JP2005294410A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 研磨スラリーを、研磨パッドの研磨層表面とウエハ等の被研磨面との間に効率的に保持させることができ、かつ研磨面の面更新処理を必要としないまたはこの処理の必要性が大幅に低減されている研磨パッドを提供すること。
【解決手段】 研磨層表面およびその裏面の両面に、孔および溝の少なくとも1種を有する研磨パッド。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被研磨体の研磨に使用する研磨パッドに関し、特に半導体デバイスの製造工程においてCMPにより層間絶縁膜等の平坦化処理などを行う時に用いる研磨パッド、およびこの研磨パッドを用いて研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体被研磨体(以下、ウエハと称する)等の表面を研磨する方法として、化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)が知られている。この研磨方法は、ウエハ等の被研磨体の被研磨面を、ポリウレタン発泡体などからなる円盤状の研磨パッドに押圧しながら摺動させるとともに、この研磨パッド上に砥粒等を含む研磨スラリーを供給することにより行う方法である。
この方法では、研磨スラリーを供給してウエハの研磨を行う際における、研磨パッドの回転による遠心力およびウエハを研磨パッドに押し付けることによって、研磨スラリーが研磨パッドおよびウエハの間から押し出され、殆どが研磨に直接寄与することなく研磨パッド外に排出されてしまうという問題がある。これは、高価な研磨スラリーを余分に消費してしまうことになる。そのため、研磨パッドとして、例えば、表面に開口する気泡を有するポリレタン発泡体からなるパッドなどが用いられている。このようなパッドは、供給されたスラリーがその気泡からなる凹部に保持されることによって、研磨剤として機能する。
しかし、このような気泡を凹部とする研磨パッドでは、研磨操作を続けるうちに、研磨スラリーの残渣または研磨屑等が、表面の凹部に堆積し、目詰まりが生じ易い。そのため、適時、研磨操作を中断させて、ダイヤモンド砥石等により表面を削る、いわゆる面更新処理を行なう必要がある。また、研磨操作中に研磨パッド自体も磨滅してゆくため、研磨スラリーの保持量が低下するという問題もある。
特開2000−71167号公報(特許文献1)には、少なくとも研磨層を有する研磨パッドであって、その研磨層が研磨面に溝を有し、溝の最浅部の幅が溝の最深部の幅よりも広いことを特徴とする研磨パッドが記載されている。これにより、研磨特性の中でも特に高い研磨レートおよびスクラッチ傷の低減を達成可能な研磨パッドを提供することができると記載されている。しかし、このような研磨パッドにおいては、研磨層が磨滅するにつれて研磨スラリーの保持量が急激に低下することとなり、研磨レートも急激に悪化することとなる。
特開2000−33553号公報(特許文献2)には、被研磨体を研磨する研磨面側の少なくとも一部がスラリー保持体で形成されていることを特徴とする研磨パッドが記載されている。これにより、研磨の際において研磨に使用されたまたは研磨に全く寄与することなく研磨パッド外に排出されていくスラリーを、スラリー保持体で一旦保持することができ、そして高価なスラリーを有効的に活用することができ、スラリーの使用量の低減を図ることができると記載されている。しかし、このような研磨パッドは、研磨層とは別にスラリー保持体を新たに形成することとなるため、原材料および製造工程において製造コストが増大することとなる。
特開2002−28849号公報(特許文献3)には、剥離可能な層を備えることを特徴とし、この層を剥離することにより面更新することができる研磨パッドが記載されている。これにより、ダイヤモンド砥石等による面更新の操作を必要とせず、研磨を繰り返した場合の研磨速度の低下が抑えられる研磨パッドが提供できる旨が記載されている。しかしながら、このような研磨パッドであっても、研磨操作において、研磨操作を中断して層を剥離するという操作が必要とされるため、依然として煩雑である。
特開2000−71167号公報 特開2000−33553号公報 特開2002−28849号公報
本発明は、研磨スラリーを、研磨パッドの研磨層表面とウエハ等の被研磨面との間に効率的に保持させることができ、かつ研磨面の面更新処理を必要としないまたはこの処理の必要性が大幅に低減されており、そしてその使用における寿命が伸ばされた研磨パッドを提供することを課題とする。
本発明は、研磨層表面およびその裏面の両面に、孔および溝の少なくとも1種を有する研磨パッドを提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種と、その裏面の孔および溝の少なくとも1種とは、いずれも互いに連結しないように形成されているのが好ましい。
本発明の研磨パッドの1態様として、研磨パッドの研磨層表面およびその裏面両面に、1または2以上の同心円状の溝を有し、研磨層表面の溝と、その裏面の溝とが、互いに連結しないように形成されているものが挙げられる。
また、研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種、およびその裏面の孔および溝の少なくとも1種を、表面および裏面に対して垂直方向に投影した場合に、得られる各投影部が何れも重なり合わないのが好ましい。
なお、本明細書において「研磨層表面」とは、研磨操作により研磨が行なわれる面を示し、「その裏面」とは、研磨層における、研磨層表面に対しての裏面を意味する。
本発明の研磨パッドは、研磨パッドの研磨層表面のみならず、その裏面にも孔および溝の少なくとも1種を有する。これにより、研磨操作の実施に伴う研磨層の磨滅によって、新たな孔および溝の少なくとも1種が研磨層表面上に現われる。この新たな孔および溝の少なくとも1種の出現によって、研磨スラリーの保持能力が回復する。また、研磨パッドの使用中に研磨スラリーの保持能力が回復することによって、研磨レートも回復することとなる。通常の研磨パッドの使用においては、使用中に研磨レートが低下した時点において研磨パッドが寿命に達したと判断される。本発明の研磨パッドは、使用中に研磨レートが回復するため、研磨パッドとしての寿命が伸ばされることとなる。この研磨パッドを用いることにより、半導体ウエハの表面を効率よく研磨することができる。
本発明の研磨パッドは、研磨パッドの研磨層表面に孔および溝(以下、「孔等」と略することもある。)の少なくとも1種を有し、かつその裏面にも孔および溝の少なくとも1種を有する。これら表面の孔等と、その裏面の孔等とは、互いに連結していないのが好ましい。
研磨パッドの研磨スラリー保持量は、研磨パッドの研磨層表面における凹部の容積と概ね比例する。そしてこの凹部の容積を一定の範囲に保つことによって、優れた研磨レートを維持することができる。本発明の研磨パッドは、研磨層表面のみならずその裏面にも孔等を有する。研磨パッドは、研磨およびドレスによる表面更新によって研磨層が磨耗し、凹部の容積は減少してゆく。本発明においては、裏面の孔等の存在によって、この凹部の容積の減少を補うことができ、これにより凹部の容積を一定の範囲に保つことが可能となる。このため、本発明の研磨パッドは、優れた研磨レートを維持することができる。
本発明の研磨パッドを、図を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の研磨パッドにおける研磨層の、1つの実施態様の概略平面図および概略断面図を示す。図1の概略平面図において、研磨層表面にある溝は実線で示されており、その裏面にある溝は破線で示されている。表面および裏面の溝は互いに連結しておらずそして貫通していない。また、これらの溝は、研磨層表面の各溝およびその裏面の各溝を、両面に対して垂直方向に投影する場合、その投影部は何れも重なり合わないように形成されている。
図1の概略断面図は、概略平面図中のA−A’のラインで、研磨層表面に対して垂直方向に切断した場合の概略断面図を示している。この概略断面図において、斜線を施した部分のみ溝の断面を示しており、斜線を施していない部分は溝の断面は省略されている。
図2は、図1に示される実施態様の研磨層が磨滅した場合の概略説明図である。この実施態様では、研磨層表面は、研磨層の厚さtに対して2/3の深さである溝を有する。そして、その裏面は、研磨層の厚さtに対して2/3の深さである溝を有する。表面および裏面の溝は互いに連結しておらずそして貫通していない。また、これらの溝は、研磨層表面の各溝およびその裏面の各溝を、両面に対して垂直方向に投影する場合、その投影部は何れも重なり合わないように形成されている。
図2の説明において、この研磨パッドを用いて研磨操作を行なうと、研磨層が磨滅し、部分拡大図の斜線部分が磨滅する。それに伴って、溝の容積、つまり研磨スラリ保持可能な容積は、相対的に減少する。この磨滅がt/3まで達した時点で、裏面の溝が研磨層表面に貫通する。それによって、研磨層表面に新たな溝が出現することになる。研磨スラリー保持可能な容積は、この新たな溝の出現により再び増加する。尚、図2においては、説明の便宜のため、溝の容積を2次元的に示し、その1区画の容積を「v」としている。この図において、研磨操作前における研磨層表面の溝の容積は4vである。そして、磨滅がt/3まで達し、研磨層表面に新たに溝が出現した時、溝の容積は再び4vまで回復する。
図3は、本発明の研磨パッドにおける研磨層の、1つの実施態様の概略平面図および概略断面図を示す。図3の概略平面図において、研磨層表面にある孔は実線で示されており、その裏面にある孔は破線で示されている。表面および裏面の溝は互いに連結しておらずそして貫通していない。また、これらの溝は、研磨層表面の各溝およびその裏面の各溝を、両面に対して垂直方向に投影する場合、その投影部は何れも重なり合わないように形成されている。なお、この概略断面図は、概略平面図中のB−B’のラインで、研磨層表面に対して垂直方向に切断した場合の概略断面図を示している。この概略断面図において、紙面上のB−B’のラインに対して垂直方向に引かれた破線の右側に相当する部分は、溝の断面が省略されている。
図4および図5は、研磨層表面およびその裏面に溝または孔を有する研磨層の断面の1態様を示す部分的概略断面図である。この断面部分は、図1の概略断面図において、斜線を施した部分に相当する部分を示している。この断面図の上面は研磨層表面を示し、下面はその裏面を示す。この部分的概略断面図に示されるように、孔及び溝はその深さ方向に対して一定の直径または溝幅を有する必要はない。
なお、本明細書中の図面は、円形研磨パッドの全体または部分模式図であって正確な寸法を示すものではない。
本発明の研磨パッドにおける研磨層において、研磨層表面および裏面の孔等は互いに連結していないのが好ましい。この場合は、研磨操作が進行して研磨層が一定量磨滅された後に、新たな孔等が現われることになるからである。同様の理由より、研磨層裏面の孔等は、研磨層表面に貫通しないのが好ましい。
研磨層表面の孔等の深さは、これらの孔等を設ける手段に応じて任意の深さに可変することができる。孔等を設ける手段によっては、研磨層表面の孔は裏面まで貫通する場合もある。研磨層表面の孔等の深さは、研磨層の厚さ方向に対して1/4を超える深さであるのが、研磨レートとの関係においては好ましい。研磨層表面の孔等は、研磨層の厚さ方向に対して1/4〜2/3までの深さを有するのがより好ましい。
また、これらの孔等は、研磨層表面およびその裏面に対して垂直方向に投影する場合、その投影部は何れも重なり合わないように形成されるのが好ましい。このように形成することによって、裏面に孔等を設けることによる、研磨層自体の強度の低下を低減させることができる。また、このように形成する場合は、孔及び溝がその深さ方向に対して一定の直径または溝幅を有するように切削等により加工する場合であっても、これらの孔等は互いに連結しないため、研磨層の孔等の作製がより容易となり得るからである。
研磨層の裏面の孔等の深さは、それぞれ不均一であってもよい。それぞれ不均一な深さを有する孔等を設けることによって、研磨レートの変化を調節することができる。つまり、研磨層の磨滅に伴う研磨層裏面の孔等の出現による研磨レートの急激な変化を避けることができる。それぞれ不均一な深さの孔等を有する場合の部分的概略断面図を図6に示す。
研磨層表面が溝を有する場合、この溝の溝幅は、0.05〜2.0mmの範囲内であるのが好ましく、0.20〜0.50mmの範囲にあるのがより好ましい。溝幅が0.05mm未満の場合は、スラリーが溝に入りにくくなりスラリー流路としての効果が低減され、研磨レートも低くなるおそれがある。溝幅が2.0mmを超える場合は、研磨パッドが被研磨体と接触する実行面積が減少し、研磨レートが低くなる。また研磨層表面における溝の溝ピッチは、0.05〜20mmの範囲内であるのが好ましく、1.4〜10mmの範囲にあるのがより好ましい。ここで「溝ピッチ」とは、隣接する溝間の最短部分の距離をいう。図7は、溝幅と溝ピッチとを説明する図である。
また、研磨層表面が孔を有する場合、この孔の直径は、0.5〜5.0mmの範囲内であるのが好ましく、1.0〜2.5mmの範囲にあるのがより好ましい。この範囲を外れる場合の不利益は、上記溝について記載したものと同様である。
本発明において、研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種の容積の総容量は、その裏面の孔および溝の少なくとも1種の容積の総容量よりも大きいのが好ましく、表面の孔等の容積の総容量は裏面の総容量よりも1.5〜2.5倍ほど大きいのがより好ましい。この場合は、研磨操作初期の状態から多くの研磨スラリーを保持することができ、被研磨体を効率よく研磨することができるからである。
また、研磨表面およびその裏面両方が溝を有する場合、研磨表面の溝の溝幅は、その裏面の溝の溝幅に対して1.5〜2.5倍の幅であるのが好ましく、1.8〜2.2倍の幅であるのがより好ましい。この範囲である場合は、研磨操作初期の状態から多くの研磨スラリーを保持することができ、被研磨体を効率よく研磨することができるからである。
また、研磨表面およびその裏面両方が孔を有する場合、研磨表面の孔の直径は、その裏面の孔の直径に対して1.2〜1.6倍の直径であるのが好ましく、1.3〜1.5倍の直径であるのがより好ましい。この範囲である場合は、研磨操作初期の状態から多くの研磨スラリーを保持することができ、被研磨体を効率よく研磨することができるからである。
これらの孔、溝の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用いて機械切削する方法、所定の表面形状を有する金型に樹脂流し込み硬化させる方法、所定の表面形状を有するプレス板で樹脂をプレスして形成する方法、フォトリソグラフィーを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、および炭酸ガスレザーなどを用いたレーザー光により形成する方法などが挙げられる。
次に、研磨パッドの構成について説明する。本発明における研磨パッドとして、研磨層のみを有する単層パッドであってもよく、またはウエハ等の被研磨体に接する研磨表面を有する研磨層とプラテン(定盤)との間に位置するクッション層とを有する積層パッドであってもよい。また、研磨層、支持層およびクッション層を有する積層パッドであってもよい。本発明の研磨パッドは、単層パッド、積層パッドの何れにも限定されるものではないが、研磨性能などについて考慮すると、研磨パッドとして、研磨層とプラテン(定盤)との間に位置するクッション層を有するものが好ましい。
本発明の研磨パッドの研磨層の形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
研磨層の形成材料としてポリウレタン樹脂を用いるのが特に好ましい。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、また、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるためである。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと有機ジアミン化合物とからなる。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートと高分子ポリオールと低分子ポリオールからなる。
ポリイソシアネートは、注型成形時に必要とされるポットライフに応じて適宜に選定されると共に、生成する末端NCOプレポリマーを低溶融粘度とすることが必要である為、単独または2種以上の混合物で適用される。それらの具体例として、限定されるものではないが、例えば2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−およびm−フェニレンジイソシアネート、ダイメリルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシネート、1,3−および1,4−テトラメチルキシリデンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=水添MDI)、2−および4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−および1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、等が挙げられる。
また、高分子ポリオールとして、例えばヒドロキシ末端ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルカーボネート、ポリエステルアミド等が挙げられる。これらのうち耐加水分解性の良好なポリエーテルおよびポリカーボネートが好ましく、価格面と溶融粘度面からはポリエーテルが特に好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、反応性水素原子を有する出発化合物と、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン、テトラヒドロフラン、エピクロルヒドリンのような酸化アルキレンまたはこれら酸化アルキレンの混合物との反応生成物が挙げられる。反応性水素原子を有する出発化合物としては、水、ビスフェノールA並びに後述のようなポリエステルポリオールを製造するための二価アルコールが挙げられる。
更に、ヒドロキシ基を有するポリカーボネートとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリテトラメチレングリコールの様なジオールとホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)もしくは環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、二価アルコールと二塩基性カルボン酸との反応生成物が挙げられるが、耐加水分解性向上の為には、エステル結合間距離が長い方が好ましく、いずれも長鎖成分の組み合わせが望ましい。
二価アルコールとしては、特に限定はしないが、例えばエチレングリコール、1,3−および1,2−プロピレングリコール、1,4−および1,3−および2,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ジブチレングリコール等が挙げられる。
二塩基性カルボン酸としては、脂肪族、脂環族、芳香族および/または複素環式のものがあるが、生成する末端NCOプレポリマーを液状または低溶融粘度とする必要上から、脂肪族や脂環族のものが好ましく、芳香族系を適用する場合は脂肪族や脂環族のものとの併用が好ましい。これらカルボン酸としては、限定はしないが、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸(o−、m−、p−)、ダイマー脂肪酸、例えばオレイン酸、等が挙げられる。これらポリエステルポリオールとしては、カルボキシル末端基の一部を有することもできる。例えば、ε−カプロラクトンの様なラクトン、またはε−ヒドロキシカプロン酸の様なヒドロキシカルボン酸のポリエステルも使用することができる。
低分子ポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールを製造するのに用いられる二価アルコールが挙げられるが、本発明の低分子ポリオールとは、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサメチレングリコールのいずれか1種またはそれらの混合物を用いることが好ましい。本発明以外の低分子ポリオールであるエチレングリコールや1,4−ブチレングリコールを用いると、注型成形時の反応性が速くなり過ぎたり、最終的に得られるポリウレタン研磨材成形物の硬度が高くなり過ぎるため、本発明の研磨材としては、脆くなったり又IC表面に傷がつき易くなる。他方、1,6−ヘキサメチレングリコールよりも長鎖の二価アルコールを用いると、注型成形時の反応性や、最終的に得られるポリウレタン研磨材成形物の硬度が適切なものが得られる場合もあるが、価格的に高くなり過ぎ、実用的ではない。
本発明で使用される有機ジアミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、クロロアニリン変性ジクロロジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂を発泡させる場合、その発泡方法として、化学的な発泡剤による発泡、機械的な泡を混入させる発泡および微小中空体の混入または熱によって微小中空体となる前駆体を混入させる発泡などを使用することができる。また、これらの方法のうち2以上の方法を併用してもよい。これらの発泡方法を用いて、研磨パッドの研磨層を微細発泡体とすることができる。微細発泡体の平均気泡径は、70μm以下であることが好ましく、更に好ましくは50μm以下である。平均気泡径が70μm以下であれば、プラナリティ(平坦性:半導体ウエハのそれぞれの微小領域の凹凸の少なさ)が良好となる。
本発明における研磨層の比重は、0.5〜1.0g/cmであることが好ましい。比重が0.5g/cm未満の場合、研磨層の表面の強度が低下し、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化し、また、1.0g/cmより大きい場合は、研磨層表面での微細気泡の数が少なくなり易く、プラナリティは良好であるが、研磨速度が小さくなる傾向にある。
本発明における研磨層の硬度は、アスカーD硬度計にて、35〜80であることが好ましい。上記硬度が45度未満の場合、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化し、また、80度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨物のユニフォーミティ(均一性:半導体ウエハ全面における研磨量のばらつきの少なさ)が低下する傾向にある。
本発明における研磨層の圧縮率は、0.5〜5.0%であることが好ましい。上記範囲に圧縮率があることにより、プラナリティとユニフォーミティを両立させることが可能となる。
本発明における研磨層の圧縮回復率が、50〜100%であることが好ましい。圧縮回復率がこの範囲を逸脱する場合、被研磨物による繰り返しの荷重が研磨中に研磨層にかかるにつれて、研磨層厚みに大きな変化が現れ、研磨特性の安定性が悪化してしまうため好ましくない。
本発明における研磨パッドは、研磨の際に必要であれば研磨層表面の目立てであるドレッシングを施してもよいが、ドレッサー屑によるスクラッチを防止したり、研磨パッドの寿命が長くなるため、ドレスを行わないドレスレスでの研磨が望ましい。
また、本発明における研磨層の加工方法により、研磨層の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層に大きなうねりを持ったものとなり、被研磨物に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒が電着又は、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
本発明の研磨パッドが単層パッドである場合は、研磨層の厚さは1.0〜5.0mm、好ましくは1.2〜2.1mmであるのが好ましい。
本発明の研磨パッドが積層パッドであって、研磨層とクッション層とを有する場合は、研磨層の厚さは0.5〜5.0mmであるのが好ましく、より好ましくは0.7〜2.1mmである。そして、積層パッドを構成するクッション層の厚さは0.5〜2.0mmであるのが好ましく、より好ましくは0.7〜1.3mmである。
前記クッション層は、研磨層の特性を補い、被研磨体と研磨層表面との密着性などを向上させるものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために好ましく用いられるものである。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善することを行う。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
前記クッション層の形成材料は特に制限されないが、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布、ポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。
また、本発明の研磨パッドにおける研磨層は、裏面にも孔等を有することを特徴とする。そのため、裏面に孔等が形成されていない研磨層と比べると、層自体の強度が低くなるおそれがある。従って、研磨層とクッション層との間に支持層を設けて、研磨層の強度を補強してもよい。このような支持層は、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂を挙げることができる。また、この支持層を研磨層とクッション層との間に設けることによって、スラリーのクッション層への浸透等を防ぐこともできる。研磨層とクッション層とを接着する両面テープの基材としてこれらの樹脂を用いることにより、研磨層の強度を補強することもできる。
この支持層として、研磨層およびクッション層より大きな曲げ弾性率を有するものを用いる。このような材料を支持層として用いることによって、支持層を研磨層およびクッション層の間に設けることによって、研磨層の強度を有効に向上させることができるからである。本発明で好ましく用いられる、ポリウレタンからなる研磨層は、およそ100〜400MPaの範囲の曲げ弾性率を有する。そして支持層としては、支持層を設けることによって、研磨層表面およびその裏面の両面に孔および溝の少なくとも1種を有することに基づく研磨層の曲げ弾性率の低下を30〜100%補うことができる曲げ弾性率を有するのものが好ましい。
上記支持層の厚さは、通常20〜500μm程であり、より好ましくは50〜250μmである。このような厚さの支持層は、曲げ弾性率を測定するのに充分な厚さを有しておらず、そのため、支持層自体の曲げ弾性率を測定することは不可能である。本発明においては、研磨層に支持層を貼り合わせることによって、曲げ弾性率を10〜50%向上させることができる。
これらの曲げ弾性率の測定は、例えばJIS K7171に準拠して行なうことができる。
研磨層、クッション層および支持層を貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層を両面テープで挟み、プレスする方法が挙げられる。
両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッション層へのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッション層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
クッション層と両面テープとを貼り合わせる手段としては、クッション層に両面テープをプレスして接着する方法が挙げられる。
該両面テープは、上述と同様に不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。研磨パッドの使用後に、プラテンから剥がすことを考慮すると、基材にフィルムを用いるとテープ残り等を解消することができるため好ましい。また、接着層の組成は上述と同様である。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、たとえば研磨パッドを支持する研磨定盤と、半導体ウエハなどの被研磨体を支持する支持台(ポリシングヘッド)とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッドは、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと半導体ウエハが対向するように配置され、それぞれに回転軸を備えている。また、支持台側には、半導体ウエハを研磨パッドに押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤と支持台とを回転させつつ半導体ウエハを研磨パッドに押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハなど被研磨体の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断らない限り、「部」は重量部を表わす。実施例等における評価項目は下記のようにして測定した。
(平均気泡径測定)
厚み1mm程度になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出した研磨層を平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、画像処理装置(東洋紡社製、Image Analyzer V10)を用いて、任意の0.2mm×0.2mm範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出した研磨層を比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(アスカーD硬度測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出した研磨層を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(圧縮率および圧縮回復率測定)
直径7mmの円(厚み:任意)に切り出した研磨層(研磨層)を圧縮率および圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRUMENTS製、SS6000)を用い、圧縮率と圧縮回復率を測定した。また、圧縮率と圧縮回復率の計算式を下記に示す。
Figure 2005294410
Figure 2005294410
[T1は研磨層に無負荷状態から30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、
T2はT1の状態から180KPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、
T3はT2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、その後30kPa(300g/cm)の応力負荷を60秒間保持した場合の研磨層の厚みである。]
(研磨特性の評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。
研磨レートの評価は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを、約0.5μm研磨して、このときの時間から算出した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとしてシリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/minにて添加した。研磨荷重としては350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
均一性の評価は、研磨終了後のウエハの任意25点の膜厚測定値より下記式により算出した。なお、均一性の値が小さいほどウエハ表面の均一性が高いことを表す。
Figure 2005294410
平坦化特性の評価は、8インチシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた後、所定のパターニングを行い、p−TEOSにて酸化膜を1μm堆積させ、初期段差0.5μmのパターン付きウエハを作製した。このウエハを前述条件にて研磨を行い、研磨後、各段差を測定し平坦化特性を評価した。平坦化特性としては2つの段差を測定した。一つはローカル段差であり、これは幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンにおける段差であり、1分後の段差を測定した。もう一つは削れ量であり、幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンと幅30μmのラインが270μmのスペースで並んだパターンにおいて、上記の2種のパターンのライン上部の段差が2000Å以下になるときの270μmのスペースの削れ量を測定した。ローカル段差の数値が低いとウエハ上のパターン依存により発生した酸化膜の凹凸に対し、ある時間において平坦になる速度が速いことを示す。また、スペースの削れ量が少ないと削れて欲しくない部分の削れ量が少なく平坦性が高いことを示す。
実施例1
研磨層の作製
フッ素コーティングした反応容器内に、ポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)3000重量部、シリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製SH192、ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレングリコール共重合体)120重量部を混合し、温度を80℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、撹拌機を交換し、予め溶融させた4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)770重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてフッ素コーティングしたパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い発泡ポリウレタンを得た。得られた発泡ポリウレタンは、気泡数が350個/mmであり、アスカーD硬度にて52であり、圧縮率は2.0%、比重は0.8で、平均気泡径40μmであった。また、界面活性剤の含有量を分析したところ約3wt%含有していることを確認した。次にこの発泡ポリウレタンブロックを、約50℃に加熱しながらスライサーVGW−125(アミテック社製)にて厚さ1.5mmにスライスし研磨シートを得た。
次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:1.5mm)。このバフ処理をしたシートを所定の直径(61cm)に打ち抜き、溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて研磨表面に溝幅0.50mm、溝ピッチ6.00mm、溝深さ1.00mmの同心円状の溝加工を行い、そしてその裏面に溝幅0.25mm、溝ピッチ6.00mm、溝深さ1.00mmの同心円状の溝加工を行って、研磨層を作製した。
クッション層の作製
クッション層として、ポリエチレンフォーム(東レ社製)をバフ加工により厚み0.8mmに加工したものをコロナ処理し、両面テープとの接着力を向上させたものを使用した。
支持層
支持層として、PETフィルムを基材とした両面テープ(積水化学工業社製ダブルタックテープ)を使用した。この両面テープにおけるPETフィルムの厚さは25μmであった。
研磨層とクッション層とを、両面テープ(積水化学工業社製ダブルタックテープ)にて貼り合せ、研磨パッドを完成させた。図8に得られた研磨パッドの構成概略図を示す。研磨パッド21は、研磨層23、支持層25、クッション層27を有する。研磨層23と支持層25、および支持層25とクッション層27は、両面テープ(図示せず)にて接着、積層されている。
実施例2
研磨層裏面の同心円状の溝加工における溝の深さを0.6〜1.1mmの範囲で可変させることによって、それぞれ不均一な深さを有するものとしたことの他は、実施例1と同様にして研磨層を作製し、研磨パッドを完成させた。
比較例1
前記研磨層の作製において、溝加工機を用いて研磨表面に溝幅0.50mm、溝ピッチ6.00mm、溝深さ1.00mmの同心円状の溝加工を行い、その裏面には溝加工を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にして、研磨パッドを作製した。
評価
実施例1および比較例1の研磨パッドを用いて研磨操作を行なった場合における、研磨レートと研磨時間との関係を示すグラフを図9に示す。そして、実施例2および比較例1の研磨パッドを用いて研磨操作を行なった場合における、研磨レートと研磨時間との関係を示すグラフを図10に示す。ここで研磨レートは、上記「(研磨特性の評価)」における研磨レートの評価で算出された値である。図9および10に示す表からもわかるように、実施例の研磨パッドは、研磨層が一定量磨滅した時点で裏面の溝が研磨表面に貫通して研磨レートの値が再び高くなる、という優れた特性を有するものであった。また実施例および比較例の平坦化特性はともに優れたものであった。
本発明の研磨パッドにおける研磨層の、1つの実施態様の概略平面図および概略断面図である。 図1に示される実施態様の研磨層が磨滅した場合の概略説明図である。 本発明の研磨パッドにおける研磨層の、1つの実施態様の概略平面図および概略断面図である。 研磨層表面およびその裏面に溝または孔を有する研磨層の断面の1態様を示す部分的概略断面図である。 研磨層表面およびその裏面に溝または孔を有する研磨層の断面の1態様を示す部分的概略断面図である。 研磨層表面およびその裏面に溝または孔を有する研磨層の断面の1態様を示す部分的概略断面図である。 溝ピッチと溝幅とを説明する図である。 実施例1により得られた研磨パッドの構成概略図である。 研磨レートと研磨時間との関係を示すグラフである。 研磨レートと研磨時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…研磨層、3…溝、11…研磨層、13…孔、15…研磨層、17…孔または溝、21…研磨パッド、23…研磨層、25…支持層、27…クッション層。

Claims (13)

  1. 研磨層表面およびその裏面の両面に、孔および溝の少なくとも1種を有する、研磨パッド。
  2. 研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種と、その裏面の孔および溝の少なくとも1種とが、いずれも互いに連結しないように形成されている、請求項1記載の研磨パッド。
  3. 研磨パッドの研磨層表面およびその裏面両面に、1または2以上の同心円状の溝を有し、研磨層表面の溝とその裏面の溝とが、互いに連結しないように形成されている、研磨パッド。
  4. 研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種、およびその裏面の孔および溝の少なくとも1種を、表面および裏面に対して垂直方向に投影した場合に、得られる各投影部が何れも重なり合わない、請求項1〜3いずれかに記載の研磨パッド。
  5. 研磨層の裏面の孔および溝の少なくとも1種は、何れも研磨層表面に貫通しない、請求項1〜4いずれかに記載の研磨パッド。
  6. 研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種は、何れも研磨層の厚さ方向に対して1/4〜1/1までの深さを有し、その裏面の孔および溝の少なくとも1種は、何れも研磨層表面に達しない、請求項1〜4いずれかに記載の研磨パッド。
  7. 研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種は、何れも研磨層の厚さ方向に対して1/4〜2/3までの深さを有し、その裏面の孔および溝の少なくとも1種は、何れも研磨層表面に達しない、請求項1〜4いずれかに記載の研磨パッド。
  8. 研磨層表面の孔および溝の少なくとも1種の容積の総容量は、その裏面の孔および溝の少なくとも1種の容積の総容量よりも大きい、請求項1〜7いずれかに記載の研磨パッド。
  9. 研磨層表面の溝の溝幅が、その裏面の溝の溝幅に対して1.5〜2.5倍の幅である、請求項1〜7いずれかに記載の研磨パッド。
  10. 研磨層表面の孔の直径が、その裏面の孔の直径に対して1.2〜1.6倍の幅である、請求項1〜7いずれかに記載の研磨パッド。
  11. 孔および溝の少なくとも1種を研磨層裏面に2以上有し、それらの深さが不均一である、請求項1〜7いずれかに記載の研磨パッド。
  12. 前記研磨パッドが、研磨層、クッション層、および該両層の間に設けられた支持層、を有する積層研磨パッドであって、
    該支持層が、該研磨層が研磨層表面およびその裏面の両面に孔および溝の少なくとも1種を有することに基づく研磨層の曲げ弾性率の低下を30〜100%補う曲げ弾性率を有する、
    請求項1〜11いずれかに記載の研磨パッド。
  13. 請求項1〜12いずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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