JP2005285485A - プラズマ発生装置及び低真空走査電子顕微鏡 - Google Patents

プラズマ発生装置及び低真空走査電子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はプラズマ発生装置及び低真空走査電子顕微鏡に関し、小型で雑音の影響を受けにくく、プラズマ発生による光が画像検出系に悪影響を与えないプラズマ発生装置及び低真空走査電子顕微鏡を提供することを目的としている。
【解決手段】 円筒状をなし、その内部に電離化用のガスを流す石英管60と、該石英管60の先端部に巻回された高周波コイル63と、前記石英管60及び高周波コイル63の周囲を覆うモールド65と、トーチ全体及びプラズマ出射口近辺までを覆った金属部66と、該金属部66の内側に設けた反射光防止膜67とを含んで構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ発生装置及び低真空走査電子顕微鏡に関する。
一般に、走査電子顕微鏡(SEM)は、その内部を高真空にするものであるが、このようなSEMの試料室に追加の排気系を取り付けて、電子銃、電子光学系を高真空に保ちながら、試料室のみを任意の真空度にコントロールできるようにしているのが、低真空走査電子顕微鏡である。低真空すなわち試料近傍にガス分子が多量にある状態にしておくと、入射電子ビームや試料から発生した電子が浮遊ガス分子をイオン化して試料の帯電を中和する。この結果、導電性のない試料をそのまま無蒸着で観察することができる。
図4は低真空走査電子顕微鏡の構成概念図である。図において、1は試料室であり、1〜200Paの低真空に保たれている。2は試料室1内に配置された試料、3は試料2の表面から放射される二次電子を検出する二次電子検出器、4は試料1の表面から放射される反射電子を検出する反射電子検出器、5はエネルギー分散型X線を検出するX線検出器である。
6は電子ビームを発生する電子銃、6aは試料室1と鏡筒7間に設けられたオリフィス、7は鏡筒である。電子光学系は高真空(例えば10-4Pa)に保持される。8は排気用の油回転ポンプ(RP)、9は該RPと接続されるフォアライントラップで該フォアライントラップ9は試料室1と接続されている。11は排気用の油回転ポンプ、12は該油回転ポンプ11と接続される油拡散ポンプ(DP)である。該油拡散ポンプ12は電子光学系と接続される。油拡散ポンプ12と、油回転ポンプ11は電子光学系を高真空に引くための排気系を示している。
このように構成された装置において、排気系により試料室1を低真空(1〜200Pa)に保持し、電子銃6からの電子ビームを試料2に照射し、例えば反射電子検出器4で試料2から放射される反射電子を検出する。検出された反射信号は図示しない画像処理部で画像処理を行なった後、図示しない画像表示部で画像が表示される。
前述したような低真空走査電子顕微鏡には、試料2が絶縁物であった場合に、該絶縁物にチャージされた電荷を中和するためのイオン源発生器が設置される。該イオン源発生器としては、例えばプラズマ発生装置が用いられる。
従来のこの種の装置として、試料室の外側に設けられ、試料室内にイオン化されたイオンを照射して、試料のチャージアップを中和するイオン照射装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、試料表面が負の電位に帯電しないように、試料の表面に向けて試料室に設けられたイオン銃から正イオンを打ち付ける技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、試料室に設けることを前提として、安定した極微細プラズマを発生するプラズマ発生装置が知られている(例えば特許文献3参照)。図5は、特許文献3に記載されているプラズマ発生装置の構成例を示す図である。図において、21はプラズマトーチであり、細められた先端を有するガラスチューブ22と、該ガラスチューブ22の基部を封止するように嵌合されるメタルチューブ23とから構成される。該ガラスチューブ22はその先端部が細く加工されている。24はガラスチューブ22の先端部29に巻回された高周波コイル、25は整合回路24aを介して高周波コイル24に高周波を印加する高周波電源、26は点火用のコイル、27は点火用コイル26に高電圧を印加する高電圧電源である。
メタルチューブ23内にはガス導入用チューブ39が挿入されており、ガスボンベ30からチューブ39を介してプラズマ用ガス(例えばアルゴンガス)を、前記プラズマトーチ21内に導入できるように構成されている。ガスボンベ30とプラズマトーチ21間の流路には、プラズマガスに適当な圧力を与えるためのコンプレッサ31と流量調整バルブ32と流量メータ33が配設されている。
前記プラズマトーチ21内には、高融点金属製ワイヤ(例えばタングステンワイヤ)28がトーチの軸芯に沿うように配設されている。ワイヤ28は、メタルチューブ23側と先端部29とで径が異なっている。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
先ず、プラズマトーチ21内に予めガス導入用チューブ39を介してアルゴンガスを導入する。コンプレッサ31により圧力がかかる結果、導入されたアルゴンガスはガラスチューブ22の先端部29方向に高速に流れ、その先端から噴出する。次に、高周波電源25を作動させ、高周波コイル24に高周波電力を供給する。これにより、ガラスチューブ22のコイル巻回部分に高周波電磁界が発生し、ワイヤ28の先端が高周波誘導加熱を受け、加熱状態となる。この状態において、高電圧電源27を作動させ、点火用コイル26に例えば15KV程度の高電圧を印加すると、ガラスチューブ22の先端部29に放電が発生し、この放電により発生したプラズマを種火として、高周波コイル24を介して供給された高周波電力による誘導プラズマが発生する。
従来のこの種の装置として、試料室に設けることを前提として、安定した極微細プラズマを発生する他のプラズマ発生装置が知られている(例えば特許文献4参照)。図6はプラズマ発生装置の他の従来構成例を示す図である。図において、40は一端がメタルチューブ53に接続され、他端がガスボンベ、コンプレッサ、流量バルブ及び流量メータからなるガス供給系41に繋がったガス導入用チューブである。42は一端が高電圧電源47に繋がり、他端が点火用電線58に繋がったジイゲル線である。図中、Sはシールドである。
43は、一端が高周波電源45に繋がり、他端が整合回路MAに繋がった同軸ケーブルである。この同軸ケーブル43は、高周波電源45側の部分43Aと、整合回路側の部分43Bとからなり、該2つの同軸ケーブルは、同軸ケーブル同士を繋ぐ専用のコネクタ44で接続されている。メタルチューブ53側の孔を通ったジイゲル線はそのあと、被覆部が取り除かれた芯線が点火用電線58の部分まで延びている。
このような構成のプラズマ発生装置において、高電圧電源47を作動させ、点火用電線58に例えば15KV程度の高電圧を印加すると、ガラスチューブ内の先端部52Fに放電が発生し、この放電を種火として高周波コイル54を介して供給された高周波電力による誘導プラズマが発生する。発生した誘導プラズマは、高温状態のワイヤ58から発生される熱電子の供給を受け、安定に維持される。その結果、ガラスチューブの先端からは、微小径を持つプラズマフレームが噴出する。
特開平8−273579号公報(第2頁、図1) 特開平5−275046号公報(第2頁、図1) 特開2002−343599号公報(第2頁、第3頁、図1) 特開2003−173898号公報(第4頁、第5頁、図2)
前記した特許文献1記載のプラズマ発生装置は、走査電子顕微鏡の外側に設けられるので、構成が複雑で大きく、且つ高価であるという問題があった。特許文献2記載のプラズマ発生装置も装置が大型化して高価であるという問題があった。また、特許文献3及び特許文献4記載のプラズマ発生装置は、小型化に適するものの、高周波コイルの外側で放電が発生するという問題があった。また、対物レンズと試料間の空間において外来雑音が発生し、解像度に悪影響を与えるという問題があった。また、プラズマ発生による光が反射電子検出器に入ると像が白くなるという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、小型で雑音の影響を受けにくく、プラズマ発生による光が画像検出系に悪影響を与えないようなプラズマ発生装置を提供することを目的とし、またこのプラズマ発生装置を用いた低真空走査電子顕微鏡を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、円筒状をなし、その内部に電離化用のガスを流す石英管と、
該石英管の先端部に巻回された高周波コイルと、前記石英管及び高周波コイルの周囲を覆うモールドと、トーチ先端部から鏡筒壁のフランジまでを覆った金属部と、該金属部の内側に設けた反射光防止膜とを含んで構成されることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、試料室内気圧が1乃至200Pa程度の低真空環境下で試料に電子ビームを照射して、該試料表面から放射される電子信号を検出して試料像を得るようにした低真空走査電子顕微鏡において、前記試料が絶縁物である場合に、前記試料の近傍に請求項1に記載のプラズマ発生装置を配置して、該プラズマ発生装置から発生するイオンにより前記試料にチャージされた電荷を打ち消すようにしたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記プラズマ発生装置の内部に冷却水を流すようにしたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記プラズマ発生装置から鏡筒壁までの、前記高周波コイルに高周波を印加するためのケーブルを覆った金属部を更に設けたことを特徴とする。
請求項1の発明に基づくプラズマ発生装置によれば、高周波コイルの周囲をモールドで覆うことで、高周波コイルでの放電を防ぐことができ、トーチ全体からプラズマ出射近辺までを金属部で覆うことで、ノイズの影響を受けなくなり、該金属部の内側に反射光防止膜を設けることで、放電による光が検出器に入るのを低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1のプラズマ発生装置を試料室のイオン発生用に用いることで、絶縁物試料の像を正確に求めることができる。
請求項3記載の発明によれば、プラズマ発生部の温度を下げることができ、安定なプラズマ放電を持続することができる。
請求項4記載の発明によれば、ノイズの影響を受けにくくなる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係るプラズマ発生装置の一実施の形態例を示す構成図である。図において、60はその内部に電離化用のガス(例えばアルゴン等)を流す石英管、61は同じく石英管60内に配置されたタングステンワイヤ、63は石英管60の先端部に巻回された高周波コイルである。該高周波コイル63の巻数としては、例えば5ターン程度が用いられる。64は前記石英管60の先端部に取り付けられたガラス管、65は石英管60及び高周波コイル63の周囲を覆うモールド、66はトーチ全体及びプラズマ出射口近辺までを覆った金属部としてのアルミフォイル、67は該アルミフォイル66の内側に設けた反射光防止膜である。以上のような構成をトーチということがある。
68はその内部に高周波を通す同軸ケーブルである。該同軸ケーブル68としては、例えば3D−2Vが用いられる。該同軸ケーブル68内にはリード線が入っていて、高周波が高周波コイル63に供給される。69は同軸ケーブル68と高周波コイル63を接続する整合コンデンサである。70はタングステンワイヤ61にトリガ信号を供給するトリガ電線である。93はプラズマ発生装置から鏡筒壁面までの同軸ケーブルを覆った金属部としてのアルミフォイルである。71、72はその内部に冷却水を通す管である。管71を通過した水は高周波誘導加熱部を通り、管72から出ていく。このように、プラズマ発生部に水を通すことによりプラズマ発生部を冷却する。プラズマ発生部を冷却すると、プラズマ発生部の温度を下げることができ安定なプラズマ放電を維持することができる。トーチ部の長さとしては、例えば概略20φ(mm)×70(mm)程度である。
このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
先ず、石英管60内に予めアルゴンガスを導入する。ここで、アルゴンガスには圧力をかけると、導入されたアルゴンガスは石英管60の先端部方向に高速に流れ、その先端から噴出する。次に、同軸ケーブル68から高周波電力を入力する。入力された高周波電力は、整合コンデンサ69を介して高周波コイル63に印加される。次に、トリガ電線70からトリガ信号を入力する。これにより、石英管60のコイル巻回部分に高周波電磁界が発生し、石英管60の先端部に放電が発生し、この放電により発生したプラズマを種火として、高周波コイル63を介して供給された高周波電力による誘導プラズマが発生する。
通常のプラズマ発生装置では、高周波コイルに例えば四百数十MHzの高周波で励振すると、石英管及びアルゴン雰囲気で放電しないで、高周波コイル63の外側でグロー放電が発生する。このような放電を防ぐために、石英管60及び高周波コイル63の周囲をモールド65で覆う。この結果、高周波コイル63の外側でグロー放電が起こらなくなり、トーチを励振することにより、安定にプラズマを発生させることができる。
また、走査型電子顕微鏡は外来雑音に弱いことが知られている。トーチを数Wで励振すると、対物レンズと試料間の空間において外来雑音が解像度に悪影響を及ぼすことが分かった。そこで、対策として対物レンズと試料間の空間のまわりを銅板で囲むと、トーチの雑音による影響を殆どなくすることが実験的に確認された。
試料台は、試料室内において移動する機能を有しているため、解像度への悪影響を除去するために銅板でシールドすることは実用的でない。そこで、実験ではアルミフォイルを用いてトーチ後部からフランジ部までを覆った。この場合において、同軸ケーブル68等を直接覆うと整合(マッチング)がずれてしまい適切ではない。そこで、アルミフォイル93は、少し間隙を設けて覆う必要がある。具体的には、金属ケースを採用するとノイズの低減という好ましい結果が得られると考えられる。
通常、低真空圧走査電子顕微鏡は、二次電子での像観察と、反射電子での像観察の二つの機能を有している。ここで、絶縁物試料を観察する場合、例えば試料室内圧力1Pa〜200Pa程度で、好ましくは10Pa〜50Pa程度での反射電子での像観察が行なわれる。
この場合において、試料室内での迷光が反射電子検出器に入ると、像画面が白っぽくなる。一般に、プラズマ発生装置の先端からは放電による光が放出される。この結果、検出した画像が白っぽくなる。この光が反射電子検出器に入射するのを防ぐ方法として幾つかの方法が考えられる。例えば、実験で使用している方法としては、図1において、アルミフォイル内面に反射光防止膜を設けるものである。具体的には、反射光防止膜として、アルミフォイル66の内面に反射防止塗料を塗って用いている。かつ、トーチ先端部延長試料室の部分に黒く塗ったアルミフォイルを配置し、反射光を低減している。これにより、安定な観察像が得られる。他の方法としては、試料室内等を黒色のアルマイト処理を施す方法等が考えられる。
このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。ここでは、絶縁物試料を観察する場合の手順を示す。図2はプラズマ発生装置の動作手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。
先ず、低真空走査電子顕微鏡の稼働の準備をする(ステップ1)。具体的には、トーチの内部にアルゴンガスを導入する。次に、絶縁物試料を試料台に乗せ、所定の位置にセットする(ステップ2)。次に、試料室の内部を低真空状態とする(ステップ3)。具体的には、1〜200Pa程度にする。好ましくは、10〜50Paに設定する。次に、プラズマ発生装置に数Wの高周波(例えば430MHz〜440MHz)を印加する(ステップ4)。
この結果、石英管60のコイル巻回部分に高周波電磁界が発生し、タングステンワイヤ61の先端が高周波誘導加熱を受け、加熱状態となり、誘導プラズマ(マイクロプラズマ)が発生する(ステップ5)。次に、走査電子顕微鏡を操作して像観察を行なう(ステップ6)。像観察終了後は、高周波電力を遮断し、アルゴンガスの導入を停止させる。これ以降は、低真空走査電子顕微鏡の操作手順により像観察を行なう。
本発明によれば、高周波コイルの周囲をモールドで覆うことで、高周波コイルでの放電を防ぐことができ、トーチ先端部から鏡筒面までを金属部で覆うことで、ノイズの影響を受けなくなり、該金属部の内側に反射光防止膜を設けることで、放電による光が検出器(二次電子検出器、反射電子検出器)に入るのを低減することができる。
図3は本発明に係る低真空走査電子顕微鏡の構成例を示す図である。図において、100は鏡筒、101は試料室である。ここで、鏡筒100内は高真空(例えば10-4Pa)に保たれ、試料室101は例えば10Pa/50Paに保持される。80はフィラメント、81はフィラメント80の近傍に配置されたグリッド(ウェーネルト電極)、82は陽極(アノード)である。
83は電子ビームを集束する集束レンズ、84は集束レンズ83の下側に配置された絞り、85は試料上に電子ビームを結像させるための対物レンズ、86は対物レンズ85の下方に設けられた偏向器(デフレクタ)、87は偏向器86に近接して設けられた非点収差補正用のスティグマ(STIGMA)である。
88は試料台、89は該試料台88上に載置された絶縁物試料、90は該絶縁物試料89の近傍に配置された本発明に係るプラズマ発生装置(トーチ部)である。本願発明で用いるプラズマ発生装置は、プラズマ発生の規模が小さいので、マイクロプラズマ発生装置ということがある。91は絶縁物試料89からの反射電子を検出する反射電子検出器、92は同じく試料89からの二次電子を検出する二次電子検出器である。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
フィラメント80から放射させた電子は、グリッド81を通過して陽極82に引き寄せられ、電子ビームとなって出射される。この電子ビームは、集束レンズ83で集束された後、絞り84を通過する。この電子ビームは、続く対物レンズ85で絶縁物試料89に結像する。この場合において、電子ビームは、偏向器86により偏向され、スチィグマ87により非点収差補正され、絶縁物試料89上に結像する。
絶縁物試料89には、電荷がチャージされる。一方、試料室内に配置された本発明に係るプラズマ発生装置(トーチ部)90からは、正イオンが発生し、絶縁物試料89にチャージされていた電荷を中和する。この結果、絶縁物試料89の表面からは正しい反射電子が放射される。この放射電子は、試料室に配置されている反射電子検出器91により検出され、画像処理部(図示せず)で画像処理された後、表示装置(図示せず)に表示される。本発明によれば、前述したプラズマ発生装置を試料室のイオン発生用に用いることで、絶縁物試料89からのチャージの影響を受けない試料画像が得られる。
以上、詳細に説明したように、本発明に係る低真空走査電子顕微鏡を用いれば、前述したプラズマ発生装置を使用することで、絶縁物試料の像を正確に求めることができる。
上述の実施の形態例では、プラズマガスとしてアルゴンを用いた場合を例にとったが、本発明はこれに限るものではなく、他のガス、例えば窒素ガス等を用いることもできる。
本発明は、試料表面の画像を観察する低真空走査電子顕微鏡の分野に利用される。
本発明に係るプラズマ発生装置の一実施の形態例を示す構成図である。 プラズマ発生装置の動作手順を示すフローチャートである。 本発明に係る低真空走査電子顕微鏡の構成例を示す図である。 低真空走査電子顕微鏡の構成概念図である。 プラズマ発生装置の従来構成例を示す図である。 プラズマ発生装置の他の従来構成例を示す図である。
符号の説明
60 石英管
61 タングステンワイヤ
63 高周波コイル
64 ガラス管
65 モールド
66 アルミフォイル
67 反射光防止膜
68 同軸ケーブル
69 整合コンデンサ
70 トリガ電線
71 管
72 管

Claims (4)

  1. 円筒状をなし、その内部に電離化用のガスを流す石英管と、
    該石英管の先端部に巻回された高周波コイルと、
    前記石英管及び高周波コイルの周囲を覆うモールドと、
    トーチ全体及びプラズマ出射口近辺までを覆った金属部と、
    該金属部の内側に設けた反射光防止膜と、
    を含んで構成されるプラズマ発生装置。
  2. 試料室内気圧が1乃至200Pa程度の低真空環境下で試料に電子ビームを照射して、該試料表面から放射される電子信号を検出して試料像を得るようにした低真空走査電子顕微鏡において、
    前記試料が絶縁物である場合に、前記試料の近傍に請求項1に記載のプラズマ発生装置を配置して、該プラズマ発生装置から発生するイオンにより前記試料にチャージされた電荷を打ち消すようにしたことを特徴とする低真空走査電子顕微鏡。
  3. 前記プラズマ発生装置の内部に冷却水を流すようにしたことを特徴とする請求項2記載の低真空走査電子顕微鏡。
  4. 前記プラズマ発生装置から鏡筒壁までの、前記高周波コイルに高周波を印加するためのケーブルを覆った金属部を更に設けたことを特徴とする請求項1記載の低真空走査電子顕微鏡。
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