JP2005268374A - 半導体素子とその製造方法、及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極パッドの開口径に左右されることなく、バンプ接合荷重の印加によって電極パッドに作用する荷重を低減することができる半導体素子を提供する。
【解決手段】電極パッド12上にバンプ14が形成された半導体素子11の構成として、バンプ14を第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の2層構造にするとともに、バンプ先端部で第1のバンプ層15に形成された第1の接合平面15の面積を、バンプ基端部で電極パッド12に接合するように第2のバンプ層16に形成された第2の接合平面18よりも小さく設定する。
【選択図】図1
【解決手段】電極パッド12上にバンプ14が形成された半導体素子11の構成として、バンプ14を第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の2層構造にするとともに、バンプ先端部で第1のバンプ層15に形成された第1の接合平面15の面積を、バンプ基端部で電極パッド12に接合するように第2のバンプ層16に形成された第2の接合平面18よりも小さく設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電極パッド上にバンプが形成された半導体素子とその製造方法、及び半導体装置に関する。
高密度実装化への対応として、シリコンインターポーザなどの実装基板上に半導体素子をフリップチップ実装したものがある。フリップチップ実装では、実装基板と半導体素子との接続がバンプを介して行われる(例えば、特許文献1参照)。このバンプを半導体素子に形成する場合は、外部接続用に引き出された電極パッド上に、例えば電解メッキや無電解メッキによってバンプを形成する。
図13は従来の半導体素子のバンプ構造を示す断面図である。図においては、半導体素子31の主面上に電極パッド32が形成されている。電極パッド32は、半導体素子31の主面を覆う保護膜(オーバーコート)33を部分的に開口させた状態で形成されている。この電極パッド32にはメッキ下地用の金属膜34を介して金のバンプ35が形成されている。金属膜34はチタン、銅のスパッタリングによって形成されたもので、バンプ35は電解メッキによって形成されたものである。
具体的なバンプ形成方法としては、まず、図14(A)に示すように、電極パッド32が形成された半導体素子31の主面を覆うように保護膜33を形成した後、バンプ形成の対象となる電極パッド32が外部に露出するように保護膜33を開口させる。次に、図14(B)に示すように、半導体素子31の主面にメッキ下地用として銅のスパッタリングにより金属膜34を形成した後、図14(C)に示すように、金属膜34を覆うようにレジストマスク36を形成する。レジストマスク36には、電極パッド32の形成部位で金属膜34が露出するように開口部37を形成する。そして、このレジストマスク36の開口部37に電解メッキによって金のメッキ膜を成長させることにより、図15(A)に示すように、電極パッド32上に金属膜34を介してバンプ35を形成する。次いで、図15(B)に示すように、レジストマスク36を除去した後、図15(C)に示すように、バンプ35をマスクとして金属膜34をエッチングする。これにより、バンプ35と電極パッド32の接合界面だけに金属膜34が残る。
このようにバンプ35が形成された半導体素子31を、同じくバンプが形成された実装基板にフリップチップ方式で実装(フリップチップ実装)する場合は、フリップチップボンダーを用いて、例えば、接合時の加熱温度を200〜300℃、接合時間を数秒程度の条件で、バンプ同士を接合する。その際、バンプ同士が接触する接合部分(以下、バンプ接合部分とも記す)にはフリップチップボンダーによって規定のバンプ接合荷重が加えられる。バンプ接合荷重とは、バンプの接合に必要となる単位面積当たりの荷重をいう。例えば、バンプの外径が30μmであれば、バンプ1個あたり数gf(5〜10gf)程度のバンプ接合荷重が加えられる。
ところで、半導体素子を実装基板にフリップチップ実装して得られるSIP(System in Package)などの半導体装置には、バンプ径を小さくしたいという要求と、バンプの配列ピッチを狭くしたいという要求がある。
しかしながら従来においては、バンプ35の外径を電極パッド32の開口径よりも小さくすると、バンプ形成工程で金属膜34をエッチングしたときに電極パッド32の表面が露出してしまうため、バンプ35の外径を電極パッド32の開口径よりも大きく確保する必要があった。したがって、バンプ35の下にトランジスタが設けられている半導体素子では、トランジスタに作用する荷重を十分に小さく抑えることができなかった。
本発明に係る半導体素子は、電極パッド上にバンプが形成された半導体素子であって、バンプは、当該バンプの先端部に形成された第1の接合平面と、当該バンプの基端部で電極パッドに接合された第2の接合平面とを有するとともに、第1の接合平面の面積が第2の接合平面よりも小さいものとなっている。
本発明に係る半導体素子においては、当該半導体素子をバンプを介して実装基板に実装(フリップチップ実装)する場合に、第1の接合平面の面積が第2の接合平面よりも小さいため、より面積が大きい第2の接合平面で電極パッドの表面を完全に覆ったうえで、より面積が小さい第1の接合平面に合わせてバンプ接合荷重を小さく設定することが可能となる。また、実際に半導体素子を実装基板に実装する際には、第1の接合平面で受けたバンプ接合荷重を、第1の接合平面よりも面積が大きい第2の接合平面で分散させて電極パッドに作用させることが可能となる。
本発明に係る半導体素子の製造方法は、電極パッド上にバンプが形成されるとともに、このバンプが第1のバンプ層と第2のバンプ層によって構成された半導体素子の製造方法あって、電極パッド上に無電解メッキによって第2のバンプ層を形成する工程と、第2のバンプ層上に当該第2のバンプ層よりも小さな外径で第1のバンプ層を形成する工程とを有するものである。
本発明に係る半導体素子の製造方法においては、半導体素子の電極パッド上にバンプを形成するにあたって、まず、電極パッド上に無電解メッキによって第2のバンプ層を形成し、その後、第2のバンプ層上にこれよりも小さな外径で第1のバンプ層を形成することにより、バンプの先端部に形成される接合平面の面積がバンプの基端部に形成される接合平面よりも小さいバンプ構造が得られる。
本発明に係る半導体装置は、半導体素子をフリップチップ方式で実装基板に実装してなる半導体装置であって、半導体素子と実装基板の相対応する電極パッドをバンプによって電気的に接続するとともに、バンプの接合部分の横断面が、電極パッドに対するバンプの接合平面よりも小さいものとなっている。
本発明に係る半導体装置においては、バンプの接合部分の横断面が、電極パッドに対するバンプの接合平面よりも小さいため、実際のバンプ接合時には、バンプの接合部分に印加されるバンプ接合荷重よりも小さな荷重が電極パッドに作用するようになる。
本発明の半導体素子によれば、電極パッド上にバンプが形成された半導体素子をフリップチップ方式で実装基板に実装する場合に、バンプ先端部の第1の接合平面の面積をバンプ基端部の第2の接合平面よりも小さく設定することにより、電極パッドの開口径よりも小さな第1の接合平面に合わせてバンプ接合荷重を設定できるとともに、第1の接合平面で受けたバンプ接合荷重を、より面積が大きい第2の接合平面で分散させて電極パッドに作用させることができる。これにより、電極パッドの開口径に左右されることなく、電極パッドに作用する荷重を低減することができる。したがって、電極パッドの下にトランジスタが形成されている場合でも、バンプ接合荷重の印加に伴うトランジスタの特性変動を有効に防止することが可能となる。
本発明の半導体素子の製造方法によれば、バンプの先端部に形成される接合平面の面積がバンプの基端部に形成される接合平面よりも小さいバンプ構造が得られるため、このバンプ構造を有する半導体素子を実装基板に実装することにより、上記同様に電極パッドの開口径に左右されることなく、電極パッドに作用する荷重を低減することができる。
本発明に係る半導体装置によれば、バンプの接合部分の横断面を、電極パッドに対するバンプの接合平面よりも小さいすることで、バンプ接合時(フリップチップ実装時)には、電極パッドの開口径に左右されることなく、電極パッドに作用する荷重を低減することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る半導体素子のバンプ構造を示す断面図である。図においては、チップ状をなす半導体素子(半導体チップ)11の主面上に電極パッド12が形成されている。電極パッド12は、アルミニウムや銅などの電極材料を用いて形成されるものである。この電極パッド12は、半導体素子31の主面上において、当該主面を覆う保護膜(オーバーコート)13を部分的に開口させた状態で平面視円形に形成されている。保護膜13の開口径(パッド開口径)は電極パッド12の外周径よりも小さくなっている。これは電極パッド12の外周部に保護膜13が若干乗り上がった状態でパッド開口部が形成されているためである。
電極パッド12上には金属材料を用いてバンプ14が形成されている。バンプ14は半導体素子11の主面から突出する状態で形成されている。このバンプ14は、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の2層構造になっている。第1のバンプ層15は、第2のバンプ層16の上に直接形成されている。また、第1のバンプ層15の外径D1は、第2のバンプ層16の外径D2よりも小さく設定され、第2のバンプ層16の外径D2は、電極パッド12のパッド開口径と同一寸法になっている。
第1のバンプ層15は第1の接合平面17を一体に有し、第2のバンプ層16は第2の接合平面18を一体に有している。第1の接合平面17はバンプ14の先端部に形成され、第2の接合平面18はバンプ14の基端部(底面部)に形成されている。第1の接合平面17は、半導体素子11をシリコンインターポーザ等の実装基板(又は他の半導体素子など)に実装する際の接合面となるものである。例えば、半導体素子11が実装される実装基板側にもバンプが形成される場合は、このバンプに対して実際に接合されるバンプ14の平面が第1の接合平面17となる。
これに対して、第2の接合平面18は、バンプ14の基端部となる電極パッド12の開口部分で当該電極パッド12に接合されている。第2の接合平面18は、電極パッド12上にバンプ14を形成する際に、電極パッド12に対するバンプ14の接合面となるものである。例えば、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16によって構成されるバンプ14を電極パッド12上に形成する場合は、パッド開口部分で電極パッド12に直に接する面が第2の接合平面18となる。
ここで、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16は共に柱状に形成されている。バンプが円柱状に形成されていると仮定すると、第1の接合平面17の面積は第1のバンプ層15の外径D1に依存し、第2の接合平面18の面積は第2のバンプ層16の外径D2に依存したものとなっている。そのため、各々の接合平面17,18の大小関係は、外径D1,D2の大小関係にしたがって設定されている。すなわち、第1の接合平面17と第2の接合平面18の面積(大きさ)を比較すると、第1の接合平面17の方が第2の接合平面18よりも小さく設定されている。また、第2のバンプ層16の外径D2は電極パッド12の開口径と同一寸法となっているため、これにしたがって第1の接合平面17の面積が電極パッド12の開口面積よりも小さく設定されている。
また、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16をそれぞれ異なる金属材料(バンプ形成材料)、例えば、第1のバンプ層15をニッケル(Ni)で形成し、第2のバンプ層16を金(Au)で形成することにより、第2のバンプ層16は、第1のバンプ層15よりもヤング率が大きいという特性(応力に対して歪みにくい特性)を有している。
続いて、本発明の第1実施形態に係る半導体素子の製造方法として、特に、半導体素子の主面上にバンプを形成する際の手順(バンプ形成方法)について説明する。
まず、図2(A)に示すように、半導体素子11の主面上で半導体素子を形成する時に電極パッド12の形成部位を保護膜13で開口させる。このパッド開口部分に無電解メッキによってニッケルのメッキ皮膜を成長させることにより、図2(B)に示すように、電極パッド12の開口部分にニッケルからなる第2のバンプ層16を形成する。この場合、第2のバンプ層16は電極パッド12のパッド開口部で、パッド表面を覆うようにメッキ被膜が成長することにより形成されるため、第2のバンプ層16の外径は電極パッド12の開口径に対応したものとなる。また、電極パッド12がアルミニウムで形成されている場合は、無電解メッキによって生成されるニッケルとの密着性が低くなることも懸念される。したがって、ニッケルの無電解メッキを行う前に、例えばアルゴンガスを用いたプラズマクリーニング法によって電極パッド12の表面をウェットクリーニングすることにより、電極パッド12の表面に形成されている有機汚染物や酸化膜などを除去することが望ましい。
次いで、図2(C)に示すように、半導体素子11の主面上に、第2のバンプ層16と保護膜13を覆う状態で金属材料をスパッタリングすることにより、メッキ下地用の金属膜19を形成する。金属膜19は、例えばチタンと銅のスパッタリングによって形成される2層膜であるが、これ以外にも、クロム/銅/金の3層膜、チタン/タングステン/金の3層膜、クロム/ニッケル/金の3層膜、チタン/パラジウム/金の3層膜、チタン/銅/金の3層膜で金属膜19を形成してもよい。続いて、図2(D)に示すように、先ほど形成した金属膜19を覆う状態で半導体素子11の主面上にレジストマスク20を形成するとともに、このレジストマスク20を電極パッド12の形成部位で開口させて開口部21を形成し、この開口部21の底部に金属膜19を露出させる。この場合、レジストマスク20の開口部21の開口径は、上述のようにパッド開口部分に形成された第2のバンプ層16の外径D2(図1参照)よりも小さく設定される。
次に、図3(A)に示すように、レジストマスク20の開口部21を通して金属膜19をエッチングすることにより、当該開口部21の底部に第2のバンプ層16を露出させる。次いで、図3(B)に示すように、レジストマスク20の開口部21に電解メッキによって金のメッキ被膜を成長させることにより、当該開口部21を埋め込むように第1のバンプ層15を形成する。これにより、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16からなるバンプ14が得られる。この場合、バンプ14は、無電解メッキによるニッケルのメッキ層と、電解メッキによる金のメッキ層を順に積層した2層構造となるため、十分なバンプ高さを確保することができる。また、ニッケルからなる第2のバンプ層16の上に金の電解メッキで第1のバンプ層15を積層してバンプ14を形成しているため、このバンプ14と同じ高さのバンプを金の電解メッキだけで形成する場合に比較すると、メッキ時間を短縮してコストダウンを図ることができる。
続いて、図3(C)に示すように、半導体素子11の主面上からレジストマスク20を除去する。その後、図3(D)に示すように、半導体素子11の主面上から金属膜19をエッチングによって除去する。金属膜19のエッチングは、当該金属膜19の形成材料(例えば、銅)を選択的に溶解し得るエッチング液を用いたウェットエッチングによって行うことができる。この場合、電極パッド12は第2のバンプ層16によって被覆され、その上に金属膜19が形成されているため、金属膜19のエッチングに際して電極パッド12が露出することはない。また、上記図3(A)の段階でレジストマスク20の開口部21を通して金属膜19をエッチングしたことにより、最終的に得られるバンプ14の構成としては、第1のバンプ層15の上に第2のバンプ層16が直に形成されたものとなる。したがって、金属膜19をエッチングで除去するときに、バンプ14にくびれが生じることがない。そのため、くびれの存在によって局部的に狭い接続箇所が発生したり、電気的な抵抗値がアップしたり、バンプ接合強度が不足したりする恐れがない。
このようにして得られた半導体素子11を、例えばシリコンインターポーザや他の半導体素子(半導体チップ)からなる実装基板に実装する場合は、図4(A)に示すように、半導体素子11と実装基板111の双方に上記バンプ形成方法を適用してバンプ14,114を形成し、それらのバンプ14,114を向かい合わせるように、実装基板111上で半導体素子11を位置決めする。ちなみに、実装基板111の主面上では電極パッド112が保護膜(オーバーコート)113によって円形に開口し、このパッド開口部にバンプ114が形成されている。また、バンプ114は、第1の接合平面117を有する第1のバンプ層115と、第2の接合平面118を有する第2のバンプ層116とによって構成されている。これらの基本的な構造は半導体素子11の場合と同様の構造になっている。
続いて、実装基板111側に近づく方向で半導体素子11を移動(下降)させることにより、図4(B)に示すように、双方のバンプ14,114を互いに接触させて突き合わせる。このとき、バンプ14,114同士の接触面の大きさは、各々のバンプ14,114の先端部に形成された第1の接合平面17,117の面積に依存したものとなる。したがって、第1の接合平面17、117の接触界面に規定のバンプ接合荷重(バンプ接合に必要となる荷重)を加えることにより、バンプ14,114同士を接合することができる。バンプ接合は、バンプ14,114同士の接合部分(接触界面)に規定のバンプ接合荷重を印加するだけでなく、バンプ接合部分に熱又は超音波を加えてもよいし、それらを併用して接合してもよい。
その際、実装基板111と半導体素子11のバンプ接合部分に加えられるバンプ接合荷重は、半導体素子11側において、第1のバンプ層15から第2のバンプ層16を介して電極パッド12に作用する。この場合、バンプ14の構造として、バンプ接合部分の外径が第1の接合平面17の面積に依存し、この面積よりも広い面積をもつ第2の接合平面18で第2のバンプ層16が電極パッド12に接合している。そのため、バンプ14全体でみると、バンプ先端部の第1の接合平面17で受けたバンプ接合荷重が、バンプ基端部では第1の接合平面17よりも広い面積をもつ第2の接合平面18を介して電極パッド12に作用することになる。したがって、バンプ接合部分に加えられるバンプ接合荷重を、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の間で分散させることにより、電極パッド12に作用する荷重を低減することができる。
特に、第2のバンプ層16のヤング率を第1のバンプ層15よりも大きくした場合は、第2のバンプ層16の厚みを第1のバンプ層15より薄くしても、第2のバンプ層16に第1のバンプ層15よりも高い剛性をもたせることができる。これにより、バンプ接合部分にバンプ接合荷重が加えられたときに、第2のバンプ層16が第1のバンプ層15よりも変形しにくいものとなる。そのため、第1のバンプ層15で受けた荷重を第2のバンプ層16全体に分散させることができる。よって、第2のバンプ層16の厚みを厚くしなくても、第2の接合平面18全体に均一に荷重をかけて電極パッド12に作用する荷重を低減することができる。
このように実装基板111に半導体素子11をフリップチップ実装して得られる半導体装置(半導体パッケージ)においては、バンプ接合部分を半導体素子11の主面と平行に断面したときの横断面が第1の接合平面17,117の面積に依存したものとなる。そのため、電極パッド12,112に対するバンプ14,114の接合平面に比較して、バンプ接合部分の横断面が小さくなる。したがって、電極パッド12,112に対するバンプ14,114の接合平面をパッド開口径に合わせて大きく確保したうえで、より小さいバンプ接合荷重をもってバンプ14,114同士を接合することができる。そのため、半導体素子11においては、電極パッド12の開口径に左右されることなく、1個のバンプ14に印加すべきバンプ接合荷重を低減することができる。また、各々のバンプ14に印加されたバンプ接合荷重を第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の間で分散して低減させることができる。したがって、例えば、半導体素子11の構成として、バンプ14の下にトランジスタが形成されている場合でも、電極パッド12を介してトランジスタに作用する荷重を小さく抑えてトランジスタの特性変動を防止することができる。また、実装基板111が半導体素子で構成され且つバンプ114の下にトランジスタが形成されている場合も、上記同様の理由により、トランジスタに作用する荷重を小さく抑えてトランジスタの特性変動を防止することができる。
なお、上記第1実施形態においては、半導体素子11と実装基板111の双方に同様の構造を有するバンプ14,114を形成して、それらのバンプ14,114同士を接合するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図5(A)に示すように、実装基板111上に上記同様のバンプ114を形成し、これに対応する半導体素子11の電極パッド12上には無電解メッキによるニッケルのバンプ層22と、このバンプ層22の表面を被覆する金のメッキ層23によってバンプ24を形成し、それらのバンプ114,24同士を接合するものとしてもよい。この場合は、半導体素子11側のバンプ24の接合平面25が電極パッド12の開口径とほぼ同等の寸法をもって広く確保される。
したがって、図5(B)に示すように、実装基板111上で半導体素子11を位置決めしてからバンプ114,24同士を接触させた際に、半導体素子11に多少の位置ずれが生じていても、バンプ24の接合平面25からバンプ114の接合平面117が外れない限り、バンプ接合部分の接触面積を一定に維持することができる。また、バンプ接合して得られる半導体装置の構成としては、第1のバンプ層115の外径によって規定されるバンプ接合部分の横断面が、電極パッド12,112に対するバンプ14,114の接合平面よりも小さくなるため、上記同様の効果が得られる。また、半導体素子11の製造工程では、バンプ形成に際して、無電解メッキでニッケルのバンプ層22と金のメッキ層23を順に形成するだけで済むため、バンプ形成が容易になる。なお、図5(A),(B)においては、半導体素子11のバンプ構造と実装基板111のバンプ構造を入れ替えた構成としてもよい。
図6は本発明の第2実施形態に係る半導体素子のバンプ構造を示す断面図である。この第2実施形態に係る半導体素子の構成においては、上記第1実施形態の構成と比較して、バンプ14を第1のバンプ層15と第2のバンプ層16によって形成している点や、バンプ先端部に形成された第1の接合平面17とバンプ基端部に形成された第2の接合平面18の大小関係、さらには第1のバンプ層15と第2のバンプ層16のヤング率の大小関係は共通しているものの、バンプ14を構成する第1のバンプ層15と第2のバンプ層16との間に金属膜19が介在(残存)し、この金属膜19を含んでバンプ14を構成している点は異なっている。
このようなバンプ構造をもつ半導体素子を製造する場合は、上記図2(A)〜(D)と同様の工程を経て、図7(A)に示すように、半導体素子11の主面上に第2のバンプ層16、金属膜19及びレジストマスク20を形成した後、図7(B)に示すように、レジストマスク20の開口部21に電解メッキによって金のメッキ被膜を成長させることにより、当該開口部21を埋め込むように第1のバンプ層15を形成する。この場合、第2のバンプ層16の上に金属膜19が積層されているため、この金属膜19を通して電解メッキ用の電流を安定的に流すことができる。また、こうして第1のバンプ層15を電解メッキによって形成することにより、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の間に金属膜19が介在した構造のバンプ14が得られる。
続いて、図7(C)に示すように、半導体素子11の主面上からレジストマスク20を除去する。その後、図7(D)に示すように、半導体素子11の主面上から金属膜19をエッチングによって除去する。金属膜19のエッチングは、当該金属膜19の形成材料(例えば、銅)を選択的に溶解し得るエッチング液を用いたウェットエッチングによって行うことができる。この場合、電極パッド12は第2のバンプ層16によって被覆され、その上に金属膜19が形成されているため、金属膜19のエッチングに際して電極パッド12が露出することはない。
図8は本発明の第3実施形態に係る半導体素子のバンプ構造を示す断面図である。この第3実施形態に係る半導体素子の構成においては、上記第1実施形態の構成と比較して、バンプ14を第1のバンプ層15と第2のバンプ層16によって形成している点や、バンプ先端部に形成された第1の接合平面17とバンプ基端部に形成された第2の接合平面18の大小関係、さらには第1のバンプ層15と第2のバンプ層16のヤング率の大小関係は共通しているものの、バンプ14を構成する第1のバンプ層15と第2のバンプ層16との間に中間膜26が介在し、この金属膜26を含んでバンプ14を構成している点は異なっている。中間膜26は、例えば、第2のバンプ層16と同様に金を用いて形成されるものである。この中間膜26は、電極パッド12の開口部に形成された第1のバンプ層15の表面を全体的に覆う状態で形成されている。そして、この中間膜26の上に第2のバンプ層16が形成されている。
このようなバンプ構造をもつ半導体素子を製造する場合は、まず、図9(A)に示すように、半導体素子11の主面を覆う保護膜13で開口させた電極パッド12の開口部分に無電解メッキによってニッケルのメッキ皮膜を成長させることにより、電極パッド12の開口部分にニッケルからなる第2のバンプ層16を形成する。次に、図9(B)に示すように、第2のバンプ層16の表面に無電解メッキ(フラッシュメッキ)で金のメッキ皮膜を成長させることにより、中間膜26を形成する。この時点では、第2のバンプ層16の表面が、金のメッキ皮膜である中間膜26で覆われた構造となる。この構造は、上記図5(A)において、半導体素子11の主面に形成されたバンプ24と実質的に同様の構造となる。すなわち、第2のバンプ層16はバンプ層22に相当し、中間膜26はメッキ層23に相当するものとなる。したがって、この時点でバンプ形成を終了すれば、上記図5(A)に示したバンプ構造を有する半導体素子が得られることになる。
次いで、図9(C)に示すように、半導体素子11の主面上に、中間膜26と保護膜13を覆う状態で金属材料(例えば、銅)をスパッタリングすることにより、メッキ下地用の金属膜19を形成する。続いて、図9(D)に示すように、先ほど形成した金属膜19を覆う状態で半導体素子11の主面上にレジストマスク20を形成するとともに、このレジストマスク20を電極パッド12の形成部位で開口させて開口部21を形成し、この開口部21の底部に金属膜19を露出させる。この場合、レジストマスク20の開口部21の開口径は、上述のようにパッド開口部分に形成された第2のバンプ層16の外径(電極パッド12の開口径)よりも小さく設定される。
次に、図10(A)に示すように、レジストマスク20の開口部21を通して金属膜19をエッチングすることにより、当該開口部21の底部に中間膜26を露出させる。次いで、図10(B)に示すように、レジストマスク20の開口部21に電解メッキによって金のメッキ被膜を成長させることにより、当該開口部21を埋め込むように第1のバンプ層15を形成する。これにより、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の間に中間膜26が介在した構造のバンプ14が得られる。
続いて、図10(C)に示すように、半導体素子11の主面上からレジストマスク20を除去する。その後、図10(D)に示すように、半導体素子11の主面上から金属膜19をエッチングによって除去する。このとき、第1のバンプ層15とその下の中間膜26をエッチングマスクとして機能させることができる。そのため、半導体素子11の主面上で金属膜19だけを選択的にエッチングすることができる。
図11は本発明の第4実施形態に係る半導体素子のバンプ構造を示す断面図である。この第4実施形態に係る半導体素子の構成においては、上記第2実施形態の構成と比較して、バンプ14を第1のバンプ層15と第2のバンプ層16によって形成している点や、バンプ先端部に形成された第1の接合平面17とバンプ基端部に形成された第2の接合平面18の大小関係、さらには第1のバンプ層15と第2のバンプ層16のヤング率の大小関係や、バンプ14を構成する第1のバンプ層15と第2のバンプ層16との間に中間膜26が介在している点は共通するものの、バンプ14を構成する第1のバンプ層15と第2のバンプ層16との間に中間膜26と金属膜19が介在し、これらの中間膜26と金属膜膜19を含んでバンプ14を構成している点は異なっている。中間膜26は、電極パッド12の開口部に形成された第1のバンプ層15の表面を全体的に覆う状態で形成されている。そして、この中間膜26の上に金属膜19が形成され、さらにこの金属膜19の上に第2のバンプ層16が形成されている。
このようなバンプ構造をもつ半導体素子を製造する場合は、上記図9(A)〜(D)と同様の工程を経て、図12(A)に示すように、半導体素子11の主面上に第2のバンプ層16、中間膜26、金属膜19及びレジストマスク20を形成した後、図12(B)に示すように、レジストマスク20の開口部21に電解メッキによって金のメッキ被膜を成長させることにより、当該開口部21を埋め込むように第1のバンプ層15を形成する。この場合、第2のバンプ層16の上に中間層26を介して金属膜19が積層されているため、この金属膜19を通して電解メッキ用の電流を安定的に流すことができる。また、こうして第1のバンプ層15を電解メッキによって形成することにより、第1のバンプ層15と第2のバンプ層16の間に、中間膜26と金属膜19が介在した構造のバンプ14が得られる。
続いて、図12(C)に示すように、半導体素子11の主面上からレジストマスク20を除去する。その後、図12(D)に示すように、半導体素子11の主面上から金属膜19をエッチングによって除去する。この場合、電極パッド12は第2のバンプ層16によって被覆され、その上に金の中間層26を介して金属膜19が形成されているため、金属膜19のエッチングに際して電極パッド12が露出することはない。
11…半導体素子、12…電極パッド、13…保護膜、14…バンプ、15…第1のバンプ層、16…第2のバンプ層、17…第1の接合平面、18…第2の接合平面、19…金属膜
Claims (6)
- 電極パッド上にバンプが形成された半導体素子であって、
前記バンプは、当該バンプの先端部に形成された第1の接合平面と、当該バンプの基端部で前記電極パッドに接合された第2の接合平面とを有するとともに、前記第1の接合平面の面積が前記第2の接合平面よりも小さい
ことを特徴とする半導体素子。 - 前記バンプは、前記第1の接合平面を有する第1のバンプ層と、前記第2の接合平面を有する第2のバンプ層とを有するとともに、前記第2のバンプ層のヤング率が前記第1のバンプ層よりも大きい
ことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。 - 前記第1のバンプ層を金又は半田によって形成するとともに、前記第2のバンプ層をニッケルによって形成してなる
ことを特徴とする請求項2記載の半導体素子。 - 電極パッド上にバンプが形成されるとともに、前記バンプが第1のバンプ層と第2のバンプ層によって構成された半導体素子の製造方法であって、
前記電極パッド上に無電解メッキによって前記第2のバンプ層を形成する工程と、
前記第2のバンプ層上に当該第2のバンプ層よりも小さな外径で前記第1のバンプ層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 前記第2のバンプ層をニッケルの無電解メッキによって形成するとともに、前記第1のバンプ層を金又は半田の電解メッキによって形成する
ことを特徴とする請求項4記載の半導体素子の製造方法。 - 半導体素子をフリップチップ方式で実装基板に実装してなる半導体装置であって、
前記半導体素子と前記実装基板の相対応する電極パッドをバンプによって電気的に接続するとともに、前記バンプの接合部分の横断面が、前記電極パッドに対する前記バンプの接合平面よりも小さい
ことを特徴とする半導体装置。
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-
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- 2004-03-17 JP JP2004075847A patent/JP2005268374A/ja active Pending
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