶縁層の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の1/3以下であることができる。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第1絶縁層がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
また,第2絶縁層の食刻液に対する第1絶縁層の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の3倍以上であることもできる。この場合には,一度の食刻工程で第2絶縁層の開口部及び第1絶縁層の開口部を形成することができるので工程を簡略化することができる。
さらに,少なくとも一つの駆動電極と前記第2絶縁層とは,所定の食刻液に対して相違した食刻率を有するとよい。例えば,第2絶縁層の食刻液に対する駆動電極の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の1/10以下であることができ,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,駆動電極がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
ここで,電子放出部は,電界が加わると電子を放出する物質であり,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種を含む材料からなることができる。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,互いに対向して配置される第1基板及び第2基板と,第1基板上に,第1絶縁層を介在して互いに絶縁された状態で配置され,駆動時に所定の駆動電圧が印加される第1電極及び第2電極と,第1電極または第2電極のいずれか一方の電極に連結される電子放出部と,電子放出部上部に,電子放出部が露出するように形成され,電子放出部から放出された電子を集束させるためのフォーカシング電極と,第1電または第2電極のいずれか一方の電極とフォーカシング電極との間に配置され,第1絶縁層と異なる物質からなる第2絶縁層と,第2基板上に形成される蛍光層と,蛍光層の一面に形成される少なくとも一つのアノード電極と,を備えることを特徴とする,電子放出素子が提供される。
電子放出素子において,第2絶縁層上にフォーカシング電極を備えることにより,電子放出素子の駆動時には,電子放出部から放出された電子を集束させて画面の色純度を高めることができ,また,アノード基板に印加された高電圧が電子放出部に及ぼす影響を遮断し,アノード電圧による予期せぬ電子放出を効果的に抑制することができる。また,フォーカシング電極は,組立過程が難しい従来のグリッド基板と異なり,第2絶縁層上に容易に形成できるので,製造原価を低減することができる。
第1絶縁層と第2絶縁層とは,所定の食刻液に対して相違した食刻率を有するとよい。また,第1電極または第2電極のいずれか一方の電極と第2絶縁層とは,所定の食刻液に対して相違した食刻率を有するとよい。これにより,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第1絶縁層と第1電極または第2電極とが,ともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
第1基板上に,第1電極,第1絶縁層,及び第2絶縁層が順次形成され,第1電極と第2電極とは,互いに直交するストライプパターンに形成されることができる。また,電子放出部は,第2電極と連結される場合には,第2電極の一側縁部に位置し,第2電極の側面と一側面が接触して形成されてもよい。
ここで,隣接する第2電極間に,電子放出部から所定間隔を置いて位置し,第1電極と同一の駆動電圧を受ける対向電極をさらに備えるとよい。対向電極は,電子放出素子の駆動時,第1電極と駆動電極とに所定の駆動電圧が印加されて電子放出部の周囲に電界を形成するとき,それ自体も電子放出部に向けて電子放出のための電界をさらに形成する役割をすることができる。
第2絶縁層及びフォーカシング電極は,対向電極の上部で,対向電極の少なくとも一部を露出させるように形成されるとよい。これにより,電子放出素子の駆動時,対向電極と対面する電子放出部の一側縁部から電子が集中的に放出されるので,第2絶縁層の開口部とフォーカシング電極の開口部とを介して電子をアノード基板に向けて通過させることができる。
第2絶縁層の食刻液に対する第1絶縁層の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の1/3以下であることができる。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第1絶縁層がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
第2絶縁層の食刻液に対する第2電極の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の1/10以下であることができる。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第2電極がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
第2絶縁層の食刻液に対する対向電極の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の1/10以下であることができる。上記と同様に,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,対向電極がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
第1電極は,後面露光用開口部を有するとよい。電子放出部を感光性ペーストを用いて形成する場合,第1基板上部から紫外線を照射して露光を行うと,電子放出部の底面まで紫外線が到達し得ないために電子放出部の接着力が低下し,パターン精度が低下することがあり得るが,後面露光用開口部により,第1基板の底面から紫外線を照射することができるので,電子放出部のパターン精度を向上させることができる。
または,第1基板上に,第2電極,第1絶縁層,及び第1電極が順次形成され,第1電極と第2電極とが互いに直交するストライプパターンに形成されていることもできる。この時,第1電極と第2電極との交差領域の,第1電極及び第1絶縁層には少なくとも一つの第1開口部が形成され,電子放出部は,第1開口部により露出された第2電極上に形成することができる。
また,第2絶縁層及びフォーカシング電極には第2開口部が形成され,第2開口部は,少なくとも一つの第1開口部に対応して形成することができる。電子放出部から放出された電子が第2絶縁層及びフォーカシング電極の第2開口部を介して電子をアノード基板に向けて通過させることができる。
第2絶縁層の食刻液に対する第1絶縁層の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の1/3以下であることを特徴とする。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第1絶縁層がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
第2絶縁層の食刻液に対する第1絶縁層の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の3倍以上であることを特徴とする。この場合には,一度の食刻工程で第2絶縁層の開口部及び第1絶縁層の開口部を形成することができるので工程を簡略化することができる。
第2絶縁層の食刻液に対する第1電極の食刻率は,第2絶縁層の食刻率の1/10以下である。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第1電極がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
第2電極は,第1開口部に対応して後面露光用開口部を有し,電子放出部は後面露光用開口部の位置に形成されてもよい。電子放出部を感光性ペーストを用いて形成する場合,第1基板上部から紫外線を照射して露光を行うと,電子放出部の底面まで紫外線が到達し得ないために電子放出部の接着力が低下し,パターン精度が低下することがあり得るが,後面露光用開口部により,第1基板の底面から紫外線を照射することができるので,電子放出部のパターン精度を向上させることができる。
電子放出部は,電界が加わると電子を放出する物質であり,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種を含む材料からなる。
フォーカシング電極は,第2絶縁層上に金属を蒸着またはスパッタリングした金属膜からなってもよいし,または開口部が加工された金属プレートを第2絶縁層上に付着してもよい。
さらに,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,電子放出部を有する電子放出素子の製造方法において;(a)第1基板上部に,第1絶縁層を介在して,電子放出部からの電子放出を制御する複数の駆動電極を形成する段階と,(b)駆動電極上に,所定の食刻液に対して第1絶縁層と異なる食刻率を有する第2絶縁層を形成する段階と,(c)第2絶縁層上に電子放出部から放出される電子を集束させるためのフォーカシング電極を形成する段階と,(d)第2絶縁層を食刻液または食刻ガスで食刻して,一つの駆動電極の一部を露出させる段階と,を含むことを特徴とする,電子放出素子の製造方法が提供される。
電子放出素子において,第2絶縁層上にフォーカシング電極を備えることにより,第2絶縁層が駆動電極とフォーカシング電極とを絶縁し,電子放出素子の駆動時には,電子放出部から放出された電子を集束させて画面の色純度を高めることができ,また,第1基板に対向するアノード基板に印加された高電圧が電子放出部に及ぼす影響を遮断することができる。この時,第1絶縁層と第2絶縁層とが異なる食刻率を有することにより,各層の損傷を防いだり,工程を簡略化したりすることができる。また,フォーカシング電極は,組立過程が難しい従来のグリッド基板と異なり,第2絶縁層上に容易に形成できるので,製造原価を低減することができる。
(d)段階の後,露出された一つの駆動電極部位に電子放出部を形成する段階をさらに含むことにより,電子放出部を形成することができる。
第1絶縁層及び第2絶縁層を形成するとき,第1絶縁層を,第2絶縁層の食刻液に対して第2絶縁層の食刻率の1/3以下の食刻率を有する物質で形成するとよい。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第1絶縁層がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
また,電子放出部を形成するとき,電界が加わると電子を放出する物質であるグラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種の物質に有機物を混合してペーストを製造し,ペーストをスクリーン印刷してから焼成する段階を含むことができる。
また,(d)段階の後,(e)段階として,第1絶縁層を部分食刻して他の一つの駆動電極の一部を露出させる段階と,(f)段階として,(e)段階で露出された他の一つの駆動電極部位に電子放出部を形成する段階とをさらに含むとよい。こうして,他の駆動電極部位に電子放出部を形成することもできる。
第1絶縁層及び第2絶縁層を形成するとき,第1絶縁層を,第2絶縁層の食刻液に対して第2絶縁層の食刻率の1/3以下の食刻率を有する物質で形成することができる。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,第1絶縁層がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
第1絶縁層及び第2絶縁層を形成するとき,第1絶縁層を,第2絶縁層の食刻液に対して第2絶縁層の食刻率の3倍以上の食刻率を有する物質で形成してもよい。この場合には,一度の食刻工程で第2絶縁層の開口部及び第1絶縁層の開口部を形成することができる。つまり,第2絶縁層及び第1絶縁層を部分食刻するとき,同一食刻液または食刻ガスにより,第2絶縁層及び第1絶縁層を一度の工程で食刻することができ,工程を簡略化することができる。
(a)段階で駆動電極を形成するとき,駆動電極は,第2絶縁層の食刻液に対して第2絶縁層の食刻率の1/10以下の食刻率を有する物質で形成するとよい。この場合,第2絶縁層を部分食刻して開口部を形成するとき,駆動電極がともに食刻されて損傷するのを防止することができる。
電子放出部を形成するとき,電界が加わると電子を放出する物質であるグラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種の物質に有機物を混合してペーストを製造し,ペーストをスクリーン印刷してから焼成する段階を含むことができる。
また,(c)段階でフォーカシング電極を形成するとき,第2絶縁層上に導電膜を形成し,これをパターニングする段階を含んでもよいし,金属プレートに開口部を加工し,金属プレートを第2絶縁層上に付着する段階を含んでもよい。つまり,フォーカシング電極は,第2絶縁層上に蒸着された金属膜からなってもよいし,第2絶縁層上に付着された金属プレートからなってもよく,製造工程を容易にすることができる。
以上詳述したように本発明によれば,フォーカシング電極を第2絶縁層上に備えることにより,製造工程を容易にして電子放出部から放出された電子を集束させて画面の色純度を高めることができ,電子放出部に対する電子加速電極電圧の影響力を遮断してアノード電圧による予期せぬ電子放出を効果的に抑制することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2に示すように,電子放出素子は,任意の大きさを有するカソード基板100とアノード基板200を,内部空間部が形成されるように,所定の間隔で実質的に平行に配置し,これらを1つに接合することにより,電子放出素子の外形である真空容器を構成している。
カソード基板100は,電子放出のための構成を備えて電子を放出する側の基板を意味し,アノード基板200は,電子により可視光を放出して発光面をなすか,または所定のイメージを表示する側の基板を意味する。カソード基板100及びアノード基板200の構成をより具体的に説明すると次のようである。
まず,第1基板2上には,第1電極(または駆動電極)であるゲート電極6が第1基板2の一方向(例えば図面のY軸方向)にストライプパターンに形成され,ゲート電極6を覆うように,第1基板2の全面に第1絶縁層8が形成される。第1絶縁層8上には,第2電極(または駆動電極)であるカソード電極10がゲート電極6と直交する方向に複数形成される。
そして,カソード電極10には,このカソード電極10に電気的に連結されるように,一部がカソード電極10と接触する電子放出部12が形成される。本実施の形態において,ゲート電極6とカソード電極10の交差領域を画素領域と定義すると,電子放出部12は,第1基板2上に設定される画素領域に対応してそれぞれ設けることができる。また,電子放出部12は,図示のように,各画素位置に合わせて,カソード電極10の一側辺部に位置し,カソード電極10に少なくとも一側面が取り囲まれる(接触する)ように形成できる。
本実施の形態において,電子放出部12は,電界が加わると電子を放出する物質,例えばカーボンナノチューブ,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,C60(fulleren),シリコンナノワイヤのいずれか1つ,またはこれらの組合からなり,その製造法としては,スクリーン印刷,直接成長,化学気相蒸着(CVD)またはスパッタリングなどを適用することができる。
そして,第1基板2上には,ゲート電極6の電界を第1絶縁層8上に引き上げる対向電極14が位置する。対向電極14は,カソード電極10間に電子放出部12から任意の間隔を置いて位置し,第1絶縁層8に形成されたビアホール8aを介してゲート電極6と接触して電気的に連結される。
対向電極14は,電子放出素子の駆動時,カソード電極10とゲート電極6に所定の駆動電圧が印加されて電子放出部12の周囲に電界を形成するとき,それ自体も電子放出部12に向けて電子放出のための電界をさらに形成する役割をする。このような対向電極14は,電子放出部12と同様,第1基板2上に設定された画素領域に対応してそれぞれ設けることができる。
カソード電極10及び第1絶縁層8上には,電子放出部12を露出させる開口部16aを有する第2絶縁層16と,開口部18aを有するフォーカシング電極18とが位置する。フォーカシング電極18は,図示のように,第2絶縁層16の上面全面に形成されるか,または所定のパターン,例えばストライプパターンに形成されることができる。また,フォーカシング電極18は第2絶縁層16上に金属を蒸着またはスパッタリングした金属膜からなるか,または開口部18aが加工された金属プレートを第2絶縁層16上に付着した構造からなる。
フォーカシング電極18は,電子放出素子の駆動時,電子放出部12から放出された電子を集束させ,第2基板4側に印加された高電圧が電子放出部12に及ぼす影響を遮断する役割をする。そして,第2絶縁層16は,カソード電極10とフォーカシング電極18との間に位置して,両電極間のショートを防止する役割をする。この際,第2絶縁層16の厚さが厚い方が,フォーカシング電極18の電子ビーム集束効果を高めることができるので,その厚さは10μm以上とすることが好ましい。
第2絶縁層16の開口部16aとフォーカシング電極18の開口部18aとは,第1基板2上に設定された画素領域に対応してそれぞれ設けられるが,電子放出部12とともに対向電極14の一部または全部を露出させるように形成されるとよい。対向電極14の一部または全部を露出させるのは,電子放出素子の駆動時,対向電極14と対面する電子放出部12の一側縁部から電子が集中的に放出されるので,第2絶縁層16の開口部16aとフォーカシング電極18の開口部18aとを介して電子を第2基板4に向けて全て通過させるためである(図2の破線矢印参照)。
このように,第1基板2上に,電子放出部12と,電子放出部12の電子放出を制御する駆動電極つまりカソード電極10及びゲート電極6と,電子ビームの集束のためのフォーカシング電極18とが設けられ,電極間の絶縁のために第1絶縁層8と第2絶縁層16とが設けられるとき,本実施の形態においては,第1絶縁層8と第2絶縁層16とは異種の物質からなり,より詳しくは任意の食刻液または食刻ガス(エッチング液またエッチングガス)による食刻率(エッチングレート)が相違した物質からなるものとすることができる。
このような食刻率の違いは,第2絶縁層16を部分食刻して開口部16aを形成するとき,第1絶縁層8がともに食刻されてその形態が損傷することを防止するためのもので,第2絶縁層16の食刻液または食刻ガスに対し,第1絶縁層8の食刻率は第2絶縁層16の食刻率の1/3以下となるとよい。
そして,第2絶縁層16とカソード電極10とも,任意の食刻液または食刻ガスに対し,相違した食刻率を有する物質からなるとよい。これも,第2絶縁層16を部分食刻して開口部16aを形成するとき,カソード電極10がともに食刻されて損傷することを防止するためのもので,第2絶縁層16の食刻液または食刻ガスに対し,カソード電極10の食刻率は第2絶縁層16の食刻率の1/10以下となるとよい。
一例として,第2絶縁層16がフッ化水素(HF)を含む食刻液によりパターニングされて開口部16aを形成するとき,カソード電極10の構成物質は前記食刻率の条件を満足させる金属,例えばアルミニウム(Al),クロム(Cr),モリブデン(Mo)のいずれか1種からなる。
この際,カソード電極10と同様,対向電極14も一部または全部が第2絶縁層16の開口部16aにより露出される構造となるので,対向電極14も,第2絶縁層16のパターニング過程で損傷するのを防止するため,第2絶縁層16の食刻液または食刻ガスに対し,カソード電極10と同一な食刻率の条件を満たすように形成されるとよい。すなわち,対向電極14は,前述したカソード電極10の構成物質と同一物質からなるとよい。
そして,第1基板2に対向する第2基板4の一面には蛍光層20と黒色層22とが形成され,蛍光層20と黒色層22上にはアルミニウムのような金属膜からなるアノード電極24が形成される。アノード電極24は電子ビームの加速に必要な電圧を受け,蛍光層20から放射された可視光のうち,第1基板2に向かって放射された可視光を第2基板4側に反射させて画面の輝度を高める役割をする。
また,アノード電極24は,金属膜でないITO(indium tin oxide)のような透明な導電膜からなり得る。この場合,アノード電極24は,第2基板4に設けられた蛍光層及び黒色層の一面と同じ面に位置し,所定のパターンに複数に区分されて形成できる。
前記のような構成のカソード基板100とアノード基板200は,カソード電極10と蛍光層20とが互いに交差するように対向した状態で,任意の間隔を置いてその周囲に塗布されるフリット(frit)のようなシール物質により接合され,その間に形成される内部空間を排気して真空状態に維持することにより,電子放出素子を構成する。この際,カソード基板100とアノード基板200間の非発光領域には複数のスペーサ26が配置されることにより,両基板2,4間の間隔を一定に維持する。
このように構成される電子放出素子は,外部からゲート電極6,カソード電極10,フォーカシング電極18及びアノード電極24に所定の電圧を供給することにより,駆動される。一例として,カソード電極10には数〜数十ボルトの(−)スキャン電圧が,ゲート電極6には数〜数十ボルトの(+)データ電圧が,フォーカシング電極18には数十〜数百ボルトの(−)直流電圧が,アノード電極24には数百〜数千ボルトの(+)直流電圧が印加される。
これにより,ゲート電極6とカソード電極10の電圧差が臨界値以上である画素において,電子放出部12の周囲に電界が形成され,電子が放出され,放出された電子はフォーカシング電極18を通過しながら,フォーカシング電圧により集束され,アノード電極24に印加された高電圧に引かれて当該画素の蛍光層20に衝突することにより,蛍光層を発光させる。この際,フォーカシング電極18により,電子放出部12へのアノード電極24の電界浸透を遮断することができるので,アノード電圧による予期せぬ電子放出を効果的に抑制することができる。
つぎに,図3a〜図3eに基づいて本実施の形態による電子放出素子の製造方法を説明する。まず,図3aに示すように,第1基板2上に,ゲート電極6を第1基板2の一方向にストライプパターンに形成し,ゲート電極6を覆うように,第1基板2の全面に第1絶縁層8を形成する。第1絶縁層8は,スクリーン印刷を数回繰り返しておよそ5〜20μmの厚さに形成することができる。そして,第1絶縁層8上にフォトレジストパターン(図示せず)を形成し,第1絶縁層8を食刻してビアホール8aを形成する。
その後,フォトレジストパターンを剥離して除去し,第1絶縁層8上に導電膜を形成し,これをパターニングすることにより,カソード電極10と対向電極14とを形成する(図3b)。
カソード電極10及び対向電極14の構成物質としては,以後に行われる第2絶縁層の食刻工程及び高温焼成工程を考慮すると,第2絶縁層の食刻率の1/10以下の小さい食刻率を有するとともに熱による酸化または劣化の小さい材料が好ましい。これを満足させるカソード電極10と対向電極14の構成物質としては,アルミニウム(Al),クロム(Cr),モリブデン(Mo)などがある。
ついで,カソード電極10と対向電極14とが形成された第1絶縁層8上に,第2絶縁層16を全面に形成する。第2絶縁層16は,第1絶縁層8との食刻率差の大きい絶縁物質,好ましくは任意の食刻液または食刻ガスに対し,第1絶縁層8の食刻率の3倍以上の食刻率を有する物質から形成する。
前記第2絶縁層16は大きな厚さに形成されるほど,以後に形成されるフォーカシング電極の電子ビーム集束効果を高めることができるので,スクリーン印刷と高温焼成を数回繰り返して10μm以上の厚さに形成することが好ましい。
そして,第2絶縁層16上に導電膜を形成し,これをパターニングして,開口部18aを有するフォーカシング電極18を形成するか,あるいは開口部18aが加工された金属プレートを付着してフォーカシング電極18を形成する(図3c)。
ついで,食刻液または食刻ガスにより第2絶縁層16を部分食刻することにより,図3dに示すように,開口部16aを形成する。開口部16aを形成するとき,一例としてフッ化水素(HF)が含まれた食刻液を使用することができる。この際,第2絶縁層16の食刻液に対する第1絶縁層8の食刻率は第2絶縁層16の食刻率の1/3以下となるようにすることにより,第2絶縁層16を食刻して開口部16aを形成するとき,第1絶縁層8の損傷を最小化することができる。
また,第2絶縁層16の食刻液に対し,カソード電極10及び対向電極14の食刻率が第2絶縁層16の食刻率の1/10以下となるようすることにより,第2絶縁層16を食刻して開口部16aを形成するとき,カソード電極10及び対向電極14の損傷を最小化することができる。
ついで,図3eに示すように,カソード電極10の一側縁部に電子放出物質,例えばカーボンナノチューブ,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,C60,シリコンナノワイヤのいずれか1種またはこれらの組合を塗布して電子放出部12を形成する。
電子放出部12を形成するときには,前記電子放出物質にビークル,バインダなどの有機物を混合して,印刷に適した粘度を有するペーストを製造し,これからスクリーン印刷を行う過程を用いることができる。
また,前記ペーストに感光性物質を含ませ,感光性ペーストを第1基板2の全面にスクリーン印刷し,フォトマスク(図示せず)を介して露光を行って感光性ペーストを部分的に硬化させてから現像を行う過程を用いることもできる。この際,第1基板2上に紫外線を照射して露光を行うと,電子放出部12の底面まで紫外線が到達し得ないため,電子放出部12の接着力が低下し,パターン精度が低下することがあり得るので,第1基板2の底面から紫外線を照射する,いわゆる後面露光法を提供することができる。
この場合,図4a及び図4bに示すように,ゲート電極6に後面露光用開口部6aを形成し,この開口部6aを介してペーストに紫外線を到達させることで,接着力及びパターン精度に優れた電子放出部12を容易に形成することができる。
前記のような過程により出来上がったカソード基板100は,蛍光層20,黒色層22及びアノード電極24が形成された第2基板4と組み立てられ,その内部が排気されて電子放出素子を構成する。ここでは,第2基板4に対する蛍光層20と黒色層22及びアノード電極24の製作工程と両基板2,4の組立工程についての詳細な説明は省略する。
(第2の実施の形態)
次に,図5及び図6に第2の実施の形態による電子放出素子を示す。本実施の形態による電子放出素子は,第2電極であるカソード電極28が第1基板2上に形成され,第1電極であるゲート電極30が第1絶縁層32上に形成され,第1基板2上に設定される画素領域に対応して,ゲート電極30及び第1絶縁層32に少なくとも1つの第1開口部30a及び第1開口部32aが形成され,第1開口部30a,32aにより露出されたカソード電極28上に電子放出部12が設けられることを除き,前述した第1の実施形態の構成と同一である。上記以外の構成は,第1の実施の形態と同様であるので,説明を省略する。
本実施の形態において,第1絶縁層32と第2絶縁層16は第1の実施の形態と同一の食刻率特性を有し,第1絶縁層32と第2絶縁層16の構成物質も第1の実施の形態と同一とすることができる。これにより,第2絶縁層16を部分食刻して第2開口部16aを形成するとき,第1絶縁層32の損傷を最小化することができる。
また,第2絶縁層16を部分食刻して第2開口部16aを形成するとき,ゲート電極30の損傷を最小化するため,第2絶縁層16の食刻液または食刻ガスに対し,ゲート電極30の食刻率は第2絶縁層16の食刻率の1/10以下が好ましい。本実施の形態において,ゲート電極10は,アルミニウム(Al),クロム(Cr),モリブデン(Mo)のいずれか1種からなり得る。
このように構成される電子放出素子は,外部からカソード電極28,ゲート電極30,フォーカシング電極18,及びアノード電極24に所定の電圧を供給することにより駆動される。一例として,ゲート電極30には数十〜数百ボルトの(+)スキャン電圧が,カソード電極28には数〜数十ボルトの(+)データ電圧が,フォーカシング電極16には数十〜数百ボルトの(−)電圧が,そしてアノード電極24には数百〜数千ボルトの(+)電圧が印加される。
これにより,カソード電極28とゲート電極30との電圧差が臨界値以上である画素において,電子放出部12の周囲に電界が形成され,これから電子が放出され,放出された電子はフォーカシング電極18を通過しながら,フォーカシング電圧により集束され,アノード電極24に印加された高電圧に引かれて当該画素の蛍光層20に衝突することにより蛍光層を発光させる。
つぎに,図7a〜図7eに基づいて第2の実施の形態による電子放出素子の製造方法を説明する。まず,図7aに示すように,第1基板2上に,カソード電極28を第1基板2の一方向にストライプパターンに形成し,カソード電極28を覆うように,第1基板2の全面に第1絶縁層32を形成する。第1絶縁層32は,スクリーン印刷を数回繰り返しておよそ5〜20μmの厚さに形成することができる。
そして,第1絶縁層32上に導電膜を形成し,これをパターニングすることにより,第1開口部30aを有するゲート電極30を形成する。ゲート電極30の構成物質としては,以後に行われる第2絶縁層の食刻工程と高温焼成工程を考慮すると,第2絶縁層の食刻率の1/10より小さい食刻率を有するとともに熱による酸化または劣化の小さい材料が好ましい。これを満足するゲート電極30の構成物質としては,アルミニウム(Al),クロム(Cr),モリブデン(Mo)などがある。
ついで,ゲート電極30が形成された第1絶縁層32上に第2絶縁層16を形成する。第2絶縁層16は,任意の食刻液または食刻ガスに対し,第1絶縁層32の食刻率の3倍以上の食刻率を有する物質で形成する。第2絶縁層16の厚さは10μm以上が好ましく,スクリーン印刷と高温焼成を数回繰り返す過程を適用することができる。
そして,第2絶縁層16上に導電膜を形成し,これをパターニングして,第2開口部18aが形成されたフォーカシング電極18を形成するか,あるいは第2開口部18aが加工された金属プレートを付着してフォーカシング電極18を形成する(図7b)。
ついで,食刻液により第2絶縁層16を部分食刻することにより,図7cに示すように,第2開口部16aを形成する。このように,第2絶縁層16を部分食刻して開口部16aを形成するとき,第1絶縁層32と第2絶縁層16との食刻率差と,ゲート電極30と第2絶縁層16との食刻率差とにより,第1絶縁層32とゲート電極30の損傷を最小化することができる。
ついで,図7dに示すように,フォーカシング電極18と第2開口部16a,18aにより露出されたゲート電極30上にフォトレジストパターン34を形成し,これにより第1絶縁層32を食刻して第1絶縁層32の第1開口部32aを形成した後,フォトレジストパターン34を剥離して除去する。
ついで,図7eに示すように,第1開口部32aにより露出されたカソード電極28上に電子放出物質を塗布して電子放出部12を形成する。本実施の形態においても第1の実施の形態と同様に,電子放出部12を形成するとき,第1基板2の底面から紫外線を照射する後面露光法を適用することができる。この場合,図8に示すように,カソード電極28に開口部28a(後面露光用開口部)を形成し,電子放出部12がこの開口部28aを満たして位置するようにする。
(第3の実施の形態)
図9は第3の実施の形態による電子放出素子の部分断面図である。本実施の形態は,第1絶縁層38及びゲート電極40の第1開口部38a及び第1開口部40aと,第2絶縁層42及びフォーカシング電極44の第2開口部42a及び第2開口部44aが一対一に対応して配置され,任意の食刻液または食刻ガスに対し,第1絶縁層38の食刻率が第2絶縁層42の食刻率より大きいことを除き,前述した第2の実施の形態の構成と同一である。上記以外の構成は,第2の実施の形態と同様であるので,説明を省略する。
好ましくは,第1絶縁層38の食刻率は,第2絶縁層42の食刻率の3倍以上である。このように,第1絶縁層38の食刻率を第2絶縁層42の食刻率より大きくすると,一度の食刻工程で第2絶縁層42の第2開口部42aと第1絶縁層38の第1開口部38aを形成することができる利点がある。
つぎに,図10a〜図10dに基づいて第3の実施の形態による電子放出素子の製造方法を説明する。まず,図10aに示すように,第1基板2上に,カソード電極36を第1基板2の一方向にストライプパターンに形成し,カソード電極36を覆うように,第1基板2の全面に第1絶縁層38を形成する。第1絶縁層38は,スクリーン印刷を数回繰り返しておよそ5〜20μmの厚さに形成することができる。そして,第1絶縁層38上に導電膜を形成し,これをパターニングすることにより,第1開口部40aを有するゲート電極40を形成する。
ついで,ゲート電極40が形成された第1絶縁層38上に第2絶縁層42を形成する。第2絶縁層42は,任意の食刻液または食刻ガスに対し,第1絶縁層38の食刻率の1/3より小さい食刻率を有する物質で形成する。第2絶縁層42の厚さは10μm以上が好ましく,スクリーン印刷と高温焼成を数回繰り返す過程を適用することができる。
そして,前記第2絶縁層42上に導電膜を形成し,これをパターニングして,第2開口部44aが形成されたフォーカシング電極44を形成するか,あるいは第2開口部44aが加工された金属プレートを付着してフォーカシング電極44を形成する(図10b)。この際,フォーカシング電極44の第2開口部44aは,ゲート電極40に形成された第1開口部40aと一対一に対応して配置する。
ついで,食刻液により第2絶縁層42と第1絶縁層38を順次食刻することにより,図10cに示すように,第2絶縁層42の第2開口部42aと第1絶縁層38の第1開口部38aを一度の食刻工程で完成することができる。
このように,本実施の形態においては,一度の食刻工程で第2絶縁層42の第2開口部42aと第1絶縁層38の第1開口部38aを形成することにより,第2の実施形態の製造方法に比べ,第1絶縁層の食刻のためのフォトレジスト工程が省略できるので,工程が簡素化される利点がある。
そして,第2絶縁層42の食刻率が第1絶縁層38の食刻率より小さいため,第1絶縁層38を食刻するとき,第2絶縁層42の第2開口部42aが大きくなることを防ぐことができ,フォトレジストパターンのための余裕空間が不要であるので,電子放出素子の解像度向上に有利な利点を有する。
ついで,図10dに示すように,第1開口部38a,40aにより露出されたカソード電極36上に電子放出物質を塗布して電子放出部12を形成する。本実施の形態においても,電子放出部12を形成するとき,第1基板2の底面から紫外線を照射する後面露光法を適用することができる。この場合,図11に示すように,カソード電極36に開口部36a(後面露光用開口部)を形成し,電子放出部12がこの開口部36aを満たして位置するようにする。
前述した実施形態においては,電子放出部が電界の印加により電子を放出する物質からなり,カソード電極とゲート電極からなる駆動電極が電子放出を制御する場合について説明したが,電子放出部及び電子放出のための電極の構成は前記に限定されずに多様に変形可能である。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,冷陰極を用いる電子放出素子に適用可能であり,電子放出部を備える電子放出素子用カソード基板,電子放出素子及びその製造方法に適用可能である。
第1の実施の形態による電子放出素子の部分分解斜視図である。 第1の実施の形態による電子放出素子の部分断面図である。 第1の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第1絶縁層にビアホールを形成した後の図である。 第1の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,カソード電極と対向電極とを形成した後の図である。 第1の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,フォーカシング電極を形成した後の図である。 第1の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第2絶縁層に開口部を形成した後の図である。 第1の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,電子放出部を形成した後の図である。 第1の実施形態による電子放出素子のゲート電極に,後面露光用開口部を形成した場合を示す部分断面図である。 図4aのゲート電極を示す平面図である。 第2の実施の形態による電子放出素子の部分断面図である。 図5に示す第1基板のカソード電極とゲート電極との交差部分の平面図である。 第2の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第1絶縁層上にゲート電極を形成した後の図である。 第2の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第2絶縁層上にフォーカシング電極を形成した後の図である。 第2の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第2絶縁層に第2開口部を形成した後の図である。 第2の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第1絶縁層に第1開口部を形成したした後の図である。 第2の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,電子放出部を形成した後の図である。 第2の実施形態による電子放出素子のゲート電極に,後面露光用の開口部を形成した場合を示す部分断面図である。 第3の実施の形態による電子放出素子の部分断面図である。 第3の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第1絶縁層上にゲート電極を形成した後の図である。 第3の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第2絶縁層上にフォーカシング電極を形成した後の図である。 第3の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,第2絶縁層及び第1絶縁層に,第2開口部及び第1開口部を一度の食刻工程で形成した後の図である。 第3の実施の形態による電子放出素子の製造方法を示す概略工程断面図であり,電子放出部を形成した後の図である。 第3の実施形態による電子放出素子のゲート電極に,後面露光用の開口部を形成した場合を示す部分断面図である。
符号の説明
2 第1基板
4 第2基板
6 ゲート電極
6a 後面露光用開口部
8 第1絶縁層
10 カソード電極
12 電子放出部
14 対向電極
16 第2絶縁層
16a 開口部
18 フォーカシング電極
18a 開口部
20 蛍光層
22 黒色層
24 アノード電極

Claims (39)

  1. 基板上部に形成された電子放出部からの電子放出を制御する少なくとも一つの駆動電極を有する電子放出素子用カソード基板において;
    前記少なくとも一つの駆動電極が接触して形成されている第1絶縁層と,
    前記電子放出部から放出された電子を集束させるためのフォーカシング電極と,
    前記少なくとも一つの駆動電極と前記フォーカシング電極との間に位置する第2絶縁層と,
    を備え,
    前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は,異種物質からなることを特徴とする,電子放出素子用カソード基板。
  2. 前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とは,所定の食刻液に対して相違した食刻率を有することを特徴とする,請求項1に記載の電子放出素子用カソード基板。
  3. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記第1絶縁層の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の1/3以下であることを特徴とする,請求項2に記載の電子放出素子用カソード基板。
  4. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記第1絶縁層の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の3倍以上であることを特徴とする,請求項2に記載の電子放出素子用カソード基板。
  5. 前記少なくとも一つの駆動電極と前記第2絶縁層とは,所定の食刻液に対して相違した食刻率を有することを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の電子放出素子用カソード基板。
  6. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記駆動電極の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の1/10以下であることを特徴とする,請求項5に記載の電子放出素子用カソード基板。
  7. 前記電子放出部は,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種を含む材料からなることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の電子放出素子用カソード基板。
  8. 互いに対向して配置される第1基板及び第2基板と,
    前記第1基板上に,第1絶縁層を介在して互いに絶縁された状態で配置され,駆動時に所定の駆動電圧が印加される第1電極及び第2電極と,
    前記第1電極または前記第2電極のいずれか一方の電極に連結される電子放出部と,
    前記電子放出部上部に,前記電子放出部が露出するように形成され,前記電子放出部から放出された電子を集束させるためのフォーカシング電極と,
    前記第1電または前記第2電極のいずれか一方の電極と前記フォーカシング電極との間に配置され,前記第1絶縁層と異なる物質からなる第2絶縁層と,
    前記第2基板上に形成される蛍光層と,
    前記蛍光層の一面に形成される少なくとも一つのアノード電極と,
    を備えることを特徴とする,電子放出素子。
  9. 前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とは,所定の食刻液に対して相違した食刻率を有することを特徴とする,請求項8に記載の電子放出素子。
  10. 前記第1電極または前記第2電極のいずれか一方の電極と前記第2絶縁層とは,所定の食刻液に対して相違した食刻率を有することを特徴とする,請求項8または9に記載の電子放出素子。
  11. 前記第1基板上に,前記第1電極,前記第1絶縁層,及び前記第2絶縁層が順次形成され,前記第1電極と前記第2電極とは,互いに直交するストライプパターンに形成されていることを特徴とする,請求項8〜10のいずれかに記載の電子放出素子。
  12. 前記電子放出部は,前記第2電極の一側縁部に位置し,前記第2電極の側面と一側面が接触して形成されることを特徴とする,請求項11に記載の電子放出素子。
  13. 隣接する前記第2電極間に,前記電子放出部から所定間隔を置いて位置し,前記第1電極と同一の駆動電圧を受ける対向電極をさらに備えることを特徴とする,請求項11または12のいずれかに記載の電子放出素子。
  14. 前記第2絶縁層及び前記フォーカシング電極は,前記対向電極の上部で,前記対向電極の少なくとも一部を露出させるように形成されることを特徴とする,請求項13に記載の電子放出素子。
  15. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記第1絶縁層の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の1/3以下であることを特徴とする,請求項11〜14のいずれかに記載の電子放出素子。
  16. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記第2電極の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の1/10以下であることを特徴とする,請求項11〜15のいずれかに記載の電子放出素子。
  17. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記対向電極の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の1/10以下であることを特徴とする,請求項11〜16のいずれかに記載の電子放出素子。
  18. 前記第1電極は,後面露光用開口部を有することを特徴とする,請求項11〜17のいずれかに記載の電子放出素子。
  19. 前記第1基板上に,前記第2電極,前記第1絶縁層,及び前記第1電極が順次形成され,前記第1電極と前記第2電極とが互いに直交するストライプパターンに形成されていることを特徴とする,請求項8〜10のいずれかに記載の電子放出素子。
  20. 前記第1電極と前記第2電極との交差領域の,前記第1電極及び前記第1絶縁層には少なくとも一つの第1開口部が形成され,前記電子放出部は,前記第1開口部により露出された前記第2電極上に形成されることを特徴とする,請求項19に記載の電子放出素子。
  21. 前記第2絶縁層及び前記フォーカシング電極には第2開口部が形成され,前記第2開口部は前記少なくとも一つの第1開口部に対応していることを特徴とする,請求項20に記載の電子放出素子。
  22. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記第1絶縁層の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の1/3以下であることを特徴とする,請求項19〜21のいずれかに記載の電子放出素子。
  23. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記第1絶縁層の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の3倍以上であることを特徴とする,請求項19〜21のいずれかに記載の電子放出素子。
  24. 前記第2絶縁層の食刻液に対する前記第1電極の食刻率は,前記第2絶縁層の食刻率の1/10以下であることを特徴とする,請求項19〜23のいずれかに記載の電子放出素子。
  25. 前記第1電極と前記第2電極との交差領域の,前記第1電極及び前記第1絶縁層には少なくとも一つの第1開口部が形成され,前記第2電極は,前記第1開口部に対応して後面露光用開口部を有し,前記電子放出部は,前記後面露光用開口部の位置に形成されることを特徴とする,請求項19に記載の電子放出素子。
  26. 前記電子放出部は,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種を含む材料からなることを特徴とする,請求項8〜25のいずれかに記載の電子放出素子。
  27. 前記フォーカシング電極は,金属膜または金属プレートのいずれかからなることを特徴とする,請求項8〜26のいずれかに記載の電子放出素子。
  28. 電子放出部を有する電子放出素子の製造方法において;
    (a)第1基板上部に,第1絶縁層を介在して,前記電子放出部からの電子放出を制御する複数の駆動電極を形成する段階と,
    (b)前記駆動電極上に,所定の食刻液に対して前記第1絶縁層と異なる食刻率を有する第2絶縁層を形成する段階と,
    (c)前記第2絶縁層上に前記電子放出部から放出される電子を集束させるためのフォーカシング電極を形成する段階と,
    (d)前記第2絶縁層を食刻液または食刻ガスで食刻して,一つの前記駆動電極の一部を露出させる段階と,
    を含むことを特徴とする,電子放出素子の製造方法。
  29. 前記(d)段階の後,露出された一つの前記駆動電極部位に電子放出部を形成する段階をさらに含むことを特徴とする,請求項28に記載の電子放出素子の製造方法。
  30. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を形成するとき,前記第1絶縁層を,前記第2絶縁層の食刻液に対して前記第2絶縁層の食刻率の1/3以下の食刻率を有する物質で形成することを特徴とする,請求項29に記載の電子放出素子の製造方法。
  31. 前記電子放出部を形成するとき,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種の物質に有機物を混合してペーストを製造し,前記ペーストをスクリーン印刷してから焼成する段階を含むことを特徴とする,請求項29または30のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  32. 前記(d)段階の後,(e)前記第1絶縁層を部分食刻して他の一つの駆動電極の一部を露出させる段階と,(f)前記(e)段階で露出された前記他の一つの駆動電極部位に電子放出部を形成する段階とをさらに含むことを特徴とする,請求項28に記載の電子放出素子の製造方法。
  33. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を形成するとき,前記第1絶縁層を,前記第2絶縁層の食刻液に対して前記第2絶縁層の食刻率の1/3以下の食刻率を有する物質で形成することを特徴とする,請求項32に記載の電子放出素子の製造方法。
  34. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を形成するとき,前記第1絶縁層を,前記第2絶縁層の食刻液に対して前記第2絶縁層の食刻率の3倍以上の食刻率を有する物質で形成することを特徴とする,請求項32に記載の電子放出素子の製造方法。
  35. 前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を部分食刻するとき,同一食刻液または食刻ガスにより,前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を一度の工程で食刻することを特徴とする,請求項34に記載の電子放出素子の製造方法。
  36. 前記(a)段階で前記駆動電極を形成するとき,前記駆動電極は,前記第2絶縁層の食刻液に対して前記第2絶縁層の食刻率の1/10以下の食刻率を有する物質で形成することを特徴とする,請求項28〜35のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  37. 前記電子放出部を形成するとき,グラファイト,ダイアモンド,ダイアモンド状カーボン,カーボンナノチューブ,C60,及びシリコンナノワイヤからなる群から選択される少なくとも1種の物質に有機物を混合してペーストを製造し,前記ペーストをスクリーン印刷してから焼成する段階を含むことを特徴とする,請求項32〜36のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  38. 前記(c)段階で前記フォーカシング電極を形成するとき,前記第2絶縁層上に導電膜を形成し,これをパターニングする段階を含むことを特徴とする,請求項28〜37のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  39. 前記(c)段階で前記フォーカシング電極を形成するとき,金属プレートに開口部を加工し,前記金属プレートを前記第2絶縁層上に付着する段階を含むことを特徴とする,請求項28〜37のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
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