JP2005315243A - 燃料ポンプおよびそれを用いた燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 燃料ポンプ10は、二輪自動車の燃料タンク内に設置される。燃料ポンプ10は、モータ部12と、モータ部12により駆動され、吸入した燃料を昇圧するポンプ部13とを備えている。モータ部12は、ブラシレスモータであり、ステータコア20、コイル24および回転子30を有している。回転子30の回転位置に基づいてステータコア20に巻回されたコイル24への通電が制御されることにより、回転子30は回転する。回転子30は、シャフト32、回転コア34および永久磁石36を有し、ステータコア20の内周に回転可能に設置されている。永久磁石36は回転コア34の外周側に設置され、ステータコア20と向き合う外周面側に回転方向に交互に異なる磁極を形成するように着磁されている。
【選択図】 図1
Description
また、整流子制御のモータには、整流子とブラシとの摺動箇所の摩耗によりモータ寿命が短くなるという問題がある。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、高効率かつ小型であり、耐油性が高く長寿命の燃料ポンプを二輪自動車の燃料タンク内に設置することを目的とする。
また、ブラシレスモータは整流子を用いないので、劣化燃料や低質燃料を使用しても、整流子制御モータのように整流子とブラシとの摺動箇所に電食や腐食が発生しない。さらに、整流子とブラシとの摺動摩耗が発生しないので燃料ポンプの寿命が長くなる。
また、排気量が150cc以下の二輪自動車の場合、燃料タンクの容量が四輪自動車に比べて例えば1/10程度であるから、小型化可能なブラシレスモータを燃料ポンプの駆動源として用いることが好適である。
請求項4記載の発明では、要求される燃料ポンプの燃料吐出量が5L/h以上30L/h以下であるから、燃料ポンプを駆動する駆動電流が小さくなり、駆動電流を制御する制御装置の、例えばパワースイッチング素子に安価な素子を使用できる。
請求項7記載の発明では、回転方向に複数の羽根溝を有している回転部材の外径を12.1mm以上26mm未満にすることにより、回転部材の外径が26mmのものとほぼ同じか、それ以上の燃料ポンプの効率を実現する。
請求項10記載の発明では、コイルに供給する駆動電流を制御する制御装置を燃料タンクの外に設置しているので、燃料タンク内に設置する場合に比べ制御装置のシールが容易である。また、コイルに供給する駆動電流を制御する制御装置を燃料ポンプ内に搭載していないので、燃料ポンプの小型化が容易である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料ポンプを用いた燃料供給装置を図3に示す。燃料供給装置の燃料ポンプ10は、二輪自動車の燃料タンク1内に設置されるインタンク式のウエスコポンプである。燃料ポンプ10に要求される燃料吐出量は5L/h以上30L/h以下である。燃料ポンプ10は、サクションフィルタ200を通して吸入した燃料タンク1内の燃料を昇圧して吐出する。燃料ポンプ10が吐出した燃料は、逆止弁202を通り、プレッシャレギュレータ204で燃料圧力を調圧されて燃料消費装置であるエンジンに供給される。
モータ部12は、所謂ブラシレスモータであり、ステータコア20、コイル24および回転子30を有している。ステータコア20は、磁性鋼板を軸方向に積層して形成されており、図2に示すように、モータ部12の中心側に向けて突出するティース22が周方向に等間隔に6個形成されている。各ティース22にコイル24が巻回されている。樹脂ハウジング14は、ステータコア20およびコイル24をモールドしている。金属ハウジング16は、樹脂ハウジング14にインサート成形され、後述する吸入側カバー40をかしめている。金属ハウジング16に設けた複数の貫通孔16aに、樹脂ハウジング14の樹脂が充填されている。
まず、二輪自動車の燃料タンク1内に燃料ポンプ10を設置するためには、図1に示す燃料ポンプ10の最大外径であるポンプ外径D0が、D0<30mmであることが望ましい。特に排気量150cc以下の二輪自動車の場合、燃料タンクが小さいので、要求性能を満たす範囲で燃料ポンプ10の外径を極力小さくしたい。
本発明の第2実施形態を図7に示す。ポンプ部60が第1実施形態のポンプ部13と異なる以外は、実質的に第1実施形態の構成と同一である。尚、第1実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
第2実施形態では、ポンプ部60は、トロコイドポンプを構成している。ハウジング62の内周側にアウタロータ64が収容され、アウタロータ64の内周側にインナロータ66が収容されている。アウタロータ64の内周に形成した内歯65と、インナロータ66の外周に形成した外歯67とが噛み合っている。アウタロータ64の中心はインナロータ66の中心に対して偏心しており、内歯65の数は外歯67の数よりも1個多い。モータ部12の駆動力によりインナロータ66が回転するとアウタロータ64も回転し、アウタロータ64とインナロータ66との間の燃料が昇圧される。
本発明の第3実施形態を図8に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
第3実施形態では、制御装置220は、三相回路部230、電流検出部240およびPWM(Pulse Width Modulation)制御部250を有している。第3実施形態の三相回路部230は、第1実施形態の図5に示す制御装置210と実質的に同一の回路である。三相回路部230、電流検出部240およびPWM制御部250は、一つの回路モジュールとして、1チップのIC素子で構成されている。
制限回路部としてのPWM制御部250では、PWM値とカウンタ値との対応表が作成されている。例えば、PWM値の最大値を100%。最小値を0%とし、カウンタの最小値の0にPWM値の最大値100%を対応させ、カウンタの最大値にPWM値の最小値0%を対応させる。対応表では、カウンタ値が増加すると、対応するPWM値は減少している。
(1)エンジンキーを回してバッテリーから始動電力を供給するか、バッテリーが完全放電している場合にはキックレバーをキックすることにより、電解コンデンサ等に電力を蓄積して始動電力を供給する。そして、まずカウンタ(CT)をクリアする(ステップ300)。電源オフ時にカウンタが初期クリアされる場合は、ステップ300は不要である。
(3)PWM制御部250では、ステップ304においてIcとmaxとを比較し、図9の点線で示すようにIc>maxであれば、CTがカウンタの最大値であるかを判定する(ステップ306)。CTがカウンタの最大値でなければ、CTを+1(ステップ308)してステップ316に移行する。Ic>maxでありCTがカウンタの最大値であればそのままステップ316に移行する。
(5)ステップ310において、図9の点線で示すようにIc<minであれば、CTがカウンタの最小値の0であるかを判定する(ステップ312)。CTがカウンタの最小値の0でなければ、CTを−1し(ステップ314)、ステップ316に移行する。Ic<minでありCTがカウンタの最小値であればそのままステップ316に移行する。
(6)PWM制御部250は、設定したカウンタ値を元にPWM値とカウンタ値との対応表からPWM値を求めて図9に示すPWM信号を生成し、制御回路212に送出する。(7)三相回路部230の制御回路212は、PWM制御部250から送出されたPWM信号に基づいてコイル24への通電を制御する(ステップ316)。
ここで、エンジンキーを回してもバッテリーが完全放電しているためにエンジンを始動できないときに、キックレバーをキックして二輪自動車を始動する場合、キックレバーをキックすることにより発生した電力は例えば電解コンデンサ等に蓄えられ、電解コンデンサに蓄えられた限られた電力が各電気部品に供給される。
また第3実施形態では、三相回路部230、電流検出部240およびPWM制御部250を一つの回路モジュールとして構成したので、三相回路部230、電流検出部240およびPWM制御部250からなる回路モジュールの製造コストを低減できる。また、一つの回路モジュールとして構成するので、三相回路部230、電流検出部240およびPWM制御部250を小型化し、容易に組み付けることができる。
本発明の第4実施形態によるコイル24への通電制御のフローチャートを図12に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
前述した第3実施形態では、コイル24に流れる合計電流Icがmax値を越えればCTを+1してPWM値を低減し、min値より小さくなればCTを−1してPWM値を増加することにより、PWM制御部250から制御回路212に送出するPWM信号を制御した。これに対し、第4実施形態では、図12のステップ304、320の判定により、合計電流Icがmax値を越えればCTを+1してPWM値を低減し、合計電流Icがmax値よりも小さくなればCTを−1してPWM値を増加することにより、PWM制御部250から制御回路212に送出するPWM信号を制御する。つまり、第4実施形態では、max値を境界にしてPWM値が増減する。
また、小径、高回転化による燃料ポンプの効率向上により、コイル24に供給する駆動電流の合計を1A以下にすることができる。これにより、制御装置210のパワースイッチング素子214に安価な素子を使用できる。
上記複数の実施形態では、コイル24を樹脂モールドしているので、コイル24と燃料との界面距離が長くなる。その結果、コイル24と燃料とが接触する可能性を低減できるので、コイル24の電食および腐食を防止できる。
上記第1実施形態では、インペラ外径D1を12.1mm≦D1<26mmに設定したが、二輪自動車の燃料タンク内に燃料ポンプを設置できるのであれば、燃料ポンプのインペラ外径D1は上記範囲に限定されるものではない。
また上記複数の実施形態では、燃料ポンプに要求される燃料吐出量を5L/h以上30L/h以下にしたが、これ以外の燃料吐出量を要求する二輪自動車の燃料タンク内に燃料ポンプを設置するのであれば、燃料ポンプの燃料吐出量は5L/h以上30L/h以下の範囲に限定されるものではない。
また、二輪自動車の燃料タンク内に燃料ポンプを設置できるのであれば、コイル24に供給する駆動電流の合計は、1Aを越えてもよい。
また、二輪自動車の燃料タンク内に燃料ポンプを設置できるのであれば、コイル24に供給する駆動電流を制御する制御装置を、燃料タンク内、または燃料ポンプ内に設置してもよい。
上記複数の実施形態では、外周側のステータコア20にコイル24を巻回し、内周側の回転子30に永久磁石36を設置してブラシレスモータを構成したが、外周側の回転子に永久磁石を設置し、内周側のステータコアにコイルを巻回してブラシレスモータを構成してもよい。
また第3実施形態では、三相回路部230、電流検出部240およびPWM制御部250を一つの回路モジュールで構成したが、それぞれ異なる回路モジュールとして構成してもよい。これにより、既存の三相回路部230に、三相回路部230と異なる回路モジュールを構成する電流検出部240およびPWM制御部250を追加することより、制御装置220を容易に構成できる。
Claims (16)
- 自動二輪車の燃料タンク内に設置される燃料ポンプにおいて、
ステータコアと、
前記ステータコアに巻回され、通電を制御されることにより前記ステータコアの周方向に形成する磁極が切り換わるコイルと、
回転方向に交互に異なる磁極を前記ステータコアと向き合う対向面に形成している回転子と、
前記回転子の回転力により回転する回転部材を有し、前記回転部材の回転により燃料を昇圧するポンプ部と、
を備えることを特徴とする燃料ポンプ。 - 前記自動二輪車のエンジンの排気量は150cc以下であることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ。
- 前記コイルに供給される駆動電流の合計は1A以下であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料ポンプ。
- 燃料吐出量が5L/h以上30L/h以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の燃料供給装置。
- 前記回転部材は回転方向に複数の羽根溝を有しており、前記ポンプ部は、前記回転部材が回転することにより、前記羽根溝に沿って形成されたポンプ通路の燃料を昇圧することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
- 前記回転部材の外径は26mm未満であることを特徴とする請求項5記載の燃料ポンプ。
- 前記回転部材の外径は12.1mm以上であることを特徴とする請求項6記載の燃料ポンプ。
- 前記ポンプ部は、回転方向に複数の外歯を設けた内周回転部材と、前記内周回転部材の外周を囲み、前記外歯と噛み合う内歯を設け前記内周回転部材に対し偏心して回転可能に設置された外周回転部材とを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
- 前記コイルは樹脂モールドされていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
- 請求項1から9のいずれか一項記載の燃料ポンプと、前記コイルへの通電を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は前記燃料タンクの外に設置されていることを特徴とする燃料供給装置。 - 前記制御装置は、通電を停止したコイルに発生する誘導起電力に基づいて前記コイルへの通電を制御することを特徴とする請求項10記載の燃料供給装置。
- 請求項1から9のいずれか一項記載の燃料ポンプと、前記コイルへの通電を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、通電を停止したコイルに発生する誘導起電力に基づいて前記コイルへの通電を制御することを特徴とする燃料供給装置。 - 前記制御装置は、前記自動二輪車の始動時に前記コイルに流れる電流値を所定値以下に制限することを特徴とする請求項10から12のいずれか一項記載の燃料供給装置。
- 請求項1から9のいずれか一項記載の燃料ポンプと、前記コイルへの通電を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記自動二輪車の始動時に前記コイルに流れる電流値を所定値以下に制限することを特徴とする燃料供給装置。 - 前記制御装置は、前記コイルへの通電をスイッチングする三相回路部と、前記コイルに流れる電流値を所定値以下に制限する制限回路部とを有し、前記三相回路部と前記制限回路部とが一つの回路モジュールで構成されていることを特徴とする請求項13または14記載の燃料供給装置。
- 前記制御装置は、前記コイルへの通電をスイッチングする三相回路部と、前記コイルに流れる電流値を所定値以下に制限する制限回路部とを有し、前記三相回路部と前記制限回路部とが異なる回路モジュールで構成されていることを特徴とする請求項13または14記載の燃料供給装置。
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