JP2005280450A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Ryuji Hori
隆二 堀
Katsumi Ishikawa
克巳 石川
Morimasa Asai
守正 浅井
Osamu Tsuchiya
修 土屋
Satoshi Nagaeda
聡 長枝
Kaori Enozono
香織 榎園
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Abstract

【課題】テアラインの破断順序を容易に制御し、エアバッグの所望の展開特性を容易に実現する。
【解決手段】ケース14のフック部44をカバー11の係合孔40に係合し、カバー11をケース14に取り付ける。係合孔40の寸法を各部で変化させ、フック部44の下側の隙間の寸法La,Lbを、両端側よりも中央部O近傍で大きくする。エアバッグの展開時に、カバー11の両端側では、エアバッグの展開圧は直接的にテアライン34に作用し、テアライン34を迅速に破断してエアバッグが膨出する。一方、カバー11の中央部O近傍では、寸法Lbより大きい寸法Laの分だけカバー11の表皮パネル31が正面側に移動するため、エアバッグの展開圧がテアライン34に作用するまで遅延が生じ、両端側よりも遅延してエアバッグが膨出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置に関する。
従来、例えば、自動車のステアリングホイールやインストルメントパネルに備えられ、インフレータから供給されるガスによりエアバッグを膨張展開させて、衝突などの衝撃から乗員を保護するエアバッグ装置が用いられている。そして、インストルメントパネルに備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置は、矩形箱状のケースの内側に、折り畳んだエアバッグと、ガスを供給するインフレータとを収納するとともに、ケースの上部の開口を、薄肉なテアラインを形成したカバーで覆って構成されている。そして、このカバーは、カバーに設けた複数の係止孔に、ケースから突設した複数のフックをそれぞれ係止などして、ケースに取り付けられている。そして、自動車が衝突などした際は、インフレータからエアバッグにガスを供給し、エアバッグの展開圧によりテアラインを破断して突出口を形成し、この突出口からエアバッグを乗員の前方に膨張展開させている。
また、このようなエアバッグ装置において、ケースなどを含むモジュールのフックに対してカバーの係止孔の寸法を大きく形成するとともに、係止孔の下側部の横幅を上側部の横幅よりも小さくした構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成は、係止孔にフックを係合した状態で、カバーを手で持ち、モジュールを吊り下げ支持した状態では、横幅の小さい係止孔の下側部でフックを位置決めし、モジュールを車体に容易に位置決めして取り付けることを図っている。また、モジュールを車体に固定した状態では、フックよりも寸法の大きい係止孔によりモジュールがカバーに対して相対的に移動可能となり、位置の誤差の吸収が図られている。また、この特許文献1の構成では、フック及び係止孔はそれぞれ同じ形状で均等な間隔で配置されている。
特開平9−328050号公報(第1頁、図5)
エアバッグの所望の展開特性を実現するため、テアラインの破断特性、すなわち、初期にカバーが破断する位置を制御することが考えられる。上記従来の構成では、エアバッグの展開圧はカバーに均等に作用するため、テアラインの肉厚の調整など特別な構造が必要になり、製造コストの低減が容易でない問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、カバーの破断特性を容易に設定でき、エアバッグの所望の展開特性を容易に実現できるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置は、ガスの流入により膨張展開するエアバッグと、前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグが折り畳んで収納されるとともに、折り畳んだエアバッグが膨出する開口部を設けたケースと、前記開口部を覆い、前記エアバッグが膨出する圧力により破断して突出口を形成する破断予定部を設けたカバーと、前記ケースと前記カバーとを連結する連結機構とを具備し、前記連結機構は、他の位置に対して、所定の位置近傍で、カバーをケースに対し前記エアバッグの膨出方向に移動容易に支持するものである。
そして、この構成では、エアバッグの膨出時に、所定の位置の破断予定部に加わる力を遅延させ、所定の位置での破断予定部の破断を遅延させて、エアバッグの所望の展開特性が実現される。破断予定部の構造を特殊化する必要がなく、製造コストの低減が容易になる。
請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、所定の位置は、突出口の幅方向の略中央部であるものである。そして、この構成では、突出口の幅方向の略中央部のエアバッグの膨出を遅延させ、エアバッグを幅方向の両端側から開始させることにより、突出口の幅方向の略中央部に近接して位置している保護対象に加わる力が容易に抑制される。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項1または2記載のエアバッグ装置において、連結機構は、係合孔と、この係合孔に係合するフックとを備えた連結部を複数備え、他の位置に対して、所定の位置近傍の連結部で、これら係合部とフックとは前記エアバッグの膨出方向に沿って大きな隙間寸法を有して係合するものである。
そして、この構成では、所定の位置で、カバーをケースに対しエアバッグの膨出方向に移動容易に支持して破断を遅延させる構成が容易に実現され、製造コストが低減される。
請求項4記載のエアバッグ装置は、請求項1または2記載のエアバッグ装置において、連結機構は、係合孔と、この係合孔に係合するフックとを備えた連結部を複数備え、他の位置に対して、所定の位置近傍で、連結部同士は互いに大きな間隔を介して配置されたものである。
そして、この構成では、所定の位置で、カバーをケースに対しエアバッグの膨出方向に移動容易に支持して破断を遅延させる構成が容易に実現され、製造コストが低減される。
本発明のエアバッグ装置によれば、所定の位置での破断予定部の破断を遅延できるため、カバーの破断特性を容易に設定でき、エアバッグの所望の展開特性を容易に実現できる。破断予定部の構造を特殊化する必要がなく、製造コストを容易に低減できる。
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図5において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、図2に示すように、乗物である車両としての自動車2のインストルメントパネル3に備えられ、保護対象である助手席に着座した乗員を保護するアシストエアバッグ装置などともよばれる助手席乗員用のエアバッグ装置1を構成している。すなわち、インストルメントパネル3は、助手席である座席5の前方に位置し、車室の前部に車幅方向すなわち両側方向Wを長手方向として設けられている。そして、このインストルメントパネル3の上方には、フロントウィンドウガラスが位置しているとともに、インストルメントパネル3の側方には、車室の側壁であるドアが設けられている。なお、以下、自動車2の直進状態における進行方向に沿った方向を前後方向とし、水平面状でこの前後方向に直交する横方向を両側方向Wとして説明する。また、本実施の形態では、助手席が車室の左側に位置する構成について説明する。
そして、このエアバッグ装置1は、図2ないし図4に示すように、アッパーパネル10に設けられたカバー11と、アッパーパネル10の裏面側に内蔵されるエアバッグモジュールとを備え、エアバッグモジュールは、容器部であるケース14と、このケース14に取り付けられるエアバッグ16、リテーナ17、インフレータを構成する第1のインフレータ21、第2のインフレータ22、及びブラケット24などを備えている。さらに、このエアバッグ装置1は、ハーネス26を介して各インフレータ21,22に電気的に接続される図示しない制御手段及びセンサなどを備えている。
そして、カバー11は、いわゆるシームレスインストを構成するアッパーパネル10の一部に一体的に構成され、図3に示すように、表皮パネル31と、この表皮パネル31の裏面側に振動溶着にて一体化されたバッキング32とを備えている。そして、表皮パネル31は、相対的に硬質で、例えばピラートリムなど車両の他の内装材との調和性の良いポリプロピレン(PP)樹脂にてインストルメントパネルのカバー11以外の部分とも一体に形成され、裏面側には、扉33を区画形成する破断予定部であるテアライン34が形成されている。また、テアライン34は、表皮パネル31の裏面側を切削などし、表皮パネル31の他の部分より脆弱な凹溝状に形成されている。なお、本実施の形態では、扉33は、両側方向Wを長手方向とする前後一対の扉部(リッド)33a,33bで形成され、テアライン34は、この扉部33a,33bの形状に応じて、両側方向に沿った中央テアライン34aと、この中央テアライン34aの両側端から前後に延びる側部テアライン34bと、これら側部テアライン34bの前端部同士と後端部同士とをそれぞれ接続する前部テアライン34c及び後部テアライン34dとを備えている。また、バッキング32は、上記のポリプロピレン樹脂よりも弾性変形しやすい比較的軟質の樹脂、例えばサーモプラスティクオレフィン(TPO樹脂)にて一体に形成され、扉33の外側を囲んで配置された四角筒状のボックス部36と、このボックス部36の内側に配置され表皮パネル31の各扉部33a,33bの裏面側に溶着された前後一対の扉支持部37と、ボックス部36の外側に配置され、表皮パネル31の各扉部33a,33b以外の場所の裏面側に溶着された枠状の固定部38と、各扉支持部37をボックス部36に接続する屈曲可能な複数のヒンジ部39とを備えている。また、ボックス部36には、例えば前後の面に位置し、取付受部であり連結機構を構成する係合孔40が複数形成されている。そして、これら係合孔40は、この実施の形態では、両側方向Wに互いに略等間隔に配置されている。さらに、これら係合孔40は、図1、図3、及び図5に示すように、それぞれボックス部36の面方向に直交して貫通する矩形状の孔であるが、所定の位置としての突出口の中央部Oすなわち中央テアライン34aの両側方向Wの中央部Oの近傍で、エアバッグ16の膨出方向である正面背面方向沿って長手寸法が大きく、より詳細には、中央部Oの近傍の複数の係合孔40aは、中央部Oから離間したすなわち両側方向Wの端部側の複数の係合孔40bに対して、背面方向に長手寸法が大きく形成されている。
なお、図3以外の図面においては、カバー11は、表皮パネル31とバッキング32とを一体的に示す簡略化した概念図として示している。また、表皮パネル31とバッキング32とを一体に形成することもできる。このように、表皮パネル31とバッキング32とを一体に形成する場合には、図1などに示すように、表皮パネル31に前部テアライン34c及び後部テアライン34dは形成せず、これらの部分がヒンジ部39となる。
また、ケース14は、リアクションカンなどとも呼ばれるもので、図3に示すように、例えば鉄板を曲げ適宜溶接し、上面を開口部41とし、この開口部41に対向する底面を両側方向Wを長手方向とする基板部42とし、この基板部42の外周部から上側に突設された角筒状の側板部43とした略箱状に形成されている。また、基板部42には、両側方向に並んで、2個の円孔状のインフレータ取付部42aが形成されている。さらに、各インフレータ取付部42aの周囲には、それぞれ4個の取付孔42bが形成されている。また、側板部43には、例えば前後の面に位置し、係合孔40に係合する取付部であり連結機構を構成するフック部44が複数形成されている。そして、これらフック部44は、係合孔40の位置に合わせて、両側方向Wに互いに略等間隔に配置されている。さらに、これらフック部44は、互いに同じ形状に形成され、図1に示すように、それぞれの側板部43から直交する方向に延設された後、背面方向に傾斜して延設されている。
そこで、これらフック部44をそれぞれ係合孔40に係合した状態で、図1(b)及び(c)に示すように、端部側の係合孔40bでのフック部44の背面側の隙間の寸法Lbよりも、中央部Oの近傍の係合孔40aでのフック部44の背面側の隙間の寸法Laの方が大きくなるように設定されている。すなわち、通常、係合孔でのフック部の背面側の隙間の寸法は5mm程度に設定されるが、本実施の形態では、端部側の係合孔40bでの隙間の寸法Lbは4〜7mmに設定され、中央部Oの近傍の係合孔40aでの隙間の寸法Laは7〜15mmに設定されている。
また、エアバッグ16は、1枚あるいは複数枚の基布を縫い合わせて長尺の袋状をなし、図示しない基部に、各インフレータ取付部42aに位置合わせして2カ所に円孔が形成されているとともに、各取付孔42bに位置合わせして合計8カ所に取付孔が形成されている。また、このエアバッグ16は、折り畳まれた状態で、適宜ラッピング45により形状が保持されている。
また、リテーナ17は、エアバッグ16に内挿された状態で基板部42の上面に重ねられる矩形板状のリテーナ基板部47を備えている。そして、この矩形板状のリテーナ基板部47には、各インフレータ取付部42aに位置合わせして2カ所に円孔47aが形成されているとともに、各取付孔42bに位置合わせして、合計8カ所に各取付孔42bに挿入される取付具である取付ボルト48が固着されている。そして、各取付ボルト48には、下側からナット49が螺合して締め付けられる。
また、ブラケット24は、金属板などにて形成され、ケース14の基板部42の裏面に当接するケース取付部24aと車体側に取り付けられる車体側取付部24bとを備えている。さらに、ケース取付部24aには、ケース14の基板部42の取付孔42bの一部に位置合わせして取付孔24cが形成されている。
また、第1及び第2のインフレータ21,22は、互いに同一形状のいわゆる円盤型のパイロ(燃焼)型で、偏平な円柱状のインフレータ本体部51と、このインフレータ本体部51の外周部から突設されたフランジ部52とを備えている。また、フランジ部52の上側に位置して、インフレータ本体部51の外周部には、複数のガス噴射口53が形成されている。そして、フランジ部52には、各取付孔42bに位置合わせしてそれぞれ4カ所に取付孔52bが形成されている。さらに、インフレータ本体部51の底部には、ハーネス26に接続されるコネクタ54が設けられている。そして、これら第1及び第2のインフレータ21,22は、互いに異なる特性あるいは同一の特性を備え、適宜の時間差であるいは同時に起動することにより、所望の合成出力を実現している。なお、一般的に、パイロ型のインフレータ21,22は、貯留したガスを放出するいわゆるストレージ型や、あるいは、ストレージ型を主体としてパイロ型を組み合わせたいわゆるハイブリッド型のインフレータに比べ、起動直後から急峻にガスの圧力が上昇する特性を有している。
また、ハーネス26は、複数の芯線を束ねたもので、一端部には、制御手段に接続されるコネクタ26aが設けられているとともに、他端側は2本に分岐され、それぞれ第1及び第2のインフレータ21,22のコネクタ54に接続されるコネクタ26bが設けられている。なお、制御手段は、電子コントロールユニット(ECU)とも呼ばれるもので、演算手段としてのCPU(中央演算装置)やROMなどを収納し、検出手段としての図示しないセンサに接続されている。
そして、このエアバッグ装置1の組み立ての際は、まず、エアバッグ16は、内部にリテーナ17を挿入し、基部の各円孔とリテーナ17の円孔47aとを位置合わせし、取付孔から取付ボルト48を引き出した状態で、所定の形状に折り畳み、この折畳形状を破断可能なラッピング45で保持する。そして、折り畳んだエアバッグ16をケース14に収納するとともに、このエアバッグ16から突出した取付ボルト48をケース14の各取付孔42bに挿入する。
また、ケース14の裏面側から、各インフレータ21,22のインフレータ本体部51を、各インフレータ取付部42aを介してエアバッグ16の内側に挿入するとともに、各取付孔52bに取付ボルト48を挿入する。さらに、各インフレータ21,22の裏面側から、ブラケット24のリテーナ取付部24aをあてがい、取付孔24bに中央に位置する4本の取付ボルト48を挿入する。そして、この状態で、各取付ボルト48の先端側からナット49を螺合することにより、ケース14に、エアバッグ16、リテーナ17、第1及び第2のインフレータ21,22、及びブラケット24が固定され、エアバッグモジュールが構成される。
そして、このエアバッグモジュールを、インストルメントパネル3のカバー11の裏面側に配置し、フック部44をカバー11の係合孔40に係合して取り付けるとともに、ブラケット24の車体側取付部24bを車体のリインフォースなどに固定して、エアバッグ装置1が車体に取り付けられる。また、制御手段は、車体の適宜の位置に配置され、ハーネス26により、各インフレータ21,22に接続されるとともに、車体の所定の位置に配置されたセンサとしての衝撃センサに接続される。
そして、このエアバッグ装置1を備えた自動車が衝突などすると、衝撃センサが検出した衝撃に基づき制御手段が各インフレータ21,22を同時にあるいは順次起動し、これらインフレータ21,22から供給されるガスに基づきエアバッグ16を膨出させ、この膨出の圧力によりカバー11をテアライン34で破断してエアバッグ16の突出口を形成し、正面側にエアバッグ16を突出させ、乗員の前方に膨張展開させて、乗員を保護するようになっている。
そして、このテアライン34の破断による突出口の形成の際、フック部44が係合する係合孔40の隙間の寸法La,Lbが各部で異なるため、エアバッグ16が膨出する展開圧が同時ではなく時間差を持ってテアライン34の各部に作用する。すなわち、エアバッグ16の展開時に、カバー11をケース14に対して相対的に正面側に押圧する方向に力が加わる。この時、図6に示すように、カバー11すなわち突出口の両端側では、寸法Lbは小さいため、エアバッグ16の展開圧は直接的にテアライン34に作用し、テアライン34を迅速に破断してエアバッグ16の膨出が開始される。
とりわけ、パイロ型のインフレータ21,22の初期の急峻に立ち上がる圧力が、カバー11のテアライン34の両端側に作用して、テアライン34を迅速に破断できる。一方、カバー11すなわち突出口の中央部O近傍では、寸法Lbより大きい寸法Laの分だけカバー11の表皮パネル31(リッド)が正面側に移動するため、エアバッグ16の展開圧がテアライン34に作用するまで、所定の時間だけ遅延が生じ、すなわち、表皮パネル31の上方への移動により、上述したパイロ型のインフレータ21,22の初期の圧力を受け流し、両端側よりも所定の時間だけ遅延してエアバッグ16の膨出が開始される。さらに、カバー11の一部が開くことにより、ガスの圧力のエネルギーが、開いた部分から外へ膨出しようとするエアバッグ16の膨張に使われ、遅延して展開する部分のカバー11が開く動作を穏やかにすることができる。
そこで、図7に示すように、カバー11の略中央部に近接した保護対象Aがある場合にも、この保護対象Aに加わる力を小さくすることができる。なお、図7におけるAはダミーのヘッドで示している。
このように、本実施の形態では、ケース14とカバー11との連結について、フック部44が係合する係合孔40の寸法を変則的に設定し、一部をいわば開裂遅延手段にて係合したため、簡略な構造で、テアライン34の破断順序を制御し、エアバッグ16の所望の展開特性を容易に実現できる。そして、本実施の形態では、エアバッグ16の突出口の幅寸法の略中央部O近傍において、係合孔40を長孔とし、中央部O近傍でカバー11の浮き上がりを許容する開裂遅延手段にて係合したため、テアライン34の長手方向すなわち両側方向Wの両端側を先に破断させ、エアバッグ16を両端側から突出させて、カバー11の略中央部に近接した保護対象に加わる力を抑制することができる。
また、上記のようにテアライン34の破断順序を制御できるため、テアライン34の細かい肉厚調整など特別な構造が不要になり、製造コストを低減できる。
なお、上記の第1の実施の形態では、カバー11の相対的な移動を許容してテアライン34に加わる力を遅延させる開裂遅延手段は、係合孔40の寸法を各部で変化させることにより実現したが必ずしもこの構成にかぎられず、他の構成より実現することもできる。
例えば、図8ないし図10に示す第2の実施の形態のように、フック部44が係合孔40に係合した係合部について、これら係合部同士の間隔を変則的に配列し、いわば係合部の疎密を調整することにより、カバー11の所定位置での相対的に大きな移動を許容してテアライン34に加わる力を遅延させる開裂遅延手段を構成することもできる。すなわち、この実施の形態では、複数のフック部44及び複数の係合孔40の形状は互いに同一であるが、フック部44が係合孔40に係合した係合部について、図8及び図9に示すように、中央部O近傍において必要最低限程度に疎に配置するのに対し、両端側では、この中央部O近傍よりも密に配置する。例えば、この第2の実施の形態では、ケース14の両側方向Wの寸法W1が250〜350mmとした場合、中央部Oの100〜200mmの範囲W2で、係合部の配置を疎としている。
そこで、この構成では、図10に示すように、両端側では、カバー11がケース14に移動しにくく安定して支持され、エアバッグ16の展開圧がテアライン34に直接的に有効に作用し、力Fbでテアライン34を迅速に破断するのに対し、中央部O近傍では、カバー11が伸びて盛り上がるような変形が生じ、すなわち、カバー11が相対的に移動して、エアバッグ16の一瞬の展開圧がテアライン34に作用しずらくなり、力Fbより小さい力Faとなるため、テアライン34の破断が所定時間遅延する。このようにして、第1の実施の形態と同様に、エアバッグ16を両端側から先に突出させて、カバー11の略中央部に近接した保護対象に加わる力を抑制することができる。
なお、上記の各実施の形態では、テアライン34の両端側を先に破断させてエアバッグ16を膨出させ、中央部を後に膨出させる構成について説明したが、この構成に限られず、所定の位置のエアバッグ16の膨出を遅延させ、他の位置でのエアバッグ16の膨出を先行させることができる。
また、第1の実施の形態においては、係合孔40の寸法を変化させたが、この構成に限られず、フック部44の形状あるいは位置を変化させ、あるいは、係合孔40とフック部44との位置あるいは形状をともに変化させることもできる。
さらに、第1の実施の形態のように、係合孔40あるいはフック部44の形状を変化させる構成と、第2の実施の形態のように、係合孔40及びフック部44の配置の疎密を変化させる構成とを組み合わせることもできる。
また、上記の各実施の形態では、複数のディスク型のインフレータ21,22を用いたが、この構成に限られず、例えば、単数の棒状のインフレータを用いることもできる。
また、上記の各実施の形態では、カバー11は、いわゆるシームレスタイプの構成について説明したが、この構成に限られず、カバー11の全体を、TPO、TPU(ウレタン系エラストマー)、軟質塩化ビニルなどを用いて形成した、当技術分野でよく知られたいわゆるエアバッグリッドとすることもできる。
さらに、上記の各実施の形態では、自動車2の両側方向Wを長手方向としてインストルメントパネル3に助手席の乗員の正面側に対向して配置する構成について説明したが、この構成に限られず、前席の背面に備えられる後席の乗員用のエアバッグ装置とすることもでき、また、自動車の直進状態における進行方向に沿った前後方向を長手方向として、乗員の側面に対向して配置されるエアバッグ装置を構成することもできる。
本発明のエアバッグ装置は、自動車などの車両の他、船舶や航空機などの乗物に備えることができる。
本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は中央部近傍の係合孔及びフック部の拡大図、(c)は両端側の係合孔及びフック部の拡大図である。 同上エアバッグ装置を備えた車両の一部の斜視図である。 同上エアバッグ装置の一部を切り欠いた分解斜視図である。 同上エアバッグ装置の一部を切り欠いた断面図である。 同上エアバッグ装置の一部の側面図である。 同上エアバッグ装置の展開時の状態を示す説明図である。 同上エアバッグ装置の展開時の状態を示す説明図である。 本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態を示す斜視図である。 同上エアバッグ装置の一部の側面図である。 同上エアバッグ装置の展開時の状態を示す説明図である。
符号の説明
1 エアバッグ装置
11 カバー
14 ケース
16 エアバッグ
21 インフレータを構成する第1のインフレータ
22 インフレータを構成する第2のインフレータ
34 破断予定部としてのテアライン
40 連結機構を構成する係合孔
41 開口部
44 連結機構を構成するフック部
O 中央部

Claims (4)

  1. ガスの流入により膨張展開するエアバッグと、
    前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、
    前記エアバッグが折り畳んで収納されるとともに、折り畳んだエアバッグが膨出する開口部を設けたケースと、
    前記開口部を覆い、前記エアバッグが膨出する圧力により破断して突出口を形成する破断予定部を設けたカバーと、
    前記ケースと前記カバーとを連結する連結機構とを具備し、
    前記連結機構は、他の位置に対して、所定の位置近傍で、カバーをケースに対し前記エアバッグの膨出方向に移動容易に支持する
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 所定の位置は、突出口の幅方向の略中央部である
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 連結機構は、係合孔と、この係合孔に係合するフックとを備えた連結部を複数備え、他の位置に対して、所定の位置近傍の連結部で、これら係合部とフックとは前記エアバッグの膨出方向に沿って大きな隙間寸法を有して係合する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置。
  4. 連結機構は、係合孔と、この係合孔に係合するフックとを備えた連結部を複数備え、他の位置に対して、所定の位置近傍で、連結部同士は互いに大きな間隔を介して配置された
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100989998B1 (ko) 2008-05-09 2010-10-26 아우토리브 디벨롭먼트 아베 조수석 에어백 도어

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