JP2005311849A - 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法 - Google Patents

圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005311849A
JP2005311849A JP2004128116A JP2004128116A JP2005311849A JP 2005311849 A JP2005311849 A JP 2005311849A JP 2004128116 A JP2004128116 A JP 2004128116A JP 2004128116 A JP2004128116 A JP 2004128116A JP 2005311849 A JP2005311849 A JP 2005311849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
resonator
electrode film
piezoelectric
piezoelectric thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004128116A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsukasa Funasaka
司 舩坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004128116A priority Critical patent/JP2005311849A/ja
Publication of JP2005311849A publication Critical patent/JP2005311849A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 温度変化があっても温度特性の変化を軽減して共振周波数がズレることがないようにして周波数の選択性の良い圧電薄膜共振子を得ることを目的とする。
【解決手段】 シリコン基板11と、シリコン基板11上に設けられた下電極膜13、下電極膜13に重なる圧電膜15及び圧電膜15に重なる上電極膜14からなる積層共振体12とを備え、シリコン基板11と下電極膜13との間に下電極膜13の共振周波数に対する温度特性とは逆の温度特性を持つ下温度補正膜16を設け、上電極膜14の上面に上電極膜14の共振周波数に対する温度特性とは逆の温度特性を持つ上温度補正膜17を設けたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、いわゆるFbar(Film Bulk Acoustic Resonator:薄膜バルク音響共振子)あるいはSMR(Solid Mounted Resonator)と呼ばれる音響反射多層膜を設けた振動子に属する数種類の圧電薄膜共振子、これを用いて構成される主にGHz帯で用いられるフィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法に関するものである。
一般に、FBARと呼ばれる圧電薄膜共振子は、基板と、基板上に設けられた積層共振体とからなる。積層共振体は、圧電膜と、当該圧電膜を上下から挟む一対の薄膜電極からなる。下部電極の下方において、基板には空隙部が開設されている。また、SMRと呼ばれる圧電薄膜共振子は下部に音響反射膜を設けているが、振動膜に関しては同様の考え方を行っているため、ここではFBARに限って説明する。
圧電薄膜共振子の上下の電極に交流電圧を印加すると、逆圧電効果により、これらに挟まれた圧電膜はその厚み方向に振動し、電気的共振特性を示す。逆に、圧電効果によって、圧電膜に生ずる弾性波ないし振動は、電気信号に変換される。この弾性波は、圧電膜の厚み方向に主変位を持つ厚み縦振動波である。
このような圧電薄膜共振子では、積層共振体の厚みHが弾性波の1/2波長の整数倍(n倍)となる周波数にて、積層共振体において共振現象が生じる。材料の種類によって定まる弾性波の伝搬速度をVとすると、共振周波数Fは、F=nV/2Hと表される。
この式によると、積層共振体の厚みHを調節することによって、当該積層共振体の共振周波数を制御できることが理解される。
共振周波数を制御することによって、所望の周波数特性を有する圧電薄膜共振子を作製することができる。そして、そのような共振子をラダー型に接続することによって、所定の通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタを構成することができる。
従来の圧電薄膜共振子は、第1の面およびこれと反対の第2の面を有する基板と、第1面に接する第1電極膜、当該第1電極膜に重なる圧電膜、および当該圧電膜に重なる第2電極膜からなる積層共振体とを備え、基板には積層共振体に対応する位置において、第1の面に開口する第1開口部および第2の面にて開口する第2開口部を有しつつ第1の面に対して略垂直な空隙部が開設されて構成されている。
このように、基板を貫通する空隙部を積層共振体に対して過度に広く開口することなく形成することによって、圧電薄膜共振子自体の小型化を図っている。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−204239号公報(第1頁、第1図)
しかしながら、従来の圧電薄膜共振子は、それを構成する積層共振体が周波数に対する所定の温度特性を持っているため、所定の共振周波数を持つ厚電薄膜共振子を例えばフィルタとして使用した場合に環境温度が変化することに伴い共振周波数が変化してしまうため、共振周波数がズレることによってフィルタとしての周波数選択性が悪くなるという問題があった。
そこで、本発明はかかる問題点を解決するために、温度変化があっても温度特性の変化を軽減して共振周波数がズレることがないようにして周波数の選択性の良い圧電薄膜共振子、フィルタ及びを圧電薄膜共振子の製造方法を得ることを目的とする。
本発明に係る圧電薄膜共振子は、基板と、前記基板上に設けられた第一電極膜、前記第一電極膜に重なる圧電膜及び前記圧電膜に重なる第二電極膜からなる積層共振体とを備えてなる圧電薄膜共振子において、前記第一電極膜又は前記第二電極膜に接するように、前記第一電極膜又は前記第二電極膜の共振周波数に対する温度特性とは逆の温度特性を持つ温度補正膜を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、第一電極膜又は前記第二電極膜に接するように、該第一電極膜又は該第二電極膜の共振周波数に対する温度特性とは逆の温度特性を持つ温度補正膜を設けたので、第一電極膜又は該第二電極膜の温度特性を温度補正膜の温度特性が相殺し、圧電薄膜共振子は環境温度が変化しても共振周波数があまり変化しない温度特性を持った周波数選択性が良好なものとなる。
本発明の圧電薄膜共振子において、前記温度補正膜は前記基板と前記第一電極膜の中間又は/及び前記第二電極膜上部に設けることを特徴とする。
これは、第一電極膜又は/及び第二電極膜に対応させて温度補正膜を設けたものである。
本発明の圧電薄膜共振子において、前記温度補正膜は前記第一電極膜と前記圧電膜の中間又は/及び前記圧電膜と前記第二電極膜の中間に設けることを特徴とする。
これは、第一電極膜又は/及び第二電極膜に対応させて前記とは別の位置に温度補正膜を設けたものである。
本発明の圧電薄膜共振子において、前記温度補正膜はSiO2膜であることを特徴とする。
これは温度補正膜をSiO2膜とすることにより、第一電極膜又は該第二電極膜の共振周波数に対する温度特性とは逆の温度特性を持つ素材を限定したものである。
本発明の圧電薄膜共振子において、前記第一電極膜及び前記第二電極膜はAl、Mo、Ti、Cu、W、Ta,Cr、Auのいずれか1つ又はいずれか1つ以上を任意に組み合わせた積層膜又は合金膜として形成されていることを特徴とする。
これは第一電極膜及び前記第二電極膜を構成する素材がいずれも周波数に対する温度特性が同じものであれば、適宜に選択できることを示している。
本発明の圧電薄膜共振子において、前記基板の上面に設けられている前記温度補正膜を所望の周波数となるように除去又は前記基板の上面に設けられている前記温度補正膜の上面に別の温度補正膜を所望の周波数となるように堆積させることを特徴とする。
このようして補正膜を含んだ積層共振体の厚さを変えることにより、周波数調整を行うことができる。
本発明の圧電薄膜共振子において、前記基板の開口面に温度補正膜を所望の周波数となるように設け、又は前記基板の開口面に設けられている温度補正膜を所望の周波数となるように除去することを特徴とする。
このようにして補正膜を含んだ積層共振体の厚さを変えることにより、周波数調整を行うことができる。
本発明の圧電薄膜共振子において、前記圧電膜はZnO、AlO、KNbO3、LiNbO3、LiTaO3、水晶のいずれかであることを特徴とする。
これは配向性の高い圧電膜を形成する素材を限定したものである。
本発明に係るフィルタは、前記に記載の圧電薄膜共振子を複数有し、前記複数の圧電薄膜共振子がラダー型接続され、ラダー型フィルタとして構成されていることを特徴とする。
このようにすることにより、共振特性が良好なフィルタを得ることができる。
本発明の圧電薄膜共振子の製造方法は、基板と、前記基板上に設けられた第一電極膜、前記第一電極膜に重なる圧電膜及び前記圧電膜に重なる第二電極膜からなる積層共振体を形成する工程と、前記基板に対して、前記積層共振体に対応する位置において開口する貫通穴を形成する工程とを含む圧電薄膜共振子の製造方法において、前記る積層共振体を形成する工程は前記第一電極膜又は前記第二電極膜に接する温度補正膜を設ける工程を含むことを特徴とする。
このようにすることにより、本発明に係る圧電薄膜共振子を製造することができる。従って、本発明の製造方法によっても、本発明に係る圧電薄膜共振子と同様の効果を奏する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る圧電薄膜共振子の概略構成を示す断面図、図2は同圧電薄膜共振子の構成部材の平面形状を示す平面図、図3は同圧電薄膜共振子の共振特性を示すグラフ、図4は本発明と従来例の圧電薄膜共振子の温度特性の比較を示すグラフである。
圧電薄膜共振子10は、シリコン基板11と、その上に形成された積層共振体12とを有する。シリコン基板110は、(110)カットされた単結晶シリコン基板であり、(110)面に相当する第1の面(上面)11a及び第2の面(下面)11bを有する。
積層共振体12は、第1電極膜である下電極膜13と、第2電極膜である上電極膜14と、これらに挟まれた圧電膜15とからなる。
シリコン基板11と下電極膜13との間には下温度補正膜16が介装されおり、上電極膜14の上面には上温度補正膜17が設けられている。
本実施の形態では、下電極膜13と上電極膜14は、(111)の一軸配向構造をとる例えばAlにより形成されている。圧電膜15は、(002)の一軸配向構造をとる例えばZnOにより形成されている。
なお、圧電膜15をZnO以外では、AlN(窒化アルミニウム)、KNbO3(ニオブ酸カリウム)、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)、LiTaO3(タンタル酸リチウム)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミックス)、BaTiO3(チタン酸バリウムをその主成分とするセラミックス)、水晶等により形成することもできる。下温度補正膜16と上温度補正膜17は、SiO2 により形成されている。
シリコン基板11には、積層共振体12の下方に貫通穴18が形成されている。貫通穴18は、第1の面11a及び第2の面11bに対して垂直にシリコン基板11を貫通しており、第2の面11bにおける貫通穴18の開口部は、第1の面11aにおける開口部と同一の面積及び形状を有する。本実施の形態では、貫通穴18の開口部は平行四辺形である。
このように、貫通穴18の第1の面11aにおける開口部が第2の面11bにおける開口部よりも拡がっていないため、シリコン基板11ひいては圧電薄膜共振子10を小型に設計することが可能になっている。
また、この実施の形態1の圧電薄膜共振子10は、図3のグラフに示すような共振周波数特性を有する。
以上のように、この実施の形態1の圧電薄膜共振子10においては、積層共振体12の下電極膜13とシリコン基板11との間に下温度補正膜16が介装されおり、上電極膜14の上面には上温度補正膜17が設けられており、下電極膜13と上電極膜14はAlにより形成され、下温度補正膜16と上温度補正膜17はSiO2 により形成され、積層共振体12の圧電膜15はZnOにより形成されている。
そして、Alにより形成された下電極膜13及び上電極膜14とZnOにより形成されているは圧電膜15は、温度の上昇及び下降に伴い共振周波数を増大及び減少させる温度特性を有するのに対し、SiO2 により形成された下温度補正膜16と上温度補正膜17は、下電極膜13及び上電極膜14と圧電膜15とは正反対の温度特性を有する。
従って、下電極膜13に接する下温度補正膜16と上電極膜14に接する上温度補正膜17とを備えて構成された圧電薄膜共振子10は、下電極膜13の温度特性を下温度補正膜16が相殺し、上電極膜14の温度特性を上温度補正膜17が相殺するため、環境温度が変化しても共振周波数があまり変化しない温度特性を持った周波数選択性が良好なものとなる。
図4のグラフを見ると分かるように、従来例の温度補正膜がない圧電薄膜共振子では温度が上昇及び下降すると、それに伴い共振周波数が増大及び減少する温度特性を持つのに対し、本発明の実施の形態の温度補正膜がある圧電薄膜共振子では温度が上昇及び下降しても、共振周波数が殆ど変化しない温度特性を持ったものであることが分かる。
また、上記の実施の形態1では、下電極膜13とシリコン基板11との間に下温度補正膜16を介装し、上電極膜14の上面には上温度補正膜17を設けているが、下温度補正膜16を下電極膜13と圧電膜15との間に介装し、上温度補正膜17と圧電膜15との間に介装するようにしても、下温度補正膜16は下電極膜13に接しており、上温度補正膜17は上電極膜14に接しており、上記と同様に環境温度が変化しても共振周波数があまり変化しない温度特性を持っため、周波数選択性が良好なものとなる。
この実施形態1では、下電極膜13及び上電極膜14をAlで形成しているが、圧電膜に応じて、圧電膜が最適な配向性を持つようにMo、Ti、Pt、Au、W、Ta等で形成するようにしてもよいことは勿論である。
また、Al、Mo、Ti、Pt、Au、W、Taのいずれか2種類以上を積層或いは2種類以上の合金又は積層したもの同士の合金で形成するようにしてもよい。この場合の組み合せとして、例えば、Mo/Tiの積層膜、TiN/Alの積層膜とCu数%/TiNの積層膜との合金、Ti/Al−Cu合金の積層膜、TiW/Cr/Auの積層膜がある。
また、シリコン基板11と下電極膜13との間、即ちシリコン基板11の上面に下温度補正膜16が設けられているが、その下温度補正膜16を除去することにより、温度補正膜を含む積層共振体12全体の厚みが変わるため、共振周波数も変わることにより、周波数調整を行うこともできる。この場合、積層共振体12全体の厚みが減るため、共振周波数は高くなる。
また、シリコン基板11の上面に設けられている下温度補正膜16に、更に別の温度補正膜を積層して堆積させることにより、温度補正膜を含む積層共振体12全体の厚みが変わるため、共振周波数も変わることにより、周波数調整を行うこともできる。この場合、積層共振体12全体の厚みが増えるため、共振周波数は低くくなる。
さらに、シリコン基板11の第2の面11b側の開口面に温度補正膜を設けることにより、温度特性の補正の調整を行うこともできる。また、シリコン基板11の第2の面側の開口面に設けられている温度補正膜を除去することにより、温度補正膜を含む積層共振体12全体の厚みが変わるため、共振周波数も変わることにより、周波数調整を行うこともできる。
さらに、シリコン基板11の第2の面11b側の開口面に設けられている温度補正膜に、更に別の温度補正膜を積層して堆積させることにより、温度補正膜を含む積層共振体12全体の厚みが変わるため、共振周波数も変わることにより、周波数調整を行うこともできる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る圧電薄膜共振子により構成したラダー型フィルタを示す平面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は図5のB−B線断面図、図8は同ラダー型フィルタをパッケージに入れた断面図、図9は同圧電薄膜共振子により構成したラダー型フィルタの回路図、図10はラダー型フィルタの共振特性を示すグラフ、図11は同圧電薄膜共振子により構成したラダー型フィルタの製造工程を示す説明図である。
この実施の形態2のラダー型フィルタ20はバンドパスフィルタとして使用されるものである。そのラダー型フィルタ20を構成する各圧電薄膜共振子は、シリコン基板11と、シリコン基板11の上に形成された下温度補正膜16と、下温度補正膜16の上に形成された下電極膜13と、下電極膜13の上に形成された圧電膜15と、圧電膜15の上に形成された上電極膜14と、上電極膜14の上に形成された上温度補正膜17とを備えて構成されている。
下電極膜13、圧電膜15及び上電極膜14は、相互に直列に接続されている3つの圧電薄膜共振子10(図5に示すC1からC3)と、相互に並列に接続されている4つの圧電薄膜共振子10(図5に示すCAからCD)とを構成するように、重なり合っている。
かかるラダー型フィルタ20は、合計7個の圧電薄膜共振子10が単一のシリコン基板11において一体的に構成されている。図9はバンドパスフィルタとして使用されるラダー型フィルタ20の回路図である。
このように、ラダー型フィルタ20においては、各圧電薄膜共振子10の貫通穴18は、シリコン基板110において、積層共振体12の励起部に対応する位置で開口し、シリコン基板11の第1の面11aないし積層共振体12に対して垂直に形成されている。
したがって、各積層共振体12を近接配置することができ、その結果、ラダー型フィルタ20の小型化が図れる。
また、各積層共振体12を近接配置することによって、圧電薄膜共振子10間を電気的に接続するための配線距離を短くすることができ、その結果、各圧電薄膜共振子10間の配線抵抗を低減することが可能となっている。
かかる構成のラダー型フィルタ20は、図8に示すようにパッケージに入れられて実際は使用される。30は容器である、31は容器の蓋、32は端子、33は端子板である。 図9はバンドパスフィルタとして使用されるラダー型フィルタ20の回路図である。
また、この実施の形態2のラダー型フィルタ20は、図10のグラフに示すような共振周波数特性を有する。
本実施の形態におけるラダー型フィルタ20を構成する各圧電薄膜共振子10は、実施の形態1と同様に、積層共振体12の下電極膜13とシリコン基板11との間に下温度補正膜16が介装されおり、上電極膜14の上面には上温度補正膜17が設けられており、下電極膜13と上電極膜14はAlにより形成され、下温度補正膜16と上温度補正膜17はSiO2 により形成され、積層共振体12の圧電膜15はZnOにより形成されている。
従って、ラダー型フィルタ20として構成しても、環境温度が変化しても共振周波数があまり変化しない温度特性を持っため、周波数選択性が良好なものとなる。
また、ラダー型フィルタ20を構成する各圧電薄膜共振子10について、実施の形態1と同様に、下温度補正膜16と上温度補正膜17の配置や、下電極膜13と上電極膜14を構成する素材についても任意のものを選択することができることはいうまでもない。
図11は、図1に示す圧電薄膜共振子により構成したラダー型フィルタの製造工程を示す説明図である。
ラダー型フィルタの製造においては、まず、図11(a)に示すように、シリコン基板11の第1の面(上面)に加熱処理を施して熱酸化被膜であるSiO2 の下温度補正膜16を成膜する。
次に、図11(b)に示すように、スパッタリング法により、温度補正膜16に対して、下電極膜13を成膜し、しかる後に、所定のレジストパターンを介してドライエッチングまたはウェットエッチングを施すことにより、下電極膜13をパターニングする。
ドライエッチングにおいては、例えばAlに対してBCl3およびCl2の混合ガスを使用する。
また、ウェットエッチングにおけるエッチング液として、例えば、Alに対しては、リン酸、酢酸、硝酸を含む水溶液を使用する。電極膜に対する以降のエッチングについても、これらを使用する。
次に、図11(c)に示すように、スパッタリング法により、圧電膜15を成膜し、しかる後に、所定のレジストパターンを介してドライエッチングまたはウェットエッチングを施すことにより、圧電膜15をパターニングする。圧電膜15はZnOにより形成されている。
ウェットエッチングにおけるエッチング液として、例えば、ZnOに対しては酢酸水溶液を使用し、AlNに対しては加熱リン酸を含む水溶液を使用する。
次に、図11(d)に示すように、スパッタリング法により、上電極膜14を成膜し、しかる後に、所定のレジストパターンを介してドライエッチングまたはウェットエッチングを施すことにより、上電極膜14をパターニングする。
次に、図11(e)に示すように、スパッタリング法により、上温度補正膜17を成膜し、しかる後に、所定のレジストパターンを介してドライエッチングまたはウェットエッチングを施すことにより、上温度補正膜17をパターニングする。上温度補正膜17がパターンニングされることによって、各素子ごとに下・上温度補正膜16、17を備えた積層共振体12が形成されることになる。
次に、図11(f)に示すように、シリコン基板11の第2の面(下面)11bに対して所定のレジストパターンを介してウエットエッチングを施す。
これによって、シリコン基板11の第1の面11a及び第2の面11bに対して垂直で平面的には平行四辺形の貫通穴18が形成される。
ウエットエッチングにおけるエッチング液として、例えばKOH液を使用する。
こうして複数の圧電薄膜共振子からなるラダー型フィルタが完成する。
上述した本発明に係る圧電薄膜共振子は、デュプレクサー又はインクジェットヘッドに応用することができる。
本発明の実施の形態1に係る圧電薄膜共振子の概略構成を示す断面図。 同圧電薄膜共振子の構成部材の平面形状を示す平面図。 同圧電薄膜共振子の共振特性を示すグラフ。 本発明と従来例の圧電薄膜共振子の温度特性の比較を示すグラフ。 本発明の実施の形態2に係る圧電薄膜共振子により構成したラダー型フィルタを示す平面図。 図5のA−A線断面図。 図5のB−B線断面図。 同ラダー型フィルタをパッケージに入れた断面図。 同圧電薄膜共振子により構成したラダー型フィルタの回路図。 ラダー型フィルタの共振特性を示すグラフ。 ラダー型フィルタの製造工程を示す説明図。
符号の説明
10 圧電薄膜共振子、11 シリコン基板、12 積層共振体、13 下電極膜(第1の電極膜)、14 上電極膜(第2の電極膜)、15 圧電膜、16 下温度補正膜、17 上温度補正膜、18 貫通穴

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板上に設けられた第一電極膜、前記第一電極膜に重なる圧電膜及び前記圧電膜に重なる第二電極膜からなる積層共振体とを備えてなる圧電薄膜共振子において、
    前記第一電極膜又は前記第二電極膜に接するように、前記第一電極膜又は前記第二電極膜の共振周波数に対する温度特性とは逆の温度特性を持つ温度補正膜を設けたことを特徴とする圧電薄膜共振子。
  2. 前記温度補正膜は前記基板と前記第一電極膜の中間又は/及び前記第二電極膜上部に設けることを特徴とする請求項1記載の圧電薄膜共振子。
  3. 前記温度補正膜は前記第一電極膜と前記圧電膜の中間又は/及び前記圧電膜と前記第二電極膜の中間に設けることを特徴とする請求項1記載の圧電薄膜共振子。
  4. 前記温度補正膜はSiO2膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  5. 前記第一電極膜及び前記第二電極膜はAl、Mo、Ti、Cu、W、Ta,Cr、Auのいずれか1つ又はいずれか1つ以上を任意に組み合わせた積層膜又は合金膜として形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  6. 前記基板の上面に設けられている前記温度補正膜を所望の周波数となるように除去又は前記基板の上面に設けられている前記温度補正膜の上面に別の温度補正膜を所望の周波数となるように堆積させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  7. 前記基板の開口面に温度補正膜を所望の周波数となるように設け、又は前記基板の開口面に設けられている温度補正膜を所望の周波数となるように除去することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  8. 前記圧電膜はZnO、AlN、KNbO3、LiNbO3、LiTaO3、PZT、BaTiO3、水晶のいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧電薄膜共振子を複数有し、前記複数の圧電薄膜共振子がラダー型接続され、ラダー型フィルタとして構成されていることを特徴とするフィルタ。
  10. 基板と、前記基板上に設けられた第一電極膜、前記第一電極膜に重なる圧電膜及び前記圧電膜に重なる第二電極膜からなる積層共振体を形成する工程と、
    前記基板に対して、前記積層共振体に対応する位置において開口する貫通穴を形成する工程とを含む圧電薄膜共振子の製造方法において、
    前記積層共振体を形成する工程は前記第一電極膜又は前記第二電極膜に接する温度補正膜を設ける工程を含むことを特徴とする圧電薄膜共振子の製造方法。
JP2004128116A 2004-04-23 2004-04-23 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法 Withdrawn JP2005311849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004128116A JP2005311849A (ja) 2004-04-23 2004-04-23 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004128116A JP2005311849A (ja) 2004-04-23 2004-04-23 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005311849A true JP2005311849A (ja) 2005-11-04

Family

ID=35440081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004128116A Withdrawn JP2005311849A (ja) 2004-04-23 2004-04-23 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005311849A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009239860A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Epson Toyocom Corp 圧電振動片及びその製造方法
US20110080233A1 (en) * 2009-10-01 2011-04-07 Stmicroelectronics Sa Method for manufacturing baw resonators on a semiconductor wafer
US8397360B2 (en) 2009-10-01 2013-03-19 Stmicroelectronics Sa Method for manufacturing a monolithic oscillator with bulk acoustic wave (BAW) resonators
US8593234B2 (en) 2009-10-01 2013-11-26 Stmicroelectronics Sa Bragg mirror and BAW resonator with a high quality factor on the bragg mirror
JP2018121291A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 新日本無線株式会社 バルク弾性波共振器の製造方法
WO2019095640A1 (zh) * 2017-11-14 2019-05-23 安徽云塔电子科技有限公司 压电谐振器和压电谐振器的制备方法
US10756670B2 (en) 2016-12-19 2020-08-25 Seiko Epson Corporation Resonator, oscillator, electronic apparatus, and vehicle

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009239860A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Epson Toyocom Corp 圧電振動片及びその製造方法
US20110080233A1 (en) * 2009-10-01 2011-04-07 Stmicroelectronics Sa Method for manufacturing baw resonators on a semiconductor wafer
US8397360B2 (en) 2009-10-01 2013-03-19 Stmicroelectronics Sa Method for manufacturing a monolithic oscillator with bulk acoustic wave (BAW) resonators
US8593234B2 (en) 2009-10-01 2013-11-26 Stmicroelectronics Sa Bragg mirror and BAW resonator with a high quality factor on the bragg mirror
US9647625B2 (en) 2009-10-01 2017-05-09 Stmicroelectronics Sa Method for manufacturing BAW resonators on a semiconductor wafer
US10756670B2 (en) 2016-12-19 2020-08-25 Seiko Epson Corporation Resonator, oscillator, electronic apparatus, and vehicle
JP2018121291A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 新日本無線株式会社 バルク弾性波共振器の製造方法
WO2019095640A1 (zh) * 2017-11-14 2019-05-23 安徽云塔电子科技有限公司 压电谐振器和压电谐振器的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11533040B2 (en) Elastic wave device
TWI762832B (zh) 聲表面波器件
US7498717B2 (en) Resonator, filter and fabrication of resonator
JP4685832B2 (ja) 共振器およびその製造方法
JP4252584B2 (ja) 圧電薄膜共振器およびフィルタ
KR100771345B1 (ko) 압전 박막 공진자 및 필터
JP6185292B2 (ja) 弾性波デバイス
US20100134210A1 (en) Piezoelectric Resonator and Piezoelectric Filter Device
JP2005073175A (ja) 圧電薄膜共振子及びその製造方法
WO2007088696A1 (ja) 圧電振動装置
JP3514224B2 (ja) 圧電共振子、フィルタ及び電子機器
JP2011041136A (ja) 弾性波デバイスおよびその製造方法
JP2008219237A (ja) バルク音響振動子
JP5057148B2 (ja) 圧電振動装置
JP2006295380A (ja) 圧電薄膜共振子およびフィルタ
JP5390431B2 (ja) 弾性波デバイス
JP2005311849A (ja) 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法
JP2005117151A (ja) 弾性表面波装置の製造方法及び弾性表面波装置
JP2005318366A (ja) 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法
JP6085147B2 (ja) 弾性波デバイスおよびその製造方法
JP2008244943A (ja) 薄膜バルク波共振器及びその製造方法
JP2009207075A (ja) 共振子フィルタの製造方法
JP2005318365A (ja) 圧電薄膜共振子、フィルタ及び圧電薄膜共振子の製造方法
KR20230129514A (ko) 공진기 및 전자 디바이스
JP2008311873A (ja) フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703