JP2005311080A - 測定装置、当該測定装置を有する露光装置 - Google Patents

測定装置、当該測定装置を有する露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 微小開口で形成される参照波面と理想波面との誤差を低減し、光学系の光学性能(波面収差など)を高精度に測定することが可能な測定装置、当該測定装置を有する露光装置を提供する。
【解決手段】 光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、第2の理想波面を生成すると共に、前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有し、前記第2の開口が前記第1の開口と重なるように、且つ、前記第1の膜と一定距離の空間を有して配置される第2の膜とを有することを特徴とする測定装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般には、光学部材の性能を測定する測定装置に係り、特に、レチクル上のパターンを被処理体に転写する投影光学系などの波面を測定装置を搭載した露光装置に関する。
フォトリソグラフィー(焼き付け)技術を用いてICやLSI等の半導体デバイスやCCD等の撮像デバイスや液晶パネル等の表示デバイスや磁気ヘッド等のデバイスを製造する際に、レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によってウェハ等に投影して回路パターンを転写する投影露光装置が従来から使用されている。かかる露光装置は、レチクル上のパターンを所定の倍率で正確にウェハに転写されることが要求されるため、結像性能のよい、収差を抑えた高精度な投影光学系を用いることが重要である。光学系の精度を表す波面収差RMS(Root Mean Square)値は、一般的に、Mareshal Criterionからλ/14以下にする必要がある。ここで、λは光源の波長である。
特に近年、半導体デバイスの一層の微細化の要求により、研究開発の進んでいる波長λ=13.5nm近傍のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いた露光装置(以下、「EUV露光装置」と称する。)には、n枚のミラーで構成される反射型の光学系が使用される。この場合、ミラー1枚あたり、λ/(28√n)の形状精度が要求され、6枚のミラーで構成される光学系を考えると、面加工精度を0.2nmRMS程度にする必要がある。
このような高精度な面形状は、計測精度が十分でないために従来の面精度測定装置では測定することができない。そのため、理想球面波を形成するためのピンホールを有する点回折干渉計(Point Diffraction Interferometer:PDI)や、理想円柱波又は理想楕円波を形成するためのスリットを有する線回折干渉計(Line Diffraction Interferometer:LDI)を利用し、0.1nmRMS程度の高い計測精度を達成する測定装置が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
ピンホールやスリットなどの微小開口から形成される参照波面と被検波面とを干渉させる方式のPDIやLDIを利用した測定装置では、開口で形成される参照波面と理想球面波や理想円筒波との誤差(以下、「参照波面偏差」と称する。)が測定誤差に影響を与える。かかる参照波面偏差は、ピンホール又はスリットの光軸(中心)と入射光の光軸とのずれ(光軸ずれ)によって生じる。光軸ずれが生じると、ピンホール又はスリットのエッジに引っ掛かりながら入射する光とピンホール又はスリットのエッジに引っ掛からずに入射する光との間に光路差が発生し、射出される参照波面が乱れるからである。また、十分に小さく、完全遮光体で厚みを持たないピンホール又はスリットからは理想球面波及び理想円筒波が形成されるが、実際のピンホール又はスリットは有限の厚みを持つため、発生する波面は参照波面偏差を有する。
従って、参照波面偏差を低減するために、開口の大きさを可能な限り小さくすると共に、開口の中心と入射光の光軸とを精度よく位置合わせする必要がある。この影響に対しては、光軸ずれや波面収差を変化させてピンホールから射出する波面を算出し、かかる波面を参照波面として用いた場合における測定誤差増加の問題提起がなされている(例えば、非特許文献2参照。)。
村上 勝彦著 「OplusE」 新技術コミュニケーションズ 2004年1月号 Vol.26 No.1 43頁乃至47頁 Y.Sekine,A.Suzuki,M.Hasegawa,H.Kondo,M.Ishii,J.Kawakami,T.Oshino,K.sugisaki,Y.Zhu,K.Otaki,Z.Liu、「Wave−front errors of reference spherical waves in high−numerical aperture point diffraction interferometers」、J.Vac.Sci.Technol.B22(1)2004
従来は、干渉計の測定に用いる光の波長が可視光の領域にあり、測定精度もそれほど高いものは要求されていなかったため、参照波面偏差が測定精度に与える影響を無視することができた。
しかし、EUV露光装置に用いる投影光学系などでは、高精度な波面収差の測定が要求され、参照波面偏差が測定精度に与える影響を無視できなくなってきた。また、EUV光などの波長の短い光は、微小開口が形成される部材(例えば、遮光膜など)を透過して微小開口に漏れだしてしまうため、光軸ずれと同様に、微小開口に漏れた光と微小開口に入射した光との間に光路差が生じ、参照波面を乱す原因となる。なお、微小開口を形成する部材を厚くすることでEUV光の微小開口への漏れの影響を低減することは可能であるが、理想球面波又は理想円筒波に近い参照波面を形成するために必要となる微小開口をより一層小さく、より薄くという要求と矛盾する。
一方、非特許文献2に開示されているように、従来の微小開口から射出される参照波面は、光軸ずれなどにより波面偏差が増加するため、測定精度に与える影響が無視できない。ゆえに、測定精度の向上のためには、理想球面波又は理想円筒波にできる限り近い参照波面を発生させる微小開口を用いることが好ましい。
このように、従来の測定装置では、高精度な光学系を提供するにあたり必須となる高精度な収差測定を行うことができない。換言すれば、従来の測定装置は、光学系の高精度化に伴って要求される測定精度を満足していない。
そこで、本発明は、微小開口で形成される参照波面と理想波面との誤差を低減し、光学系の光学性能(波面収差など)を高精度に測定することが可能な測定装置、当該測定装置を有する露光装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての測定装置は、光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、第2の理想波面を生成すると共に、前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有し、前記第2の開口が前記第1の開口と重なるように、且つ、前記第1の膜と一定距離の空間を有して配置される第2の膜とを有することを特徴とする。
本発明の別の側面としての測定装置は、光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、第2の理想波面を生成すると共に、前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有する第2の膜と、前記第1の開口を経た前記光を前記第2の開口に伝播する第3の開口を有し、前記第1の膜と前記第2の膜との間に配置され、前記第1の開口と前記第2の開口が重なるように前記第1の膜と前記第2の膜とを接続する第3の膜とを有し、前記第1の膜の消衰係数をk、前記第2の膜の消衰係数をk、前記第3の膜の消衰係数をkとしたとき、k>k、且つ、k>kを満足することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての測定装置は、光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、前記光から理想波面を生成する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光から理想波面を生成する第2の開口を有し、前記第1の開口が前記第1の開口と重なるように、且つ、前記第1の膜と一定距離の空間を有して配置される第2の膜とを有するパターン部材と、前記第2の開口を経た理想波面と前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての測定装置は、光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、
前記光から理想波面を生成する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光から理想波面を生成する第2の開口を有する第2の膜と、前記第1の開口を経た前記光を前記第2の開口に伝播する第3の開口を有し、前記第1の膜と前記第2の膜との間に配置され、前記第1の開口と前記第2の開口が重なるように前記第1の膜と前記第2の膜とを接続する第3の膜とを有するパターン部材と、前記第2の開口を経た理想波面と前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、前記第1の膜の消衰係数をk、前記第2の膜の消衰係数をk、前記第3の膜の消衰係数をkとしたとき、k>k、且つ、k>kを満足することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光装置は、レチクルに形成されたパターンを被処理体に露光する露光装置であって、上述の測定装置で測定された光学特性が所望の値以上であり、前記パターンを前記被処理体に投影する投影光学系を有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光装置は、光源からの光を用いてレチクルに形成されたパターンを被処理体に露光する露光装置であって、前記パターンを投影する投影光学系と、前記光を利用して前記投影光学系の光学性能を干渉縞として検出する測定装置とを有し、前記測定装置は、第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、第2の理想波面を生成すると共に、前記投影光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有し、前記第2の開口が前記第1の開口と重なるように、且つ、前記第1の膜と一定距離の空間を有して配置される第2の膜とを有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光装置は、光源からの光を用いてレチクルに形成されたパターンを被処理体に露光する露光装置であって、前記パターンを投影する投影光学系と、前記光を利用して前記投影光学系の光学性能を測定する測定装置とを有し、前記測定装置は、第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、第2の理想波面を生成すると共に、前記投影光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有する第2の膜と、前記第1の開口を経た前記光を前記第2の開口に伝播する第3の開口を有し、前記第1の膜と前記第2の膜との間に配置され、前記第1の開口と前記第2の開口が重なるように前記第1の膜と前記第2の膜とを接続する第3の膜とを有し、前記第1の膜の消衰係数をk、前記第2の膜の消衰係数をk、前記第3の膜の消衰係数をkとしたとき、k>k、且つ、k>kを満足することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光方法は、上述の測定装置を用いて投影光学系の光学性能を算出するステップと、算出された前記投影光学系の前記光学性能に基づいて、前記投影光学系を調節するステップと、調節された前記投影光学系を有する露光装置を用いて被処理体を露光するステップとを有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、微小開口で形成される参照波面と理想波面との誤差を低減し、光学系の光学性能(波面収差など)を高精度に測定することが可能な測定装置、当該測定装置を有する露光装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての測定装置1について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。図1は、測定装置1の構成を示す概略ブロック図である。図2は、測定装置1を構成する一部の要素の概略平面図であって、図2(a)は第1のマスク20の平面図、図2(b)はグレーディング30の平面図、図2(c)は第2のマスク40の平面図である。
測定装置1は、被検光学系MOSの光学特性を干渉縞を検出することによって測定する測定装置である。測定装置1は、本実施形態では、PDIを利用して被検光学系MOSの波面収差を測定する。
測定装置1は、図1に示すように、照明ユニット110と受光ユニット120とで構成される。MOSは被検光学系である。照明ユニット110は、照明光LLを射出する照明光学系10と、第1のパターン部材としての第1のマスク20と、照明光LLを回折するグレーディング30を有する。尚、光源は不図示である。受光ユニット120は、第2のパターン部材としての第2のマスク40と、CCDなどの受光素子で構成される検出部50とを有する。なお、DL1は、グレーディング30による回折光の一であり、被検光学系MOSを透過した後、第2のマスク40の透過窓44を透過する光である。DL2は、グレーディング30による回折光の一であって、回折光DL1とは別の回折次数を有し、第2のマスク40の第2のピンホール42に照射され、第2のピンホール42から発生する光である。
照明光学系10は、本実施形態では、光学素子で構成され、被検光学系MOSより大きな波面収差を有している可能性が高い。そこで、図2に示すように、第1のマスク20に形成されている第1のピンホール22に照明光LLを照射し、第1のピンホール22によって収差を低減した球面波(理想球面波)を発生させる。かかる球面波がグレーディング30を透過することにより、複数の次数の回折光が発生する。
グレーディング30で発生した回折光は、被検光学系MOSを透過又は被検光学系MOSで反射される。そして、回折光のうちの一が第2のマスク40の透過窓44を透過し、その他の回折光のうちの一が第2のマスク40の第2のピンホール42に照射される。
第2のマスク40の透過窓44を透過した光DL1は、被検光学系MOSの面精度誤差や調整誤差に起因する波面収差を有している。一方、第2のマスク40の第2のピンホール42により発生した光DL2は、第2のピンホール42により回折されることで、理想球面波に近い波面を有している。かかる光DL2を参照光として、被検波面である光DL1と重ね合わせて(干渉して)形成される干渉縞(強度パターン)を検出部50で検出する。検出された干渉縞を解析することにより、被検光学系MOSの面精度誤差を算出する。
ここで、第1のマスク20及び第2のマスク40は、照明光学系10及び被検光学系MOSの波面収差を低減させ、理想球面波に近い波面を生成させるために用いられる。換言すれば、第1のマスク20及び第2のマスク40は、参照波面を発生させる機能を有する。
また、測定装置1がLDIを利用する場合には、第1のマスク20の代わりに、図3(a)に示すような、第1のスリット22a及び22bを有する第1のマスク20A及び20Bを用い、グレーディング30の代わりに、図3(b)に示すような、グレーディング30A及び30Bを用い、第2のマスク40の代わりに、図3(b)に示すような、第2のスリット42aと透過窓44aとを有する第2のマスク40A及び第2のスリット42bと透過窓44bとを有する第2のマスク40Bを用いる。ここで、図3は、LDIを利用する場合の測定装置1を構成する一部の要素の概略平面図であって、図3(a)は第1のマスク20Aの平面図、図3(b)はグレーディング30Aの平面図、図3(c)は第2のマスク40A及びBの平面図である。
第1のピンホール22及び/又は第2のピンホール42から発生する参照波面を理想球面波に近づけるには、第1のマスク20及び第2のマスク40は、ピンホール以外の領域GPAで遮光性能を有する必要があるため、第1のピンホール22及び第2のピンホール42の厚さ(即ち、第1のマスク20及び第2のマスク40の厚さ)を有限な厚みに設定しなければならない。LDIを利用する場合も同様に、スリット以外の領域GPAで遮光性能を有する必要があるため、第1のスリット22a及び22b、及び、第2のスリット42a及び42bの厚さ(即ち、第1のマスク20A及び20B、及び、第2のマスク40A及び40Bの厚さ)を有限な厚みに設定しなければならない。
図4は、第1のマスク20の概略断面図であって、BIP22は、第1のマスク20の第1のピンホール22に照射されるビーム強度プロファイルである。図5は、第2のマスク40の概略断面図であって、BIP42及びBIP44は、第2のマスク40の第2のピンホール42及び透過窓44に照射されるビーム強度プロファイルである。なお、LDIを利用する測定装置に用いられる第1のマスク20A及び20B、及び、第2のマスク40A及び40Bにおけるビーム強度プロファイルは、図4及び図5に示すものと同様である。また、以下では、ピンホール及びスリットを開口と表現し、理想球面波及び理想円筒波の波面を理想波面と表現する。
開口を有する第1のマスク20及び/又は第2のマスク40が有限な厚みを有する場合、開口から生成される波面形状は、理想球面波や理想円筒波からの誤差(参照波面偏差)を有する。ここで、開口の中心と照射される光の光軸の位置がずれている場合や、照射される光が波面収差を含んでいた場合には、参照波面偏差が更に増加する。このような場合において、本発明者は、第1のマスク20及び第2のマスク40を、例えば、2層の膜から構成し、かかる2層の膜が有する開口の中心を一致させることで、参照波面偏差の増加を抑制することができることを発見した。
参照波面偏差の増加を抑制するために2層の膜で構成した第1のマスク20を図6に示す。図4と同様に、BIP22は、第1のピンホール22に照射される照明光学系10を透過又は反射してきたビーム強度プロファイルである。
図6を参照するに、第1のマスク20は、照明光LLを回折する第1の開口27aを有する第1の膜27と、第1の開口27aを経た光を回折する第2の開口28aを有する第2の膜28とを有する。また、第1の膜27と第2の膜28は、第1の開口27aの中心と第2の開口28aの中心と一致するように、且つ、照明光LLの吸収の少ない空間SPを有して配置される。
第1の膜27に照射された照明光LLは、第1の膜27に形成された第1の開口27aにより回折され、光軸ずれや照明光学系10に起因する波面収差が低減された光が発生する。更に、回折された光は、空間SPを伝搬した後、第2の膜28に照射される。
第2の膜28に照射された光は、第2の膜28に形成された第2の開口28aにより回折され、光軸ずれや照明光学系10に起因する波面収差が更に低減された光が発生する。従って、第1のマスク20によれば、従来のピンホールマスクに比べて、参照波面偏差が低減され、より理想波面に近い参照波面を形成することができる。これにより、測定装置1の測定精度が向上する。なお、本実施形態では、第1のマスク20を構成する膜を2層としているが、2層以上にしても同様の効果を得ることが可能である。また、本実施形態では、第1の開口27aの中心と第2の開口28aの中心と一致するように第1の膜27及び第2の膜28を配置しているが、第1の開口27aと第2の開口28aが重なるように第1の膜27及び第2の膜28を配置しても同様の効果を得ることができる。
第1のマスク20と同様に、参照波面偏差の増加を抑制するために2層の膜で構成した第2のマスク40を図7に示す。図5と同様に、BIP42は、第2のピンホール42に照射される被検光学系MOSを透過又は反射してきたビーム強度プロファイルである。
図7を参照するに、第2のマスク40は、被検光学系MOSを経た光を回折する第1の開口47aを有する第1の膜47と、第1の開口47aを経た光を回折する第2の開口48aを有する第2の膜48とを有する。また、第1の膜47と第2の膜48は、第1の開口47aの中心と第2の開口48aの中心と一致するように、且つ、光の吸収の少ない空間SPを有して配置される。第2のマスク40によれば、第2のピンホール42から発生する光の参照波面偏差を低減することが可能となる。従って、理想波面により近い参照波面を形成することができるため、測定装置1の測定精度を向上させることができる。なお、本実施形態では、第2のマスク40を構成する膜を2層としているが、2層以上にしても同様の効果を得ることが可能である。また、本実施形態では、第1の開口47aの中心と第2の開口48aの中心と一致するように第1の膜47及び第2の膜48を配置しているが、第1の開口47aと第2の開口48aが重なるように第1の膜47及び第2の膜48を配置しても同様の効果を得ることができる。
第2のマスク40は、図8に示すように、空間SPに保持部材45を配置してもよい。保持部材45は、第1の膜47及び第2の膜48に接続し、第1の膜47と第2の膜48との間に一定距離の空間SPを保持する。保持部材45は、第1の膜47及び第2の膜48の重力や熱による変形を低減すると共に、第1の開口47aの中心と第2の開口48aの中心とを精度よく一致させることができる。なお、かかる保持部材は、第1のマスク20に適用することも可能であることは言うまでもない。ここで、図8は、保持部材45を有する第2のマスク40の概略断面図である。
図9は、第1の膜47と第2の膜48との間の空間SPに第3の膜49を有する第2のマスク40の概略断面図である。第3の膜49は、第1の開口47aを経た光を第2の開口48aに伝播する第3の開口49aを有し、第1の開口47aの中心と第2の開口48aの中心とを一致させるように、第1の膜47と第2の膜48とを接続する。なお、第3の膜49の光吸収が少ない場合には、第3の開口49aを形成しなくてもよい。上述したように、第3の膜49は、第1の開口47aと第2の開口48aが重なるように第1の膜47及び第2の膜48を接続してもよい。また、図9に示す第2のマスク40の構成は、第1のマスク20にも適用することができる。
第2のマスク40は、第1の膜47の消衰係数をk、第2の膜48の消衰係数をk、第3の膜の消衰係数をkとした場合、k>kとすることで、第1の開口47aから広がりを持った回折光が発生し、照射された光の波面収差や照射された光の光軸と第1の開口47aの中心との位置ずれの影響を低減することができる。更に、k>kとすることで、照射された光の波面収差や照射された光の光軸と第2の開口48aの中心との位置ずれの影響を更に低減した光が第2の開口48aから発生する。ここで、消衰係数とは、媒質の複素屈折率虚部である。
図9に示すように、第3の膜49を設けることで、第2のマスク40の剛性が向上し、変形の影響を低減させることができる。更に、可視光の場合には、第3の膜49を略透明な石英基板とし、かかる基板の表面及び裏面に消衰係数の大きい、例えば、クロムなどを成膜した後、フォトリソグラフィー及びエッチングや、電子ビーム、イオンビームなどによって開口を形成することで、簡便に第2のマスク40を作成することが可能となる。
測定装置1がLDIを利用して被検光学系MOSの光学性能を測定する場合には、第1のマスク20及び第2のマスク40が有する第1のピンホール22及び第2のピンホール42の円形状をスリット形状にすればよい。スリットの短い方向の幅(以下、「スリット幅」と称する。)は、照射される光のビーム強度プロファイルの幅より短くすることで、照射される光の波面収差を低減させた光を回折により発生させることが可能となる。スリットのような矩形形状の開口から発生する光を集光する場合、スポットの幅は、照明光LLの波長をλ、集光させる光学系(即ち、被検光学系MOS)の開口数をNA(Numerical Aperture)とすると、λ/NAとなる。従って、スリット幅がλ/NA以下であれば、照射される光の波面収差が低減した光を回折により発生させることができる。
ここで、例えば、EUV露光装置(波長λが13.5nm)に用いられるNAが0.20である投影光学系の光学特性を測定するLDIを利用した測定装置について説明する。本発明の第2のマスク40及び従来のマスクから発生する波面の参照波面偏差について、厳密電磁場数値計算を用いて計算した。なお、従来のマスクは、材質をNi、厚さを150nmとし、本発明の第2のマスク40は、第1の膜47の材質をNi、厚さを50nm、第2の膜48の材質をNi、厚さを150nm、第3の膜49の材質をSiN、厚さを150nmとした。また、本発明の第2のマスク40及び従来のマスク共に、スリット幅を50nmとした。
図10は、本発明の第2のマスク40(Ni 50nm/SiN 150nm/Ni 150nm)及び従来のマスク(Ni 150nm)において、照射する光の光軸とスリットの中心との間に位置ずれ(光軸ずれ)が生じた場合に、スリットから発生する波面の理想円筒波からの誤差、即ち、参照波面偏差を示すグラフである。図10は、横軸に光軸ずれを、縦軸に参照波面偏差を採用する。
図10を参照するに、従来のマスクでは、スリットから発生した波面の参照波面偏差は、光軸ずれが5nmで2.5mλ以上、光軸ずれが10nmで5mλ以上と、光軸ずれが増加するに従って参照波面偏差も著しく増加する。一方、本発明の第2のマスク40では、20nmの光軸ずれが生じても参照波面偏差は2mλ以下に抑えられていることがわかる。
EUV露光装置に用いられる投影光学系の測定精度としては、0.1nmRMS程度が求められており、これを波長単位に換算すると、0.1nm/13.5nm=7.4mλRMSとなる。干渉計における測定誤差の要因としては、大別して、システム誤差、第1のマスクから発生する参照波面偏差、第2のマスクから発生する参照波面偏差及び干渉縞解析誤差がある。このうち、第2のマスクにおける参照波面偏差としては、7.4mλ/4=1.85mλが許容範囲となる。
図10を参照するに、参照波面誤差が1.85λRMS以下となる光軸ずれは、従来のマスクの場合には2.5nm以下であり、かかる精度で光軸、マスクの位置制御を行うことは困難である。一方、本発明の第2のマスク40の場合には、20nm程度の光軸ずれまで許容され、LDIの測定精度の向上と共に、高精度な位置合わせが不要となるため、装置の簡便化も可能となる。
また、PDIを利用した測定装置1においては、第1のマスク20及び第2のマスク40の第1のピンホール22及び第2のピンホール42の形状を略円形状にすることで、理想球面波に近い波面の光を発生させることができる。ピンホールのような円形状の開港から発生する光を集光する場合、スポット直径は、1.22×λ/NAといなる。従って、ピンホールの直径が1.22×λ/NA以下であれば、照射される光の波面収差が低減した光を回折により発生させることができる。
ここで、LDIを利用した測定装置の場合と同様に、本発明の第2のマスク40及び従来のマスクから発生する波面の参照波面偏差について、厳密電磁場数値計算を用いて計算した。なお、従来のマスクは、材質をNi、厚さを150nmとし、本発明の第2のマスク40は、第1の膜47の材質をNi、厚さを50nm、第2の膜48の材質をNi、厚さを150nm、第3の膜49の材質をSiN、厚さを150nmとした。また、本発明の第2のマスク40及び従来のマスク共に、ピンホールの直径を50nmとした。
図11は、本発明の第2のマスク40(Ni 50nm/SiN 150nm/Ni 150nm)及び従来のマスク(Ni 150nm)において、照射する光の光軸とピンホールの中心との間に位置ずれ(光軸ずれ)が生じた場合に、ピンホールから発生する波面の理想球面波からの誤差、即ち、参照波面偏差を示すグラフである。図11は、横軸に光軸ずれを、縦軸に参照波面偏差を採用する。
図11を参照するに、参照波面偏差が1.85λRMS以下となる光軸ずれは、従来のマスクの場合には11nm以下であるが、本発明の第2のマスク40の場合には25nm以上に拡大していることがわかる。従って、PDIの測定精度の向上と共に、高精度な位置合わせが不要となるため、装置の簡便化も可能となる。
なお、照明光学系10や被検光学系MOSは、無収差ではなく、ある収差を有しているため、入射する光が収差を有している場合においても、参照波面偏差は小さいものでなければならない。
図12は、本発明の第2のマスク40(Ni 50nm/SiN 150nm/Ni 150nm)及び従来のマスク(Ni 150nm)において、照射する光が非点収差を有する場合に、ピンホールから発生する波面の理想球面波からの誤差、即ち、参照波面偏差を示すグラフである。図12は、横軸にFringe Zernike多項式の低次非点収差の係数を、縦軸に参照波面偏差を採用する。
図12を参照するに、従来のマスクでは、非点収差の係数が−0.05λから0.1λの範囲で、参照波面偏差が1.85mλRMSとなるが、本発明の第2のマスク40では、非点収差の係数が−0.5λから0.25λまでの広い範囲で、参照波面偏差を1.85mλRMS以下に抑えることが可能となる。従って、PDIの測定精度の向上と共に、高精度な位置合わせが不要となるため、装置の簡便化も可能となる。なお、第2のマスク40の開口の形状(円形形状)は、照射される光が直線偏光の場合、偏光方向に応じた楕円形状とすることで、参照波面偏差を更に低減させることができる。
また、光が最初に照射される第1の膜47の第1の開口47aから発生した回折光は、第1の開口47aの出口に近い領域ではフレネル回折に似た回折光となり、更に、伝搬することにより、フラウンホーファ回折に似た回折光となる。第1の開口47aの出口から垂直方向の伝搬距離をd、光の波長をλ、伝搬する媒質の屈折率をn、第1の開口47aの最大幅をaとすると、フレネル回折に似た回折光が生じる領域は、以下の数式1で表される。
また、以下の数式2で表される領域では、回折光の広がりが、第1の開口47aの最大幅a以上となる。
従って、第2の膜48の第2の開口48aに光が到達するまでに、回折光の広がりが第2の開口48aの最大幅以上となっていれば、第2の開口48aから発生する参照波面偏差が小さくなる。
例えば、開口幅50nmの第1の開口47aから生じる回折光の光強度分布を、波長を13.5nm、第1の膜47は完全遮蔽体で無限に薄いものとして計算した。図13は、数式1の条件を満たし、第1の開口47aから2nm伝搬したときの開口面に対して平行方向の光強度分布を示すグラフである。図13は、横軸に第1の開口47aの位置を、縦軸に光強度を採用している。図13を参照するに、開口幅50nm内での光強度分布は、中心軸上の強度がピークとなっておらず、開口幅50nm外では急激に光強度が減少していることがわかる。
図14は、数式2の条件を満たし、第1の開口47aから47nm伝搬したときの開口面に対して平行方向の光強度分布を示すグラフである。図14は、横軸に第1の開口47aの位置を、縦軸に光強度を採用している。図14を参照するに、開口幅50nm外の領域にも光が広がっていることがわかる。
更に、第1の膜47が有限の厚みを有し、光吸収がある場合を考える。例えば、第1の膜47の材質をNi、厚みを50nm、第2の膜48の材質をNi、厚みを150nmとした第2のマスク40の参照波面収差を考える。図15は、第3の膜49の厚さを変化させた場合において、第2のマスク40から発生する参照波面偏差を示すグラフである。図15は、横軸に第3の膜49の厚さを、縦軸に参照波面偏差を採用する。
図15を参照するに、光軸ずれがない場合と、光軸ずれが10nmある場合の参照波面偏差を比較すると、第3の膜49の厚さをdとして、d>n×a/(4λ)、即ち、d>45.6nmで、第3の膜49として光吸収の多いNiを用いた第2のマスク40よりも、第3の膜49として光吸収の少ないSiNを用いた第2のマスク40の方が、参照波面偏差は小さくなる。従って、第2のマスク40の第3の膜49の厚さを、n×a/(4λ)以上とすることで、第2のマスク40からの参照波面偏差を低減することが可能となる。なお、第1の膜47が有する第1の開口47aの形状と、第2の膜48が有する第2の開口48aの形状が異なる場合でも、同様の効果を得ることができる。
更に、光が最初に照射される第1の膜47では、回折光が発生する程度の遮光性能が必要となる。第1の膜47において、光軸ずれを生じた場合には、入射する光の光軸、即ち、入射光の最大の光強度となる位置が第1の開口47a以外の領域に移動することがある。この場合、第1の開口47aにより回折光を発生させるためには、入射する光の光強度を1とすると、スポット径端の光強度である1/e以下に減衰する厚みz’を有している必要がある。ここで、eは自然対数である。
ここで、第1の膜47に電界強度Iの平面波を入射した場合、誘電体を距離zだけ透過した平面波の電界強度Iは、以下の数式3で表される。
ここで、αは吸収係数であり、消衰定数をk、波長をλとすると、以下の数式4で表される。
また、入射する光のピーク強度が1/eに減衰する距離z’は、以下の数式5で表される。
波長λ=13.5nm、材質としてNiを用いた場合は消衰係数k=0.0727であるから、z’=約30nmとなる。
図16は、開口形状を直径50nmのピンホール、第3の膜49の材質をSiN、厚みを150nm、第2の膜48の材質をNi、厚みを150nm、入射する光の波長を13.5nmとした場合において、第1の膜47の材質をNiとし、厚さを変化させたときの参照波面偏差を示すグラフである。図16は、横軸に第1の膜47の厚さを、縦軸に参照波面偏差を採用する。
図16を参照するに、第1の膜47の厚さがλ/(2πk)以上、即ち、30nm以上であれば、10nmの光軸ずれが生じていても、参照波面偏差の増加を低減することができるのがわかる。従って、第1の膜47の厚さをλ/2πk以上とすることで、参照波面偏差を低減し、測定装置1の測定精度を向上させることができる。
最終的に参照波面を発生させる第2の膜48は、第1の膜47よりも高い遮光性能が要求される。この場合、入射する光の光強度を0.1%程度まで減衰させることによって、第2の開口48aから発生する光と、第2の開口48a以外を透過する光との干渉を低減することができる。入射する光の光強度を0.1%に低減させるためには、第2の膜48の厚さz’を、以下の数式6よりも厚くすればよい。
図17は、本発明の第2のマスク40(Ni 50nm/SiN 150nm/Ni 150nm)において、第2の膜48の第2の開口48aの直径を50nmとし、第1の膜47の第1の開口47aを変化させた場合に発生する参照波面偏差を示すグラフである。図17は、横軸に第1の開口47aの直径を、縦軸に参照波面偏差を採用する。
図17を参照するに、第1の開口47aの直径を、第2の開口48aの直径よりも小さくすることで、参照波面偏差を小さくすることが可能であることがわかる。従来は、開口径を小さくすると、開口以外の部分に照射される光量が増加するため、射出側で遮光しきれずに透過する光量も増加し、開口での回折光と干渉することで参照波面偏差が増加するという問題があった。しかし、本発明の第2のマスク40では、光軸ずれや入射する光の波面収差の影響を低減するように、開口径を小さくしても、多層の膜(例えば、第1の膜47、第2の膜48及び第3の膜49)により、遮光しきれずに透過する光を減少させることが可能となる。従って、光軸ずれや入射する光の波面収差の影響を低減することが可能となる。また、開口としてスリットが形成されている場合も同様に、第1の膜47のスリット幅が、第2の膜48のスリット幅よりも小さくすることで、参照波面偏差を低減させることができる。
以上のように、理想波面との誤差が小さい参照波面を生成することができる第1のマスク20及び第2のマスク40を、光学系の波面精度や光学素子の面精度を測定するPDIやLDIなどの干渉計の参照波面として用いることで、高精度な測定が可能となる。従って、測定装置1は、EUV露光装置に用いられる光学系のような、高い精度が要求される光学系及び光学部材の光学特性の測定を行うことが可能となる。
更には、本発明の測定装置1を露光装置に搭載することにより、常に高い精度で波面収差を測定することが可能となるため、安定した露光性能を維持することができ、半導体デバイスの歩留まり向上やメンテナンス性の向上を実現することができる。
以下、図18を参照して、本発明の測定装置1を有する例示的な露光装置500について説明する。図18は、本発明の一側面としての露光装置500の構成を示す概略ブロック図である。
本発明の露光装置500は、露光用の照明光としてEUV光(例えば、波長13.4nm)を用いて、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でレチクル520に形成された回路パターンを被処理体540に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、マスクに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」は、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
図18を参照するに、露光装置500は、測定装置1と、照明装置510と、レチクル520と、レチクル520を載置するレチクルステージ525と、投影光学系530と、被処理体540と、被処理体540を載置するウェハステージ545と、アライメント検出機構550と、フォーカス位置検出機構560とを有する。
また、図18に示すように、EUV光は、大気に対する透過率が低く、残留ガス(酸素、二酸化炭素、水蒸気など)成分との反応によりコンタミを生成してしまうため、少なくとも、EUV光が通る光路中(即ち、光学系全体)は真空雰囲気CAとなっている。
測定装置1は、本実施形態では、投影光学系530の光学特性を測定する。図18の110が照明ユニットであり、ステージ115に設置されている。120が受光ユニットであり、ステージ125に設置されている。投影光学系530の光学特性を測定する際は、照明ユニット110と受光ユニット120がステージ毎駆動され、各々レチクル520及び被処理体540と入れ替わる。そして、照明光学系514から分離した光を照明ユニット110に導き、投影光学系530の光学特性を測定する。測定装置1は、上述した形態の他、いかなる形態をも適用可能であり、ここでの詳細な説明は省略する。なお、測定装置1は、必ずしも設置する必要はなく、後述するように、測定装置1で光学特性を測定し、かかる光学特性が所望の値以上を有する投影光学系を露光装置500に利用してもよい。
照明装置510は、投影光学系530の円弧状の視野に対する円弧状のEUV光(例えば、波長13.4nm)によりレチクル520を照明する照明装置であって、EUV光源512と、照明光学系514とを有する。
EUV光源512は、例えば、レーザープラズマ光源が用いられる。これは、真空容器中のターゲット材に高強度のパルスレーザー光を照射し、高温のプラズマを発生させ、これから放射される、例えば、波長13nm程度のEUV光を利用するものである。ターゲット材としては、金属膜、ガスジェット、液滴などが用いられる。放射されるEUV光の平均強度を高くするためにはパルスレーザーの繰り返し周波数は高い方がよく、通常数kHzの繰り返し周波数で運転される。
照明光学系514は、集光ミラー514a、オプティカルインテグレーター514bから構成される。集光ミラー514aは、レーザープラズマからほぼ等方的に放射されるEUV光集める役割を果たす。オプティカルインテグレーター514bは、レチクル520を均一に所定の開口数で照明する役割を持っている。また、照明光学系514は、レチクル520と共役な位置に、レチクル520の照明領域を円弧状に限定するためのアパーチャ514cが設けられている。
レチクル520は、反射型マスクで、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、マスクステージに支持及び駆動されている。レチクル520から発せられた回折光は、投影光学系530で反射されて被処理体540上に投影される。レチクル520と被処理体540とは、光学的に共役の関係に配置される。露光装置500は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、レチクル520と被処理体540を走査することによりレチクル520のパターンを被処理体540上に縮小投影する。
レチクルステージ525は、レチクル520を支持して図示しない移動機構に接続されている。レチクルステージ525は、当業界周知のいかなる構造をも適用することができる。図示しない移動機構は、リニアモーターなどで構成され、少なくともX方向にレチクルステージ525を駆動することでレチクル520を移動することができる。露光装置500は、レチクル520と被処理体540を同期した状態で走査する。ここで、レチクル520又は被処理体540面内で走査方向をX、それに垂直な方向をY、レチクル520又は被処理体540面内に垂直な方向をZとする。
投影光学系530は、複数の反射ミラー(即ち、多層膜ミラー)530aを用いて、レチクル520面上のパターンを像面である被処理体540上に縮小投影する。複数のミラー530aの枚数は、4枚乃至6枚程度である。少ない枚数のミラーで広い露光領域を実現するには、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状の領域(リングフィールド)だけを用いて、レチクル520と被処理体540を同時に走査して広い面積を転写する。投影光学系530の開口数(NA)は、0.1乃至0.2程である。かかる投影光学系530の光学特性(例えば、波面収差)の測定に本発明の測定装置1を適用することができ、測定装置1により光学特性を測定し、かかる測定値が許容範囲内である投影光学系530を用いることにより、優れた結像性能を発揮することができる。また、投影光学系530は、測定装置1の測定結果に基づいて、光学特性を調整することも可能である。
被処理体540は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板その他の被処理体を広く含む。被処理体540には、フォトレジストが塗布されている。
ウェハステージ545は、ウェハチャック545aによって被処理体545を支持する。ウェハステージ545は、例えば、リニアモーターを利用してXYZ方向に被処理体540を移動する。レチクル520と被処理体540は、同期して走査される。また、レチクルステージ525の位置とウェハステージ545との位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。
アライメント検出機構550は、レチクル520の位置と投影光学系530の光軸との位置関係、及び、被処理体540の位置と投影光学系530の光軸との位置関係を計測し、レチクル520の投影像が被処理体540の所定の位置に一致するようにレチクルステージ525及びウェハステージ545の位置と角度を設定する。
フォーカス位置検出機構560は、被処理体540面でZ方向のフォーカス位置を計測し、ウェハステージ545の位置及び角度を制御することによって、露光中、常時被処理体540面を投影光学系530による結像位置に保つ。
なお、本実施形態においける照明装置510のEUV光源512及び照明光学系514は、測定装置1の照明光学系10を兼ねることも可能である。
露光において、照明装置510から射出されたEUV光はレチクル520を照明し、レチクル520面上のパターンを被処理体540面上に結像する。本実施形態において、像面は円弧状(リング状)の像面となり、レチクル520と被処理体540を縮小倍率比の速度比で走査することにより、レチクル520の全面を露光する。露光装置500は、測定装置1により測定された光学特性が所定の値以上の投影光学系530を用いているため、優れた露光性能を達成し、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
次に、図19及び図20を参照して、上述の露光装置500を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図19は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する行程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図20は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置500によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置500を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の一側面としての測定装置の構成を示す概略ブロック図である。 図1に示す測定装置を構成する一部の要素の概略平面図である。 LDIを利用する場合の測定装置を構成する一部の要素の概略平面図である。 図1に示す第1のマスクの概略断面図である。 図1に示す第2のマスクの概略断面図である。 図4に示す第1のマスクの更に詳細な断面図である。 図5に示す第2のマスクの更に詳細な断面図である。 保持部材を有する第2のマスクの概略断面図である。 第1の膜と第2の膜との間に第3の膜を有する第2のマスクの概略断面図である。 図9に示す第2のマスク及び従来のマスクにおいて、光軸ずれが生じた場合の参照波面偏差を示すグラフである。 図9に示す第2のマスク及び従来のマスクにおいて、光軸ずれが生じた場合の参照波面偏差を示すグラフである。 図9に示す第2のマスク及び従来のマスクにおいて、照射する光が非点収差を有する場合の参照波面偏差を示すグラフである。 数式1の条件を満たし、第1の開口から2nm伝搬したときの開口面に対して平行方向の光強度分布を示すグラフである。 数式2の条件を満たし、第1の開口から47nm伝搬したときの開口面に対して平行方向の光強度分布を示すグラフである。 第3の膜の厚さを変化させた場合において、第2のマスクから発生する参照波面偏差を示すグラフである。 第1の膜の厚さを変化させた場合において、第2のマスクから発生する参照波面偏差を示すグラフである。 本発明の第2のマスクにおいて、第1の膜の第1の開口を変化させた場合に発生する参照波面偏差を示すグラフである。 本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略ブロック図である。 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。 図19に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
符号の説明
1 測定装置
10 照明光学系
20 第1のマスク
22 第1のピンホール
27 第1の膜
27a 第1の開口
28 第2の膜
28a 第2の開口
20A及び20B 第1のマスク
22a及び22b 第1のスリット
30、30A及び30B グレーディング
40 第2のマスク
42 第2のピンホール
44 透過窓
45 保持部材
47 第1の膜
47a 第1の開口
48 第2の膜
48a 第2の開口
49 第3の膜
49a 第3の開口
40A及び40B 第2のマスク
42a及び42b 第2のスリット
44a及び44b 透過窓
50 検出部
SP 空間
MOS 被検光学系
500 露光装置
530 投影光学系

Claims (21)

  1. 光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、
    第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、
    第2の理想波面を生成すると共に、前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、
    前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、
    前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、
    前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有し、前記第2の開口が前記第1の開口と重なるように、且つ、前記第1の膜と一定距離の空間を有して配置される第2の膜とを有することを特徴とする測定装置。
  2. 前記第1の膜及び前記第2の膜に接続し、前記空間を保持する保持部材を更に有することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  3. 前記第1の開口及び前記第2の開口は、スリット形状又は円形状であることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  4. 光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、
    第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、
    第2の理想波面を生成すると共に、前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、
    前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、
    前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、
    前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有する第2の膜と、
    前記第1の開口を経た前記光を前記第2の開口に伝播する第3の開口を有し、前記第1の膜と前記第2の膜との間に配置され、前記第1の開口と前記第2の開口が重なるように前記第1の膜と前記第2の膜とを接続する第3の膜とを有し、
    前記第1の膜の消衰係数をk、前記第2の膜の消衰係数をk、前記第3の膜の消衰係数をkとしたとき、k>k、且つ、k>kを満足することを特徴とする測定装置。
  5. 前記第1の開口の中心と前記第2の開口の中心は、一致していることを特徴とする請求項1又は4記載の測定装置。
  6. 前記第1の開口、前記第2の開口及び前記第3の開口は、スリット形状又は円形状を有することを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  7. 前記スリット形状の幅は、前記光の波長をλ、前記被検光学系の開口数をNAとしたときに、λ/NA以下であることを特徴とする請求項6記載の測定装置。
  8. 前記円形状の直径は、前記光の波長をλ、前記被検光学系の開口数をNAとしたときに、1.22×λ/NA以下であることを特徴とする請求項6記載の測定装置。
  9. 前記第3の膜の厚さは、前記光の波長をλ、前記第3の開口の最大の幅をa、前記第3の膜の複素屈折率実部をnとしたときに、n×a/(4λ)以上であることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  10. 前記第1の膜の厚さは、前記光の波長をλ、前記第1の膜の消衰係数をkとしたときに、λ/(2πk)以上であることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  11. 前記第2の膜の厚さは、前記光の波長をλ、前記第2の膜の消衰係数をkとしたときに、1.727λ/(πk)以上であることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  12. 前記第1の膜の第1の開口及び前記第2の膜の第2の開口は、スリット形状を有し、
    前記第1の膜のスリット形状の幅は、前記第3のスリット形状の幅よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  13. 前記第1の膜の第1の開口及び前記第2の膜の第2の開口は、円形状を有し、
    前記第1の円形状の直径は、前記第2の膜の円形状の直径よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  14. 光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、
    前記光から理想波面を生成する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光から理想波面を生成する第2の開口を有し、前記第1の開口が前記第1の開口と重なるように、且つ、前記第1の膜と一定距離の空間を有して配置される第2の膜とを有するパターン部材と、
    前記第2の開口を経た理想波面と前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有することを特徴とする測定装置。
  15. 光を用いて被検光学系の光学性能を測定する測定装置であって、
    前記光から理想波面を生成する第1の開口を有する第1の膜と、前記第1の開口を経た前記光から理想波面を生成する第2の開口を有する第2の膜と、前記第1の開口を経た前記光を前記第2の開口に伝播する第3の開口を有し、前記第1の膜と前記第2の膜との間に配置され、前記第1の開口と前記第2の開口が重なるように前記第1の膜と前記第2の膜とを接続する第3の膜とを有するパターン部材と、
    前記第2の開口を経た理想波面と前記被検光学系の前記光学性能を反映する被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、
    前記第1の膜の消衰係数をk、前記第2の膜の消衰係数をk、前記第3の膜の消衰係数をkとしたとき、k>k、且つ、k>kを満足することを特徴とする測定装置。
  16. レチクルに形成されたパターンを被処理体に露光する露光装置であって、
    請求項1乃至15のうちいずれか一項記載の測定装置で測定された光学特性が所望の値以上であり、前記パターンを前記被処理体に投影する投影光学系を有することを特徴とする露光装置。
  17. 光源からの光を用いてレチクルに形成されたパターンを被処理体に露光する露光装置であって、
    前記パターンを投影する投影光学系と、
    前記光を利用して前記投影光学系の光学性能を干渉縞として検出する測定装置とを有し、
    前記測定装置は、第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、
    第2の理想波面を生成すると共に、前記投影光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、
    前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、
    前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、
    前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有し、前記第2の開口が前記第1の開口と重なるように、且つ、前記第1の膜と一定距離の空間を有して配置される第2の膜とを有することを特徴とする露光装置。
  18. 光源からの光を用いてレチクルに形成されたパターンを被処理体に露光する露光装置であって、
    前記パターンを投影する投影光学系と、
    前記光を利用して前記投影光学系の光学性能を測定する測定装置とを有し、
    前記測定装置は、第1の理想波面を生成する第1のパターン部材と、
    第2の理想波面を生成すると共に、前記投影光学系の前記光学性能を反映する被検波面を生成する第2のパターン部材と、
    前記第2のパターン部材を経た前記第2の理想波面と前記被検波面との干渉縞を検出する検出部とを有し、
    前記第1のパターン部材及び/又は前記第2のパターン部材は、前記光を回折する第1の開口を有する第1の膜と、
    前記第1の開口を経た前記光を回折する第2の開口を有する第2の膜と、
    前記第1の開口を経た前記光を前記第2の開口に伝播する第3の開口を有し、前記第1の膜と前記第2の膜との間に配置され、前記第1の開口と前記第2の開口が重なるように前記第1の膜と前記第2の膜とを接続する第3の膜とを有し、
    前記第1の膜の消衰係数をk、前記第2の膜の消衰係数をk、前記第3の膜の消衰係数をkとしたとき、k>k、且つ、k>kを満足することを特徴とする露光装置。
  19. 前記レチクルを照明する照明光学系を更に有し、
    前記照明光学系は、前記測定装置の一部を兼ねていることを特徴とする請求項17又は18記載の露光装置。
  20. 請求項1乃至15のうちいずれか一項記載の測定装置を用いて投影光学系の光学性能を算出するステップと、
    算出された前記投影光学系の前記光学性能に基づいて、前記投影光学系を調節するステップと、
    調節された前記投影光学系を有する露光装置を用いて被処理体を露光するステップとを有することを特徴とする露光方法。
  21. 請求項16乃至19のうちいずれか一項記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、
    露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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