JP2005297141A - 表面被覆スローアウェイチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速・高能率加工において刃先が高温状態にさらされる使用環境下であっても、優れた潤滑性と耐摩耗性とを有して使用寿命が長い表面被覆スローアウェイチップを提供する。
【解決手段】 基材表面に最外層と内層とからなる被覆層を具える表面被覆スローアウェイチップである。内層は、アスペクト比3以上の柱状組織を有し、結晶の(220)面、(311)面、(422)面の各配向性指数TC(220)、TC(311)、TC(422)のいずれかが配向性指数の最大値をとるTiCNからなるチタン含有層を具える。最外層は、窒化アルミニウム、又は炭窒化アルミニウムからなり、最外層中に塩素を0超0.5原子%以下含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 基材表面に最外層と内層とからなる被覆層を具える表面被覆スローアウェイチップである。内層は、アスペクト比3以上の柱状組織を有し、結晶の(220)面、(311)面、(422)面の各配向性指数TC(220)、TC(311)、TC(422)のいずれかが配向性指数の最大値をとるTiCNからなるチタン含有層を具える。最外層は、窒化アルミニウム、又は炭窒化アルミニウムからなり、最外層中に塩素を0超0.5原子%以下含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、基材表面に被覆層を具えるスローアウェイチップに関するものである。特に、優れた潤滑性と耐摩耗性とを具え、鋼材などの切削に好適な表面被覆スローアウェイチップに関するものである。
近年、切削加工の高能率化、高精度化の要求を満たすために、新しい切削工具材料が次々と開発されている。このような材料開発の流れの中で、工具基材の表面にセラミックスからなる被覆層を施すセラミックスコーティング技術は、切削工具に欠かせない技術となっている。
高速、高送りといった高速高能率加工に利用される切削工具の被覆層として、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(Ti(C,N))といったチタン系セラミックスや、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)などの酸化物系セラミックスが広く用いられている。例えば、特許文献1では、X線回折の配向性指数を規定した被覆層を具える切削工具が開示されている。
上記高速高能率加工に加え、最近は、地球環境保護のために切削油を極端に減らしたミスト加工法、或いは切削油を使用しないドライ加工法が注目されている。これらの加工法に対応するべく、耐溶着性に優れる被覆層や切粉すべり機能を有する被覆層を具える切削工具が提案されている(特許文献2、3参照)。その他、放熱性などの特性を向上するべく、窒化アルミニウムからなる被覆層を具える切削工具が提案されている(特許文献4〜8参照)。
しかしながら、上記従来の切削工具ではいずれも、切削油を用いないドライ加工において潤滑機能が不十分であるため、工具寿命が短くなっており、潤滑性を向上させて、工具寿命をより長くすることが望まれている。
そこで、本発明の主目的は、潤滑性を改善して工具寿命がより長い表面被覆スローアウェイチップを提供することにある。
本発明は、切削時、被削材と最初に接触する最外層に潤滑性を付与するべく、最外層の組成を規定して特定の元素を含有させると共に、内層に耐摩耗性を付与するべく、組成、結晶構造、配向性を規定することで上記目的を達成する。
即ち、本発明は、基材表面に被覆層を具える表面被覆スローアウェイチップであって、前記被覆層は、基材上に形成される内層と、この内層上に形成される最外層とからなり、最外層及び内層は、以下を満たすものとする。
<内層>
以下のチタン含有層を具える。
以下の条件(1)及び(2)を満たすTiCNからなる層
(1)アスペクト比3以上の柱状組織を有する
(2)結晶の(220)面、(311)面、(422)面の各配向性指数TC(220)、TC(311)、TC(422)のいずれかが配向性指数の最大値をとる
<最外層>
窒化アルミニウム又は炭窒化アルミニウムからなり、最外層中に塩素を0超0.5原子%以下含有する
<内層>
以下のチタン含有層を具える。
以下の条件(1)及び(2)を満たすTiCNからなる層
(1)アスペクト比3以上の柱状組織を有する
(2)結晶の(220)面、(311)面、(422)面の各配向性指数TC(220)、TC(311)、TC(422)のいずれかが配向性指数の最大値をとる
<最外層>
窒化アルミニウム又は炭窒化アルミニウムからなり、最外層中に塩素を0超0.5原子%以下含有する
本発明者らは、切削油を使用しないドライ加工であっても、工具寿命をより長くすることができるように、被覆層の特性を改善すると共に、被覆層の相互の関連性について鋭意検討した。その結果、潤滑性に優れる被覆膜を最外層とすると共に、耐摩耗性に優れる被覆膜を内層に具えることが工具寿命の延命に効果的であるとの知見を得た。具体的には、上記のように特定量の塩素を含む窒化系アルミニウムからなる膜を最外層とすることで、ドライ加工であっても、潤滑性を持たせることができ、結果的に耐溶着性を向上させて、被覆層の剥離を防止することができる。また、潤滑性に優れることで、工具に加えられる切削抵抗を低下させることができ、耐チッピング性、耐欠損性をも向上することができる。更に、特定の組織と配向性とを有する炭窒化チタン(TiCN)からなる膜を内層に具えることで、耐摩耗性の更なる向上を図ることができる。加えて、潤滑性に優れる膜を具えることで、切削加工後の被削材表面において工具が接触したことによる表面のむしれが少なく、高品位で高精度な被削材製品を得ることができるとの知見も得た。これらの知見に基づき、本発明を規定する。
上記のように工具寿命を向上できた理由は、現段階において以下のように考えられる。窒化系アルミニウムからなる膜は、そもそも熱的安定性と潤滑性とを有している。また、このような膜に特定量の塩素を含有させると、ドライ加工や高速高送り加工などの刃先の温度が高温になり易い加工において、切削加工に伴い刃先が900℃程度の高温の状況下となった際、工具表面に保護被膜を形成し易くなる。この保護被膜により、潤滑性を高めることが可能となり、工具の耐溶着性を向上させることができたと考えられる。また、内層を構成する特定のTiCNからなる膜は、高硬度であるため、耐摩耗性に優れると考えられる。以下、本発明をより詳しく説明する。
(被覆層)
<最外層>
本発明において、切削時、被削材に最初に接触する最外層は、窒化アルミニウム又は炭窒化アルミニウムといったアルミニウム化合物からなるものとする。そして、本発明では、この窒化系アルミニウムからなる膜に塩素を含有させる。具体的には、最外層中に0超0.5原子%以下の塩素を含有させる。最外層に0.5原子%以下の塩素を含有することで、高温での切削環境下において保護被膜を形成することができ、潤滑性の向上を図ることができる。0.5原子%を超えて塩素を含むと、被覆層の強度が極端に落ち、最外層を形成する膜が容易に剥離してしまう。また、塩素を全く含有させないと、上記のように保護被膜の形成がなされない。特に好ましい塩素含有量は、0.07原子%以上0.3原子%以下である。最外層に0超0.5原子%以下の塩素を含ませる方法としては、上記窒化系アルミニウムからなる膜の形成に熱CVD法、プラズマCVD法といった化学的蒸着法(CVD法)を利用する場合、反応ガスに塩素含有ガス、例えば、塩化水素(HCl)を用いることが挙げられる。このとき、塩化水素の含有量は、反応ガス全体を100容量%として、0超5.0容量%未満、特に、1.0容量%以下とすることが挙げられる。また、窒化系アルミニウムからなる膜の形成にアーク式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法といった物理的蒸着法(PVD法)を利用する場合、膜形成後、イオン注入法により塩素イオンを注入することが挙げられる。このとき、注入量を適宜調整することで、最外層中の塩素の含有量を調整するとよい。
<最外層>
本発明において、切削時、被削材に最初に接触する最外層は、窒化アルミニウム又は炭窒化アルミニウムといったアルミニウム化合物からなるものとする。そして、本発明では、この窒化系アルミニウムからなる膜に塩素を含有させる。具体的には、最外層中に0超0.5原子%以下の塩素を含有させる。最外層に0.5原子%以下の塩素を含有することで、高温での切削環境下において保護被膜を形成することができ、潤滑性の向上を図ることができる。0.5原子%を超えて塩素を含むと、被覆層の強度が極端に落ち、最外層を形成する膜が容易に剥離してしまう。また、塩素を全く含有させないと、上記のように保護被膜の形成がなされない。特に好ましい塩素含有量は、0.07原子%以上0.3原子%以下である。最外層に0超0.5原子%以下の塩素を含ませる方法としては、上記窒化系アルミニウムからなる膜の形成に熱CVD法、プラズマCVD法といった化学的蒸着法(CVD法)を利用する場合、反応ガスに塩素含有ガス、例えば、塩化水素(HCl)を用いることが挙げられる。このとき、塩化水素の含有量は、反応ガス全体を100容量%として、0超5.0容量%未満、特に、1.0容量%以下とすることが挙げられる。また、窒化系アルミニウムからなる膜の形成にアーク式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法といった物理的蒸着法(PVD法)を利用する場合、膜形成後、イオン注入法により塩素イオンを注入することが挙げられる。このとき、注入量を適宜調整することで、最外層中の塩素の含有量を調整するとよい。
上記最外層は、更に酸素を含有していてもよい。即ち、最外層は、窒化アルミニウム、炭窒化アルミニウムだけでなく、窒酸化アルミニウム、炭窒酸化アルミニウムから形成してもよい。酸素を含有させることで、保護被膜をより形成し易くなる。
このような最外層は、その膜厚を後述する内層の合計膜厚の1/2以下とすることが好ましい。このとき、被覆層は、保護被膜の形成機能(潤滑機能)と耐摩耗性とをバランスよく具えることができる。1/2超とすると、最外層が厚くなることで、潤滑性に優れるものの摩耗し易くなるため、工具寿命を短くする恐れがある。特に、最外層の膜厚は、0.03μm以上10μm以下が好ましい。0.03μm未満では、十分な潤滑機能が得られにくく、10μm超では、上記と同様に内層よりも最外層の方が厚くなって、耐摩耗性を低下させ易い。膜厚の測定は、例えば、被覆層を具えるスローアウェイチップを切断し、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察して求めることが挙げられる。
この最外層において、刃先稜線部分近傍で被削材と接触する箇所の面粗さは、切削工具断面から観察する方法で測定される5μmに対してRmaxで1.3μm以下であることが好ましい。本発明者らが調べたところ、最外層において上記接触する箇所の表面粗さが1.3μmより粗くなると、被削材の溶着が発生し易くなり、潤滑効果が発揮しにくくなることが判った。この面粗さは、最外層成膜後、基材を切断してその断面をラッピングし、金属顕微鏡や電子顕微鏡などで膜表面の凹凸状況を基準長さ5μmの範囲で観察した際の最大面粗さ(Rmax)とし、巨視的なうねりなどは排除する。また、この面粗さは、成膜条件によってある程度制御することができる。例えば、成膜温度を高温にするほど、結晶組織が粗くなるため、引いては膜表面の面粗度が粗くなる。そこで、成膜温度を低めにすることが挙げられる。このように特に成膜後、特別な処理を施すことなく成膜完了状態においてRmaxで1.3μm以下とすることができるが、成膜後に、例えば、バフ、ブラシ、バレルや弾性砥石などによる研磨を施したり、マイクロブラスト、ショットピーニング、イオンビーム照射による表面改質を行うことによって、面粗さを変化させることも可能である。
<内層>
《チタン含有層》
本発明では、基材上に設ける内層として、TiCNからなる膜を具える。特に、このTiCNからなる膜は、アスペクト比3以上の柱状組織を有するものとする。アスペクト比が3未満であると、高温切削条件下において、耐摩耗性が低下し、粒状組織では、目的とする耐摩耗性の向上が図られないからである。
《チタン含有層》
本発明では、基材上に設ける内層として、TiCNからなる膜を具える。特に、このTiCNからなる膜は、アスペクト比3以上の柱状組織を有するものとする。アスペクト比が3未満であると、高温切削条件下において、耐摩耗性が低下し、粒状組織では、目的とする耐摩耗性の向上が図られないからである。
柱状組織とするには、柱状構造が得られ易いCH3CNなどの有機炭窒化物を原料ガスに用い、反応雰囲気温度(800℃以上950℃以下)及び圧力(4.0kPa以上80kPa以下)に制御することで得ることができる。また、有機炭窒化物以外のガス種を使用する場合などは、膜の成膜速度を上げる、膜の成膜温度を高くする、原料ガスの濃度を濃くするなどの方法が挙げられる。アスペクト比を3以上とするには、例えば、結晶の平均粒径を小さくする(好ましくは0.05μm以上1.5μm以下)と共に、柱状構造の膜組織を成長させることが挙げられる。その方法として、チタン含有層の成膜条件(成膜温度、成膜圧力、ガス組成、ガスの流速、ガスの流量など)を適宜変更させる方法が挙げられる。また、チタン含有層の直下又は下方にある基材の表面状態、又はチタン含有層の直下又は下層にある被覆膜の表面状態を適宜変化させる方法も挙げられる。具体的には、例えば、基材の表面を表面粗さZmaxで0.05μm以上1.5μm以下に制御させた状態でこの基材上に、成膜条件を適宜変更させてチタン含有層を成膜してもよい。或いは、ある膜の表面粗さや粒子の化学的状態、粒子径(特に0.01μm以上1.0μm以下)などを制御させた状態でこの膜の上に、成膜条件を適宜変更させてチタン含有層を成膜してもよい。
上記アスペクト比の測定は、例えば、以下のように求めるとよい。即ち、被覆層の断面を鏡面加工して、柱状構造を有するTiCNからなる膜の組織の粒界をエッチングする。そして、TiCNからなる膜の膜厚の1/2にあたる箇所で、基材と水平方向にある各結晶の幅を粒径とし、各結晶の粒径を測定して平均値を求める(平均値は平均粒径となる)。膜厚を得られた平均粒径で割って、膜厚に対する平均粒径の割合を算出し、この算出値をアスペクト比とするとよい。
上記TiCNからなる膜は、更に、結晶面が特定の結晶配向を有するものとする。このように特定の膜組織とすると共に特定の結晶配向を有することで、刃先が高温となるような厳しい切削環境下においても、耐摩耗性の向上、引いては工具寿命の延命化を図ることができる。具体的には、結晶の(220)面、(311)面、(422)面の各配向性指数(配向性強度係数)TC(220)、TC(311)、TC(422)のいずれかが配向性指数の最大値をとるものとする。配向性指数TCは、以下のように定義される。
配向性指数(配向性強度係数)TC(220)、TC(311)、TC(422)のいずれかが最大値となるには、チタン含有層の成膜条件(成膜温度、成膜圧力、ガス組成、ガスの流速、ガスの流量など)を適宜変更させる方法が挙げられる。また、チタン含有層の直下又は下方にある基材の表面状態、又はチタン含有層の直下又は下層にある被覆膜の表面状態を適宜変化させる方法も挙げられる。具体的には、例えば、基材の表面を表面粗さZmaxで0.05μm以上1.5μm以下に制御させた状態でこの基材上に、成膜条件を適宜変更させてチタン含有層を成膜してもよい。或いは、ある膜の表面粗さや粒子の化学的状態、粒子径などを制御させた状態でこの膜の上に、成膜条件を適宜変更させてチタン含有層を成膜してもよい。
回折強度は、基材の断面において、基材の凹凸により反射などが生じないように基材がフラットな部分(平滑な部分)で測定することが好ましい。なお、周期律表IVa、Va、VIa族金属の炭窒化物において、X線の回折強度の同定は、JCPDSファイル(Powder Diffraction File Published by JCPDS International Center for Diffraction Data)に記載がない。そのため、当該炭窒化物であるTiCNからなるチタン含有層の回折強度の同定は、当該金属であるチタン(Ti)の炭化物の回折データ、同窒化物の回折データ、及び実測したTiCNの炭窒化物の回折データを比較して、それぞれの面指数を推定し、その面指数の回折強度を測定することで得るとよい。
《化合物層》
内層を複数の膜にて形成する場合、少なくとも一つの膜を上記チタン含有層とし、その他の膜としては、周期律表IVa、Va、VIa族金属、Al、Si、Bから選ばれる1種以上の第一元素と、B、C、N、Oから選ばれる1種以上の第二元素とからなる化合物層とすることが好ましい(但し、第一元素がBのみの場合、第二元素は、B以外とする)。即ち、内層を複数膜にて形成する場合、上記チタン含有層と、上記化合物層にて構成することが好ましい。この化合物層は、上記チタン含有層と異なるものとする。即ち、チタン含有層と組成が異なる膜としてもよいし、化合物層をTiCN膜とする場合、組織又は配向性を異ならせればよい。
内層を複数の膜にて形成する場合、少なくとも一つの膜を上記チタン含有層とし、その他の膜としては、周期律表IVa、Va、VIa族金属、Al、Si、Bから選ばれる1種以上の第一元素と、B、C、N、Oから選ばれる1種以上の第二元素とからなる化合物層とすることが好ましい(但し、第一元素がBのみの場合、第二元素は、B以外とする)。即ち、内層を複数膜にて形成する場合、上記チタン含有層と、上記化合物層にて構成することが好ましい。この化合物層は、上記チタン含有層と異なるものとする。即ち、チタン含有層と組成が異なる膜としてもよいし、化合物層をTiCN膜とする場合、組織又は配向性を異ならせればよい。
上記化合物層はそれぞれ、単一の膜としてもよいし、複数の膜にて構成してもよい。チタン含有層を複数の膜にて構成する場合、配向性が異なる膜とすることが挙げられる。化合物層を複数の膜にて構成する場合、各膜の組成や組織などを異ならせるとよい。また、化合物層を具える場合、チタン含有層、化合物層のいずれを基材側にしてもよい。即ち、基材側から順に、チタン含有層、化合物層、最外層としてもよいし、基材側から順に、化合物層、チタン含有層、最外層としてもよい。化合物層を最内層とする場合、基材との密着性が高い窒化チタン(TiN)からなる膜とすることが好ましい。これらチタン含有層、化合物層は、熱CVD法、プラズマCVD法などのCVD法、アーク式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法などのPVD法のいずれで形成してもよい。公知の条件にて形成してもよい。
上記最外層及び内層からなる被覆層全体の膜厚は、0.1μm以上30.0μm以下とすることが好ましい。被覆層全体の膜厚が0.1μm未満の場合、耐摩耗性の向上効果が得られにくい。30.0μm超の場合、被覆層が厚くなることで耐摩耗性の向上は実現できるが、高硬度となるために欠損が生じ易く、欠けによる寿命が多発して安定した加工が困難になり易い。なお、基材の表面に上記最外層及び内層からなる被覆層を成膜後、従来と同様に切れ刃稜線部に研磨処理やレーザー処理などの表面処理を施してももちろんよい。本発明スローアウェイチップは、このような表面処理によって被覆層の特性を著しく損なうことはない。
(基材)
本発明において基材は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、及び窒化ケイ素焼結体のいずれかから構成されるものを利用することが好ましい。また、WC基超硬合金、サーメットからなる基材を利用する場合、WC以外の硬質相が消失したいわゆる脱β相、硬質相が消失して結合相に富むバインダー富化層、結合相を低減させた表面硬化層といった表面改質層が基材表面に存在しても本発明の効果は認められる。
本発明において基材は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、及び窒化ケイ素焼結体のいずれかから構成されるものを利用することが好ましい。また、WC基超硬合金、サーメットからなる基材を利用する場合、WC以外の硬質相が消失したいわゆる脱β相、硬質相が消失して結合相に富むバインダー富化層、結合相を低減させた表面硬化層といった表面改質層が基材表面に存在しても本発明の効果は認められる。
以上説明したように本発明表面被覆スローアウェイチップによれば、潤滑性と耐摩耗性の双方に優れた被覆層を具えることで、ドライ加工や高速・高能率加工といった刃先が高温状態にさらされる使用環境下であっても、優れた切削性能を有し、工具寿命をより延命化することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(試験例1)
組成がWC:86質量%、Co:8.0質量%、TiC:2.0質量%、NbC:2.0質量%、ZrC:2.0質量%である材料粉末を配合し、ボールミルで72時間湿式混合して乾燥した後、ブレーカ形状が施された圧紛体にプレス成型した。この圧粉体を焼結炉にて、真空雰囲気中で1420℃、1時間の条件で焼結を行い、焼結体を得た。得られた焼結体の刃先稜線部にSiCブラシホーニング処理を施して面取り加工を行い、ISO・SNMG120408のWC基超硬合金からなるスローアウェイチップの基材を得た。
組成がWC:86質量%、Co:8.0質量%、TiC:2.0質量%、NbC:2.0質量%、ZrC:2.0質量%である材料粉末を配合し、ボールミルで72時間湿式混合して乾燥した後、ブレーカ形状が施された圧紛体にプレス成型した。この圧粉体を焼結炉にて、真空雰囲気中で1420℃、1時間の条件で焼結を行い、焼結体を得た。得られた焼結体の刃先稜線部にSiCブラシホーニング処理を施して面取り加工を行い、ISO・SNMG120408のWC基超硬合金からなるスローアウェイチップの基材を得た。
この基材表面に化学的蒸着法である熱CVD法を用いて被覆層を形成した。本試験では、基材側から順に、内層として、TiN(0.5)、柱状組織TiCN(6)、TiBN(0.5)、κ-Al2O3(2)を形成し、最外層としてAlN(3)を形成した(括弧内の数値は膜厚である(単位μm))。表1に各膜の成膜条件、具体的には反応ガスの組成(容量%)、成膜時の圧力(kPa)、成膜温度(℃)を示す。膜厚は、成膜時間により調整した。また、本試験においてTiCN膜は、アスペクト比が4.2の柱状組織を有し、配向性指数TCのうち(311)面が最大値となるように成膜させた(チタン含有層に該当)。具体的には、反応ガスにCH3CNを用い、温度:900℃、圧力:8kPaとすると共に、TiCN膜の下層に形成したTiN膜の表面粗さがZmaxで0.1μm程度となるようにTiN膜の成膜条件(ガス組成、圧力、温度)を定めた。そして、最外層を形成するAlN膜は、表1に示すように成膜条件を変化させることで、塩素含有量が異なる試料を作製した。表2に最外層の塩素含有量を示す。具体的には、最外層中に0超0.5原子%以下の塩素を含有するもの、同0.5原子%超の塩素を含有するもの、同塩素を含有しないものを作製した。塩素の含有量は、表1に示すように反応ガスのうち塩化水素(HCl)の比率を変化させることで変化させた。また、塩化水素の量により、適宜成膜時の圧力、成膜温度を変化させた。更に、最外層中に0超0.5原子%以下の塩素を含有する試料において、最外層の刃先稜線部分近傍で被削材と接触する箇所の面粗さを調べたところ、いずれも工具断面から観察する方法によって測定される基準長さ5μmに対してRmaxで1.3μm以下であった。具体的には、例えば、試料1-2では0.6μmであった。塩素の含有量は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)にて測定したが、組成の確認は、透過電子顕微鏡に併設の微小領域EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)分析や、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によってもできる。
表2に示す最外層を有する表面被覆スローアウェイチップを用いて、表3に示す切削条件にて連続切削加工を行い、工具寿命となるまでの加工時間を測定した。耐剥離性試験では、繰り返し切削加工を行い、膜剥離に起因した逃げ面摩耗量が0.3mm以上となった時点を工具寿命とした。耐摩耗性試験では、逃げ面摩耗量が0.3mm以上となったときを工具寿命とした。試験の結果を表4に示す。
その結果、表4に示すように最外層として、0超0.5原子%以下の塩素を含む窒化アルミニウム膜を具える試料1-1〜1-3は、ドライ加工であっても、優れた潤滑性を発揮して、耐溶着性を向上すると共に、切削抵抗を下げることで耐剥離性に優れることがわかる。また、特定の内層を具えることで、これらの試料1-1〜1-3は、耐摩耗性にも優れることがわかる。更に、これらの試料1-1〜1-3は、チッピングなども生じておらず、耐チッピング性、耐欠損性にも優れていた。これらのことから、試料1-1〜1-3は、加工時間が長く、工具寿命の延命化を実現していることがわかる。
(試験例2)
試験例1で用いた超硬合金基材と同様のものを用意し、得られた基材表面に熱CVD法を用いて表1に示す成膜条件(ガス組成、圧力、温度)で被覆層を形成した。本試験では、基材側から順に、TiN(0.5)、柱状組織TiCN(4)又は粒状組織TiCN(4)、TiBN(0.5)、Al2O3-ZrO2(2)とし、最外層としてAlN※1(表2において試料1-3)を形成した(括弧内の数値は膜厚である(単位μm))。膜厚は、成膜時間により調整した。また、本試験において柱状組織TiCN膜は、表1に示すように成膜時の圧力と成膜温度とを変化させると共に、TiCN膜の下層に形成したTiN膜の表面粗さやガス条件を変化させることで、アスペクト比、配向性指数の最大値をとる面を変化させた。具体的には、反応ガスにCH3CNを用い、例えば、ガス温度920℃、圧力6kPaとし、反応ガスであるCH3CNを徐々に導入することで、TiCN膜のアスペクト比を3以上とした。また、基材の表面粗さをZmaxで0.09μmに制御すると共に、この基材の外側(基材から離れる側)にアスペクト比の制御を行いながらTiCN膜を成膜することで、TiCN膜の配向性指数の最大値TC(422)とした。更に、最外層の刃先稜線部分近傍で被削材と接触する箇所の面粗さが工具断面から観察する方法によって測定される基準長さ5μmに対してRmaxで0.4μmとなるように、全ての試料において、最外層を形成後、最外層の表面に研磨処理を施した。表5にTiCN膜の組織形態、アスペクト比、配向性指数TCが最大値を示す面を示す。
試験例1で用いた超硬合金基材と同様のものを用意し、得られた基材表面に熱CVD法を用いて表1に示す成膜条件(ガス組成、圧力、温度)で被覆層を形成した。本試験では、基材側から順に、TiN(0.5)、柱状組織TiCN(4)又は粒状組織TiCN(4)、TiBN(0.5)、Al2O3-ZrO2(2)とし、最外層としてAlN※1(表2において試料1-3)を形成した(括弧内の数値は膜厚である(単位μm))。膜厚は、成膜時間により調整した。また、本試験において柱状組織TiCN膜は、表1に示すように成膜時の圧力と成膜温度とを変化させると共に、TiCN膜の下層に形成したTiN膜の表面粗さやガス条件を変化させることで、アスペクト比、配向性指数の最大値をとる面を変化させた。具体的には、反応ガスにCH3CNを用い、例えば、ガス温度920℃、圧力6kPaとし、反応ガスであるCH3CNを徐々に導入することで、TiCN膜のアスペクト比を3以上とした。また、基材の表面粗さをZmaxで0.09μmに制御すると共に、この基材の外側(基材から離れる側)にアスペクト比の制御を行いながらTiCN膜を成膜することで、TiCN膜の配向性指数の最大値TC(422)とした。更に、最外層の刃先稜線部分近傍で被削材と接触する箇所の面粗さが工具断面から観察する方法によって測定される基準長さ5μmに対してRmaxで0.4μmとなるように、全ての試料において、最外層を形成後、最外層の表面に研磨処理を施した。表5にTiCN膜の組織形態、アスペクト比、配向性指数TCが最大値を示す面を示す。
表5に示すTiCN膜を内層に有する表面被覆スローアウェイチップを用いて、以下に示す切削条件にて連続切削加工を行い、工具寿命となるまでの加工時間を測定した。工具寿命は、逃げ面摩耗量が0.3mm以上となったときとした。試験の結果も表5に示す。
被削材:SUS材 丸棒による耐摩耗性試験
速 度:V=200m/min
送 り:f=0.2mm/rev.
切込み:d=1.5mm
切削油:なし
速 度:V=200m/min
送 り:f=0.2mm/rev.
切込み:d=1.5mm
切削油:なし
その結果、表5に示すように内層にアスペクト比3以上、配向性指数TC(311)、TC(220)、TC(422)のいずれかが最大値をとる柱状組織のTiCN膜を具える試料2-1〜2-3は、ドライ加工であっても、耐摩耗性に優れており、工具寿命が長くなっていることがわかる。このように工具寿命が長くなったのは、潤滑性に優れる最外層と耐摩耗性に優れる内層とを具えているためであると考えられる。
(試験例3)
試験例1で用いた超硬合金基材と同様のものを用意し、得られた基材表面に熱CVD法を用いて表1に示す成膜条件(ガス組成、圧力、温度)で被覆層を形成した。本試験において、柱状組織TiCN膜は、アスペクト比が3以上、配向性指数TC(311)、TC(220)、TC(422)のいずれかが最大値をとるように成膜条件を制御した(チタン含有層に該当)。表6に被覆層の組成、膜厚、被覆層全体の膜厚(全膜厚)を示す。なお、表6において、基材に近い方から順に、第一膜、第二膜…としている。
試験例1で用いた超硬合金基材と同様のものを用意し、得られた基材表面に熱CVD法を用いて表1に示す成膜条件(ガス組成、圧力、温度)で被覆層を形成した。本試験において、柱状組織TiCN膜は、アスペクト比が3以上、配向性指数TC(311)、TC(220)、TC(422)のいずれかが最大値をとるように成膜条件を制御した(チタン含有層に該当)。表6に被覆層の組成、膜厚、被覆層全体の膜厚(全膜厚)を示す。なお、表6において、基材に近い方から順に、第一膜、第二膜…としている。
表6に示す被覆層を有する表面被覆スローアウェイチップを用いて、以下に示す切削条件にて連続切削加工を行い、工具寿命となるまでの加工時間を測定した。工具寿命は、逃げ面摩耗量が0.3mm以上となったときとした。試験の結果も表6に示す。
被削材:SCM435 丸棒による15秒繰返し耐摩耗性試験
速 度:V=180m/min
送 り:f=0.2mm/rev.
切込み:d=1.5mm
切削油:なし
速 度:V=180m/min
送 り:f=0.2mm/rev.
切込み:d=1.5mm
切削油:なし
その結果、表6に示すように特定量の塩素を含有する窒化系アルミニウム膜を最外層とし、アスペクト比3以上、配向性指数TC(311)、TC(220)、TC(422)のいずれかが最大値をとる柱状組織のTiCN膜を内層に具える試料3-1〜3-12、3-16〜3-19、3-21は、潤滑性に優れると共に、優れた耐摩耗性を有することがわかる。
また、表6に示す結果から、最外層は、0.03μm以上、全体膜厚は0.1μm以上30μm以下が好ましいことがわかる。更に、最外層は、内層の合計厚みの1/2以下が好ましいことがわかる。
上記試料3-1〜3-21の全てのチップを切断し、最外層において、刃先稜線部近傍で被削材と接触する箇所の面粗さを基準長さ5μmで測定した結果、試料3-21を除くすべてのチップがRmaxで1.3μm以下となっていたが、試料3-21はRmaxで1.7μmであった。そこで、試料3-21の最外層において刃先稜線部近傍で被削材と接触する箇所を#1500のダイヤモンドペーストで研磨して、同様の方法で研磨後の面粗さを測定したところ、Rmaxで0.52μmとなっていた。この研磨したチップを用いて同じ切削条件で切削試験を行った結果、工具寿命は24minとなった。これは、刃先稜線部近傍において被削材と接触する箇所の凹凸が減り、切削抵抗が下がったためであると考えられる。また、試料3-3において同様に面粗さを測定したところ、Rmaxで0.76μmであったが、上記と同様の方法で刃先を研磨し、再度切削すると工具寿命は48minとなり、大幅に改善された。
(試験例4)
基材を下記に変えて、表6の試料3-2と同様の組成の被覆層を公知のPVD法にて形成した後、イオン注入法を用いて塩素を最外層に含有させた表面被覆チップを作製し、試験例3と同様の切削条件で切削試験を実施した。いずれも最外層の塩素の含有量は、0.18原子%とした。
1 JIS規格:P20サーメット製の切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 T1200A)
2 セラミック製の切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 W80)
3 窒化珪素製の切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 NS260)
4 立方晶型窒化硼素切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 BN250)
その結果、いずれの被覆チップも潤滑性に優れると共に、耐摩耗性に優れることが確認できた。このことから、上記と同様に工具寿命の向上を実現できることがわかる。
基材を下記に変えて、表6の試料3-2と同様の組成の被覆層を公知のPVD法にて形成した後、イオン注入法を用いて塩素を最外層に含有させた表面被覆チップを作製し、試験例3と同様の切削条件で切削試験を実施した。いずれも最外層の塩素の含有量は、0.18原子%とした。
1 JIS規格:P20サーメット製の切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 T1200A)
2 セラミック製の切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 W80)
3 窒化珪素製の切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 NS260)
4 立方晶型窒化硼素切削チップ(住友電工ハードメタル(株)製 BN250)
その結果、いずれの被覆チップも潤滑性に優れると共に、耐摩耗性に優れることが確認できた。このことから、上記と同様に工具寿命の向上を実現できることがわかる。
本発明表面被覆スローアウェイチップは、特に、ドライ加工、高速、高送り加工などといった刃先温度が高温となるような切削条件での切削加工に適する。
Claims (7)
- 基材表面に被覆層を具える表面被覆スローアウェイチップにおいて、
前記被覆層は、基材上に形成される内層と、この内層上に形成される最外層とからなり、
前記内層は、
アスペクト比3以上の柱状組織を有し、結晶の(220)面、(311)面、(422)面の各配向性指数TC(220)、TC(311)、TC(422)のいずれかが配向性指数の最大値をとるTiCNからなるチタン含有層を具え、
前記最外層は、
窒化アルミニウム又は炭窒化アルミニウムからなり、最外層中に塩素を0超0.5原子%以下含有することを特徴とする表面被覆スローアウェイチップ。 - 最外層は、更に酸素を含有することを特徴とする請求項1に記載の表面被覆スローアウェイチップ。
- 更に、内層には、周期律表IVa、Va、VIa族金属、Al、Si、Bから選ばれる1種以上の第一元素と、B、C、N、Oから選ばれる1種以上の第二元素とからなる化合物層を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面被覆スローアウェイチップ。
但し、化合物層は、チタン含有層と異なる層とする。また、第一元素がBのみの場合、第二元素は、B以外とする。 - 最外層の膜厚は、内層の合計膜厚の1/2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆スローアウェイチップ。
- 最外層の膜厚は、0.03μm以上10μm以下、被覆層全体の膜厚は、0.1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面被覆スローアウェイチップ。
- 最外層において、刃先稜線部分近傍で被削材と接触する箇所の面粗さが、切削工具断面から観察する方法で測定される5μmに対してRmaxで1.3μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面被覆スローアウェイチップ。
- 基材は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、及び窒化ケイ素焼結体のいずれかから構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表面被覆スローアウェイチップ。
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