JP2004055264A - 金属板の定電圧通電加熱方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属板の抵抗率ρと比熱Cとを温度Tの関数として近似し、それらの関数を用いて金属板に加える電圧Vと金属板の温度上昇率との関係を求める。この関係式から金属板を目標時間で目標温度まで昇温するに要する定電圧の値を求め、この値の定電圧を金属板に加える。例えば実施例では、図4に示すように3秒で金属板を1000℃にまで昇温することができた。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板等の金属板を目標温度にまで定電圧で通電加熱する金属板の定電圧通電加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板などの金属板を温間プレスするに際しては金属板を適当な温度に加熱する必要があり、そのために従来から通電加熱方法が広く用いられている。金属板の通電加熱に当たって従来は作業者が金属板の寸法、目標温度、目標時間等に応じて経験的に電流値や電圧値を設定して金属板を通電加熱していたので、最適な電流・電圧値を設定するまでに試行錯誤を要していた。また、金属板の寸法や材質が変更された場合にも、新たに最適な電流・電圧値を設定し直す必要があり、そのために加熱温度がばらついたりするという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、経験や試行錯誤に頼ることなく、金属板に定電圧を加えて目標時間で目標温度まで精度よく昇温することができる金属板の定電圧通電加熱方法を提供するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の金属板の定電圧通電加熱方法は、金属板の抵抗率と比熱とを温度の関数として近似し、それらの関数を用いて金属に加える電圧と金属板の温度上昇率との関係式を求め、この関係式から金属板を定電圧通電により目標時間で目標温度まで昇温するに要する定電圧の値を求め、この値の定電圧を金属板に加えることを特徴とするものである。
【0005】
本発明の金属板の定電圧通電加熱方法によれば、金属板を目標時間で目標温度まで昇温するに要する定電圧の値を予め計算により正確に求めることができ、この値の定電圧を金属板に負荷することよって金属板を目標温度に精度よく昇温することができる。このため金属板の材質や寸法が変更された場合にも、直ちに電圧値を適切な値に変更することができ、加熱ミスを生ずることがない。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は本発明を実施するための通電加熱装置の一例を示す概略図であって、電極1、1間に支持された金属板に電源装置2から定電圧が加えられて電流が流れ、ジュール熱により加熱される。本発明では予め計算された定電圧が加えられ、目標時間で目標温度まで昇温される。このための定電圧の計算は以下のようにして行う。
【0007】
本発明の金属板の定電圧通電加熱方法においては、金属板の寸法と物性(抵抗率、比熱、比重)目標温度、加熱時間から定電圧の値を決定する。すなわち、金属板の寸法と電圧と抵抗率(体積抵抗率)から金属板に供給される電気エネルギーを求め、この電気エネルギーと比熱と質量から電圧と金属板の温度上昇率との関係式を求め、この関係式により必要な定電圧の値を演算して金属板に加える。ここで、抵抗率と比熱は温度に依存して変化するので、演算に用いる抵抗率と比熱は温度の関数として近似したものを用いる必要がある。以下、鉄板を例に本発明における電圧値の演算方法を説明する。なお、以下の計算においては放射による抜熱は小さいので無視している。
【0008】
先ず、抵抗を温度の関数として近似する。抵抗(Ω)をR、抵抗率(Ω・m)をρ、金属板の長さ(m)をl、金属板の断面積(m2)をαとすると、R=ρl/αとなる。抵抗率ρの温度との関係は図2に示すとおりであって、この抵抗率ρは温度Tの関数としてρ=aT2+bT+cの2次関数で近似できる。ここで、a=0.0000875×10−8、b=0.051×10−8、c=8.73×10−8である。また、比熱と温度との関係は図3に示すとおりであって、この比熱C(J/kg・K)は一次式C=pT+qで近似することができる。ここで、p=0.449、q=432である。
【0009】
さて、抵抗Rの金属板に電圧Vが加えられたときに金属板に供給される電気エネルギーP(W)は、P=V2R=αV2/ρlと表される。以下に、定電圧抵抗加熱について、時間と温度との関係を数学的に求める。
【0010】
比熱Cの金属板に電気エネルギーPが与えられることによる昇温速度は、dT/dt=P/m*Cで与えられる。mは金属板の質量(kg)である。この式のP,Cに上記の各式を代入すると、数1となる。
【数1】
ここで、B=ml/αV2とすると、数2となる。
【数2】
【0011】
この式の両辺を積分して時間tを求めると、数3に示す通りとなる。
【数3】
ここで、T0は昇温前の温度、T1はt1時間昇温後の温度である。この式は金属板の抵抗率及び比熱を温度の関数として近似したうえで、加熱時間を金属板の寸法と電圧および目標温度から求めるものである。
【0012】
この式より電圧Vは下記の数4で表すことができる。
【数4】
【0013】
このようにして計算された定電圧を金属板に所定時間tだけ加えれば、金属板を目標温度にまで精度よく昇温することができる。なお、電源装置2に上記の演算式を記憶させたコンピュータを接続しておき、必要な項目を入力するだけで直ちに定電圧値を求めることができるようにしておくことが好ましい。
【0014】
【実施例】
以上に説明した本発明の項かを確認するために、長さ0.2m、幅0.08m、厚さ0.0032mの鉄板に定電圧を負荷して3秒にて1000℃まで通電加熱した。金属板の寸法、目標時間、目標温度などから上記の式により演算した定電圧の値は7.01Vであった。この値の定電圧を鋼板に加えたときの温度変化を図4に示すが、予定どおり3秒の通電加熱により鉄板を正確に1000℃に昇温することができた。
【0015】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の金属板の定電圧通電加熱方法は、金属板の抵抗率と比熱とを温度の関数として近似し、それらの関数を用いて金属板に負荷する電圧と電圧負荷による金属板の温度上昇率との関係式を求めるので、この関係式から金属板を目標時間で目標温度まで昇温するに要する定電圧の値を正確に求めることができる。このため、この値の定電圧を金属板に負荷することよって金属板を目標温度に精度よく昇温することができる。したがって本発明によれば、金属板のサイズや品種が変わった場合にも、最適な定電圧の値を演算して通電することができるので、金属板の通電加熱を常に極めて高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる通電加熱装置の概略図である。
【図2】抵抗率と温度との関係を示すグラフである。
【図3】比熱と温度との関を示すグラフである。
【図4】定電圧加熱における金属板の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電極
2 電源装置
Claims (1)
- 金属板の抵抗率と比熱とを温度の関数として近似し、それらの関数を用いて金属に加える電圧と金属板の温度上昇率との関係式を求め、この関係式から金属板を定電圧通電により目標時間で目標温度まで昇温するに要する定電圧の値を求め、この値の定電圧を金属板に加えることを特徴とする金属板の定電圧通電加熱方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002209501A JP2004055264A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 金属板の定電圧通電加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002209501A JP2004055264A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 金属板の定電圧通電加熱方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004055264A true JP2004055264A (ja) | 2004-02-19 |
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ID=31933328
Family Applications (1)
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JP2002209501A Pending JP2004055264A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 金属板の定電圧通電加熱方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004055264A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7295327B2 (en) | 2004-04-21 | 2007-11-13 | Canon Kabushiki Kaisha | Measuring apparatus and exposure apparatus having the same |
JP2020017354A (ja) * | 2018-07-23 | 2020-01-30 | 中央発條株式会社 | 加熱装置及び加熱方法 |
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2002
- 2002-07-18 JP JP2002209501A patent/JP2004055264A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7295327B2 (en) | 2004-04-21 | 2007-11-13 | Canon Kabushiki Kaisha | Measuring apparatus and exposure apparatus having the same |
JP2020017354A (ja) * | 2018-07-23 | 2020-01-30 | 中央発條株式会社 | 加熱装置及び加熱方法 |
JP7111543B2 (ja) | 2018-07-23 | 2022-08-02 | 中央発條株式会社 | 加熱装置及び加熱方法 |
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